JPH09266947A - 透析用中空糸膜およびモジュール - Google Patents
透析用中空糸膜およびモジュールInfo
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- JPH09266947A JPH09266947A JP8015496A JP8015496A JPH09266947A JP H09266947 A JPH09266947 A JP H09266947A JP 8015496 A JP8015496 A JP 8015496A JP 8015496 A JP8015496 A JP 8015496A JP H09266947 A JPH09266947 A JP H09266947A
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- hollow fiber
- fiber membrane
- fins
- dialysis
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D69/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D69/08—Hollow fibre membranes
- B01D69/084—Undulated fibres
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- External Artificial Organs (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 血液浄化に有効な透析用中空糸膜および該中
空糸膜を用いた、偏流やつぶれ糸(変形糸)等の問題の
ないモジュールを提供する。 【解決手段】 複数個(好ましくは3〜8個)のフィン
を有し、かつクリンプが付与された中空糸膜であって、
しかも、該中空糸膜におけるフィンの高さおよび幅、ク
リンプの周期および振幅、ならびに中空糸膜の内径およ
び膜厚を、特定範囲内に選定することによって、モジュ
ール内での偏流や糸つぶれのない中空糸膜を得る。該中
空糸膜を40〜55%の充填率で収納したモジュール
は、優れた透析性能を有する。
空糸膜を用いた、偏流やつぶれ糸(変形糸)等の問題の
ないモジュールを提供する。 【解決手段】 複数個(好ましくは3〜8個)のフィン
を有し、かつクリンプが付与された中空糸膜であって、
しかも、該中空糸膜におけるフィンの高さおよび幅、ク
リンプの周期および振幅、ならびに中空糸膜の内径およ
び膜厚を、特定範囲内に選定することによって、モジュ
ール内での偏流や糸つぶれのない中空糸膜を得る。該中
空糸膜を40〜55%の充填率で収納したモジュール
は、優れた透析性能を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血液浄化に有効な透
析用中空糸膜および該中空糸膜を用いた透析用モジュー
ルに関するものである。
析用中空糸膜および該中空糸膜を用いた透析用モジュー
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜モジュールにおける血液透析に
おいては、その透析性能は基本的に膜の物質透過係数で
支配されるが、その透過係数の高い低分子の透過に関し
ては、透析液の偏流特性がその透析性能を大きく左右す
る。従って、高い低分子透析性能を得るためには、モジ
ュールの偏流を抑制する必要がある。
おいては、その透析性能は基本的に膜の物質透過係数で
支配されるが、その透過係数の高い低分子の透過に関し
ては、透析液の偏流特性がその透析性能を大きく左右す
る。従って、高い低分子透析性能を得るためには、モジ
ュールの偏流を抑制する必要がある。
【0003】モジュールの透析液偏流を抑制する方法と
して、中空糸膜間の密着を抑制するために、中空糸膜間
にスペーサ・ヤーン類を配置する方法が知られている
(特公昭59―18084号、特開昭60―24430
4号、特開平2―140172号、特開平4―2270
号)。この場合、その製造工程が複雑となりコストアッ
プとなるばかりでなく、スペーサ・ヤーンの配置によ
り、モジュール内の糸の充填本数が低下するためにモジ
ュールサイズが大きくなる問題点を有していた。
して、中空糸膜間の密着を抑制するために、中空糸膜間
にスペーサ・ヤーン類を配置する方法が知られている
(特公昭59―18084号、特開昭60―24430
