JPH0790147A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH0790147A
JPH0790147A JP23837793A JP23837793A JPH0790147A JP H0790147 A JPH0790147 A JP H0790147A JP 23837793 A JP23837793 A JP 23837793A JP 23837793 A JP23837793 A JP 23837793A JP H0790147 A JPH0790147 A JP H0790147A
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resin
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JP23837793A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ito
博幸 伊藤
Shigeru Abe
慈 阿部
Seiichi Nochimori
誠一 後守
Kenju Furuyama
建樹 古山
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は難燃性に優れ、及びドリッピング現
象の発生を大幅に抑え、かつ成形加工性、成形品の表面
外観、耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物の提供を目的
とする。 【構成】 (A)スチレン系樹脂100重量部に対し
て、(B)フェノール樹脂1〜50重量部、(C)リン
含有化合物1〜50重量部、(D)チッ素含有化合物0
〜30重量部、(E)官能基含有オリゴマー状重合体0
〜40重量部、(F)金属含有化合物、ケイ素含有化合
物、ポリテトラフルオロエチレンから選ばれた1種の化
合物0.5〜30重量部を含有する難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性に優れ、またド
リッピング現象の発生を大幅に抑え、成形加工性、成形
品の表面外観および耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂は、その優れた
成形加工性などから幅広い用途で使用されている。しか
しながら、用途によっては、難燃性を有していることが
必要条件となる。このことは、特に家庭用品、電気製
品、OA機器、自動車などの製品、あるいは建築材料と
して用いられる場合についていえる。熱可塑性樹脂を難
燃性にする公知の方法としては、難燃剤をブレンドする
ものがあるが、多くの場合、このような難燃剤は臭素化
ジフェニルオキシド化合物や臭素化ポリカーボネート化
合物などのハロゲン含有化合物である。また、人体にと
って有毒となるダイオキシンやフランの発生の少ない難
燃剤として、リンおよび/またはチッ素を含む化合物も
ある。しかしながら、これらの難燃剤を添加した場合、
ある程度の難燃性を付与できるものの、燃焼時の溶融液
だれ(ドリッピング)を防止することができないという
欠点があった。溶融液だれが生じると、火災時の延焼に
つながるため危険である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解消することにあり、難燃性に優れ、
またドリッピング現象の発生を抑え、成形加工性、成形
品の表面外観および耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の(A)
成分100重量部に対して、(B)成分1〜50重量
部、(C)成分1〜50重量部、(D)成分0〜30重
量部、(E)成分0.05〜40重量部および(F)成
分0.5〜30重量部を含有することを特徴とする難燃
性樹脂組成物を提供する。 (A)成分:(ゴム強化)スチレン系樹脂 (B)成分:フェノール樹脂 (C)成分:(有機系)リン含有化合物 (D)成分:チッ素含有化合物 (E)成分:官能基含有オリゴマー状重合体 (F)成分:下記から選ばれる少くとも1種の化合物 (F−1):金属含有化合物 (F−2):ケイ素含有化合物 (F−3):ポリテトラフルオロエチレン; 本発明は、また、下記の(G)成分100重量部に対し
て、請求項1の(B)成分1〜50重量部、(C)成分
1〜50重量部、(D)成分0〜30重量部、(E)成
分0〜40重量部および(F)成分0〜30重量部を含
有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供する。 (G)成分:下記から選ばれる少なくとも1種の官能基
含有単量体を(G)成分中に0.5〜50重量%共重合
したスチレン系樹脂 (g−1):エポキシ基含有単量体 (g−2):水酸基含有単量体 (g−3):カルボン酸基含有単量体 (g−4):アミド基含有単量体; 本発明は、さらに、下記の(H)成分100重量部に対
して、請求項1の(B)成分1〜50重量部、(C)成
分1〜50重量部、(D)成分0〜30重量部、(E)
成分0〜40重量部および(F)成分0〜30重量部を
含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供す
る。 (H)成分:下記から選ばれる少なくとも1種の単量体
を(H)成分中に0.5〜50重量%共重合したスチレ
ン系樹脂 (h−1):アルコキシスチレン (h−2):アルキル置換スチレン
【化2】
【0005】以下に、本発明の(A)成分、(B)成
分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成
分、(G)成分および(H)成分について詳述する。
【0006】本発明に使用される(A)成分は、(ゴム
強化)スチレン系樹脂である。(A)成分は、ゴム強化
樹脂(A−1)および/または共重合体(A−2)を含
有してなる(ゴム強化)スチレン系樹脂組成物である。
上記(A−1)成分は、ゴム状重合体(a)5〜70重
量%、好ましくは12〜60重量%、さらに好ましくは
15〜50重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、お
よび必要に応じてシアン化ビニル化合物、(メタ)アク
リル酸エステル、無水マレイン酸およびマレイミド系化
合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量体成分
(b)95〜30重量%、好ましくは88〜40重量
%、さらに好ましくは85〜50重量%〔ただし、
(a)+(b)=100重量%〕を重合して得られるゴ
ム強化樹脂である。また、上記(A−2)成分は、上記
単量体成分(b)を重合して得られる共重合体である。
