JP3356864B2 - 鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉の加熱帯 - Google Patents
鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉の加熱帯Info
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- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス、銅、アル
ミニウムなどの鋼帯用の竪型連続光輝焼鈍炉、特に、連
続的に搬送される鋼帯を保護雰囲気中で加熱することに
より、表面の高温酸化及び脱炭を防止し、表面の光輝状
態を保持しながら焼きなましする焼鈍炉における加熱帯
の構造に関する。
ミニウムなどの鋼帯用の竪型連続光輝焼鈍炉、特に、連
続的に搬送される鋼帯を保護雰囲気中で加熱することに
より、表面の高温酸化及び脱炭を防止し、表面の光輝状
態を保持しながら焼きなましする焼鈍炉における加熱帯
の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】例えば、下方から上方に向けて鋼帯を搬
送しながら焼きなましするアップヒート型のステンレス
鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉は、一般に、上方に向けて搬
送されるステンレス鋼帯を所定温度（例えば１１００
℃）まで加熱する加熱帯、加熱された鋼帯を緩速冷却す
る徐冷帯、徐冷後の鋼帯を所定温度（例えば８０℃）ま
で冷却する冷却帯、冷却された鋼帯を下方に方向転換す
るトップロール室、下方に向かう鋼帯を案内する出側シ
ュート、加熱帯の入口側と出側シュートの出口側をほぼ
同一レベル上でシールして炉内雰囲気の漏れや炉外雰囲
気の侵入をそれぞれ防止する入口シール部と出口シール
部、で構成されている。
送しながら焼きなましするアップヒート型のステンレス
鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉は、一般に、上方に向けて搬
送されるステンレス鋼帯を所定温度（例えば１１００
℃）まで加熱する加熱帯、加熱された鋼帯を緩速冷却す
る徐冷帯、徐冷後の鋼帯を所定温度（例えば８０℃）ま
で冷却する冷却帯、冷却された鋼帯を下方に方向転換す
るトップロール室、下方に向かう鋼帯を案内する出側シ
ュート、加熱帯の入口側と出側シュートの出口側をほぼ
同一レベル上でシールして炉内雰囲気の漏れや炉外雰囲
気の侵入をそれぞれ防止する入口シール部と出口シール
部、で構成されている。
【０００３】この竪型連続光輝焼鈍炉は、加熱帯の構造
によりマッフル型炉と耐火材型炉に大別される。前者
は、加熱帯の全域に亘って、上端部を固定して吊り下げ
支持されたマッフルを配設しており、マッフル内を搬送
される鋼帯は、マッフルをその外側から直火バーナ又は
電熱ヒータで加熱して間接加熱される。後者は、加熱帯
の全域に耐火レンガが内張されており、炉内を搬送され
る鋼帯は、耐火レンガの壁面に沿って配設した電熱ヒー
タで直接加熱される。
によりマッフル型炉と耐火材型炉に大別される。前者
は、加熱帯の全域に亘って、上端部を固定して吊り下げ
支持されたマッフルを配設しており、マッフル内を搬送
される鋼帯は、マッフルをその外側から直火バーナ又は
電熱ヒータで加熱して間接加熱される。後者は、加熱帯
の全域に耐火レンガが内張されており、炉内を搬送され
る鋼帯は、耐火レンガの壁面に沿って配設した電熱ヒー
タで直接加熱される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】これらマッフル型炉と
耐火材型炉とを比較すると、前者は露点温度調整時間、
すなわち炉内雰囲気条件を使用時の条件に調整するのに
要する時間が約２４時間と短時間であり、また保護雰囲
気ガスの消費量が少なく、さらにランニングコストが低
いという利点がある。反面、耐熱鋼からなるマッフルを
使用しているため、炉内温度は耐熱鋼の耐熱温度から制
限され、例えば炉内温度を約１１５０℃まで上げるのが
限界であった。また、マッフルは吊り下げ支持するの
で、マッフル長、すなわち加熱帯の長さを長くするにも
限界があり、炉の大型化、処理量の増大化が困難であっ
た。
