JP3352472B2 - ブロックポリイソシアナート組成物、及び一液型熱硬化性被覆用組成物 - Google Patents

ブロックポリイソシアナート組成物、及び一液型熱硬化性被覆用組成物

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JP3352472B2
JP3352472B2 JP24062692A JP24062692A JP3352472B2 JP 3352472 B2 JP3352472 B2 JP 3352472B2 JP 24062692 A JP24062692 A JP 24062692A JP 24062692 A JP24062692 A JP 24062692A JP 3352472 B2 JP3352472 B2 JP 3352472B2
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polyisocyanate
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブロックポリイソシアナ
ート及び一液型熱硬化性被覆用組成物、更に詳しくは加
熱黄変性に優れた塗膜をあたえるブロックポリイソシア
ナート及びそれを用いた一液型熱硬化性被覆用組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタン樹脂塗料は、非常に
優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を有している上に
脂肪族または脂環族イソシアナートより誘導されたポリ
イソシアナートを用いたポリウレタン樹脂塗料は更に耐
候性に優れ、その需要は増加する傾向にある。しかしな
がら、一般にポリウレタン樹脂塗料は二液性であるため
使用には極めて不便であった。すなわち、通常のウレタ
ン塗料はポリオール成分とポリイソシアナート成分の二
成分からなり、別々に貯蔵し、塗装時に両成分を混合す
る必要がある。また一旦混合した塗料は数時間〜数日間
でゲル化して使用できなくなるのが現状である。このこ
とは、自動車、建築あるいは、弱電気塗装の様なライン
塗装を行う分野においては自動塗装を行うことを極めて
困難にしている。更に、作業終了後の塗装機及び塗装槽
の洗浄を充分に行う必要があるので作業効率は著しく低
下する。
【0003】従来前記の欠点を改善するために、活性な
イソシアナート基のすべてを活性水素含有化合物(以
下、ブロック剤と云う)で封鎖したブロックポリイソシ
アナートを用いることが提案されている。このブロック
ポリイソシアナートは、常温ではポリオールとは反応し
ないが、比較的高温ではブロック剤を解離し活性なイソ
シアナート基が再生されポリオールと反応し架橋反応が
起こる性質を有するので一応前記の欠点を改善すること
が出来る。
【0004】従って数多くのブロックポリイソシアナー
トの検討がなされてきた。(例えば、特開平2−620
号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記架
橋温度条件で形成された塗膜は、脂肪族または脂環族の
無黄変型ポリイソシアナート系ブロックポリイソシアナ
ートを使用するにも拘らず、若干の黄変が避けられなか
った。外観を重視する塗料において、この若干の黄変は
ブロックポリイソシアナートを用いる塗料の用途が限定
される要因となっていた。
【0006】従ってブロックポリイソシアナートを用い
た黄変しない塗料の出現が熱望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ブロックイソシア
ナート基と特定基を別々に又はあわせもつ脂肪族または
脂環族ブロックポリイソシアナート組成物を用いること
で上記課題が解決できることを見いだし本発明に至っ
た。即ち、本発明は、下記一般式(1)で示されるカル
バゾイル基、または下記一般式(2)で示されるセミカ
ルバジド基を有する化合物を含有する脂肪族または脂環
族ブロックポリイソシアナート組成物、前記化合物が熱
解離性ブロックイソシアナート基と下記一般式(2)で
示されるセミカルバジド基を1 分子中に共に有する化合
物を含有する脂肪族または脂環族熱解離性ブロックポリ
イソシアナート組成物、下記一般式(3)で示される化
合物を含有する脂肪族または脂環族ブロックポリイソシ
アナート組成物、その熱解離性ブロックイソシアナート
基のブロック剤がオキシム系、活性メチレン系、または
酸アミド系であり、前記化合物と多価ヒドロキシ化合物
を主成分とする1液型熱硬化性被覆用組成物に関する。
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】以下、本発明を更に詳しく述べる。本発明
のブロックポリイソシアナートはポリイソシアナートと
ブロック剤との公知の反応によって得られる。ポリイソ
シアナートとしては、例えばイソシアヌレート変性ポリ
イソシアナート、ビュレット変性ポリイソシアナート、
ウレタン変性ポリイソシアナート等がある。好ましく
は、耐候性、耐熱性に優れた、イソシアヌレート変性ポ
リイソシアナートである。イソシアヌレート変性ポリイ
ソシアナートを合成する際、例えば特開昭57−473
21号公報や特開昭61−111371号公報等の様に
ヒドロキシル化合物を用いて変性してもよい。変性に用
