JP3367191B2 - レンズのアクセサリ着脱機構 - Google Patents

レンズのアクセサリ着脱機構

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JP3367191B2
JP3367191B2 JP02788094A JP2788094A JP3367191B2 JP 3367191 B2 JP3367191 B2 JP 3367191B2 JP 02788094 A JP02788094 A JP 02788094A JP 2788094 A JP2788094 A JP 2788094A JP 3367191 B2 JP3367191 B2 JP 3367191B2
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司雄 滝沢
松田  淳
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ペンタックス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ鏡筒の先端部に
アクセサリを着脱するための着脱機構に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】レンズ鏡筒は、レンズ画
角以外からの有害光線を防止するためのレンズフード等
のアクセサリをその鏡筒先端部に取り付け可能なものが
ある。従来、レンズ鏡筒にレンズフード等のアクセサリ
を着脱する手段としてバヨネット機構を採用していたも
のでは、回動装着および回動脱着時、レンズ鏡筒とアク
セサリそれぞれの所定の部材を互いに摺動摩擦させて一
定のトルク(以後「着脱トルク」と称す)を発生させて
互いを結合する構造としていた。この着脱トルクは、ア
クセサリの脱落防止、装着状態でのがたつき防止、回動
装着および回動脱着途中での着脱感を与える等のために
必要とされていた。しかしながら、この構造によると上
述のように摺動部での摩擦による摩耗は避けられず、摩
擦によって摺動部表面に傷が付き、さらには摩耗により
着脱トルクの低下を引き起こす、という問題があった。
レンズ鏡筒の先端部は特に目に付き易い箇所であるた
め、傷が付くことは外観上好ましくない。また着脱トル
クの低下は、アクセサリを脱落させる主たる原因とな
る。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上述のような従来の問題点に
鑑みて成されたもので、着脱が容易で、傷が付きにく
く、十分な着脱感が得られ、不用意に装着状態が解除さ
れてアクセサリが脱落することのないレンズのアクセサ
リ着脱機構を提供することを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、レンズ鏡筒先端の筒状部に、
アクセサリの筒状部を着脱するための機構であって、上
記アクサセリの筒状部内周に、該筒状部の軸線と平行な
回転支軸を有し、該筒状部内面に露出する複数のローラ
を支持し、上記レンズ鏡筒の筒状部外周に、上記ローラ
の一端面に当接してその光軸方向位置を規制するフラン
ジ;このフランジとの間に上記ローラを挟持可能な複数
のバヨネット爪;このバヨネット爪に隣接させて設けた
ローラ進入部;および、このフランジとバヨネット爪の
間に形成された、ローラ進入部より大径の大フリクショ
ン部及びローラ進入部より大径で大フリクション部より
小径のクリック部とを設けたことを特徴としている。
【0005】
【実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説明す
る。図1と図13はそれぞれ、本発明の着脱機構を適用
したレンズ鏡筒20の縦断面図、およびレンズ鏡筒20
の先端部に取り付けたレンズフード10の斜視図であ
る。レンズ鏡筒20は、例えば一眼レフカメラに用いら
れる交換式レンズの鏡筒であり、その内部前方には撮影
レンズL1、L2、L3およびL4が被写体側から順に
設けられている。撮影レンズL1は、レンズ押え環22
によりレンズ保持枠21に固定されており、撮影レンズ
L2、L3、L4はそれぞれ押え環23、24および2
5、26によりレンズ保持枠21に固定されている。レ
ンズ保持枠21は、継ぎ環27とねじ結合により一体に
固定されており、継ぎ環27はねじ28により外環30
に固定されている。
【0006】レンズ鏡筒20の外装の一部を構成する外
環30の先端部30aに、レンズフード取付環31が嵌
