JP4737670B2 - カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置 - Google Patents

カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4737670B2
JP4737670B2 JP2005163731A JP2005163731A JP4737670B2 JP 4737670 B2 JP4737670 B2 JP 4737670B2 JP 2005163731 A JP2005163731 A JP 2005163731A JP 2005163731 A JP2005163731 A JP 2005163731A JP 4737670 B2 JP4737670 B2 JP 4737670B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste water
calcium
sulfuric acid
calcium carbonate
sodium carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005163731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006305541A (ja
Inventor
徹 神成
和彦 石田
和人 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sasakura Engineering Co Ltd
Original Assignee
Sasakura Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sasakura Engineering Co Ltd filed Critical Sasakura Engineering Co Ltd
Priority to JP2005163731A priority Critical patent/JP4737670B2/ja
Publication of JP2006305541A publication Critical patent/JP2006305541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4737670B2 publication Critical patent/JP4737670B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Description

本発明は,例えば,カルシウムを含む地下水,又は埋立地浸出水,或いは排煙脱硫装置から排出される廃水等のようにカルシウム及び硫酸を含む廃水を,加熱による沸騰蒸発にて濃縮するようにして処理するか,或いは,この濃縮に次いで乾燥にて固形化するようにした処理する方法と,その装置とに関するものである。
一般に,カルシウムを含む地下水,又は埋立地浸出水,或いは排煙脱硫装置から排出される廃水等のようにカルシウム及び硫酸を含む廃水を,その減量化を図るために,間接加熱の沸騰蒸発による蒸発濃縮装置において濃縮することは,その間接加熱の伝熱面に,前記カルシウムが炭酸カルシウムや硫酸カルシウムのスケールとして固く付着することになる。
そこで,先行技術としての特許文献1において,前記カルシウム及び硫酸を含む廃水に炭酸ソーダ(Na2 CO3)を添加して,前記廃水に含まれるカルシウムを,炭酸カルシウムの結晶として析出し,次いで,沈殿槽において,前記炭酸カルシウムの結晶の総てを沈降分離して廃水から除去する一方,前記沈殿槽において炭酸カルシウムの結晶を含まない上澄の廃水を,蒸発濃縮装置に供給して,間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮したのち,その濃縮廃水を,乾燥固形化装置において乾燥することによって固形化する一方,前記沈殿槽において沈降分離した炭酸カルシウムの結晶を,前記乾燥固形化装置とは別の真空濾過器等にて脱水固形化することが提案されている。
特開昭51−102357号公報
この先行技術による処理方法は,廃水に含まれているカルシウムを,これに炭酸ソーダの添加にて炭酸カルシウムの結晶として除去することにより,前記廃水に含まれているカルシウムの濃度を下げて,この廃水を間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮する場合に,その間接加熱の伝熱面に硫酸カルシウムのスケールができるのを抑制するというものである。
しかし,前記沸騰蒸発による濃縮に際してのスケールの発生を確実に抑制するためには,現に沸騰蒸発による濃縮を行って廃水におけるカルシウム濃度を,硫酸カルシウムのスケールが析出しない程度まで下げることが必要であり,そのためには,前記濃縮前の廃水に対する炭酸ソーダの添加量を,例えば,当該廃水に含まれるカルシウムの反応当量にするか,或いはこれに以上にするというように,十分に多くしなければならないから,運転コストが大幅にアップするという問題があった。
