JPH09220455A - 中空糸型選択分離膜 - Google Patents

中空糸型選択分離膜

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JPH09220455A
JPH09220455A JP26482796A JP26482796A JPH09220455A JP H09220455 A JPH09220455 A JP H09220455A JP 26482796 A JP26482796 A JP 26482796A JP 26482796 A JP26482796 A JP 26482796A JP H09220455 A JPH09220455 A JP H09220455A
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JP
Japan
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hollow fiber
membrane
selective separation
separation membrane
type selective
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JP26482796A
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Kazuhisa Shibata
和久 柴田
Motoki Kyo
基樹 京
Hidehiko Sakurai
秀彦 桜井
Hitoshi Ono
仁 大野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性や膜強度に優れ、且つ、限外濾過速
度及び溶質分離性能が経時的に安定したポリスル系高分
子を用いた中空糸型選択分離膜を提供すること。 【解決手段】 膜厚が10〜35μm、内径が100〜
300μm、空孔率が50〜85%で、ポリスルホン系
高分子を含む中空糸型選択分離膜であって、ポリスルホ
ン系高分子のジメチルホルムアミド1重量パーセント溶
液中の還元粘度が0.6以上であることを特徴とする中
空糸型選択分離膜。 【効果】 本発明の中空糸型選択分離膜を用いた透析及
び/又は濾過モジュールは経時的に安定した大量除水が
可能で、また大量除水時でも効率よく溶質を透析/濾過
除去することができ、限外濾過、逆浸透、ガス分離、血
液浄化等に好適に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリスルホン系高分
子を用いた中空糸型選択分離膜に関する。さらに詳しく
は、各種液体の透析、濾過処理を目的としたポリスルホ
ン系高分子を用いた中空糸型選択分離膜に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、懸濁液や血液など各種液体の
透析、濾過処理を行うことを目的に、多くの種類の膜が
使用されてきた。これらの膜の大部分は中空糸型選択分
離膜であるが、中空糸型選択分離膜は高価であるため、
近年これらの膜を再生して再使用されることも多くなっ
ている。よって、例えば耐薬品性や膜強度等のより優れ
た中空糸型選択分離膜の開発が望まれている。
【0003】耐薬品性や膜強度等に優れた素材として
は、ポリスルホン系、ポリオレフィン系の高分子があ
り、特にポリスルホン系高分子を用いた中空糸型選択分
離膜は、限外濾過、逆浸透、ガス分離、血液浄化膜等の
分野に幅広く用いられている。しかし、かようなポリス
ルホン系高分子を用いた中空糸型選択分離膜は、ポリス
ルホン系高分子が疎水性高分子であるため、膜が汚れ易
く、そのため膜の選択分離性の劣化が生じ易いという欠
点を有する。
【0004】特に、ポリスルホン系選択分離膜を血液浄
化等に用いる場合には血液中に血球成分や蛋白質が含有
されるため、膜に目詰まりが生じたり、膜表面に蛋白質
の吸着や蛋白ゲル層が形成され、血液側境膜での分極蛋
白層、いわゆる2次層が形成される。このように、血液
浄化膜として使用する際には目詰まりを生じることによ
り溶質の除去性能が低下したり、2次層が形成されるた
め濾過流量が低下してしまう等の問題がある。
【0005】上記の問題を解決するために種々の提案が
なされている。例えば、特開平1−94902号には、
透析性能に優れ、長期間使用時の濾過速度の経時劣化の
少ないポリスルホン非対称中空糸膜について記載されて
いる。しかし、該膜は膜への吸着により血液中のβ2-ミ
クログロブリン(以下、β2-MG)を除去するものであ
るため、膜が除去し得るβ2-MG量には吸着飽和量とい
う限界値が存在する。また、β2-MGは除去できたとし
ても、β2-MG以外の分子量数千〜数万の有害物質(尿
毒症物質)の除去性能は不明であり、かかる有害物質が
十分に除去されるとはいえない。
【0006】さらに、特公平5−54373号には、優
れた溶質透過性を有する血液処理用の非対象中空繊維膜
について記載されている。該膜は高い濾過流量において
も優れた透析除去性能、クリアランスを有しているが、
尿素のような低分子物質ですらそのクリアランスが透析
開始時に比べ透析終了時には低下する結果が示されてお
り、β2-MG等の低分子蛋白質の有害物質を安定して除
去し得るとは考えられない。
【0007】上記の通り、耐薬品性や膜強度に優れ、且
つ、濾過速度や溶質除去性能が経時的に安定して、特に
