JP2001309974A - 中空糸型血液透析器 - Google Patents
中空糸型血液透析器Info
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Abstract
糸型透析器または中空糸型透析濾過器において、中空糸
の外側部を流れる透析液の流動状態を改善し、物質移動
効率を高めた血液浄化等に用いられる中空糸型透析器ま
たは中空糸型透析濾過器を提供する。 【解決手段】 中空糸内部に血液を流通し、外側部に透
析液を流通することにより血液中の物質を分離除去する
中空糸膜を充填してなる中空糸型血液透析器または中空
糸型血液透析濾過器において、透析液流量Qd(ml/se
c)流通下に、実質的の濾過流量0の状態において、透
析液流入部にトレーサーを注入し、同時に透析液出口部
でトレーサーの流出状態を測定することにより、該透析
器または透析濾過器内の透析液流動部におけるトレーサ
ーの滞留時間分布曲線を求め、該滞留時間分布曲線を
(式1)にて解析することにより得られる空間時間τ
(sec )の値が、該透析器における透析液流動部の容積
V(ml)と上記透析液流量Qd (ml/sec)から算出され
るV/ Qd(sec) の値の115%以上であることを特徴とす
る中空糸型血液透析器または中空糸型血液透析濾過器。
Description
液浄化等に用いられる中空糸型透析器または中空糸型透
析濾過器に関する。さらに詳しくは、中空糸型透析器ま
たは中空糸型透析濾過器において、中空糸の外側部を流
れる透析液の流動状態を改善し、物質移動効率を高めた
血液浄化等に用いられる中空糸型透析器または中空糸型
透析濾過器に関する。
は、血液中の尿毒素、老廃物を除去する目的でセルロー
ス、酢酸セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリ
アクリロニトリル、ポリスルホン等の重合体を用いた透
析膜や限外濾過膜を分離材として用いた血液透析器ある
いは血液透析濾過器等のモジュールが広く用いられてい
る。特に中空糸型の膜を分離材として用いたモジュール
は、体外循環血液量の低減、血中の物質除去効率の高
さ、さらにモジュール生産時の生産性等の利点から透析
器分野での重要度が増している。
糸内空部に血液を流し、外側部に透析液を向流で流し、
血液から透析液への拡散に基づく物質移動により尿素、
クレアチニンなどの低分子物質を血中から除くことをそ
の主眼としている。さらに、長期透析患者の増加に伴
い、手根管症候群等の長期透析合併症が注目されるに至
り、近年では、透析による除去対象物質は、尿素、クレ
アチニン等の低分子物質のみでなく、中分子量(分子量
数千)から高分子量の物質(分子量1 〜2 万の低分子蛋
白質)にまで拡大し、これらの物質をも除去対象とする
ことが血液浄化膜に要求されている。こういった治療に
用いられる膜は、ハイパフォーマンス膜(以下、HP
M)と呼ばれ、従来の透析膜より膜の孔径を拡大するこ
とにより、より大きな物質の除去を可能にしている。
上の領域になると、膜での分離機構は濾過による分離操
作が最適と考えられていたが、前記のHPM膜のような
大孔径膜では透析操作での除去が十分可能となる。分子
量1万弱のタンパク質が拡散を主体として膜透過をする
ことを工学的に解析したデータも報告されている。(人
工臓器 18(3)1124 (1989))。こういった背景から大
孔径の透析型の血液浄化膜を、人工透析治療の合併症対
策の適応症として位置付けた治療(いわゆる血液浄化器
の機能分類II型透析器による治療)に用いることが行
われるようになってきている。
に流す透析モジュールを考えた際の物質の膜透過は、境
膜モデルによれば、膜自体と膜表面境膜の透過係数で記
述される。すなはち、物質の透過性を示す指標である総
括物資移動係数(K)は、膜透過係数(Pm)と血液側お
よび透析液側の境膜物質移動係数(PbおよびPd)の3成
分により1/K =1/Pb+1/Pm+1/Pd の関係により導かれる。
膜透過係数(Pm)は、透析膜自体の空効率や孔径、膜厚
みといった因子で規定され、血液側境膜物質移動係数
(Pb)は、血液の性状や中空糸の内径、長さ等の因子で
規定される。さらに透析液側物質移動境膜係数には、中
