JP2002175831A - バナジウムレドックスフロー電池用電解液の製造方法 - Google Patents

バナジウムレドックスフロー電池用電解液の製造方法

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JP2002175831A
JP2002175831A JP2001297765A JP2001297765A JP2002175831A JP 2002175831 A JP2002175831 A JP 2002175831A JP 2001297765 A JP2001297765 A JP 2001297765A JP 2001297765 A JP2001297765 A JP 2001297765A JP 2002175831 A JP2002175831 A JP 2002175831A
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vanadium
mol
solution
reaction mixture
oxyhydroxide hydrate
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JP2001297765A
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Yukiro Takahashi
征郎 高橋
Keisho Kawashige
恵正 川茂
Nobuyuki Tokuda
信幸 徳田
Masayuki Furuya
昌之 古家
Genjiro Sakanaka
絃次郎 坂中
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Kansai Electric Power Co Inc
Nitto Shinko Corp
Shinko Chemical Co Ltd
Kanden Plant Corp
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Kansai Electric Power Co Inc
Shinko Chemical Co Ltd
Kanden Kogyo Inc
Shinko Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】燃焼煤由来V化合物から、V4+とV3+を等
モルで含有するレドックスフロー電池電解液を製造する
方法。 【解決手段】(a)V4+の製造:燃焼煤をpH=1〜
3の水中に懸濁し還元濾過して、V4+含有水溶液を
得、アンモニアでpH=4.2〜4.8とし、オキシ水
酸化バナジウム水和物V4+を析出させる。(b)V
3+の製造:電解液のV1モル当り、160〜240℃
に加熱した硫酸1.8〜3.5モルと硫黄0.3〜4モ
ルの混合物に、V4+0.51〜0.60モルを添加
し、VOHを還元し、得られた析出物を150℃以下に
冷却し、SO4 2- 濃度が6〜10モル/Lとなるように
水を添加し、110〜140℃で析出物を溶解し、濾過
してV3+溶液を得る。(c)電解液の製造:V3+
液に、V4+1−(0.5〜0.61)モルを仕込み、
加温溶解させ、必要により濾過し、SO4 2- 濃度を3.5
〜7.0 モル/Lに調整し、V3+とV4+の等モル含有
電解液を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バナジウムレドッ
クスフロー電池用電解液の製造方法に関する。さらに詳
しくは、バナジウムレドックスフロー電池の正極および
負極の共用スタート用電解液として好適に使用しうるバ
ナジウムレドックスフロー電池用電解液の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のバナジウムレドックスフロー電池
では、正極区画室には5価〜4価のレドックス系電解液
が使用され、また負極区画室には3〜2価のレドックス
系電解液が使用されているので、正極室には4価のバナ
ジウム電解液、負極には3価のバナジウム電解液がチャ
ージされている。しかし、最近では、正極室および負極
室にチャージする電解液を共通化することにより、合理
化を図ることが考えられている。このような電解液とし
ては、4価バナジウムと3価バナジウムとを等モル含有
する電解液が提案されている。この電解液に使用されて
いる3価バナジウムの原料として、酸化バナジウム(II
I) が使用されている。
【0003】III 価のバナジウム化合物の製造方法とし
ては、液相法が知られている(Inorg. Sy nth. ,p.9
2) 。この方法によれば、V2 5 を化学量論量の7.
67倍、すなわち12.4重量倍という多量の硫酸中
で、化学量論量の1.5倍の硫黄とともに170〜20
0℃で16時間加熱して還元した後、濾過・水洗し、得
られた物質を50%エタノール水溶液中に懸濁し、これ
に二硫化炭素を注ぎ、過剰量の硫黄を層状にして分離す
ることにより、固体のV2(SO4)3 が得られる。このV
2(SO4)3 を電解液の原料とした場合、該V2(SO4)3
1モルを硫酸4モル/Lの水溶液1L中で120〜15
0℃に加熱溶解させることにより、V3+濃度が2モル/
L、SO4 2- 濃度が4モル/LのIII 価のバナジウム電
解液が得られる。
【0004】しかしながら、これら固体のV2(SO4)3
の製造方法およびそれを用いた電解液の製造方法には、
種々の欠点がある。特に、固体のV2(SO4)3 の製造方
法には、以下の4つの大きな欠点がある。
【0005】 攪拌を可能にするために、非常に多量の硫酸を要す
る点 固体のV2(SO4)3 を取得するために、多量の濃厚
な硫酸溶液の濾過を必要とする点 多量の硫酸廃液が発生する点 過剰量で使用された硫黄の除去を要する点
【0006】これらの欠点のうち、前記の欠点は、固
体のV2(SO4)3 および硫黄を含む溶液を次の硫酸によ
る溶解工程に使用し、例えば、 III価バナジウム化合物
の硫酸4モル/L溶液を調製した後、この溶液から硫黄
を濾過により除去する方法を採用することにより、回避
することができる。しかしながら、前記〜の欠点
は、未だ充分に回避されていない。
【0007】また、電解液中に夾雑金属が存在している
場合、電池の性能に悪影響を及ぼすおそれがある。した
がって、例えば、化石燃料を燃焼させる際に発生した燃
焼煤を原料とする場合、この燃焼煤の処理工程で得られ
る不純物を含有するメタバナジン酸アンモニウムを再
度、溶解・析出させる方法で精製し、これを高温に加熱
して脱水・脱アンモニア化を行なうという煩雑な工程を
要するという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、化石燃料の燃焼の際に
発生した燃焼煤の最も簡単な処理方法で得られる不純物
含量が少ないバナジウム化合物を使用し、極めて有利な
方法で4価バナジウムと3価バナジウムを等モルで含有
する電解液を製造しうる方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、(a)化石燃料の燃焼の際に発生した燃焼煤をpH
を1〜3に調整した水中に懸濁した状態で還元剤を作用
させた後、濾過して不溶性残渣を除去し、4価のバナジ
ウムを含有する水溶液を得る工程、(b)前記工程
(a)で得られた4価のバナジウムを含有する水溶液
に、アンモニアまたはアンモニア水を添加し、該水溶液
のpHを4.2〜4.8に調整し、オキシ水酸化バナジ
ウム水和物を析出させる工程、(c)前記工程(b)で
析出したオキシ水酸化バナジウム水和物を濾過し、取得
する工程、(d)目的とする電解液中のバナジウムの含
有量が〔A〕モルであるとき、硫酸(1.8〜3.5)
×〔A〕モルと硫黄y×〔A〕モル(yは0.3〜4.
