JP3366040B2 - ポリスルホン系半透膜およびその製造方法 - Google Patents
ポリスルホン系半透膜およびその製造方法Info
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Description
およびその製造方法に関し、更に詳しくは、ポリスルホ
ンおよび/またはポリエーテルスルホンよりなる半透膜
の少なくとも一表面に対し、親水性高分子物質よりなる
被覆層を形成させることにより、良好な血液適合性を維
持したまま高透水性能、高濾過性能、高拡散性能を有す
るポリスルホン系半透膜およびその製造方法に関する。
する技術がめざましく進歩し、気体や液体の分離フィル
ター,医療分野に於ける血液透析器,血液濾過器,血液
成分選択分離フィルター等広範な分野での実用化が進ん
でいる。
セルロース系,酢酸セルロース系,化学変性セルロース
系等),ポリアクリロニトリル系,ポリメチルメタクリ
レート系,ポリスルホン系、ポリエチレンビニルアルコ
ール系,ポリアミド系等のポリマーが用いられてきた。
熱安定性、耐酸・耐アルカリ性に加え、製膜原液に親水
化剤を添加して製膜することにより、血液適合性が向上
することから、半透膜素材として注目され研究が進めら
れてきた(例えば、特公平2ー18695号公報、特公
平3ー47127号公報、特開平4ー300636号公
報)。
水化技術は、いずれも製膜原液の段階でポリスルホン系
ポリマーと親水性高分子物質を混合した後に製膜する方
法であり、該方法が目的とするところの親水化による血
液適合性向上に対してはある程度の効果はえられた。
方法で親水化したポリスルホン系半透膜は、分画分子量
の小さいものしか得られておらず、透水性能、濾過性
能、拡散性能の低い膜でしかなく、そのため、ポリスル
ホン系半透膜において良好な血液適合性を維持しつつ、
かつ高透水性能、高濾過性能、高拡散性能を発揮できる
膜の開発が望まれていた。
ポリスルホン系半透膜が有する問題点を解決し、良好な
血液適合性を維持しつつ、かつ高透水性能、高濾過性
能、高拡散性能を保有するポリスルホン系半透膜を得る
ことを目標に鋭意研究し、その結果、ポリスルホンおよ
び/またはポリエーテルスルホンよりなる半透膜の少な
くとも一表面に親水性高分子物質よりなる被覆層を形成
させることにより、良好な血液適合性と驚くべき程高い
透水性能、濾過性能、拡散性能を持った膜が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。
蛋白分画または血漿分離に用いられるポリスルホンおよ
び/またはポリエーテルスルホンを原料として製膜され
たポリスルホン系半透性中空糸膜の内表面に親水性高分
子を接触させた後、該親水性高分子を架橋することを特
徴とするポリスルホン系半透性中空糸膜の製造方法であ
り、また該製造方法によって得られたポリスルホンおよ
び/またはポリエーテルスルホンよりなる半透性中空糸
膜である。該半透性中空糸膜の用途は限定されるもので
は無く、血液透析,蛋白分画,血漿分離等,その目的に
照らして適切なものを選択すれば良い。
リエーテルスルホンとは、通常式(1)、または式
(2)の繰り返し単位を有するポリマーであり、官能基
を有していたり、芳香族系がアルキル系になっていても
よく、とくに限定されるものではない。
通過するが他の成分は通過させない膜のことをいい、そ
の使用目的、すなわち、血液透析、蛋白分画、血漿分離
等の目的に合った分画特性のものを選択使用することが
でき、また、その形状、寸法等は特に限定されるもので
なく、平膜状であっても中空糸状であってもよいが、中
空糸状のものは膜面積当たりの占有体積を小さくできる
ので好んで用いられる。
糸が用いられるが、円筒の外側面にフィンの付いた形状
の中空糸も使用することができ、寸法は、膜厚が1〜1
00μm,好ましくは5〜50μm,内径が50〜50
0μm,好ましくは100〜300μm程度の中空糸が
使用できる。
用であれば低分子量物質からアルブミンより小さい分子
量の物質の透過性が高いもの,蛋白分画用であれば低分
子蛋白が透過し、高分子蛋白や免疫複合体の様な物質が
透過し難いもの,血漿分離用であれば血漿成分は透過す
るが血球成分は透過しないものなどが好適に用いられ
る。
かつ物理的処理および/または化学的処理により架橋
し、それにより水に対し不溶化し得る物質をいい、例示
すと、ポリビニルピロリドン,ポリエチレングリコー
ル,ポリビニルアルコール,ポリプロピレングリコール
等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、
これらの中では、ポリビニルピロリドンおよび/または
