JPS5918084B2 - 流体分離装置 - Google Patents

流体分離装置

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JPS5918084B2
JPS5918084B2 JP10985076A JP10985076A JPS5918084B2 JP S5918084 B2 JPS5918084 B2 JP S5918084B2 JP 10985076 A JP10985076 A JP 10985076A JP 10985076 A JP10985076 A JP 10985076A JP S5918084 B2 JPS5918084 B2 JP S5918084B2
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hollow fibers
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能成 藤井
祥三 長尾
俊二 熊沢
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は選択透過性中空繊維を用いた流体分離装置に関
するものであり、さらに詳しくは微細な中空繊維を多数
束ねて固着した管板部分の形成性を著しく改善し、かつ
中空繊維外側部の流体の流れ状態が著しく改善されて分
離効率が改良された流体分離装置に関するものである。
従来から半透膜の選択透過性を利用して物質を分離する
方法、すなわち逆浸透法、限外沖過法、正浸透法、透析
法および気体混合物の加圧分離法等の技術は公知である
選択透過膜の形状として数百ミクロンないしそれ以下の
外径を有する中空繊維状の半透性膜を用いた流体分離装
置は、半透膜自体の重量または外部の均等な圧力を管状
構造の中空繊維自体が支え、また微細な中空繊維を用い
ることは単位容積に充填しうる透過膜面積が大きいとい
う、選択透過膜を利用した流体分離装置に非常に有効な
利点を有した技術である。
しかるに、上述の利点を活かし透過面積の大きい分離装
置を製造するためには極めて多数の中空繊維を集束し、
中空繊維束の両端部で1本1本の中空繊維を固着させ各
繊維間に全くすき間のない管板を形成して中空繊維の末
端を開口し、管板部分で中空繊維束を収納する筒状容器
に固定支持させて中空繊維の内部流体と外部流体とが一
切混合することのない装置に組立てることが必要である
かかる装置を製造する方法として例えば特公昭44−5
526号公報には多数の中空繊維からなる繊維束を遠心
力装置に組み込み、中空繊維束の両端の管板を遠心力場
に於て硬化性液状材料を鋳型して製造する方法が提案さ
れている。
しかし、数千本ないし数千万本からなる微細な、かつ半
透性を損なわないようグリセリン等で再可塑化した中空
繊維束を各々の中空繊維の内部を閉塞させることなく鋳
型して管板を形成する技術は著しく高度の技術であり、
鋳型時の収率を向上させることは実際技術上極めて重要
な問題である。
また一方、極めて多数の微細な中空繊維の集束体からな
る分離装置に於てはしばしば中空繊維外側部の流体の装
置内部での分配が不均等となって偏流等を生じ、装置の
分離効率が著しく低下する。
あるいは装置を洗浄する場合等に局部的に洗浄が不充分
になることがある。
その結果、例えば血液透析のような場合には滅菌剤等の
有毒な物質が残留することになり、逆浸透や限外沖過の
場合には逆洗再生を重ねる度毎に性能が低下し、実際上
非常に重大な欠点となるものである。
このような低分離効率・性能低下の原因となる偏流を防
止し性能を改善する試みは数多く行われており、例えば
中空繊維束にリボン伏部材を巻きつけて束と束との間の
偏流防止を企る方法が提案されているが性能改善は十分
ではなく実用に供することは難かしい。
