JP3361665B2 - 流体噴射式織機の給糸不良検出方法と装置 - Google Patents

流体噴射式織機の給糸不良検出方法と装置

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JP3361665B2
JP3361665B2 JP27686695A JP27686695A JP3361665B2 JP 3361665 B2 JP3361665 B2 JP 3361665B2 JP 27686695 A JP27686695 A JP 27686695A JP 27686695 A JP27686695 A JP 27686695A JP 3361665 B2 JP3361665 B2 JP 3361665B2
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裕 浦垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は流体噴射式織機の給糸
不良検出方法と装置に関し、さらに詳しくは流体噴射式
織機において、織機の緯糸の到達状況に応じて緯糸の不
良部分が緯入れされているか否かを検出する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に織機の緯入れについて、緯糸を経
糸開口内に挿入後緯入れの成否を判断し、緯入れミス時
には織機を停止させている。この技術は、例えば緯入れ
サイクル中で反給糸側での緯糸を検知し、織機のクラン
ク角度で決められた所定角度範囲(以下:正常到達範囲
とする。)内に緯糸が反給糸側に到達していると緯入れ
が正常であると判断し、逆にその所定期間内に緯糸が到
達しなかったとき緯入れミスと判断し緯入れミス信号を
発生して織機を停止させるものである。また、緯入れミ
スによる織機停止後、緯入れミス糸を排出装置により自
動的に排出して織機を再運転するか、あるいは作業者が
手動操作で緯入れミス糸を除去して、口合わせ操作後織
機を再運転している。
【0003】ところで、給糸体から供給される緯糸には
品質不良部分が存在することがある。この緯糸の品質不
良部分として、例えば給糸体製造時に生じる糸の太さム
ラ、撚りムラ、および油剤の付着ムラの他、運搬時に生
じる給糸体外周部(給糸体製造時の巻終わり部分)の表
面の傷や糸の撚り戻りなどによるムラが挙げられる。ま
た、緯糸の品質不良部分は、緯入れ数ピック分の長さに
わたって存在するものである。本願では、以下、緯糸の
品質不良部分を給糸不良部分と称する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この給糸不良部分が緯
入れされると正常に緯入れされない。なぜなら、給糸不
良部分に対する緯入れノズルからの噴射流体の搬送力
は、正常な緯糸に対する搬送力とは異なるからである。
このときの緯糸の到達時期は、正常な緯糸緯入れ時の緯
糸到達時期よりも極端に早くまたは遅くなってしまう。
このため、緯糸がたとえ反給糸側に到達しても、正常到
達角度範囲内に到達していないから緯入れミスと判断し
て織機を停止させることになる。織機の停止後、緯入れ
ミスと判断された数ピックにわたる給糸不良部分がメイ
ンノズルより上流側に残っているため、以降この給糸不
良部分がすべて緯入れミス糸として除去されるまで織機
運転/緯入れミスによる織機停止を繰り返すことにな
り、同一織り口で起動停止を繰り返すことで織段発生し
て織物品質を低下させることになる。
【0005】しかも最近は織布工場の省力化により工場
内で働く作業員数が極めて少くなっており、一人の作業
員が多数の織機を巡回することになる。この結果作業員
が同一織機に巡回してくる周期が非常に長くなる。かか
る状況下で手動により給糸不良補修を行うとなると、給
糸不良が発生して停台した織機は長時間その状態で作業
員の巡回を待機しなければならない。したがって、特に
最近の高速運転条件下では、織機の稼働率が大幅に低下
することになる。
【0006】かかる従来技術の現状に鑑みてこの発明の
目的は、給糸不良部分が緯入れされたことが緯入れミス
の原因であることを検出し適切な処置を施すことによっ
て、以降織機を不要に停止させないことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このための本発明は、反
給糸側の緯糸到達位置に設けられた緯糸検知器からの緯
糸検知信号が織機のクランク角度で定められる正常到達
角度範囲内に出力されていないときに、緯入れミスとし
て緯入れミス信号を出力して織機を停止させる流体噴射
式織機において、前記正常到達角度範囲よりも前後の少
なくとも一方に対応するクランク角度領域に基準角度範
囲を設定し、前記緯入れミスの検出後、前記緯糸検知信
号が設定された基準角度範囲内に出力されているかどう
かを判別し、出力されていたときに給糸不良と判断して
前記緯入れミス信号に加えて給糸不良信号を出力するこ
とを第1の要旨とする。なお、第1の要旨における基準
角度範囲は、給糸不良部分が緯入れされた場合、その緯
糸到達時期に対応するクランク角度に合わせて予め経験
的に設定されるものである。また、基準角度範囲を、正
常到達角度範囲よりも前のクランク角度上に設定する
か、後のクランク角度上で設定するか、または、両方に
設定するかは、緯糸の種類によって異なるが、これも経
験的に設定されるものである。さらに緯糸検知信号が基
準角度範囲内に所定回数連続して出力されたとき、また
は緯糸検知信号が所定ピック数において基準角度範囲内
に所定回数出力されたときに給糸不良信号を発生しても
良い。
【0008】反給糸側の緯糸到達位置に設けられた緯糸
検知器からの緯糸検知信号が織機のクランク角度で定め
られる正常到達角度範囲内に出力されないときに、緯入
れミスとして緯入れミス信号を出力して織機を停止させ
る流体噴射式織機において、緯入れ毎に正常到達角度範
囲内に出力された緯糸検知信号の出力時期を記憶し、緯
糸検知信号が前記正常到達角度範囲外に出力されたと
き、当該緯糸検知信号の出力時期と記憶した前回の緯糸
検知信号の出力時期とを比較し、その比較結果に基づい
