JPH0970431A - ポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法および人工腎臓 - Google Patents

ポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法および人工腎臓

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JPH0970431A
JPH0970431A JP8152201A JP15220196A JPH0970431A JP H0970431 A JPH0970431 A JP H0970431A JP 8152201 A JP8152201 A JP 8152201A JP 15220196 A JP15220196 A JP 15220196A JP H0970431 A JPH0970431 A JP H0970431A
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water
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宏司 杉田
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拓一 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、水透過性が高く、尿毒物質の除去性
能が高く、かつ適度のアルブミン透過性がある人工腎臓
を、中空糸紡糸時に得られた膜の良好な特性を保持して
安定に、かつ容易に製造する方法を提供する。 【構成】特定の紡糸原液および注入液を用いて乾湿式紡
糸した中空糸を、湿潤保持剤を付与した状態で中空糸束
を作成し、管板形成を行なった後、水で洗浄し、しかる
のち滅菌処理することにより、ポリスルホン系中空糸型
人工腎臓を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腎不全などの患者
さんの延命のための血液透析や血液濾過療法に用いられ
る人工腎臓およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン系樹脂からなる分離膜は、
その良好な機械的特性や耐熱性によって広く利用されて
いる。
【0003】人工腎臓の分野においても、すぐれた尿毒
物質の除去能を有することが、特公平5−54373号
公報,特開平6−238139号公報,特開平4−30
0636号公報に説明されている。
【0004】しかしながら、長期透析患者の増加に伴な
って、透析技術も多様化し、人工腎臓に対してもより高
い性能が要求されるようになってきた。すなわち、オン
ライン濾過透析やプッシュ・プル濾過透析においては非
常に高い水透過性が要求され、通常の血液透析において
は、低分子物質の高い除去能と共に、β−ミクログロ
ブリン等の分子量10,000以上の物質の高い除去能
が要求されている。また、これまでは血液中の有用な蛋
白質であるアルブミンの透過は極力押さえる方向であっ
たが、透析患者に蓄積してくる有害物質がアルブミンに
強く結合していることが判明し、適度のアルブミンを透
過させる膜も要求され、この様な膜を用いた人工腎臓に
よる症状の改善も多く報告されている。
【0005】しかしながら、これらの要求を全て満足す
るような人工腎臓はいまだ得られていない。例えば特公
平5−54373号公報に開示されるポリスルホン膜は
人工腎臓として良好なものではあるが、上述の濾過透析
に要求される透水性や血液透析での低分子物質の除去能
が今一歩である。特開平4−300636号公報に示さ
れるポリスルホン膜は透水性は十分であるが、尿素物
質、とりわけ、β−ミクログロブリン等の分子量が大
きい物質の除去能が今一歩である。さらに得られた中空
糸膜を人工腎臓として製造する場合、透水性を保持する
ために付与する湿潤保持材(例えばグリセリン)の存在
下でポッティングを行なう場合、中空糸同志の密着によ
り、ポリウレタン等のポッティング材が、中空糸の間隙
に浸透するのが困難でシール洩れを起すなどの生産上の
大きな問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の問
題点を解消し、水透過性が高く、尿毒物質の除去性能が
高く、かつ、適度のアルブミン透過性がある人工腎臓
を、中空糸紡糸時に得られた膜の良好な特性を保持して
安定に、かつ容易に製造する方法を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポリスルホン系
中空糸型人工腎臓の製造方法は、ポリスルホン系樹脂と
親水性高分子を含む紡糸原液の30℃における粘度x
(ポイズ)が25〜130ポイズの範囲にあり、かつ紡
糸原液中に含まれる水の量y(重量%)が次式を満足す
る範囲にある紡糸原液から注入液として有機溶剤または
有機溶剤と水との混合液を用いて紡糸された中空糸に、
湿潤保持材を含浸し、湿潤保持材水溶液が付着した状態
で、中空糸束を作成し、該中空糸束を人工腎臓用モジュ
ールケースに挿入し、管板形成を行なって中間製品を作
成後、湿潤保持材を水で洗浄し、その後滅菌処理するこ
とを特徴とする。
【0008】 −0.01x+1.45≦y≦−0.01x+2.25 また、本発明の別のポリスルホン系中空糸型人工腎臓の
製造方法は、ポリスルホン系樹脂と親水性高分子を含む
紡糸原液を用いて紡糸された中空糸に、湿潤保持材を含
浸し、湿潤保持材水溶液が付着した状態で、中空糸同志
の密着を防止するためのスペーサーを入れて中空糸束を
作成し、該中空糸束を人工腎臓用モジュールケースに挿
入し、管板形成を行なって中間製品を作成後、湿潤保持
材を水で洗浄し、その後滅菌処理することを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の親水性高分子を含有するポ
リスルホン系中空糸型人工腎臓は、アルブミンの透過率
が3.0%以下であり、かつ膜面積1.3mのモジュ
ールでのビタミンB12のダイアリザンスが135以上で
あり、さらに水を充填していることを特徴とする。
【0010】また、本発明の別のポリスルホン系中空糸
型人工腎臓は、アルブミンの透過率が0.1%以上、
2.4%以下であり、かつ膜面積1.3mのモジュー
ルでのビタミンB12のダイアリザンスが137以上であ
ることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】詳細については後述する特定の紡
糸原液、注入液を用いて、特定の乾式部の条件下で紡糸
して得られる人工腎臓用として良好な特性を有する中空
糸を用い、その特性を劣化させることなく保持して人工
腎臓モジュールとする。そのために、中空糸に十分な量
の湿潤保持材を付与してモジュールの組立て加工を行な
い、湿潤保持材を除去した後は、水を充填した状態で製
品とする。この際、中空糸に湿潤保持材を付与した状態
で中空糸束を作成すると、中空糸同志が密着してポッテ
ィング材による管板形成が困難となるため、スペーサー
を入れて密着を防止することはより好ましい方法であ
る。
【0012】すなわち、中空糸に十分な量の湿潤保持材
を付与した状態で中空糸束を作成し、管板形成を行なっ
た後、湿潤保持材を水で洗浄し、しかるのち滅菌処理す
ることを特徴とする方法で製造され、得られたポリスル
ホン系中空糸型人工腎臓は、アルブミンの透過率が3.