また例えば多孔性支持体からなる比較的太い管状膜に糸
状素子を巻きつけ装置内近接部品と接触することを防ぐ
方法も提案されているが、柔軟でかつ損傷し易すい微細
な中空繊維に応用するには極めて不十分な提案であり、
十分な効果を期待できぬものである。
本発明者らは、かかる観点に立って流体分離効率の優れ
た同時に製造容易な流体分離装置を提供すべく鋭意検討
した結果本発明を発明するに到ったのである。
すなわち本発明は、選択透過性中空繊維束の両端に形成
された管板部分で筒体の両端の外方にそれぞれ設けられ
た室にそれぞれの中空繊維が開口し、両管板部分で閉じ
られた側部に入口通路と出口通路とが設けられている筒
体の内部に選択透過性中空繊維束を収納した構造を有す
る流体分離装置であって、中空繊維束が1本または2本
の中空繊維に各中空繊維と中空繊維との距離を実質的に
均等かつほぼ一定となるごとく規制する効果を有するス
ペーサヤーンがラセン伏に巻きつけられた巻き付は中空
繊維素子が多数集束された構造からなることを特徴とす
る流体分離装置である。
かかる構造の流体分離装置は、管板部を鋳型する際に硬
化性液体鋳型材が微細な多数の中空繊維間の間隙にスペ
ーサヤーンによってできた連絡路を通って極めて容易に
浸入して完全に流密な管板を著しく高収率で成型するこ
とができ、同時に物質を交換・分離する中空繊維の外側
を流れる流体は一本一本の中空繊維表面に沿ってスペー
サヤーンの隙間に均等に分配されて、滞留することなく
かつラセン伏のスペーサヤーンによる乱流効果によって
境膜抵抗が著しく減少し、全く予想できぬほど顕著な分
離効果の改善ができるのである。
第1図は本発明の一例の流体分離装置の全体構造を示す
ものである。
分離装置の容器をなす筒体1は流体の入口5と出口4と
を備えている。
逆浸透装置または限外沢過装置として使用するときは流
体の入口5からポンプにより高圧をかけることができる
筒体1の形状は任意とすることができるが、耐圧性及び
流体の均一な流れ方に対しては円筒形であることが有利
である。
材質は使用する圧力に耐えることができるものであり、
処理する流体に対して十分耐食性のあることが必要であ
る。
中空繊維束2は両端の管板部6及び7で筒体1に支持・
固定され、筒体1の両端の外方に設けられた室8及び9
に中空繊維の開口端が連通している。
筒体1の両端の室8および9はそれぞれの管板とヘッダ
10および11とでしきられ、それぞれ流体の入口と出
口12および13を有している。
管板を形成する壁材には鋳型加工可能な硬化性重合体組
成物が好ましく用いられ、装置の使用目的に応じて、耐
圧性、耐食性、耐溶剤性および毒性等を考慮して種類を
選定するのが良い。
筒体1の両端の外方の室を管板とともに構成するヘッダ
は筒体及び管板材料と同様に耐圧性、耐食性、耐溶剤性
および毒性等を考慮して選定される。
例えば血液透析等の特定の使用目的に対しては、筒体材
料として、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ABS樹脂、AS樹脂等から選定し
て好ましく用いることができ、ヘッダ材料としてポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチ
ルメタアクリレート等をいることができる。
さらに管板材料としてはシリコン樹脂あるいはインシア
ネート基を末端に有するプレポリマとヒマシ油もしくは
ヒマシ油誘導体を主成分とするポリオール成分とからな
るポリウレタン等を好ましく使用することができる。
しかし、一般の逆浸透法、限外沖過法、透析法あるいは
混合気体の加圧分離法等の使用目的に対しては通常の高
分子材料及び金属材料等から選んで筒体及びヘッダを製
造することができ、管板材料にはエポキシ樹脂等の普通
に使用される硬化性重合体組成物が使用できる。
筒体1の中に収納される中空繊維束2の構造は本発明の