て給糸不良と判断して給糸不良信号を出力することを第
2の要旨とする。
【0009】さらに前記緯入れミスにより織機停止後、
前記給糸不良信号の出力に応じてメインノズルより上流
側の給糸不良部分を系外に排出することを第3の要旨と
する。
【0010】反給糸側の緯糸到達位置に設けられ緯糸を
検知したとき緯糸検知信号を出力する一方で織機のクラ
ンク角度信号を入力し正常到達角度範囲内に緯糸が検知
されない場合に緯入れミス信号を出力するフィーラユニ
ットと、前記緯入れミス信号が入力されたとき織機を停
止させる主制御ユニットとを備えた流体噴射式織機にお
いて、前記正常到達角度範囲よりも前後の少なくとも一
方に対応するクランク角度領域に基準角度範囲を設定す
る設定器と、前記緯入れミスの検出後に前記緯糸検知信
号の出力時期が前記基準角度範囲内に出力されているか
否かを判断し、出力されていた場合に給糸不良信号を主
制御ユニットに出力する判別器とを具備することを第4
の要旨とする。
【0011】反給糸側の緯糸到達位置に設けられ緯糸を
検知したら緯糸検知信号を出力する一方で織機のクラン
ク角度信号を入力し正常到達角度範囲内に緯糸が検知さ
れない場合緯入れミス信号を出力するフィーラユニット
と、前記緯入れミス信号が入力されたら織機を停止させ
る主制御ユニットとを備えた流体噴射式織機において、
前記クランク角度信号と緯糸検知信号とを入力し、緯糸
検知信号が入力されたとき緯糸到達角度信号を出力する
緯糸到達角度出力器と、前記緯糸到達角度信号を記憶し
出力する記憶器と、緯糸検知信号が前記正常到達角度範
囲外に出力されたとき当該緯糸到達角度信号と前記記憶
器から読みだした前回の緯糸到達角度信号との差を所定
値と比較し、その比較結果に基づいて給糸不良と判断し
て給糸不良信号を出力する判別器とを具備することを第
5の要旨とする。
【0012】
【作用】前記第1および第4の要旨によれば、給糸不良
部分が緯入れされると、緯糸到達が正常な緯入れ時の緯
糸到達時期よりも極端に早くまたは遅くなる。このため
給糸不良部分が緯入れされると、緯糸検知信号が基準角
度範囲内に出力されることになる。これによって、給糸
不良部分が緯入れされたと判断し、言い換えれば給糸不
良と判断して給糸不良信号を出力する。その後緯入れミ
ス信号により織機を停止しても、この給糸不良信号の出
力により給糸不良による緯入れミスで織機が停止したこ
とが分かるから、その後の織機の状態を適切にすること
ができる。また、緯糸検知信号が基準角度範囲内に所定
回数連続して出力されたとき、あるいは緯糸検知信号が
所定ピック数において基準角度範囲内に所定回数出力さ
れたときに給糸不良信号発生することで、給糸状態が正
常であって、突発的に1ピックだけ緯糸到達の遅れや到
達の速まりが発生しても給糸不良信号を発生させないか
ら、給糸不良検出がより確実になり、給糸を無駄にする
こともない。
【0013】また、第2および第5の要旨によれば、給
糸不良部分が緯入れされると、緯糸の到達が正常な緯糸
緯入れ時の緯糸到達よりも極端に早くまたは遅くなる。
このため給糸不良部分の緯入れ時には、緯糸検知信号が
正常到達範囲外に出力されることになる。しかも、正常
到達角度範囲外に出力された緯糸検知信号の出力時期
と、前回の正常到達角度範囲内に出力された緯糸検知信
号の出力時期との差が基準値を越えることになる。これ
によって給糸不良と判断して給糸不良信号を出力する。
【0014】さらに前記第3の要旨によればこの給糸不
良信号が出力により給糸不良部分排出機構を駆動してメ
インノズルより上流側の給糸不良部分を系外に自動的排
出させることで人手を煩わすことがなく省力化される。
【0015】
【実施例】図1に示すのは本発明を適用した空気噴射式
織機の緯入れ部の全体構成である。概説すると、給糸体
1から引き出された緯糸は測長貯留装置3を経てメイン
ノズル5から圧縮空気が噴射され、さらに筬7に沿って
存在するサブノズル9の噴射空気でさらに加速されて、
筬7前方に画定された緯糸飛走路内を飛走する。緯入れ
された緯糸は、反給糸側に存在する緯糸検知器15aで
検知される。その後緯入された緯糸は、筬7により筬打
ちされカッタ8により切断される。こうして一連の緯入
れ動作が行われる。メインノズル5に対応する部位には
給糸不良部分排出機構11が配置されている。なお、こ
れらの織機の緯入れ部は図示されない主制御ユニット等
により適切に制御されている。
【0016】図2、図3および図4に示すのはこの本発
明の第1の実施例である。図2は、本発明の第1の実施
例の装置を構成するブロック図である。
【0017】図2において、角度信号発生器12は織機
主軸に連結され主軸の回転に応じてクランク角度信号S
1を出力するものである。この角度信号発生器12から
のクランク角度信号S1は、正常到達角度範囲信号発生
器10に接続されている。この正常到達角度範囲信号発
生器10は、緯入れの成否を判断するためにクランク角
度に対応して決められる正常到達角度範囲が予め設定さ
れており、クランク角度が正常到達角度範囲内にあると
き、正常到達角度範囲信号S11をフィーラユニット1
5に出力する。
【0018】フィーラユニット15は、正常に緯入れさ
れた緯糸先端の到達位置に対応してスレー上に取り付け
られた緯糸検知器15aと、この出力信号を増幅し緯糸
の有無を判別するフィーラ回路15bとで構成されてい
る。この緯糸検知器15aは、例えば反射型光電センサ
で構成されており、対象物(筬7)に光を照射しその反
射光量を信号として出力するものである。フィーラ回路
15bは、この緯糸検知器15aからの信号を入力しそ
の大きさが一定値を越えると緯糸を検知したとして緯糸
到達角度出力器16に緯糸検知信号S2を出力する。さ
らに、フィーラ回路15bには、正常到達角度範囲信号
S11が入力されており、この正常到達角度範囲信号内
で緯糸を検知すれば緯入れ正常と判断し、この検知タイ
ミング内で緯糸検知しなければ、緯入れミスと判断して
緯入れミス信号S10を主制御ユニット21に出力す
る。
【0019】フィーラユニット15から出力された緯糸
検知信号S2と角度信号発生器12からのクランク角度
信号S1は、緯糸到達角度出力器16に入力される。緯
