JPH0448486B2 - - Google Patents

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JPH0448486B2
JPH0448486B2 JP60252629A JP25262985A JPH0448486B2 JP H0448486 B2 JPH0448486 B2 JP H0448486B2 JP 60252629 A JP60252629 A JP 60252629A JP 25262985 A JP25262985 A JP 25262985A JP H0448486 B2 JPH0448486 B2 JP H0448486B2
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hollow fiber
hollow fibers
hollow
fiber bundle
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JP60252629A
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Shoji Mizutani
Nobuo Taneda
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0448486B2 publication Critical patent/JPH0448486B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
[利用分野] 本発明は、選択透過性中空糸を用いた流体分離
器に関するものである。更に詳しくは、外周部に
フインを有する選択透過性中空糸を内蔵した中空
糸型流体分離器に関するものである。 本発明にかかる流体分離の具体例としては、透
析、限外濾過、精密濾過、逆浸透、パーベーパレ
ーシヨン等の液体分離や、酸素富化等の気体分離
が挙げられる。 [従来技術] 選択透過性中空糸を用いた流体分離器は、逆浸
透や血液透析等において従来より実用的に使用さ
れて来ている。 特に腎不全患者の血液を浄化するために、現在
では中空糸型血液透析器がよく使用されている。
これは筐体の中に透析膜、例えば、中空糸の膜を
多数本、収納し、その中空内部に患者の血液を流
し、外部、即ち、中空糸間に透析液を流して、中
空糸を介して透析によつて、血液中の老廃物を除
去し電解質濃度を是正するとともに、中空糸内外
に圧力差を与えて限外濾過によつて血液中の余剰
水分を除去するものである。更に、血液中から血
漿のみを分離し、或いは、その血漿の中から特定
成分を除去して自己免疫疾患などを治療するため
に、中空糸が使用されている。このように血液処
理用の中空糸は目的に応じて特定の物質を選択的
に透過せしめなければならない。その性能は、中
空糸の素材、ポロシテイ(孔の大きさ、数など)、
膜厚などによつて決定される。しかし、それだれ
ではなく、例えば多数本の中空糸を如何に集束し
て膜面全体を有効に機能させるかということも、
その性能を決定する重要なポイントとなる。例え
ば透析に際して、中空糸どうしが長さ方向に沿つ
て、密着すると、透析液が、その部分の近傍で、
それぞれの中空糸の周りを均等に流れにくくなり
ある特定の流路を形成する結果となり、この流れ
にあずからない中空糸を通しての透析が殆ど行わ
れなくなつて全体としての透析効果は低下する。
通常の透析操作において中空糸膜の両側の濃度差
が物質移動のドライビングフオースとなるから、
透析液を中空糸の外側空間にできるだけ均等に流
し、外側境膜抵抗が周囲より大きくなる部分をで
きるだけ減少させ、血液側(中空糸の内側)と透
析液側(中空糸の外側)との濃度差を増大させ得
るように、中空糸自体の形状を工夫すること等が
必要である。 これまでの解決策の例としては、透析器容器中
への中空糸の収納量(充填率)をある程度上げる
ことにより、あるいは中空糸に曲がりを付与する
ことにより、透析液流動抵抗をもたせ、流れの均
一化をはかることがなされた。更に、中空糸に捲
縮を与えたり、中空糸の周りにカバーヤーンを巻