血液透析濾過の分野において問題とされるβ2-MG等の
尿毒症物質をも効果的に除去し得る中空糸型選択分離膜
は未だ得られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を解決するため、ポリスルホン系高分子を用いた中
空糸型選択分離膜の基本構造を形成するポリスルホン系
高分子の分子量と膜の構造との関係について鋭意検討し
た結果、高分子量域のポリスルホン系高分子で膜を構成
することにより、膜の活性表面での目詰まりやいわゆる
分極2次層の生成を抑制でき、その結果、膜の汚れによ
る性能劣化を抑えることが可能となることを見出した。
【0009】上記の現象に関して、本願発明者らは、高
分子領域のポリスルホン系又はポリエーテルスルホン系
高分子を用いて紡糸することにより、紡糸時の凝固性が
適度に向上し、膜凝固の際の核が発生し易く、又発生し
た核が成長し易くなるため、膜表面の凹凸の少なく、孔
の均一性のより優れた膜構造、つまり膜の活性表面をよ
り平滑にし、膜構造をより均一なものし、さらに膜の孔
径をより均一に形成することが可能となるためと推測す
るが、これらの裏付けは現時点では得られていない。
【0010】なお、膜の表面構造は電子顕微鏡で観察す
るが、電子顕微鏡が発する熱により膜表面のポリマーが
解けないようにするためには、5000倍が限度であ
る。一方、より詳細な膜表面構造の解析を行うためには
少なくとも数万倍の電子顕微鏡による観察が必要と考え
られ、上記の電子顕微鏡による膜構造の観察は十分とは
いえない。よって、本願においては、膜表面の平滑性を
血液濾過時の溶質透過性及び限外濾過速度の経時安定性
で表すこととした。
【0011】上記に加え、膜内部を実質的に均一構造と
した場合、モジュール出口での逆濾過による透析液側か
らの異物(例えばエンドトキシン)のコンタミを防ぐこ
とが可能となり、親水性高分子を含む場合に親水性高分
子が膜構造中に閉じ込められてしっかりと固定されるな
どの利点が生じると考えられる。
【0012】本発明は、上記の知見に基づきさらに重ね
て検討した結果、完成したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、膜
厚が10〜35μm、内径が100〜300μm、空孔
率が50〜85%のポリスルホン系高分子を含む中空糸
型選択分離膜であって、ポリスルホン系高分子のジメチ
ルホルムアミド1重量パーセント溶液中の還元粘度が
0.6以上であることを特徴とする中空糸型選択分離膜
に関する。
【0014】好適な実施態様においては、本願発明の中
空糸型選択分離膜は親水性高分子を含む。
【0015】好適な実施態様においては、前記親水性高
分子がポリビニルピロリドンである。
【0016】好適な実施態様においては、本願発明の中
空糸型選択分離膜は膜構造保持剤を含む。
【0017】好適な実施態様においては、前記膜構造保
持剤がグリセリンである。
【0018】好適な実施態様においては、5000倍に
拡大して膜表面を観察するとき明らかに認められる孔及
び凹凸が存在せず、且つ、200倍に拡大して膜断面を
観察するとき実質的に均一である。
【0019】好適な実施態様においては、本願発明の中
空糸型選択分離膜を充填したモジュールにヘマトクリッ
ト25〜30%、蛋白質濃度6〜7g/dlの牛血液を
流速200ml/minで流し、濾過流速10ml/m
inで血液濾過を行ったときのβ2-ミクログロブリンの
篩い係数に対する、濾過流速50ml/minで血液濾
過を行ったときのβ2-ミクログロブリンの篩い係数の比
が60%以上である。
【0020】好適な実施態様においては、本願発明の中
空糸型選択分離膜を充填したモジュールにヘマトクリッ
ト25〜30%、蛋白質濃度6〜7g/dlの牛血液を
流速200ml/minで流し、濾過流速50ml/m
inで血液濾過を行ったときの、濾過開始後10分時点
での限外濾過速度に対する、濾過開始後5時間時点での
限外濾過速度の比が70%以上である。
【0021】以下、本願発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の中空糸膜型選択分離膜の膜厚は1
0〜35μmである。膜厚が10μm未満の場合には膜
の強度が低下し、また膜厚を一定に保つことが困難とな
り生産性が著しく低下する。また、膜厚が35μmを越
える場合には、膜形成時の相分離状態が均一にならない
ために膜内面の平滑性が保てなくなり、その結果血液濾
過時に蛋白分極層の形成を促進し、濾過抵抗を上昇させ
る原因となる。特に大量除水する場合には、限外濾過速
度の経時的な低下の程度が大きくなり、高い透析、濾過
性能の維持が困難となるためである。好ましい膜厚は1
5〜35μmである。
【0023】本発明の中空糸型選択分離膜の空孔率は5
0%〜85%である。空孔率が50%未満の場合には充
分な溶質の除去性能が得られず、血液浄化用途には不向
きとなり、空孔率が85%を越える場合には中空糸型選
択分離膜の強度が低下することにより生産性が低下する
ためである。なお、空孔率は膜を1〜2時間水洗後、膜
表面に付着した水(外表面に付着した水及び芯部に残存
した水)を除き、重量を測定し(重量A)、さらに10
5℃で絶乾した後、重量を測定し(重量B)、次式によ
り算出して求める。 空孔率=(重量A−重量B)/{(重量A−重量B)+
(重量B/ρ)}×100% 但し、ρはポリマーの比重
【0024】本発明の中空糸型選択分離膜の内径は10