糸到達角度出力器16は、例えばラッチ回路で構成され
ており、フィーラユニット15から緯糸検知信号S2を
受け取ると、そのとき入力されているクランク角度信号
S1を記憶するとともに緯糸到達角度信号S12を出力
し、再度緯糸検知信号S2が入力されるまでその出力を
維持する。そして緯糸到達角度信号S12は判別器17
に出力される。
【0020】判別器17には基準角度範囲を設定する設
定器19が接続されている。この設定器19には第1お
よび第2の基準角度範囲を構成する4つの基準角度信号
S31、S32,S33、S34が判別器17に設定さ
れる。このうち、基準角度信号S31およびS32は、
前記正常到達角度範囲より後位相の第1の基準角度範囲
の始点角度および終点角度とを表すものであり、基準角
度信号S33およびS34は、前記正常到達角度範囲よ
り前位相の第2の基準角度範囲の始点角度および終点角
度とを表すものである。
【0021】ところでこれらの基準角度範囲であるが、
図17にその一例を示すように、正常到達角度範囲外の
クランク角領域において任意に設定される第1の基準角
度範囲Z1および第2の基準角度範囲Z2である。本実
施例では、第1の基準角度範囲Z1の始点角度は、クラ
ンク角度170゜、終点角度はクランク角度200゜で
ある。また、第2の基準角度範囲Z2の始点角度は、ク
ランク角度290゜、終点角度はクランク角度320゜
である。なお、正常到達角度範囲は、クランク角度20
0゜〜290゜に設定されている。もっとも、基準角度
範囲は、上記のクランク角度領域に設定することには限
られない。また、緯糸の種類などに応じて、第1の基準
角度範囲Z1および第2の基準角度範囲Z2のいずれか
一方を設定するようにしても良い。
【0022】判別器17は、例えば比較器17aで構成
されており、緯糸到達角度出力器16からの緯糸到達角
度信号S12と基準角度信号S31、S32とをそれぞ
れ比較し、緯糸到達角度が第1の基準角度範囲Z1内に
あるか、あるいは、基準角度信号S33,S34とを比
較し、緯糸到達角度が第2の基準角度範囲Z2内にある
とき、給糸不良と判断して給糸不良信号S4を出力す
る。
【0023】主制御ユニット21は、フィーラユニット
15より出力される緯入れミス信号S10と比較器17
aからの給糸不良信号S4とが接続されている。そして
主制御ユニット21は、緯入れミス信号S10が入力さ
れると図示しない織機停止タイミング信号で織機を停止
させる。例えば図示しない公知の緯入れミス糸除去装置
が搭載されていれば、主制御ユニット21はこの緯入れ
ミス糸除去装置を作動させるために、織機を所定位置ま
で逆転させ、緯入れミス糸除去装置を作動させて緯入れ
ミス糸を除去し、その後口合わせ動作を行うなどの一連
の緯入れミス糸排出動作を制御する。この結果、緯入れ
ミス糸が経糸開口内から自動的に除去される。なお、上
記緯入れミス糸除去装置が搭載されていなければ、織機
は待機状態になり、作業員により緯入れミス糸が除去さ
れる。
【0024】その後、主制御ユニット21は給糸不良信
号S4が出力されていれば、主制御ユニット21により
制御される給糸不良部分排出機構11の駆動によりメイ
ンノズル5より上流側にある給糸不良部分を系外に排出
させ、その後織機を自動的に再起動させる。なお、織機
停止後、主制御ユニット21は織機を待機状態にし、給
糸不良信号S4が出力されていれば図示しない警報装置
を作動させ、作業者が給糸不良部分の排出作業を行うよ
うにしても良い。
【0025】これらの一連の動作について図3、図4を
示す。図3は、給糸不良を検出する過程を示す。図中の
動作のうちステップ(1)は、緯糸到達角度出力器16
で行われ、これ以降のステップ(2)〜(4)について
は判別器17で行われる。図4は、織機運転開始から給
糸不良を検出しこの給糸不良部分を排出したあと織機再
運転するまでの織機の動作過程を示す。図中の動作はす
べて主制御ユニット21で制御される。
【0026】織機運転を開始する前に予め第1の基準角
度範囲と第2の基準角度範囲が設定器19に設定されて
いる。まず図4のステップ(1)で主制御ユニットは織
機運転するとともに緯入れを開始し、緯入れ動作を開始
する。緯入れの確認はフィーラユニット15により行わ
れ、緯入れの成否が判断される。すなわち緯糸が正常到
達角度範囲内で検知されたか否かで判断し、検知されな
ければ緯入れミス信号S10を出力する。
【0027】一方では給糸不良検出が行われ、緯糸検知
されると図3のステップ(1)で、比較器17aに緯糸
到達角度出力器16から出力される緯糸到達角度信号S
12が入力される。比較器17aは緯糸到達角度信号S
12と基準角度信号S31、S32、S33、S34と
をそれぞれ比較する。具体的には、緯糸到達角度が2つ
の設定された基準角度範囲内にあるか否か、つまりステ
ップ(2)でS31<S12<S32あるいは、ステッ
プ(3)でS33<S12<S34が成立するか否かで
判断され、前記数式がいずれも成立しなければ、給糸不
良ではないと判断してそのままステップ(1)に戻り処
理を続け、前記数式のいずれかが成立するとき、給糸不
良と判断してステップ(4)に進み給糸不良信号S4を
出力する。
【0028】主制御ユニット21は図4のステップ
(2)で緯入れミス信号S10の発生を確認する。緯入
れミス信号S10が発生していなければそのまま運転を
継続し、緯入れミス信号S10が発生していると、ステ
ップ(3)で織機の停止信号を出力するとともに織機を
停止させる。その後主制御ユニット21は図4のステッ
プ(4)に進み、当該緯入れミス糸の除去作業を行った
あと、ステップ(5)に進み給糸不良信号S4の発生状
況を確認し、給糸不良信号S4が発生していればステッ
プ(6)に進み給糸不良部分排出機構11を駆動して給
糸不良部分を排出する。その後、ステップ(7)に進み
織機を再起動して一連の処理を終える。
【0029】ここで実例として、緯糸が例えば緯入れ中
の飛走で緯糸の先端がもつれてしまい、反給糸側に到達
できなかった場合について説明する。緯糸が反給糸側に
到達できないとき、結果としてこの緯入れサイクル中に
緯糸検知器は緯糸を検知できない。図4のステップ