【0007】上記ゴム状重合体(a)としては、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイソプ
レン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレ
ン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、イソブチ
レン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合体、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、SE
BSなどの水素添加ジエン系(ブロック、ランダム、お
よびホモ)重合体、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴムなどが挙げられる。これらのなかで、ポ
リブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、エチレン
−ブテン−1−(非共役ジエン)共重合体、水素添加ジ
エン系重合体およびシリコーンゴムが好ましい。
【0008】また、上記芳香族ビニル化合物としては、
スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、
ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルス
チレン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。これらのなかで、スチレン、α−メチルスチレンが
好ましい。
【0009】さらに、上記シアン化ビニル化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げ
られる。これらのなかで、アクリロニトリルが好まし
い。さらに、上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどが挙げられる。これらのなかで、
メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが好ましい。
【0010】さらに、上記マレイミド系化合物として
は、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピル
マレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキ
シルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−
メチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチル
フェニル)マレイミド、N−(4−カルボキシフェニ
ル)マレイミド、N−(4−ブロモフェニル)マレイミ
ド、トリブロモフェニルマレイミド、N−(4−クロル
フェニル)マレイミドなどが挙げられる。これらのなか
で、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミドおよびトリブロモフェニルマレイミドが好まし
い。
【0011】ゴム強化樹脂(A−1)は、特に耐衝撃性
を必要とする難燃性樹脂組成物を得るときに使用される
が、(A−1)成分中のゴム状重合体(a)の含有率が
5重量%未満の場合には耐衝撃性が充分でなく、一方7
0重量%を超えるとグラフト率、樹脂の表面光沢および
成形加工性が低下する。ゴム強化樹脂(A−1)のグラ
フト率は、5〜150重量%、好ましくは10〜150
重量%、さらに好ましくは10〜120重量%である。
グラフト率が5重量%未満では、ゴム成分の添加効果が
充分発揮されず、例えば充分な耐衝撃性が得られない。
一方、150重量%を超えると、難燃時のドリッピング
(溶融滴下)が起こりやすくなる。ここで、グラフト率
(%)は、(A−1)成分1g中のゴム成分量をx、
(A−1)成分1g中のメチルエチルケトン不溶分量を
yとすると、次式により求めた値である。 グラフト率(%)={(y−x)/x}×100
【0012】(A)成分中のマトリックス樹脂の極限粘
度〔η〕(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、
0.1〜1.5dl/g、好ましくは0.3〜1.0d
l/gである。極限粘度〔η〕が0.1dl/g未満で
あると、衝撃強度が充分に発現されず、一方1.5dl
/gを超えると、成形加工性が低下する。ここで、マト
リックス樹脂とは、(A)成分中のグラフト化ゴム成分
以外の樹脂成分のことであり、上記極限粘度〔η〕は、
(A)成分のうち、メチルエチルケトン溶解分を常法に
従って測定することによって求めた値である。
【0013】(A)成分は、上記ゴム強化樹脂(A−
1)および/または共重合体(A−2)を含有する(ゴ
ム強化)スチレン系樹脂組成物であり、ゴム強化樹脂
(A−1)と共重合体(A−2)は、それぞれ単独で用
いることができる。また、ゴム強化樹脂(A−1)と共
重合体(A−2)を混合して用いる場合の含有割合は、
ゴム強化樹脂(A−1)が0〜100重量%、好ましく
は0〜95重量%、さらに好ましくは40〜80重量
%、特に好ましくは45〜70重量%であり、共重合体
(A−2)は100〜0重量%、好ましくは100〜5
重量%、さらに好ましくは60〜20重量%、特に好ま
しくは55〜30重量%〔ただし、(A−1)+(A−
2)=100重量%〕である。上記範囲内であると、耐
衝撃性および成形加工性が一段と優れた難燃性樹脂組成
物が得られる。
【0014】上記ゴム強化樹脂(A−1)は、例えば ゴム状重合体(a)の存在下に、単量体成分(b)を
重合する方法、 ゴム状重合体(a)の存在下に、単量体成分(b)の
一部を重合し、残りの単量体成分(b)を別途重合し、
これらをブレンドするグラフト・ブレンド法、などの製
造方法によって得られる。また、上記共重合体(A−
2)は、例えば 上記またはの方法において、ゴム状重合体(a)
を使用しない製造方法、によって得られる。 上記(A)成分の代表的な組成物は、ABS樹脂と、ス
チレンとアクリロニトリル共重合体(AS樹脂)とから
なるゴム強化樹脂組成物を挙げることができ、各成分の
好ましい組成は、前者が5〜70重量%、後者が95〜
30重量%である。
【0015】次に、本発明の(B)成分について詳述す
る。(B)成分は、フェノール樹脂である。このフェノ
ール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾ
ール型フェノール樹脂などが挙げられる。このうち、ノ
ボラック型フェノール樹脂としては、置換または非置換
のフェノール類とホルムアルデヒドなどとを縮合して得
られる比較的低分子量のポリマーであって、遊離のメチ
