JP3364995B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3364995B2 JP20010793A JP20010793A JP3364995B2 JP 3364995 B2 JP3364995 B2 JP 3364995B2 JP 20010793 A JP20010793 A JP 20010793A JP 20010793 A JP20010793 A JP 20010793A JP 3364995 B2 JP3364995 B2 JP 3364995B2
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英幸 栗本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウェルド強度、ウェルド
外観性、成形品の表面外観、耐衝撃性に優れた難燃性樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ABS樹脂などのスチレン系
樹脂とポリカーボネート樹脂とを混合し、さらに難燃剤
を添加して得られた組成物は、耐衝撃性、耐熱性などに
優れた特性をそなえており、成形材料として電気・電子
分野を中心に、さらに自動車分野などに幅広く使用され
ている。しかし、利用分野が広がることによってその必
要とする要求性能も異なってきており、ウェルド強度、
ウェルド外観性、熱安定性、耐薬品性、メッキ性など特
異な特性が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
背景になされたもので、請求項1、2に示した特徴のあ
ゴム変性熱可塑性樹脂を用いることにより、ウェルド
強度、ウェルド外観性、熱安定性、耐薬品性、メッキ性
などに特異的に効果のある難燃性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は(F)ゴム状
重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン
化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水
物系単量体およびマレイミド系化合物からなる単量体
(b)の群から選ばれた少なくとも2種の単量体を重合
して得られるグラフト共重合体、および必要に応じて単
量体(b)の群から選ばれた少なくとも1種の単量体の
重合体とからなるゴム変性熱可塑性樹脂5〜95重量%
と、(B)ポリカーボネート樹脂95〜5重量%、およ
び上記(F)、(B)の和100重量部に対して(C)
難燃剤1〜50重量部を配合してなり、かつ(F)成分
中の有機酸含有量が3.0重量%以下、アルカリ金属含
有量が300ppm以下であることを特徴とする難燃性
樹脂組成物、および
【0005】D)ポリブタジエン系ゴム状重合体の存
下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミド系化合物
からなる単量体(b)の群から選ばれた少なくとも2種
の単量体を重合して得られるグラフト共重合体、および
必要に応じて単量体(b)の群から選ばれた少なくとも
2種の単量体の重合体からなるゴム変性熱可塑性樹脂5
〜95重量%と、(B)ポリカーボネート樹脂95〜5
重量%、および上記(D)、(B)の和100重量部に
対して(C)難燃剤1〜50重量部を配合してなり、か
ポリエステル樹脂を含まず、上記(D)成分中にカル
ボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、酸無水物基
およびオキサゾリン基含有不飽和化合物の少なくとも1
種が1〜20重量%共重合されていることを特徴とする
難燃性樹脂組成物、を提供するものである。
【0006】本発明に用いられる各成分について説明す
る。 請求項の難燃性樹脂組成物の説明 本発明の(F)成分は、ゴム状重合体(a)の存在下
に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体およびマレ
イミド系化合物からなる単量体(b)の群から選ばれた
少なくとも2種の単量体を重合して得られるグラフト共
重合体、および必要に応じて単量体(b)の群から選ば
れた少なくとも1種の単量体の重合体とからなり、かつ
(F)成分中に残留する有機酸含有量が3重量%以下、
好ましくは2重量%以下、アルカリ金属含有量が300
ppm以下、好ましくは200ppm以下であるゴム変
性熱可塑性樹脂である。有機酸含有量が3重量%を超え
る場合、アルカリ金属含有量が300ppmを超える
と、ウェルド強度、ウェルド外観性が劣る。有機酸含有
量、アルカリ金属含有量を低減させる好ましい方法とし
ては、ゴム変性熱可塑性樹脂の製造時の脱水工程で
常の遠心脱水でなく、絞り出し方法の脱水機能を用いる
ことが挙げられ、この方法で容易に含有量を低減でき
る。
【0007】上記ゴム状重合体(a)としては、例えば
ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ
イソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
エチレン−プロピレン−(ジエン)共重合体、エチレン
−ブテン−1−(ジエン)共重合体、イソブチレン−イ
ソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン
−スチレンラジアルテレブロック共重合体、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、SEBSなど
の水素添加ジエン系(ブロック、ランダムおよびホモ)
重合体、ポリウレタンゴム、シリコーンゴムなどが挙げ
られる。これらのなかで、ポリブタジエン、ブタジエン
−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン−(ジエ
ン)共重合体、エチレン−ブテン−1−(ジエン)共重
合体、水素添加ジエン系重合体およびシリコーンゴムが
好ましい。
【0008】上記芳香族ビニル化合物としては、例えば
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−エチル
スチレン、メチル−α−メチルスチレン、ジメチルスチ
レン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブ
ロモスチレン、クロロスチレンおよびジクロロスチレン
などが挙げられる。これらのなかでは、スチレン、α−
メチルスチレンおよびp−メチルスチレンが好ましい。
上記シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。これ
らのなかではアクリロニトリルが好ましい。
【0009】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなど
が挙げられる。これらのなかでは、メタクリル酸メチル
およびアクリル酸ブチルが好ましい。上記酸無水物系単
量体としては無水マレイン酸が好ましい。上記マレイミ
ド系単量体としては、例えばマレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイ
ミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(p−ヒ
ドロキシフェニル)マレイミドなどが挙げられる。これ
らのなかで、マレイミド、N−フェニルマレイミドおよ
びN−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
【0010】上記、グラフト共重合体中のゴム状重合体
(a)の含有量は、好ましくは5〜80重量%、さらに
好ましくは10〜65重量%である。(F)成分の好ま
しいグラフト率は5〜200%、さらに好ましくは10
〜150%である。またアセトン可溶分の極限粘度は、
好ましくは0.1〜1.2dl/g、さらに好ましくは
0.2〜0.8dl/gである。
【0011】(a)成分の存在下で重合される単量体成
分の好ましい組み合わせを以下に列挙する。 1)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物 2)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル 3)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/(メ
タ)アクリル酸エステル 4)芳香族ビニル化合物/マレイミド系単量体 5)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/マレイ
ミド系単量体 6)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル/
マレイミド系単量体 7)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/酸無水
物系単量体 8)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル/
酸無水物系単量体 9)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/(メ
タ)アクリル酸エステル/酸無水物系単量体 10)芳香族ビニル化合物/マレイミド系単量体/酸無水
物系単量体
【0012】グラフト共重合体に必要に応じて添加され
る重合体は、単量体(b)の群から選ばれ少なくとも1
種を重合して得られる。好ましい重合体を以下に列挙す
る。 1)芳香族ビニル化合物−シアン化ビニル化合物共重合体 2)(メタ)アクリル酸エステル重合体 3)芳香族ビニル化合物重合体 4)芳香族ビニル化合物−マレイミド系単量体共重合体 5)芳香族ビニル化合物−マレイミド系単量体−シアン化
ビニル化合物共重合体 6)芳香族ビニル化合物−マレイミド系単量体ー酸無水物
単量体共重合体 7)芳香族ビニル化合物−(メタ)アクリル酸エステル−
(シアン化ビニル化合物)共重合体
【0013】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、グラフ
ト共重合体またはグラフト共重合体と上記の重合体とか
らなる。ゴム変性熱可塑性樹脂中のゴム状重合体(a)
の含有量は、好ましくは5〜40重量%、さらに好まし
くは5〜35重量%である。上記のグラフト共重合体、
重合体の重合法は、乳化重合法、溶液重合法、バルク重
合法、懸濁重合法、これらの重合法を組み合わせた方法
で重合することができる。
【0014】次に、ポリカーボネート樹脂について説明