(1)に進み織機が運転され、フィーラユニット15は
緯入れの成否を判断する。そして緯入れ中に緯糸先端も
つれが発生して反給糸側に到達できないとき、フィーラ
ユニット15は正常到達角度範囲内で緯糸を検知できな
いため、緯入れミスと判断して緯入れミス信号S10を
出力する。これと同時に給糸不良検出が行われるが、こ
の場合には緯糸が検知されないので給糸不良信号S4は
発生しない。
【0030】その後図4のステップ(2)に進み主制御
ユニット21は、緯入れミス信号S10の発生を確認
し、ステップ(3)で織機を停止させ、その後ステップ
(4)に進んで、緯入れミス糸除去装置を作動させ、緯
糸先端もつれを生じた緯入れミス糸を除去する。その後
ステップ(5)に進み、給糸不良信号S4が発生してい
ないから、そのままステップ(7)に進んで織機を再起
動して一連の処理を終える。
【0031】次に実例として、緯糸の品質不良部分、言
い換えれば給糸不良部分が緯入れされた場合について説
明する。この給糸不良部分が緯入れされると緯糸の反給
糸側への到達は極端に早くまたは遅くなるものの、結果
としてこの緯入れサイクル中に緯糸検知器は緯糸を検知
できる。図4のステップ(1)に進み織機が運転される
と、フィーラユニット15は、緯入れの成否を判断す
る。そして給糸不良部分が緯入れされると緯糸の反給糸
側への到達時期が正常な緯糸緯入れ時に比べ、極端に早
くまたは遅くなってしまう。このため、フィーラユニッ
ト15は緯糸を正常到達角度範囲で検知できないため、
緯入れミスと判断して緯入れミス信号S10を出力す
る。一方では給糸不良検出が行われ、正常到達角度範囲
より前後に設定される基準角度範囲内で緯糸が検知さ
れ、判別器17は給糸不良信号S4を出力する。
【0032】その後図4のステップ(2)に進み、主制
御ユニット21は緯入れミス信号S21が発生している
のでステップ(3)に進み織機停止信号を出力して織機
を停止させる。そして織機停止後、ステップ(4)に進
み緯入れミス糸除去装置を駆動して、緯入れミス糸を自
動的に除去する。その後、ステップ(5)に進み主制御
ユニット21は給糸不良信号S4の発生を確認して、ス
テップ(6)に進み給糸不良糸排出機構11を駆動し
て、メインノズル5より上流側の給糸不良部分を排出さ
せる。その後ステップ(7)に進み織機を再起動する。
なお、図示しないが、織機停止後主制御ユニット21
は、給糸不良信号S4が出力されていればステップ
(6)において織機を待機状態にしたあと図示しない警
報装置を作動させ、作業者が給糸不良部分排出作業を行
うようにしても良いことは言うまでもない。
【0033】図3、図4に示す作業の流れをより具体的
な内容を、給糸替わりの例をとって図5〜図10に示
す。図5に示すのは正常運転中の状態である。使用中の
給糸体の尻糸と次の給糸体の頭糸とは予め糸結びされて
いる。図6では織機運転により緯糸が消費されて、給糸
体の切り替わりが発生した直後の状態を示している。従
来技術のところでも述べたように、一般に新給糸体の外
周部の給糸状態が悪いため、緯糸が次の新給糸体に切り
替わり、新たな給糸体からの給糸不良部分が緯入れされ
たところで、緯糸到達角度が遅れる。このとき、正常到
達角度範囲内で緯糸が検知されないため、緯入れミス信
号S10が発生し、織機が停止する一方、この発明によ
り緯糸到達角度が第1の基準角度範囲内となるから給糸
不良が自動的に検出される。
【0034】図7〜図10に示す動作は、織機停止後の
自動的に行われる給糸不良部分排出動作を示している。
ここで給糸不良糸排出機構11は、緯糸を吸引排出する
排出器11aと、メインノズル5から送出される緯糸の
糸端を排出器11aに吹き上げる吹上げノズル11b
と、メインノズル5と排出器11aとの間に設けられた
カッタ11cとで構成される。主制御ユニット21から
動作指令を受けると、図7に示すように測長貯留装置3
から係止ピン3aが後退し、1ターン〜2ターンの緯糸
が解舒され、同時に吹上げノズル11b作動により緯糸
の先端が吹き上げられて排出器11aに吸引される。緯
糸の解舒後係止ピン3aは進出し、測長装置3上に残っ
ている緯糸を再度係止する。その後吹上げノズル11b
による吹上げ動作が終了し、測長貯留装置3の係止ピン
3aが後退し、ドラム上に巻いてある緯糸がメインノズ
ル5を介して排出器11aに吸引除去されて、図8の状
態になる。なお、この排出工程で適宜メインノズル5の
噴射させて、緯糸の引き出しを補助しても良い。
【0035】図8に示す状態で、測長貯留装置3の係止
ピン3aが再び進出したあとフライヤー3bが所定量回
転して緯糸が所定量貯留され、図9に示す状態になる。
この図8〜図9に示す状態、言い換えればこの給糸不良
部分を引き出し排除する動作を必要に応じて数回繰り返
す。その結果、数ピックの糸長さにわたる給糸不良部分
は新給糸体から引き出され、排出器11aに吸引排出さ
れる。その後図9の状態において、カッタ11cで緯糸
が切断され、排出器11aの吸引動作を終了して図10
の状態になる。その後織機は自動的に再起動される。な
お、給糸不良糸排出機構11は、給糸不良部分を経糸開
口内に緯入れし、反給糸側にある排出器で吸引除去する
形態であっても良く、また排出器も前記吸引のほか、吸
引把持のあと巻取る形態であっても良く、形式は特に限
定されない。また、一連の給糸不良部分の排出動作が正
常に行われないとき、例えば、給糸不良部分を吹き上げ
て排出器11aに吸引させる過程で、排出器にうまく吸
引されなかったとき、測長貯留装置3から給糸不良部分
を解舒したとき緯糸が互いにもつれて排出がうまく行か
なかったとき、あるいは排出器が給糸不良部分吸引した
後のメインノズルより先端の緯糸を切断する際にその切
断がうまく行かなかったとき、これらを図示しないセン
サ等で検出し、その後の処理動作を中止させても良い。
なお、先に記した緯入れミス糸除去装置と本発明の給糸
不良糸排出装置との動作は同時に進行することがなく予
め付けられた優先度に基づき順次動作し、より具体的に
は緯入れミス糸除去動作、給糸不良糸除去動作の順に実
行される。
【0036】次に第1実施例をより簡略化した例として