ロール基を有しないものである。このようなノボラック
型フェノール樹脂については、「Encycloped
ia of Polymer Science and
Engineering,Vol.11,pp.45
〜95」に記載されている。置換フェノールの具体例と
しては、クレゾール、レゾルシノール、p−フェニルフ
ェノールなどのアリール置換フェノール、およびp−t
−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、キシレ
ノールなどのアルキル化フェノールが挙げられる。本発
明においては、フェノール、クレゾール、レゾルシノー
ルおよびこれらの混合物を使用したノボラック型フェノ
ール樹脂が好ましい。
【0016】また、レゾール型フェノール樹脂として
は、置換または非置換のフェノール類とホルムアルデヒ
ドなどとを縮合して得られる比較的低分子量のポリマー
であって、遊離のメチロール基を3〜20重量%有する
ものである。置換フェノールの具体例としては、クレゾ
ール、レゾルシノール、p−フェニルフェノールなどの
アリール置換フェノール、およびp−t−ブチルフェノ
ール、p−オクチルフェノール、キシレノールなどのア
ルキル化フェノールが挙げられる。本発明においては、
フェノール、クレゾール、レゾルシノールおよびこれら
の混合物を使用したレゾール型フェノール樹脂が好まし
い。好ましい平均分子量としては、300〜10,00
0の範囲のものである。
【0017】次に(C)成分について詳述する。(C)
成分は、(有機系)リン含有化合物である。上記リン含
有化合物としては、有機系リン含有化合物、赤リン、ホ
スファゼン系化合物、ポリリン酸アンモニウムなどが挙
げられる。これらのうち、有機系リン含有化合物が好ま
しい。有機系リン含有化合物としては、トリフェニルホ
スフェートに代表されるホスフェート類、トリフェニル
ホスファイトに代表されるホスファイト類などが挙げら
れる。
【0018】本発明においては、有機系リン含有化合物
としては、トリフェニルホスフェート、トリフェニルチ
オホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリキ
シレニルチオホスフェート、ハイドロキノンビス(ジフ
ェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニ
ルホスフェート)などが好ましい。また、以下に掲げ
る、リン−水素結合を含有する化合物も好ましい。
【化3】 これらの有機系リン含有化合物は単独でも、あるいは2
種以上を混合して使用してもよい。
【0019】次に(D)成分について詳述する。(D)
成分は、チッ素含有化合物である。上記チッ素含有化合
物としては、トリアジン、トリアゾリシン、尿素、グア
ニジン、アミノ酸、メラミン、イソシアネートおよびそ
の誘導体が挙げられる。好ましいチッ素含有化合物とし
ては、メラミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートが挙げられる。これらの(D)成分、すなわち
チッ素含有化合物は、単独で、または2種以上組み合わ
せて使用することができる。
【0020】次に、(E)成分について詳述する。
(E)成分は、官能基含有オリゴマー状重合体である。
官能基としては、アミノ基、エポキシ基、水酸基、イソ
シアネート基、フェノキシ基、アミド基などが挙げられ
る。(E)成分は、これらのうち少なくとも1種の官能
基を含有するオリゴマー状重合体である。繰り返し単位
としては、好ましくは、1〜30量体、さらに好ましく
は、3〜25量体である。分子量としては、好ましく
は、50〜10,000、さらに好ましくは、100〜
8,000である。(GPC測定による、ポリスチレン
換算)
【0021】具体的な官能基含有オリゴマー状重合体
を、以下に掲げるが、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の具体例に、何ら制約されるものではない。エ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールA−エピクロロヒ
ドリン樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。具
体的には東都化成製のYDシリーズである。また、エポ
キシ基を含有するフェノール樹脂を用いてもよい。かか
るフェノール樹脂としては、チバガイギー製アラルダイ
ト、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。水酸
基含有樹脂としては、テルペン−フェノール樹脂、ポリ
ビニルアルコール、エポキシ−ノボラック樹脂などが挙
げられる。イソシアネート含有オリゴマーとしては、M
DIミリオネート(日本ポリウレタン工業)が挙げられ
る。アミノ基(またはアミド基)含有樹脂としては、グ
アナミン樹脂、ビスマレイミド樹脂などが挙げられる。
具体的には、BT−レジン(三菱ガス化学製)である。
フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールAのオリゴマ
ーの末端をフェニル基で封止したものが含まれる。具体
的には、東都化成のYPシリーズが挙げられる。
【0022】次に(F)成分について詳述する。(F)
成分は、(F−1)金属含有化合物、(F−2)ケイ素
含有化合物、(F−3)テトラフルオロエチレンから選
ばれる少なくとも1種の化合物である。本発明の特徴
は、(F)成分を用いることで、成形加工性、耐衝撃性
を大きく損なうことなく、燃焼時のドリッピングを防止
することにある。
【0023】(F−1)は、具体的には、元素周期表に
おける第4周期の遷移金属、第4族の金属および第5族
の金属から選ばれた少なくとも1種の金属を含有する化
合物(ただし、アンチモンは除く)である。
【0024】金属種としては、チタン、鉄、ニッケル、
亜鉛、ゲルマニウム、クロム、スズ、ビスマス、モリブ
デンなどが挙げられる。好ましくは、鉄含有化合物、亜
鉛含有化合物、クロム含有化合物などが挙げられる。
【0025】具体的な亜鉛含有化合物としては、ホウ酸
亜鉛、メタクリル酸亜鉛などが好ましい。具体的な鉄含
有化合物としては、フェロセン、乳酸鉄(II)、乳酸
鉄(III)、アセチルアセトン鉄(III)、クエン
酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)、アンモニウム、
フマル酸鉄(II)、ナフテン酸鉄、シュウ酸鉄、ステ
アリン酸鉄(III)、スルファミン酸鉄(II)、酒
石酸鉄(II)、鉄ノナカルボニル、鉄ペンタカルボニ
ル、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)。これらの鉄含