する。本説明で使用されるポリカーボネート樹脂(B)
としては、種々のジヒドロキシアリール化合物とホスゲ
ンとの反応によって得られるもの、またはジヒドロキシ
アリール化合物とジフェニルカーボネートとのエステル
交換反応によって得られるものが挙げられる。代表的な
ものとしては、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンとホスゲンの反応で得られるポリカーボネ
ートである。
【0015】ポリカーボネートの原料となるジヒドロキ
シアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2′−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2′ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒド
ロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド、
4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4′−
ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルフォ
ン、ヒドロキノン、レゾルシンなどがあり、これらは1
種または2種以上で使用される。特に好ましいものは、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
{ビスフェノールA}である。ポリカーボネートの粘度
平均分子量は、好ましくは15,000〜40,00
0、さらに好ましくは17,000〜35,000であ
る。
【0016】次に、難燃剤(C)としては、一般のゴ
ム、樹脂などの重合体の難燃剤として用いられているも
のを使用することができ、その例としては、ハロゲン含
有化合物、リン含有化合物、チッ素含有化合物、ケイ素
含有化合物などが挙げられる。
【0017】上記ハロゲン含有化合物の具体例として
は、まずテトラブロモビスフェノールA、テトラブロモ
ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−
ジブロモプロピルエーテル)などのテトラブロモビスフ
ェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニルエーテル、
オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニ
ルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘ
キサブロモシクロドデカンなどを挙げることができる。
【0018】また、モノブロモフェノール、トリブロモ
フェノール、ペンタブロモフェノール、トリブロモクレ
ゾール、ジブロモプロピルフェノール、テトラブロモビ
スフェノールS、塩化シアヌルなどを重合することによ
り、あるいはこれらと上記ハロゲン化合物の群から選ば
れた少なくとも1種のハロゲン化合物とを共重合するこ
とにより得られる、オリゴマー型ハロゲン化合物が挙げ
られる。
【0019】さらに、テトラブロモビスフェノールAの
ポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノ
ールAとビスフェノールAとのポリカーボネートオリゴ
マー、テトラブロモビスフェノールSのポリカーボネー
トオリゴマー、テトラブロモビスフェノールSとビスフ
ェノールSとのポリカーボネートオリゴマーなども挙げ
られる。
【0020】さらに、下記一般式(I)で表わされるハ
ロゲン化エポキシオリゴマーなども挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】〔一般式(I)中、mは1〜100の整数
で表わされる平均重合度であり、Xは互いに独立して水
素原子、塩素原子または臭素原子を示し、i,j,kお
よびpはそれぞれ1〜4の整数であり、RおよびR′は
同一または異なり、水素原子、下記一般式(II)または
(III)で表わされる基である。〕
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】(ここで、Yは水素原子、臭素原子または
塩素原子を示し、qは0〜5の整数である。)
【0026】上記リン含有化合物としては、有機系リン
含有化合物、赤リン、ホスファゼン系化合物、ポリリン
酸アンモニウムなどが挙げられる。このうち、有機系リ
ン含有化合物としては、トリフェニルホスフェートに代
表されるホスフェート類、トリフェニルホスファイトに
代表されるホスファイト類などが挙げられる。これらの
有機系リン含有化合物は、単独でも、あるいは2種以上
を混合して使用してもよい。本発明においては、有機系
リン含有化合物として、トリフェニルホスフェート、ト
リチオフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェ
ート、トリキシレニルチオホスフェート、ハイドロキノ
ンビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビ
ス(ジフェニルホスフェート)などが好ましい。
【0027】また、上記チッ素含有化合物としては、ト
リアジン、トリアゾリジン、尿素、グアニジン、アミノ