きつけることにより、中空糸単糸相互の間の密着
を防止して透析液流動による物質移動の効率化が
はかられた。しかしながらこれらの解決策は、ま
だ十分なものとは言えずさらに改善が望まれてい
る。 [発明の目的] 本発明の目的は、かかる問題点を解決し、血液
処理効率の優れた血液処理器として特に有用な流
体分離器を提供することにある。本発明の他の目
的は、特定の形状のフイン付中空糸を最適の充填
状態で収納した高性能で且つ小型の流体分離器を
提供することにある。 [発明の構成] 本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭
意研究したところ、長手方向に延長されたフイン
を有する異形の中空糸束を収納した流体分離器に
おいて、該中空糸の形状と該中空糸束の収納状態
をうまく組み合せることによつて、非常に分離効
率の高い流体分離器が得られることを見い出し本
発明に到達した。 即ち、本発明によれば、選択透過性中空糸を容
器に収納し該中空糸束の両端部を樹脂により該容
器内に固定めしめた隔壁を有した中空糸型流体分
離機において、該中空糸束の大部分の中空糸がそ
の外周部において長手方向に延長された1〜10条
のフインを有し、該フインの平均高さH(μ)と
フインを除外した中空糸の平均外形d(μ)の比
H/dが0.03〜0.2でありかつ該フインの根元の
平均幅W(μ)が20〜40であり、該容器内壁の中
空糸束の軸方向に垂直な断面に対する該中空糸束
全体のフイン部を除外した中空糸の外周基準断面
の占有率(%)が下記式()で表わされ、 41−3.1√x≦y62−3.1√x …() [但しxは該中空糸1本当りの平均フインの数
であり、αは上記比H/dである。] 血液導入部側の隔壁の中空糸束を開口せしめた
面における中空糸の分布が下記式() σ/≦0.1 …() [但し、は該面において該中空糸が存在する
任意の20ケ所における4mm2の面積中に存在する中
空糸数の平均値であり、σは該中空糸数の標準偏
差を示す。] を満たしたことを特徴とする。 以下本発明についてさらに詳細に説明する。そ
の特徴とするところは、その流体分離器に収納す
る選択透過性中空糸束の大部分の中空糸として特
定の形状のフイン付異形中空糸を用いることによ
り、例えば所定の血液処理性能を得るためのその
収納本数を大巾に減少でき、フイン付異形中空糸
の形状即ちフインの数及び高さと容器への中空糸
収納量について、前記式()なる一定の条件を
満たす場合において、中空糸有効面積当りの透析
有効性即ち透析効率及び中空糸の容器への挿入性
が極めて良好になるという事である。 本発明におけるフイン付中空糸のフインの数は
少くとも1であり、その上限としては10が実用上
好ましい。フインの数が11以上になるとフイン根
元部による有効膜面積の減少が顕著になり、溶質
透過性能、水透過性能が著しく低下し、実用的で
ない。即ちかかるフインの数は一般に1〜10であ
るが、さらには2〜7が好ましく特に有効な範囲
は3〜6である。 本発明の流体分離器は、かかるフイン付の選択
透過性中空糸のみを収納せしめたものであつても
よく、場合によつては後述する本発明の効果を低
下もしくはなくすることのない範囲で上記と異な
るもの、例えばフインのない通常の選択透過性中
空糸等と共に該フイン付中空糸を収納せしめても
よい。 前記式()におけるxは、フインのない選択
透過性中空糸も収納した場合にはそのフインの数
を0として、収納した全中空糸束における中空糸
1本当りの平均フイン条数を算出したものであ
る。 αはフインの高さを示すパラメーターであり、
例えば複数フインで高さが異なるものやフイン高
さの異なる複数の種類の中空糸を用いた場合には
算術平均値を使用する。尚フインなしの中空糸の
場合にはフイン高さHを0として計算する。αの
好ましい範囲は0.01〜0.8であり、特に0.03〜0.2
が分離効率上好ましい。本発明に有用な異形中空
糸の典型的な例の断面が第1〜5図に示されてい
る。 本発明における中空糸のその他の寸法は、特に
限定されるものではないが、外径(d)としては100
〜400μ、更には200〜300μが好ましく、フイン部