いられるヒドロキシル化合物としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、フェノール等の
モノヒドロキシル化合物、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル1,
3−ペンタンジオール等のジヒドロキシル化合物等があ
る。これらは、単独で使用しても、2種以上の併用でも
よい。
【0014】これらポリイソシアナートは脂肪族または
脂環族ジイソシアナートより誘導される。脂肪族ジイソ
シアナートとしては、炭素数4〜30のものが、脂環族
ジイソシアナートとしては、炭素数8〜30のものが好
ましく、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアナ
ート、1,5−ペンタメチレンジイソシアナート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4(ま
たは2,4,4)−トリメチル−1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、イソホ
ロンジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナート
メチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアナート等を挙げる
ことが出来る。中でも耐候性、工業的入手の容易さか
ら、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(以下H
MDIと称す)、イソホロンジイソシアナート(以下I
PDIと称す)が好ましい。これらは、単独で使用して
もよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0015】この様にして得られたポリイソシアナート
のイソシアナート基はブロック剤によりブロックされ、
ブロックポリイソシアナート基となる。ブロック剤とし
ては例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノー
ル、ブチルフェノール等のフェノール系、ブチルセロソ
ルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベン
ジルアルコール、メタノール、エタノール、2−エチル
ヘキサノール等のアルコール系、マロン酸ジメチル、マ
ロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセチルアセトン等の活性メチレン系、ブチルメル
カプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系、
アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ
−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等の酸アミド
系、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド
系、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール系、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系、
ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトンオ
キシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオ
キシム等のオキシム系、ジフェニルアミン、アニリン、
カルバゾール等のアミン系、エチレンイミン、ポリエチ
レンイミン等のイミン系等がありオキシム系、酸アミド
系、活性メチレン系が好ましく、特にアセトンオキシ
ム、メチルエチルケトキシム、アセト酢酸エチル、アセ
ト酢酸メチル、ε−カプロラクタムが好ましい。これら
ブロック剤は単独で使用しても、2種以上の併用でも良
い。
【0016】ブロック化反応は溶剤の存在の有無に関わ
らず行うことが出来る。溶剤を用いる場合、イソシアナ
ート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。ブロ
ック化反応終了後はイソシアナート基に対して活性な溶
剤で希釈することが出来る。ブロック化反応に際して、
錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩及び3級アミン等を触媒と
して用いてもよい。
【0017】ブロック化反応は、一般に−20〜150
℃で行うことが出来るが、好ましくは0〜100℃であ
る。あまり高温では副反応を起こす可能性があり、他
方、あまり低温になると反応速度が小さくなり不利であ
る。実質的に活性なイソシアナート基がなくなる様にブ
ロックされることが好ましい。本発明に用いられるカル
バゾイル基は、例えばカルボン酸クロライドとN,N−
ジ置換ヒドラジンの反応によって、もしくはカルボン酸
エステルとN,N−ジ置換ヒドラジンとのエステル交換
反応等によって、セミカルバジド基は、例えばイソシア
ナート化合物とN,N−ジ置換ヒドラジンとの反応等に
よって得られる。N,N−ジ置換ヒドラジンとしては、
例えばN,N−ジメチルヒドラジン、N,N−ジエチル
ヒドラジン、N,N−ジプロピルヒドラジン、N,N−