酸、メラミンおよびその誘導体が挙げられる。さらに、
上記ケイ素含有化合物としては、一般的なオルガノシロ
キサンが挙げられ、具体的には、シリコーンオイル、シ
リコーンレジン、有機シラン化合物およびポリシランな
どが挙げられる。また、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナ
トリウム、二酸化ケイ素なども挙げられる。これらの難
燃剤(C)は、単独で、または2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0028】難燃剤(C)としては、臭素含有化合物、
塩素含有化合物、リンおよび/またはチッ素含有化合物
が好ましく、さらにダイオキシンなどの有毒ガスの発生
がない点で、リンおよび/またはチッ素化合物が好まし
く、特にトリフェニルホスフェート、トリフェニルチオ
ホスフェートに代表されるホスフェート類、ハイドロキ
ノンビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノン
ビス(ジクレジルホスフェート)に代表されるホスフェ
ートオリゴマー類、ポリリン酸アンモニウム、赤リン、
メラミンなどが好ましい。上記(C)成分に、必要に応
じてテトラフルオロエチレンパウダーを併用することが
できる。
【0029】上記難燃剤(C)の難燃効果を向上させる
ためにアンチモン含有化合物を用いることができる。難
燃性の向上効果を得るための好ましい使用量は、全重合
体成分100重量部に対して0.5〜20重量部、さら
に好ましくは1〜15重量部である。さらに、上記アン
チモン含有量としては、三酸化アンチモン、四酸化アン
チモン、(コロイダル)五酸化アンチモン、アンチモン
酸ナトリウム、およびリン酸アンチモンなどが挙げられ
るが、なかでも三酸化アンチモンが好ましい。
【0030】(F)成分の使用量は5〜95重量%、好
ましくは10〜90重量%である。使用量が5重量%未
満であると成形加工性が劣り、一方、95重量%を超え
ると耐熱性が劣る(B)成分の使用量は95〜5重量
%、好ましくは90〜10重量%である。使用量が95
重量%を超えると成形加工性が劣り、一方、5重量%未
満であると耐熱性が劣る(C)成分の使用量は、
(F)、(B)の和100重量部に対して、1〜50重
量部、好ましくは5〜30重量部である。使用量が1重
量部未満であると難燃性が得られず、一方、50重量部
を超えると耐衝撃性が低下する。
【0031】請求項の難燃性樹脂組成物の説明 請求項に用いられる熱可塑性樹脂(D)は、ポリブタ
ジエン系ゴム状重合体の存在下に、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステ
ルおよびマレイミド系化合物からなる単量体(b)の群
から選ばれた少なくとも2種の単量体を重合して得られ
るグラフト共重合体、および必要に応じて単量体(b)
の群から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体とか
らなり、かつポリエステル樹脂を含まず、上記(D)成
分中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、
酸無水物基およびオキサゾリン基含有不飽和化合物の少
なくとも1種の官能基含有不飽和化合物が1〜20重量
%、好ましくは3〜15重量%共重合される。これら官
能基含有不飽和化合物が1重量%未満であるとウェルド
強度、ウェルド外観性の改良効果がなく、20重量%を
超えると成形品表面外観に劣り好ましくない。
【0032】これらの官能基含有不飽和化合物の具体例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸など
のカルボキシル基含有不飽和化合物、3−ヒドロキシ−
1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4
−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ
−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロ
ペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有不飽
和化合物、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無
水シトラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ
無水フタル酸などの酸無水物基含有不飽和化合物、ビニ
ルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物
などが挙げられる。これらの不飽和化合物を(D)成分
に共重合させる方法は、(D)成分の重合時に用いる方
法または(D)成分に直接付加させる方法でもよい。上
記のポリブタジエン系ゴム状重合体、単量体は、請求項
1に示したものが用いられる。ポリブタジエン系ゴム状
重合体の使用量は耐衝撃性を得るために、請求項1で示
された(a)成分の範囲で用いられる。ポリブタジエン
系ゴム状重合体を用いた(D)成分のグラフト率は、好
ましくは5〜200%、さらに好ましくは10〜150
%、またアセトン可溶分の極限粘度は、好ましくは0.