特徴とするとCろなので次に詳細に説明する。
すなわち、中空繊維束2を構成する中空繊維には第2図
に示すようにスペーサヤーンをS方向とZ方向にラセン
伏に巻きつけた中空繊維素子からなり、中空繊維束はこ
のような巻き付は繊維素子により各々の中空繊維と中空
繊維との距離が実質的に均等かつほぼ一定に規制された
構造を有する。
スペーサヤーンの巻き付は方は第3図の如くSまたはZ
方向の一層でもスペーサヤーンの特性を選ぶことによっ
てその効果を十分発揮することができ、また第4図のよ
うに2本の中空繊維を一対としてスペーサヤーンを巻き
つけた形状のものであっても良い。
使用される選択透過性中空繊維には本発明の目的および
構成から明らかなように素材及び形状・特性によって限
定されることはないが、例えばセルロースジアセテート
、セルローストリアセテート等のセルロースエステル類
、セルロースエーテル類等のセルロース誘導体、ポリア
ミド系重合体、ポリエステル系重合体、ポリメチルメタ
クリレート等のメタクリル系もしくはアクリル系重合体
、ポリ塩化ビニル等のポリビニル系重合体、ポリウレタ
ン、有機シリコン重合体、ポリアクリロニトリル系重合
体、ポリスルホン、ポリエチレンの如きポリオレフィン
、ポリプロピレン等からなる使用される状態で比較的非
膨潤性の選択透過性中空繊維に適用した場合に本発明の
効果を有効に活性することができる。
中空繊維の形状としてその太さは通常10〜600μ位
の中空繊維が流体分離装置の用に供されているが、勿論
本発明をこの範囲の中空繊維に適用することに問題はな
い。
スペーサヤーンとしては、各々の中空繊維と中空繊維と
の距離を実質的に均等かつほぼ一定に規制するスペーサ
の機能があれば良いのであるが、製造された装置の諸行
性を望ましい範囲に調節しかつ製造工程で中空繊維に損
傷を与えないためには、使われる中空繊維の特性と装置
の使用目的に合わせて適当な性状及び素材の糸条を選定
する必要がある。
しかし一般的に述べれば、ポリエステル、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアミド等のフィラメント糸あるいは紡績
糸等が好ましく用いられ、セルロースアセテート、レー
ヨン等のセルロース糸繊維、ポリビニルアルコール、ポ
リ塩化ビニル系繊維、ポリ弗化ビニリデン系繊維等も目
的・用途に応じて好ましく用いられる。
性状としては比較的嵩高性のあるかつ伸縮性のある例え
ば捲縮繊維、加工糸あるいは紡績糸等が、グリセリン等
で可塑化された湿潤状態の中空糸に損傷を与えることな
く取扱うことができ、さらに後述するように装置に対す
る中空繊維の充填率および充填状態を好ましく調節する
ことができ好適である。
しかし、使用される中空繊維の太さ、強度等の物理的性
質、使用される装置の目的・操作条件等によっては適当
な繊度のモノフィラメント等も使用されることがある。
−具体的には例えば腐食性の強いまたは溶解性・膨潤性
の強い流体の分離にはポリ弗化ビニリデン系繊維が好ま
しく用いられ、また血液透析の場合には溶出物の少ない
ポリエステル、セルロースアセテート等の加工糸が好ま
しく用いられる。
スペーサヤーンの繊度は巻きつけられる中空繊維の太さ
、剛直性あるいはスペーサヤーンの嵩高性と伸縮性、目
標とする中空繊維の充填密度等に依存して決められるの
で一層に限定することができないが、一般的に表限すれ
ば用いられる中空繊維よりは細く、さらに好ましくはそ
の外径の1/10〜1〜2位の繊度が良い。
選択透過性中空繊維に巻き付けるスペーサヤーンの巻き
数は本発明の目的・効果を左右するもう一つの重要な因
子である。
すなわち、ラセン伏に巻きつけられたスペーサヤーンの
密度が犬であれば各々の中空繊維の距離を規制する効果
はより犬となるが、他方中空繊維の有効表面積を減する
ことになる。