しかも,前記先行技術による処理方法は,カルシウムを含む廃水を,これに含まれるカルシウムを炭酸ソーダの添加にて炭酸カルシウムの結晶として析出し,この炭酸カルシウムの結晶の総てを,沈殿槽において沈降分離して除去することによって,炭酸カルシウムの結晶を含まない状態にして,蒸発濃縮装置に供給するものであることにより,沈殿槽を必要とすることに加えて,前記蒸発濃縮装置における濃縮廃水を乾燥・固形化するための乾燥固形化装置と,前記沈殿槽において沈降分離した炭酸カルシウムの結晶を脱水固形化するための真空濾過器とを別々に必要とするから,処理設備の全体が著しく大型化するばかりか,処理設備の設置に広い床面積が必要とするいう問題もあった。
本発明は,これらの問題を解消した処理方法と,その装置とを提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため本発明の処理方法は,請求項1に記載したように,
「処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上の炭酸ソーダを添加することによって,前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出し,次いで,前記廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮する。」
ことを特徴としている。
本発明の処理方法は,請求項2に記載したように,
処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上〜80%当量以下の炭酸ソーダを添加することによって,前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出し,次いで,前記廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮し,次いで,前記沸騰蒸発した濃縮廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のまま回転ドラムの外表面での乾燥にて固形化する。」
ことを特徴としている。
本発明の処理方法は,請求項3に記載したように,
前記請求項1又は2の記載において,処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水を,これに炭酸ソーダを添加する以前の前処理として,逆浸透膜を使用したRO膜モジュールに供給し,その透過水と非透過水とに膜分離し,その非透過水を,炭酸ソーダの添加箇所に供給する。」
ことを特徴としている。
本発明の処理方法は,請求項4に記載したように,
「前記請求項3の記載において,処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水を,前記RO膜モジュールの前段におけるナノフィルトレーション膜を使用したNF膜モジュールに供給して,このNF膜モジュールにおける透過水を前記RO膜モジュールに供給する一方,前記NF膜モジュールにおける非透過水を,炭酸ソーダの添加箇所に供給する。」
ことを特徴としている。
次に,本発明の処理装置は,請求項5に記載したように,
「カルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上〜80%当量以下の炭酸ソーダを添加することによって前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出する反応槽と,この反応槽における廃水を,当該廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱にて沸騰蒸発する蒸発濃縮装置とを備えている。」
ことを特徴としている。
本発明の処理装置は,請求項6に記載したように,
カルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上〜80%当量以下の炭酸ソーダを添加することによって前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出する反応槽と,この反応槽における廃水を,当該廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱にて沸騰蒸発する蒸発濃縮装置と,前記蒸発濃縮装置から排出される濃縮廃水を,当該濃縮廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のまま回転ドラムの外表面での乾燥にて固形化するようにした乾燥固形化装置とを備えている。」
ことを特徴としている。
本発明の処理装置は,請求項7に記載したように,
「前記請求項5又は6の記載において,前記反応槽から前記蒸発濃縮装置への廃水供給管路のうち前記蒸発濃縮装置への接続部に,当該廃水供給管路を介して送られる廃水の一部を前記反応槽に戻すようにした廃水戻り管路を接続する。」
ことを特徴としている。
本発明は,カルシウムを含む廃水に炭酸ソーダを添加することによって,当該廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出し,次いで,前記廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮するものである。
これにより,前記廃水の沸騰蒸発による濃縮を行っている状態において,その濃縮の進行に伴って,前記炭酸カルシウムの結晶が析出するとともに,析出した結晶の成長が行われることにより,濃縮状態におけるカルシウム濃度を下げることができ,しかも,前記廃水の沸騰蒸発による濃縮を行っているとき,この廃水に含まれる炭酸カルシウムの結晶が,廃水と一緒に流動して,間接加熱の伝熱面を激しく擦り付けることになって,前記間接加熱の伝熱面に炭酸カルシウムや硫酸カルシウムのスケールができるのを確実に抑制することができるから,処理すべき廃水に対する炭酸ソーダの添加量を,前記先行技術のように廃水におけるカルシウム濃度を濃縮している状態において硫酸カルシウムのスケールが析出しない程度まで下げる場合よりも,十分に少なくすることができる。