め込まれている。このレンズフード取付環31は、円周
方向に等角度間隔で設けられた複数のねじ32により、
先端部30aに固定されている。上記レンズフード取付
環31の先端部31aの内周面に、フィルター等のアク
セサリを着脱するための雌ねじ33が形成されている。
【0007】レンズフード10はその先端部10aに、
該先端部を保護するためのフード保護環1を備えてい
る。このフード保護環1は、その内周に形成された係合
部1aを、レンズフード10の先端部外周に形成した係
合溝部11に係合させている。レンズフード10の後端
部10bは、レンズフード取付環31の先端部31aに
対して着脱可能に構成されている。この着脱機構の詳細
を以下に述べる。
【0008】図2は、レンズフード10とレンズフード
取付環31との係合部分を拡大して示す断面図であり、
図3〜図5は、レンズフード10をレンズフード取付環
31に装着する過程を順に示す、図2のA-A 線に沿わせ
たレンズフード10の断面図である。レンズフード取付
環31は、その外周の円周方向に等角度間隔で外方に向
けて突出成形されたバヨネット爪35を備えている。こ
のバヨネット爪35は、後述のフランジ38との間に使
用時係合ローラ3aと非使用時係合ローラ3bを挟持す
るもので、図3に示すように、レンズフード取付環31
の円周方向にそれぞれ90゜ずつ位置を異ならせて4箇
所に形成されている。
【0009】レンズフード取付環31の外周には、バヨ
ネット爪35の軸方向後方側に位置して、この取付環3
1の円周方向の全域に亘ってその半径方向に突出する、
使用時係合ローラ3aと非使用時係合ローラ3bの後端
面に当接してその軸方向位置を規制すべきフランジ38
が形成されている。上記4箇所のバヨネット爪35はそ
れぞれ、図2、3および図6に示すように、フランジ3
8と平行となるようにかつ該フランジ38と略同一の外
径を有するように形成されている。レンズフード取付環
31の円周方向におけるそれぞれのバヨネット爪35の
間には、該バヨネット爪35に隣接させたローラ進入部
35aが形成されている。このローラ進入部35aは、
レンズフード取付環31にレンズフード10を取り付け
る際に、使用時係合ローラ3aと非使用時係合ローラ3
bを軸方向後方に向けて進入させる。使用時係合ローラ
3aは、レンズフード10を、そのフード保護環1を前
方に位置させた使用状態(図13)でレンズ鏡筒20に
装着する際にクリック部36cと係合し(図7)、非使
用時係合ローラ3bは、レンズフード10を、そのフー
ド保護環1を後方に位置させた非使用状態(図16)で
レンズ鏡筒20に装着する際にクリック部36cと係合
する。
【0010】フランジ38とバヨネット爪35の間に
は、レンズフード10側に支持した使用時係合ローラ3
aと非使用時係合ローラ3bを案内移動させるための案
内溝36が形成されている。この案内溝36は、レンズ
フード10の軸方向における幅が、使用時係合ローラ3
aおよび非使用時係合ローラ3bの軸方向における幅
(厚さ)よりわずかに大きく形成されていて、該使用時
係合ローラ3aおよび非使用時係合ローラ3bを、その
回転方向には円滑に案内移動させかつ軸方向(スラスト
方向)にはガタ付かせないように保持する。
【0011】案内溝36は、ローラ進入部35aと対応
する部分から所定距離の間には、先端部31aの外周面
31bと略同じ外径とされた案内部36dを有してお
り、この案内部36dから図3の時計回り方向に、案内
傾斜面(大フリクション部)36a、平坦状面(大フリ
クション部)36b、およびクリック部36cが順に形
成されている。案内傾斜面36aは、ローラ進入部35
aから次第に大径となるように構成され、平坦状面36
bは、この案内傾斜面36aに連続しその径が一定とな
るように構成され、クリック部36cは、ローラ進入部
35aより大径で、平坦状面36bより小径となるよう
に構成されている。すなわち、案内傾斜面36a、平坦
状面36bに内接する光軸Xを中心とした仮想内接円形
(図示せず)は、ローラ進入部35aの光軸Xを中心と
する外径よりも大きく設定され、またクリック部36c
に内接する光軸Xを中心とした仮想内接円形(図示せ
ず)は、平坦状面36bの光軸Xを中心とする外径より
も小さく設定されている。
【0012】クリック部36cの平坦状面36bと反対
側に、バヨネット爪35とフランジ38を連結する連結
部37が形成されている。この連結部37は、バヨネッ
ト爪35とフランジ38と同じ外径で、平坦状面36b
