JP2562660B2 - 鋳型造型装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、消失模型鋳造法の鋳型造型装置の改良に関
するものであり、詳しくは、中空部を有する長尺消失性
模型を変形させることなく乾燥砂に埋設する鋳型造型装
置に関するものである。

（従来の技術） 従来の鋳型造型装置として、特開昭61-276742号公報
に示すようなものがあり、このものは、ガスを吸引排出
する多数の小孔を穿設したガス抜き管（パイプ部材）
が、鋳枠の底部に垂設されている。

（発明が解決しようとする課題） 従来の鋳型造型装置は、あらかじめ乾燥砂が充填され
ている鋳枠の底から圧力空気を送り込んで、乾燥砂を流
動化させ、その中に消失性模型を埋設するものであり、
中空部を有する長尺消失性模型を埋設する場合、乾燥砂
抵抗によって消失性模型が変形したり、あるいは消失性
模型がガス抜き管（パイプ部材）に接触すると、注湯時
に溶湯がガス抜き管（パイプ部材）内に流入するという
問題点がある。そこで、本発明はかかる問題点を解消す
るためになされたもので、中空部を有する長尺消失性模
型の変形およびガス抜き管（パイプ部材）との接触を防
止すると共に、簡単に該消失性模型を乾燥砂に埋設でき
る鋳型造型装置を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、ガスを吸引排出する多数の小孔を穿設した
ガス抜き管および内部に該ガス抜き管を挿入したパイプ
部材を、鋳枠に設け、乾燥砂が消失性模型の上端まで充
填された時、パイプ部材を引き抜くように構成した鋳型
造型装置である。

（作用） 本発明は上述のような構成であるので、ガス抜き管お
よびパイプ部材を具備した鋳枠内に床砂を投入した後、
消失性模型をパイプ部材に挿通させて床砂上に配置す
る。次いで、パイプ部材を固定した後、鋳枠に振動を加
えながら乾燥砂を投入し、乾燥砂が消失性模型の上端ま
で充填された時、パイプ部材を引き抜き、さらに鋳枠に
振動を加えながら乾燥砂を投入して消失性模型を埋設せ
しめる。

（実施例） 図面は本発明に係る鋳型造型装置であり、鋳枠１の底
部に、ガスを吸引排出する多数の小孔（図示せず）を穿
設したガス抜き管２、２および内部にガス抜き管２、２
を挿入したパイプ部材３、３が垂設され、パイプ部材
３、３の上端は支持部材４によって支持されると共に、
ガス抜き管２、２の下端は鋳型１の底部に穿設された透
孔５、５に連通するように形成されている。

次に、鋳型造型を説明する。

ガス抜き管２、２およびパイプ部材３、３が垂設された
鋳枠１に床砂（乾燥砂）６を投入した後、鋳枠１を介し
て床砂６に振動を加え、次いで中空部を有する長尺消失
性模型７、７をパイプ部材３、３に挿通して床砂６上に
配置する。しかる後、パイプ部材３、３の上端を支持部
材４によって支持すると共に、支持部材４を鋳枠１に係
止し、次いで鋳枠１に振動を加えながら乾燥砂（図示せ
ず）を投入する。乾燥砂（図示せず）が該消失性模型
７、７の上端まで充填された時、乾燥砂（図示せず）の
投入を停止し、支持部材４を除去すると共に、パイプ部
材３、３を引き抜く。さらに、鋳枠１に振動を加えなが
ら乾燥砂（図示せず）を投入して該消失性模型７、７を
埋設せしめると、鋳型が造型される。

（発明の効果） 本発明によれば、ガスを吸引排出する多数の小孔を穿
設したガス抜き管および内部に該ガス抜き管を挿入した
パイプ部材を、鋳枠に設け、乾燥砂が消失性模型の上端
まで充填された時、パイプ部材を引き抜くので、中空部
を有する長尺消失性模型の変形およびガス抜き管との接
触が防止され、寸法精度の良好な鋳型が造型できる。さ
らに、本鋳型によれば、乾燥砂に埋設された長尺消失性
模型の中空部にガス抜き管が挿入されているので、中空
部側にガス欠陥のない鋳肌の美麗な長尺中空鋳物を鋳造
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る鋳型造型装置の断面図である。 １……鋳枠、２……ガス抜き管、３……パイプ部材、７
……長尺消失性模型。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中空部を有する消失性模型を鋳枠の床砂上
   に配置した後、鋳枠に振動を加えながら乾燥砂を投入し
   て消失性模型を乾燥砂に埋設せしめる鋳型造型装置にお
   いて、ガスを吸引排出する多数の小孔を穿設したガス抜
   き管および内部に該ガス抜き管を挿入したパイプ部材
   を、鋳枠に設け、乾燥砂が消失性模型の上端まで充填さ
   れた時、パイプ部材を引き抜くことを特徴とする鋳型造
   型装置。