JP3358892B2 - 重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混合処理方法 - Google Patents

重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混合処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重質油を燃料とするボ
イラの集塵灰と排脱排水の処理方法に関し、特にこれら
の燃料を使用する火力発電所から排出される集塵灰と排
脱排水の処理に有利に適用される処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の火力発電所など、石炭や重油など
の化石燃料を燃焼させるボイラ施設から排出される燃焼
排ガスの処理プロセスにおいては、ボイラからの排ガス
煙道に設けられた集塵装置から排出される灰(集塵灰)
と湿式排煙脱硫装置からの排水(排脱排水)とはそれぞ
れ別々に処理されており、集塵灰は加湿処理され、排脱
排水は環境規制値を満足する水質まで処理されてそれぞ
れ別の場所から系外に排出されていた。一方、近年火力
発電所などでは燃料の多様化に積極的に取り組んでお
り、高硫黄分含有の重油、天然オリノコタール、又は天
然オリノコタールに水を添加、混合してエマルジョン化
し、常温でのハンドリングを可能としたエマルジョン燃
料(例えば天然オリノコタール70重量%に清水30重
量%と微量の界面活性剤を混合しエマルジョン化したも
の)などが新しい燃料として注目されている(以下、こ
れらの燃料を総称して重質油という)。しかしながら、
これらの重質油の燃焼排ガスから出る集塵灰の処理方法
として確立された技術の蓄積は少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記重質油は、従来の
重油に比べて灰分、窒素分、硫黄分及び重金属類の含有
量が高いため、重質油焚き火力発電所からの集塵灰及び
排脱排水の性状は従来の重油焚き火力発電所からの集塵
灰及び排脱排水の性状とは著しく異なり新たな対応が必
要となっている。特にその集塵灰は吸湿性・噴流性をも
つためハンドリングが困難であり、しかも従来の重油焚
きボイラに比べ集塵灰の量は多く、集塵灰の嵩密度が小
さいため集塵灰の体積が大きくなり、貯蔵設備の容量は
大きくなるという問題がある。また、集塵灰中及び排脱
排水中にはアンモニウム(NH4 +)が多く含まれるた
め、排脱排水及び集塵灰処理の環境対策上アンモニウム
分を除去する必要がある。
【0004】本発明は上記技術水準に鑑み、前記重質油
を燃料とするボイラの排ガス煙道に設けた集塵装置から
発生する集塵灰と排煙脱硫装置から発生する排水を混合
して減容化し、高い純度で有価物を回収でき、しかも生
成する汚泥も減容化し、安定に運転できる方法を提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)重質油
を燃料とするボイラの排ガス煙道に設けられた集塵装置
にて回収した集塵灰と湿式排煙脱硫装置から発生する排
水とを混合し、5価のバナジウムを4価のバナジウムに
還元する還元剤を添加する混合工程と、前記混合工程で
得られる混合液に水酸化マグネシウム及び/又はアンモ
ニア水を添加してpHを3〜9とし、生成した高濃度バ
ナジウム含有沈殿物を分離する固液分離工程と、前記固
液分離工程から出る分離液にさらに水酸化カルシウム又
は酸化カルシウムを添加してpHを9〜12とするpH
調整工程と、前記pH調整後の液を蒸留して濃縮する蒸
留工程と、該蒸留工程で発生する蒸気を凝縮させアンモ
ニア水を回収する凝縮工程とから構成されてなることを
特徴とする重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の
混合処理方法、(2)前記蒸留工程において濃縮された
蒸留残液中の硫酸カルシウムと水酸化マグネシウムとを
分離する水酸化マグネシウム分離工程を設け、該水酸化
マグネシウム分離工程で得られる水酸化マグネシウムを
前記固液分離工程で混合液に添加する水酸化マグネシウ
ムの一部又は全部として使用することを特徴とする前記
(1)の重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混
合処理方法及び(3)前記凝縮工程において回収された
アンモニア水を前記固液分離工程で混合液に添加するア