4号、特開平2―140172号、特開平4―2270
号)。この場合、その製造工程が複雑となりコストアッ
プとなるばかりでなく、スペーサ・ヤーンの配置によ
り、モジュール内の糸の充填本数が低下するためにモジ
ュールサイズが大きくなる問題点を有していた。
【0004】この問題を解決する方法として、捲縮加工
に代表されるような中空糸膜にクリンプを付与する方法
がすでに提案されている(特開昭57―194007
号、特公平3―69573号、特公平5―12013号
など)。しかし、クリンプのみで透析液偏流を防止しよ
うとする場合、該中空糸のクリンプ度をかなり上げない
と十分な偏流防止効果が得られない。そして、その程度
まで十分なクリンプを付与しようとすると、そのクリン
プ付与操作により残血等の原因となる変形糸(つぶれ
糸)が生じやすい問題点を有していた。
に代表されるような中空糸膜にクリンプを付与する方法
がすでに提案されている(特開昭57―194007
号、特公平3―69573号、特公平5―12013号
など)。しかし、クリンプのみで透析液偏流を防止しよ
うとする場合、該中空糸のクリンプ度をかなり上げない
と十分な偏流防止効果が得られない。そして、その程度
まで十分なクリンプを付与しようとすると、そのクリン
プ付与操作により残血等の原因となる変形糸(つぶれ
糸)が生じやすい問題点を有していた。
【0005】一方、この問題点を解決するもう一つの方
法として、中空糸膜外周にフィンを付与する方法が知ら
れている(特開昭61―119274号、特開昭61―
120606号、特開昭61―274706号、特開昭
61―290960号など)。中空糸膜へのフィンの付
与は偏流防止に有効であるが、そのフィンの数および形
状を最適化しても、十分にクリンプを付与した中空糸レ
ベルまで、偏流防止効果を発揮することは困難であっ
た。
法として、中空糸膜外周にフィンを付与する方法が知ら
れている(特開昭61―119274号、特開昭61―
120606号、特開昭61―274706号、特開昭
61―290960号など)。中空糸膜へのフィンの付
与は偏流防止に有効であるが、そのフィンの数および形
状を最適化しても、十分にクリンプを付与した中空糸レ
ベルまで、偏流防止効果を発揮することは困難であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、十分な偏流防止効果を有し、しかも変形糸の発生の
問題のない新規な中空糸膜およびこれを用いた有用な透
析用モジュールを提供することにある。
は、十分な偏流防止効果を有し、しかも変形糸の発生の
問題のない新規な中空糸膜およびこれを用いた有用な透
析用モジュールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フィンを有する中
空糸膜に、緩い特定のクリンプを付与することで、変形
糸等の問題を生ずることなく、フィンとクリンプの相乗
効果により極めて優れた偏流防止効果を発揮させること
を見い出し、本発明の完成に至った。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フィンを有する中
空糸膜に、緩い特定のクリンプを付与することで、変形
糸等の問題を生ずることなく、フィンとクリンプの相乗
効果により極めて優れた偏流防止効果を発揮させること
を見い出し、本発明の完成に至った。
【0008】すなわち、本発明の一つは、クリンプが付
与されかつ糸長方向に伸びた複数個のフィンを糸の外周
に形成した透析用中空糸膜であって、該フィンの高さお
よび幅はいずれもフィンのない部分の平均膜厚の1/2
〜3倍であり、かつ該中空糸膜のクリンプの周期が10
〜30mm、振幅が0.1〜0.9mmで、次式(1)
で定義されるクリンプ度が100〜300%であり、か
つ該中空糸膜の内径は100〜300μmであり、また
該中空糸膜厚は10〜60μmであることを特徴とする
透析用中空糸膜に関するものである。
与されかつ糸長方向に伸びた複数個のフィンを糸の外周
に形成した透析用中空糸膜であって、該フィンの高さお
よび幅はいずれもフィンのない部分の平均膜厚の1/2
〜3倍であり、かつ該中空糸膜のクリンプの周期が10
〜30mm、振幅が0.1〜0.9mmで、次式(1)
で定義されるクリンプ度が100〜300%であり、か
つ該中空糸膜の内径は100〜300μmであり、また
該中空糸膜厚は10〜60μmであることを特徴とする
透析用中空糸膜に関するものである。
【0009】
【数1】 クリンプ度=[振幅/周期]×100% …(1)