耐火材型炉とを比較すると、前者は露点温度調整時間、
すなわち炉内雰囲気条件を使用時の条件に調整するのに
要する時間が約２４時間と短時間であり、また保護雰囲
気ガスの消費量が少なく、さらにランニングコストが低
いという利点がある。反面、耐熱鋼からなるマッフルを
使用しているため、炉内温度は耐熱鋼の耐熱温度から制
限され、例えば炉内温度を約１１５０℃まで上げるのが
限界であった。また、マッフルは吊り下げ支持するの
で、マッフル長、すなわち加熱帯の長さを長くするにも
限界があり、炉の大型化、処理量の増大化が困難であっ
た。
【０００５】一方、後者は、炉の大型化が可能なうえ、
耐火度の高い耐火レンガを使用すれば、炉内温度を例え
ば１２５０℃まで昇温できるので、マッフル型炉の約７
０％の炉長でこれと同一の処理能力が得られるという利
点がある。しかし、停炉状態から操業できる状態にする
のに約４〜５日を要し、また保護雰囲気ガスの消費量が
多く、ランニングコストが高いという欠点がある。
耐火度の高い耐火レンガを使用すれば、炉内温度を例え
ば１２５０℃まで昇温できるので、マッフル型炉の約７
０％の炉長でこれと同一の処理能力が得られるという利
点がある。しかし、停炉状態から操業できる状態にする
のに約４〜５日を要し、また保護雰囲気ガスの消費量が
多く、ランニングコストが高いという欠点がある。
【０００６】そこで、本発明は、マッフル型炉と耐火材
型炉のそれぞれの欠点を他方の利点で補完することによ
り、高い処理能力を有し、露点調整時間が短く、保護雰
囲気ガスの消費量が少なく、しかもランニングコストが
低い、大型の加熱帯を得ることを目的とする。
型炉のそれぞれの欠点を他方の利点で補完することによ
り、高い処理能力を有し、露点調整時間が短く、保護雰
囲気ガスの消費量が少なく、しかもランニングコストが
低い、大型の加熱帯を得ることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉は、炉の
加熱帯を、マッフル式加熱域と、耐火レンガを内張した
電熱式加熱域とで構成するとともに、これらマッフル式
加熱域と電熱式加熱域とを伸縮自在な連結装置で連結
し、鋼帯をマッフル式加熱域で加熱した後、電熱式加熱
域で所定温度まで加熱するようにした。
に、本発明にかかる鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉は、炉の
加熱帯を、マッフル式加熱域と、耐火レンガを内張した
電熱式加熱域とで構成するとともに、これらマッフル式
加熱域と電熱式加熱域とを伸縮自在な連結装置で連結
し、鋼帯をマッフル式加熱域で加熱した後、電熱式加熱
域で所定温度まで加熱するようにした。
【０００８】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図１において、全体を符号１で示したステン
レス鋼帯用の竪型連続光輝焼鈍炉は、一点鎖線で表した
鋼帯搬送パス２に沿って、下方から順に、ステンレス鋼
帯を常温状態（約２０℃）から約１１００℃まで加熱す
る加熱帯３、加熱された鋼帯を緩速冷却する徐冷帯４、
徐冷後の鋼帯を約８０℃まで冷却する冷却帯５を備えて
いる。焼鈍炉１はまた、冷却された鋼帯を下方に方向転
換するトップロール室６、下方に移動する鋼帯を保護す
る出側シュート７を備えており、図面には一部だけを表
した架台８で全体が支持されている。加熱帯３、徐冷帯
４、冷却帯５、トップロール室６、出側シュート７の内
部には、鋼帯搬送パス２を囲む鋼帯搬送路９（図２参
照）が連続して形成されており、この鋼帯搬送路９が、
加熱帯３の入口側に設けた入口シール装置１０と出側シ
ュート７の出口側に設けた出口シール装置１１とでほぼ
同一レベルでシールされ、炉内雰囲気の漏れと炉外雰囲
気の侵入がそれぞれ防止されている。
説明する。図１において、全体を符号１で示したステン
レス鋼帯用の竪型連続光輝焼鈍炉は、一点鎖線で表した
鋼帯搬送パス２に沿って、下方から順に、ステンレス鋼
帯を常温状態（約２０℃）から約１１００℃まで加熱す
る加熱帯３、加熱された鋼帯を緩速冷却する徐冷帯４、
徐冷後の鋼帯を約８０℃まで冷却する冷却帯５を備えて
いる。焼鈍炉１はまた、冷却された鋼帯を下方に方向転
換するトップロール室６、下方に移動する鋼帯を保護す
る出側シュート７を備えており、図面には一部だけを表
した架台８で全体が支持されている。加熱帯３、徐冷帯