ンモニア水の一部又は全部として使用することを特徴と
する前記(1)の重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱
排水の混合処理方法である。
【0006】本発明において重質油とは、前記のとおり
高硫黄分含有の重油、天然オリノコタール及び天然オリ
ノコタールに水を添加、混合してエマルジョン化したエ
マルジョン燃料を含むものである。なお、本発明の方法
は、石油精製工程から出る残留油など、他の重質油を燃
料とするボイラの排ガス処理に適用できることはもちろ
んである。
【0007】本発明の方法においては、集塵灰と排脱排
水を混合、スラリー化して減容しかつ流動性などの操作
性を向上させた後、スラリー中のバナジウムを回収する
ために5価バナジウムを4価バナジウムに還元する還元
剤を添加し、さらにアルカリ剤を添加してpHを3〜9
に調整して4価バナジウムを4価水酸化バナジウムとし
て析出させる。ここでアルカリ剤として水酸化マグネシ
ウム及び/又はアンモニア水を使用するのが本発明の特
徴の一つである。析出した水酸化バナジウムを高濃度で
含有する沈殿物を分離し、水酸化バナジウムを含有しな
い分離液にさらに水酸化カルシウム又は酸化カルシウム
を添加してpHを9〜12とし、液中の硫酸イオン及び
マグネシウムイオンと反応せしめて硫酸カルシウム、水
酸化マグネシムを生成させ、次いで蒸留することにより
水分を蒸発させて濃縮する。水酸化カルシウム又は酸化
カルシウムを添加した際、液中のアンモニウムイオンは
水酸化アンモニウムとなり、蒸留工程にて液から脱離し
て気相に一旦移行したのち、さらに蒸留工程にて発生し
た蒸気の凝縮水へ再移行し、アンモニア水として回収さ
れる。ここで回収したアンモニア水を前記のバナジウム
析出用アルカリ剤の一部又は全部として使用することが
できる。
【0008】蒸留残液は系外へ搬出し、別途処理すれば
よいが、蒸留工程の後に水酸化マグネシウム分離工程を
設け、硫酸カルシウムと水酸化マグネシウムを分離、回
収するのが望ましい。前記固液分離工程においてバナジ
ウム析出用アルカリ剤として水酸化マグネシウムを使用
する場合には、ここで分離した水酸化マグネシウムをそ
の一部又は全部として再利用するのが好ましい。硫酸カ
ルシウム及び水酸化マグネシウムを分離したのちの固形
分を含有しない液は系外に取り出され処理される。
【0009】
【作用】
1.混合工程及び固液分離工程におけるバナジウムの還
元、析出は次の作用により行われる。 (1)集塵灰と排脱排水を混合した混合液の液相中のV
(5価)は、pH3以下の状態で還元剤として添加され
るFe(2価)によって還元されてV(4価)となる。
この主反応は溶存状態で生じ、次式で示される。
【化1】 1/2V2 7 4-(5価)→VO2 (4価)(溶解状態) (1) Fe2+(2価)→Fe3+(3価) (2) ここでは還元剤の1例として2価の鉄を挙げたが、5価
バナジウムを4価に還元できるもので、本処理法に影響
を及ぼさないものであれば他の還元剤でも支障なく使用
できる。
【0010】(2)上記(1)項の混合液に、アルカリ
剤として水酸化マグネシウム{Mg(OH)2 }又はア
ンモニア水(NH4 OH)を添加し、pH3〜9として
凝集沈殿処理すると次式によりVO(OH)2 (4価)
が沈殿する。
【化2】 VO2 (4価)+Mg(OH)2 →VO(OH)2 ↓+Mg2+ (3) VO2 (4価)+2NH4 OH →VO(OH)2 ↓+2NH4 + (4)
【0011】(3)上記(2)項でアルカリ剤として水
酸化マグネシウム{Mg(OH)2 }又はアンモニア水
(NH4 OH)を使用しているので、水酸化物イオン
(OH-)は溶存したCaイオンとは反応せず、酸性成
分(H+ など)の中和に使用されるのみである。これと
並行してマグネシウムイオン(Mg2+)又はアンモニウ
ムイオン(NH4 + )は硫酸イオン(SO4 2- )と反応
して硫酸マグネシウム(MgSO4 )あるいは硫酸アン
モニウム{(NH4 2 SO4 }となるが、この物質は
溶解度が高いため液中に溶解しており、VO(OH)2
固液分離後も液中に存在し、次のpH調整工程に供給さ
れる。ここでの反応は次式のとおりである。
【化3】H+ +OH- →H2 O (5) Mg2++SO4 2- →MgSO4 (6) 2NH4 + +SO4 2- →(NH4 2 SO4 (7)
【0012】2.pH調整工程、蒸留工程、凝縮工程及