0の数である)との混合物を160〜240℃に加熱
し、その混合物の中に、前記工程(c)で取得したオキ
シ水酸化バナジウム水和物のx〔A〕モル(xは0.5
1〜0.60の数である)を添加し、160〜240℃
の温度でオキシ水酸化バナジウム水和物を還元する工
程、
【0010】(e)前記工程(d)で得られた反応混合
物を150℃以下の温度に冷却し、水を該反応混合物に
添加してSO4 2- 濃度が6〜10モル/Lとなるように
調整した後、該反応混合物を110〜140℃に保持し
て析出物質を溶解させ、必要により濾過して溶液を得る
工程、(f)前記工程(e)で得られた溶液に、前記工
程(c)で取得したオキシ水酸化バナジウム水和物の
(1−x)〔A〕モル(xは前記と同じ)を仕込み、1
10〜140℃に保持してオキシ水酸化バナジウム水和
物を溶解させ、必要により濾過する工程、および(g)
前記工程(f)で得られた反応混合物に水を添加し、S
4 2- 濃度を3.5〜7.0モル/Lに調整し、必要に
より濾過する工程からなる3価バナジウムと4価バナジ
ウムとを等モルで含有するバナジウムレドックスフロー
電池用電解液の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】各工程について、以下に説明す
る。まず、工程(a)について説明する。本発明に使用
される化石燃料としては、例えば、瀝青質鉱物、重油、
タール、アスファルトなどをはじめ、これらをエマルジ
ョン化した燃料などが挙げられる。また、燃焼煤は、こ
れらの化石燃料を燃焼することによって発生したもので
あればよく、特に限定がない。この燃焼煤を水中に懸濁
すると、4価のバナジウムイオンおよび5価のバナジウ
ムイオン、Fe、Ni、Cr、Mg、Naなどの金属イ
オン、ならびに珪酸イオンを含有する、pH1〜3の水
不溶性物質の懸濁液が得られる。燃焼煤の量は、水中に
懸濁させることができる量であればよく、特に限定がな
い。該懸濁液のpHは、4価のバナジウムイオンを高濃
度でかつ安定して得ることができるようにするために、
1〜3に調整される。
【0012】次に、燃焼煤を水中に懸濁させた懸濁液に
は、還元剤を作用させる。還元剤としては、例えば、S
2 およびその塩類、ヒドラジン、その水和物およびそ
の塩類、ならびにヒドロキシルアミンおよびその塩類か
らなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。還
元剤の具体例としては、亜硫酸ガスおよび亜硫酸アンモ
ニウムなどの亜硫酸の塩類、ヒドラジンまたはヒドラジ
ンの水和物、あるいは硫酸ヒドラジンなどのヒドラジン
の塩類、ヒドロキシルアミンまたは硫酸ヒドロキシルア
ミン、塩酸ヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミ
ンの塩類などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。還元剤の選択は、還
元を達成するのに必要な量と還元剤の入手可能な単価と
の積から経済性を判断して定めることが望ましい。その
際、還元剤として金属を含有しないものを選ぶことが好
ましい。
【0013】還元剤の量は、操作中に大気に含まれてい
る酸素によって還元剤が酸化したり、消耗することを考
慮して、懸濁液中に存在している5価のバナジウム化合
物の還元に必要な化学量論量の1.1〜1.2倍とする
ことが好ましい。
【0014】懸濁液に還元剤を添加すると、懸濁液中に
含まれている5価のバナジウム化合物が迅速に4価のバ
ナジウムイオンに還元され、不溶性物質に含まれている
殆どのバナジウムがこの懸濁液中に溶解する。
【0015】この懸濁液を濾過することにより、還元後
に残存している不溶性残渣を濾別し、除去することがで
きる。
【0016】この濾過によって得られた4価のバナジウ
ムを含有する水溶液は、次に、工程(b)で使用され
る。
【0017】工程(b)では、前記工程(a)で得られ
た4価のバナジウムを含有する水溶液に、アンモニアま
たはアンモニア水を添加し、該水溶液のpHを4.2〜
4.8に調整し、オキシ水酸化バナジウム水和物を析出
させる。
【0018】本発明においては、このpHを4.2〜
4.8に調整する点に1つの大きな特徴がある。このよ
うにpHを調整した場合には、水溶液中のバナジウムイ
オンをオキシ水酸化バナジウム水和物として効率よく、
例えば、70〜80%の収率で析出させることができる
という、格別顕著に優れた効果が発現される。
【0019】前記水溶液のpHを4.0に調整した場
合、オキシ水酸化バナジウム水和物を析出させることが
できる。しかし、オキシ水酸化バナジウム水和物を濾過
し、取得したときのの収率は、バナジウムに対して高々
30%程度である。
【0020】他方、例えば、前記水溶液のpHを5.0
に調整した場合、バナジウムに対する収率が90%程度
と高くなる。しかし、析出したオキシ水酸化バナジウム
水和物におけるFe、Niなどの金属の含量が著しく増
加するようになる。さらに、前記水溶液のpHが6.0
を超えると、該水溶液中に含有されているバナジウムに
対する収率が殆ど定量的になるが、析出したオキシ水酸