４、冷却帯５、トップロール室６、出側シュート７の内
部には、鋼帯搬送パス２を囲む鋼帯搬送路９（図２参
照）が連続して形成されており、この鋼帯搬送路９が、
加熱帯３の入口側に設けた入口シール装置１０と出側シ
ュート７の出口側に設けた出口シール装置１１とでほぼ
同一レベルでシールされ、炉内雰囲気の漏れと炉外雰囲
気の侵入がそれぞれ防止されている。
【０００９】上記加熱帯３は、マッフル式加熱域１２
と、このマッフル式加熱域１２の鋼帯搬送方向下流側に
配置された耐火材式加熱域１３とで構成されており、こ
れらマッフル式加熱域１２と耐火材式加熱域１３が連結
装置１４で連結されている。
と、このマッフル式加熱域１２の鋼帯搬送方向下流側に
配置された耐火材式加熱域１３とで構成されており、こ
れらマッフル式加熱域１２と耐火材式加熱域１３が連結
装置１４で連結されている。
【００１０】マッフル式加熱域１２は、図２、３に示す
ように、セラミックスファイバなどの断熱材で構成され
た円筒状の外筒１５と、この外筒１５の内部にこれと平
行に配設された耐熱特殊鋼材〔例えばインコネル６００
（商品名）〕からなる内筒すなわちマッフル１６とで構
成されており、このマッフル１６の内部空間が鋼帯搬送
路９の一部を形成している。外筒１５には複数の直火バ
ーナ１７が例えば千鳥状に設けてあり、これらのバーナ
１７で形成される火炎によってマッフル１６が加熱され
る。外筒１５はまた、図６，７，８に示すように、縦軸
（中心軸）を中心としてほぼ９０°隔てた２つの縦断面
１８，１９に沿って、本体部２０と、これに着脱自在に
連結された分離部２１とに分割され、分離部２１にマッ
フル１６が着脱自在に保持されている。そして、本体部
２０はその下端部が架台８に固定されている。一方、分
離部２１は、マッフル１６の上端部を架台８に設けた台
車２２に固定して吊り下げ支持されている。台車２２
は、水平面上で上記２つの断面１８，１９とほぼ４５°
の角度を為す方向に配設した架台８上のレール２３，２
３に支持されている。したがって、マッフル式加熱域１
２と連結装置１４、および本体部２０と分離部２１の連
結をそれぞれ解除すれば、図６、７に示すように台車２
２をレール２３，２３に沿って移動して、分離部２１と
マッフル１６を本体部２０から分離できる。また、分離
部２１を本体部２０から分離した状態で、マッフル１６
を修理、交換できる。なお、以上のようにして吊り下げ
支持されるマッフル１６は、自重による最上部の引張応
力を軽減するために、肉厚を上部から下部へ段階的に順
次薄くするのが好ましい。
ように、セラミックスファイバなどの断熱材で構成され
た円筒状の外筒１５と、この外筒１５の内部にこれと平
行に配設された耐熱特殊鋼材〔例えばインコネル６００
（商品名）〕からなる内筒すなわちマッフル１６とで構
成されており、このマッフル１６の内部空間が鋼帯搬送
路９の一部を形成している。外筒１５には複数の直火バ
ーナ１７が例えば千鳥状に設けてあり、これらのバーナ
１７で形成される火炎によってマッフル１６が加熱され
る。外筒１５はまた、図６，７，８に示すように、縦軸
（中心軸）を中心としてほぼ９０°隔てた２つの縦断面
１８，１９に沿って、本体部２０と、これに着脱自在に
連結された分離部２１とに分割され、分離部２１にマッ
フル１６が着脱自在に保持されている。そして、本体部
２０はその下端部が架台８に固定されている。一方、分
離部２１は、マッフル１６の上端部を架台８に設けた台
車２２に固定して吊り下げ支持されている。台車２２
は、水平面上で上記２つの断面１８，１９とほぼ４５°
の角度を為す方向に配設した架台８上のレール２３，２
３に支持されている。したがって、マッフル式加熱域１
２と連結装置１４、および本体部２０と分離部２１の連
結をそれぞれ解除すれば、図６、７に示すように台車２
２をレール２３，２３に沿って移動して、分離部２１と
マッフル１６を本体部２０から分離できる。また、分離
部２１を本体部２０から分離した状態で、マッフル１６
を修理、交換できる。なお、以上のようにして吊り下げ
支持されるマッフル１６は、自重による最上部の引張応
力を軽減するために、肉厚を上部から下部へ段階的に順
次薄くするのが好ましい。
【００１１】耐火材式加熱域１３は、図４、５に示すよ
うに、矩形断面の筒状本体２４を有し、下部のブラケッ
ト２５を介して架台８に固定され、筒状本体２４の内部
空間が鋼帯搬送路９の一部を形成している。この筒状本