より大径に形成されているため、クリック部36cに係
合した使用時係合ローラ3aをこのクリック部36cか
らそれ以上同方向に移動させないように規制する。連結
部37にはまた、案内傾斜面36aと反対側に位置する
ように規制傾斜面37aが形成されている。この規制傾
斜面37aは、図3において、レンズフード10を反時
計回り方向に回転させたときに、非使用時係合ローラ3
bを係止してそれ以上の移動を阻止するためのもので、
その曲率は該非使用時係合ローラ3bの外周面の曲率と
略同じに構成されている。
【0013】またレンズフード10の後端部10bは、
このレンズフード10と一体的に形成した内周フランジ
41と、この内周フランジ41に接合した環状部材42
とを備えている。内周フランジ41の内周側には、使用
時係合ローラ3a又は非使用時係合ローラ3bの光軸X
に沿わせた状態の回転支軸43を回転可能に支持する支
持長孔41aが、レンズフード10の半径方向に沿わせ
て計8箇所形成されている。この支持長孔41aは、図
8に示されるように、回転支軸43を最も内周側に位置
させた状態において、使用時係合ローラ3a又は非使用
時係合ローラ3bの外周面を適度に内周側に露出させる
ようにその形状が決定されている。
【0014】また図9に示すように、環状部材42のレ
ンズフード10と接合されるべき側面には、この環状部
材42の円周方向に沿わせて環状収納部42bが形成さ
れている。この環状収納部42bは、使用時係合ローラ
3a、非使用時係合ローラ3bおよびリングばね40を
収納すべきもので、レンズフード10側の複数の支持長
孔41aと対応する位置にはそれぞれ、使用時係合ロー
ラ3a又は非使用時係合ローラ3bの回転支軸43を回
転可能かつ半径方向移動可能に支持する支持長孔42a
が形成されている。環状部材42の内周に位置する、環
状収納部42bの内周壁61には、各支持長孔42aに
対応させてローラ進退用開口61が形成されている。従
って、回転支軸43の両端部を支持長孔41aと42a
に挿通させかつローラ本体を環状収納部42bに収納し
た状態で、環状部材42をレンズフード10の後端面に
ねじ止めすることにより、使用時係合ローラ3a又は非
使用時係合ローラ3bを、レンズフード10の後端部
(筒状部)10bの内面に露出させかつその回転支軸4
3を該レンズフード10の後端部10bの軸線(光軸
X)と平行な状態に保持することができる。この状態に
おいて、使用時係合ローラ3aと非使用時係合ローラ3
bに内接する光軸Xを中心とした仮想内接円形(図示せ
ず)は、レンズ鏡筒側の外周面31b(図6、図7)の
光軸Xを中心とする外径よりも若干量大きくなるように
設定されている。
【0015】図3に示されるように、レンズフード10
の後端部10bに支持された計8個の使用時係合ローラ
3aおよび非使用時係合ローラ3bには、1個のリング
ばね40が同時に掛け回されている。このリングばね4
0は、図10および図11に示されるように、軸(光軸
X)方向の幅をb、およびレンズフード半径方向の幅を
hとするとき、そのばね荷重Fは、上記リングばね40
の断面二次モーメントI=(1/12)bh3 に比例する。な
お、使用時係合ローラ3aと非使用時係合ローラ3b
は、摩擦係数の小さいポリアセタール等の合成樹脂材料
により構成するのが良い。
【0016】以下、本発明の装着機構に関わる各種部材
の機能を、レンズフード10の装着手順を追って説明す
る。図3は、レンズフード10にそれぞれ等角度間隔で
支持した使用時係合ローラ3aと非使用時係合ローラ3
bをローラ進入部35aから軸方向後方に進入させた装
着前状態を示している。この状態において、使用時係合
ローラ3aと非使用時係合ローラ3bとはローラ進入部
35aに位置しており、該使用時係合ローラ3aは、ク
リック部36cに対し光軸Xを中心とする45゜の角度
で位置している。このような図3に示す状態から、レン
ズフード10をレンズ鏡筒20に対して時計回り方向に
所定量回転させると、図4に示す状態となる。
【0017】この状態では、使用時係合ローラ3aは、
案内溝36の案内部36dを通って案内傾斜面36aに
当接した、平坦状面36bへの乗り上げ直前位置にあ
る。このとき、非使用時係合ローラ3bは、案内部36
d上においてバヨネット爪35と若干干渉した状態にさ
れている。
【0018】この図4に示す状態から、さらにレンズフ
ード10をレンズ鏡筒20に対して時計回り方向に回転
させると、使用時係合ローラ3aは、平坦状面36bに
乗り上がり、レンズフード10の回転に伴なって平坦状