しかし、中空繊維間の距離を均等にかつほぼ一定にして
その結果期待される流体分離効率の向上の効果は、スペ
ーサヤーンの繊度および嵩高性等を適当に選定すれば比
較的巻き数の小さい範囲で十分な効果を発現させること
ができる。
このような好適な巻き数の範囲は目標とする分離装置の
特性例えば中空繊維外側部の流体抵抗の大きさ、中空繊
維の繊度及び嵩高性、分離装置筒体中の中空繊維の充填
密度等によって一定でないが、たいたい中空繊維10m
m当り0.1〜20が有効であり、さらに好ましくは0
.25〜4.0の範囲が良G)。
本発明の効果である中空繊維の外側を流れる流体の分配
を均等化して偏流を抑制し、分離効率を向上させる効果
に対してはLOmm当り0.1以上であれば相当の効果
があるが、巻き数20以上ではスペーサヤーンの繊度お
よび嵩高性を十分小さく選んでも中空繊維の有効表面積
を減少させ分離効率を低下させる効果が、前述の偏流抑
制による分離効率向上の効果をほぼ相殺する程度に増大
し、本発明の効果の一つを有効に発現させることができ
なくなる傾向にある。
また本発明の他の重要な効果である管板部分を硬化性液
状重合体組成物で中空繊維束の端部を鋳型して成型する
場合に中空繊維束の管板部分に全く間隙が残存せず完全
に気密性の管板を成型しうる鋳型性の改善効果に対して
は、鋳型層内の中空繊維が相互に3本以上が密接するこ
とを阻止する必要がある。
鋳型層の厚みは分離装置の構造・大きさによって変わり
うるものであり一般的に限定し難いが、かかる目的効果
のために必要な巻き数はより大である方が有利でそのお
よその下限を示せば0.25程度である。
勿論鋳型層が薄い場合には巻き数をより大とし、鋳型層
が厚い場合にはより小とすることが可能であり、またス
ペーサヤーンがマルチフィラメントか否か、嵩高性が犬
か小か等で変わり厳密に下限値を限定することは難かし
い。
またさらに巻き数が4以上の範囲では中空繊維の繊度、
可撓性、スペーサヤーンの繊度、形状等を考慮しても本
発明の目的効果は微増する程度で巻き数は4程度が実質
的に十分な値である。
以上述べた如きスペーサヤーンを1本もしくは2本の中
空繊維にラセン伏に巻き付けた巻き付は中空繊維素子を
集束してなる中空繊維束が本発明の特徴とするところで
ある。
かかる中空繊維束は、各々の中空繊維と中空繊維との距
離が実質的に均等にかつほぼ一定番こ規制されており、
中空繊維の3本以上が繊維軸方向に長く密接することが
ない。
したがって前述した如く中空繊維束の端部を硬化性液状
重合体組成物で鋳型して管板を成型する際に中空繊維が
3本以上密接して中空繊維にとり囲まれた部分が空隙と
して残り管板の漏洩の原因となることがない。
管板部分を成型する方法は種々考えられているが、先に
引例した方法の遠心力場で硬化性液状材料に対して非混
和性の比重の大きい液体で中空繊維の末端開口部をシー
ルし同時に遠心力場で管板材料を鋳型硬化させて成型す
る方法は非常に巧妙な方法であり、工業的に有利な方法
であるが、実際に具体的に検討すると成型された管板部
からしばしば漏洩する。
漏洩は数千本〜数千万本の中空繊維束の一箇所で発生し
ても製品として使用に耐えぬものであり、このような漏
洩を防ぐ容易な方法が望まれていた。
本発明者らは漏洩部分を詳わしく検討した結果部分的に
3本〜4本の中空繊維が繊維軸方向に密接して空隙をな
し、この空隙部分に硬化性液状材料が浸入し難いために
管板に小孔が残り漏洩することをつきとめ、容易にかつ
確実に漏洩を防止する本発明を提供するものである。
本発明の他の重要な効果に分離効率の向上筒の効果があ
る。
例えば本発明の液体分離装置を透析装置として使用する
場合で考えると、透析効率は中空繊維内部液の境膜抵抗
(RB)と選択透過膜固有の抵抗(RM )と透析液境
膜抵抗(RD)との和の総括物質移動抵抗RQによって
決る。
