JP3355419B2 - 鋳物砂充填用テーブルの振動装置 - Google Patents

鋳物砂充填用テーブルの振動装置

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JP3355419B2 JP24024493A JP24024493A JP3355419B2 JP 3355419 B2 JP3355419 B2 JP 3355419B2 JP 24024493 A JP24024493 A JP 24024493A JP 24024493 A JP24024493 A JP 24024493A JP 3355419 B2 JP3355419 B2 JP 3355419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消失模型鋳造または自
硬性鋳型の造型において、水平1軸方向の孔が形成され
ていても、これらの孔内で十分な砂の充填密度を確保す
ることのできる鋳物砂充填用テーブルの振動装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】消失模型鋳造法は、従来の鋳造法と比べ
て有利な点を多く有している優れた鋳造法であるといえ
る。しかし、高品質の鋳造品を得るためには、鋳枠内に
設置した発泡成型品によってなる消失模型を変形させ
ず、また消失模型の中空部に鋳物砂を充填させて溶湯の
鋳込時に消失模型の壁移動を起こさない強さで発生ガス
を充分に逃がす通気性を有して鋳物砂を充填することが
要求される。
【0003】このため、従来は振動テーブル上に鋳枠を
載置固定して、振動テーブルおよび鋳枠を振動させるこ
とによって鋳物砂の充填がなされている。すなわち、図
5および図6に示すように。機台1上にバネ2、2を介
して水平かつ揺動自在にテーブル3を配置し、このテー
ブル3の下面にY軸に平行な水平軸線をもつ2台の振動
モータ4、4を取付け、この振動モータ4、4を互いに
反対方向に回転させて、テーブル3およびテーブル3に
載置固定した鋳枠5をZ軸方向に振動させることによっ
て、消失模型6の周辺に鋳物砂7を充填させるように構
成した振動装置。あるいは、図7および図8に示すよう
に、前記振動装置に加えて、テーブル3の両側部にZ軸
に平行な垂直軸線をもつ2台の振動モータ8、8を追加
固着し、この振動モータ8、8を互いに反対方向に回転
させて、テーブル3および鋳枠5をZ軸方向とX軸方向
の2方向に振動させることによって、消失模型6の周辺
に鋳物砂7を充填させるように構成した振動装置などが
使用されている。
【0004】しかし、前記従来の振動装置では、消失模
型6に水平1軸方向若しくは水平2軸方向の孔が形成さ
れていると、これらの孔内で十分な砂の充填密度を確保
することができない欠点を有している。このことは、本
発明者によるつぎの実験により確認することができた。
なお、充填実験は、図9に示す実験装置を使用して行っ
た。すなわち、実験装置は、一辺の長さWが300m
m、高さHが400mmの鋳枠5の内部にテストピース
9を設置し、その周辺に鋳物砂7を充填させる。テスト
ピース9は、透明アクリル樹胞製のもので、一様な内径
(d1=25mmφ)を持つ本管部9Aと、本管部9A
の軸線C1に直交する軸線C2を有して本管部9Aから
分岐された一様な内径(d2=15mmφ)と長さ(L
=90mm)を持つ枝管部9Bによって構成されてお
り、本管部9Aの軸線C1を垂直に指向させ、枝管部9
Bの軸線C2を鋳物砂7の頂面7Aから所定の深さ(D
=225mm)に設定するとともに、本管部9Aの上端
を鋳物砂7の頂面7Aから突出させてある。このような
実験装置を、図5および図6の如き従来の標準型振動装
置による第1従来例のテーブル3に載置固定して、振動
時間を30秒に設定した場合の測定結果を表1に示し、
また、同じ実験装置を、図7および図8の如き第1従来
例に2台の振動モータ8、8を追加固定した振動装置に
よる第2従来例のテーブル3に載置固定して、振動時間
30秒に固定した場合の測定結果を表2に示す。 表1に対応する従来の振動装置では、鋳物砂7のX軸方
向の流入量が無いことを確認した。このことは、消失模
型6にX軸方向の孔が形成されていると、この孔内で十
分な砂の充填密度を確保することができないことを示し
ている。また、表2に対応する従来の振動装置でも、X
軸方向の砂の流入量を期待することができないことを示