0%以下であり、かつ膜面積1.3mのモジュールで
のビタミンB12のダイアリザンスが135以上であるこ
とを特徴とするものである。
【0013】さらに、この製造方法においては、本願記
載の好ましい条件を採用することにより、アルブミンの
透過率が0.1%以上、2.4%以下であり、かつビタ
ミンB12のダイアリザンスが137以上であることを特
徴とする人工腎臓が得られ、さらに好ましい条件の組合
せでは、アルブミンの透過率が0.3%以上、2.0%
以下であり、かつビタミンB12のダイアリザンスが14
0以上であることを特徴とする人工腎臓が得られる。
【0014】また、本発明の製造方法において、好まし
い製造条件を採用することにより、尿素のダイアリザン
スが191以上の人工腎臓が得ることができ、より好ま
しい製造条件を採用することにより、尿素のダイアリザ
ンスが192以上の人工腎臓が得ることができ、さらに
好ましい製造条件を採用することにより、尿素のダイア
リザンスが193以上の人工腎臓が得ることができる。
【0015】また、本発明の方法によれば、中空糸の水
の透過性が500ml/hr・mmHg・m以上の人
工腎臓が得ることができ、より好ましい製造条件を採用
することにより、中空糸の水の透過性が600ml/h
r・mmHg・m以上の人工腎臓が得ることも可能で
ある。本発明の方法で得られた最良の臨床評価結果が得
られた中空糸膜の水の透過性は800ml/hr・mm
Hg・m以上であった。
【0016】血液透析で良好な症状改善を得るために
は、アルブミンの透過率(ふるい分け係数を%で表示)
は0.6%以上が好ましく、その上限は蛋白質損失量の
制限(4〜6グラム/1回の治療)から、2.0〜3.
0%程度となる。すなわち、本発明の好ましい態様は、
アルブミンの透過率が0.6%以上、2.0%以下であ
り、かつ尿素やクレアチンなどの低分子尿毒素成分や、
β−ミクログロブリンなどの高分子尿毒素成分の除去
性能が従来品にくらべてより高い人工腎臓を提供する。
【0017】さらに血液濾過や血液濾過透析では高い透
水性と尿毒素成分の除去性能を有し、かつアルブミンの
透過率は、治療方法によって異なるが、0.1%以上、
1.0%程度以下が好ましい。本発明は、アルブミンの
透過率が1.0%以下で、尿毒素成分の除去性能や透水
性が従来品にくらべてより高い人工腎臓をも提供するも
のである。
【0018】なお、臨床評価におけるβ−ミクログロ
ブリンの除去率とビタミンB12のダイアリザンスとは正
の相関があり、ビタミンB12のダイアリザンスは膜の性
能の最も良い指標といえる。
【0019】本発明のポリスルホン系中空糸型人工腎臓
は、親水性高分子を含有するポリスルホン樹脂からなる
中空糸膜で構成されている。
【0020】ポリスルホン樹脂としては、アモコ社やB
ASF社あるいはICI社等から市販されている式
(I)あるいは式(II)で示されるものを例示するこ
とができる。
【化1】 ただし、式中、nは正の整数を表わす。
【0021】特に、この中で式(I)で示される構造を
有するアモコ社のP−3500、またはその同等品が好
ましい。しかし、原液粘度調整のため、P−1700な
どを混合できることはいうまでもない。
【0022】また、親水性高分子とは、ポリビニルピロ
リドンもしくはポリエチレングリコールなどの親水性に
優れた高分子であるが、特にポリビニルピロリドンが好
ましい。ポリビニルピロリドンはBASF社、GAF社
等から市販されている、例えばK−30やK−90等の
重量平均分子量30,000以上のものが好ましく使用
される。
【0023】本発明の中空糸型人工腎臓を構成する中空
糸膜は上述のポリスルホン樹脂と親水性高分子とを溶媒
に溶解して得られる紡糸原液を中心部に注入液を吐出で
きる環状スリット口金から吐出し、いわゆる乾湿式紡糸
法により紡糸される。
【0024】溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチル
ホルムアミド等を単独もしくは混合して使用できる。そ
の中でも、ジメチルアセトアミドは素材ポリマの分子量
や孔径調節剤として少量添加する水との組合せにより、
人工腎臓用として良好な特性の中空糸膜を得ることがで
き、好ましい溶媒である。
【0025】本発明の製造方法の紡糸原液におけるポリ
スルホン系樹脂の濃度は、好ましくは14〜22重量%
の範囲、より好ましくは17〜19重量%の範囲であ
る。
【0026】親水性高分子の濃度は、好ましくは5〜1
2重量%の範囲、より好ましくは7〜10重量%の範囲
である。
【0027】特に人工腎臓として良好な特性の中空糸膜
を、経済性を考慮し高速で紡糸して得るためには、紡糸
原液の粘度が重要である。粘度が低い場合、乾式部にお
ける糸切れや中空糸の直径のばらつきが大きくなると共
に、アルブミンの透過率の制御が困難となり好ましくな
い。また粘度が高い場合、中空糸の膜厚のばらつきが大
きくなると共に尿毒素物質の除去能が低下し好ましくな
い。
【0028】本発明の製造方法の紡糸原液においては、
溶媒としてジメチルアセトアミドを用いる場合、30℃
における粘度は25〜130ポイズの範囲(20℃にお
いては約35〜170ポイズ)が好ましく、40〜11
0ポイズの範囲がより好ましい。
【0029】この粘度の調節は紡糸原液中のポリスルホ
ン樹脂の濃度、分子量、親水性高分子の濃度、分子量で
行なうことができるが、最も好ましい方法は親水性高分
子の分子量を変えることである。すなわち、例えば、重
量平均分子量約40,000のポリビニルピロリドン
(K−30)と分子量約1,100,000のポリビニ
ルピロリドン(K−90)とを混合し、その混合比を変
えることにより所望の粘度とする方法である。
【0030】具体的に好ましい例を示すと、ジメチルア
セトアミドを溶媒として、アモコ社のポリスルホンP−
3500を濃度18重量%とし、ポリビニルピロリドン
の濃度を9重量%とする場合、K−30とK−90の混
合比は、約9/0〜5/4の範囲、より好ましくは約8
/1〜5.5/3.5の範囲となる。
【0031】また、本発明の紡糸原液においては、中空
糸膜の孔径調節剤として少量の水を添加することが好ま
しい。最も好ましい溶媒であるジメチルアセトアミドを
用いる場合、原液中に含まれる好ましい水の量y(重量
%)は、原液の粘度により規定され、次式 −0.01x+1.45≦y≦−0.01x+2.25 を満足する範囲にある場合に良好な特性の中空糸膜を得
ることができる。原液中に含まれる水の量y(重量%)