しかるにRBは中空繊維の内径、流量、溶質の拡散速度
等で決りRMは膜固有の値であるが、RDは装置の構造
、就中透析液の分配もしくは偏流の存在等に著しく依存
し、全体としては装置の効率を著しく左右する。
すなわち、偏流の程度は、中空繊維束と筒体との空隙、
中φ繊維束内の空隙、及び中空繊維間の空隙の大小によ
って決る。
従来実用化されている透析装置としては中空繊維の素材
として再生セルロース系のものがほとんどであり、合成
重合体もしくはセルロース誘導体等の半合成重合体等の
ものは研究は進められているものの実用化に到っていな
い。
これはたまたま再生セルロース系中空繊維は非常に水に
よる膨潤性が大きく、上述の筒体との空隙及び中空繊維
束内の空隙が大きくても使用時には中空繊維の伸長膨潤
により筒体内で中空繊維が屈折して全体として空隙が均
等化されて中空繊維とともに筒体内金体に分配され偏流
が発生することが自然的に防止されて、偏流によるRD
の増大が抑制され比較的高い透析効率が実現されている
これに対し水膨潤性の少ない合成重合体もしくは半合成
重合体からなる中空繊維では前述のような膨潤および伸
長による偏流抑制効果は期待されず、膜としての性能お
よび物理的性質がたとえすぐれていたとしても透析効率
の十分に高い装置を工業的に製造することが困難である
かかる非膨潤性中空繊維の透析抵抗は筒体内壁と中空繊
維束との空隙は比較的容易に可及的僅少にして改善しう
るが、透析効率低下に最も重要な中空繊維束内の空隙に
よる偏流を実際的工業的技術で解決することは非常に難
かしい。
すなわち例えば透析装置として使用初期には偏流も少な
く効率も十分高くとも、使用中に透析液の流動によって
中空繊維束が小分割されて空隙を生起して偏流が発生し
、著しく効率が低下することもある。
かかる現象は前述のRDの急激な増大で確認され、しば
しば水膨潤性の再生セルロース系中空繊維の装置でも認
められる。
また、透析装置の機能的特性として透析液の流動抵抗す
なわち透析液入口と出口との圧力損失が可及的に小さい
ことが望ましいが、非膨潤性中空繊維束を用いた透析装
置では透析液の境膜抵抗RDを十分小さくするためには
ほぼ最密に近い状態まで中空繊維の充填率を高める必要
があり、このような状態では透析液側圧力損失が著増し
て実用上問題であり血液透析の例のような場合には決定
的な欠点となる。
中空繊維の充填率εを分離装置筒体内壁の断面S1中空
繊維の外壁のなす円形断面の面積をS中空繊維の本数を
Nとしたときε=NXS/Sで定義すれば、円形の筒体
に六角形で最密に充填するとεは約90.5%になり、
四角形で最密充填したときは78.5%になる。
再生セルロース系血液透析装置では通常約45〜50%
であり透析液圧力損失は10〜15imHg位、透析液
境膜抵抗RDは透析液の平均流束約60crrt/分で
5〜10分/儒程度を示している。
これに対して非膨潤性の中空繊維の場合には充填率約7
8%以下では中空繊維束内の空隙が生じ、しかも透析液
圧力損失が35iiHg以上に達しかつ透析液境膜抵抗
RDは約10〜15以上となり、透析液側圧力損失を下
げるため充填率εを下げると極めて急激に透析液境膜抵
抗RDが増大し、透析効率を低下させる。
しかるに本発明に従えば、中空繊維の充填密度30〜7
8%好ましくは40〜70%の範囲に於て中空繊維の外
側を流れる流体の流動抵抗lmmHg/crfL以下、
境膜抵抗RD 15 min/m以下の分離効率を、中
空繊維素材と流体との相互作用による膨潤・伸長等の伴
なわない非膨潤性中空繊維の系に於ても安定して達成す
ることができる。
同時に前述した如き透析中の効率低下という現象も全く
起ることがない。
しかも第1図の全体図中に示した3の独立発泡性可撓性
支持部材の如き中空繊維束のほぼ全体を支持して緊縛す
るような構造を採用するならば中空繊維を東向に於て均