0μm〜300μmである。内径が100μm未満であ
る場合には血液を流した時の圧力損失が大きくなり、血
液にダメージを与え溶血を生じる恐れがあり、また血液
が凝固して中空部に血栓を生じる可能性があり好ましく
ない。内径が300μmを越える場合には中空部が大き
くなりすぎて、中空形状を保つことが困難となり生産性
が低下する。また、中空糸膜内面のせん断速度が小さく
なり濾過に伴い蛋白質等が膜の内面に堆積し易くなるた
めである。好ましい内径は120〜250μmである。
【0025】本発明の中空糸型選択分離膜を構成するポ
リスルホン系高分子は、特に限定されるものではなく、
分子中にスルホン基を有する高分子は全て用いることが
できる。ポリスルホン系高分子の例としては、例えばポ
リスルホン(化学式1)、ポリエーテルスルホン(化学
式2)、ポリアリールスルホン等が挙げられる。この中
でもポリエーテルスルホン、ポリスルホンはポリマーの
親水性と疎水性のバランスがよく、膜への蛋白質の吸着
が低いため特に好ましい。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】本発明の中空糸型選択分離膜を構成するポ
リスルホン系高分子は、ジメチルホルムアミド1重量%
溶液の還元粘度が0.6以上である。ジメチルホルムア
ミド1重量%溶液の還元粘度が0.6未満の場合には、
得られた中空糸膜の表面平滑性や均一性が悪く、透析・
濾過処理時の膜表面での目詰まりやいわゆる分極2次層
が生じやすくなる。また、膜強度が弱いため、ハンドリ
ング性が悪く、生産性が低下する。好ましい還元粘度は
0.6〜0.85である。還元粘度が0.85を越える
場合には、ポリスルホン系高分子の溶解性の低下、紡糸
装置のラインフィルターの背圧上昇によるフィルター寿
命の低下により、生産性が低下する。
【0029】本願発明において、ポリスルホン系高分子
の還元粘度ηは、乾燥したポリスルホン系高分子をジメ
チルホルムアミドに1重量%となるように溶かした溶液
及び溶媒であるジメチルホルムアミドの粘度η1 及びη
0 をオストワルド型粘度計により測定し、下記の式によ
り計算して求めた値をいう。 η=((η1 −η0 )/η0 )/c η0 :溶媒の粘度 η1 :溶液の粘度 c :溶質の濃度(g/dl) なお、中空糸膜を構成するポリスルホン系高分子の還元
粘度は、膜がポリスルホン系高分子のみからなる場合
は、上記の通り測定し求めてもよいが、他の高分子を含
む場合を含め本願においては、中空糸膜中のポリスルホ
ン系高分子の還元粘度は以下の通り求める。まず、中空
糸膜をジメチルホツムアミドに溶かし試料溶液とする
(還元粘度:X)。次に、還元粘度が約0.5及び約
0.8の還元粘度が既知の2種類のポリエーテルスルホ
ンをジメチルホルムアミドに溶かし標準溶液1及び標準
溶液2とする(還元粘度:A、B)。標準溶液1、2及
び試料溶液を用いてジメチルホルムアミドを移動層とす
るゲル濾過を行い、それぞれの移動度を求める(移動
度:a、b、x)。下記の式により、試料溶液中のポリ
スルホン系高分子の還元粘度(X)を求める。 X=B−(B−A)×(b−x)/(b−a) 但し、X:中空糸膜中のポリスルホン系高分子の還元粘
度 A:還元粘度が約0.5のポリエーテルスルホンの還元
粘度 B:還元粘度が約0.8のポリエーテルスルホンの還元
粘度 x:中空糸膜中のポリスルホン系高分子の移動度 a:還元粘度が約0.5のポリエーテルスルホンの移動
度 b:還元粘度が約0.8のポリエーテルスルホンの移動
度 本願発明においては、かようにして求めたXを中空糸膜
中のポリスルホン系高分子の還元粘度とする。
【0030】本発明の中空糸型選択分離膜は、親水性高
分子を含むことが好ましい。親水性高分子の種類は特に
限定されるものではないが、例えばポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールな
どが挙げられる。中でも、ポリビニルピロリドンは、ポ
リスルホン系高分子との相溶性がよく、膜全体の親水性
を高める上で特に好ましい。なお、これらの親水性高分
子には重合度によりいくつかの種類が存在し、どの分子
量のものでも使用できるが、分子量が高いほど膜外への
溶出が起こりにくいため、分子量の高いものを使用する
ことが望ましい。
【0031】本発明の中空糸型選択分離膜は、膜構造保
持剤を含むことが好ましい。膜構造保持剤としては、多
価アルコールが好ましく、例えば、グリセリン、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
中でも、グリセリンは、安全性やコストの面から特に好
ましい。
【0032】本発明の中空糸型選択分離膜の膜表面は、
5000倍の電子顕微鏡で拡大して観察するとき、明ら
かに認められる孔及び凹凸が存在しない。膜の目詰まり
やいわゆる2次層の生成を抑え、限外濾過速度や溶質の
分離性能の経時安定性を向上させるためである。なお、
5000倍の電子顕微鏡で観察するとき明らかに認めら
れる孔が存在しないとは、5000倍の拡大写真で直径
0.2mm以上の孔、つまり内表面に400オングスト
ローム以上の孔が存在しないことをいい、また5000
倍の電子顕微鏡で観察するとき明らかに認められる凹凸
が存在しないとは、5000倍の拡大写真で1mmのサ
イズの凹凸、つまり内表面に0.2μm以上の凹凸が実
質的に存在しないことをいう。