び水酸化マグネシウム分離工程における作用。pH調整
工程ではアルカリ剤として酸化カルシウム(CaO)又
は水酸化カルシウム{Ca(OH)2 }を使用するので
次の作用がある。
【0013】(1)pH調整工程において凝集沈殿工程
の上澄液に酸化カルシウム(CaO)又は水酸化カルシ
ウム{Ca(OH)2 }を添加してpHを9〜12に調
整することにより、石膏(硫酸カルシウム)が析出して
液の石膏過飽和度が減少する。これと並行して溶解して
いるマグネシウムイオン(Mg2+)が水酸化マグネシウ
ム{Mg(OH)2 }として析出・沈殿する。なお、前
記固液分離工程においてアルカリ剤としてアンモニア水
のみを使用する場合でも、集塵灰中にはMg分が含まれ
ているので水酸化マグネシウムが析出する。
【0014】(2)この液を蒸留すると、上澄液中のア
ンモニアは(8),(9)式に示す反応により液体から
気体になり、冷却すると(10)式に示す反応によって
アンモニアガスが凝縮して液体(アンモニア水)とな
り、アンモニア水が回収される。回収したアンモニア水
の一部又は全部を前記固液分離工程におけるバナジウム
回収用のアルカリ剤の一部又は全部として再利用するこ
とができる。
【化4】 NH4 + +OH- →NH4 OH(液体) (8) (OH- は水酸化カルシウムより供給される) NH4 OH(液体)→NH3 (気体)↑+H2 O (9) NH3 (気体)+H2 O→NH4 OH(液体) (10)
【0015】(3)蒸留工程では、液の濃縮が起きる。
それに伴って溶解した石膏が新たに析出して石膏スケー
ルとなり蒸留器での伝熱速度の低下が懸念されるが前記
(1)項に記載したように蒸留器の供給液には析出した
固形石膏が存在しており、同石膏が種晶となるために石
膏スケールによる問題は生じない。
【0016】(4)蒸留工程の残留液にはpH調整工程
で析出した石膏及び蒸留工程での液の濃縮に伴い析出し
た石膏とpH調整工程で析出した水酸化マグネシウム
{Mg(OH)2 }が含まれている。この残留液は系外
に搬出し、別途処理すればよいが、水酸化マグネシウム
分離工程を設けて析出した石膏と水酸化マグネシウムを
上澄液と分離し、再利用するのが好ましい。なお、分離
工程は石膏と水酸化マグネシウムを分離する工程と、水
酸化マグネシウムを液より分離する工程の2つから成り
立っている。いずれの分離も液体サイクロンや沈降遠心
機などを用いて遠心力を利用して分離するものであり、
結晶の大きさの差、分離機での印加遠心力を調節するこ
とにより分離される。なお、液の状態などに応じて重量
分級や浮遊分級等の通常の固液分離法も適用できる。
【0017】(5)分離された水酸化マグネシウムの一
部又は全部を前記固液分離工程に返送することによっ
て、バナジウム回収用のアルカリ剤の一部又は全部とし
て再利用することができる。
【0018】
【実施例】
(実施例1)本発明の一実施態様を図1によって説明す
る。この例は固液分離工程において、アルカリ剤として
水酸化マグネシウムを使用したものである。まず排脱排
水a、集塵灰b及び還元剤としての第1鉄塩cを混合工
程1で混合して、集塵灰bを溶解させる。集塵灰bには
ボイラーの運転状況によって異なるが、未燃炭素
(C)、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)及び
固定アンモニア(NH4 + )がそれぞれ5〜10重量
%、2〜5重量%、5〜10重量%及び5〜10重量%
含まれている。集塵灰bの混合率は排脱排水aに対して
5〜40重量%で、次工程以降の処理効率を上げるには
30重量%以下であることが好ましい。また第1鉄塩c
としては、塩化第1鉄又は硫酸第1鉄などが使用でき
る。第1鉄塩cの注入率は、理論的には混合液d中のの
5価のバナジウム(V)に対して等モル比でよいが、共
存イオンの影響を考慮して等モル比以上を添加すること
が好ましい。なお排脱排水aは弱酸性の石膏飽和液であ
るが、混合液dのpHは2〜3となる。この工程で5価
のバナジウム(V)が4価に還元されるが、pHが低い
ため4価バナジウム(V)は溶解している。
【0019】混合工程1で得られる混合液dは固液分離
工程2に送られ、水酸化マグネシウム{Mg(O
H)2 }eが添加、混合される。このときのpHは3〜
9,好ましくは4〜8とする。この工程において高分子
凝集剤fを添加するのが好ましい。高分子凝集剤として
は通常の排水処理で使用されるなどの高分子凝集剤が使