つまり,前記濃縮に先立って廃水に供給する炭酸ソーダの添加量は,前記廃水に,炭酸カルシウムの結晶を析出させる分だけで良いから,廃水の濃縮処理に際しての運転コストを大幅に低減できる。
後述する実験によれば,この炭酸ソーダの添加量は,前記廃水に含まれるカルシウムに対して30%当量以上にするのが好ましく,前記炭酸ソーダの添加量が,前記30%当量未満である場合には,濃縮に際してその伝熱面に炭酸カルシウムや硫酸カルシウムのスケールが発生することが顕著になるのであった。
また,本発明は,請求項2に記載したように,前記沸騰蒸発にて濃縮したあとの濃縮廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のまま回転ドラムの外表面での乾燥にて固形化するものである。
この場合において,前記廃水に対する炭酸ソーダの添加量は,前記廃水に含まれるカルシウムに対して80%当量以下にするのが好ましく,前記80%当量を越えるときには,前記乾燥固形化装置の回転ドラムにおける外表面で乾燥固形化したものを,前記回転ドラムの外表面から掻き落とすときに,粉塵が多量に発生するばかりか,掻き落とすためのスクレーパが著しく磨耗することが認められた。
以上のとおり,請求項1によると,前記した間接加熱による沸騰蒸発に際して,その間接加熱の伝熱面に炭酸カルシウムや硫酸カルシウムのスケールが発生することを,炭酸ソーダの添加量が少ない状態のもとで確実に低減できるものでありながら,前記した先行技術のように,前記炭酸カルシウムの結晶の総てを沈降分離するための沈殿槽を必要としないから,処理設備の全体を大幅に簡単化できるとともに,処理設備の設置に要する床面積を大幅に縮小できる。
また,請求項2によると,前記請求項1による効果を有することに加えて,濃縮廃水の乾燥による固形化と,前記炭酸カルシウムの結晶の乾燥による固形化とを同時に行うことで運転コストを大幅に低減できる。
ところで,廃水に含まれているカルシウム及び硫酸等は,逆浸透膜(RO膜)によってによって分離できることは,良く知られている。
そこで,前記カルシウム及び硫酸を含む廃水を,前記したように,これに炭酸ソーダを添加して炭酸カルシウムの結晶を析出したのち間接加熱による沸騰蒸発にて処理するに際しては,前記処理すべき廃水を,これに炭酸ソーダを添加するに先立って,逆浸透膜を使用したRO膜モジュールに供給し,その透過水と非透過水とに膜分離し,その非透過水を,炭酸ソーダの添加箇所に供給するようにする。
このようにすることにより,前記処理すべき廃水のうち,炭酸ソーダの添加箇所に供給する廃水の量,つまり,炭酸ソーダを添加したのち間接加熱による沸騰蒸発にて処理する廃水の量を,前記RO膜モジュールにおける透過水の分だけ少なくできるから,運転コストの更なる低減及び処理設備の更なる小型化を達成できる。
しかし,このように,処理すべき廃水を,そのままRO膜モジュールに供給して透過水と非透過水とに膜分離することは,前記逆浸透膜(RO膜)に目詰まりが発生し,この逆浸透膜における目詰まりを解消するための洗浄を頻繁に行うようにしなければならない煩わしさがあるばかりか,逆浸透膜(RO膜)の耐久性を低下することになる。
そこで,処理すべき廃水をRO膜モジュールに供給するに際しては,これに先立って,この処理すべき廃水を,ナノフィルトレーション膜(NF膜)を使用したNF膜モジュールに供給して,このNF膜モジュールにおける透過水を前記RO膜モジュールに供給する一方,前記NF膜モジュールにおける非透過水を,炭酸ソーダの添加箇所に供給するという構成にする。
このようにすることにより,前記処理すべき廃水に含まれている多価イオンや中乃至高分子量物質を,前記NF膜モジュールにおいて分離することができ,この分だけ,前記RO膜モジュールにおける逆浸透膜に目詰まりが発生することを低減できるから,前記逆浸透膜(RO膜)の耐久性を低下することを回避できるばかりか,その洗浄の頻繁を低減することができる。
一方,前記反応槽における廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで廃水供給管路を介して蒸発濃縮装置に供給する場合,この廃水供給管路には,前記炭酸カルシウムの結晶における一部が沈降して,詰まりが発生することになる。
これに対しては,前記廃水供給管路のうち蒸発濃縮装置への接続部に,当該廃水供給管路を介して送られる廃水の一部を前記反応槽に戻すようにした廃水戻り管路を接続するという構成にする。
これにより,前記廃水供給管路内における流量が,反応槽に戻す分だけ多くなって,炭酸カルシウムの結晶が沈降することを阻止乃至少なくできるから,前記廃水供給管路に詰まりが発生することを確実に低減できる。
以下,本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は,第1の実施の形態を示す。この図1において,符号1は,攪拌機2を備えた反応槽を示し,この反応槽1には,処理する目的であるところのカルシウム及び硫酸を含む廃水が,廃水供給管路3を介して供給されている。
この反応槽1内における廃水は,管路4からの苛性ソーダ等のアルカリの供給によってPHが9〜10になるように調節される。