【0033】本発明の中空糸型選択分離膜の膜断面は、
200倍に電子顕微鏡で拡大して観察するとき、実質的
に均一構造である。膜内部が不均一構造である場合に
は、膜による分離が膜表面のみで行われるため、膜表面
に部分的な欠陥や分離時のゆらぎのようなものが生じた
場合、膜はその部分を中心に目詰まりが進行し易くな
り、特に大量の血球や蛋白質を含有する血液を濾過する
場合にはこれらの成分の目詰まりへの影響は非常に大き
いものとなる。これに対し、均一膜は膜全体で濾過を支
えるため、膜表面の一部に前記のような欠陥がある場合
にも膜全体でかかる欠陥をカバーし、上記のような目詰
まりを抑制し得る。つまり、膜が均一構造である場合に
は膜の内部構造全体で濾過を支え安定した透析濾過性能
を発現し得るからである。なお、ここで膜の内部が実質
的に均一構造であるとは、中空糸膜がその径方向及び断
面方向に非対称性を有せず、また、単に径方向に対称な
だけなく、実質的に膜の厚み部分にホモジニアスな多孔
構造をとることを意味する。従って、本願発明の中空糸
型選択分離膜の場合、水洗し、膜構造を保持するように
凍結乾燥して顕微鏡で観測した場合、膜の断面構造はフ
ィンガーライク構造や網目構造などの組織が観測されな
い均一構造として観測されることを意味する。
【0034】さらに、膜が不均一構造である場合には、
例えば膜が疎水性ポリマーと親水性ポリマーから形成さ
れている場合、膜中の親水性ポリマーが膜の大きな孔の
部分からから流出し、膜性能の変化や膜からの溶出物が
多く問題となる場合があるが、膜が均一構造である場合
には、膜内の親水性高分子は膜組織中に閉じこめられた
形となるのでしっかりと固定され、上記のような問題も
生じることはない。また、不均一膜で膜の外側の孔径が
大きい場合、透析液側から異物がコンタミしてくるよう
な危険性があるが、均一膜ではかかる危険性もない等の
利点がある。
【0035】此のような均一膜では、中空糸を充填率5
5%で充填した膜面積1.5m2 のモジュールに抗凝固
剤を添加した牛血液を中空糸膜の内側、あるいは、外側
に流速200ml/minで流し、血液濾過を行った場
合のモジュールあたりの限外濾過速度(ml/min・
mmHg)が膜の内外表面で実質的に差が生じないこと
からも確認できる。なお、本発明の中空糸型選択分離膜
は血液浄化処理時透析液側の膜表面も平滑構造であるの
で、透析液側からのコンタミを防止でき、濾過物資をス
ムーズに透析液に移動できる。
【0036】本発明の中空糸型選択分離膜を充填したモ
ジュールにヘマトクリット25〜30%、蛋白質濃度6
〜7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し
血液濾過を行う時、濾過速度を10ml/minとした
場合のβ2-MG(分子量:11,600)の篩い係数に
対する、濾過速度を50ml/minとした場合のβ2-
MGの篩い係数の比が60%以上である。この比が60
%未満の場合には、大量除水療法時にβ2-MGをはじめ
とする分子量が数千から数万の尿毒症物質の除去率が不
十分となり、大量除水療法による改善効果が十分に得ら
れないからである。好ましい比は65%以上である。
【0037】なお、本発明のかかる規定で用いられる牛
血液の蛋白質濃度及びヘマトクリットの限外濾過速度に
及ぼす影響は大きく、本発明においてはハイパフォーマ
ンス・メンブラン研究会ワーキンググループによりまと
められた膜の性能評価法で、評価にはヘマトクリット値
が25%〜30%、蛋白質濃度が6〜7g/dlの37
℃の牛血液であることとの記載内容を参考にして定め
た。
【0038】本発明の中空糸型選択分離膜を充填したモ
ジュールにヘマトクリット25〜30%、蛋白質濃度6
〜7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し
血液濾過を行う時、濾過速度を10ml/minとした
場合のβ2-MGの篩い係数は0.5以上であることが好
ましい。β2-MGの篩い係数が0.5未満の場合、HF
やHDF治療でβ2-MGをはじめとする分子量が数千か
ら数万の尿毒症物質の除去効率が低く、十分な治療効果
が得られないためである。より好ましいβ2-MGの篩い
係数は0.55以上である。
【0039】本発明の中空糸型選択分離膜を充填したモ
ジュールにヘマトクリット25〜30%、蛋白質濃度6
〜7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し
濾過速度を50ml/minとして血液濾過を行う時、
血液濾過開始後10分時点の限外濾過速度に対する、血
液濾過開始後5時間時点の限外濾過速度の比は70%以
上である。この比が80%未満の場合には、目詰まりに
よる濾過効率の低下が大きい上に、除去性能が低下する
ためである。
【0040】本発明の中空糸型選択分離膜を充填したモ
ジュールにヘマトクリット25〜30%、蛋白質濃度7
g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し膜間
差圧を300mmHgとした時の、モジュールあたりの
濾過流速は70ml/min以上である。モジュールあ
たりの濾過流速が70ml/min未満である場合に
は、HFやHDF治療において、β2-MGをはじめとす
る分子量が数千から数万の尿毒症物質の除去効率が低
く、かかる物質を十分に除去することができない。ま
た、この場合に無理に限外濾過速度を上げると、膜間差