体２４は内面に耐火レンガを所定の厚さに積層した断熱
材層２６を備えており、断熱材層２６の内側に電熱ヒー
タ２７が等間隔に配置されている。この電熱ヒータ２７
は、例えばモリブデン線からなる波形ヒータ又は該モリ
ブデン線を内蔵したパネルヒータが用いられる。
うに、矩形断面の筒状本体２４を有し、下部のブラケッ
ト２５を介して架台８に固定され、筒状本体２４の内部
空間が鋼帯搬送路９の一部を形成している。この筒状本
体２４は内面に耐火レンガを所定の厚さに積層した断熱
材層２６を備えており、断熱材層２６の内側に電熱ヒー
タ２７が等間隔に配置されている。この電熱ヒータ２７
は、例えばモリブデン線からなる波形ヒータ又は該モリ
ブデン線を内蔵したパネルヒータが用いられる。
【００１２】連結装置１４は炉軸方向に伸縮自在として
あり、マッフル式加熱域１２におけるマッフル１６の内
部空間と耐火材式加熱域１３の内部空間を密封状態で接
続している。したがって、マッフル１６を分離・移動す
る際に本連結装置１４を若干上方へ圧縮させることによ
り、分離・移動する作業を容易にすることができる。ま
た、耐火材式加熱域１３の熱膨張が吸収される。
あり、マッフル式加熱域１２におけるマッフル１６の内
部空間と耐火材式加熱域１３の内部空間を密封状態で接
続している。したがって、マッフル１６を分離・移動す
る際に本連結装置１４を若干上方へ圧縮させることによ
り、分離・移動する作業を容易にすることができる。ま
た、耐火材式加熱域１３の熱膨張が吸収される。
【００１３】徐冷帯４、冷却帯５はそれぞれ徐冷器２
８、冷却器２９を備えており、これらが送風装置（図示
せず）に接続され、必要な温度の空気及び／又はガスが
供給されるようになっている。なお、冷却帯５に設ける
冷却器２９の数は処理能力に応じて決定される。トップ
ロール室６、出側シュート７は矩形断面又は円形断面の
筒体で構成されており、トップロール室６には下方から
搬送されてくる鋼帯を下方に方向転換するために２つの
ガイドロール３０，３０が配置されている。
８、冷却器２９を備えており、これらが送風装置（図示
せず）に接続され、必要な温度の空気及び／又はガスが
供給されるようになっている。なお、冷却帯５に設ける
冷却器２９の数は処理能力に応じて決定される。トップ
ロール室６、出側シュート７は矩形断面又は円形断面の
筒体で構成されており、トップロール室６には下方から
搬送されてくる鋼帯を下方に方向転換するために２つの
ガイドロール３０，３０が配置されている。
【００１４】マッフル式加熱域１２の下部に配置された
入口シール装置１０及び出側シュート７の下部に配置さ
れた出口シール装置１１には種々のシール装置が適用可
能で、例えば図９に示すように、一対のシール用ロール
３１，３１の備えたロールタイプシール装置、または図
１０に示すように、フェルト３２，３２とこれを鋼帯Ｓ
に接触させるフェルト押え金物３３，３３とを備えたフ
ェルトタイプシール装置が使用可能である。
入口シール装置１０及び出側シュート７の下部に配置さ
れた出口シール装置１１には種々のシール装置が適用可
能で、例えば図９に示すように、一対のシール用ロール
３１，３１の備えたロールタイプシール装置、または図
１０に示すように、フェルト３２，３２とこれを鋼帯Ｓ
に接触させるフェルト押え金物３３，３３とを備えたフ
ェルトタイプシール装置が使用可能である。
【００１５】以上の構成を構成を有する焼鈍炉１は、鋼
帯搬送路９に雰囲気ガスとしてＨＮガス、すなわち水素
Ｈ2と窒素Ｎ2を所定の割合で混合したガスが供給されて
充填され、入口シール装置１０と出口シール装置１１で
雰囲気ガスの漏出が防止される。この雰囲気ガスの供給
量は、炉内圧力が約＋２５〜＋５０ｍｍＡｑに保たれる
ように調整するのが好ましい。マッフル式加熱域１２の
直火バーナ１７にはそれぞれ燃料と燃焼用空気の混合ガ
スが供給され、これらの燃焼による火炎によりマッフル
１６が加熱される。一方、耐火材式加熱域１３の電熱ヒ
ータ２７に所定の電圧が印加されて加熱される。したが
って、鋼帯搬送パス２に沿って鋼帯搬送路９を搬送され
るステンレス鋼帯Ｓは、図１１に示すように、マッフル
式加熱域１２においてマッフル１６からの輻射熱により
約７００℃まで一次加熱されたのち、耐火材式加熱域１
３において電熱ヒータ２７で約１１００℃まで加熱され
る。次に、ステンレス鋼帯Ｓは、徐冷帯４で約８００℃
まで冷却され、冷却帯５で約８０℃まで冷却されたの