のない部分の膜厚(h)としては5〜50μ、更には5
〜30μ、特に10〜25が好ましく、フインの高さ(H)
としては5〜100μ、更には9〜60μが好ましい。
またフインの根元の巾(W)はフインの上部に比して
狭いのが望ましい。通常は紡糸原液が口金から吐
出後、原液の表面張力で根元部分は広くなる傾向
を示す。かかるWとしては15〜50μ、好ましくは
20〜40μのものが適当である。この様な範囲にあ
る中空糸は真円性良好であり、特に血液透析器と
して用いた場合に中空糸内での血液凝固や残血が
生じにくい点でも好ましい。 中空糸の断面形状は円形に限定されるものでは
なく、楕円形であつてもよく、その場合前記外径
(d)は長径と短径との平均を意味する。 尚1本の中空糸に複数条のフインを有する場合
には、各々のフインの高さ(H)や巾(W)が同一でも異
なつていてもよい。また2本以上の中空糸がフイ
ンを介してつながつていてもよいが、その場合に
は中空糸2本が好ましい。 本発明に係る流体分離器は、血液透析器として
好適に用いることができる。この場合、血液透析
器用中空糸のフイン部を除いた部分での水透過性
能UFRとしては、1.0〜30.0ml/(m2・hr・mm
Hg)の範囲にあるものが好ましく、殊に3.0〜
10.0ml/(m2・hr・mmHg)の範囲にあるものが
血浄処理効率上好ましい。 前記式()におけるyは、一般に“中空糸充
填率”と称されるものに相当し、フイン部を除外
した中空糸の外周基準の断面積(即ちフイン部を
除く中空糸膜壁部の軸方向と垂直な面での断面積
と中空部の同面での断面積の和)の全中空糸束に
ついての総和の該容器内壁が形成する空間の中空
糸束の軸方向に垂直な断面に対する比率を%で表
わしたものである。尚フインのない中空糸も併用
した場合には、その占有率もyに含めるものとす
る。 本発明に係る流体分離器においては、容器の形
状は特に限定されないが、その製造の容易性等か
ら円柱状が実用的であり、この場合前記占有率y
は下記式()、 y=(Nd2/D2)×100[%] …() [但しDは中空糸束を収納する該容器の内径
(μ)であり、dは該中空糸束においてフイン部
を除外した中空糸の平均外径(μ)であり、Nは
収納された該中空糸の本数を意味する。] で表わされる。 かかるyとしては40〜60%であることが好まし
いが、フイン付異形中空糸を使用することによ
り、所定の血液処理性能を発揮するための充填率
即ち充填すべき中空糸本数を減少せしめて前記式
()の範囲にすることができる。特に上記xの
範囲でフインの数が多い程その著しい減少が可能
である。又その挙動はフインの高さにも依存する
が、その効果はフインの数による程顕著ではな
い。 このように血液処理容器当りの中空糸本数が節
減されることは、主に透析時における透析液側へ
の物質移動係数が大きくなることによる透析性能
の大幅な向上に起因している。 透析性能については、一般に知られているよう
に、血液中の尿素、クレアチニン、尿酸などの透
析液側への物質移動係数が関与している。透析器
全体としての物質移動係数(K0)は、血液側境
膜中の物質移動係数(KB)と中空糸膜中の物質
移動係数(Kn)及び透析液側境膜中の物質移動
係数(KD)との間に次式 1/K0=1/KB+1/Kn+1/KD の関係があり、K0を上げる為には、KB,Kn,KD
の向上対策が必要である。 本発明の前記式()を満足する血液処理にあ
つては、37℃で該中空糸束収納部での透析液の平
均流速が1.8cm/secの血液透析時における透析液
側の尿素の物質移動係数KD(cm/min)が1/12以
上であり、さらに好ましくは1/5以上、特に1/2以
上であれば透析液流れが非常に均一に中空糸に分
配されるようになる。これは、フイン根元部に有
効面積の減少を相殺するに尚余りある程の効果を
与え、透析器全体としての透析性能はフインのな
い場合に比べ大巾に向上するのである。 フインが中空糸外周部に付くことにより、中空
糸相互間の密着が防止され、透析液流れが全体に
分配することが主な理由と考えられるが、その他
中空糸本数の減少による血液速度の増大もKB
加に一部寄与している。即ちKBについては中空