【0010】また、本発明の今一つは、クリンプが付与
されかつ糸長方向に伸びた複数個のフィンを糸の外周に
形成した透析用中空糸を収納したモジュールであって、
該中空糸の変形糸率が0.5%以下で、かつ該モジュー
ルにおけるリンの偏流値が1.5m2 の膜面積で10m
l/分以下であることを特徴とする透析用中空糸膜モジ
ュールに関するものである。
されかつ糸長方向に伸びた複数個のフィンを糸の外周に
形成した透析用中空糸を収納したモジュールであって、
該中空糸の変形糸率が0.5%以下で、かつ該モジュー
ルにおけるリンの偏流値が1.5m2 の膜面積で10m
l/分以下であることを特徴とする透析用中空糸膜モジ
ュールに関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の中空糸膜は、糸の外周
(外壁)に糸長方向に連続したフィン(凸部)を複数個
有するものであり、該フィンの数としては、3〜8個が
好ましく、実質的に等間隔(等角度)で付与するのが好
ましい。フィンの数が2個以下の場合、十分な偏流防止
効果を得ることが困難となる。また、フィンの数が9個
以上の場合、フィン部の面積が大きくなりすぎ好ましく
ない。フィン部の形状および数は、基本的に紡糸口金の
ノズルのスリット形状により制御することが可能であ
る。
(外壁)に糸長方向に連続したフィン(凸部)を複数個
有するものであり、該フィンの数としては、3〜8個が
好ましく、実質的に等間隔(等角度)で付与するのが好
ましい。フィンの数が2個以下の場合、十分な偏流防止
効果を得ることが困難となる。また、フィンの数が9個
以上の場合、フィン部の面積が大きくなりすぎ好ましく
ない。フィン部の形状および数は、基本的に紡糸口金の
ノズルのスリット形状により制御することが可能であ
る。
【0012】中空糸膜に付与するフィンの断面形状とし
ては、糸断面におけるその高さ(F)および幅(W)が
フィンのない部分の膜厚(h)の1/2〜3倍であるこ
とが好ましい。フィンの高さ(F)が膜厚(h)の1/
2未満の場合、透析液偏流防止効果が不十分で好ましく
ない。また、その高さ(F)が膜厚(h)の3倍より大
きい場合、フィン内部の透過抵抗が大きくなるととも
に、モジュールへの糸の充填可能本数が低下するため
に、モジュールが大きくなり好ましくない。一方、フィ
ンの幅(W)が膜厚(h)の1/2未満の場合、フィン
内部の透過抵抗が大きくなり好ましくない。また、その
幅(W)が膜厚(h)の3倍より大きい場合、膜厚の厚
いフィン部の面積が大きくなりすぎ好ましくない。
ては、糸断面におけるその高さ(F)および幅(W)が
フィンのない部分の膜厚(h)の1/2〜3倍であるこ
とが好ましい。フィンの高さ(F)が膜厚(h)の1/
2未満の場合、透析液偏流防止効果が不十分で好ましく
ない。また、その高さ(F)が膜厚(h)の3倍より大
きい場合、フィン内部の透過抵抗が大きくなるととも
に、モジュールへの糸の充填可能本数が低下するため
に、モジュールが大きくなり好ましくない。一方、フィ
ンの幅(W)が膜厚(h)の1/2未満の場合、フィン
内部の透過抵抗が大きくなり好ましくない。また、その
幅(W)が膜厚(h)の3倍より大きい場合、膜厚の厚
いフィン部の面積が大きくなりすぎ好ましくない。
【0013】中空糸膜のフィンのない部分の膜厚(h)
は、10〜60μmが好ましい。その膜厚(h)が10
μm未満の場合、糸の強度が不十分となり、ハンドリン
グなどで糸リークが発生し易くなる。また、その膜厚
(h)が60μmより大きくなると、膜全体の透過抵抗
が大きくなるとともに、中空糸膜の外径が大きくなるた
めに、モジュールへの糸の充填本数が低下し、結果的に
モジュールサイズが大きくなり、好ましくない。中空糸
膜の内径(d)は、100〜300μmが良好な透析性
を示すので好ましい。
は、10〜60μmが好ましい。その膜厚(h)が10
μm未満の場合、糸の強度が不十分となり、ハンドリン
グなどで糸リークが発生し易くなる。また、その膜厚
(h)が60μmより大きくなると、膜全体の透過抵抗
が大きくなるとともに、中空糸膜の外径が大きくなるた
めに、モジュールへの糸の充填本数が低下し、結果的に
モジュールサイズが大きくなり、好ましくない。中空糸
膜の内径(d)は、100〜300μmが良好な透析性
を示すので好ましい。
【0014】なお、前記のフィンの高さ(F)、幅
(W)、膜厚(h)等が各部で異なるか変化している中
空糸膜にあっては、平均値をもって、これらの値とす
る。
(W)、膜厚(h)等が各部で異なるか変化している中