ち、トップロール室６、出側シュート７を介して次工程
に搬送される。
帯搬送路９に雰囲気ガスとしてＨＮガス、すなわち水素
Ｈ2と窒素Ｎ2を所定の割合で混合したガスが供給されて
充填され、入口シール装置１０と出口シール装置１１で
雰囲気ガスの漏出が防止される。この雰囲気ガスの供給
量は、炉内圧力が約＋２５〜＋５０ｍｍＡｑに保たれる
ように調整するのが好ましい。マッフル式加熱域１２の
直火バーナ１７にはそれぞれ燃料と燃焼用空気の混合ガ
スが供給され、これらの燃焼による火炎によりマッフル
１６が加熱される。一方、耐火材式加熱域１３の電熱ヒ
ータ２７に所定の電圧が印加されて加熱される。したが
って、鋼帯搬送パス２に沿って鋼帯搬送路９を搬送され
るステンレス鋼帯Ｓは、図１１に示すように、マッフル
式加熱域１２においてマッフル１６からの輻射熱により
約７００℃まで一次加熱されたのち、耐火材式加熱域１
３において電熱ヒータ２７で約１１００℃まで加熱され
る。次に、ステンレス鋼帯Ｓは、徐冷帯４で約８００℃
まで冷却され、冷却帯５で約８０℃まで冷却されたの
ち、トップロール室６、出側シュート７を介して次工程
に搬送される。
【００１６】なお、上記説明では、焼鈍炉１は下方から
順に加熱帯３、徐冷帯４、冷却帯５を配置し、下方から
上方に向けて鋼帯Ｓを搬送しながら焼きなましするアッ
プヒート型竪型炉としたが、加熱帯３と冷却帯５の配置
を上下逆にして鋼帯を下向きに搬送しながら焼きなまし
するダウンヒート型竪型炉にも本発明は適用可能であ
る。
順に加熱帯３、徐冷帯４、冷却帯５を配置し、下方から
上方に向けて鋼帯Ｓを搬送しながら焼きなましするアッ
プヒート型竪型炉としたが、加熱帯３と冷却帯５の配置
を上下逆にして鋼帯を下向きに搬送しながら焼きなまし
するダウンヒート型竪型炉にも本発明は適用可能であ
る。
【００１７】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかる鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉の加熱帯は、マッフル
式加熱帯と耐火材式加熱帯とで構成されている。したが
って、加熱帯をマッフル式加熱帯だけで構成した場合に
は炉の大型化は困難であるが、マッフル式加熱帯と耐火
材式加熱帯とを組み合わせることでより、竪型焼鈍炉の
大型化が可能となる。
かかる鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉の加熱帯は、マッフル
式加熱帯と耐火材式加熱帯とで構成されている。したが
って、加熱帯をマッフル式加熱帯だけで構成した場合に
は炉の大型化は困難であるが、マッフル式加熱帯と耐火
材式加熱帯とを組み合わせることでより、竪型焼鈍炉の
大型化が可能となる。
【００１８】また、加熱帯をマッフル式加熱帯だけで構
成した場合には、このマッフル式加熱帯で鋼帯を約１１
００℃まで加熱しなければならないので、マッフルの耐
久寿命が短く、短期にマッフルを修理又は交換しなけれ
ばならないが、本発明によればマッフル式加熱帯では鋼
帯をその温度まで加熱する必要がなく、すなわち最終的
に耐火材式加熱帯で約１１００℃まで加熱すればよく、
マッフルの耐用期間が長くなり、コストが低減する。
成した場合には、このマッフル式加熱帯で鋼帯を約１１
００℃まで加熱しなければならないので、マッフルの耐
久寿命が短く、短期にマッフルを修理又は交換しなけれ
ばならないが、本発明によればマッフル式加熱帯では鋼
帯をその温度まで加熱する必要がなく、すなわち最終的
に耐火材式加熱帯で約１１００℃まで加熱すればよく、
マッフルの耐用期間が長くなり、コストが低減する。
【００１９】さらに、ステンレス鋼はクロムを含有して
おり、約８００℃以下の温域では雰囲気ガス中の水素の
還元力が弱いので、酸化を防止するには水分を低くする
必要があるが、本発明の焼鈍炉では上記温域をマッフル
構成としているので、水分を低くして酸化を防ぐことが
できる。その結果、光輝性に優れた製品が得られる。
おり、約８００℃以下の温域では雰囲気ガス中の水素の
還元力が弱いので、酸化を防止するには水分を低くする
必要があるが、本発明の焼鈍炉では上記温域をマッフル
構成としているので、水分を低くして酸化を防ぐことが
できる。その結果、光輝性に優れた製品が得られる。
【００２０】そしてまた、加熱帯を耐火材式加熱帯だけ