有化合物のなかでは、フェロセン、乳酸鉄(II)、乳
酸鉄(III)、酸化鉄(II)および酸化鉄(II
I)が好ましい。
【0026】さらに、分散性の点で好ましい化合物は有
機鉄であり、特に着色がない点で、乳酸鉄(II)およ
び乳酸鉄(III)が好ましい。具体的なクロム含有化
合物としては、三酸化クロムが挙げられる。
【0027】(F−2)は、ケイ素含有化合物であり、
具体的には、シリコーンオイル、シランカップリング
剤、ポリオルガノシロキサン強化樹脂である。シリコー
ンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等が
挙げられる。主鎖中、側鎖、末端等が、エポキシ基、ア
ミノ基、水酸基等で変性されているシリコーンオイルも
好ましい。
【0028】上記シランカップリング剤の具体例として
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジケトキシシラン、アミ
ノミラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシランなどが挙げられる。
【0029】ポリオルガノシロキサン強化樹脂とは、ポ
リオルガノシロキサン系重合体(c)5〜90重量部、
好ましくは10〜70重量部、さらに好ましくは20〜
60重量部の存在下に、ビニル単量体(d)95〜10
重量部、好ましくは90〜30重量部、さらに好ましく
は80〜40重量部〔(c)+(d)=100重量部〕
を重合して得られるポリオルガノシロキサン強化樹脂で
ある。
【0030】なお、上記ポリオルガノシロキサン系重合
体(c)として、グラフト交叉剤が共縮合したものを用
いることができる。上記グラフト交叉剤の使用割合は、
好ましくはポリオルガノシロキサン系重合体(c)中、
好ましくは0.5〜5重量%であり、グラフト交叉剤が
この範囲にあると優れた物性を有する(c)成分が得ら
れ、本発明の目的とする一段と優れた難燃性樹脂組成物
が得られる。
【0031】ここで、オルガノシロキサンとしては、例
えば一般式 R1 n SiO(4-n)/2(式中、R1 は置換
または非置換の一価の炭化水素基であり、nは0〜3の
整数を示す。)で表わされる構造単位を有するものであ
り、直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、好まし
くは環状構造を有するオルガノシロキサンである。
【0032】このオルガノシロキサンの有する置換また
は非置換の一価の炭化水素基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、お
よび、これらをハロゲン原子またはシアノ基で置換した
置換炭化水素基などを挙げることができる。
【0033】オルガノシロキサンの具体例としては、ヘ
キサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチル
トリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物の
ほかに、直鎖状あるいは分岐状のポリオルガノシロキサ
ンを挙げることができる。
【0034】なお、このポリオルガノシロキサンは、あ
らかじめ縮合された、例えばポリスチレン換算の重量平
均分子量が500〜10,000程度のポリオルガノシ
ロキサンであってもよい。
【0035】また、オルガノシロキサンが、ポリオルガ
ノシロキサンである場合、その分子鎖末端は、例えば水
酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビ
ニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基などで封
鎖されていてもよい。
【0036】また、本発明で使用されるグラフト交叉剤
としては、例えば次のものを挙げることができる。グラ
フト交叉剤として好ましいものは、p−ビニルフェニル
メチルジメトキシシラン、2−(m−ビニルフェニル)
エチルメチルジメトキシシラン、2−(o−ビニルフェ
ニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(m−ビニ
ルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(o
−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3
−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメト
キシシランであり、さらに好ましくはp−ビニルフェニ
ルメチルジメトキシシランである。このグラフト交叉剤
を用いると得られる組成物のグラフト率が高くなり、一
段と優れた本発明の目的とする組成物が得られる。
【0037】このようにして得られるポリオルガノシロ
キサン系重合体(c)のポリスチレン換算平均分子量
は、通常10,000〜1,000,000、好ましく
は50,000〜500,000程度である。
【0038】このようにして得られるポリオルガノシロ
キサン系重合体(c)の存在下に、ビニル単量体(d)
を共重合して得られるのがポリオルガノシロキサン強化
樹脂である。
【0039】ポリオルガノシロキサン強化樹脂に使用さ
れるビニル単量体(d)としては、上記(A)成分に用
いられる芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸およびマ
レイミド系化合物などが挙げられ、これらは単独で、あ
るいは混合して使用することができる。これらの化合物
は、先に示したものと同じものが使用できる。
【0040】(F−3)は、テトラフルオロエチレンで
ある。具体的には、平均粒子径50〜1000μm、密
度100〜1,000g/L、融点250〜350℃、
および比重1.8〜2.5であるテトラフルオロエチレ
ン重合体である。この代表的製品にテフロンがある。
【0041】次に、本発明の請求項2における、エポキ
シ基、水酸基、カルボン酸基、アミド基等の反応性官能
基含有スチレン系樹脂(G)成分について説明する。本
発明の請求項2の特徴は、(G)成分を用いることによ
り、耐衝撃性、成形加工性などを損うことなく、燃焼時
のドリッピングを防止することにある。ドリッピングを
防止できるのは、燃焼時に、これらの反応性官能基が、
架橋点となり、不燃膜形成を促進するためである。
【0042】上記官能基含有単量体とは、エポキシ基、
および/または水酸基、および/またはカルボン酸基、
および/またはアミド基を含有する単量体である。エポ
キシ基含有単量体(g−1)としては、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、エポキシスチレ
ンが挙げられる。
