JP3364879B2 - 内燃機関の点火制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火制御装置

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JP3364879B2
JP3364879B2 JP23993197A JP23993197A JP3364879B2 JP 3364879 B2 JP3364879 B2 JP 3364879B2 JP 23993197 A JP23993197 A JP 23993197A JP 23993197 A JP23993197 A JP 23993197A JP 3364879 B2 JP3364879 B2 JP 3364879B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の点火制
御装置に関し、詳しくは、点火コイルの通電制御技術に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来の点火制御は、図6に示すように、
気筒間の行程位相差に相当する角度(4気筒で180 °)
毎にクランク角センサから出力されるリファレンス信号
REFを基準とし、該リファレンス信号REFから点火
時期までの角度を求め、この角度から要求通電時間に相
当する通電角を減算した角度を非通電角として求め、リ
ファレンス信号REFから前記非通電角だけ回転した時
点から点火コイル(1次側)への通電を開始し、点火時
期において点火コイルへの通電を遮断して点火を行わせ
るようにしていた。 【0003】前記リファレンス信号REFは、例えばB
TDC110 °毎に出力されるようになっており、この場
合、点火時期の直前に出力されるリファレンス信号RE
Fが、通電角内で出力されることになってしまうことが
あるので、点火コイルへの通電開始時期を計測する基準
を点火時期から2つ前のリファレンス信号REFとして
いる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料噴射弁
によって筒内に直接燃料を噴射させる機関であって、シ
リンダ内に均質の混合気を形成させて均質燃焼を行わせ
る均質燃焼方式と、点火栓の周囲に濃い混合気を形成さ
せて成層燃焼を行わせる成層燃焼方式とが運転条件に応
じて切り換えられる筒内噴射式内燃機関が知られている
が、かかる筒内噴射式内燃機関において上記従来の点火
制御をそのまま適用すると、必要な点火エネルギーが確
保できずに失火を招く惧れがあった。 【0005】上記のように点火時期から2つ前のリファ
レンス信号REFを基準として非通電角(通電開始時
期)を計測させる構成では、非通電角のセットから通電
開始時期までが長いため、前記筒内噴射式内燃機関で
は、非通電角のセットが行われてから燃焼方式の切り換
えが行われる可能性がある。そして、この場合、既に非
通電角はセットされているから、その後に例えば成層か
ら均質燃焼への切り換えが行われて要求点火時期が大き
く進角変化しても、これに見合って通電開始時期を早め
ることができず、均質燃焼に対応するより進角された点
火時期に通電を遮断することで通電時間が短くなり、要
求の点火エネルギーを確保できなくなってしまうことが
あったものである。 【0006】図6は、前記成層燃焼から均質燃焼への切
り換え時の通電制御の様子を示すものであり、非通電角
をセットするリファレンス信号REF出力時には、成層
燃焼の要求があるために、成層燃焼に適合する点火時期
ADVSに基づいて非通電角を求め、この非通電角をセ
ットしたものの、その後に成層燃焼から均質燃焼への切
り換え要求が発生し、然も、その発生タイミングが次回
点火気筒の吸気行程噴射に間に合うタイミングであった
ため、成層燃焼に適合する点火時期ADVSに基づいて
非通電角がセットされたのに、点火時期は切り換え後の
均質燃焼に適合する点火時期ADVHで行われた場合を
示す。 【0007】この場合、成層燃焼に適合する点火時期A
DVSよりも均質燃焼に適合する点火時期ADVHの方
がより進角側であるから、通電遮断時期は、非通電角を
セットしたときに予定されていた時期よりも、前記進角
分だけ早まることになり、通電開始は前記非通電角で決
められているから、結果的に、通電角が前記進角分だけ
少なくなってしまうものである。 【0008】逆に均質燃焼から成層燃焼に切り換えられ
るときには、点火時期が遅角変化する分だけ通電遮断時
期が予定よりも遅くなり、要求される点火エネルギーは
確保されることになるが、不必要に通電時間が長くなっ
てしまう。本発明は上記問題点に鑑みなされたものであ