面36b上を転動する。この平坦状面36bに乗り上が
るとき、使用時係合ローラ3aは、その回転支軸43を
支持長孔41aと42aに支持された状態でリングばね
40を外方に押し広げ、これを弾性変形させる。これに
より、光軸Xを中心とする半径方向において、使用時係
合ローラ3aと平坦状面36bとが互いに押し合う力が
発生する。この押圧力によって、レンズフード10を回
転させる際に一定の着脱トルクTが発生する。
【0019】図5は、レンズフード10をさらに回転さ
せた後の装着完了状態を示している。この状態におい
て、使用時係合ローラ3aは、図3に示した位置から4
5゜回転して案内溝36に形成されたクリック部36c
に係合している。そして連結部37が、該クリック部3
6cと隣接する部位に使用時係合ローラ3aを当接させ
て、レンズフード10のさらなる回転を規制している。
なお、レンズフード10の取り外しは、上述した装着順
序と逆に行なえば良い。
【0020】図12は、レンズフード10のレンズ鏡筒
20に対する着脱角θと、上述の着脱トルクTとの相関
関係を示しており、着脱角0゜は図3の状態に対応して
いる。図3は、使用時係合ローラ3aと非使用時係合ロ
ーラ3bを共にローラ進入部35a上に位置させ、かつ
使用時係合ローラ3aをバヨネット爪35に干渉させ
ず、非使用時係合ローラ3bと規制傾斜面37aとの間
に若干の遊びを残した状態を示す。図12の着脱角θa
は、図4の状態に対応し、着脱角θa〜θbは、使用時
係合ローラ3aが案内傾斜面36aに乗り上げるときの
状態に対応し、着脱角θb〜θcは、使用時係合ローラ
3aが平坦状面36bを転動するときの状態に対応す
る。本第一の実施例において、装着位置での着脱角θd
即ち、バヨネット爪35と干渉しない図3の位置からク
リック部36cに係合する位置への使用時係合ローラ3
aの回転角は45゜に設定されている。図12の着脱角
θdは、図5の装着完了状態に対応する。図12によれ
ば、使用時係合ローラ3aが装着位置に到るとき、着脱
トルクTが急激に下がるということが分かる。逆にいう
と、レンズフード10を装着完了状態から取り外し方向
に回転させるときにも、適度の着脱トルクTが必要とな
り、これによってレンズフード10が不用意に外れない
ようにされていることが分かる。
【0021】本レンズフード10は、その非使用時にお
いて、図16のようにフード保護環1をレンズ鏡筒20
側に向けると、フード本体全体をレンズ鏡筒20に覆い
被せることができ、この状態においてレンズ鏡筒20に
対し着脱可能とされる。図14に、非使用時におけるレ
ンズ鏡筒20と、逆向きに装着したレンズフード10を
示す。図15は、この状態におけるレンズフード10と
レンズフード取付環31の要部を拡大して示した断面図
である。
【0022】このようにしてレンズフード10をレンズ
鏡筒20に対し逆向きで装着する場合は、使用時係合ロ
ーラ3aと非使用時係合ローラ3bの位置関係が図3〜
図5において全く逆になるだけであるから、特に図示は
しない。その際の着脱トルクTと着脱角θとの関係は、
図12に示した相関関係と同様になる。
【0023】図3〜図5を代用して非使用時における装
着機構の各種部材の機能を説明する。すなわち、図3の
装着前状態において、非使用時係合ローラ3bと使用時
係合ローラ3aとはローラ進入部35a上に位置してい
る。このとき、装着前の位置からクリック部36cまで
の非使用時係合ローラ3bの回転角、即ち着脱角θdは
45゜とされている。また、使用時係合ローラ3aと規
制傾斜面37aとの間には若干の遊びが残されている。
この状態から、レンズフード10をレンズ鏡筒20に対
して時計回り方向に所定量回転させると、図4に示す状
態となる。
【0024】この状態では、非使用時係合ローラ3b
は、案内溝36の案内傾斜面36aにおいて平坦状面3
6bに乗り上がる直前位置にあり、使用時係合ローラ3
aは、ローラ進入部35aに位置している。この状態か
ら、レンズフード10をさらに時計回り方向に回転させ
ると、非使用時係合ローラ3bは、平坦状面36bに乗
り上げて該平坦状面36b上を転がる。この平坦状面3
6bに乗り上げるとき、非使用時係合ローラ3bがリン
グばね40を外方に押し広げるため、光軸Xを中心とす
る半径方向での非使用時係合ローラ3bと平坦状面36
b間において互いに押し合う力が発生する。この押圧力
により、レンズフード10を回転させる際の着脱トルク
Tが発生する。
【0025】そして図5の装着完了状態において、非使