が次式 −0.01x+1.65≦y≦−0.01x+2.05 を満足する範囲にある場合、より好ましい。ただし、x
は紡糸原液の30℃における粘度(ポイズ)であり、x
は25〜130ポイズの範囲、好ましくは40〜110
ポイズの範囲である。
【0032】水の添加が少ない場合は、紡糸原液の長期
保管による白濁の生成(ポリスルホンオリゴマーが結晶
化し白濁するとみられ、白濁が進むと紡糸中の糸切れの
発生がみられるようになり好ましくない。)は押えられ
るが、細孔径が小さくなり、β−ミクログロブリン等
の分子量が10,000以上の物質の除去能が低下し好
ましくない。逆に水の添加が多い場合は、紡糸原液の安
定性が不良となり、白濁化が起り、さらに、アルブミン
の透過率が高くなりすぎ好ましくない。
【0033】さらに本発明の製造方法においては、口金
の中心部から注入液を吐出し、中空糸の内表面をその凝
固性により制御し、人工腎臓としての良好な特性を有す
る膜を得る。注入液としては、一般的に、中空糸の内表
面から紡糸原液を緩慢に凝固させ、分離膜の緻密な活性
層を形成させる目的で使用するため、凝固性が低いもの
が好ましく、アルコール等の有機溶剤単独、または水と
の混合液が使用可能である。
【0034】特に、本発明では、その回収のし易さや、
高い性能を得るため、紡糸原液に使用する溶媒と水との
混合溶液が好ましく、最も好ましい溶媒であるジメチル
アセトアミドと水との混合溶媒がより好ましい。
【0035】このジメチルアセトアミドと水との混合溶
媒を用いる場合、本発明の人工腎臓として良好な特性を
有する膜を得るためには、注入液に含まれる水の量z
(重量%)が原液の粘度により規定され、次式 0.14x+25.5≦z≦0.14x+37.5 を満足する範囲にあることが好ましい。注入液に含まれ
る水の量z(重量%)が次式 0.14x+28.5≦z≦0.14x+34.5 を満足する範囲にある場合、より好ましい。ただし、x
は紡糸原液の30℃における粘度(ポイズ)であり、x
は25〜130ポイズの範囲、好ましくは40〜110
ポイズの範囲である。
【0036】さらに、人工腎臓用の中空糸膜として、よ
り良好な特性を有する膜は、原液中の水の量y(重量
%)と注入液中の水の量z(重量%)との両者が上記の
それぞれの式を満足することによって得られる。
【0037】水の量が少ない場合には、紡糸原液の凝固
が遅く内表面からの凝固が遅いため、乾式部での糸切れ
が起りやすく、また、アルブミン等の蛋白質の透過性が
高くなりすぎる傾向もみられる。逆に水の量が多い場合
には、β−ミクログロブリン等の分子量が大きい物質
の除去性能が低下し、さらに水の量が多くなると低分子
物質の除去性能も低下し好ましくない。
【0038】本発明の中空糸膜は上述のように設定され
た紡糸原液と注入液を用い、環状スリット型口金から直
接凝固浴に導く湿式紡糸法、または口金からの中空糸を
一旦気相中にさらした後、凝固浴中に導く乾湿式紡糸法
で紡糸される。この際、良好な性能を得るためには、気
相中(乾式部)に好ましくは0.1〜1.0秒、より好
ましくは0.2〜0.8秒の範囲で走糸させる乾湿式紡
糸法が好ましい。
【0039】乾式部の条件としては、相対湿度40%以
上が必要であり、好ましくは加湿した相対湿度70%以
上の湿潤気流中に接触させ、より好ましくは相対湿度8
0%以上の湿潤気流中に接触させることにより良好な性
能を得ることができる。
【0040】次に、このようにして口金から紡出された
中空糸状の原液は凝固浴に導かれる。凝固浴では、溶媒
とは混和するが、ポリスルホン樹脂に対しては凝固能を
有する非溶媒である凝固液と接触し、外表面側からの支
持層としての粗大孔スポンジ状構造の膜形成を行なう。
【0041】凝固液としては、非溶媒単独または2種以
上を混合して用いることができるが、溶媒の回収の面か
ら、紡糸原液の溶媒と水との混合溶液が好ましい。
【0042】凝固浴を出た中空糸は、水によって洗浄
し、大部分の溶媒成分を除去した後、湿潤保持材溶液中
に浸漬し、所定の長さに切断、所定の糸本数に集束し
て、中空糸内部の注入液が上記浸漬時に置換された湿潤
保持材溶液を脱液し中空糸束を作成する。
【0043】湿潤保持剤としては、グリセリン、エチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール等の中空糸束を空気中に放置した場合に
も、乾燥を防止できるアルコール類や無機塩の水溶液が
使用できるが、特にグリセリンが好ましい。
【0044】グリセリンの場合には、乾燥による透過性
の劣化を防止するためには、好ましくは50重量%以
上、より好ましくは60〜75重量%、さらに好ましく
は65〜72重量%のグリセリン水溶液が用いられる。
【0045】湿潤保持剤水溶液の付着量は、中空糸膜の
細孔中に該水溶液が存在する量を測定して抱液率として
示す。この抱液率は膜の細孔容積率(空孔率)に容易に
換算でき、膜の透析性能は一般に抱液率が高いものほど
高くなる。本発明においては、製造工程中において乾燥
による空孔率の低下を抑制するため、高い抱液率を保持
した状態で製造して、中空糸膜の抱液率が従来のポリス
ルホン膜に比べ非常に高い、すなわち尿素やビタミンB
12等のダイアリザンスが高い人工腎臓を提供するもので
ある。
【0046】すなわち、中空糸束を人工腎臓用モジュー
ルケースに挿入する工程途中、あるいは製品の中空糸膜
の抱液率が350〜500%の範囲、好ましくは370
〜460%の範囲、さらに好ましくは390〜440%
の範囲である。
【0047】なお、この抱液率は、製品の場合、水が充
填されている場合が多いが、測定途中の乾燥による誤差
をなくすため、68重量%のグリセリン水溶液(比重
1.18)に置換して測定され、抱液率もその重量から
算出される。すなわち、中空糸の内側に封入されている
グリセリン水溶液を遠心分離器中で1500rpmの回
転で20分間脱液し、60〜90g程の中空糸束を切出
し、68重量%のグリセリン水溶液が付着した中空糸束
の重量Aと、その中空糸束を水で洗浄してグリセリンを
除去した後、110℃で乾燥した中空糸のみの重量Bを
測定し、次式で算出された値である。 抱液率=(A−B)/B×100(%) なお、中空糸の周りにスペーサーを導入している場合
は、そのスペーサーの重量を除いて、重量A,重量Bの
測定を行う。
【0048】これら湿潤保持材を付与することにより、
人工腎臓として組立て加工する際の膜性能の低下を防止