等配列すると同時に一定の充填率を構成することが容易
であり、製品の品質特性を著しく安定化することができ
る。
かかる目的を達成する上に於て適度の嵩高性を有する捲
縮フィラメントあるいは加工糸等のスペーサヤーンは非
常に有効な効果を発現するのである。
このような本発明の効果は透析装置の場合にのみ有効で
あるのではなく流体分離装置の一般的・共通的問題を解
決するものなのである。
すなわち例えば逆浸透法等では流体の流れ状態が不均等
で偏流があれば、濃度分極を増大させ装置の分離効率を
低下させる。
またさらに一般的には装置の洗浄等が不十分になり易す
く、遣水装置としては精製水の純度を低下させることに
なり、限外濾過法による果汁・ホエー等の濃縮装置に於
ては不純物の混入あるいは装置内の滞留による変性等に
より製品の品質を低下させることにもなる。
さらにかかる現象は洗浄操作により完全に再生されるこ
とは難かしく、再生の度毎に次第に効率を低下させて装
置の寿命を短縮することにもなる。
本発明により分離流体の流れ状態の改善された構造を有
する分離装置に於ては上述のような流体分離装置に共通
する問題点を著しく改善することができるのである。
本発明はまた種々の有利な特徴を有しているにもかかわ
らず、溶媒に対して非膨潤性であって分離効率が低いか
あるいは流体抵抗が著しく大きいか等により実用化し難
かった例えば合成重合体もしくは半合成重合体を素材と
する選択透過性中空繊維等を用いた分離効率の著しく改
善された、かつ容易に製造しうる構造の流体分離装置を
提供するものであるが、膨潤性中空繊維からなる例えば
再生セルロース系中空繊維を用いた分離装置等にも適用
しうることは勿論のことである。
以下、本発明の具体的例を実施例によって説明する。
実施例 l 外径340ミクロン内径240ミクロンの疎水性素材で
あるポリメチルメタアクリレート系中空繊維に75デニ
ールのポリエステル加工糸を中空繊維LOmmに対し1
回の巻き数でSおよびZの2層にラセン伏に巻きつけて
長さ30cIr1.、本数8000本の中空繊維束に集
中した。
この中空繊維束を第1図に示された装置に、両端部をポ
リウレタン鋳型材で固着して管板を成型して組立てた。
中空繊維の充填率は独立発泡性可撓性筒状部材の厚みで
ほぼ45%に調節した。
これに対して対照例としてスペーサヤーンを巻きつけず
に集束した中空繊維束から同様の分離装置を製作したが
、中空繊維の充填率をそれぞれ45%、80%および8
5%に調節して製造した。
このような分離装置の分離効率を比較的容易にかつ精度
よく測定する方法としては透析実験により透析液境膜抵
抗を測方する方法があるので本発明でも採用した。
すなわち0・7%の食塩水を中空繊維の内側に一定量(
200ml1分)で流し、中空繊維の外側には純水を一
定量(500ml/分)で流してそれぞれの入口及び出
口濃度を電気伝導度で測定することにより総括物質抵抗
ROを算出した。
一方中空繊維の外側を流す純水の流量を増加してRQの
値がほぼ一定になる条件で得たRO値と前述の基準条件
で測定したROの値との差を透析液境膜抵抗の値RDと
した。
同時に基準条件に於ける中空繊維外側液の入口圧力と出
口圧力との差ΔPDも測定して比較した。
その結果、前述の本発明例ではΔPDは約lOmmHg
でありその時の透析液境膜抵抗RDはほぼ6〜10 m
in /cl’772であった。
これに対し対照例の充填率45%のものではΔPDは1
0〜20mTItHgでそのときのRDは20〜40
min 1cm位で装置間の差異が著しく犬であり、分
離効率が低下していた。
ちなみに膜抵抗と中空繊維内側液の境膜抵抗との和は2
8〜30 min /(1772程度であった。
さらに充填率80%のものではΔPDが30〜115m
mHgで、RDが7〜15m1n/cIIL位であり、
85%のものではΔPDが120〜2307ILmHg