圧が高くなり赤血球の溶血を生じる原因となる。好まし
いモジュールあたりの限外濾過速度は80ml/min
以上であり、より好ましいモジュールあたりの限外濾過
速度は85ml/min以上である。
【0041】本発明の中空糸型選択分離膜は、例えば以
下のように製造することができるが、本発明は何等以下
に限定されるものではない。紡糸原液は、ポリマーある
いは複数のポリマーの組み合わせと溶媒あるいは複数の
溶媒の組み合わせ、及び、非溶媒あるいは複数の非溶媒
の組み合わせからなる。紡糸原液中での組成としては、
総ポリマーの重量分率は15〜35重量%が適切であ
り、15%以下では紡糸原液の粘度が低いため可紡性が
低く、35%以上では相分離が早くなりすぎる。総溶媒
分率は30〜70重量%、総非溶媒分率は5〜50重量
%が好ましい。上記の紡糸原液を室温〜190℃に加熱
して均一に溶解させた後、脱気・濾過した後に、二重管
紡糸口の外側から押し出し、中央からは50〜160℃
に加熱した乾燥気体を一定速度で供給する。押し出され
た紡糸原液は1〜20mmの一定距離空中を走行させた
後、5〜60℃の凝固性液体中を通って凝固され、膜構
造を形成する。これを水洗した後、膜構造を保持させる
ため30〜60重量%のグリセリン水溶液中を通らせ、
グリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥させ、巻き
取る。
【0042】上記で使用する溶媒としてはいわゆる非プ
ロトン性の極性溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、
N−メチルピロリドンなどを単独又は混合して用いる。
非溶媒としては、無機塩やアルコール類などが挙げられ
るが、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール
類を単独又は混合して使用するのが好ましい。特に非溶
媒は、相分離のコントロールに重要であり、例えばグリ
セリンを共存させて。相分離を抑制するのが好ましい。
凝固性液体としては水、又は、水と紡糸原液で用いた溶
媒並びに非溶媒の混合水溶液が使用できる。
【0043】なお、本願発明において、膜の内表面の孔
サイズを小さく均一とし、滑らかな表面状態を得るため
に、中空形成剤として気体を用いる乾湿式紡糸法により
製膜されることが好ましい。ここで、用いる気体として
は例えば窒素、ヘリウム、空気等が挙げられるが、品質
と供給の安定性から窒素を用いるのが好ましい。また、
上記で表面状態の平滑性をより向上し、血液透析濾過等
における透水性、分離性及びこれらの保持率をより向上
させるために、中空形成剤として用いる気体の温度を凝
固性液体の温度より20℃以上高くすることが特に好ま
しい。さらに、中空糸は実質的に無延伸で紡糸するこ
と、つまり強制的な延伸を行わずに中空糸の引き取りに
必要な力だけでもって巻取るのが好ましい。膜に形成さ
れる孔の変形を抑えるためである。なお、ここで実質的
に無延伸であるとは紡糸の各工程において10%以上延
伸しないことをいう。
【0044】本発明の中空糸型選択分離膜のβ2-MGの
SCとUFR(B) は下記の方法により測定する。本発明
の中空糸型選択分離膜が中空糸膜の場合5000〜20
000本の中空糸膜をプラスチック成型品の中に入れモ
ジュールを作製する。このモジュールを生理食塩水で洗
浄した後に、血液側には前述の牛血液を200ml/分
で流す。モジュールの膜面積1.5m2 当たりの濾過流
速10又は50ml/分となるようにモジュール血液側
の入口及び出口の圧力もしくは透析液側の圧力を調整
し、血液濾過を行い下記について測定する。
【0045】1.β2-MGのSC 濾過速度10又は50ml/分で血液濾過開始後15分
時点のモジュールの入口と出口の血液及び濾過液をサン
プリングして、酵素免疫測定法(例えば、グラザイムβ
2-Microglobulin-EIA Test 和光純薬工業)等によりβ
2-MGの濃度を測定する。なお、当該測定でモジュール
に流す牛血液には適量のヒト由来β2-MGを添加して行
い、サンプリングした血液は必要に応じて遠心分離して
β2-MGの測定に供する。これらのβ2-MGの濃度の値
から下記の式1に従ってβ2-MGのSCを求める。 SC=Cfil /((CI +CO )/2) (式1) Cfil :濾過液のβ2-MG濃度 CI :モジュール血液側入口の血液のβ2-MG濃度 CO :モジュール血液側出口の血液のβ2-MG濃度
【0046】2.UFR(B) の保持率 濾過速度50ml/分で血液濾過開始後15分時点及び
5時間時点のモジュールの血液側の入口と出口及び濾過
液側の圧力を測定する。これらの圧力の値から下記の式
2に従ってUFR(B) を求め、血液透析開始後15分時
点のUFR(B) に対する5時間時点のUFR(B) の比
(UFR(B) の保持率)を求める。 UFR(B) =Qf /(A×((PI +PO )/2−Pfil )) (式2) Qf :限外濾過速度(ml/時) A :膜の表面積(m2 ) PI :モジュール血液側入口の圧力(mmHg) PO :モジュール血液側出口の圧力(mmHg) Pfil :モジュール濾過液側の圧力(mmHg)
【0047】
【実施例】以下、実施例を挙げて、具体的に本発明を説
明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではな
い。