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これから明らかになっ
たことは、消失模型にX軸方向もしくはX軸方向とY軸
方向の孔が形成されていると、これらの孔内への砂の流
入状態が悪く、孔内で充分な鋳物砂の充填密度を確保す
ることが出来ない点である。
【0006】そこで、上面に鋳枠が着脱可能に固定され
る鋳物砂充填用テーブルの振動装置であって、機台上に
バネを介して揺動自在に配置されたテーブルと、このテ
ーブルの側方に張り出して、平行な水平軸線を有して取
り付けられ、かつ同一方向に回転する2台の振動モータ
と、を具備することで、消失模型にX軸方向の孔が形成
されていても、この孔内で充分な鋳物砂の充填密度を確
保すること、鋳枠内の各位置においても比較的均一な鋳
物砂の充填密度を確保することができたしかし、この
場合において、鋳枠内の各部の揺動が均一となり難いこ
とが分った。 本発明は、同一方向に回転する2台の振動
モータを備え、垂直方向と水平1方向の2方向に同時に
振動する鋳物砂充填用テーブルの振動装置において、鋳
枠内の各位置において均一な振動軌跡が得られて、消失
模型や自硬性鋳型に水平1軸方向の孔が形成されていて
も、より一層均一な鋳物砂の充填を行うことが出来るよ
うにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 上面に鋳枠が
着脱可能に固定される鋳物砂充填用テーブルの振動装置
であって、機台上にバネを介して揺動自在に配置された
テーブルと、このテーブルの側方に張り出して平行な水
平軸線を有して取り付けられ、かつ同一方向に回転する
2台の振動モータと、を具備し、機台上のバネの上端の
位置が振動モータの水平軸線より低い位置にあることを
特徴とする。
【0008】
【作 用】先ず、2台の振動モータが同一方に回転する
ことで、テーブルは、垂直方向と水平1方向(例えばX
軸方向)の2方向に同時に振動する。これにより、消失
模型にX軸方向の孔が形成されていても、この孔内で充
分な鋳物砂の充填密度を確保することができるととも
に、鋳枠内の各位置においても比較的均一な鋳物砂の充
填密度を確保することができるものである。
【0009】本発明によれば、2台の振動モータが、
台上のバネの上端の位置が振動モータの水平軸線より低
い位置にあって同一方に回転することで、テーブルは、
垂直方向と水平1方向(例えばX軸方向)の2方向に同
時に振動するが、この際、鋳枠内の各位置において均一
な振動軌跡が得られて、これにより、消失模型にX軸方
向の孔が形成されていても、この孔内で充分な鋳物砂の
充填密度を確保することができるとともに、鋳枠内の各
位置においてもより一層均一な鋳物砂の充填密度を確保
することができるものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明にかかる同一方向に回転する2台
の振動モータを備え、垂直方向と水平1方向の2方向に
同時に振動する鋳物砂充填用テーブルの振動装置の基本
的な原理を説明する正面図、図2は図1の平面図であ
る。なお、前記従来例と同一もしくは相当部分には、同
一符号を付して説明する。図1および図2において、機
台1上にバネ2、2を介して水平かつ揺動自在にテーブ
ル3を配置し、このテーブル3の側面にY軸平行な水平
軸線をもつ2台の振動モータ4、4を取付けている。鋳
枠5内には、鋳物砂7が充填されているとともに、鋳物
砂7の内部に消失模型6が設置されてている。このよう
な構成において振動モータ4,4を同一方向に回転させ
ると、テーブル3およびテーブル3に載置固定した鋳枠
5は垂直方向(Z軸)と水平1方向(X軸)の2方向に
同時に振動する。
【0011】「比較実験例1」として、図9で示す実験
装置を、図1及び図2のテーブル3に載置固定して、振
動時間を30秒に設定した場合の測定結果を表3に示
す。
【0012】表3において、第1従来例の測定結果(表
1)と比較して、X軸方向の流入量高が大幅に増大する
ことを確認した。このことは、消失模型にX軸方向の孔
が形成されていても、この孔内で十分な鋳物砂7の充填
密度を確保することができることを証明している。
【0013】図3は、本発明にかかる鋳物砂充填用テー
ブルの振動装置の実施例を示す正面図、図4は図3の平
面図である。なお、上述の基本的な原理を説明する鋳物
砂充填用テーブルの振動装置と同一もしくは相当部分に