用できる。この操作で生じた沈殿物を沈降分離して、沈
殿物gと上澄液hを得る。固液分離工程2で得られる沈
殿物gには8重量%以上のバナジウム(V)が含まれて
おり、その他の成分は未燃炭素(C)、Fe、Alなど
である。この沈殿物gは別途バナジウム回収用の原料と
して使用できる。なお、上澄液hにはバナジウム(V)
はほとんど含まれていない(上澄液hの全バナジウム
(V)は1mg/リットル以下である)。
【0020】沈殿物gは系外に排出し、上澄液hは次の
pH調整工程4に送られる。pH調整工程4では水酸化
カルシウム{Ca(OH)2 }nの添加によりpHを9
〜12に調整した後、蒸留工程5に送る。なおこの液の
pHは、石膏及び水酸化マグネシウムの生成のためと次
の操作の効率を上げるために9〜12に保つ。蒸留工程
5はスチームストリッピングの他、真空蒸留等の通常の
蒸留操作が適用できる。この操作により液中からアンモ
ニアガスkが分離され、凝縮工程6でアンモニア水k′
として回収される。蒸留工程5と凝縮工程6によるアン
モニアの回収率は、混合液dに含まれる固定アンモニア
量の95%以上となる。回収されたアンモニア水k′は
系外に搬出して、煙道ガスの中和等に利用できる。蒸留
工程5で蒸留後残留した処理液lはpH調整工程4で析
出した石膏と水酸化マグネシウムのスラリとなってお
り、系外に搬出され別途処理される。
【0021】このように固液分離工程2でアルカリ剤と
して水酸化マグネシウムを使用することによって、沈殿
物g中のバナジウム(V)含有率は8重量%以上に高め
られる。さらにpH調整工程4で水酸化カルシウム{C
a(OH)2 }を使用するため、pH調整工程4及び蒸
留工程5における石膏の過飽和度が低減できるため、石
膏スケールの発生を抑えることができる。
【0022】(実施例2)本発明の第2の実施態様を図
2によりに説明する。この例は、実施例1のプロセスに
加えて水酸化マグネシウム分離工程を設け、回収した水
酸化マグネシウムを固液分離工程において再利用するよ
うにしている。まず実施例1と同様の方法により、排脱
排水a及び集塵灰bを混合工程1から凝縮工程6までの
各工程により処理する。その際固液分離工程2で使用す
る水酸化マグネシウム{Mg(OH)2 }eとして後記
する水酸化マグネシウム分離工程7で分離した水酸化マ
グネシウムeを使用するが他は実施例1と同じである。
次に蒸留工程5の蒸留残液oは水酸化マグネシウム分離
工程7で石膏スラリーpと水酸化マグネシウムeとに分
離される。水酸化マグネシウム分離工程7では液体サイ
クロン、沈降遠心機などの分離手段が使用できる。分離
された水酸化マグネシウムeは前工程の固液分離工程2
に返送される。水酸化マグネシウム分離工程7で分離し
た処理液lは適当な固化処理を施したのち、系外に排出
される。なお、反応初期あるいは反応途中で、固液分離
工程2で使用する水酸化マグネシウムが回収品のみでは
不足する場合には適宜系外より補給すればよい。
【0023】(実施例3)本発明の第3の実施態様を図
3によって説明する。この例は固液分離工程において、
アルカリ剤としてアンモニア水を使用したものである。
実施例1と同様の方法により、排脱排水a及び集塵灰b
を混合工程1から凝縮工程6までの各工程により処理す
る。その際、固液分離工程2で使用するアルカリ剤を凝
縮工程6で回収したアンモニア水k′を使用するが、他
は実施例1と同じである。残分のアンモニア水は系外へ
排出される。蒸留工程5の蒸留残液oは水酸化マグネシ
ウム分離7で石膏水スラリpと水酸化マグネシウムeと
に分離される。水酸化マグネシウムは系外へ搬出され再
利用されるか、又は水酸化マグネシウム分離工程7で石
膏及び水酸化マグネシウムを分離した後の処理液lとと
もに適当な固化処理を施した後、系外へ排出される。な
お、反応初期あるいは反応途中で、固液分離工程2で使
用するアンモニア水が回収品のみでは不足する場合には
適宜系外より補給すればよい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、上記実施例特有の効果
に加えて、次の効果が生ずる。 (1)従来の重油焚きボイラーでは、それぞれ別の場所
で処理されていた集塵灰及び排脱排水を、集合処理でき
るため、処理効率及び装置の経済性を著しく向上させる
ことができる。 (2)集塵灰及び排脱排水から、バナジウム(V)及び
アンモニア(NH3 )などの有価物を回収することがで