用時係合ローラ3bは、案内溝36のクリック部36c
に係合しかつ連結部37の端部に当接するため、レンズ
フード10はさらなる回転が規制される。この場合も、
レンズフード10を装着完了状態から取り外し方向に回
転させるときは、適度の着脱トルクTが必要であり、こ
れによりレンズフード10が不用意に外れないようにさ
れる。
【0026】案内溝36のクリック部36cに使用時係
合ローラ3a又は非使用時係合ローラ3bを係合させた
装着位置からレンズフード10をさらに図5の時計方向
に回転させる際の着脱トルクTは、例えば連結部37の
外径をRとし、使用時又は非使用時係合ローラ3a、3
bの直径をdとし、リングばね40のレンズフード半径
方向の幅をhとし、環状収納部42bの内壁42d(図
9)の内径をDとするとき、R+d+2h>Dの条件を
満たすように構成すれば、図12と図18の二点鎖線で
示すように、装着完了状態からレンズフード10をさら
に回転させる際の着脱トルクTを極めて大きくして回転
不能とすることができる。
【0027】次に、レンズフード10を使用時と非使用
時とで向きを変えたときの対称性を考慮した第二の実施
例を、図22と図23を用いて説明する。この実施例に
おいて、使用時係合ローラ3aをバヨネット爪35と干
渉する直前の位置からクリック部36cと係合する装着
位置まで回転させるときの回転角(着脱角θd)と、非
使用時係合ローラ3bと隣り合うクリック部36cとで
なす角度θ0 は、共に22.5゜に設定されている。こ
れは、θ0 、θd、及び同一のクリック領域において隣
り合う係合ローラ3aと係合ローラ3bとでなす角度θ
1 の間に、θ0=θd=(90゜−θ1 )/2 の関係が
あり、かつ本実施例において角度θ1 が45゜に設定さ
れていることによる。また、本実施例においてバヨネッ
ト爪35は、使用時係合ローラ3aの位置の関係上、第
一の実施例に比して周方向に短く形成されていて、レン
ズフード10の使用時又は非使用時には、使用時係合ロ
ーラ3aだけと干渉する。
【0028】本実施例のレンズフード10は、図22に
示されるように、x軸に対する同図上下及びy軸に対す
る左右において、線対称の関係が成立している。従っ
て、本実施例では、使用時係合ローラ3aと非使用時係
合ローラ3bとが、図13に示した使用状態及び図16
に示した非使用状態において、レンズフード10を装着
したときのレンズ鏡筒20に対する回転方向位置を同じ
にすることができる。これにより、例えばレンズフード
が角型である場合に、レンズ鏡筒20に対する装着時の
回転位置がずれて外観を損なう等の不都合をなくするこ
とができる。すなわち、図22の装着前位置において、
二点鎖線HaとHbを、角型レンズフードの平行する上
面と下面とする場合、レンズフードをθdだけ時計方向
に回転させると、上面、下面Ha、Hbがそれぞれ図2
3のHa1 、Hb1 のように位置する。他方、非使用時
にレンズフードをレンズ鏡筒20に装着する場合は、該
レンズフードの向きを反対にして、上面と下面をHa2
、Hb2 のように、使用装着時と同様に傾斜させて、
時計方向にθdだけ回転させる。すると、各クリック部
36cには、使用装着時に係合したものとは別の使用時
係合ローラ3aがそれぞれに係合されるため、Ha2 、
Hb2 はHa1 、Hb1 と平行になる。
【0029】また第一、第二の実施例では、使用時、非
使用時係合ローラ3a、3bを係合させるために、案内
部36d、案内傾斜面36a、平坦状面36bおよびク
リック部36cを順に形成した案内溝36を用いたが、
この案内溝36に対応する部分を図17に示すように、
その外径が次第に大きくなる滑らかな案内曲面(大フリ
クション部)47として構成すれば、図18に示すよう
に、着脱角θに対する着脱トルクTの変化を滑らかにす
ることができる。その際、クリック部36cに対応する
部位を図17のように、例えば両側面を90゜で交わる
平坦状面として構成すれば、装着位置に至るクリック感
を異ならせることができる。
【0030】さらに第一、第二の実施例では、使用時、
非使用時係合ローラ3a、3bを回転可能に支持する場
合、レンズフード10の後端部10bに該フード10の
半径方向に沿わせて支持長孔41a、42aを形成し、
係合ローラ3a、3bの回転支軸43を、該支持長孔4
1a、42a内で移動自在に支持したが、図19に示す
ように、レンズフード10の後端部10bに、上記係合
ローラ3a、3bを半径方向に摺動案内する摺動溝45
を形成し、かつ該摺動溝45の光軸Xに直交する方向の