り、筒内噴射式内燃機関における燃焼方式の切り換え時
に点火時期がステップ的に変化しても、この点火時期の
ステップ変化に対応して非通電角を適切に設定でき、以
て、通電時間を過不足なく得られる点火制御装置を提供
することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
発明は、燃焼方式が、吸気行程中の燃料噴射による均質
燃焼と、圧縮行程中の燃料噴射による成層燃焼とに切り
換えられる内燃機関の点火制御装置であって、点火時期
において、点火コイルの要求通電角、及び、そのときの
燃焼方式から次回の点火時期を求めると共に、気筒間の
行程位相差,前記要求通電角及び前回の点火時期と次回
の点火時期との偏差に基づいて、前回の点火時期からの
非通電角を求め、前回の点火時期から前記非通電角だけ
回転した時点から点火コイルへの通電を開始させる構成
とした。かかる構成によると、ある気筒で点火が行われ
ると、この点火時期(前回の点火気筒の点火時期)を基
準として次の点火のための点火コイル(1次側)への通
を開始させるものであり、点火間隔から点火コイルへ
の要求通電角(要求通電時間に相当する角度)を除いた
部分が非通電角となるから、点火が行われた時点から前
記非通電角だけ回転した時点を通電開始時期として、点
火コイルへの通電を開始させる。また、点火時期に変化
がない場合には、点火時期の間隔は、気筒間の行程位相
差に一致することになり、行程位相差から要求通電角を
除いた角度が非通電角となるが、点火時期が前回と次回
との間で変化する場合には、点火時期の間隔が行程位相
差に一致しなくなるので、点火時期の間隔が行程位相差
に一致するときの非通電角を基本値として求め、この基
本値を、前回の点火時期とそのときの燃焼方式から求め
られる次回の点火時期との偏差に応じて補正して、最終
的な非通電角を求める。 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】 【0016】 【発明の効果】請求項1記載の発明によると、非通電角
の計測基準となる点火時期の間隔が、燃焼方式の切換え
に伴う点火時期の変化によって変動しても、要求通電角
を確保できる非通電角を精度良くかつ簡便に求めること
ができるという効果がある。 【0017】 【0018】 【0019】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は、実施の形態における内燃機関を示す図で
あり、この図に示す機関1は、後述するように、筒内噴
射式の火花点火ガソリン機関である。機関1には、エア
クリーナ2を通過した空気が、スロットル弁3で計量さ
れ、吸気弁4を介してシリンダ内に吸引される。 【0020】電磁式の燃料噴射弁5は燃焼室内に直接燃
料(ガソリン)を噴射する構成であり、該燃料噴射弁5
から噴射された燃料によってシリンダ内に混合気が形成
される。前記混合気は、点火栓6による火花点火によっ
て着火燃焼し、燃焼排気は、排気弁7を介してシリンダ
内から排出され、触媒8で浄化された後に大気中に放出
される。 【0021】マイクロコンピュータを内蔵したコントロ
ールユニット10は、前記燃料噴射弁5による燃料噴射及
び点火栓6による点火(図示しない点火コイルへの通
電)を制御するものであり、前記コントロールユニット
10には各種のセンサからの信号が入力される。前記各種
センサとして、機関1の吸入空気流量Qを検出するエア
フローメータ11、クランク角1°毎に検出信号(ポジシ
ョン信号POS)を出力するポジションセンサ12、各気
筒の基準クランク角位置(例えばBTDC110 °)毎に
検出信号(リファレンス信号REF)を出力するリファ
レンスセンサ13、前記リファレンスセンサ13からのリフ
ァレンス信号REF間で気筒判別信号を出力する気筒判
別センサ14、排気中の酸素濃度に感応して燃焼混合気の
空燃比を検出する酸素センサ15,前記スロットル弁3の
開度TVOを検出するスロットルセンサ16、冷却水温度
Twを検出する水温センサ17等が設けられている。 【0022】尚、前記リファレンス信号REFの発生周
期、又は、前記ポジション信号POSの所定時間内の発
生数を計測することで、機関回転速度Neが求められ
る。前記機関1において、吸気行程中に燃料を噴射させ
ることでシリンダ内に均質の混合気を形成させて均質燃
焼を行わせる均質燃焼方式と、圧縮行程中に燃料噴射を
行わせることで点火栓6の周囲に濃い混合気を形成さ
せ、成層燃焼を行わせる成層燃焼方式とのいずれかに切
り換えられるようになっており、前記コントロールユニ
ット10は、運転条件に応じて目標当量比,燃焼方式を決
定し、これに応じて前記燃料噴射弁5による燃料噴射
量,噴射時期を設定する一方、前記燃焼方式毎に個別に