化バナジウム水和物におけるFe、Niなどの金属の含
量がより一層著しくなる。
【0021】これに対して、本発明においては、pHが
4.2〜4.8とされているので、驚くべきことに、こ
れらの欠点が解消され、不純物たるFe、Ni、Cr、
Mg、Naなどの金属イオンや、珪酸イオンからの析出
物などの含量の低減が図られ、しかも高収率でオキシ水
酸化バナジウム水和物を得ることができるという、格別
顕著に優れた効果が奏される。
【0022】かくして析出した「オキシ水酸化バナジウ
ム水和物」は、一説によれば、酸化バナジウム(IV)のV
2 ・2H2 Oであるとされている。しかし、GMELINS
HANDBUCH DER ANORG. CHEMIE. V[B].S.65 〜72に記載さ
れている赤外吸収スペクトルにおける−OH吸収帯の現
れ方を根拠とする学説に則り、本発明者らは、前記「オ
キシ水酸化バナジウム水和物」は、式: VO(OH)2 ・nH2 O (式中、nは約1を示す)で表される化合物であると推
定する。以下、本明細書においては、この化合物をオキ
シ水酸化バナジウム水和物と称する。
【0023】前記工程(b)で析出させて得られたオキ
シ水酸化バナジウム水和物は、次に、工程(c)で使用
される。
【0024】工程(c)では、前記工程(b)で析出し
たオキシ水酸化バナジウム水和物を濾過することによ
り、取得する。
【0025】オキシ水酸化バナジウム水和物の濾過は、
例えば、吸引濾過などの通常の濾過方法によって行なう
ことができる。
【0026】得られたオキシ水酸化バナジウム水和物
は、必要により、洗浄水で洗浄してもよい。なお、洗浄
の際に、pHが高い水を使用した場合、取得したケーキ
状のオキシ水酸化バナジウム水和物に含まれている夾雑
金属イオンから析出物が生じるおそれがある。他方、p
Hが低い水を使用した場合、析出物の一部が溶解するよ
うになる。これらのことから、洗浄の際に使用する洗浄
水のpHは、前記濾過時におけるpHの範囲内にあるこ
とが好ましい。
【0027】以上のようにして、オキシ水酸化バナジウ
ム水和物を濾過し、洗浄した場合には、ケーキ状のオキ
シ水酸化バナジウム水和物を高純度で得ることができ
る。
【0028】次に、前記工程(c)で取得したオキシ水
酸化バナジウム水和物は、工程(d)で使用される。
【0029】工程(d)では、目的とする3価バナジウ
ムと4価バナジウムとを等モルで含有する電解液中のバ
ナジウムの含有量が〔A〕モルであるとき、硫酸(1.
8〜3.5)×〔A〕モルと硫黄y×〔A〕モル(yは
0.3〜4、好ましくは1.3〜4.0の数である)と
の混合物を160〜240℃に加熱し、その混合物の中
に、前記工程(c)で取得したオキシ水酸化バナジウム
水和物のx〔A〕モル(xは0.51〜0.60の数で
ある)を添加し、160〜240℃の温度でオキシ水酸
化バナジウム水和物を還元する。
【0030】この還元反応は、反応式(I): 4VO(OH)2・H2 O+S+6H2 SO4 → 2V2(SO4)3 +14H2 O+SO2 (I) にしたがって進行するものと考えられる。
【0031】3価バナジウムと4価バナジウムとを等モ
ルで含有する電解液を調製する際におけるバナジウム化
合物の量〔A〕モルと硫酸の量〔B〕モルとの関係は、
以下のとおりである。
【0032】この種の電解液が用いられる電池の蓄電容
量は、電解液中のバナジウムの量〔(電解液の量)×
(電解液中のバナジウムイオンの濃度)〕によって支配
される。
【0033】したがって、〔A〕/〔B〕の値は大きい
ほうが好ましい。しかし、3価バナジウムの電解液の成
分は、V2(SO4)3 がH2 SO4 水溶液中でイオン化し
たものであるから、〔A〕/〔B〕の値は、2/3より
も大とはなり得ない。
【0034】また、4価バナジウムの電解液の成分は、
VOSO4 がH2 SO4 水溶液中でイオン化したもので
あるから、〔A〕/〔B〕の値は、1/1よりも大とは
なり得ない。
【0035】したがって、3価バナジウムと4価バナジ
ウムとを等モルで含有する電解液においては、V2(SO
4)3 およびVOSO4 として存在するとみなされるSO
4 2-以外にはSO4 2- が存在しない状態、すなわちいわ
ゆる「限界状態」においても、V2(SO4)3 における2
/3とVOSO4 における1/1との平均値、すなわち
5/6以上とはなり得ない。
【0036】ところで、本発明の目的化合物である3価
バナジウムと4価バナジウムとを等モルで含有する電解
液においては、充電・放電に際して、正極側および負極
側で以下の反応が起こるとされている。
【0037】
【0038】すなわち、負極側にチャージされた電解液
は、充電に際して全部V2+となるので、その対イオンと
して必要と考えられるSO4 2- イオンは、バナジウムと
等モルである。
【0039】一方、正極側にチャージされた電解液は、
充電に際して全部5価となる。そこで、単純に考えれ
ば、その対イオンとして必要と考えられるSO4 2- イオ
ンは、バナジウムの5/2=2.5倍モルとなり、前記
〔A〕/〔B〕=2/5=0.4となる。
【0040】しかし、5価バナジウムの硫酸溶液におけ
るイオン状態については、確定的なことは知られていな