糸中の血液速度の増加により向上をはかることが
でき、細長い容器に中空糸本数を少なくすること
は非常に有利な方向である。 本発明の流体分離器が、中空糸内に血液を流す
流体分離器の場合には、通常の血液流速200c.c./
minに対する該血液処理器中の中空糸本数として
は、通常よりも少ない3000〜11000本、特に4000
〜9000本が好ましい。 また本発明の流体分離器に用いられる中空糸と
しては、フイン部以外の膜厚を薄くしたものが好
ましく、即ち前記Knの大きいものが好ましい。
尚かかる中空糸は製造時、該処理器への組立時及
びその使用時における形態保持性も良好である。 尚、前記式()で表わされる中空糸充填率y
は、フイン付異形中空糸といえども下限があり、
糸本数が少なすぎると中空糸の存在しない空間部
ができ、透析液のシヨート・パスをひき起こす、
その限界が()式の左辺で示されることを見い
出した。一方、yが高すぎても中空糸の容器への
挿入、充填が難しいばかりでなく、容器の中に余
り密に中空糸が充填されると、透析液の局部的な
通過場所ができ、むしろ透析効率としては悪化す
ることがわかつた。この上限が()式の右辺で
示される。これらの作用効果からみて非常に有効
な範囲として()式が満たされる時に、フイン
付異形中空糸の効果が円型中空糸に対し、非常に
有効に発揮されることが見い出された。 このような条件で製造された本発明の流体分離
器は、通常のフインのない円型中空糸を使用した
場合に比較し、透析効率が大巾改良される。即ち
中空糸内の平均血液流速を1.2cm/sec、中空糸外
側の透析液の平均流速を1.8cm/sec、温度を37℃
とした場合の尿素の物質移動係数K0が1/15
cm/min以上であり、好ましくは1/6cm/min
以上である。 本発明に係る流体分離器においては、好ましく
は前記式()を満たすことに加えて、中空糸束
の両端部を樹脂により容器内に固定せしめた隔壁
部における中空糸束の軸方向に垂直な断面の少な
くとも1面における中空糸の分布が下記式() σ/≦0.1 …() [但し、は該少なくとも1面において該中空
糸が存在する任意の20ケ所における4mm2の面積中
に存在する中空糸数の平均値であり、σは該中空
糸数の標準偏差を示す。] を満たす。 ここに言う隔壁における中空糸束の軸方向に垂
直な断面であつて前記式()を満足する少なく
とも1面は、該中空糸束の両端部を樹脂により固
定した隔壁において中空糸が存在している部分で
あればいずれの面であつてもよい。血液を中空糸
内部に流通させる形式の血液浄化用の流体分離器
においては、該少なくとも1面が血液導入部側の
隔壁におけるものであることが好ましく、特に血
液導入部面して該中空糸を開口せしめた面である
ことが望ましい。また透析液の導入口を具備した
透析型の血液浄化器においては、該少なくとも1
面が透析液導入口に近い隔壁におけるものである
ことが好ましい。 また前記()におけるは、かかる少なくと
も1面において該中空糸が存在する任意の20ケ所
における4mm2の面積中に存在する中空糸数の平均
値を表わすものであり、σは該中空糸数の標準偏
差を表わす。該中空糸数の測定は、該隔壁部にお
いて必要に応じて切断することにより露出せしめ
た所定の面における該中空糸が存在する部分につ
いて一般にスケール入りの光学顕微鏡によつて行
われる。 1本の中空糸の断面が顕微鏡の4mm2の面積のス
ケールにより分割される時は、その内側の部分が
中空糸全体の何割かを算出し、スケール内の中空
糸本数を合計する。その為該中空糸数は、整数で
はなく、一般に小数となる。中空糸及び接着剤の
切断面について任意の20ケ所について該中空糸数
を測定し、その平均値と標準偏差値σがσ/
≦0.1の関係を満たす時には、前述の如く透析効
率が良好で使用後の残血も少なくすぐれた透析器
となる。一方、この範囲を外れた場合合には、中
空糸の密集部分や中空糸の殆ど存在しない空隙部
分が局在し、血液及び透析液の偏流が発生し易い
状態になる。特にσ/≦0.05が満足される場合
には、血液残留度が非常に少なくなる等の優れた
効果が得られる。 本発明の流体分離器に用いられる中空糸膜の素