設定された点火時期マップを参照して、前記点火栓6に
よる点火時期(点火進角値)を設定する。 【0023】ここで、前記コントロールユニット10によ
る点火時期制御、詳しくは、点火コイル(1次側)への
通電制御の様子を、図2及び図3のフローチャートに従
って説明する。図2のフローチャートは、点火時期にお
いて割り込み実行され、前回の点火時期から点火コイル
への通電を開始させるまで角度(非通電角)をセットす
るものである。 【0024】まず、ステップ1(図中にはS1と記して
ある。以下同様)では、バッテリ電圧等に基づいて要求
の通電時間TDWLLを設定する。次のステップ2で
は、前記通電時間TDWLLを、そのときの機関回転速
度Neに基づいて通電角DWLLに変換する。ステップ
3では、次回点火が行われる気筒が均質燃焼であるか成
層燃焼であるかを判別する。 【0025】次回の点火気筒において均質燃焼が行われ
る予定の場合には、図4に示すように、前回の点火時期
において既に吸気行程噴射が行われていることになり、
前回の点火時期以降において次回点火気筒の燃焼が成層
燃焼に切り換えられること(更に圧縮行程噴射が行われ
ること)はない。同様に、次回の点火気筒において成層
燃焼が行われる予定の場合には、吸気行程噴射が行われ
ず、前回の点火時期の後に圧縮行程噴射が行われること
になり、均質燃焼への切り換えは既に噴射タイミングを
逸していることで不可能である。従って、前回の点火気
筒の点火時期においては、次回の点火気筒の燃焼方式が
確定していることになり、前記ステップ3では、変更さ
れることのない燃焼方式を判別できる。 【0026】ステップ3で、次回の点火気筒で成層燃焼
が行われると判別されたときには、ステップ4へ進み、
予め成層燃焼時用にマッチングさせてある点火時期マッ
プからそのときの機関負荷,回転に見合う点火時期AD
VS(点火進角値)を検索し、これを点火時期ADVに
セットする。一方、ステップ3で、次回の点火気筒で均
質燃焼が行われると判別されたときには、ステップ5へ
進み、予め均質燃焼時用にマッチングさせてある点火時
期マップからそのときの機関負荷,回転に見合う点火時
期ADVH(点火進角値)を検索し、これを点火時期A
DVにセットする。 【0027】ステップ6では、次回の点火時期ADVに
基づいて点火コイルへの通電を遮断したときに、前記通
電角DWLLが得られる非通電角NDWLLを、下式に
従って算出する。NDWLL=720 °/NCYL−DW
LL+(ADV-1−ADV)前記NCYLは気筒数であ
り、720 °/NCYLによって行程位相差が算出され、
720 °/NCYL−DWLLにより点火時期に変化がな
く行程位相差に一致する間隔で点火が行われる場合の非
通電角NDWLL(非通電角の基本値)が算出される。 【0028】しかし、実際には、燃焼方式の切り換えに
より点火時期がステップ変化する場合があるので、前回
の点火時期であるADV-1と次回の点火時期ADVとの
偏差を前記非通電の基本値に加算し、燃焼方式の切り換
えによって点火時期(通電遮断時期)大きく進角変化す
る場合には、非通電角の基本値を前記点火時期の進角変
化分だけ減少補正して通電開始を早めるようにする。逆
に、点火時期が遅角変化する場合には、非通電角の基本
値を前記点火時期の遅角変化分だけ増大補正して通電開
始を遅くするようにする。 【0029】前記非通電角NDWLLの演算に用いられ
る次回用の点火時期ADVは、次回の点火気筒の燃焼方
式に対応した値であって、前記非通電角NDWLLの演
算後に次回の点火気筒の燃焼方式が切り換えられること
がないから、前記非通電角NDWLLに基づき通電を開
始させることで要求される通電角DWLLを確実に得ら
れ、以て、要求される点火エネルギーでの点火を確実に
行わせることが可能である。 【0030】ステップ7では、前記非通電角NDWLL
をセットする。コントロールユニット10は、前回の点火
気筒の点火時期からポジション信号POSをカウントす
ることにより、前回の点火時期から前記非通電角NDW
LLだけ回転したことを検出すると、その時点から点火
コイル(1次側)への通電を開始させる(図4参照)。 【0031】図3のフローチャートは、リファレンス信
号REF毎に割り込み実行され、リファンス信号REF
から点火時期までの角度FADVをセットするためのも
のである。ステップ11では、今回のリファレンス信号R
EFの直後に点火が行われる気筒での燃焼方式の判別を
行い、かかる燃焼方式の判別に応じてステップ12又はス
テップ13で点火時期ADV(点火進角値)を設定する。 【0032】ステップ14では、前記設定された点火時期
ADV(点火進角値)を、リファレンス信号REFから