い。したがって、前記〔A〕/〔B〕=0.4は、絶対
的であるとはいえない。
【0041】これらの複雑な事情があるので、バナジウ
ムレドックスフロー電池の電解液は、種々の実験の結
果、バナジウムの量を1.8〜3.5モル/L、SO4
2- の量を3.6〜7.0モル/Lとし、かつSO4 2-
〔B〕モルとバナジウム〔A〕モルとのモル比〔B〕/
〔A〕を1.8〜3.5、好ましくは2.0〜3.0と
すべきであるとされている。
【0042】したがって、例えば、電解液中のバナジウ
ムの濃度が2モル/Lである場合、SO4 2- の濃度は、
3.6〜6.4モル/Lとされることが多く、4〜6モ
ル/Lとされることが最も多い。,また、例えば、電解
液中のバナジウム濃度が2モル/Lであり、SO4 2-
度が4モル/Lである場合には、硫酸をオキシ水酸化バ
ナジウム水和物1モルに対して2モル使用することとな
る。
【0043】ところで、本発明において目的とする電解
液は、4価バナジウムと3価バナジウムとを等モル含有
する電解液である。したがって、前記式で表される4価
バナジウムから3価バナジウムへの還元反応は、50%
進行させれば足りる。換言すれば、理論上、目的とする
電解液中のバナジウムの量〔A〕モルの1/2モルだけ
を前記式で表わされる還元反応に付すればよい。
【0044】しかし、上述の理論どおりに還元反応を行
なった場合、その後の操作中に僅かでも酸化反応が起こ
ったときには、電解液のバナジウムの価数を引き下げる
ために、別途、3価バナジウム酸化物を添加しなければ
ならない。
【0045】これに対して、電解液のバナジウムの価数
の引き上げは、前記オキシ水酸化バナジウム水和物や、
一般に広く市販されているV2 5 を添加することによ
って容易に行なうことができる。
【0046】したがって、還元反応の後に、3価バナジ
ウム化合物が(0.5+α)×〔A〕モル(αは0.0
1〜0.1の数である)だけ存在するようにすればよ
い。
【0047】また、還元反応が僅かに不完全となること
も往々にしてあるので、還元反応の際には、オキシ水酸
化バナジウム水和物を(0.51〜0.60)×〔A〕
モル、好ましくは(0.53〜0.57)×〔A〕モル
仕込むことが望ましい。なお、オキシ水酸化バナジウム
水和物を0.60×〔A〕モル以上仕込むことは、後述
するように、反応混合物を攪拌する際に問題が発生する
ことから、避けなくてはならない。
【0048】ところで、本発明においては、還元反応の
際に仕込んだ硫酸は、濾過によって除去されることな
く、そのまま電解液のSO4 2- となる。
【0049】このように、還元反応では、硫酸の量が厳
しく制限される。したがって、オキシ水酸化バナジウム
水和物、硫黄および硫酸を原料とする反応混合物の混
合、攪拌および反応を円滑にするためには、前記のよう
に還元反応の際のオキシ水酸化バナジウム水和物の仕込
み量を規制するのみならず、オキシ水酸化バナジウム水
和物を一括して仕込むのではなく、間欠的に分割して、
あるいは連続的に徐々に仕込むことが望ましい。
【0050】オキシ水酸化バナジウム水和物を還元させ
る際の還元温度は、160〜240℃、好ましくは21
0〜230℃である。
【0051】還元温度が160℃以上である場合、還元
反応は進行するが、180℃以下では、反応速度が低
い。したがって、反応速度を高める観点から、反応温度
は180℃以上であることが好ましい。しかし、反応温
度が180〜200℃では、硫黄の粘度が非常に高くな
るので、適切でない。温度が200℃以上では、硫黄の
粘度が低下の方向を辿る。しかし、反応温度が250℃
以上である場合には、反応混合物が大気中に漏出したと
きに、その中の硫黄が自然発火するおそれがあるうえ、
加熱のためのエネルギーおよび反応容器の材質選択の点
から好ましくない。これらの事項から、還元温度は、前
述のように、210〜230℃が好ましいと判断され
る。
【0052】この反応の出発原料であるオキシ水酸化バ
ナジウム水和物は、空気中で酸化しやすいので、乾燥品
は若干の5価バナジウムを含有する。しかし、5価バナ
ジウム化合物も以下の硫黄による還元を容易に受けるの
で、支障はない。
【0053】これらの事情を考慮して、オキシ水酸化バ
ナジウム水和物を還元させる際の還元温度は、前述の温
度となるように調整される。
【0054】オキシ水酸化バナジウム水和物の還元反応
が進行するにしたがって、その反応混合物の粘性が低下
するので、該反応混合物の混合・攪拌を容易に行なうこ
とができる。
【0055】還元反応における硫黄の量は、前記式に示
したように、オキシ水酸化バナジウム水和物1モルに対
して、化学量論的には0.25モルである。しかし、反
応速度を大きくするためにはこれよりも多いことが望ま
しい。なお、過剰量の硫黄は、後で容易に回収すること
ができる。しかしながら、硫黄は、160〜240℃の
温度、特に180〜200℃の温度では、極めて粘性が
高いうえ、硫酸中に溶解あるいは分散しない。したがっ
て、硫黄の量があまりに多い場合には、却って混合攪拌
の妨げとなる。このことから、硫黄の量は、目的とする
電解液中のバナジウムの量〔A〕モルに対して(0.3
〜4.0)×〔A〕モル、好ましくは(1.3〜3.