材としては、セルロース類、セルロースエステル
類、ポリアミド類、ポリオレフイン類、ポリスル
ホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリカーボネ
ート類、ポリメチルメタアクリレート、ポリアク
リロニトリル、ポリビニルアルコール及びこれら
の共重合体、他の物との混合物などである。尚共
重合体の具体例としては、エチレン・ビニルアル
コール共重合体があげられる。またこれらの素材
は主に1種のみで用いられるが、場合によつては
2種以上を組み合わせて用いてもよい。 本発明の流体分離器が血液処理器である場合に
は、セルロース類、セルロースエステル類、ポリ
アミド類、ポリエステル類、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルメタアクリレート、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体等が好ましい。尚セルロ
ースエステル類としては、セルロースモノアセテ
ート、セルロースジアセテート、セルローストリ
アセテート等のセルロースアセテート、セルロー
スプロピオネート、セルロースブチレート、セル
ロースアセテートブチレーテ、セルロースナイト
レート等が挙げられる。中でも特に好ましいもの
としてセルロースジアセテート、セルローストリ
アセテート等のセルロースアセテート及びセルロ
ースが挙げられる。 また中空糸束の端部を固定するための隔壁用素
材として用いられる樹脂は、かかる流体分離器の
隔壁に通常用いられるいかなるものであつてもよ
いが、例えば血液処理器の場合には、ポリウレタ
ン樹脂、シリコン樹脂等が好ましい。尚本発明の
流体分離器が例えば血液処理器の場合における容
器、隔壁部、血液の導入出部や透析液の導入出部
の素材、形状等は特に限定されるものではない。 本発明に係わるフイン付異形中空糸を製造する
には、溶融紡糸、湿式紡糸、半乾半湿紡糸等のい
ずれの方法によつてもよい。例えば中空糸膜の紡
糸原液(溶融物又は溶液)を常法に従つて紡糸口
金の二重円環状スリツトから気体又は紡糸浴中に
押出し、中空部には膜素材と実質的に反応せず、
またこれを溶かさない気体又は液体をみたして、
中空を保持させながら紡糸する。さらに具体的に
は例えば、セルロースジアセテートにポリエチレ
ングリコールなどの可塑剤を加え、加熱溶融して
紡糸口金の二重円環状スリツトから空気中に押出
し、中空部に窒素ガスを注入してから紡糸して中
空糸となす。この中空糸から可塑剤などを除去し
要すればアルカリで鹸化して、血液処理用の中空
糸膜を製造する。その際、膜素材の溶融物を押出
す紡糸口金として本発明に係るフイン付中空糸を
得るには、二重円環部の外周部に切欠部を有する
ものを使用すればよい。 本発明の流体分離器の具体的用途としては、透
析、限外濾過、精密濾過、逆浸透、パーベーパレ
ーシヨン等の液体分離、酸素富化、人工肺等の気
体分離が挙げられる。中でも人工腎臓、人工肝
臓、血漿分離処理器、腹水処理器、人工肺等の体
液処理器に適しており、特に血液処理器として優
れている。かかる血液処理器は、通常血液を中空
糸の内側を流通させるが、場合によつては中空糸
の外側を通過させてもよい。また血液処理器の用
途の具体例としては、人工腎臓、人工肝臓、血漿
分離処理、人工肺等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。 [発明の効果] 本発明に基づき、フイン付異形中空糸を前記式
()を満足するごとく容器に充填することによ
り通常の円形中空糸に比較し、充填率即ち糸本数
を減少させ得るばかりでなく、中空糸外側の流体
流れの分配を飛躍的に改善させ、血液処理器等の
流体分離器としての性能を大巾に改善できること
がわかつた。これは、血液処理器の小型化による
製造コストの低減、使用運搬の簡便性、更には今
後の傾向として注目される短時間透析への大きな
貢献が期待されるものである。 また前記式()に加えて式()をも満たし
た流体分離器は、隔壁部近くにおける中空糸束の
分散状態が均一になりやすく、例えば血液透析に