空糸膜にあっては、平均値をもって、これらの値とす
る。
【0015】また、本発明のクリンプの周期および振幅
は、図1に示すように定義される。
は、図1に示すように定義される。
【0016】本発明のクリンプ周期は10〜30mmが
好ましい。クリンプ周期が10mm未満の場合、クリン
プ付与の操作の際に、変形糸等を生じやすく好ましくな
い。また、その周期が30mmより長い場合、クリンプ
付与効果が失われるので好ましくない。また、次式
(1)で定義されるクリンプ度は、100〜300%が
好ましい。
好ましい。クリンプ周期が10mm未満の場合、クリン
プ付与の操作の際に、変形糸等を生じやすく好ましくな
い。また、その周期が30mmより長い場合、クリンプ
付与効果が失われるので好ましくない。また、次式
(1)で定義されるクリンプ度は、100〜300%が
好ましい。
【0017】
【数2】 クリンプ度=[振幅/周期]×100% …(1)
【0018】前記クリンプ度が100%未満の場合、ク
リンプレベルが十分でなく、フィン付き中空糸膜を用い
ても十分な偏流防止効果を得ることが困難となる。ま
た、そのクリンプ度が300%より高くなると、クリン
プ付与操作時に変形糸等が生じやすくなり、好ましくな
い。
リンプレベルが十分でなく、フィン付き中空糸膜を用い
ても十分な偏流防止効果を得ることが困難となる。ま
た、そのクリンプ度が300%より高くなると、クリン
プ付与操作時に変形糸等が生じやすくなり、好ましくな
い。
【0019】本発明の中空糸膜におけるクリンプ付与法
としては、ボビンに捲き取った糸を熱処理する捲縮加工
法やクリアランスを設けた歯車の間に糸を通す方法等が
採用されるが、これのみに限定されるものではない。
としては、ボビンに捲き取った糸を熱処理する捲縮加工
法やクリアランスを設けた歯車の間に糸を通す方法等が
採用されるが、これのみに限定されるものではない。
【0020】前記の如き本発明のフィンおよびクリンプ
を付与した中空糸は、透析用モジュールケースに収納・
充填され、透析用モジュールとされる。この際、充填す
る中空糸の充填率は40〜55%が好ましい。充填率が
40%未満の場合、モジュールサイズが大きくなるとと
もに、偏流防止効果が半減し好ましくない。また、充填
率が55%より高くなると、糸の充填が困難となるとと
もに、充填の際に糸を傷つける可能性が増すので好まし
くない。ここで、充填率は、モジュールケース内径面積
に対する充填した中空糸の断面積(フィン部も含む)の
総和の%を表わす。
を付与した中空糸は、透析用モジュールケースに収納・
充填され、透析用モジュールとされる。この際、充填す
る中空糸の充填率は40〜55%が好ましい。充填率が
40%未満の場合、モジュールサイズが大きくなるとと
もに、偏流防止効果が半減し好ましくない。また、充填
率が55%より高くなると、糸の充填が困難となるとと
もに、充填の際に糸を傷つける可能性が増すので好まし
くない。ここで、充填率は、モジュールケース内径面積
に対する充填した中空糸の断面積(フィン部も含む)の
総和の%を表わす。
【0021】また、本発明のモジュールの変形糸率は
0.5%以下が好ましい。変形糸率が0.5%より高く
なると、血液透析の際に残血等の問題が生じ好ましくな
い。ここで、変形糸率は、成型したモジュールの接着部
断面を観察し、中空糸断面が長径÷短径≧2のつぶれた
糸を変形糸とし、その変形糸の全体に占める割合を示し
たものである。
0.5%以下が好ましい。変形糸率が0.5%より高く
なると、血液透析の際に残血等の問題が生じ好ましくな
い。ここで、変形糸率は、成型したモジュールの接着部
断面を観察し、中空糸断面が長径÷短径≧2のつぶれた
糸を変形糸とし、その変形糸の全体に占める割合を示し
たものである。
【0022】本発明のモジュールにおけるリンの偏流値
は1.5m2 モジュールで10ml/分以下が好まし
い。偏流値が10ml/分より高くなると低分子の透析
性が低下し好ましくない。なお該偏流値は、以下のよう
にして求められる。
は1.5m2 モジュールで10ml/分以下が好まし
い。偏流値が10ml/分より高くなると低分子の透析
性が低下し好ましくない。なお該偏流値は、以下のよう
にして求められる。
【0023】[リン偏流値の測定方法]中空糸内側流量
200ml/分、透析液流量500ml/分でリンのク
リアランスを測定する(これをC1とする)。次に、そ
の透析液流量を2000ml/分とし偏流の寄与を除い
た条件でのクリアランスを測定する(これをC2とす
る)。このC2を用いて、次式(I)から総括物質移動