で構成した場合に比べて、雰囲気ガスの消費量が少なく
ランニングコストが低くなり、また露点温度調整時間が
短くなる。
で構成した場合に比べて、雰囲気ガスの消費量が少なく
ランニングコストが低くなり、また露点温度調整時間が
短くなる。
【図１】 鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉の概略構成を示す
正面図である。
正面図である。
【図２】 本発明にかかる鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉に
おける加熱帯の断面図である。
おける加熱帯の断面図である。
【図３】 図２のIII−III線に沿ったマッフル式加熱域
の下部断面図である。
の下部断面図である。
【図４】 図２のIV−IV線に沿った耐火材式加熱域の下
部断面図である。
部断面図である。
【図５】 図２のV−Vに沿った耐火材式加熱域の下部断
面図である。
面図である。
【図６】 マッフルを加熱炉から分離した状態の説明図
である。
である。
【図７】 図６と共にマッフルを加熱炉から分離する状
態の説明図である。
態の説明図である。
【図８】 マッフル式加熱域と耐火材式加熱域の連結部
の構造を示す部分断面図である。
の構造を示す部分断面図である。
【図９】 ロールタイプシール装置の断面図である。
【図１０】 フェルトタイプシール装置の断面図であ
る。
る。
【図１１】 加熱帯を搬送される鋼帯の温度変化を示す
図である。
図である。
１…鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉、３…加熱帯、１２…マ
ッフル式加熱域、１３…耐火材式加熱域、１４…連結装
置、１７…直火バーナ、２６…断熱材層（耐火レン
ガ）、２７…電熱ヒータ、Ｓ…鋼帯。
ッフル式加熱域、１３…耐火材式加熱域、１４…連結装
置、１７…直火バーナ、２６…断熱材層（耐火レン
ガ）、２７…電熱ヒータ、Ｓ…鋼帯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホセ・マリア・コルネホ スペイン国アルヘシラス（カディス）、 アパルタド デ コレオス146番 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C21D 1/00 - 11/00
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉において、前
記炉の加熱帯を、マッフル式加熱域と、耐火レンガを内
張した電熱式加熱域とで構成するとともに、これらマッ
フル式加熱域と電熱式加熱域とを伸縮自在な連結装置で
連結し、鋼帯をマッフル式加熱域で加熱した後、電熱式
加熱域で所定温度まで加熱することを特徴とする鋼帯用
竪型連続光輝焼鈍炉の加熱帯。
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|---|---|---|---|
| JP06249894A JP3356864B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 鋼帯用竪型連続光輝焼鈍炉の加熱帯 |
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| DE69416823T DE69416823T2 (de) | 1994-03-31 | 1994-08-18 | Vertikaler Blankglühofen für die kontinuierliche Wärmebehandlung von Metallbändern |
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- 1994-08-18 EP EP94112929A patent/EP0675208B1/en not_active Expired - Lifetime
-
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- 1995-03-30 CN CN95104583A patent/CN1040661C/zh not_active Expired - Lifetime
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