おける透析液の流れが隔壁部近くにおいても良好
であり、中空糸の有効膜面積全体にわたつて流体
分離を正常に行ない得ることから、より一層効率
的な流体分離が可能である。さらにかかる流体分
離器においては、隔壁部におけるシール不良が発
生しにくく、特に血液処理器の場合には隔壁表面
での血液の残留が少ないという優れた利点も得ら
れる。 以下、本発明の内容、効果について実施例によ
り説明をするが、本発明はこれらによつて何ら限
定されるものではない。 実施例1〜8、比較例1〜4 セルロースジアセテート100部に対し、ポリエ
チレングリコール(分子量200)を50部加えたも
のを混合し、その混合物を230℃で溶融し、フイ
ン付きの中空糸用口金及び通常のフインのない円
環状口金から紡糸し冷却した後、70℃の2重量%
水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することによつて
鹸化反応を行なわしめ、つづいて水洗して約50重
量%グリセリン水溶液に浸漬した後熱風乾燥する
ことによつて、第1表に示すフインを有する形状
の内周が円形の中空糸及びフインを有しない形状
の円形中空糸を製造した。これらの湿潤時におけ
る中空糸はいづれも中空糸の内径は約200μ、フ
インのない部分の膜厚さは22〜25μであつた。 以上の如くにして得られた中空糸を円管状の容
器内に第1表に示す本数の中空糸を充填率yの状
態で挿入充填して血液透析器を作成し、in vitro
での限外濾過性能、透析性能を測定した。又、容
器へ糸を挿入する場合の操作の難易度もチエツク
した。 透析性能(ダイアリザンス)、1/KDは37℃で
中空糸内の平均血液流速は1.2cm/sec、透析液側
の平均流束は1.8cm/secで測定した。その結果
は、第1表に示す通りであり、本発明に係るもの
は、血液浄化器として限外濾過性能、透析性能が
非常に向上し、又、容器への中空糸の挿入性も良
好であることがわかる。 尚、1/KDの測定については、以下のように
して行なつた。即ち1/K0は下記式により得た。 1/K0=(1−QB/QD)A/QBlo(1−DA/QD/1−
DA/QB) QB:血液側の流量[cm3/min] QD:透析側の流量[cm3/min] DA:尿素のダイアリザンスでその測定法は、
昭和57年9月の日本人工臓器学会によるダイ
アライザー性能評価基準によつて測定した。 A:中空糸有効面積[cm3];中空糸の湿潤状態
での内径基準の膜面積であり、フイン付中空
糸の場合には物質移動に有効に機能しないフ
イン根元の部分を除く。 又、1/Kn+1/KBの測定はモデル的に1/
KDがほぼ0になる条件で測定した。これらより
血液浄化器としての1/KDは、1/K0−(1/
Kn+1/KB)として算出した。 実施例 9〜11 実施例1と同様にして、セルロースジアセテー
ト100部に対してポリエチレングリコール(分子
量200)を132重量部添加した紡糸原液を用いて3
条のフイン付異形中空糸を紡糸した後、熱水処理
によつてポエチレングリコールを抽出除去し、さ
らに水洗後グリセリン水溶液に浸漬しつづいて乾
風乾燥して透析用中空糸を得た。その中空糸の内
径は約200μでフイン部以外の膜厚は約25μであつ
た。かかる中空糸を用いて第1表に示すように透
析器を作成し、それについて得られた測定結果を
第1表に示した。
【表】 実施例 12〜14 実施例9と同様の紡糸原液を用いて、実施例9
と異なつたフイン付中空糸用紡糸口金から6条の
フイン付異形中空糸を紡糸した後、実施例9と同
じ後処理を行なうことによつて、フインのない部
分の膜厚が約15μの透析用フイン付中空糸を得
た。かかる中空糸を用いて第2表に示すように透
析器を作成し、それについて得られた測定結果を
第2表に合わせて示した。
【表】 実施例15、16 比較例5 実施例12と同様の中空糸を用いて、第3表に示
す如く血液導入部の隔壁表面における中空糸の分
布状態を変えた血液透析器を組み立てた。それら
の透析器についてin vitroで透析性能を測定し、
又豚血を用いて透析器中に潅流させ、返血後、透
析器中に残留した血液量を測定した。更に組立後