係数KO を求め、クリアランスの式(II)から透析液流
量500ml/分の時のクリアランスを算出する(これ
をC3とする)。かかるC3と実測値C1との差を偏流
値D(D=C3−C1)と定義する。
200ml/分、透析液流量500ml/分でリンのク
リアランスを測定する(これをC1とする)。次に、そ
の透析液流量を2000ml/分とし偏流の寄与を除い
た条件でのクリアランスを測定する(これをC2とす
る)。このC2を用いて、次式(I)から総括物質移動
係数KO を求め、クリアランスの式(II)から透析液流
量500ml/分の時のクリアランスを算出する(これ
をC3とする)。かかるC3と実測値C1との差を偏流
値D(D=C3−C1)と定義する。
【0024】
【数3】
【0025】本発明に係る中空糸の膜素材としては、水
溶性の有機溶剤に可溶な高分子化合物が好ましい。具体
的には、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート
系、ポリアクリロニトリル系、ポリスルホン系およびポ
リカーボネート系高分子化合物が好適であるが、これら
に限定されるものではない。また、これら高分子化合物
は単独で用いても、他の高分子化合物とブレンドして用
いてもかまわない。
溶性の有機溶剤に可溶な高分子化合物が好ましい。具体
的には、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート
系、ポリアクリロニトリル系、ポリスルホン系およびポ
リカーボネート系高分子化合物が好適であるが、これら
に限定されるものではない。また、これら高分子化合物
は単独で用いても、他の高分子化合物とブレンドして用
いてもかまわない。
【0026】
【実施例】以下、本発明の構成および効果を実施例によ
ってさらに具体的に説明する。
ってさらに具体的に説明する。
【0027】[実施例1]セルローストリアセテート濃
度20.5wt%の紡糸原液を6本のフィンスリットを
有する環状ノズルから吐出し、次いで、溶剤濃度20w
t%、温度29℃の水系凝固浴に導入し、凝固させて、
平均膜厚17μmのフィン付き中空糸膜を得た。中空糸
形成用の芯剤としては流動パラフィンを用いた。得られ
た中空糸膜は、水洗・グリセリン付着後12本合糸でボ
ビンに捲き取り、次いで80℃で熱処理を行いクリンプ
周期18mmのクリンプを付与した。得られた中空糸膜
をモジュールケースに充填率48%で充填し1.5m2
のモジュールを作製した。得られた中空糸膜のパラメー
タおよび性能を表1に示す。
度20.5wt%の紡糸原液を6本のフィンスリットを
有する環状ノズルから吐出し、次いで、溶剤濃度20w
t%、温度29℃の水系凝固浴に導入し、凝固させて、
平均膜厚17μmのフィン付き中空糸膜を得た。中空糸
形成用の芯剤としては流動パラフィンを用いた。得られ
た中空糸膜は、水洗・グリセリン付着後12本合糸でボ
ビンに捲き取り、次いで80℃で熱処理を行いクリンプ
周期18mmのクリンプを付与した。得られた中空糸膜
をモジュールケースに充填率48%で充填し1.5m2
のモジュールを作製した。得られた中空糸膜のパラメー
タおよび性能を表1に示す。
【0028】表1から明らかなように、実施例1の中空
糸モジュールは、後述の比較例で示すフィンのみおよび
クリンプのみを付与した中空糸膜モジュールに比較し、
透析液偏流防止効果が良好で低い偏流値(5ml/分)
を示し、高いリンのクリアランスが得られた。
糸モジュールは、後述の比較例で示すフィンのみおよび
クリンプのみを付与した中空糸膜モジュールに比較し、
透析液偏流防止効果が良好で低い偏流値(5ml/分)
を示し、高いリンのクリアランスが得られた。
【0029】
【表1】
【0030】[比較例1]実施例1において、フィン付
き中空糸膜にクリンプ付与を行わず、充填率51%のモ
ジュールを作製した。その結果を前掲の表1に併記す
る。
き中空糸膜にクリンプ付与を行わず、充填率51%のモ
ジュールを作製した。その結果を前掲の表1に併記す
る。
【0031】フィンだけを付与した場合、偏流防止効果
が十分でなく、リンのクリアランスが十分でなかった。
が十分でなく、リンのクリアランスが十分でなかった。
【0032】[比較例2]実施例1において、フィン形
成用スリットを有しない環状ノズルを用いて、膜厚17
μmの中空糸膜を作製した以外は実施例1と同様にし
て、クリンプを付与したフィンなし中空糸膜を得て、充
填率51%のモジュールを作製した。その結果を表1に
併記する。