1〜1.2dl/g、さらに好ましくは0.2〜0.8
dl/gである
【0033】(D)成分の使用量は5〜95重量%、好
ましくは10〜90重量%である。使用量が5重量%未
満であると成形加工性が劣り、一方、95重量%を超え
ると耐熱性が劣る。(B)成分は請求項1に示した
(B)成分が用いられる。(B)成分の使用量は95〜
5重量%、好ましくは90〜10重量%である。使用量
が95重量%を超えると成形加工性が劣り、一方、5重
量%未満であると耐熱性が劣る。(C)成分は請求項1
に示した(C)成分が用いられる。(C)成分の使用量
は、(C)、(B)の和100重量部に対して1〜50
重量部、好ましくは5〜30重量部である。使用量が1
重量部未満であると難燃性が得られず、一方、50重量
部を超えると耐衝撃性が低下する。
【0034】請求項1、2の共通事項の説明 請求項1、2の難燃性樹脂組成物には、必要に応じて性
能を向上させる目的から、ガラス繊維、炭素繊維、金属
繊維、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロックフィラ
ー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフレー
ク、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸
カリウムウィスカーなどの充填材を1種単独であるいは
併用することができる。これらの充填材のうち、ガラス
繊維、炭素繊維の形状としては6〜60μmの繊維径と
30μm以上の繊維長を有するものが好ましい。これら
の充填材は、本発明の組成物100重量部に対して、通
常、5〜150重量部の範囲で用いられる。
【0035】また、本発明の組成物には、公知の難燃
剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤な
どの添加物を配合することができる。さらに、本発明の
組成物には、要求される性能に応じて、他の重合体、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスル
フィド、液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体などを適宜ブレンドすることが
できる。
【0036】本発明の組成物は、各種押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分を混
練りすることによって得られる。好ましい製造方法は、
押出機を用いる方法である。また、各成分を混練りする
に際して、各成分を一括して混練りしてもよく、多段添
加方式で混練りしてもよい。このようにして得られる本
発明の難燃性樹脂組成物は、射出成形、シート押出、真
空成形、異形成形、発泡成形などによって各種成形品に
成形することができる。上記成形法によって得られる各
種成形品は、その優れた性質を利用して、家電製品の各
種ハウジング、電気・電子分野、自動車分野の各種部
品、ハウジング、雑貨などに使用することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。また、実施例中の各種評価は次のようにして測定
した値である。
【0038】〔燃焼試験〕 試験片に接炎した後の燃焼状態を観察し、○×で判定し
た。 ×;燃え続けた。 ○;自然に消えた。 〔アイゾット衝撃強度〕 ASTM D256 1/4”、23℃、ノッチ付き
【0039】 〔ウェルド強度、ウェルド外観、成形品外観〕 ASTM1号ダンベルの中央にウェルドラインができる
金型を用いて、成形した試験片を用いて、引張強度(T
m)を測定し、次にウェルドラインの入らない金型で成
形した試験片を用いて、引張強度(To)を測定した。
ウェルド強度は、引張強度(Tm,To)から、下記の
式に従って、ウェルド強度の保持率を求めた。 保持率(%)=(Tm/To)×100 ウェルド外観は、ウェルドラインの目立ちを観察し、○
△×で目視判定をした。 ○;ほとんど目立なし △;ややラインが目立つ ×;はっきりとラインが目立つ 成形品外観は、試験片の表面外観を目視判定した。 ○:きれいな鏡面 ×:フローマークなどの外観不良がみられる。
【0040】〔成形加工性〕 流動性;ASTM D1238に従い、240℃、荷重
10kgで測定した。 〔耐熱性〕 熱変形温度;ASTM D648に従い、1/2イン
チ、264psiで測定した。
【0041】(B)成分: 2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを
原料として得られる重量平均分子量23,000のポリ
カーボネート樹脂。 (C)成分: 一般式(I)で表わされるハロゲン化エポキシオリゴマ
ー重量平均分子量5,000のものと、三酸化アンチモ
ン5:2の混合物を用いた。
【0042】重合体(a)−1〜(a)−4〔本発明の(a)成分〕 本発明のゴム変性熱可塑性樹脂に用いられる(a)成分