内壁に、該係合ローラ3a、3bの回転支軸43をその
内側で移動させるべき支持円孔50を形成して、該係合
ローラ3a、3bをリングばね40によって半径方向内
方に向けて付勢する構成とすることもできる。
【0031】また第一、第二の実施例では、使用時、非
使用時係合ローラ3a、3bに付勢力を付与するリング
ばね40を、図10、図11に示すように、半径方向の
幅hと軸(光軸X)方向の幅bとを略同様のサイズとし
て構成したが、図20、図21に示すように、軸方向の
幅bをb′として半径方向の幅hに比して薄くしたリン
グばね40′として構成することもできる。この場合
は、半径方向の幅hをリングばね40のそれより若干長
めに形成すれば、荷重Fを、このリングばね40と同様
にすることができる。なお、リングばね40、40′に
は、その断面形状が矩形状のもの以外に、例えば断面円
形のワイヤーを用いることもできる。また使用時、非使
用時係合ローラ3a、3bの軸方向両側部に図20、図
21に示すようなフランジ46を形成すれば、リングば
ね40′の付勢力をより確実に該係合ローラ3a、3b
に付与することができる。
【0032】上記第一、第二の実施例では、係合ローラ
を、使用時、非使用時係合ローラ3a、3bとして一対
用意し、使用時と非使用時とでクリック部36cに異な
るローラを係合させたが、図24と図25に示すよう
に、係合ローラを一対とせずに1個の係合ローラ3cの
みを設け、使用時と非使用時において該1個の係合ロー
ラ3cをクリック部36cに係合させるように構成する
こともできる。この第三の実施例において、バヨネット
爪35は、第一の実施例と同じ周方向長さに設定され、
バヨネット爪35に干渉する直前位置にある使用時係合
ローラ3aとクリック部36cとでなす回転角(θd)
が、45゜に設定されている。本第三の実施例によって
も、第二の実施例で説明したような、使用時と非使用時
においての角型レンズフードの対称性を実現させること
ができる。
【0033】上記第一、第二、第三の実施例では、レン
ズ鏡筒20に装着するアクセサリをレンズフードに限っ
て説明したが、本発明はそれに限定されるものではな
く、他の筒又はリング形状のアクセサリとレンズ鏡筒の
先端部を着脱可能とする装着機構であればよい。さら
に、レンズ鏡筒は撮影用のレンズ鏡筒に限らず、望遠鏡
等多種のレンズ鏡筒でもよいことは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、大フリク
ション部に対してローラを転がり接触させることにより
着脱トルクを発生させることができ、これにより摺動部
に傷が付きにくい構成とし、十分な着脱感を生じさせる
ことができ、かつ不用意に装着状態が解除されないレン
ズのアクセサリ装着機構を提供することができる。また
機構が簡単なため、部品点数が少なくて済み、コストパ
フォーマンスに優れたレンズのアクセサリ装着機構とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ鏡筒とレンズフードを結合
させた使用状態での上半断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す上半断面図である。
【図3】レンズフードの装着過程を示す、図2のA-A 線
に沿わせた断面図である。
【図4】レンズフードの装着過程を示す、図2のA-A 線
に沿わせた断面図である。
【図5】レンズフードの装着過程を示す、図2のA-A 線
に沿わせた断面図である。
【図6】レンズ鏡筒側に形成されるアクセサリ着脱機構
の要部を示す斜視図である。
【図7】レンズ鏡筒側に形成されるアクセサリ着脱機構
の要部を、ローラ係合状態で示す斜視図である。
【図8】レンズフード側のローラ支持構造を詳示する図
である。
【図9】環状部材側のローラ支持構造を詳示する図であ
る。
【図10】使用時又は非使用時係合ローラ、およびリン
グばねを光軸と直交する方向から視た図である。
【図11】使用時又は非使用時係合ローラ、およびリン
グばねを光軸前方から視た図である。
【図12】レンズフードのレンズ鏡筒に対する装着時の
着脱トルクと着脱角との相関関係を示すグラフである。
【図13】レンズ鏡筒とレンズフードを結合させた使用
状態での外観斜視図である。
【図14】レンズ鏡筒とレンズフードを結合させた非使
用状態での上半断面図である。
【図15】図14の要部を拡大して示す上半断面図であ
る。
【図16】レンズ鏡筒とレンズフードを結合させた非使
用状態での外観斜視図である。