ポリエチレングリコールが生体適合性改善の面から特に
推奨しうるものである。
架橋が進み易いが、水溶液にした時の粘度が高くなり取
り扱いにくくなる。したがって、それらの分子量として
は、500から100万,好ましくは1万から50万,
更に好ましくは2万から40万が推奨しうるものであ
る。
は、上記した親水性高分子が架橋され、更に高分子化し
た結果水に対する溶解性が失なわれるということであ
る。
子物質よりなる被覆層を有するという意味は、水に対し
不溶化された親水性高分子物質がポリスルホンおよび/
またはポリエーテルスルホンよりなる半透膜の極めて表
面近傍に存在して被覆層を形成し、水中に溶離あるいは
遊離して行かない様に保持されている状態をいう。
り、図中6はポリスルホンおよび/またはポリエーテル
スルホンよりなる半透膜断面を示し、7は親水性高分子
物質を示す。この図は中空糸状半透膜の断面を示してお
り、その中空糸内表面に親水性高分子物質よりなる被覆
層が形成されていることを示しており、これに対して、
従来技術により製造された中空糸断面を模式図に示すと
図3に示すが如きであり、従前の技術で製造した中空糸
は親水性高分子物質が膜の表面だけでなく膜の構造全体
に分布している。
る被覆層の存在部位は、膜の一方の表面に限定されるこ
となく、他方の表面に存在しても差し支えない。
させる方法は、親水性高分子を水または適当な溶剤、あ
るいはこれらの混合溶媒に溶解させた後半透性中空糸に
接触させ、その後余分な溶液を適当な気体により吹き飛
ばしてしまう方法、霧状にした親水性高分子溶液を半透
性中空糸に吹き付ける方法等、公知のコーティング方法
を使用することができ、また、上記した処理は、中空糸
の状態で行なってもよいし、中空糸を容器に充填した透
析器,蛋白分画用濾過器等モジュールの状態にした後に
行なってもよい。
物質の分子量,すなわち溶液にした場合の溶液粘度,架
橋後の半透性中空糸の濾過性能等を考慮して任意に選択
しうるが、0.01から10重量%,好ましくは0.0
5から5重量%,更に好ましくは0.1から1重量%の
溶液濃度が推奨しうるものである。
すると、γ線,X線等を用いる放射線架橋法,紫外線架
橋法,熱架橋法,架橋試薬を用いる方法あるいはこれら
の組み合わせ等が挙げられ、また、架橋を促進させるた
め、種々の開始剤,開始助剤あるいは重合性モノマー,
オリゴマー,ポリマー等を使用することもでき、上記し
た架橋法のうち、半透性中空糸の膜構造に与える影響が
少なく、残留試薬の問題が少ないことなどから放射線架
橋法および/または熱架橋法が特に推奨しうるものであ
る。
の線量の選択は親水性高分子の架橋の程度,素材の劣化
の程度を考慮して任意に選定できるが、1から100k
Gy,好ましくは5から50kGy,更に好ましくは1
0から25kGyが推奨しうる線量であり、また、熱架
橋法を用いる場合には、120℃から200℃程度の温
度条件を用いるのが一般的であり、特に150℃から1
80℃のの温度範囲が好ましい。
状の場合、その多数本を容器に接着固定したモジュール
の形で使用されるのが一般的であり、以下、透析器を例
にとり説明すると、図1は透析器の一例を示す模式図で
あり、ポリスルホン系半透膜中空糸1は透析液出入口
5、5’を有する容器2にその多数本が集束されポリウ
レタンの様なポッティング材3により端部が接着され、
容器に固定される。
は血液出入口4,4′に開放されており、血液はポリス
ルホン系半透膜中空糸の内側を流れる構造になってお
り、ここでポリスルホン系半透膜中空糸1の本数は10
00から20000本,有効長は150から400mm
の範囲が一般的であるがこの範囲に限定されるものでは
ない。
系半透膜中空糸1の外表面に接触し、出口5から排出さ
れ、血液は入口4′から入り、ポリスルホン系半透膜中
空糸1内を通り透析された後出口4から排出されるとい
う使い方が一般的である。血液はポリスルホン系半透膜
中空糸1の内面に接触するのであるが、ポリスルホン系
半透膜中空糸1内表面には親水性高分子物質の被覆層が
形成されているのでポリスルホンおよび/またはポリエ
ーテルスルホンよりなる半透膜構造体の素材そのものの
表面と血液とが直接接触する頻度が低く抑えられ、結果
として、血液適合性が改善される。本発明のポリスルホ
ン系半透膜においては親水性高分子物質は、膜の表面部
分にのみ存在するので、その結果、従前の技術の如き親
水性高分子物質が膜内部に分散して孔径を小さくしてし
まうことがなく、高い透水性能、濾過性能、拡散性能を
有する半透膜が得られる。
−1700,UCC社製)18部、ポリビニルピロリド
ン(K−90,分子量36万)5部、ジメチルアセタミ
ド(以下,「DMAc」という。)74.5部、水2.