更に,前記反応槽1内における廃水には,炭酸ソーダ(Na2 CO3)の適宜量が,管路5を介して添加される。
この炭酸ソーダの添加は,当該炭酸ソーダを水に溶解した水溶液の状態にて行うか,或いは,炭酸ソーダを粉末の状態で行うようにしても良い。
前記炭酸ソーダの添加により,前記廃水に含まれるカルシウムを,炭酸カルシウムの結晶として析出する。
前記図1において,符号6は,蒸発濃縮装置を示す。
この蒸発濃縮装置6は,内部を図示しない真空発生装置にて大気圧以下の減圧に保持した密閉型の蒸発缶6aと,この蒸発缶6a内の上部に,水平の多段状に設けた多数本の伝熱管6bと,この各伝熱管6bの一端に対する入口ヘッダー6cと,他端に対するヘッダー6dとを備え,前記蒸発缶6a内の底部における濃縮廃水は,循環ポンプ6eにて汲み出して,前記蒸発缶6a内の上部におけるノズル6fから前記各伝熱管6bの外表面に散布したのち前記蒸発缶6a内の底部に戻るという循環を行うように構成されている。
また,前記蒸発缶6a内に発生した蒸気は,ブロワー圧縮機6gにて,圧力及び温度を高くするように圧縮したのち,前記入口ヘッダー6cを介して前記各伝熱管6b内に供給されて,この各伝熱管6bの外表面における濃縮廃水を,間接加熱することによって沸騰蒸発する一方,前記各伝熱管6b内おける凝縮水は,管路6hより取り出される。
そして,前記反応槽1内における廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含むスラリーの状態のままで,廃水移送ポンプ7にて汲み出し,廃水供給管路8を介して,前記蒸発缶6aへの供給弁9に送り,この供給弁9から適宜量を前記蒸発缶6aに導入することにより,前記したように,間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮する。
この場合において,前記廃水供給管路8のうち前記蒸発缶6aへの供給弁9に対する接続部には,前記反応槽1への廃水戻り管路10を接続し,前記廃水供給管路8にて送られて来る廃水の一部を前記廃水戻り管路10を介して前記反応槽1に戻すように構成している。
この構成にすることにより,前記廃水供給管路8内における流速が速くすることができるから,この廃水供給管路8内に,前記炭酸カルシウムの結晶が沈降することによって詰まりが発生することを低減できる。
そして,図1において,符号11は乾燥固形化装置を示し,この乾燥固形化装置11は,適宜温度に加熱されている二つのドラム11a,11bが,互いに接触した状態で逆方向に回転するように設けられている。
一方,前記蒸発濃縮装置6における循環ポンプ6eにて汲み出した濃縮廃水の一部を,濃縮廃水管路12を介して再び前記蒸発缶6aの底部に戻す循環を行うように構成して,この濃縮廃水管路12における濃縮廃水を,前記乾燥固形化装置11における両ドラム11a,11b間の上部に,当該濃縮廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含むスラリーの状態のままで管路13を介して供給することにより,前記両ドラム11a,11bの外表面において乾燥して固形化し,この両ドラム11a,11bの外表面における固形物を,スクレーパ11c,11dにて掻き落とすように構成している。
この場合において,前記濃縮廃水管路12内には,循環する濃縮廃水が常に流れていて,その流速が早くなっているから,この濃縮廃水管路12内に,炭酸カルシウムの結晶が沈降することで詰まりが発生することを確実に低減できる。
次に,本発明者達の実験によると,2,400ppmのカルシウム,680ppmの硫酸,及び10,500ppmの塩素を含む廃水(埋立地浸出水)の場合,この廃水に,当該廃水に含まれるカルシウムに対して30〜80%当量の炭酸ソーダを添加して炭酸カルシウムの結晶を析出し,次いで,この廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含んだ状態のままで前記蒸発濃縮装置6に供給し,この蒸発濃縮装置6において,60〜70℃の温度での沸騰蒸発により比重が1.1〜1.2になるように濃縮した場合,前記蒸発濃縮装置6の各伝熱管6bの外表面に,硫酸カルシウムによるスケールの付着することは殆ど発生しなかった。
この実験において,前記反応槽1への炭酸ソーダの添加量が,廃水に含むカルシウムに対して30%当量未満であるときには,前記蒸発濃縮装置6の各伝熱管6bの外表面に炭酸カルシウムや硫酸カルシウムによるスケールの付着することが顕著になるばかりか,潮解性の高い塩化カルシウムの結晶の方が炭酸カルシウムの結晶よりも多く析出することになるから,前記蒸発濃縮装置6からの濃縮廃水を前記乾燥固形化装置11にて乾燥固形化するときにおいて,前記潮解性の高い塩化カルシウムの結晶のために,完全に固形化しない状態になるか,その後において水分を吸収することが認められた。
また,前記反応槽1への炭酸ソーダの添加量が,廃水に含むカルシウムに対して80%当量を越えるときには,炭酸カルシウムの結晶の方が塩化カルシウムの結晶よりも多く析出することにより,前記乾燥固形化装置11の両ドラム11a,11bにおける外表面で乾燥固形化するときに,固く固形化することになって,これを掻き落とすときに,粉塵が多量に発生するばかりか,掻き落とすためのスクレーパ11c,11eが著しく磨耗することが認められたのである。