図11を示す。なお、前記実施例で説明した箇所につい
ては、同じ符号を付して説明を省略する。基準角度範囲
信号出力器14は、例えば主軸に取り付けられたドグ1
4aとこれを検出する検出器14bで構成されている。
予め第1および第2の基準角度範囲に応じたドグ14a
が主軸に取り付けられており、クランク角度が第1およ
び第2の基準角度範囲内にあるとき、検出器14bか
ら、基準角度範囲信号S13が判別器17に出力され
る。判別器17は、例えばアンド回路で構成され、基準
角度範囲信号S13が出力中に緯糸検知信号S2が入力
されたとき、給糸不良信号S4を出力する。このときも
前記実施例と同様に、緯入れミス信号S10が発生して
主制御ユニット21に入力され、織機停止信号を出力し
て織機停止させる。その後緯入れミス糸除去、給糸不良
部分排出、織機再起動の一連動作が順に実行される。
【0037】図12〜図13に本発明の第2の実施例を
示す。緯糸到達時期の遅速による給糸不良判別において
は、緯糸が正常であっても突発的に1ピックだけ到達遅
れや到達早まりが発生することがある。このような場合
には敢えて上記した給糸不良排出作業を行う必要はな
い。この実施例はかかる事情を勘案したものである。す
なわち基準角度範囲内での緯糸到達が所定回数を越えて
連続したときに給糸不良信号を発生するものであって、
判別器が比較器と計数手段とで構成されるものである。
なお以下前記実施例と実質的に同じ構成および動作につ
いては説明を省略する。
【0038】図12において緯糸到達角度出力器16ま
での構成は図2に示すものと同じである。この実施例で
は、前記実施例の判別器17を比較器17aと計数手段
23とで構成したものである。比較器17aは、緯糸到
達角度信号S12を入力し、緯糸到達角度が第1および
第2の基準角度範囲内にあれば信号S41を出力する。
なお、この信号S41は所定の時期まで、例えば次の緯
入れが開始されるまで出力されるものとする。計数手段
23には、給糸不良と判断するための所定回数を設定す
る設定器25とピック信号発生器13が接続されてい
る。設定器25から基準連続回数を示す基準連続回数信
号S6が出力される。また、ピック信号発生器13から
はピック信号S5が出力される。ピック信号発生器13
は、正常到達角度範囲信号発生器10と同様にクランク
角度信号S1を入力し予め設定されるクランク角度にな
るとピック信号S5を出力する。なお、ピック信号S5
は、上記信号S41の出力期間に対応するクランク角度
に属する所定のクランク角度で出力されるように予め設
定されている。また、設定器25に設定される基準連続
回数jは、2以上の任意の整数である。
【0039】計数手段23は、例えばCPUとメモリ等
で構成されるマイクロプロセッサを使用しメモリ上のソ
フトウエアで処理され、ピック信号S5の入力時点で比
較器17aから信号S41が出力されていると、この信
号S41を読み込みカウントする。また、ピック信号S
5発生時に信号S41が発生していなければ計数手段2
3の計数値を”0”に戻す。したがって、計数手段23
は、比較器17aから連続して出力された信号S41だ
けを順次カウントしていく。そしてこの連続発生回数が
基準連続回数に達したとき給糸不良信号S4を出力す
る。
【0040】この実施例の給糸不良を検出する過程を図
13に示す。なお、ステップ(2)〜ステップ(5)の
処理は、比較器17aで、残りのステップ(1)、およ
びステップ(6)〜ステップ(11)の処理は、計数手
段23で行われる。また、主制御ユニット21により行
われる給糸不良信号出力後の処理については前実施例の
図4と同じであり説明を省略する。図13のステップ
(1)に示すように織機運転に際し予め図示しない計数
リセット信号が計数手段23に入力され、基準連続発生
回数iを”0”にする。その後織機運転されて緯入れさ
れ、緯糸到達角度S12が出力されると、比較器17a
は、ステップ(2)およびステップ(3)の緯糸到達角
度が第1および第2の基準角度範囲内にあるか否かを判
別し、いずれかの基準角度範囲内にあるときステップ
(4)に進み、信号S41を出力する。
【0041】次いで、ステップ(6)に進みピック信号
S5が入力されると、計数手段23はステップ(7)に
進み、信号S41の出力を読み込み、信号S41の発生
をカウントする。そして、次の織機主軸サイクル中に再
び信号S41が出力されなかったときステップ(8)に
進みカウント値iを”0”に戻し、ステップ(2)に戻
って次の給糸不良検出に備える。また、信号S41が連
続して発生したときステップ(9)に進みカウント値i
に”1”を加算する。その後ステップ(10)に進み計
数手段23はカウント値iと基準連続回数jとの比較を
行い、カウント値iが基準連続回数jに達していなけれ
ばステップ(2)に戻り給糸不良検出を続け、カウント
値iが基準連続回数jに達したら、ステップ(10)に
進み給糸不良信号S4を出力する。
【0042】以降前記実施例に示した図4の流れに従
い、緯入れミス信号発生により織機停止、緯入れミス糸
除去、給糸不良部分排出、織機再起動の順に処理され
る。ここでより詳しくは、信号S41が発生する緯入れ
サイクルでは、緯入れミス信号S10が必ず発生するた
め、カウント値iが基準連続回数jに達していなくても
必ず織機は一旦緯入れミスで停止する。そして、緯入れ
ミス糸が除去された後に織機が再起動され、カウント値
iを消去することなく、給糸不良検出は継続される。そ
の後信号S41が発生してカウント値iが基準連続回数
jに達すれば、緯入れミス信号により織機停止後、緯入
れミス糸が除去され、その後に給糸不良部分が排出され
る。
【0043】図14に示す実施例は前記第2実施例をさ
らに変形させたもので、所定の連続ピック数間における
信号S41の発生回数を積算し、積算回数が基準積算回
数を越えたときに給糸不良信号を発生するものである。
なお、以下の前の実施例と実質的に同じ構成および動作
については説明を省略する。
【0044】図14において、緯糸到達角度出力器16
までの構成は図5と同じである。この実施例において、
計数手段27には、比較器17aからの信号S41のほ