5部からなる紡糸原液を調整し、中空部に水を注入しな
がら5%DMAc水溶液を凝固液とする凝固浴中で中空
糸を紡糸し、得られた中空糸を水洗し、グリセリンを付
着させた後、乾燥し、該中空糸を比較例1の原糸とし
た。
ン(以下「PVP」という。)を除いた以外は同様に紡
糸原液を調整し、紡糸し、後処理し、得られた中空糸を
比較例2の原糸とした。
い、図1に示す透析器をそれぞれ試作した。該透析器
は、中空糸の膜厚50μm,内径200μm,フィラメ
ント数9400本,膜面積1.5m2 であり、この状態
の透析器を比較例1および比較例2の試験に供した。
高分子としてPVPを用い以下の処理を行い各実施例1
〜6の試験に供する透析器を製造した。
0(分子量36万)を使用し、それぞれ表1に示す濃度
の水溶液を調製し、それぞれの未処理透析器に対して血
液入口4’から各々のPVP溶液200mlを800m
l/分の流速で流した後、0.2kg/cm2 の圧縮空
気で残存するPVP溶液を吹き飛ばして血液出口4から
排出し、その後10kGyのγ線を照射し、次いで中空
糸の内側,外側すなわち容器2内部全体を水で充填して
実施例1〜6の試験に供する透析器とした。表1にその
処理条件を示す。
よび比較例1〜2として以下の試験を行なった。
従い、透水量(以下uFRと略す,単位はml/hr/
mmHg),クレアチニンおよびビタミンB12(以下V
B12)のクリアランス(膜間圧力0mmHgの時の値)
を測定した。
準じミオグロビン(以下Mb)のクリアランス(但し膜
間圧力0mmHgの時の値)を測定した。
に作成した透析器より中空糸を切り出し、フィラメント
数100本,長さ150mmのミニモジュールを作成
し、これにヘパリン添加ヒト新鮮血液10mlを1ml
/minの流速で流し、ミニモジュールを通過した血液
につき以下の分析を行なった。 a) 血小板数(電気抵抗検出法) b) 血小板第4因子(以下PF−4,酵素免疫分析) 各透析器について測定した結果を表2に、ミニモジュー
ルで測定した結果を表3に示す。
0とした場合の各々の実施例1〜6の測定値を示す。
ないとuFRおよびクリアランス、特に高分子量物質で
あるMbのクリアランスが高くなっていることが判明し
(表2)、しかしながら、血液適合性の点では血小板の
付着量が多くなり、PF−4の放出も多くなってしまう
ことが判る(表3)。これに対して、各実施例では、高
いuFR,クリアランスを発現しつつ、かつ血液適合性
も良好であることが判る(表2、3)。
ホン系半透膜は、良好な血液適合性を維持しつつ、かつ
高透水性能、高濾過性能、高拡散性能を発揮する半透膜
であり、また、本発明のポリスルホン系半透膜を用いて
血液透析器、血液濾過器、血漿分離器等の医療用具を形
成すると血液適合性の良好で、高い濾過、透析、分離性
能を持った医療器具が得られた。
を用いた透析器の一例を示す模式図である。
高分子物質の存在状態の一例を示す断面模式図である。
膜に於ける親水性高分子物質の存在状態の一例を示す断
面模式図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 血液透析、血液濾過、蛋白分画または血
漿分離に用いられるポリスルホンおよび/またはポリエ
ーテルスルホンを原料として製膜されたポリスルホン系
半透性中空糸膜の内表面に親水性高分子を接触させた
後、該親水性高分子を架橋することを特徴とするポリス
ルホン系半透性中空糸膜の製造方法。 - 【請求項2】 架橋する方法が放射線架橋および/また
は熱架橋であることを特徴とする請求項1記載のポリス
ルホン系半透性中空糸膜の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法によ
って得られたポリスルホンおよび/またはポリエーテル
スルホンよりなる半透性中空糸膜であって、その内表面
に水に対して不溶化された親水性高分子物質よりなる被
覆層を形成することを特徴とするポリスルホン系半透性
中空糸膜。 - 【請求項4】 親水性高分子物質がポリビニルピロリド
ンおよび/またはポリエチレングリコールであることを
特徴とする請求項3記載のポリスルホン系半透性中空糸
膜。
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