0)×〔A〕モルである。
【0056】また、工程(d)に記載した前半の還元で
分割して仕込むオキシ水酸化バナジウム水和物の合計量
x〔A〕モルに対して、使用する硫黄をy〔A〕モル
(yは前記と同じ)とし、硫黄のモル数/オキシ水酸化
バナジウム水和物のモル数の値をβと定義すると、 β=y〔A〕/x〔A〕=y/x となる。例えば、xが0.525、yが2.2であると
き、βは4.19となる。
【0057】前述した反応式(I)に示されるように、
この場合の硫黄の化学量論上の必要量は、オキシ水酸化
バナジウム水和物のモル数の1/4であるから、y=
2.2、β=4.19は、化学量論量の16.76倍に
相当することとなる。
【0058】還元反応の進行状況および終点は、発生す
るSO2 ガスを検出することによって観察することがで
きる。より精密には、110〜140℃の温度で反応混
合物を40〜60%H2 SO4 中に加熱溶解した溶液を
吸光スペクトル法などで分析することにより、還元反応
の進行状況および終点を確認することができる。
【0059】以上のようにして反応率が90〜98%に
到達したときには、前述したように、反応混合物中に3
価バナジウム化合物(0.5+α)〔A〕モル(αは前
記と同じ)が存在する。
【0060】なお、オキシ水酸化バナジウム水和物は、
大気中に存在している酸素によって酸化され、5価のバ
ナジウム化合物に変化しやすいことが難点と考えられる
かもしれない。しかしながら、この工程(d)における
還元反応は、5価のバナジウム化合物に対しても非常に
有効であり、しかも硫黄が大過剰量で使用されているこ
とから、オキシ水酸化バナジウム水和物の10%程度が
大気中に存在している酸素によって酸化されたとして
も、その後の工程に支障が生じるようなことがない。
【0061】かくして得られた反応混合物には、還元反
応によって生成した固体のV2(SO 4)3 や、使用した過
剰量の硫黄などが析出物質として含有されている。した
がって、反応混合物に含まれている固体のV2(SO4)3
を溶解し、過剰量の硫黄を主体とする物質を析出残渣と
するために、この反応混合物は、次の工程(e)に付さ
れる。
【0062】工程(e)では、前記工程(d)で得られ
た反応混合物を次の工程での激しい発熱による危険を避
けるために、150℃以下に冷却し、水を該反応混合物
に添加してSO4 2- 濃度が6〜10モル/Lとなるよう
に調整した後、該反応混合物を110〜140℃に保持
して析出物質を溶解する。この際、次の工程(f)また
は(g)で濾過を行なわない場合には濾過して、硫黄を
主とする不溶性残渣を除去することが必要である。
【0063】前記工程(d)で得られた反応混合物には
水が添加されるが、硫酸と水との急激な反応による発熱
を考慮して、該反応混合物を150℃以下、好ましくは
100〜120℃の温度に冷却する。この好ましい温度
に反応混合物を冷却した場合には、該反応混合物に水を
添加した後、析出物質を加熱して溶解させ、溶液を得る
ための再加熱における手数を軽減させることができると
いう利点がある。
【0064】反応混合物に添加する水の量は、常温で析
出物を生じないようにするとともに、後述する工程
(g)において、反応混合物に水を添加し、SO4 2-
度を所望の濃度に調整しうる余地を残すために、SO4
2- 濃度が6〜10モル/Lとなるように調整される。
【0065】反応混合物に水を添加して、硫酸濃度を調
整した後、固体のV2(SO4)2 を主とする析出物質を溶
解させるために、110〜140℃に保持する。この保
持温度を110℃以下とすると、溶解速度が極めて小と
なり、一方、140℃以上とすると、溶解反応が完結し
ない状態で停止してしまう。
【0066】かかる温度保持によって得られた溶液に
は、工程(d)で使用した過剰量の硫黄を主体とする不
溶性残渣が含まれている。
【0067】この残渣は、工程(e)、(f)または
(g)のいずれかで濾過して除去・回収することができ
る。また、より好ましい電解液の調製法としては、工程
(c)または工程(f)で濾過したうえ、さらに製品で
ある電解液の品質を向上させる観点から、最終工程
(g)で再度濾過する。
【0068】このようにして工程(e)で得られた溶液
は、次に、工程(f)に供される。
【0069】工程(f)では、前記工程(e)で得られ
た溶液に、前記工程(c)で取得したオキシ水酸化バナ
ジウム水和物の(1−x)〔A〕モル(xは前記と同
じ)を仕込み、110〜140℃に保持してオキシ水酸
化バナジウム水和物を溶解させる。
【0070】このオキシ水酸化バナジウム水和物の量
(1−x)〔A〕モルは、本発明で使用されるオキシ水
酸化バナジウム水和物の全量Aのうち、工程(d)で使
用されたオキシ水酸化バナジウム水和物(x〔A〕モ
ル)の量を差し引いた残部である。この残部のオキシ水
酸化バナジウム水和物を添加することにより、3価バナ
ジウムイオンと4価バナジウムイオンとを等モルで含有
する電解液が得られる。
【0071】この工程において使用するオキシ水酸化バ
ナジウム水和物が遊離の水分を有している場合には、後
の水添加による溶液濃度の調整工程(g)で添加する水
をその水分に相当する量だけ減らすようにすれば、目的
が達せられる。したがって、ここで用いるオキシ水酸化
バナジウム水和物の乾燥を省略することもできる。
【0072】オキシ水酸化バナジウム水和物を前記工程
(e)で得られた溶液に添加した後、該オキシ水酸化バ
ナジウム水和物を溶液に溶解させることは、比較的容易
である。オキシ水酸化バナジウム水和物を迅速に溶解さ
せるためには、加熱温度が高いほうが好ましい。しか
し、その上限温度は、前記溶液にオキシ水酸化バナジウ
ム水和物を添加した反応混合物の沸点によって制約され
る。これらのことから、この温度は110〜140℃、
好ましくは115〜130℃とする。
【0073】加熱時間は、特に限定がなく、通常、オキ
シ水酸化バナジウム水和物が溶解するまでとすればよ
い。
【0074】前記工程(e)において、オキシ水酸化バ
ナジウム水和物の後半部分を添加して溶解した工程
(f)の反応混合物には、硫黄を主体とする不溶性残渣
が存在しているので、前の工程(e)および次の工程
(g)で濾過を行なわない場合には、この工程(f)で
濾過して硫黄を主体とする不溶性残渣を除去することが
必要である。
【0075】一方、該オキシ水酸化バナジウム水和物に
若干含有されている5価バナジウム化合物は、3価バナ
ジウム化合物と容易に反応して4価バナジウム化合物と
なるので、それを考慮した量のオキシ水酸化バナジウム
水和物を使用すればよい。
【0076】濾過は、このようにこの工程で行なっても
よく、あるいは次工程(g)で行なってもよい。濾過
は、例えば、合成繊維製濾過布、メンブレンなどを用い
た濾過などの通常の濾過方法によって行なうことができ
る。
【0077】次に、工程(f)で得られた反応混合物
は、工程(g)に供される。工程(g)では、前記工程
(f)で得られた反応混合物に水を添加し、SO4 2 -
度を3.5〜7.0モル/Lに調整する。
【0078】バナジウムレドックスフロー電池用電解液
においては、電池の性能、電解液の安定性などの観点か
ら、SO4 2- 濃度は、通常、3.5〜7.0モル/L、
なかんづく4.0〜6.0モル/Lとなるように調整さ
れている。したがって、本発明においても、前記工程
(f)で得られた反応混合物に水を添加し、SO4 2-
度を3.5〜7.0モル/L、なかんづく4.0〜6.