として、表1のゴム状重合体を用いた。
【0043】
【表1】
【0044】樹脂(D)、(F)成分の調製 前記ゴム状重合体(a)−1〜(a)−4存在下に各種
単量体(b)をグラフト重合した樹脂およびゴム状重合
体を存在させず単量体成分(b)のみを重合した樹脂を
それぞれ得た。これらの樹脂の組成を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】表3に示す各成分を内径50mmの押出機
で温度190〜240℃の範囲で溶融混練し、ペレット
を作成した。このペレットを50z射出成形機を用い、
成形温度200〜240℃の範囲で成形して試験片を作
成し、その物性を評価した。
【0047】
【表3】
【0048】比較例1 ゴム変性熱可塑性樹脂として(G)を用いた例である。
ここで用いられた(G)は、官能基を含まず、かつ有機
酸含有量、アルカリ金属含有量が範囲外である。したが
って、(G)を用いた難燃性樹脂組成物はウェルド強
度、ウェルド外観性が劣る。 比較例2 ポリカーボネート樹脂(B)の使用量が本発明の範囲外
で少ないものであり、耐熱性とウェルド強度が劣る。 比較例3 難燃剤(C)の使用量が本発明の範囲外で少ないもので
あり、難燃性が劣る。 比較例4 難燃剤(C)の使用量が本発明の範囲外で多いものであ
り、耐衝撃性、ウェルド強度、ウェルド外観、成形品外
観が劣る。比較例5 請求項2のグラフト共重合体のゴム状重合体に、本発明
の範囲外のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボル
ネン共重合体を用いた例であり、実施例に比べてウェル
ド保持率が劣る。 比較例6 グラフト共重合体の代わりに、ゴム状重合体を含有して
いない共重合体を用いた例であり、耐衝撃性が劣る。
【0049】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、ウェルド
強度、ウェルド外観、成形品表面外観、耐衝撃性および
難燃性に優れたものである。したがって、高度な性能が
要求される電気・電子関連分野、OA機器分野の各種部
品、ハウジング、シャーシなどに使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−78549(JP,A) 特開 平1−165656(JP,A) 特開 昭61−133265(JP,A) 特開 平3−263453(JP,A) 特開 昭62−223257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 C08L 69/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (F)ゴム状重合体(a)の存在下に、
    芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)
    アクリル酸エステル、酸無水物系単量体およびマレイミ
    ド系化合物からなる単量体(b)の群から選ばれた少な
    くとも2種の単量体を、重合して得られるグラフト共重
    合体、および必要に応じて単量体(b)の群から選ばれ
    た少なくとも1種の単量体の重合体とからなるゴム変性
    熱可塑性樹脂5〜95重量%と、(B)ポリカーボネー
    ト樹脂95〜5重量%、および上記(F)、(B)の和
    100重量部に対して(C)難燃剤1〜50重量部を配
    合してなり、かつ(F)成分中の有機酸含有量が3.0
    重量%以下、アルカリ金属含有量が300ppm以下で
    あることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (D)ポリブタジエン系ゴム状重合体
    存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
    物、(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミド系化
    合物からなる単量体(b)の群から選ばれた少なくとも
    2種の単量体を重合して得られるグラフト共重合体、
    よび必要に応じて単量体(b)の群から選ばれた少なく
    とも1種の単量体の重合体からなるゴム変性熱可塑性樹
    脂5〜95重量%と、(B)ポリカーボネート樹脂95
    〜5重量%、および上記(D)、(B)の和100重量
    部に対して(C)難燃剤1〜50重量部を配合してな
    り、かつポリエステル樹脂を含まず、上記(D)成分中
    にカルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、酸無
    水物基およびオキサゾリン基含有不飽和化合物の少なく
    とも1種が1〜20重量%共重合されていることを特徴
    とする難燃性樹脂組成物。
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