できるが、逆に、中空糸同志の密着が起こり、ポリウレ
タン等のポッティング材による管板形成の際、中空糸の
間隙に浸透することが非常に困難となり、シール洩れを
起こし、血液側と透析液側との管板による分離ができな
いという問題が生じる。この解決法としては、中空糸束
を人工腎臓用ケースに挿入した後、低湿度の雰囲気中に
長期間保管する方法(例えば、相対湿度40%の室内に
3日間程度以上保管)、非常に低湿度の気流をケースの
両端部付近に当てた後さらに中空糸束の両端面に垂直方
向の強い気流を当てて、糸束端部をばらけるようにする
方法(例えば、相対湿度10%以下の40〜60℃の空
気を約2時間、ケースの両端部付近に当てた後、垂直方
向から空気を強く吹き付けて両端部の中空糸をばらけさ
せる)などを行なった後、管板形成を行なう方法などが
あるが、より好ましい方法は湿潤保持材を付与した後、
中空糸束を作成する以前の過程で中空糸同志の密着を防
止するためのスペーサーを導入する方法である。
【0049】このスペーサーの導入法は人工腎臓として
使用する際、透析液が中空糸束の中央(中心)部にまで
よく流れ込み、透析性能を高める効果もある一石二鳥の
効果がある。このスペーサーの導入は、中空糸1本又は
2本の周囲にポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロ
ニトリル、セルロースアセテート、絹、綿などの線状物
を中空糸に沿うように付加したり、螺旋状に巻回する方
法で行なうことができる。
【0050】ただし、この方法でシール洩れを完全に防
止するためには、直径が中空糸外径の約2分の1程度以
上(約120ミクロン以上)の太い線状物を使う必要が
あり、人工腎臓のケースの径が大きくなりあまり好まし
い方法ではない。より好ましい方法は次に述べる2段階
にスペーサーを導入する方法である。すなわち、1段階
目に中空糸1本又は2本の周囲にポリエステル等の線状
物を中空糸に沿うように付加する方法、線状物を螺旋状
に巻回する方法のいずれかにより単位中空繊維素子を作
り、さらに該単位中空繊維素子4本以上を集合させた周
囲に2段階目のスペーサーとしての線状物を螺旋状に巻
回して中空繊維束を作り、該中空繊維束5束以上を集合
して、人工腎臓用の所定の中空糸本数となる中空糸束と
する方法である。なお、この場合、単位中空繊維素子の
作成は螺旋状に巻回する方法がより好ましい方法であ
る。
【0051】この第1、第2段階に導入する線状物は、
比較的嵩高性があり、かつ伸縮性がある捲縮繊維、加工
糸、紡績糸などが好ましく用いられる。また、その太さ
はポリスルホン中空糸より細く、中空糸外径の20分の
1程度までであり、中空糸外径の2分の1から10分の
1程度が好ましい。
【0052】このスペーサーの導入を行なうことによっ
て、膜の性能の乾燥による劣化を防止できる濃度(量)
の湿潤保持材を付与した状態で管板形成が容易となり、
これにより本発明の高い水透過性、高い尿毒素物質の除
去能を有し、アルブミンの透過率が3%以下に制御され
た人工腎臓が高い工程収率で得られる。
【0053】このようにして得られた中空糸束の人工腎
臓への組立て(モジュール化)は通常の方法で行なう。
【0054】すなわち、ポリスチレン樹脂等のケースに
糸束を挿入し、ポリウレタン等のポッティング材を用
い、遠心力を応用してケースの両端部に管板形成を行な
い、リークテストを行なって人工腎臓用の形状とする。
【0055】次に、中空糸膜内部に残存する微量の溶媒
や湿潤保持材などを水洗して除去し、水を充填した状態
で滅菌し、製品である人工腎臓とする。この水洗は室温
付近の水で行なうこともできるが、55℃で2時間程
度、80℃で15分程度の時間を要するため、55℃以
上の加熱水による洗浄が好ましい。また、短時間の洗浄
を行なった後、50℃以上の保温を行ない、その後短時
間の洗浄を行なうなどの繰り返し洗浄も可能である。
【0056】滅菌は通常の方法、すなわち、90℃以上
の熱水を用いての滅菌や、ガンマー線(γ線)や電子線
を用いる放射線による水を充填した状態での滅菌が適用
できる。γ線や電子線を用いる放射線による滅菌は、膜
中の親水性高分子の架橋による不溶化が起こる場合もあ
り好ましい方法である。本発明において親水性高分子と
して最も好ましいポリビニルピロリドンを使用した場合
には、約20KGy〜35KGyの範囲の線量でγ線を
照射すると、ポリビニルピロリドンの架橋による不溶化
と同時に、医療器具としての滅菌も同時に行なうことが
でき、最も実用的な滅菌方法である。
【0057】この放射線滅菌によりポリビニルピロリド
ンの架橋による不溶化を同時に行なうことは、その溶出
を押えることができ製品の安全性を高める。また、この
方法により、ポリビニルピロリドンを製品の中空糸中に
多く含有させることができ、そのため水との親和性が良
好な膜となり、本願の高い性能を発現させることができ
る。なお、ポリビニルピロリドンの架橋による不溶化を
行うために、滅菌に先立って別個に放射線照射する方法
も可能であることはいうまでもないが、一度の放射線照
射で架橋と滅菌を同時に行う方が、高性能の膜を得るた
めに好ましい。
【0058】
【実施例】以下、実施例によって具体的に説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。また、
本発明の特性の評価は次の方法により行なった。
【0059】[水透過性]γ線滅菌を行なって完成した
製品人工腎臓のケースを切断して得られる長さ約15c
mの中空糸30本を用いて、小型ガラス管モジュールを
作成し、膜の外と内の圧力差、すなわち膜間圧力差を約
100mmHgで水の透過量を測定し、ml/hr・m
mHg・mで表わした。
【0060】[尿素およびビタミンB12のダイアリザン
ス]尿素60gとビタミンB121.2gを水60リット
ルに溶解し、血液側流量200ml/min、透析液側
流量500ml/min、濾過速度を10ml/min
として、透析器の血液側入口と出口、透析液側の入口と
出口の濃度を測定し、血液側基準と透析液側基準のダイ
アリザンスをそれぞれ算出し、その平均値を用い、ml
/minで表示した。
【0061】[アルブミンの透過率]ヘマトクリット3
0%、蛋白質濃度6g/dl、37℃の牛血2lをビー
カーに入れ、血液側流量200ml/min、膜間圧力
差を約100mmHgで1時間循環し、その間に得られ
る濾液はビーカーに戻す。その後、膜間圧力差を約60
mmHgとして、15分間隔に濾液3本を採取した。牛