【0048】(実施例1)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.62のポリエーテルスルホンが
20重量%、ポリビニルピロリドン(K−90)が5重
量%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン37.5
重量%、非溶媒としてポリエチレングリコール#200
が37.5重量%からなる原料を110℃に加熱して溶
かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、中
心からは80℃に加熱された窒素を送り込んで中空糸状
として、空気中を7mm走行させた後、水、N−メチル
−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール#200が
70:15:15の重量比で混合して成る15℃の凝固
性液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、水洗
し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥機に
て乾燥して内径201μm、膜厚21μm、空孔率78
%の中空糸膜を得た。該中空糸膜の内表面及び外表面を
電子顕微鏡(以下、SEM)で観察したところ、それぞ
れ第3図及び第4図に示すように内表面及び外表面は共
に5000倍の倍率でも孔及び凹凸の認められない平滑
構造であった。また、該中空糸膜を第1図に示すA−A
線に沿って切断した断面(第2図)の一部(第2図の囲
い線Bの内部)を200倍の倍率で観察したところ、第
5図に示すように膜内部は組織像が観察されず均一構造
であることが確認された。該中空糸膜8400本をプラ
スチック成型品の中に収納して、両端をエポキシ系接着
剤により硬化・固定化してモジュールとした。得られた
モジュールの中空糸膜の内側に37℃の血液(ヘマクリ
ット値28%、蛋白質濃度7g/dl)を流量200m
l/分にて導入して、中空糸膜の性能を評価した。結果
は表1に示す通りであった。
【0049】(実施例2)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.7のポリエーテルスルホンが2
7重量%、ポリビニルピロリドン(K−90)が3重量
%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン42重量
%、非溶媒としてポリエチレングリコール#200が2
8重量%からなる原料を140℃に加熱して溶かした溶
液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、中心からは
120℃に加熱された窒素を送り込んで中空糸状とし
て、空気中を3mm走行させた後、水、N−メチル−2
−ピロリドン、ポリエチレングリコール#200が7
0:18:12の重量比で混合して成る30℃の凝固性
液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、水洗し、
50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾
燥して内径200μm、膜厚30μm、空孔率68%の
中空糸膜を得た。該中空糸膜をSEMで観察したとこ
ろ、実施例1と同様に中空糸の内表面及び外表面は50
00倍の倍率でも孔及び凹凸の認められない平滑構造
で、膜内部は組織像が観察されず均一構造であることが
確認された(図は省略)。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。また、上記のモジュールに、3
7℃の血液(ヘマトリット値28%、蛋白質濃度7g/
dl)を流量200ml/分にて、中空糸膜の内側ある
いは外側に導入して、血液濾過を行った場合のモジュー
ルあたりの限外濾過速度(ml/min・mmHg)
は、血液を内側に流した場合25ml/min・mmH
g、外側に流した場合23ml/min・mmHgであ
り、実質的に差がなかった。このことから膜が均一構造
であることが示唆された。
【0050】(実施例3)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.7のポリエーテルスルホンが2
5重量%、ポリビニルピロリドン(K−90)が3重量
%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン50重量
%、非溶媒としてトリエチレングリコール#200が1
5重量%及びグリセリン7重量%からなる原料を150
℃に加熱して溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側か
ら押し出し、中心からは100℃に加熱された窒素を送
り込んで中空糸状として、空気中を4mm走行させた
後、水、N−メチル−2−ピロリドン、トリエチレング
リコール、グリセリンが70:21:6:3の重量比で
混合して成る30℃の凝固性液体中を通過させ、凝固を
完了した。その後、水洗し、50重量%のグリセリンを
含浸させた後、乾燥機にて乾燥して内径198μm、膜
厚28μm、空孔率63%の中空糸膜を得た。該中空糸
膜をSEMで観察したところ、実施例1と同様に中空糸
の内表面及び外表面は5000倍の倍率でも孔及び凹凸
の認められない平滑構造で、膜内部は組織像が観察され