位の範囲でRDは3〜6m1n/CIrLの位を示して
いた。
すなわち、従来構造の装置では分離効率を高めて安定さ
せるためには、ΔPDを著しく高くかつ不安定な条件に
しなければならず、ΔPDを低く安定な値にするために
は分離効率を著しく犠牲にしなければならないのに対し
、本発明例では分離効率が高くかつΔPDが低くしかも
安定した性能を実現していた。
さらにかかる分離装置の管板部での漏洩による収率を比
較すると、本発明例では管板部からの漏洩は殆んど見ら
れなかったのに対し、対照例では高々60%の収率でし
かなかった。
実施例 2 外径270ミクロン内径200ミクロンの比較的疎水性
の強い素材であるセルロースアセテートの中空繊維に1
50デニールのポリエステル加工糸をZ方向一層に巻き
付けて巻き数4回/ 10wmの巻き付は中空繊維素子
を作り、長さ30cIrL本数9500本の中空繊維束
に集束した。
この中空繊維束を実施例1と同様に第1図に示した如き
分離装置に組立てた。
対照例としてスペーサヤーンを巻きつけずに充填率約4
5%に調節した同様の分離装置を製作した。
製作時の管板部での漏洩は本発明例の場合6箇製作し6
箇さも全くなかったが、対照例では6箇中2箇それぞれ
片側端部で1箇所ずつ漏洩していた。
分離効率は実施例1と同様に透析実験で比較した結果、
対照例の境膜抵抗RDはそれぞれ9.5゜34.27,
18(min/cIfL)であったのに対し、本発明例
では6例とも9〜12 min /CrrLの範囲にあ
り効率が高くかつ安定した性能を示していた。
なお本実施例の中空繊維の境膜抵抗は約20m1n/c
IrLであった。
実施例 3 実施例1で使用したと同じポリメチルメタクリレート中
空繊維を2糸条一対として300デニールのポリエステ
ル加工糸を0.5回/10龍の巻き数で一層に巻きつけ
て2糸条の中空繊維からなる巻きつけ中空繊維素子を作
り、この中空繊維素子4000本を30cIrLの長さ
の集束体にして実施例1と同様の分離装置を製造した。
本実施例6例中管板部で漏洩したものはなく、境膜抵抗
は7±2m1n/cm、ΔPDはll±1imHgの各
範囲の値を示していた。
なお参考のために中空繊維3本をまとめてスペーサヤー
ンで巻きつけた中空繊維素子からなる中空繊維束で検討
を試みたが、分離効率の点ではスペーサヤーンの無いも
のに比べてかなり優れていて安定した性能を示すが、管
板部での漏洩が多発し管板の鋳型性が劣っていた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様例の流体分離装置の全体を
示す縦断面図であり、第2図、第3図、第4図はスペー
サヤーンを巻き付けた中空繊維素子の模式図である。 1:筒体、2:中空繊維束、3:支持材、4゜5:流入
口または排出口、6,7:管板、8,9:ヘッダ室、1
0,11:ヘッダ、12,13:流入口または排出口、
14,15:キャップ、16゜19.21,22:中空
繊維、17.18,20゜23ニスペーサヤーン。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 選択透過性中空繊維束の両端に形成された管板部分
    で筒体の両端の外側にそれぞれ設けられた室にそれぞれ
    の中空繊維が開口し、両管板部分で閉じられた側部に入
    口通路と出口通路とが設けられている筒体の内部に選択
    透過性中空繊維束を収納した構造を有する流体分離装置
    であって、該中空繊維束が1または2本の中空繊維にス
    ペーサヤーンがラセン状に巻きつけられた巻き付は中空
    繊維素子が多数集束された構造からなることを特徴とす
    る流体分離装置。
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