0モル/Lとなるようにに調整する。
【0079】なお、前記工程(f)で濾過を省略した場
合には、この工程(g)で合成繊維製濾過布、メンブレ
ンなどを用いて濾過して、存在している硫黄などからな
る析出物を除去する必要がある。
【0080】また、前記工程(f)で濾過を行なった場
合であっても、電解液の品質を向上させる観点から、再
度、濾過することが望ましい。この濾過の際には、メン
ブレンフィルターを用いることが好ましい。
【0081】かくして、本発明で目的とするバナジウム
レドックスフロー電池用電解液が得られる。
【0082】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0083】実施例1 オキシ水酸化バナジウム水和物の調製 瀝青質混合物(ベネズエラ産)の燃焼の際に得られた集
塵機灰〔湿潤重量:10062g〕(水分含有率:1
9.00%、乾燥品の重量:8150g、乾燥品の分析
値:V2.50%、N15.75%、S22.60%、
C0.35%、Fe0.12%、Ni0.43%、Cr
0.01%、Mg6.15%)〔バナジウム含有量:2
03.76g(4.00モル)〕を40℃の水40Lに
添加し、攪拌して懸濁させた。得られた懸濁液のpHは
2.25であり、溶液中のV5+含量/総V含量(モル
比)は0.413であった。
【0084】この懸濁液に35〜55℃でSO2 ガス2
2.26Lを20分間で吹き込み、微量の酸およびアル
カリでpHを2〜2.3に調整し、30分間保持した。
【0085】濾過した後、濾過残渣(主成分:カーボ
ン)を水250mLで2回洗浄した。残渣の乾燥重量
は、33.0gであった。
【0086】次に、濾液に水を添加し、総量を5100
0gとし、この溶液を窒素ガス置換した容器中に保存し
た。この溶液を分析すると、バナジウム含有率が0.3
75重量%、即ち191.25gであることから、原料
灰からのバナジウムの収率は93.9%であり、溶液は
4価バナジウムの存在を示す青色であった。
【0087】この溶液からサンプリングした残りの50
666g(バナジウム含有量:190g)を窒素ガス置
換した装置の中の容器に入れ、50±3℃でアンモニア
水を徐々に添加し、pH4.7で30分間保持した。
【0088】析出したオキシ水酸化バナジウム水和物を
窒素ガス置換した装置の中で減圧濾過し、SO2 ガスを
バブリングしたpH4.2〜4.8に調整した水500
0mLずつで3回洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0089】得られたオキシ水酸化バナジウム水和物
は、乾燥重量364.52g、バナジウム分析値43.
70%、バナジウム含有量159.30g、溶液からの
バナジウム収率83.8%であった。
【0090】その夾雑金属の分析値は、Fe0.013
%、Ni0.015%、Cr0.010%であった。
【0091】空気酸化による酸化の程度は、V5+含量/
(V4++V5+)含量(モル比)=0.025で示され
た。
【0092】 硫酸中での硫黄還元 前記で得られたオキシ水酸化バナジウム水和物の硫酸
中での硫黄還元を行なった。
【0093】500mL容の4つ口フラスコに攪拌機、
温度計および窒素ガス吹き込み管および排気排出管を付
し、該フラスコに98%硫酸400g(4.0モル)お
よび硫黄(粉末)70.4g(2.20当量)を仕込
み、窒素ガス50mL/分を吹き込みながら215〜2
25℃に昇温し、これに前記で得られたオキシ水酸化
バナジウム水和物122.4g〔バナジウム分析値4
3.70%、バナジウム100%換算53.5g(1.