空糸の充填率、透析液の導水半径等の因子、あるいは透
析液流量の操作因子も関与する。血液側境膜物質移動係
数は、現在の内径200 μm前後の実用的な中空糸膜では
理論上ほぼ一定値となり、透析液側物質移動係数も通常
のモジュールでは大きな改善は難しい。従って中空糸膜
型透析器の開発においては、主に膜透過係数の改良に力
が注がれ多くの改良を見てきた。その成果が、前述のH
PMであると言える。
分離機構が、膜を隔てた二つの溶液間の物質の濃度差を
原動力とするという基本的な原理である。すなはち血
液、透析液の液相を基準とした物質移動の総括推進力は
血液と透析液の濃度差に他ならない。中空糸膜型透析器
においては、血液と膜を介した反対側の透析液の物質濃
度が十分に血液側よりも低くなるような操作が行われて
いることが重要である。
液流量を増やすことで、膜の本来の透過性能を極限まで
引き出すことが最良との結論に至る。しかし、透析液流
量を増やすことは、治療の経済面から敬遠され、むしろ
膜性能の向上した分だけ透析液流量を低減させた操作条
件でも、ある程度の除去性能が確保できるとの見方を招
くと懸念される。さらに、透析液流量の増加は、中空糸
型透析器の透析液側の圧力損失を高めてしまい、逆濾過
による透析液中有害物質の血液移動を促す危険性を持
つ。
析器における透析液の偏流に関しては、除去性能の致命
的な欠陥を生じさせる。透析操作は、前述のごとく膜の
内外での溶液濃度差を十分に生み出すことによって最大
の効果を達成する。中空糸型透析器は、円筒状ケースに
中空糸を数千から2万本程度を平行に充填した構造を有
し、これら1本1本に透析液が均一に流れることによっ
て理想に近い透析操作を行い得る。ところが、中空糸外
側を流通する透析液が偏流を発生した場合は、理想系か
らの大きな性能低下をもたらす。ここで偏流とは、一部
の中空糸に十分な透析液が流れないようなデッドスペー
スを生じたり、あるいは透析液の入り出口を結ぶ一部な
いし数カ所のみをショートパスして透析液が流れるよう
な現象である。このような場合、前述の透析液が一部の
中空糸近傍では、十分に更新されず、透析効率がその部
分では、極端に低下する。この低下は、透析器の入り出
の物質収支から算出されるクリアランス値の低下として
明瞭に現れることが知られている。本来理想的には、膜
の総括物質移動係数に対応したクリアランスを透析膜自
身は有しているのだが、実際の透析器での操作では、そ
の値に大きく及ばないという現象を生じ、HPMのよう
な現在のハイレベルな物質除去性能のみならず血液透析
器としての基本特性の欠落にも影響する。
試みは、いくつかなされており竹沢らは、造影剤を用い
た透析液流れの可視化を行っている。(人工臓器 19
(4)1423 (1990))この文献からも、市販の透析器にお
いて透析液偏流が発生していることが示され、モジュー
ル性能の低下と関連付けられている。またここでは、充
填率の増加が偏流抑制の方策の重要な鍵として示されて
いる。
を高める工夫として、中空糸に捲縮を持たせる、中空糸
自身に突起を持たせる、中空糸束にスペーサーを挿入し
たりスペーサーを巻いたりといった、結果的に透析器の
実質的な中空糸充填率を増加させる工夫にもとづいて、
透析器ハウジング内にできるだけ嵩高く中空糸を充填す
ることが実用化されている。しかしながらこれらの技術
では、製造上充填率の増加には限界がある。また逆にス
トレートの中空糸で極力充填率を高める方策や、さらに
膜自身の膨潤により高い充填率を得る膜もあるが、完全
に偏流を抑制するには至っていない。いたずらに充填率
を高めることは、円筒状の透析器の断面中心部分の流れ
をデッドスペース化してしまう逆効果を生じる可能性が
あり。また、これらの方策では前述の逆濾過の危険性が
増すことに繋がっている。さらに本願発明者らの検討で
は、中空糸の充填率の増大だけでは、中空糸の持つある
種の特性(例えば中空糸どうしが数本、数十本単位で集
合しやすい性質など)によっては必ずしも偏流抑制の効
果を持たないことが経験された。
く中空糸型血液透析器または中空糸型血液透析濾過器の
有する透析液の偏流発生を防止し、良好な透析液の流れ
状態を実現したモジュール設計に基づく中空糸型血液透
析器または中空糸型血液透析濾過器を提供することにあ
る。