血を遠心分離して得られた血漿中のアルブミン濃度をB
CG法(和光純薬)で、濾液中のアルブミン濃度をCB
B法(東京化成)で測定し、3本の濾液の平均値からア
ルブミン透過率を算出した。
【0062】[β−ミクログロブリンの除去率]体重
50kg〜60kgで、かつ、透析前のβ−ミクログ
ロブリンが25〜35mg/lの6名の患者さんで、ヘ
パリンを抗凝固剤として、血液側流量200ml/mi
n、透析液側流量500ml/min、4時間で除水量
2.5〜3.5lの血液透析を行ない、透析前後のβ
−ミクログロブリン濃度をラテックス凝集免疫法で測定
し、蛋白質濃度の補正を行ない算出し、平均値を用い
る。
【0063】[紡糸原液粘度]B型粘度計(トキメック
(株)DV−BII形ディジタル粘度計)を用い、容器内
径の影響を受けないよう300ml以上の紡糸原液を採
取して測定した。
【0064】実施例1 ポリスルホン(アモコ社製“P−3500”)18部
(以下単に「部」という場合は「重量部」を意味する)
とポリビニルピロリドン(BASF社製“K−30”;
分子量約40,000)6部とポリビニルピロリドン
(BASF社製“K−90”;分子量約1,100,0
00)3部とを、ジメチルアセトアミド71.95部と
水1.05部との混合溶液に加えて、80℃に保温しな
がら12時間撹拌して溶解し、紡糸原液を調製した。こ
の紡糸原液は30℃で76.9ポイズ(20℃で11
3.1ポイズ)の均一で、わずかに乳白色を帯びた澄明
液であった。
【0065】この紡糸原液を30℃で環状スリット口金
から吐出し、口金の中心部からジメチルアセトアミド6
0部と水40部とを混合して調製した注入液を注入し
た。乾式部分の長さを250mmとし、その部分に相対
湿度88%の湿潤空気を流しながら紡糸速度40m/m
inで紡糸し、40℃の凝固浴(ジメチルアセトアミド
/水(重量比)=20/80)に導き、凝固浴出の中空
糸を洗浄後、68重量%のグリセリンを含む水溶液に浸
漬した。表面に付着した過剰のグリセリンを取り除いた
後、中空糸2本の回りに50デニール5フイラメント
(約88ミクロン)のポリエステル仮撚り加工糸を、中
空糸10mmに対し0.5回の巻数でZ方向に螺旋巻回
して単位中空繊維素子とし、この単位中空繊維素子を2
4単位集合し、その回りに同じポリエステル加工糸をほ
ぼ同じピッチでS方向に螺旋巻回して2層にスペーサー
を入れ、中空繊維束を作った。該中空繊維束を221束
集合し、中空糸束を作成した。この中空糸束を遠心分離
器中で回転させ中空糸内部の注入液と置換されて封入さ
れているグリセリン水溶液を脱液し、人工腎臓用ケース
に挿入するための中空糸束とした。この中空糸の内径は
200ミクロン、外径280ミクロンであり、この中空
糸束は中空糸10,608本を集合したものであった。
この中空糸束の抱液率は420%であった。
【0066】この中空糸束を内径40mmの人工腎臓用
ケースに挿入し、両端部に仮のキャップをつけて、回転
遠心力の場で、透析液側流入口からポリウレタンを流し
込み、しかるのちポリウレタンを固化させた。次いで仮
のキャップをはずし、ケースの両端部からはみだしてい
るポリウレタンおよび中空糸束の端部近傍を切断し、ヘ
ッダーキャップを取付け、0.8kg/cmの加圧空
気を用いて漏洩試験を行なった。
【0067】1000本のサンプルを用いて漏洩試験を
行なった結果、12本の不良品が発生していた。その原
因を調査したところ、ケースに中空糸束を充填する際に
ケースの端部や内壁に接触したことによる単純作業ミス
による折れ糸、切れ糸に起因するものであり、ポリウレ
タン管板部のシール洩れは全くみられなかった。
【0068】次に、漏洩試験に合格したモジュールを8
0℃で30分間逆浸透膜を通した純水で洗浄し、包装し
た後、32KGyのγ線を照射し滅菌し、有効長195
mm、有効面積1.3mの人工腎臓透析器を作成し
た。この透析器は透析型人工腎臓装置承認基準に全ての
項目で合格するものであった。このモジュールから切出
した中空糸の水透過性は815ml/hr・mmHg・
、モジュールのアルブミンの透過率は1.2%、尿
素のダイアリザンスは195ml/min、ビタミンB
12のダイアリザンスは143ml/minであった。
【0069】また、このモジュールを使用して臨床評価
した際のβ−ミクログロブリンの除去率は73%と非
常に高い結果であり、残血等の使用上特に問題となる点
はみられなかった。なお、このモジュールから切出した
中空糸束の抱液率は420%であった。
【0070】実施例2 ポリスルホン(アモコ社製“P−3500”)18部と
ポリビニルピロリドン(BASF社製“K−30”)9
部とを、ジメチルアセトアミド71.6部と水1.40
部との混合溶液に加えて、90℃に保温しながら12時
間撹拌して溶解し、紡糸原液を調製した。この紡糸原液
は30℃で28.4ポイズ(20℃で38.8ポイズ)
であった。
【0071】この紡糸原液を30℃で環状スリット口金
から吐出し、口金の中心部からジメチルアセトアミド6
5部と水35部とを混合して調製した注入液を注入し
た。乾式部分の長さを350mmとし、その部分で相対
湿度84%の湿潤空気に当てながら紡糸速度40m/m
inで紡糸し、以下部分を除き実施例1と同様の方法で
人工腎臓透析器を作成した。この途中で1000本のサ
ンプルを用いて漏洩試験を行なった結果、17本の不良
品が発生したが、その原因は実施例1と同じであった。
なお、この中空糸束の抱液率は380%であった。
【0072】このようにして得られた有効面積1.3m
の透析器は透析型人工腎臓装置承認基準に全ての項目
で合格した。この透析器から切出した中空糸の水透過性
は710ml/hr・mmHg・mであり、モジュー
ルのアルブミン透過率は0.4%、尿素およびビタミン
12のダイアリザンスはそれぞれ194ml/min、
139ml/minであった。また、このモジュールを
使用して臨床評価を行なった際のβ−ミクログロブリ
ンの除去率は67%であり、残血等の使用上特に問題と
なる点はみられなかった。なお、このモジュールから切
出した中空糸束の抱液率は380%であった。
【0073】実施例3 ポリスルホン(アモコ社製“P−3500”)18部と
ポリビニルピロリドン(BASF社製“K−30”)9
部とを,ジメチルアセトアミド71.8部と水1.2部
との混合溶液に加えて、80℃に保温しながら12時間
撹拌して溶解し、紡糸原液を調製した。この紡糸原液は