かに監視区間である基準緯入れピック数nを設定する設
定器29bおよびその監視区間内の基準積算回数mを設
定する設定器29aが接続され、所定緯入れピック数信
号S8および基準積算回数信号S7が出力される。計数
手段27は、比較器17aから信号S41が出力された
後にピック信号S5が入力されると、この信号S41を
読み込みカウントする。計数手段27は、一方でピック
信号S5を入力する毎に緯入れピック数pを”1”づつ
加算していく。緯入れピック数pが所定緯入れピック数
に達したとき、信号S41発生回数のカウント値lおよ
び緯入れピック数pをリセットする。そして、緯入れピ
ック数pが所定緯入れピック数に達する前に、信号S4
1の発生回数カウント値lが基準積算回数mに達したと
き、給糸不良と判断して給糸不良信号S4を出力する。
【0045】以降前記第1実施例に示した図4の流れに
従い、緯入れミス信号発生により織機停止、緯入れミス
糸除去、給糸不良部分排出、織機再起動の順に処理され
る。ここでより詳しくは、信号S41が発生する緯入れ
サイクルでは緯入れミス信号S10が必ず発生するた
め、信号S41発生回数のカウント値lが基準連続回数
mに達していなくても必ず織機は一旦緯入れミスで停止
する。そして、緯入れミス糸が除去された後に織機が再
起動され、カウント値lを消去することなく、給糸不良
検出は継続される。その後緯入れピック数pが所定緯入
れピック数に達する前に、信号S41が発生してカウン
ト値lが基準連続回数mに達すれば、緯入れミス信号に
より織機停止後、緯入れミス糸が除去され、その後に給
糸不良部分が排出される。
【0046】本発明の第2および第5の要旨を構成する
第3の実施例について説明する。前記実施例に示すよう
な緯糸到達角度が基準角度範囲内で検出されるか否かを
判別の基準とするものとは異なり、図18に示すよう
に、緯糸到達角度が基準到達角度範囲外となったとき、
前回の正常緯入れ時の緯糸到達角度との差、言い換えれ
ば基準到達角度範囲内にある前回の緯糸到達角度との差
を比較判別の基準とするものである。
【0047】図15に示す構成において、緯糸到達角度
出力器16と主制御ユニット21の動作については図3
と同じである。判別器17は演算器39、比較器41、
設定器43、遅延回路35で構成され、さらに判別器1
7に記憶器37が付設される。緯糸到達角度信号S12
は、演算器39の一方と記憶器37にそれぞれ出力され
る。一方、記憶指令信号発生器33から記憶指令信号S
23が記憶器37に出力される。そして記憶器37は、
記憶指令信号S23が入力されると、緯糸到達角度信号
S12を記憶し、演算器39のもう一方の入力にこの記
憶値を前回の緯糸到達角度信号S21として出力する。
また一方で、フィーラユニット15から緯入れミス信号
S10が遅延回路36に入力される。遅延回路36は緯
入れミス信号S10が入力されると、演算指令信号S2
4を演算器39に出力する。演算器39は演算指令信号
S24が入力されると、他に入力された前回の緯糸到達
角度信号S21と今回の緯糸到達角度信号S12とから
角度差信号ΔS2を計算し、比較器41に出力する。比
較器41には設定器43が接続され基準値αが設定され
ており、設定された基準値信号S9が供給される。な
お、例えば、この記憶器37は緯糸到達角度出力器16
と同様のラッチ回路で、遅延回路35はオンデイレータ
イマーで構成される。
【0048】図16に示す動作タイミングチャートはこ
の給糸不良判別の一連の処理を示すものである。まず、
織機運転開始し1ピック目の緯糸が緯入れされ、反給糸
側で緯糸が検知されると緯糸到達角度出力器16に緯糸
検知信号S2が入力され、緯糸到達角度信号S12
(1)が出力される。なお、緯糸到達角度信号S12に
対する添え字(0)は緯入れステップを示す。その後、
記憶指令信号発生器33は織機主軸のクランク角度に応
じて記憶指令信号S23を記憶器37に出力する。な
お、記憶指令信号S23は、少なくとも次回緯入れ時の
緯糸検知信号S2が発生する前に記憶器37が緯糸到達
角度信号S12の記憶を完了するように、予め設定され
ている。記憶器37は記憶指令信号S23が入力される
と、もう一方に入力されている緯糸到達角度信号S12
(1)を記憶する。その後、次のサイクルである2ピッ
ク目の緯入れを行い緯糸を検知すると、同様に緯糸到達
角度信号S12(2)が出力されて記憶器37は緯糸到
達角度信号S12(2)を記憶し、以降緯入れが行われ
るたびに記憶器37は緯糸到達角度信号S12を順次記
憶内容を更新する。
【0049】ここで、図16に示すように緯入れサイク
ル4ピック目において緯糸の到達遅れが発生したときを
想定する。4ピック目の緯入れに際し、記憶器37に
は、前回の緯糸到達角度信号S12(3)が記憶されて
いる。次いで、4ピック目の緯入れでフィーラユニット
15は正常到達角度範囲内で緯糸を検知できなかったた
め緯入れミス信号S10を発生する。さらにフィーラユ
ニット15は緯入れミス信号S2発生後、遅れて到達し
た緯糸を検知し緯糸検知信号S2を出力する。緯糸到達
角度出力器16は緯糸検知信号S2により緯糸到達角度
信号S12(4)を演算器39の一方の入力に出力す
る。ところで、緯入れミス信号S10は、主制御ユニッ
ト21に出力される一方で、遅延回路35にも出力され
ている。遅延回路35は緯入れミス信号S10が入力さ
れると所定時間Tだけ遅れて演算指令信号S24を演算
器39に出力する。なお、遅延回路35の所定時間Tは
緯入れミス信号S10発生から緯糸到達角度S12が入
力されうる時期よりも後に演算指令信号S24を出力す
るように予め設定されている。
【0050】演算器39は遅延回路35から演算指令信
号S24が入力されると、前回の緯糸到達角度信号S2
1(言い換えれば、緯糸到達角度信号S12(3))と
今回の緯糸到達角度信号S12(4)との角度差を計算
し、角度差信号ΔS2を出力する。ここで、演算器39
が計算する角度差信号ΔS2は、緯糸到達角度の監視対
象によって計算内容が異なるが、ここでは緯糸到達角度
の早まりおよび遅れを監視する場合を考えて、2つの緯
糸到達角度の差の絶対値に着目する。そうすれば演算器