なお,前記乾燥固形化装置としては,前記したように各々スクレーパ11c,11eを備えた二つのドラム11a,11bにて構成したものに限らず,加熱した一つのドラムを回転し,その外表面に,濃縮廃水を散布することによって,乾燥して固形化し,その固形物をスクレーパにて掻き落とすように構成したものとか,又は,加熱した円盤体を回転し,その外表面に濃縮廃水を散布することによって乾燥して固形化し,その固形物をスクレーパにて掻き落とすように構成したものとか,或いは,加熱体を非回転又は非移動型にして,その外表面に濃縮廃水を散布することによって乾燥して固形化し,その固形物を回転又は移動するスクレーパにて掻き落とすように構成したものを使用することができ,要するに,乾燥による固形化を,加熱体の表面への前記濃縮廃水の供給と,前記加熱体の表面における乾燥後における固形物のスクレーパによる掻き落としとで行うように構成したものを使用することができる。
また,蒸発濃縮装置としても,前記した形式のものに限らず,間接加熱にて沸騰蒸発するものであれば,他の形式の蒸発濃縮装置を使用できることはいうまでもないが,濃縮廃水を,これに含まれる炭酸カルシウムの結晶を激しく流動することにために,循環するように構成した循環式の蒸発濃縮装置を使用することが好ましい。
次に,図2は,第2の実施の形態を示す。
この第2の実施の形態は,前記第1の実施の形態を前提として,廃水供給管路3にて送られてくる処理する目的であるところのカルシウム及び硫酸を含む廃水を,前記反応槽1(炭酸ソーダの添加箇所)に供給するに先立って,ナノフィルトレーション膜(NF膜)を使用したNF膜モジュール14に,ポンプ15にて供給して,このNF膜モジュール14における透過水を,逆浸透膜(RO膜)を使用したRO膜モジュール16に,ポンプ17にて供給し,このRO膜モジュール16における透過水を管路18から河川等に排出するか,或いは,水使用箇所に供給する一方,前記NF膜モジュール14における非透過水,及び,前記RO膜モジュール16における非透過水を,管路19を介して前記反応槽1(炭酸ソーダの添加箇所)に供給するように構成したものであり,その他の構成は,前記第1の実施の形態と同様である。
このように構成することにより,前記処理すべき廃水のうち,前記反応槽1(炭酸ソーダの添加箇所)に供給する廃水の量,つまり,炭酸ソーダを添加したのち間接加熱による沸騰蒸発にて処理する廃水の量を,前記RO膜モジュール16における透過水の分だけ少なくすることができるから,前記反応槽1及び前記蒸発濃縮装置6をその分だけ小型化できる一方,前記処理すべき廃水に含まれている多価イオンや中乃至高分子量物質を,前記RO膜モジュール16の前段としての前記NF膜モジュールにおいて分離することができることにより,前記RO膜モジュール16における逆浸透膜に目詰まりが発生することを確実に低減できる。
本発明における第1の実施の形態を示すフローシートである。 本発明における第2の実施の形態を示すフローシートである。
符号の説明
1 反応槽
2 攪拌機
3 廃水供給管路
5 炭酸ソーダ管路
6 蒸発濃縮装置
6a 蒸発缶
6b 伝熱管
7 廃水移送ポンプ
8 廃水供給管路
9 廃水供給弁
10 廃水戻り管路
11 乾燥固形化装置
11a,11b ドラム
11c,11d スクレーパ
14 NF膜モジュール
16 RO膜モジュール

Claims (7)

  1. 処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上の炭酸ソーダを添加することによって,前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出し,次いで,前記廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮することを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法。
  2. 処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上〜80%当量以下の炭酸ソーダを添加することによって,前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出し,次いで,前記廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱による沸騰蒸発にて濃縮し,次いで,前記沸騰蒸発した濃縮廃水を,これに前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のまま回転ドラムの外表面での乾燥にて固形化することを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法。
  3. 前記請求項1又は2の記載において,処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水を,これに炭酸ソーダを添加する以前の前処理として,逆浸透膜を使用したRO膜モジュールに供給し,その透過水と非透過水とに膜分離し,その非透過水を,炭酸ソーダの添加箇所に供給することを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法。
  4. 前記請求項3の記載において,処理すべきカルシウム及び硫酸を含む廃水を,前記RO膜モジュールの前段におけるナノフィルトレーション膜を使用したNF膜モジュールに供給して,このNF膜モジュールにおける透過水を前記RO膜モジュールに供給する一方,前記NF膜モジュールにおける非透過水を,炭酸ソーダの添加箇所に供給することを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法。