ず均一構造であることが確認された(図は省略)。得ら
れたモジュールについて実施例1と同様に中空糸膜の性
能評価を行った結果は表1に示す通りであった。
【0051】(比較例1)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.52のポリエーテルスルホンが
23重量%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンが
38.5重量%、非溶媒としてポリエチレングリコール
#200が38.5重量%からなる原料を130℃に加
熱して溶かした溶液を、二重管状紡糸孔の外側から押し
出し、中心からは70℃に加温した窒素を送り込んで中
空糸状として、空気中を2mm走行させた後、水、N−
メチル−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール#2
00を70:15:15の重量比で混合して成る30℃
の凝固性液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、
水洗し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥
機にて乾燥して内径202μm、膜厚43μm、空孔率
65%の中空糸膜を得た。該中空糸膜の内表面を500
0倍の倍率のSEMで観察したところ、第6図に示すよ
うに内表面にはサブミクロン領域の大きな孔が確認され
た。該中空糸膜の外表面を5000倍の倍率のSEMで
観察したところ、第7図に示すように外表面には孔及び
凹凸が観察された。また、該中空糸膜を第1図に示すA
−A線に添って切断した断面(第2図)の一部(第2図
の囲い線Bの内部)を150倍の倍率で観察したとこ
ろ、第8図に示すように膜内部はフィンガーライク構造
であることが確認された。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。
【0052】(比較例2)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.52のポリエーテルスルホンが
23重量%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンが
38.5重量%、非溶媒としてポリエチレングリコール
#200が38.5重量%からなる原料を130℃に加
熱して溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し
出し、中心からは40℃に加温された窒素を送り込んで
中空糸状として、空気中を2mm走行させた後、水、N
−メチル−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール#
200を70:15:15の重量比で混合して成る30
℃の凝固性液体中を通過させ、凝固を完了した。その
後、水洗し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、
乾燥機にて乾燥して内径199μm、膜厚33μm、空
孔率73%の中空糸膜を得た。該中空糸膜をSEMで観
察したところ、比較例1と同様に中空糸の外表面及び内
表面は共に5000倍の倍率でも孔及び/又は凹凸が確
認された。但し、膜内部は均一構造に近い構造であるこ
とが確認された。得られたモジュールについて実施例1
と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表1に示す
通りであった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明は上記のような構成・説明から明
かなように、各種液体の透析、濾過処理、つまり、限外
濾過、逆浸透、血液浄化等に好適に用いることができる
中空糸型選択分離膜を提供するものである。すなわち、
本発明の中空糸型選択分離膜を用いた透析及び/又は濾
過モジュールは経時的に安定した大量除水が可能で、ま
た大量除水時でも効率よく溶質を透析/濾過除去するこ
とができる。このように本発明の中空糸型選択分離膜を
用いた透析及び/又は濾過モジュールは経時的に安定し
た、濾過性能及び分離性能を発揮することができる。よ
って、本発明の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空糸型中空糸型選択分離膜の斜視図の概略図
である。
【図2】図1の中空糸型中空糸型選択分離膜を図1のA
−A線で切断した斜断面図の概略図である。
【図3】本願実施例1で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の内表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図4】本願実施例1で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の外表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図5】本願実施例1で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の斜断面の一部の300倍の電子顕微鏡写真であ
る。