は、同一符号を付している。ここでは、図3および図4
において、機台1上に機台1上にバネ2、2を介して水
平かつ揺動自在にテーブル3を配置し、このテーブル3
の側面にY軸平行な水平軸線をもつ2台の振動モーター
4、4を水平軸線の垂直方向の高さがバネ2、2の頂部
より高い位置になるように取り付けている。換言する
と、機台1上のバネ2、2の上端の位置が振動モータ
4、4の水平軸線より低い位置にある。このような構成
において、振動モータ4、4を同一方向に回転させる
と、テーブル3およびテーブル3に載置固定した鋳枠5
は垂直方向(Z軸)と水平1方向(X軸)の2方向に振
動する。
【0014】そこで、テーブルの下部に従来の振動モー
タを取り付けた場合と、上記本発明の基本原理説明およ
び本発明の実施例の鋳枠の動きについて調査した。な
お、振動テーブル上の鋳枠中央とその両側部の振動軌跡
を、振動モータを同一方向に回転して測定して、その測
定値をX軸(図中(イ)にて表示、以下同じ)、Z軸
(ロ)方向の振幅で、同時にX、Z軸の振動軌跡(ハ)
の各々3ヵ所の軌跡を記録した。これによると、図10
は、テーブルの下部に振動モータを取付けた従来の振動
措置の場合で、水平方向の振動軌跡は、鋳枠中央部およ
びその両側部とも不規則となり、良好なる充填作用を示
していない。図11の本発明の基本原理説明の場合は、
鋳枠中央部は望ましい振動軌跡を示しているが、その両
側部は揺動の影響がみられる。また、図12の本発明の
実施例の場合は、鋳枠中央およびその両側部の各部分に
おいては均一な振動軌跡が得られ、鋳枠全体に亘って均
一な砂の淳点が行われることが判る。
【0015】なお、上記実施例では、消失模型鋳造にお
ける鋳物砂の充填に適用して説明しているが、本発明は
自硬性鋳型の造型に適用しても、前記実施例と同様の作
用・効果を奏することができるものである。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、本発明は、同一方向に
回転する2台の振動モータを備え、垂直方向と水平1方
向の2方向に同時に振動する鋳物砂充填用テーブルの振
動装置において、鋳枠内の各位置において均一な振動軌
跡が得られて、消失模型や自硬性鋳型に水平1軸方向の
孔が形成されていても(該孔が例えば鋳枠中央部および
/又はその両側部に位置していても)、より一層均一な
鋳物砂の充填を行うことが出来る効果を奏する。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の基本原理を示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の装置の実施例を示す正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】第1従来例を示す正面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】第2従来例を示す正面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】実験装置の斜視図である。
【図10】テーブルの下部に従来の振動モータを取付け
た時の振動軌跡の説明図である。
【図11】本発明の装置の基本原理における振動軌跡の
説明図である。
【図12】本発明の実施例における振動軌跡の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 機台 2 バネ 3 テーブル 4 振動モータ 5 鋳枠 6 消失模型 7 鋳物砂 8 振動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 15/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に鋳枠が着脱可能に固定される鋳物砂
    充填用テーブルの振動装置であって、機台上にバネを介
    して揺動自在に配置されたテーブルと、このテーブルの
    側方に張り出して平行な水平軸線を有して取り付けら
    れ、かつ同一方向に回転する2台の振動モータと、を具
    備し、機台上のバネの上端の位置が振動モータの水平軸
    線より低い位置にあることを特徴とする鋳物砂充填用テ
    ーブルの振動装置。
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