【図17】大フリクション部を案内曲面として構成した
他の実施例を示す要部拡大図である。
【図18】大フリクション部を案内曲面として構成した
場合の着脱トルクと着脱角との相関関係を示すグラフで
ある。
【図19】ローラ支持構造の他の実施例を示す図であ
る。
【図20】使用時又は非使用時係合ローラ、およびリン
グばねの形状を変化させた他の実施例における光軸と直
交する方向から視た図である。
【図21】図20の使用時又は非使用時係合ローラ、お
よびリングばねを光軸前方から視た図である。
【図22】本発明の第二実施例のレンズフードの装着過
程を示す、図2のA-A 線に沿わせた断面図である。
【図23】同実施例のレンズフードの装着過程を示す、
図2のA-A 線に沿わせた断面図である。
【図24】本発明の第三実施例のレンズフードの装着過
程を示す、図2のA-A 線に沿わせた断面図である。
【図25】同実施例のレンズフードの装着過程を示す、
図2のA-A 線に沿わせた断面図である。
【符号の説明】
1 フード保護環 3a 使用時係合ローラ 3b 非使用時係合ローラ 3c 係合ローラ 10 レンズフード(アクセサリ) 10a 先端部 10b 後端部(筒状部) 20 レンズ鏡筒 31 レンズフード取付環(筒状部) 31a 先端部 31b 外周面 35 バヨネット爪 35a ローラ進入部 36a 案内傾斜面(大フリクション部) 36b 平坦状面(大フリクション部) 36c 48 クリック部 38 フランジ 40 リングばね(付勢手段) 43 回転支軸 46 フランジ部 47 案内曲面(大フリクション部)
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−89826(JP,U) 実開 平2−36822(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 11/04 G03B 17/56

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ鏡筒先端の筒状部に、アクセサリ
    の筒状部を着脱するための機構であって、 上記アクサセリの筒状部内周に、該筒状部の軸線と平行
    な回転支軸を有し、該筒状部内面に露出する複数のロー
    ラを支持し、 上記レンズ鏡筒の筒状部外周に、上記ローラの一端面に
    当接してその光軸方向位置を規制するフランジ;このフ
    ランジとの間に上記ローラを挟持可能な複数のバヨネッ
    ト爪;このバヨネット爪に隣接させて設けたローラ進入
    部;および、このフランジとバヨネット爪の間に形成さ
    れた、ローラ進入部より大径の大フリクション部及びロ
    ーラ進入部より大径で大フリクション部より小径のクリ
    ック部と;を設けたことを特徴とするレンズのアクセサ
    リ着脱機構。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記複数のローラは
    それぞれ、アクセサリの筒状部の半径方向に移動可能に
    支持され、付勢手段により該筒状部内周に向けて付勢さ
    れている、レンズのアクセサリ着脱機構。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記付勢手段は、ア
    クセサリの筒状部に支持した複数のローラの全てに同時
    に巻き掛けられるリングばねである、レンズのアクセサ
    リ着脱機構。
  4. 【請求項4】 請求項1において、上記大フリクション
    部は、ローラ進入部から次第に大径となる案内傾斜面
    と、この案内傾斜面に連続して形成されその径が一定と
    なる平坦状面を有する、レンズのアクセサリ着脱機構。
  5. 【請求項5】 請求項1において、上記大フリクション
    部は、ローラ進入部からクリック係合部まで次第に大径
    となるように形成されている、レンズのアクセサリ着脱
    機構。
  6. 【請求項6】 請求項3において、上記ローラは、アク
    セサリの筒状部の軸方向における前部と後部にフランジ
    部が形成されていて、リングばねは、該前後の両フラン
    ジ部間に巻き掛けられる、レンズのアクセサリ着脱機
    構。
  7. 【請求項7】 請求項1において、上記アクセサリはフ
    ードである、レンズのアクセサリ着脱機構。
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