【0043】水酸基含有単量体(g−2)としては、
(2−ヒドロキシ)エチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、(p−ヒドロキシ)スチレ
ン、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドが挙げ
られる。カルボン酸基含有単量体(g−3)としては、
アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイルオキシ
エチルコハク酸が挙げられる。アミド基含有単量体(g
−4)としては、アクリルアミド、メタクリルアミドが
挙げられる。これらの官能基含有単量体は、組み合わせ
て用いてもよい。
【0044】(G)成分は、(官能基含有単量体(g−
1)〜(g〜4)から選ばれた少なくとも1種を共重合
した)ゴム強化樹脂(G−1)、および/または(官能
基含有単量体(g−1)〜(g−4)から選ばれた少な
くとも1種を共重合した)共重合体(G−2)を含有し
てなる組成物であって、かつ、(G)成分中の官能基含
有単量体の含有量は、0.5〜50重量%、好ましく
は、1〜30重量%、さらに好ましくは、1.5〜20
重量%である。官能基含有単量体の含有量が0.5重量
%未満であると、燃焼時のドリッピングを防ぐ効果が不
十分であり、逆に50重量%を越えると、成形時の熱安
定性および加工性が劣る。
【0045】上記(G−1)成分は、ゴム状重合体
(a)5〜50重量%、好ましくは12〜40重量%、
さらに好ましくは15〜35重量%の存在下に、官能基
含有単量体0〜40重量%、好ましくは、1〜30重量
%、さらに好ましくは、2〜20重量%、芳香族ビニル
化合物および必要に応じてシアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸およびマレイ
ミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量体
成分(e)95〜10重量%、好ましくは87〜30重
量%、さらに好ましくは83〜35重量%〔ただし、
(a)+官能基含有単量体+(e)=100重量%〕を
重合して得られるゴム強化樹脂である。
【0046】また、上記(G−2)成分は、上記単量体
成分(e)を重合して得られる共重合体である。また、
ゴム状重合体、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化
合物、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸お
よびマレイミド系化合物は、(A)成分に示したものが
同様に使用できる。好ましい(G)成分の組み合わせと
しては、以下の組成例が挙げられる。 (G−1):(G−2)=ABS樹脂:グリシジル
メタクリレート共重合AS樹脂 (G−1):(G−2)=ABS樹脂:(2−ヒド
ロキシエチル)メタクリレート共重合AS樹脂 (G−1):(G−2)=ABS樹脂:メタクリル
酸共重合AS樹脂 (G−1):(G−2)=ABS樹脂:アクリルア
ミド共重合AS樹脂 (G−1):(G−2)=アクリルアミドをグラフ
ト重合したABS樹脂:AS樹脂
【0047】(G)成分は、上記ゴム強化樹脂(G−
1)および/または共重合体(G−2)を含有する組成
物であり、ゴム強化樹脂(G−1)と共重合体(G−
2)は、それぞれ単独で用いることができる。また、ゴ
ム強化樹脂(G−1)と共重合体(G−2)を混合して
用いる場合の含有割合は、ゴム強化樹脂(G−1)が0
〜100重量%、好ましくは0〜95重量%、さらに好
ましくは40〜80重量%、特に好ましくは45〜70
重量%であり、共重合体(G−2)は100〜0重量
%、好ましくは100〜5重量%、さらに好ましくは6
0〜20重量%、特に好ましくは55〜30重量%〔た
だし、(G−1)+(G−2)=100重量%〕であ
る。上記範囲内であると、耐衝撃性および成形加工性が
一段と優れた難燃性樹脂組成物が得られる。
【0048】ゴム強化樹脂(G−1)のグラフト率は、
先に示した(A−1)成分と同等の範囲が好ましい。ま
た、(G)成分中のマトリックス樹脂の極限粘度は、先
に示した(A)成分と同等の範囲が好ましい。
【0049】次に、本発明の請求項3における官能基含
有単量体共重合スチレン系樹脂(H)成分について説明
する。本発明の請求項3の特徴は、(H)成分を用いる
ことにより、耐衝撃性、成形加工性などを損なうことな
く、燃焼時のドリッピングを防止することにある。ドリ
ッピングを防止できるのは、燃焼時に、(H)成分中の
反応性官能基が架橋点となり不燃膜形成を促進するため
である。ここで示した官能基含有単量体とは、以下から
選ばれる少なくとも1種である。 (h−1):アルコキシスチレン (h−2):アルキル置換スチレン
【化4】
【0050】具体的なアルコキシスチレン(h−1)と
しては、t−ブトキシスチレン、メトキシスチレン、エ
トキシスチレンなどが挙げられ、中でもt−ブトキシス
チレンが好ましい。具体的なアルキル置換スチレン(h
−2)としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、
エチルスチレン、ジエチルスチレン、メチル−α−メチ
ルスチレンなどが挙げられ、中でも(p−)メチルスチ
レンが好ましい。具体的な(h−3)としては、以下が
挙げられる。
【化5】 これらの官能基含有単量体は、組み合わせて用いても良
い。
【0051】(H)成分は、(官能基含有単量体(h−
1)〜(h−3)から選ばれた少なくとも1種を共重合
した)ゴム強化樹脂(H−1)および/または、(官能
基含有単量体(h−1)〜(h−3)から選ばれた少な
くとも1種を共重合した)共重合体(H−2)を含有し
てなる組成物であって、かつ、(H)成分中の官能基含
有単量体(h−1)〜(h−3)から選ばれた少なくと
も1種)の含有量は、0.5〜50重量%、好ましく
は、1〜30重量%、さらに好ましくは、1.5〜20
重量%である。官能基含有単量体((h−1)〜(h−
3)から選ばれた少なくとも1種)の含有量が、0.5
重量%未満であると燃焼時のドリッピングを防ぐ効果が
不十分であり、逆に50重量%を越えると、成形時の熱
安定性および加工性が劣る。
【0052】上記(H−1)成分は、ゴム状重合体
(a)5〜50重量%、好ましくは12〜40重量%、
さらに好ましくは15〜35重量%の存在下に、反応性
基含有単量体0〜40重量%、好ましくは、1〜30重
量%、さらに好ましくは、2〜20重量%、芳香族ビニ
ル化合物および必要に応じてシアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸およびマ
レイミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単