き、資源の再利用ができる。 (3)アルカリ剤として沈殿物を生じない水酸化マグネ
シウムあるいはアンモニア水を使用することにより、固
液分離工程で得られる沈殿物中のバナジウム(V)の含
有量が、アルカリ剤として水酸化カルシウム等を用いる
場合は2〜3重量%であるのに対し、8重量%以上と高
めることができる。これによって、有価物として利用す
るためにさらに純度を高める操作が容易になる。
【0025】(4)蒸留工程においては濃縮にともない
新たに液中より石膏が析出して、伝熱面での石膏スケー
ルとなり伝熱速度低下が懸念されるが、蒸留工程前のp
H調整工程で水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを添
加することによって、蒸留工程前で石膏を析出させて固
形の石膏を液中に存在させておくことにより同石膏が種
晶となるため、伝熱面での石膏の析出を防ぐことがで
き、熱効率の低下を防止できる。 (5)pH調整工程で酸化カルシウム又は水酸化カルシ
ウムを添加し、かつ蒸留残液から分離した水酸化マグネ
シウムあるいは凝縮工程で回収したアンモニア水を固液
分離工程に返送することにより経済的な運用ができ、ま
た、系外より持ち込むアルカリは水酸化カルシウムに一
本化できるので設備が簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示すフロー図。
【図2】本発明の第2の実施態様を示すフロー図。
【図3】本発明の第3の実施態様を示すフロー図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 剛司 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 中村 積 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 揖場 敏 兵庫県神戸市兵庫区小松通り5丁目1番 6号 神菱ハイテック株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−194938(JP,A) 特開 昭63−305919(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/96

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油を燃料とするボイラの排ガス煙道
    に設けられた集塵装置にて回収した集塵灰と湿式排煙脱
    硫装置から発生する排水とを混合し、5価のバナジウム
    を4価のバナジウムに還元する還元剤を添加する混合工
    程と、前記混合工程で得られる混合液に水酸化マグネシ
    ウム及び/又はアンモニア水を添加してpHを3〜9と
    し、生成した高濃度バナジウム含有沈殿物を分離する固
    液分離工程と、前記固液分離工程から出る分離液にさら
    に水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを添加してpH
    を9〜12とするpH調整工程と、前記pH調整後の液
    を蒸留して濃縮する蒸留工程と、該蒸留工程で発生する
    蒸気を凝縮させアンモニア水を回収する凝縮工程とから
    構成されてなることを特徴とする重質油燃料焚きボイラ
    の集塵灰と排脱排水の混合処理方法。
  2. 【請求項2】 前記蒸留工程において濃縮された蒸留残
    液中の硫酸カルシウムと水酸化マグネシウムとを分離す
    る水酸化マグネシウム分離工程を設け、該水酸化マグネ
    シウム分離工程で得られる水酸化マグネシウムを前記固
    液分離工程で混合液に添加する水酸化マグネシウムの一
    部又は全部として使用することを特徴とする請求項1に
    記載の重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混合
    処理方法。
  3. 【請求項3】 前記凝縮工程において回収されたアンモ
    ニア水を前記固液分離工程で混合液に添加するアンモニ
    ア水の一部又は全部として使用することを特徴とする請
    求項1に記載の重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排
    水の混合処理方法。
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