05当量)〕を次のように分割仕込みをした。
【0094】まず、オキシ水酸化バナジウム水和物5
7.2gをフラスコに仕込み、215〜225℃で3時
間反応させると、反応混合物の粘性が一旦増大するが、
経時とともに低下した。ここで、オキシ水酸化バナジウ
ム水和物32.6gを仕込み、前記と同様に215〜2
25℃で3時間反応させると、一旦、粘性が増大する
が、経時とともに低下した。ここで、オキシ水酸化バナ
ジウム水和物32.6gを仕込み、前記と同様にして2
15〜225℃で3時間反応させると、反応混合物の粘
性は低下し、排出ガス中のSO2 濃度が30ppm以下
となった。
【0095】この工程で反応混合物中に固体のV2(SO
4)2 が生成し、還元が達成された。
【0096】 反応混合物中の固体のV2(SO4)2
溶解 前記の反応混合物を110〜130℃に冷却し、水3
00mLを徐々に添加した後、120〜130℃の温度
に6時間加熱攪拌し、該反応混合物中に固体のV2(SO
4)2 を溶解した。その後半の3時間では、窒素ガス10
0mL/分を該反応混合物中に通じ、還元反応で生成し
たSO2 を追い出した。
【0097】この時点で、反応溶液を吸光法スペクトル
分析したところ、V3+:V4+=100:1.94であっ
た。
【0098】 4価バナジウム化合物、すなわちオキ
シ水酸化バナジウム水和物の添加・溶解によるV3+:V
4+のモル比および(V3++V4+)濃度の調整 次に、前記で得られた反応溶液に、前記で得られた
オキシ水酸化バナジウム水和物〔バナジウム分析値:4
3.70%、バナジウム100%換算48.4g(0.
95当量)、V5+含量/(V4++V5+)含量(モル比)
=0.025〕を添加し、120〜130℃の温度に2
時間加熱してオキシ水酸化バナジウム水和物を溶解し
た。
【0099】 不溶性残渣の濾過除去 次に、前記反応混合物を吸引濾過したところ、濾液とし
て次の分析値を示す電解液用原液と、濾液ケーキとして
硫黄を主体とする不溶性残渣68.5gを得た。
【0100】この不溶性残渣は、次回の仕込みの還元剤
として使用することができる。ただし、金属酸化物をも
微量含有するため、数回リサイクルをした後には、処分
することが望ましい。
【0101】 濾液の吸光スペクトル分析 反応溶液を吸光法スペクトル分析したところ、V3+:V
4+(モル比)は1.005:1.000であった。
【0102】 濃度調整 前記で得られた反応溶液に水を加え、全量を1000
mLに調整した。
【0103】 微量の不溶性残渣の濾過除去 前記で得られた溶液中の微量の不溶解残渣をメンブレ
ンフィルターで濾過した。得られた濾液は、分析の結
果、以下のとおりであった。
【0104】 V3+含量/(V3++V4+)含量(モル比)=1.005 (V3++V4+)含量=2.002モル/L SO4 2- 含量=4.003モル/L Fe含量=30mg/L Ni含量=35mg/L Cr含量=23mg/L
【0105】以上の結果から、この溶液は、バナジウム
レドックスフロー電池用電解液として好適であった。
【0106】実施例2 原料オキシ水酸化バナジウム水和物の調製 瀝青質混合物(ベネズエラ産)の燃焼の際に得られた集
塵機灰〔湿潤重量:10062g〕(水分:19.00
%、乾燥品の重量:8150g、乾燥品の分析値:V
2.50%、N15.75%、S22.60%、C0.
35%、Fe0.12%、Ni0.43%、Cr0.0
1%、Mg6.15%)〔バナジウム含有量:203.
76g(4.00モル)〕を40℃の水40Lに添加
し、攪拌して懸濁させた。得られた懸濁液のpHは2.
25であり、溶液中のV5+/総V(モル比)は0.41
3であった。
【0107】この懸濁液にSO2 ガスを22.26Lを
20分間で吹き込み、微量の酸およびアルカリでpHを
2〜2.3に調整し、30分間保持した。
【0108】濾過した後、濾過残渣(主成分:カーボ
ン)を水125mLで2回洗浄した。残渣の乾燥重量
は、34.0gであった。
【0109】次に、濾液に水を加えて51000gと
し、この溶液を窒素ガス置換した容器に保存した。この
溶液を分析すると、バナジウム含有量が0.370%、
即ち188.7gであり、原料灰からのバナジウムの収
率は92.6%であり、溶液は4価バナジウムの存在を
示す青色であった。
【0110】この溶液48649g(バナジウム含有
量:180g)を窒素ガス置換した装置の中の容器に入
れ、50±3℃でアンモニア水を徐々に添加し、pHを
4.7に30分間保持した。
【0111】析出したオキシ水酸化バナジウム水和物を
窒素ガス置換した装置の中で減圧濾過し、SO2 ガスを
バブリングしたpH4.2〜4.8に調整した水250
0mLづつで3回洗浄した。
【0112】得られたオキシ水酸化バナジウム水和物の
約半分を湿潤状態のままで窒素ガス置換した容器中に残
して保存し、残りの約半分を減圧乾燥した。
【0113】湿潤状態のものは、その量が426.9
g、バナジウム含有率が17.10%、バナジウム10
0%換算量が73.0g、溶液からのバナジウム収率が
81.1%、酸化の程度を示すV5+/(V4++V5+
〔モル比〕が0.010であった。
【0114】減圧乾燥したものは、その量が166.6
g、バナジウム含有率が43.75%、バナジウム10
0%換算量が72.9g、溶液からのバナジウム収率が
81.0%、酸化の程度を示すV5+/(V4++V5+
〔モル比〕が0.075であった。また、その夾雑金属
の分析値は、次のとおりであった。Fe:0.014
%、Ni:0.014%、Cr:0.010%
【0115】 硫酸中での硫黄還元 前記で得られたオキシ水酸化バナジウム水和物の硫酸
中での硫黄還元を行なった。
【0116】500mLの4つ口フラスコに攪拌機、温
度計および排気排出管を取付け、98%H2 SO4 40
0g(4.0モル)、硫黄(粉末)64.1g=2.0
0当量を仕込み、窒素ガス100mL/分を通じなが
ら、225〜235℃に昇温し、これに前記で得られ
たオキシ水酸化バナジウム水和物118.8g〔バナジ
ウム分析値:43.75%、バナジウム100%換算5
1.96g(1.02当量)〕を以下のように分割仕込
みをした。即ち、225〜235℃に保持した前記硫酸
中に、前記で得られたオキシ水酸化バナジウム水和物
を約10gずつ30分間間隔で添加した。
【0117】約6時間で添加を終了するが、この間、反
応混合物の粘性は、充分に攪拌可能な範囲内であった。
【0118】更に225〜235℃で3時間反応させる
と、反応混合物の粘性が一層低下し、排出ガス中のSO
2 は50ppm以下となった。
【0119】この工程において、反応混合物中に固体の
2(SO4)2 が生成し、還元が達成された。
【0120】 反応混合物中の固体のV2(SO4)2
溶解 前記の反応混合物を110〜130℃に冷却し、水3
00mLを徐々に添加した後、120〜130℃に6時
間加熱攪拌し、該反応混合物中の固体のV2(SO4)2
溶解を溶解した。その後半の3時間には窒素ガス100
mL/分を該反応混合物中に通じて、還元反応で生成し
たSO2 を追い出した。
【0121】この時点で反応液を吸光スペクトル分析し
たところ、V3+:V4+=1.00:0.02であった。
【0122】 4価バナジウム化合物、即ちオキシ水
酸化バナジウム水和物の添加・溶解による(V3+
4+)比率および(V3++V4+)濃度の調整
【0123】次に、これに前記で得られたオキシ水酸
化バナジウム水和物の中で湿潤状態のまま、窒素置換し
た容器中に残して保存しておいたオキシ水酸化バナジウ
ム水和物〔バナジウム含有率17.14%、水分60.