めに、本願発明者らは、中空糸型透析器の透析液流れの
解析から、より高度な透析効率を実現できるモジュール
設計についての知見を見い出した。この目的を達成する
ための発明は以下の事項からなる。
透析液を流通することにより血液中の物質を分離除去す
る中空糸膜を充填してなる中空糸型血液透析器または中
空糸型血液透析濾過器において、透析液流量Qd(ml/s
ec)流通下に、実質的の濾過流量0の状態において、透
析液流入部にトレーサーを注入し、同時に透析液出口部
でトレーサーの流出状態を測定することにより、該透析
器または透析濾過器内の透析液流動部におけるトレーサ
ーの滞留時間分布曲線を求め、該滞留時間分布曲線を下
記(数2)にて解析することにより得られる空間時間τ
(sec )の値が、該透析器における透析液流動部の容積
V(ml)と上記透析液流量Qd (ml/sec)から算出され
るV/ Qd(sec) の値の115%以上であることを特徴とす
る中空糸型血液透析器または中空糸型血液透析濾過器。
することにより得られる分散度(D/UL )が0.10以下で
あることを特徴とする請求項1記載の中空糸型血液透析
器または中空糸型血液透析濾過器。
2)にて解析することにより得られる空間時間τ(sec
)の値が透析器における透析液流動部の容積V(ml)
と透析液流量Qd (ml/sec)から算出されるV/ Qd(s
ec) の値の115%以上である」とは、透析液がショートパ
スして流れる寄与を示しており、また「(数2)にて解
析することにより得られる分散度(D/UL )が0.10以下
である」とは個々の中空糸間の微小流路を流れる流れの
総合的な分布状態を示す。従ってこれらの特性値が請求
項記載の範囲にあることで、全体の均一な流れを反映
し、透析液流れの偏流を抑制し良好な透析性能を中空糸
モジュールに与えることになる。
下のごとくに算出される。純水を貯めた容器から、ポン
プを介して中空糸型透析器(以下モジュールとする)の
透析液流入部にチューブを接続し、モジュールの接続部
直前にトレーサーの注入部を設ける。さらにモジュール
出口部直後に流出してくるトレーサーを経時的に検出で
きるようにフローセルを接続し、セル流通後は廃液す
る。以上のごとくの回路によりトレーサーの導入、検出
を実施する。フローセルは、分光光度計などの検出手段
により流出トレーサーの濃度を測定し、同時に経時変化
をCPU、レコーダー等で記録する。トレーサーは、0.5se
c以下の短時間でチューブにショット注入され、モジュ
ールの透析液流動部を経た後、フローセルにモジュール
での流動、滞留に対応して連続的に流出してくる。これ
により径時的に濃度Ct=0の状態から極大を経て再び濃
度Ct=0の状態に戻る曲線を描くことになる。この曲線
を、注入時間をt =0 、時間t=t(S EC) として、(数
2)でカーブフィッティングし、2 つのパラメータ空間
時間τおよび分散度D/ULを求める。これらの関係は、連
続槽型混合反応装置における分散モデルのアナロジーと
して中空糸型モジュールでの流動状態の解析に導入する
ことが可能である。(OctaveLevenspiel “Chemical
Reaction Engineering、chapter9“ 2 nd ed.(19
72) John Wiley & Sons) また、上記測定時には、モジュールの血液側には、純水
を充填し、入り出口部を閉じておく。このことにより実
質的な中空糸膜の濾過は生じない。
ングが適切でない時、すははち、溶出曲線がダブルピー
クやテーリングを呈するような時には、(数2)の異な
るパラメータ曲線の和として、2つのおのおのの曲線に
対しフラクションを乗じ求める。すなはちフィッティン
グ曲線は、Ct=Fr1 ×C1t +Fr2×C2t(ここで添え
字1 、2 はそれぞれ2 つの曲線を示し、Fr1 とFr2 は、
Fr1+Fr2=1 の関係を有する)で示される。この場合は、
空間時間τおよび分散度D/ULが各々の曲線の2 組のパラ
メータとして得られることになる。モジュール全体の流
れ状態を的確に評価するには、2 組のパラメータいずれ
もの値の寄与を考慮する必要があるが、空間時間τ、分
散度D/UL各々の値の意味をできるだけ反映するような評
価法として以下を採用した。τに関しては、各フラクシ