39は、角度差=|前回の緯糸到達角度(3)−今回の
緯糸到達角度(4)|を計算し、角度差信号ΔS2を比
較器41に出力する。
【0051】比較器41にはこの角度差信号を比較する
基準値αが設定されている。なお、この基準値αは、給
糸不良による緯入れミス発生時に確実に給糸不良と判断
されるように、経験で得られた値が予め設定される。比
較器41は角度差信号ΔS2と基準値αとを比較し、角
度差信号ΔS2が基準値αを越えたとき、給糸不良信号
S4を出力する。以降前記第1実施例に示した図4の流
れに従い、緯入れミス信号発生により織機停止、緯入れ
ミス糸除去、給糸不良部分排出、織機再起動の順に処理
される。
【0052】上記実施例は、到達角度が緯糸到達角度範
囲を逸脱したとき、そのときの到達角度と、前回の正常
な緯入れ時の緯糸の到達角度との差の絶対値を基準値と
比較している。しかし、緯糸の種類によっては、給糸不
良部分が緯入れされたとき、到達角度が正常到達角度範
囲より遅れる傾向のみを示したり、その反対に早くなる
傾向のみを示す場合がある。この場合は、角度の差の絶
対値を基準値と比較するのではなく、前回と今回の到達
角度の差を基準値と比較すれば良い。さらに、前回の緯
糸到達角度に対する今回の緯糸到達角度の遅れ、早まり
を両方検知する場合において、それぞれの監視対象に対
する基準値がそれぞれ異なるとき、それぞれに対応する
演算器と比較器を併設し、それぞれに対応する角度差の
計算と基準値との比較で監視するようにすれば良い。ま
た、ここで使用した緯糸到達角度に代えて、数ピック間
にわたって計測した緯糸到達角度の平均値を使用しても
良い。そうすれば、緯入れピック毎に生じる緯糸到達角
度のばらつきを影響排除したより確実な給糸不良検出が
できる。また、この緯糸到達角度に代えて、緯糸が到達
するまでの時間としても同様の効果が得られる。
【0053】この実施例によれば、緯糸状態の変化で緯
糸到達角度が変化しても正常緯入れ時の緯糸到達角度と
今回の緯糸到達角度の角度差を比較することで給糸不良
を判別できるので、基準角度範囲を基礎とした前の実施
例の場合と同様の効果が期待できる。
【0054】もっともこの発明においては、前記基準角
度範囲を基礎とした方法をこの前後回の緯糸到達角度の
差を基礎とした方法とを組み合わせることも可能であ
る。すなわち、正常到達角度範囲を逸脱した到達角度が
所定の基準角度範囲に含まれたとき、さらにその到達角
度と前回の正常な緯入れ時における到達角度との差を比
較し、その差の絶対値が基準値を越えたときのみ給糸不
良と判断しても良い。そうすれば、所定の基準角度範囲
を外れて緯糸が到達した場合でも、急激に緯糸到達角度
が変化した場合と、緩やかに変化した場合とを区別する
ことができる。例えばゆっくりと到達角度が変化した場
合には、給糸状態よりはむしろ緯入れ装置による到達角
度の変化と考えることもできる。したがい前記ゆっくり
と緯糸到達角度が変化するような場合には給糸不良と判
断しないので不要な緯糸排出を防止でき、給糸不良部分
排出がより適切なものとなる。
【0055】さらにこの発明について多色緯入れ可能な
織機においては、緯糸到達角度の変化を判別する判別器
を緯糸毎に複数設け、各緯糸毎に給糸不良をそれぞれ判
断するようにしても良い。この場合、緯糸到達角度出力
器と各緯糸毎に設けられる複数の判別器の間に外部から
与えられる緯糸選択信号で緯糸到達角度出力を切り換え
る切換回路を介装される。もちろんその判別器に対応す
る各設定器には、その対応する緯糸に応じた判別条件が
それぞれ設定される。他に前記判別条件を記憶する記憶
器を各緯糸毎に設け、この緯糸に応じてこの記憶器を選
択し、判別器に接続する構成としても良い。そうすれ
ば、使用される緯糸が異なっていても、その緯糸の性質
に応じた基準角度範囲や基準値などの判別条件を設定し
給糸不良を判断できるから、多色緯入れ織機においても
各緯糸に対する給糸不良の判断を正確に行うことがで
き、より信頼性の高いものとなる。なお、これまで述べ
た実施例について、例えば判別器17の構成をCPUと
メモリ等からなるマイクロプロセッサを使用しソフトウ
エアで処理させても良く、さらには他の回路素子を複数
組み合わせて実現しても良く、特に限定されない。
【0056】
【発明の効果】緯糸到達角度の変化により給糸不良の存
在を自動的に検出して、給糸不良信号を出力するから、
緯入れミスで織機が停止しても、給糸不良が原因である
ことが分かる。さらに給糸不良部分を排出することによ
ってその後の織機状態を適切にすることができるから、
織機再起動/給糸不良原因による緯入れミス停止を繰り
返すことがないので、停止段が発生し織物品質が低下す
ることもなく、さらには織機の稼働率が向上する。
【0057】また、給糸状態が正常であって緯糸到達角
度が突発的に1ピックだけ変化するような場合でも、誤
って給糸不良と判断し緯糸を排出するようなことがない
から、緯糸が無駄にならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した織機における緯入れ部の全
体構成を示す説明側面図である。
【図2】この発明の第1実施例を実施する装置の構成を
示すブロック図である。
【図3】この発明の第1実施例の給糸不良を検出する過
程を示すフローチャートである。
【図4】この発明による織機の動作過程を示すフローチ
ャートである。
【図5】この発明による給糸不良部分排出作業の手順を
示す説明側面図である。
【図6】同じく手順を示す説明側面図である。
【図7】同じく手順を示す説明側面図である。
【図8】同じく手順を示す説明側面図である。
【図9】同じく手順を示す説明側面図である。
【図10】同じく手順を示す説明側面図である。
【図11】第1実施例をより簡略化した装置の構成を示
すブロック図である。
【図12】この発明の第2実施例を実施する装置の構成
を示すブロック図である。
【図13】この発明の第2実施例の給糸不良を検出する
過程を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例の変形例を実施する装置の構成を
示すブロック図である。
【図15】この発明の第3実施例を実施する装置の構成