30℃で26.8ポイズであった。以下、注入液組成を
ジメチルアセトアミド60部と水40部と混合した注入
液を用いた以外は実施例1と同様の方法で人工腎臓透析
器を作成した。なお、ここで用いた中空糸束の抱液率は
350%であった。
【0074】この透析器から切出した中空糸の水透過性
は740ml/hr・mmHg・mであり、モジュー
ルのアルブミン透過率は0.1%、尿素およびビタミン
12のダイアリザンスはそれぞれ192ml/min、
136ml/minであった。また、このモジュールを
使用して臨床評価を行なった際のβ−ミクログロブリ
ンの除去率は62%であり、残血等の使用上特に問題と
なる点はみられなかった。なお、この透析器の中空糸の
抱液率は360%であった。
【0075】実施例4 実施例1の途中段階の中空繊維束をそれぞれ170束お
よび306束集合して中空糸束を作成し、そのそれぞれ
を内径35.5mmおよび46.5mmの人工腎臓用ケ
ースに挿入し、実施例1と同じ方法で人工腎臓透析器を
作製した。
【0076】それぞれの有効面積は1.0mと1.8
であり、ビタミンB12のダイアリザンスを測定した
ところ127ml/minと165ml/minであっ
た。 実施例5 実施例3の途中段階の中空糸束を用いて、集合本数を変
えて中空糸束を作り、それぞれを内径35.5mm、4
4.0mmおよび46.5mmの人工腎臓用ケースに挿
入して、それぞれの有効面積が1.0m、1.6m
および1.8mの人工腎臓透析器を実施例3と同様の
方法で作成した。
【0077】尿素およびビタミンB12のダイアリザンス
ならびにアルブミンの透過率を測定したところ、尿素の
ダイアリザンスはそれぞれ187ml/min、195
ml/minおよび197ml/min、ビタミンB12
のダイアリザンスはそれぞれ122ml/min、14
7ml/minおよび156ml/min、アルブミン
の透過率はそれぞれ0.2%、0.1%および0.2%
であった。
【0078】実施例6 ポリスルホン(アモコ社製“P−3500”)18部と
ポリビニルピロリドン(BASF社製“K−30”)6
部とポリビニルピロリドン(BASF社製“K−9
0”)3部とを、ジメチルアセトアミド71.85部と
水1.15部との混合溶液に加えて、90℃に保温しな
がら12時間撹拌して溶解し、紡糸原液を調製した。こ
の紡糸原液は30℃で71.4ポイズであった。
【0079】この紡糸原液を40℃で環状スリット口金
から吐出し、口金の中心部からジメチルアセトアミド5
8部と水42部とを混合して調製した注入液を注入し
た。乾式部分の長さを350mmとし、その部分に相対
湿度85%の湿潤空気を流しながら紡糸速度42m/m
inで45℃の凝固浴に導き、以下実施例1と同様の方
法で人工腎臓透析器を作製した。なお、途中段階の人工
腎臓用ケースに挿入する時点での中空糸束の抱液率は4
10%であった。
【0080】このようにして得られた有効面積1.3m
の透析器から切り出した中空糸の水透過性は810m
l/hr・mmHg・mであり、アルブミン透過率は
0.6%、尿素およびビタミンB12のダイアリザンスは
それぞれ195ml/min、142ml/minであ
った。また、このモジュールを使用して臨床評価を行な
った際のβ−ミクログロブリンの除去率は74%であ
り、残血等の使用上特に問題となる点はみられなかっ
た。なお、このモジュールの中空糸の抱液率は420%
であった。
【0081】実施例7 実施例6の原液を用いて、ジメチルアセトアミド56部
と水44部とを混合して調整した注入液を用いる以外
は、実施例6と同様の方法で人工腎臓透析器を作製し
た。なお、途中段階の中空糸束の抱液率は400%であ
った。
【0082】このようにして得られた有効面積1.3m
の透析器から切り出した中空糸の水透過性は760m
l/hr・mmHg・mであり、アルブミン透過率は
0.2%、尿素およびビタミンB12のダイアリザンスは
それぞれ194ml/min、140ml/minであ
った。また、このモジュールを使用して臨床評価を行な
った際のβ−ミクログロブリンの除去率は71%であ
り、残血等の使用上特に問題となる点はみられなかっ
た。なお、このモジュールの中空糸の抱液率は410%
であった。
【0083】実施例8 ポリスルホン(アモコ社製“P−3500”)18部と
ポリビニルピロリドン(BASF社製“K−30”)7
部とポリビニルピロリドン(BASF社製“K−9
0”)2部とを、ジメチルアセトアミド71.85部と
水1.15部との混合溶液に加えて、90℃に保温しな
がら12時間撹拌して溶解し、紡糸原液を調製した。こ
の紡糸原液は30℃で53.0ポイズであった。
【0084】この紡糸原液を40℃で環状スリット口金
から吐出し、口金の中心部からジメチルアセトアミド6
0部と水40部とを混合して調製した注入液を注入し、
以下実施例6と同様の方法で人工腎臓透析器を作製し
た。なお、途中段階の中空糸束の抱液率は390%であ
った。
【0085】このようにして得られた有効面積1.3m
の透析器から切り出した中空糸の水透過性は680m
l/hr・mmHg・mであり、アルブミン透過率は
0.3%、尿素およびビタミンB12のダイアリザンスは
それぞれ193ml/min、140ml/minであ
った。
【0086】比較例1 ポリスルホン(アモコ社製“P−3500”)18部と
ポリビニルピロリドン(BASF社製“K−30”)9
部とを、ジメチルアセトアミド44部とジメチルスルホ
キシド28部と水1.0部との混合溶液に加えて、80
℃に保温しながら15時間撹拌して溶解し、紡糸原液を
調製した。この紡糸原液は30℃で32.9ポイズであ
った。この紡糸原液を30℃で環状スリット口金から吐
出し、口金の中心部からジメチルアセトアミド60部と
水40部とを混合した注入液を注入した。以下、実施例
1と同様の方法で人工腎臓透析器を作成した。
【0087】この透析器から切出した中空糸の水透過性
は830ml/hr・mmHg・mであり、モジュー
ルのアルブミン透過率は0.2%、ビタミンB12のダイ
アリザンスは132ml/minであった。また、この
モジュールを使用して臨床評価を行なった際のβ−ミ
クログロブリンの除去率は49%と低い値であった。な
お、この透析器の中空糸の抱液率は340%であった。
【0088】比較例2 実施例1の凝固浴出の中空糸を洗浄後、45重量%のグ
リセリンを含む水溶液に浸漬した。表面に付着した過剰
のグリセリンを取り除いた後、一辺が30cmの6角形