の透析器各50本について隔壁部での中空糸間の未
接着部分の微小空間によるリーク(管板リークと
称する)の発生する本数をチエツクしそれら、そ
れらのデータを第3表に示す。尚リークの発生は
透析液側に水を充填し、血液側を0.5Kの空気圧
をかけ、気泡の発生の有無で判定した。
【表】 比較例 6 実施例2と同様にして得られた中空糸を9100本
の中空糸束として円管状の容器内に、充填率yが
35%の状態で装填して有効面積1.2m2の血液透析
器を作成した。その場合の中空糸束の容器への挿
入性は良好であつた。得られた透析器を用いて、
in vitroでの限外濾過性能及び透析性能を測定し
たところ、UFRが4.8ml/m2・hr・mmHg1/KD
15min/cm、尿素ダイアリザンスが154ml/min
であつた。
【図面の簡単な説明】
図−1,図−2,図−3,図−4,図−5は本
発明に係わる中空糸の拡大断面図を例示したもの
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 選択透過性中空糸束を容器に収納し該中空糸
    束の両端部を樹脂により該容器内に固定せしめた
    隔壁を有した中空糸型流体分離器において、該中
    空糸束の大部分の中空糸がその外周部において長
    手方向に延長された1〜10条のフインを有し、該
    フインの平均高さH(μ)とフインを除外した中
    空糸の平均外径d(μ)の比H/dが0.03〜0.2で
    あり且つ該フインの根元の平均巾W(μ)が20〜
    40であり、該容器内の中空糸束の軸方向に垂直な
    断面に対する該中空糸束全体のフイン部を除外し
    た中空糸の外周基準断面の占有率(%)が下記式
    ()で表わされ、 41−3.1√x≦y≦62−3.1√x …() [但しxは該中空糸1本当りの平均フインの数
    であり、αは上記比H/dである。] 血液導入部側の隔壁の中空糸束を開口せしめた
    面における中空糸の分布が下記式() σ/≦0.1 …() [但し、は該面において該中空糸が存在する
    任意の20ケ所における4mm2の面積中に存在する中
    空糸数の平均値であり、σは該中空糸数の標準偏
    差を示す。] を満たしたことを特徴とする血液処理器。 2 該容器が円筒状をなし、該占有率yが下記式
    () y=(Nd2/D2)×100[%] …() [但しDは中空糸束を収納する該容器の内径
    (μ)であり、dは該中空糸束においてフイン部
    を除外した中空糸の平均外径(μ)であり、Nは
    収納された該中空糸の本数を意味する]。 で表わされる特許請求の範囲第1項記載の血液処
    理器。 3 選択透過性中空糸束、容器、該中空糸束の両
    端部を該容器内に固定し且つ該中空糸束を開口せ
    しめた隔壁部、該中空糸の内側に連通した血液の
    導入部と導出部、及び該中空糸の外側に連通した
    透析液の導入部と導出部を具備した血液処理器に
    おいて、37℃で該中空糸束収納部での透析液の平
    均流速が1.8cm/secの血液透析時における透析液
    側の尿素の物質移動係数KD(cm.min)が1/12以
    上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の血液処理器。
JP25262985A 1984-11-16 1985-11-13 流体分離器 Granted JPS61268304A (ja)

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JP24058984 1984-11-16

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JPS61268304A JPS61268304A (ja) 1986-11-27
JPH0448486B2 true JPH0448486B2 (ja) 1992-08-06

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