成用スリットを有しない環状ノズルを用いて、膜厚17
μmの中空糸膜を作製した以外は実施例1と同様にし
て、クリンプを付与したフィンなし中空糸膜を得て、充
填率51%のモジュールを作製した。その結果を表1に
併記する。
【0033】クリンプ度147%のクリンプしかないた
め、偏流防止効果が十分でなかった。
め、偏流防止効果が十分でなかった。
【0034】[比較例3]比較例2において、ボビンの
捲き取り合糸数を3本とし、ボビンの捲き取り形状を変
え、クリンプ周期2.9mm、クリンプ度517%の中
空糸膜を作製し、充填率51%のモジュールを作製し
た。その結果を表1に併記する。
捲き取り合糸数を3本とし、ボビンの捲き取り形状を変
え、クリンプ周期2.9mm、クリンプ度517%の中
空糸膜を作製し、充填率51%のモジュールを作製し
た。その結果を表1に併記する。
【0035】クリンプ度が517%と高いため、偏流防
止効果は十分であるが、クリンプ付与の際に、変形糸が
多く発生してしまった。
止効果は十分であるが、クリンプ付与の際に、変形糸が
多く発生してしまった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、中空糸に付与したフィ
ンとクリンプとの相乗効果により、透析液偏流防止効果
が極めて高く、しかも変形糸率の問題のない透析用中空
糸膜モジュールを提供することが可能となった。
ンとクリンプとの相乗効果により、透析液偏流防止効果
が極めて高く、しかも変形糸率の問題のない透析用中空
糸膜モジュールを提供することが可能となった。
【図1】中空糸膜のクリンプ度の説明図。
【図2】フィン付き中空糸膜の断面形状の一例を示す断
面図。
面図。
H クリンプ波高 F フィンの高さ W フィンの幅 h フィンのない部分の膜厚 d 中空糸膜の内径
Claims (3)
- 【請求項1】 クリンプが付与されかつ糸長方向に伸び
た複数個のフィンを糸の外周に形成した透析用中空糸膜
であって、該フィンの高さおよび幅はいずれもフィンの
ない部分の平均膜厚の1/2〜3倍であり、かつ該中空
糸膜のクリンプの周期が10〜30mm、振幅が0.1
〜0.9mmで、[振幅/周期]×100%で定義され
るクリンプ度が100〜300%であり、かつ該中空糸
膜の内径は100〜300μmであり、そして、該中空
糸膜厚は10〜60μmであることを特徴とする透析用
中空糸膜。 - 【請求項2】 クリンプが付与されかつ糸長方向に伸び
た複数個のフィンを糸の外周に形成した透析用中空糸膜
を収納したモジュールであって、該中空糸膜の変形糸率
が0.5%以下で、かつ該モジュールにおけるリンの偏
流値が1.5m2 の膜面積で10ml/分以下であるこ
とを特徴とする透析用中空糸膜モジュール。 - 【請求項3】 請求項1に記載の中空糸膜を充填率40
〜55%で充填したことを特徴とする請求項2記載の透
析用中空糸膜モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8015496A JPH09266947A (ja) | 1996-04-02 | 1996-04-02 | 透析用中空糸膜およびモジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8015496A JPH09266947A (ja) | 1996-04-02 | 1996-04-02 | 透析用中空糸膜およびモジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09266947A true JPH09266947A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=13710391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8015496A Pending JPH09266947A (ja) | 1996-04-02 | 1996-04-02 | 透析用中空糸膜およびモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09266947A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-04-02 JP JP8015496A patent/JPH09266947A/ja active Pending
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