のかせに巻取り、室温で通風乾燥した後、かせから切出
して中空糸束を作製した。この中空糸束の抱液率は27
0%であった。この中空糸束は中空糸10,608本を
集合したものである。中空糸束を内径40mmの人工腎
臓用ケースに挿入し、中空糸束の両端面に垂直方向の乾
燥空気を当てて糸束端部をばらけさせた後、実施例1と
同様の方法で管板形成を行ない、透析液側から加圧空気
を入れ、血液側に水を満たしてのバブルポイント法によ
る漏洩試験を行なった後、実施例1と同様の方法でγ線
滅菌を行なって人工腎臓透析器を作製した。
【0089】このモジュールから切出した中空糸の水透
過性は410ml/hr・mmHg・m、アルブミン
透過率は0.3%、尿素のダイアリザンスは190ml
/min、ビタミンB12のダイアリザンスは125ml
/minと低い値となった。すなわち、低濃度のグリセ
リン付加の場合にはスペーサーなしでの管板形成が容易
であるが、乾燥による中空糸の透過性の劣化が起り、本
発明のような高い性能の人工腎臓の製造は困難であっ
た。なお、この透析器の中空糸の抱液率は300%であ
った。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、水透過性が高く、尿毒
物質の除去性能が高く、かつ適度のアルブミン透過性が
ある人工腎臓を、中空糸紡糸時に得られた膜の良好な特
性を保持して安定に、かつ容易に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 71/68 B01D 71/68 (72)発明者 田中 和実 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスルホン系樹脂と親水性高分子を含
    む紡糸原液の30℃における粘度x(ポイズ)が25〜
    130ポイズの範囲にあり、かつ紡糸原液中に含まれる
    水の量y(重量%)が次式を満足する範囲にある紡糸原
    液から注入液として有機溶剤または有機溶剤と水との混
    合液を用いて紡糸された中空糸に、湿潤保持材を含浸
    し、湿潤保持材水溶液が付着した状態で、中空糸束を作
    成し、該中空糸束を人工腎臓用モジュールケースに挿入
    し、管板形成を行なって中間製品を作成後、湿潤保持材
    を水で洗浄し、その後滅菌処理することを特徴とするポ
    リスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。 −0.01x+1.45≦y≦−0.01x+2.25
  2. 【請求項2】 紡糸原液の30℃における粘度x(ポイ
    ズ)が40〜110ポイズの範囲にあり、かつ紡糸原液
    中に含まれる水の量y(重量%)が次式を満足する範囲
    にあることを特徴とする請求項1記載のポリスルホン系
    中空糸型人工腎臓の製造方法。 −0.01x+1.65≦y≦−0.01x+2.05
  3. 【請求項3】 紡糸原液の30℃における粘度x(ポイ
    ズ)が25〜130ポイズの範囲にあり、かつ注入液に
    含まれる水の量z(重量%)が次式を満足する範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のポリスルホ
    ン系中空糸型人工腎臓の製造方法。 0.14x+25.5≦z≦0.14x+37.5
  4. 【請求項4】 紡糸原液の30℃における粘度x(ポイ
    ズ)が40〜110ポイズの範囲にあり、かつ注入液に
    含まれる水の量z(重量%)が次式を満足する範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のポリスルホ
    ン系中空糸型人工腎臓の製造方法。 0.14x+28.5≦z≦0.14x+34.5
  5. 【請求項5】 溶媒がジメチルアセトアミドであり、注
    入液がジメチルアセトアミドと水の混合溶液であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ
    スルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  6. 【請求項6】 乾湿式紡糸法の乾式部で、相対湿度70
    %以上の湿潤気流中に中空糸を0.1〜1.0秒の範囲
    で接触させることを特徴とする請求項1記載のポリスル
    ホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  7. 【請求項7】 乾湿式紡糸法の乾式部で、相対湿度70
    %以上の湿潤気流中に中空糸を0.2〜0.8秒の範囲
    で接触させることを特徴とする請求項1記載のポリスル
    ホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  8. 【請求項8】 湿潤保持材を除去するための洗浄を55
    ℃以上の加熱水で行なった後、水を充填した状態で20
    KGy以上、35KGy以下の範囲の線量でガンマー線
    を照射し、親水性高分子を架橋して不溶化することを特
    徴とする請求項1記載のポリスルホン系中空糸型人工腎
    臓の製造方法。
  9. 【請求項9】 湿潤保持材水溶液が付着した状態で、中
    空糸同志の密着を防止するためのスペーサーを入れて中
    空糸束を作成することを特徴とする請求項1記載のポリ
    スルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  10. 【請求項10】 ポリスルホン系樹脂と親水性高分子を
    含む紡糸原液を用いて紡糸された中空糸に、湿潤保持材
    を含浸し、湿潤保持材水溶液が付着した状態で、中空糸
    同志の密着を防止するためのスペーサーを入れて中空糸
    束を作成し、該中空糸束を人工腎臓用モジュールケース
    に挿入し、管板形成を行なって中間製品を作成後、湿潤
    保持材を水で洗浄し、その後滅菌処理することを特徴と
    するポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  11. 【請求項11】 紡糸された中空糸に、乾燥による透過
    性の劣化を防止できる濃度の湿潤保持材を含浸すること
    を特徴とする請求項1または10記載のポリスルホン系
    中空糸型人工腎臓の製造方法。