ョンを乗じその和を持って測定値とした。(τ=Fr1×τ
1 +Fr2 ×τ2 とする。) D/ULに関しては、寄与の大
きい方、すはなちフラクションの大きい方の値をもって
測定値とした。これは、滞留分布曲線で2 つのピークを
有する場合、殆どがショートパスに由来した寄与の小さ
い、早く出現するピークを持つが、ショートパス流出部
の流れ分布を評価対象にしてもあまり意味をなさないか
らである。
るフィッティングは、モジュール全体の流動特性を評価
する上では事実上意味をなさないため、2 成分までのカ
ーブフィッティングによる最適値を算出する。ただし、
好ましくは、単一のカーブによるフィッティングが可能
な透析液流動特性を有するモジュールである。
は、モジュールでのケース内筒と中空糸の外側部に囲ま
れた部分からなる空間を意味する。従ってその測定は、
透析液部のプライミング量の実測あるいは、各容積寄与
部のディメンジョン測定からの算出等により求めること
ができる。
例に示す偏流状態を改善したモジュールの発現する透析
性能を詳細に調査することににより、本発明者らは、透
析液の偏流の抑制された中空糸型血液透析器を開発する
に至った。以下、本願発明を詳細に説明する。
は、製膜される高分子を単一あるいは複数のブレンドと
し、溶媒、さらに必要に応じ非溶媒と共に溶解してドー
プ原液を調製し、これをノズルから吐出させ凝固液中で
相分離による膜形成を行わせる方法が挙げられる。この
方法では、膜の細孔の孔径分布を狭くし、シャープな血
液成分の分画特性を得ることが可能となる。また、適当
なドープ条件、凝固条件を選ぶことによって様々な溶質
分離特性を膜に与えることが可能である。また中空部の
形成には、中空部形成芯剤を用いたり、ガスを中空部に
流すことに行われる方法、凝固液を中空部に流し凝固と
中空形成を同時に行う方法がある。これらの紡糸手法
は、膜の性能に対し大きく寄与する技術であるが、本発
明では、膜性能自体の改良を行うものではなく、特定の
手法で作製した中空糸に限られるものではない。
成分の除去のために洗浄され、乾燥工程を経て、さらに
モジュールへの組立て、血液流入出部の保持のためにウ
レタン樹脂等で接着され中空部が開孔するように切断さ
れる。モジュールに組み立てられる際には、中空糸は、
数千から2 万本程度の束として、モジュールケースに挿
入される。本発明者らは、乾燥された中空糸をモジュー
ルケースに挿入し端部をウレタン樹脂で固める工程(ポ
ッティング工程)に着目し鋭意研究を行った結果、本発
明に到達した。
た中空糸のウレタン面における分布状態を観察すると、
任意の中空糸に対し、別の中空糸が存在する距離は、あ
る確率分布の上に成立する。この分布は、中空糸断面の
重心点間距離の画像解析あるいは拡大像を実測すること
で見積もることができ、また理論的に均一分布の場合の
分布関数を導くこともできる。本願発明者らは、この端
面における中空糸の分布の乱れがモジュールの偏流発生
に関与している可能性を示唆する実験結果に基づき、ポ
ッティング面での中空糸の分布を均一にする方法を鋭意
検討した。
よる吸湿(特にク゛リセリン 等の親水化保持剤を含む中空糸
の場合)あるいは、逆に静電気(特に疎水性高分子を主
体としてなる中空糸)により中空糸束は中空糸分布の均
一性が保持できない。それにより、中空糸の分布が偏る
場合が発生し、モジュールにおいて偏流が起きていると
考えられた。本発明では、中空糸のポッティングの前
に、低湿度かつ除電能を有する気体を細いノズルを用い
て中空糸束のポッティング部にスパイラル状に吹き付け
整糸することにより、分布の偏りを解消した。またより
効果的な整糸を行う目的で、モジュールケースに中空糸
を挿入後整糸する場合は、ケースの有する透析液入出部
を閉じておき、整糸用気体がケース側面から外部に抜け
ることを防止した。これにより、実際に作製したモジュ
ールでの、請求項に示す特性値が改良すると共に、透析
効率を示す値(尿素の総括物質移動係数)も向上した。
以下、実施例により本願発明をさらに詳細に説明する
が、本願発明は以下に何等限定されるものではない。
尿素透過係数(前述のPmとPb項からなる)121*10 -5cm/s
ecのポリスルホン系樹脂を主体としてなる中空糸膜9100