を示すブロック図である。
【図16】この第3実施例の装置の動作過程を示す動作
タイミングチャートである。
【図17】基準角度範囲の設定方法を示す図である。
【図18】基準値の設定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 給糸体 3 測長貯留装置 5 メインノズル 7 筬 8 カッタ 9 サブノズル 10 正常到達角度信号出力器 11 給糸不良部分排出機構 11a 排出器 11b 吹上げノズル 11c カッタ 12 角度信号発生器 13 ピック信号発生器 14a ドグ 14b 基準角度範囲信号発生器 15 フィーラユニット 15a 緯糸検知器 15b フィーラ回路 16 緯糸到達角度出力器 17 判別器 17a 比較器 19 設定器 21 主制御ユニット 23 計数手段 25 設定器 27 計数手段 29a 設定器 29b 設定器 33 記憶指令信号発生器 35 遅延回路 37 記憶器 39 演算器 41 比較器 43 設定器 S1 クランク角度信号 S2 緯糸検知信号 S4 給糸不良信号 S5 ピック信号 S6 基準連続回数信号 S7 基準積算回数信号 S8 基準ピック数信号 S9 基準値信号 S10 緯入れミス信号 S11 正常到達角度範囲信号 S12 緯糸到達角度信号 S13 基準角度範囲信号 S21 前回の緯糸到達角度信号 S23 記憶指令信号 S24 演算指令信号 S31 基準角度信号 S32 基準角度信号 S33 基準角度信号 S34 基準角度信号 S41 信号 ΔS2 角度差信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−21846(JP,A) 特開 昭63−243350(JP,A) 特開 昭63−92758(JP,A) 特開 昭63−227839(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 51/34 101 D03D 47/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反給糸側の緯糸到達位置に設けられた緯
    糸検知器からの緯糸検知信号が織機のクランク角度で定
    められる正常到達角度範囲内に出力されていないとき
    に、緯入れミスとして緯入れミス信号を出力して織機を
    停止させる流体噴射式織機において、 前記正常到達角度範囲よりも前後の少なくとも一方に対
    応するクランク角度領域に基準角度範囲を設定し、前記
    緯入れミスの検出後、前記緯糸検知信号が設定された基
    準角度範囲内に出力されているかどうかを判別し、出力
    されていたときに給糸不良と判断して前記緯入れミス信
    号に加えて給糸不良信号を出力することを特徴とする流
    体噴射式織機の給糸不良検出方法。
  2. 【請求項2】 前記緯糸検知信号が前記基準角度範囲内
    に所定回数連続して出力されたときに給糸不良と判断す
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記緯糸検知信号が所定ピック数におい
    て前記基準角度範囲内に所定回数出力されたときに給糸
    不良と判断することを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 反給糸側の緯糸到達位置に設けられた緯
    糸検知器からの緯糸検知信号が織機のクランク角度で定
    められる正常到達角度範囲内に出力されていないとき
    に、緯入れミスとして緯入れミス信号を出力して織機を
    停止させる流体噴射式織機において、 緯入れ毎に正常到達角度範囲内に出力された緯糸検知信
    号の出力時期を記憶し、緯糸検知信号が前記正常到達角
    度範囲外に出力されたとき、当該緯糸検知信号の出力時
    期と記憶した前回の緯糸検知信号の出力時期とを比較
    し、その比較結果が予め設定された基準値を越えたとき
    給糸不良と判断して給糸不良信号を出力することを特徴
    とする流体噴射式織機の給糸不良検出方法。
  5. 【請求項5】 反給糸側の緯糸到達位置に設けられ緯糸
    を検知したとき緯糸検知信号を出力する一方で織機のク
    ランク角度信号を入力し正常到達角度範囲内に緯糸が検
    知されない場合に緯入れミス信号を出力するフィーラユ
    ニットと、前記緯入れミス信号が入力されたとき織機を
    停止させる主制御ユニットとを備えた流体噴射式織機に
    おいて、 前記正常到達角度範囲よりも前後の少なくとも一方に対
    応するクランク角度領域に基準角度範囲を設定する設定
    器と、前記緯入れミスの検出後に前記緯糸検知信号の出
    力時期が前記基準角度範囲内に出力されているか否かを
    判断し、出力されていた場合に給糸不良信号を主制御ユ
    ニットに出力する判別器とを具備することを特徴とする
    流体噴射式織機の給糸不良検出装置。
  6. 【請求項6】 反給糸側の緯糸到達位置に設けられ緯糸
    を検知したとき緯糸検知信号を出力する一方で織機のク
    ランク角度信号を入力し正常到達角度範囲内に緯糸が検
    知されない場合に緯入れミス信号を出力するフィーラユ
    ニットと、前記緯入れミス信号が入力されたとき織機を
    停止させる主制御ユニットとを備えた流体噴射式織機に
    おいて、 前記クランク角度信号と緯糸検知信号とを入力し、緯糸
    検知信号が入力されたとき緯糸到達角度信号を出力する
    緯糸到達角度出力器と、前記緯糸到達角度信号を記憶し
    出力する記憶器と、緯糸検知信号が前記正常到達角度範
    囲外に出力されたとき当該緯糸到達角度信号と前記記憶
    器から読み出した前回の緯糸到達角度信号との差を所定
    値と比較し、その比較結果に基づいて給糸不良と判断し
    て給糸不良信号を出力する判別器とを具備することを特
    徴とする流体噴射式織機の給糸不良検出装置。
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