量体成分(f)95〜10重量%、好ましくは87〜3
0重量%、さらに好ましくは83〜35重量%〔ただ
し、(a)+反応性基含有単量体+(f)=100重量
%〕を重合して得られるゴム強化樹脂である。
【0053】また、上記(H−2)成分は、上記単量体
成分(f)を重合して得られる共重合体である。ゴム状
重合体、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸およびマ
レイミド系化合物は、(A)成分に示したものが同様に
使用できる。好ましい(H)成分の組み合わせとして
は、以下の組成例が挙げられる。 (H−1):(H−2)=ABS樹脂:メトキシス
チレン共重合AS樹脂 (H−1):(H−2)=ABS樹脂:t−ブトキ
シスチレン共重合AS樹脂 (H−1):(H−2)=p−メチルスチレンをグ
ラフト重合したABS樹脂:AS樹脂 (H−1):(H−2)=p−メチルスチレンをグ
ラフト重合したABS樹脂:p−メチルスチレン共重合
AS樹脂 (H−1):(H−2)=ABS樹脂:下記(h−
3)共重合AS樹脂
【化6】
【0054】(H)成分は、上記ゴム強化樹脂(H−
1)および/または共重合体(H−2)を含有する組成
物であり、ゴム強化樹脂(H−1)と共重合体(H−
2)は、それぞれ単独で用いることができる。また、ゴ
ム強化樹脂(H−1)と共重合体(H−2)を混合して
用いる場合の含有割合は、ゴム強化樹脂(H−1)が0
〜100重量%、好ましくは0〜95重量%、さらに好
ましくは40〜80重量%、特に好ましくは45〜70
重量%であり、共重合体(H−2)は100〜0重量
%、好ましくは100〜5重量%、さらに好ましくは6
0〜20重量%、特に好ましくは55〜30重量%〔た
だし、(H−1)+(H−2)=100重量%〕であ
る。上記範囲内であると、耐衝撃性および成形加工性が
一段と優れた難燃性樹脂組成物が得られる。
【0055】ゴム強化樹脂(H−1)のグラフト率は、
先に示した(A−1)成分と同等の範囲が好ましい。ま
た、(H)成分中のマトリックス樹脂の極限粘度は、先
に示した(A)成分と同等の範囲が好ましい。
【0056】請求項1における配分割合について、以下
に示す。(B)成分の使用量は、(A)成分100重量
部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜40重量
部、さらに好ましくは3〜30重量部、特に好ましくは
5〜20重量部である。その使用量が、1重量部未満で
あると、難燃性が不十分であり、50重量部を越えると
耐衝撃性が劣る。
【0057】(C)成分の含有量は、(A)成分100
重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜40重
量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。(C)
成分が1重量部未満では十分な難燃性が得られず、一
方、50重量部を超えると樹脂としての成形品の熱変形
温度、耐衝撃性および成形外観が損なわれる。
【0058】(D)成分の含有量は、(A)成分100
重量部に対して0〜30重量部、好ましくは1〜25重
量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。(D)
成分が30重量部を超えると樹脂としての耐衝撃性およ
び成形外観が損なわれる。
【0059】(E)成分の含有量は、(A)成分100
重量部に対して0.05〜40重量部、好ましくは1〜
30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部である。
(E)成分が40重量部を超えると樹脂としての耐衝撃
性および成形外観が損なわれる。
【0060】(F)成分の含有量は、(A)成分100
重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜2
0重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
(F)成分が0.5重量部未満では十分な燃焼時でのド
リップ防止効果が得られず、一方、30重量部を超える
と樹脂としての耐衝撃性および成形外観が損なわれる。
【0061】請求項2,3における配合割合について、
以下に示す。(B)成分の使用量は、(G)成分(請求
項3では、(H)成分)100重量部に対して1〜50
重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは
3〜30重量部、特に好ましくは5〜20重量部であ
る。その使用量が1重量部未満であると、難燃性が不十
分であり、50重量部を越えると耐衝撃性が劣る。
【0062】(C)成分の含有量は、(G)成分(請求
項3では(H)成分)100重量部に対して1〜50重
量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3
〜30重量部である。(C)成分が1重量部未満では十
分な難燃性が得られず、一方、50重量部を超えると樹
脂としての成形品の熱変形温度、耐衝撃性および成形外
観が損なわれる。
【0063】(D)成分の含有量は、(G)成分(請求
項3では(H)成分)100重量部に対して0〜30重
量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは1
〜15重量部である。(D)成分が30重量部を超える
と樹脂としての耐衝撃性および成形外観が損なわれる。
【0064】(E)成分の含有量は、(G)成分(請求
項3では、(H)成分)100重量部に対して0〜40
重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは
2〜20重量部である。(E)成分が40重量部を超え
ると、樹脂としての耐衝撃性および成形外観が損なわれ
る。
【0065】(F)成分の含有量は、(A)成分100
重量部に対して0〜30重量部、好ましくは1〜20重
量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。(F)
成分が30重量部を超えると樹脂としての耐衝撃性およ
び成形外観が損なわれる。
【0066】本発明の請求項1,2および3の難燃性樹
脂組成物には、必要に応じて他の樹脂材料を混合しても
よい。他の樹脂材料としては、ナイロン6などのポリア
ミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、
ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリオキシメチ
レン(POM)などのポリアセタール、ポリエーテルエ
ステルアミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレー
ト、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂(PVC)などの塩素系ポリマー、エポキシ樹
脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、および熱可塑
性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種のポリ
マーが挙げられる。これらの中では、ポリアミド、PB
T、PETおよびPPSの群から選ばれた少なくとも1
種のポリマーが好ましい。
【0067】請求項1,2および3の難燃性樹脂組成物
と他の樹脂材料の配合割合は、好ましくは前者30〜9
0重量%、後者10〜70重量%である。後者がこの範
囲にあると、後者の添加による効果が得られる。さら
に、本発明の請求項1,2および3の難燃性樹脂組成
物、あるいはそれらと他の樹脂材料との組成物の製造に
際して、重合体間の相溶性を向上させるために相溶化剤
を用いることにより、耐衝撃性および成形品表面外観性
を向上させることができる。相溶化方法としては、混練
り時に酸無水物基、オキサゾリン基、およびイミド基の
群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能基
含有不飽和化合物、および必要に応じて過酸化物を存在
させる方法、上記官能基を有する他の重合体を用いる方
法などがある。上記官能基を有する重合体は、上記官能
基を有する不飽和化合物と、これと共重合可能な他のビ
ニル単量体とのランダム、ブロックおよびグラフト共重
合体である。
【0068】相溶化剤の具体例としては、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル共重合
体、スチレンと上記官能基含有不飽和化合物と必要に応
じてこれらと共重合可能な単にビニル単量体の1種以上
とを共重合した共重合体が挙げられる。また、エチレン
−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体など
の、エチレンと上記官能基含有不飽和化合物と必要に応
じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体の1種以上
とを共重合した共重合体も挙げられる。これらの共重合
体には、これらのエチレン共重合体上に他の重合体をグ
ラフト反応させたものも含まれる。グラフト反応させる
他の重合体としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体などのラジカル重合可能なビニル単
量体を用いて重合された重合体が挙げられる。
【0069】また、本発明の難燃性樹脂組成物には、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、低
分子量ポリエチレンなどの滑剤、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、カーボンブラ
ック、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、マイカ、ガ
ラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ガ
ラスフレーク、熱膨張性黒鉛、金属フィラーなどの充填
剤、分散剤、発泡剤、着色剤などを添加することができ
る。これらのうち、ガラス繊維および炭素繊維の形状と
しては、6〜60μmの繊維径と30μm以上の繊維長
を有するものが好ましい。これらの添加剤の配合量は、
本発明の請求項1,2および3の難燃性樹脂組成物10
0重量部に対し、0.01〜100重量部程度が好まし
い。
【0070】本発明の組成物は、各種押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ロールなどで、好ましくは20
0〜350℃の範囲で各成分を混練りすることによって
得ることができる。混練りするに際しては、各成分を一
括混練りしてもよく、また任意の成分を混練りした後、
残りの成分を添加し混練りする多段分割混練り法を採用
することもできる。好ましい混練り法は押出機で行う方
法であり、押出機としては二軸同方向回転押出機が特に
好ましい。
【0071】本発明の難燃性樹脂組成物は、押出成形、
射出成形、圧縮成形などの成形手段により成形品とされ
るが、これらの成形品は、難燃性、耐衝撃性、耐熱性お
よび成形実用性に優れており、表面外観も良好であるの
で、家庭用品、電気製品、OA機器などの物品、自動車
などの部品、あるいは建築材料として極めて有用であ
る。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。
【0073】(A)成分の調製 (A)成分として、下記のものを用いた。 グラフト共重合体(A−1);還流冷却器、温度計およ
び攪拌機を備えたセパラブルフラスコに、イニシャル成
分としてポリブタジエンゴムラテックスを固形分換算で
40部、イオン交換水65部、ロジン酸セッケン0.3
5部、スチレン15部およびアクリロニトリル5部を加
え、次にピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第1鉄7
水和物0.01部およびブドウ糖0.4部をイオン交換
水20部に溶解した溶液に加えた。次いで、キュメンハ
イドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始
し、1時間重合させたのち、インクレメント成分として
イオン交換水45部、ロジン酸セッケン0.7部、スチ
レン30部、アクリロニトリル10部およびキュメンハ
イドロパーオキサイド0.01部を2時間かけて連続的
に添加し、さらに1時間かけて重合させ反応を完結させ
た。得られた共重合体ラテックスに硫酸を加え凝固し、
水洗、乾燥してグラフト共重合体(a−1)を得た。
【0074】共重合体(A−2);還流冷却器、温度計
および攪拌機を備えたセパラブルフラスコに、イオン交
換水250部、ロジン酸カリウム3.0部、スチレン7
5部、アクリロニトリル25部およびt−ドデシルメル
カプタン0.1部を加え、次にエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム0.05部、硫酸第1鉄7水和物0.002
部およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.1部をイオン交換水8部に溶解した溶液に加えた。
次いで、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド0.1部を加えて重合を開始し、約1時間重合させて