  5. カルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上の炭酸ソーダを添加することによって前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出する反応槽と,この反応槽における廃水を,当該廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱にて沸騰蒸発する蒸発濃縮装置とを備えていることを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の処理装置。
  6. カルシウム及び硫酸を含む廃水に,これに含むカルシウムに対して30%当量以上〜80%当量以下の炭酸ソーダを添加することによって前記廃水に含まれるカルシウムを炭酸カルシウムの結晶として析出する反応槽と,この反応槽における廃水を,当該廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のままで間接加熱にて沸騰蒸発する蒸発濃縮装置と,前記蒸発濃縮装置から排出される濃縮廃水を,当該濃縮廃水に前記炭酸カルシウムの結晶を含む状態のまま回転ドラムの外表面での乾燥にて固形化するようにした乾燥固形化装置とを備えていることを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の処理装置。
  7. 前記請求項5又は6の記載において,前記反応槽から前記蒸発濃縮装置への廃水供給管路のうち前記蒸発濃縮装置への接続部に,当該廃水供給管路を介して送られる廃水の一部を前記反応槽に戻すようにした廃水戻り管路を接続することを特徴とするカルシウム及び硫酸を含む廃水の固形化処理装置。
JP2005163731A 2005-03-30 2005-06-03 カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置 Active JP4737670B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005163731A JP4737670B2 (ja) 2005-03-30 2005-06-03 カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005098083 2005-03-30
JP2005098083 2005-03-30
JP2005163731A JP4737670B2 (ja) 2005-03-30 2005-06-03 カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006305541A JP2006305541A (ja) 2006-11-09
JP4737670B2 true JP4737670B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=37473046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005163731A Active JP4737670B2 (ja) 2005-03-30 2005-06-03 カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4737670B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100761455B1 (ko) 2006-08-18 2007-10-04 주식회사 지앤지인텍 캐비테이션을 이용한 수중의 칼사이트 성장촉진, 및 이를활용한 수중의 고효율 칼슘제거 방법 및 장치
JP4651642B2 (ja) * 2007-01-31 2011-03-16 東京瓦斯株式会社 排水リサイクル方法
KR100847377B1 (ko) 2007-05-04 2008-07-21 주식회사 지앤지인텍 캐비테이션을 이용한 수중의 고효율 불소 및 칼슘제거 방법및 장치
JP5303501B2 (ja) * 2010-03-25 2013-10-02 株式会社神鋼環境ソリューション 水処理方法及び水処理装置
ITFI20110063A1 (it) * 2011-04-08 2012-10-09 Enel Produzione Spa Metodo per il monitoraggio e controllo della chimica di un processo zld applicato alle centrali di potenza
JP2014184391A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Taiheiyo Cement Corp 両性イオン交換樹脂の再生方法
JP6186240B2 (ja) 2013-04-05 2017-08-23 株式会社ササクラ 水溶液の蒸発処理方法
CA2909222A1 (en) * 2013-04-25 2014-10-30 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Water treatment process and water treatment system