7%、V5+/(V4++V5+)=0.010〕291.9
g(バナジウム100%換算49.92g、0.98当
量)を添加し、120〜130℃に2時間加熱して溶解
した。
【0124】 不溶性残渣の濾過除去 次に、前記反応混合物を吸引濾過したところ、濾液とし
て次の分析値を示す電解液用原液と、濾液ケーキとして
硫黄を主体とする不溶性残渣61.0gを得た。
【0125】この不溶性残渣は、次回の仕込みの還元剤
として使用することができる。ただし、金属酸化物をも
微量含有するため、数回リサイクルをした後には、処分
することが望ましい。
【0126】 濾液の吸光スペクトル分析 前記の濾液を吸光スペクトル分析したところ、V3+
4+=1.002:1.000であった。
【0127】 濃度調整 前記で得られた濾液に水を加えて、全量を1000m
Lに調整した。
【0128】 微量の不溶性残渣の濾過除去 前記で得られた溶液中の微量の不溶解残渣をメンブラ
ンフィルターで濾過した。得られた濾液は、分析の結
果、
【0129】 V3+:V4+=1.002:1.000 (V3++V4+)=2.001モル/L SO4 2- =3.998モル/L Fe=35mg/L Ni=38mg/L Cr=20mg/L であり、バナジウムレドックスフロー電池用電解液とし
て好適であった。
【0130】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、化石燃料の
燃焼の際に発生した燃焼煤の最も簡単な処理方法で得ら
れる不純物含量が少ないバナジウム化合物を使用し、極
めて有利な方法で4価バナジウムと3価バナジウムを等
モルで含有する電解液を製造することができるという効
果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 征郎 大阪府堺市築港新町3丁27番地13 新興化 学工業株式会社内 (72)発明者 川茂 恵正 大阪府堺市築港新町3丁27番地13 新興化 学工業株式会社内 (72)発明者 徳田 信幸 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 古家 昌之 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 坂中 絃次郎 大阪府大阪市港区弁天1丁目2番1−1800 号 関電化工株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA10 BB01 BB08 BB10 EE11 HH00 HH05 HH08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)化石燃料の燃焼の際に発生した燃
    焼煤をpHを1〜3に調整した水中に懸濁した状態で還
    元剤を作用させた後、濾過して不溶性残渣を除去し、4
    価のバナジウムを含有する水溶液を得る工程、(b)前
    記工程(a)で得られた4価のバナジウムを含有する水
    溶液に、アンモニアまたはアンモニア水を添加し、該水
    溶液のpHを4.2〜4.8に調整し、オキシ水酸化バ
    ナジウム水和物を析出させる工程、(c)前記工程
    (b)で析出したオキシ水酸化バナジウム水和物を濾過
    し、取得する工程、(d)目的とする電解液中のバナジ
    ウムの含有量が〔A〕モルであるとき、硫酸(1.8〜
    3.5)×〔A〕モルと硫黄y×〔A〕モル(yは0.
    3〜4.0の数である)との混合物を160〜240℃
    に加熱し、その混合物の中に、前記工程(c)で取得し
    たオキシ水酸化バナジウム水和物のx〔A〕モル(xは
    0.51〜0.60の数である)を添加し、160〜2
    40℃の温度でオキシ水酸化バナジウム水和物を還元す
    る工程、(e)前記工程(d)で得られた反応混合物を
    150℃以下の温度に冷却し、水を該反応混合物に添加
    してSO4 2- 濃度が6〜10モル/Lとなるように調整
    した後、該反応混合物を110〜140℃に保持して析
    出物質を溶解させ、必要により濾過して溶液を得る工
    程、(f)前記工程(e)で得られた溶液に、前記工程
    (c)で取得したオキシ水酸化バナジウム水和物の(1
    −x)〔A〕モル(xは前記と同じ)を仕込み、110
    〜140℃に保持してオキシ水酸化バナジウム水和物を
    溶解させ、必要により濾過する工程、および(g)前記
    工程(f)で得られた反応混合物に水を添加し、SO4
    2- 濃度を3.5〜7.0モル/Lに調整し、必要によ
    り濾過する工程からなる3価バナジウムと4価バナジウ
    ムとを等モルで含有するバナジウムレドックスフロー電
    池用電解液の製造方法。
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