反応を完結した。得られた共重合体ラテックスに硫酸を
加えて凝固し、水洗、乾燥して共重合体(A−2)を得
た。
【0075】(B)成分の調製 (B)成分として、ノボラック型フェノール樹脂〔群栄
化学工業株式会社製、PSM−4307〕を用いた。
【0076】(C)成分の調製 (C)成分として、トリフェニルホスフェート、トリフ
ェニルチオホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェ
ニルホスフェート)を用いた。
【0077】(D)成分の調製 (D)成分として、トリスヒドロキシエチルイソシアネ
ート(THEIC)〔日産化学製〕を用いた。
【0078】(E)成分の調製 (E)成分として、下記のオリゴマー状重合体を使用し
た。 イソシアネート含有オリゴマー:MDIミリオネートM
R−400(日本ポリウレタン工業)
【0079】(F)成分の調製 酸化クロム、酸化チタンを用いた。ポリテトラフルオロ
エチレン(商品名:テフロン)としては、ダイキン工業
株式会社製F−103(平均粒子径500μm、密度6
00g/L、融点326〜328℃)を用いた。ケイ素
含有樹脂としては、三菱レーヨン製S2001を用い
た。
【0080】(G),(H)成分の調製 (G)成分、(H)成分は、(A)成分と同様な重合方
法を用いて得られる。単量体の仕込み組成は、表1の通
りである。
【表1】
【0081】難燃性樹脂組成物の製造および評価 表2、表3に示す各成分を、内径50mmの押出機で温
度190〜240℃の範囲で溶融混練りし、ペレットを
作製した。得られたペレットを、50z射出成形機を用
いて、成形温度200〜240℃の範囲で成形して試験
片を作製し、その物性を評価した。結果を表2、表3に
示す。
【表2】
【表3】
【0082】なお、物性の評価は、以下のとおりであ
る。燃焼性 O.I.(酸素指数) 試験片;1/8″×1/2″×5″ UL−94に準拠した燃焼性テスト。 試験片;1/8″×1/2″×5″アイゾット衝撃強度 ASTM D256(1/4″、23℃、ノッチ付き)熱変形温度 ASTM D648(18.6kg/cm2
【0083】表2から明らかなように、実施例1〜7の
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の目的とするもの
が得られている。これに対し、表3の比較例1の組成物
は、本発明の請求項1の必須成分である(F)成分を欠
いた組成であり、難燃性が劣る。比較例2の組成物は、
組成割合が本発明の範囲を越えており、耐衝撃性および
成形時熱安定性が劣る。比較例3,4の組成物は、本発
明の請求項2,3における、(G)成分、(H)成分中
の官能基含有単量体の含有割合が、本発明の範囲を超え
た例であり、耐衝撃性、成形時熱安定性が劣る。
【0084】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物によれば、低
ハロゲン含有率、あるいはハロゲン含有難燃剤を使用し
なくても優れた難燃性を有しており、しかも成形加工時
および燃焼時にダイオキシンなどの有害物質の発生が起
こりにくく、さらに実用レベルの高度な耐衝撃性、耐熱
性をも有している。従って、OA機器などの事務機器や
電気機器などの大型成形品や複雑な成形品の成形が可能
で、実用上優れた材料であり、工業的価値が極めて大き
く、産業上極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 61:06 101:02) (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分100重量部に対し
    て、 (B)成分1〜50重量部、(C)成分1〜50重量
    部、(D)成分0〜30重量部、(E)成分0.05〜
    40重量部、および(F)成分0.5〜30重量部を含
    有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 (A)成分:(ゴム強化)スチレン系樹脂 (B)成分:フェノール樹脂 (C)成分:(有機系)リン含有化合物 (D)成分:チッ素含有化合物 (E)成分:官能基含有オリゴマー状重合体 (F)成分:下記から選ばれる少なくとも1種の化合物 (F−1):金属含有化合物 (F−2):ケイ素含有化合物 (F−3):ポリテトラフルオロエチレン
  2. 【請求項2】 下記の(G)成分100重量部に対し
    て、請求項1の(B)成分1〜50重量部、(C)成分
    1〜50重量部、(D)成分0〜30重量部、(E)成
    分0〜40重量部および(F)成分0〜30重量部を含
    有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 (G)成分:下記から選ばれる少なくとも1種の官能基
    含有単量体を(G)成分中に0.5〜50重量%共重合
    したスチレン系樹脂 (g−1):エポキシ基含有単量体 (g−2):水酸基含有単量体 (g−3):カルボン酸基含有単量体 (g−4):アミド基含有単量体
  3. 【請求項3】 下記の(H)成分100重量部に対し
    て、請求項1の(B)成分1〜50重量部、(C)成分
    1〜50重量部、(D)成分0〜30重量部、(E)成
    分0〜40重量部および(F)成分0〜30重量部を含
    有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 (H)成分:下記から選ばれる少なくとも1種の単量体
    を(H)成分中に0.5〜 50重量%共重合したスチ
    レン系樹脂 (h−1):アルコキシスチレン (h−2):アルキル置換スチレン 【化1】
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JP23837793A Pending JPH0790147A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 難燃性樹脂組成物

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JP (1) JPH0790147A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1055705A1 (en) * 1999-05-28 2000-11-29 Toray Industries, Inc. Flame-retardant resin composition and molded product formed of the same

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