点火時期までの角度FADVに変換し、ステップ15で
は、前記角度FADVのセットを行う。前記角度FAD
Vがセットされると、コントロールユニット10は、リフ
ァレンス信号REFから前記ポジション信号POSをカ
ウントすることで、前記角度FADVだけ回転した時点
を検出し、その時点で点火コイルへの通電を遮断して点
火を行わせる(図4参照)。 【0033】ところで、上記では、点火時期の設定にお
ける最小単位角度と同じ1°毎に出力されるポジション
信号POSをカウントすることで、角度の計測を行わせ
る構成としたが、前記最小単位角度よりも大きな単位ク
ランク角(例えば10°)毎にポジション信号POSが出
力されるクランク角センサを用いる機関の場合には、図
5に示すようにして角度計測を行わせると良い。 【0034】まず、角度計測の基準位置(例えば上記実
施の形態における前回の点火気筒の点火時期)が、ポジ
ション信号POSと一致しない場合には、前記基準位置
から最初にホジション信号POSが出力されるまでの角
度を、ポジション信号POSのカウントによって求めら
れる角度に加算するようにする。前回の点火時期を基準
として非通電角を計測させる場合には、前回の点火時期
が分かっており、かつ、前記ポジション信号POSの出
力タイミングが、例えばTDCを基準する10°毎という
ように予め分かっているから、前回の点火時期からその
後に最初に出力されるポジション信号POSまでの角度
を演算で求めることができる。 【0035】そして、目標位置(例えば点火コイルへの
通電開始時期)の直前に出力されるポジション信号PO
Sまでは、ポジション信号POSをカウントすることで
角度計測を行わせ、目標位置の直前に出力されるポジシ
ョン信号POSから目標位置までは、この間の角度を時
間に換算し、前記直前のポジション信号POSから前記
時間が経過した時点を目標位置として検出する。 【0036】即ち、角度の計測を、ポジション信号PO
Sの発生数のカウントと、ポジション信号POSの発生
間隔よりも小さな端数の角度についての時間計測とによ
って行うものであり、全角度域を時間に換算して計測さ
せる構成とするよりも、高い精度で角度を計測させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施の形態における内燃機関のシステム構成を
示す図。 【図2】実施の形態における非通電角セットの様子を示
すフローチャート。 【図3】実施の形態における点火時期セットの様子を示
すフローチャート。 【図4】実施の形態における通電制御の特性を示すタイ
ムチャート。 【図5】ポジション信号POSのカウントと時間計測と
を組み合わせた角度計測の方法を示す図。 【図6】従来の点火制御の様子を示すタイムチャート。 【符号の説明】 1 内燃機関 3 スロットル弁 4 吸気弁 5 燃料噴射弁 6 点火栓 7 排気弁 10 コントロールユニット 11 エアフローメータ 12 ポジションセンサ 13 リファレンスセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大羽 拓 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−145572(JP,A) 特開 昭63−285264(JP,A) 特開 平4−17756(JP,A) 特開 昭62−159770(JP,A) 特開 昭61−244822(JP,A) 特表 平5−505225(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/045 F02B 17/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】燃焼方式が、吸気行程中の燃料噴射による
    均質燃焼と、圧縮行程中の燃料噴射による成層燃焼とに
    切り換えられる内燃機関の点火制御装置であって、 点火時期において、点火コイルの要求通電角、及び、そ
    のときの燃焼方式から次回の点火時期を求めると共に、
    気筒間の行程位相差,前記要求通電角及び前回の点火時
    期と次回の点火時期との偏差に基づいて、前回の点火時
    期からの非通電角を求め、 前回の点火時期から前記非通電角だけ回転した時点から
    点火コイルへの通電を開始させることを特徴とする 内燃
    機関の点火制御装置。
JP23993197A 1997-09-04 1997-09-04 内燃機関の点火制御装置 Expired - Lifetime JP3364879B2 (ja)

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