【図6】本願比較例1で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の内表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図7】本願比較例1で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の外表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図8】本願比較例1で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の斜断面の一部の150倍の電子顕微鏡写真であ
る。
【図9】本願比較例2で得られた中空糸型中空糸型選択
分離膜の内表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図10】本願比較例2で得られた中空糸型中空糸型選
択分離膜の外表面の5000倍の電子顕微鏡写真であ
る。
【図11】本願比較例2で得られた中空糸型中空糸型選
択分離膜の斜断面の一部の300倍の電子顕微鏡写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/00 D01F 6/00 B 6/76 6/76 D 6/94 6/94 Z // B01D 63/02 B01D 63/02 D01D 5/06 D01D 5/06 Z (72)発明者 大野 仁 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚が10〜35μm、内径が100〜
    300μm、空孔率が50〜85%で、ポリスルホン系
    高分子を含む中空糸型選択分離膜であって、ポリスルホ
    ン系高分子のジメチルホルムアミド1重量パーセント溶
    液中の還元粘度が0.6以上であることを特徴とする中
    空糸型選択分離膜。
  2. 【請求項2】 親水性高分子を含むこと特徴とする請求
    項1の中空糸型選択分離膜。
  3. 【請求項3】 親水性高分子がポリビニルピロリドンで
    あることを特徴とする請求項2の中空糸型選択分離膜。
  4. 【請求項4】 膜構造保持剤を含むことを特徴とする請
    求項1乃至3の中空糸型選択分離膜。
  5. 【請求項5】 膜構造保持剤がグリセリンであることを
    特徴とする請求項4の中空糸型選択分離膜。
  6. 【請求項6】 5000倍に拡大して膜表面を観察する
    とき明らかに認められる孔及び凹凸が存在せず、且つ、
    200倍に拡大して膜断面を観察するとき実質的に均一
    であることを特徴とする請求項1乃至5の中空糸型選択
    分離膜。
  7. 【請求項7】 前記中空糸型選択分離膜を充填したモジ
    ュールにヘマトクリット25〜30%、蛋白質濃度6〜
    7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し、
    濾過流速10ml/minで血液濾過を行ったときのβ
    2-ミクログロブリンの篩い係数に対する、濾過流速50
    ml/minで血液濾過を行ったときのβ2-ミクログロ
    ブリンの篩い係数の比が60%以上であることを特徴と
    する請求項1乃至6の中空糸型選択分離膜。
  8. 【請求項8】 前記中空糸型選択分離膜を充填したモジ
    ュールにヘマトクリット25〜30%、蛋白質濃度6〜
    7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し、
    濾過流速50ml/minで血液濾過を行ったときの、
    濾過開始後10分時点での限外濾過速度に対する、濾過
    開始後5時間時点での限外濾過速度の比が70%以上で
    あることを特徴とする請求項1乃至7の中空糸型選択分
    離膜。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004121608A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Toyobo Co Ltd 透析液清浄化用中空糸膜およびその製造方法
JP2004305561A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Toyobo Co Ltd 中空糸型血液浄化膜
WO2005025649A1 (ja) * 2003-08-22 2005-03-24 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリスルホン系選択透過性中空糸膜およびその製造方法
JP2006288414A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Toyobo Co Ltd ポリスルホン系中空糸膜型血液浄化器
JP2008237987A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Toyobo Co Ltd 中空糸膜の製造方法および中空糸膜
JP2012125557A (ja) * 2010-11-26 2012-07-05 Asahi Kasei Medical Co Ltd 腹水濾過濃縮装置及び高濃度タンパク質溶液の製造方法

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