JP6057429B2 (ja) * 2013-06-28 2017-01-11 太平洋セメント株式会社 溶液の処理方法及び処理装置
JP2015169523A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 三菱重工業株式会社 海水中ストロンチウム回収装置および方法
CN109133464A (zh) * 2017-06-28 2019-01-04 北京朗新明环保科技有限公司 火力发电厂全厂废水零排放工艺系统及方法
JP2022154734A (ja) 2021-03-30 2022-10-13 三菱重工業株式会社 逆浸透膜向け脱硫排水の高性能前処理システム
CN116177779B (zh) * 2022-12-09 2024-04-19 四川大学 钛白废水的回收利用方法
CN117509787A (zh) * 2023-11-15 2024-02-06 江苏泽博环保科技有限公司 一种环保型纯水蒸馏分离装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51102357A (ja) * 1975-03-07 1976-09-09 Ebara Infilco Haisuishorihoho
IT1086096B (it) * 1977-09-21 1985-05-28 Montedison Spa Procedimento per la concentrazione di soluzioni acquose di acido solforico
JPH01304096A (ja) * 1988-06-02 1989-12-07 Kurita Water Ind Ltd 水の処理方法
JP3358892B2 (ja) * 1994-10-25 2002-12-24 中部電力株式会社 重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混合処理方法
JPH09220568A (ja) * 1996-02-15 1997-08-26 Kubota Corp 水処理方法
JP3366258B2 (ja) * 1998-07-07 2003-01-14 オルガノ株式会社 硫酸含有排水の蒸発濃縮方法および蒸発濃縮装置
JP3640379B2 (ja) * 2000-06-29 2005-04-20 株式会社神鋼環境ソリューション 水処理方法
JP2003145151A (ja) * 2001-11-15 2003-05-20 Apurotekku:Kk Nf膜による硬水軟化方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006305541A (ja) 2006-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4737670B2 (ja) カルシウム及び硫酸を含む廃水の処理方法及びその装置
AU2007310694B2 (en) Separation process
AU2008366066B2 (en) Methods and systems for processing waste water
KR101749159B1 (ko) 정 삼투 분리 방법
JP4688842B2 (ja) 排水処理方法
US20080121585A1 (en) Water treatment using de-supersaturation
US20110114558A1 (en) Solvent Removal Process
CN106396228A (zh) 一种高含盐工业废水处理装置及处理方法
CN104843927A (zh) 脱硫废水零排放工艺及系统
JP6186240B2 (ja) 水溶液の蒸発処理方法
KR20080035688A (ko) 스트림으로부터의 암모늄/암모니아 제거
Ma et al. An integrated membrane-and thermal-based system for coal chemical wastewater treatment with near-zero liquid discharge
CN108117122B (zh) 一种钠法烟气脱硫废水的处理方法及处理装置
CN109851137A (zh) 一种脱硫废水处理系统及方法
US6855257B2 (en) Method and system for heat transfer
CN106966535A (zh) 浓盐水零排放膜浓缩与分质结晶工艺及设备
WO2022030529A1 (ja) 二酸化炭素の固定化方法
CN105906127A (zh) 一种脱硫废水近零排放处理系统及方法
JP4996068B2 (ja) 廃水の濃縮処理方法及びその装置
CN108275823A (zh) 一种浓盐废水复合零排放系统及工艺
CN211226645U (zh) 一种耦合烟气净化处理的含盐废水处理系统
CN109607582B (zh) 一种从脱硫废水中回收镁盐的方法及系统
CN105293803A (zh) 一种高浓度废水的处理方法
CN208440312U (zh) 一种脱硫废水的处理系统
WO2016063581A1 (ja) アンモニア含有排水の処理方法および処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4737670

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250