本を円筒形モジュールケース(円筒内径3.5cm )に充填
し、透析液入出口を塞ぎ、湿度5%以下に除湿した乾燥空
気を除電ブロワーに通気し、そこから得られる気体をノ
ズルから吹き出すこととにより整糸を行った。その後、
ウレタン樹脂によるポッティングを実施し、中空糸の充
填率5 0%、中空糸の有効長23cm、内面換算の膜面積1.3m
2 の中空糸膜モジュールを作成した。このモジュールに
対し、「血液浄化器の評価法(日本透析医学会1996)」
等に示される常法により血液側流量200ml/min 、透析液
側流量500ml/min 、限外濾過量0ml/min において尿素水
溶液での尿素クリアランスを測定し、総括物質移動係数
を算出した。続いて、同じモジュールに対し、血液側を
キャップで塞いだ後、透析液側の流動測定用の回路に接
続し、透析液側流量(Q d)500ml/min で純水を流し、
トレーサーとして墨汁0.1ml を用い、モジュールの透析
液入り口部から回路に短時間で注入した。透析液出口部
には、分光光度計(波長650nm )のフローセルを取りつ
け、経時的な吸光度変化を記録した後、得られたトレー
サーの滞留分布曲線を接続回路等の容積部等による検出
時間のタイムラグの補正を行い、パソコンにて解析し各
偏流パラメータを求めた。上記について、10個のモジュ
ールを作成し、測定した結果を表1 、図1 、図2に示
す。τ、D/UL共に本願発明の特性を有し、良好な透析性
能を発現している。
空糸膜10000 本を円筒形モジュールケース(円筒内径3.
5cm )に充填し、透析液入出口を塞ぎ、湿度5%以下に除
湿した乾燥空気を除電ブロワーに通気し、そこから得ら
れる気体をノズルから吹き出すこととにより整糸を行っ
た。その後、ウレタン樹脂によるポッティングを実施
し、中空糸の充填率55% 、中空糸の有効長23cm、内面換
算の膜面積1.45m2の中空糸膜モジュールを作成した。こ
のモジュール10本にて実施例1 と同様に総括物質移動係
数、および各偏流パラメータを求めた結果を表1 、図1
、図2 に示す。τ、D/UL共に本願発明の特性を有し、
良好な透析性能を発現している。
糸膜10000 本を円筒形モジュールケース(円筒内径3.5c
m )に充填し、整糸処理を行うことなくウレタン樹脂に
よるポッティングを実施し、中空糸の充填率55% 、中空
糸の有効長23cm、内面換算の膜面積1.45m2の中空糸膜モ
ジュールを作成した。このモジュール10本にて実施例1
と同様に総括物質移動係数、および各偏流パラメータを
求めた結果を表1 、図1 、図2 に示す。τ、D/ULを両方
共に本願発明の特性を満たすものは無く、透析性能も低
値となり、ばらつきも大きくなっている。
れ、優れた透析効率を持つ中空糸型血液透析器または中
空糸型血液透析濾過器を提供することができる。
ラメータと尿素の総括物質移動係数を示す。
ラメータと尿素の総括物質移動係数を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 中空糸内部に血液を流通し、外側部に透
析液を流通することにより血液中の物質を分離除去する
中空糸膜を充填してなる中空糸型血液透析器または中空
糸型血液透析濾過器において、透析液流量Qd(ml/se
c)流通下に、実質的の濾過流量0の状態において、透
析液流入部にトレーサーを注入し、同時に透析液出口部
でトレーサーの流出状態を測定することにより、該透析
器または透析濾過器内の透析液流動部におけるトレーサ
ーの滞留時間分布曲線を求め、該滞留時間分布曲線を下
記(数1)にて解析することにより得られる空間時間τ
(sec )の値が、該透析器における透析液流動部の容積
V(ml)と上記透析液流量Qd (ml/sec)から算出され
るV/ Qd(sec) の値の115%以上であることを特徴とす
る中空糸型血液透析器または中空糸型血液透析濾過器。 【数1】 - 【請求項2】 請求項1記載の滞留時間分布曲線を(数
1)にて解析することにより得られる分散度(D/UL )
が0.10以下であることを特徴とする請求項1記載の中空
糸型血液透析器または中空糸型血液透析濾過器。
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