  12. 【請求項12】 湿潤保持材がグリセリンであり、中空
    糸に付着するグリセリン水溶液のグリセリン濃度が50
    重量%以上であることを特徴とする請求項11記載のポ
    リスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  13. 【請求項13】 湿潤保持材水溶液が付着した状態の中
    空糸1本または2本の周囲にスペーサーとしての線状物
    を導入して単位中空繊維素子を作り、該単位中空繊維素
    子4本以上を集合させた周囲に2段階目のスペーサーと
    しての線状物を螺旋状に巻回して中空繊維束を作り、該
    中空繊維束5束以上を集合して人工腎臓用ケースに挿入
    する中空糸束とすることを特徴とする請求項1または1
    0記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  14. 【請求項14】 親水性高分子がポリビニルピロリドン
    であることを特徴とする請求項1または10記載のポリ
    スルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  15. 【請求項15】 アルブミンの透過率が3.0%以下で
    あり、かつ膜面積1.3mのモジュールでのビタミン
    12のダイアリザンスが135以上であり、さらに水を
    充填していることを特徴とする親水性高分子を含有する
    ポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  16. 【請求項16】 アルブミンの透過率が0.1%以上、
    2.4%以下であり、かつ膜面積1.3mのモジュー
    ルでのビタミンB12のダイアリザンスが137以上であ
    ることを特徴とするポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  17. 【請求項17】 アルブミンの透過率が0.3%以上、
    2.0%以下であり、かつ膜面積1.3mのモジュー
    ルでのビタミンB12のダイアリザンスが140以上であ
    ることを特徴とするポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  18. 【請求項18】 膜面積1.3mのモジュールでの尿
    素のダイアリザンスが191以上であることを特徴とす
    る請求項15記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  19. 【請求項19】 膜面積1.3mのモジュールでの尿
    素のダイアリザンスが192以上であることを特徴とす
    る請求項16記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  20. 【請求項20】 膜面積1.3mのモジュールでの尿
    素のダイアリザンスが193以上であることを特徴とす
    る請求項17記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  21. 【請求項21】 中空糸の水透過性が500ml/hr
    ・mmHg・m以上であることを特徴とする請求項1
    5〜20のいずれか1項に記載のポリスルホン系中空糸
    型人工腎臓。
  22. 【請求項22】 中空糸の水透過性が600ml/hr
    ・mmHg・m以上であることを特徴とする請求項1
    5〜20のいずれか1項に記載のポリスルホン系中空糸
    型人工腎臓。
  23. 【請求項23】 中空糸の水透過性が700ml/hr
    ・mmHg・m以上であることを特徴とする請求項1
    5〜20のいずれか1項に記載のポリスルホン系中空糸
    型人工腎臓。
  24. 【請求項24】 膜面積1.3mのモジュールでの血
    液透析モードでの臨床使用におけるβ−ミクログロブ
    リンの除去率が60%以上であることを特徴とする請求
    項22記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  25. 【請求項25】 膜面積1.3mのモジュールでの血
    液透析モードでの臨床使用におけるβ−ミクログロブ
    リンの除去率が70%以上であることを特徴とする請求
    項23記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  26. 【請求項26】 親水性高分子がポリビニルピロリドン
    であることを特徴とする請求項15記載のポリスルホン
    系中空糸型人工腎臓。
  27. 【請求項27】 中空糸の抱液率が350%以上、50
    0%以下であることを特徴とする請求項1または10記
    載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  28. 【請求項28】 中空糸の抱液率が370%以上、46
    0%以下であることを特徴とする請求項1または10記
    載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  29. 【請求項29】 中空糸の抱液率が390%以上、44
    0%以下であることを特徴とする請求項1または10記
    載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓の製造方法。
  30. 【請求項30】 中空糸の抱液率が350%以上、50
    0%以下であることを特徴とする請求項15、16また
    は17記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  31. 【請求項31】 中空糸の抱液率が370%以上、46
    0%以下であることを特徴とする請求項15、16また
    は17記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
  32. 【請求項32】 中空糸の抱液率が390%以上、44
    0%以下であることを特徴とする請求項15、16また
    は17記載のポリスルホン系中空糸型人工腎臓。
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