ジイソプロピルヒドラジン、N,N−ジステアリルヒド
ラジン、N−メチル−N−エチルヒドラジン、N−メチ
ル−N−イソプロピルヒドラジン、N−メチル−N−ベ
ンジルヒドラジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチ
ル)−ヒドラジン等が挙げられるが、炭素数は合計で2
0個程度までが好ましい。炭素数が多すぎるとヒドラジ
ン残基が占める割合が多くなり安定化のために多量の配
合を必要とするだけでなくブロックポリイソシアナート
組成物及び/または一液型熱硬化性組成物との相溶性も
低下する欠点を生じる。好ましくは、4以下の炭素数の
アルキル基で置換されたヒドラジンである。特に好まし
いのは、N,N−ジメチルヒドラジンである。これらの
N,N−ジ置換ヒドラジンは単独で使用しても2種以上
の併用で使用してもよい。イソシアナート化合物とし
て、ブロックポリイソシアナートの製造に用いられるポ
リイソシアナートを用いる場合とブロックポリイソシア
ナートの製造には関与しないイソシアナート化合物を用
いる場合がある。前者の方が、出来た塗膜から溶出しな
い点、相溶性が良い点等で優れているが、後者の方が合
成が簡単である点等で優れている。前者の場合、セミカ
ルバジド基はブロックポリイソシアナートの分子中に存
在することになる。この場合、N,N−ジ置換ヒドラジ
ンとイソシアナート基の反応は、ブロック剤とイソシア
ナート基の反応の前に行っても、同時に行っても、途中
に行っても、後に行っても良いが、ポリイソシアナート
1分子に2分子以上のN,N−ジ置換ヒドラジンが反応
する確率をできるだけ低くする必要がある。2分子以上
のN,N−ジ置換ヒドラジンと反応したブロックポリイ
ソシアナートは、多価ヒドロキシ化合物と反応する時に
架橋反応に関与しにくくなるという欠点がある。N,N
−ジ置換ヒドラジンはポリイソシアナートのイソシアナ
ート基の0.01〜33%と反応する量を添加すること
が出来る。好ましくは、1〜12%である。添加量が少
なすぎると効果が不充分になり、多すぎると多価ヒドロ
キシル化合物との反応性が低下し良好な塗膜物性が得ら
れない。
【0018】N,N−ジ置換ヒドラジンがブロックポリ
イソシアナートの製造には関与しないイソシアナート化
合物と反応する場合とは、別途合成したセミカルバジド
基含有化合物をブロックポリイソシアナート組成物及び
/またはその合成のための原料に添加する場合である。
セミカルバジド基含有化合物はブロックポリイソシアナ
ートに対して0.01〜20重量%添加される。好まし
くは、0.5〜10重量%である。これより少ないと効
果が不充分であり、これより多すぎると良好な塗膜物性
が得られない。
【0019】この場合のイソシアナート化合物は、例え
ば1,4−テトラメチレンジイソシアナート、1,5−
ペンタメチレンジイソシアナート、HMDI、2,2,
4(または2,4,4)−トリメチル−1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、
IPDI、1,3−ビス(イソシアナートメチル)−シ
クロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアナート、キシリレンジイソシアナート、テトラメ
チルキシレンジイソシアナート等の脂肪族または脂環族
ジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、
2,4−トリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソ
シアナート等の芳香族ジイソシアナート及び、これらジ
イソシアナートより誘導されるポリイソシアナート、n
−ブチルイソシアナート、n−ヘキシルイソシアナー
ト、、n−オクチルイソシアナート、フェニルイソシア
ナート等のモノイソシアナートを挙げることが出来る。
ジイソシアナートより誘導されるポリイソシアナート
は、上記のブロックポリイソシアナートの製造に用いら
れるポリイソシアナートと同様にイソシアヌレート変性
ポリイソシアナート、ビュレット変性ポリイソシアナー
ト、ウレタン変性ポリイソシアナート等がある。
【0020】これらイソシアナート化合物の内、好まし
くは脂肪族または脂環族ジイソシアナート及び、それよ
り誘導されるポリイソシアナートであり、より好ましく
はHMDIまたはIPDIより誘導されるイソシアヌレ
ート変性ポリイソシアナートである。これらイソシアナ
ート化合物は2種以上を併用しても良い。イソシアナー
ト化合物とN,N−ジ置換ヒドラジンとの反応は、溶剤
の有無に関わらず行うことが出来る。溶剤を用いる場合
イソシアナートに対して不活性な溶剤を用いる必要があ
る。反応は、一般に−20〜150℃で行うことが出来
るが、好ましくは0〜100℃である。100℃以上で
は副反応を起こす可能性があり、他方、あまり低温にな
ると反応速度が小さくなり不利である。
【0021】本発明の多価ヒドロキシル化合物は通常被
覆用に用いられるものであれば特に制限なく使用可能で
あり、少なくとも1分子中に2個以上の水酸基を含有す
る化合物である。この様なものの例としては、アクリル
ポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテ
ルポリオール類、脂肪族炭化水素ポリオール類、エポキ
シ樹脂類、フッ素ポリオール等が挙げられる。中でも好
ましいのはアクリルポリオール類、ポリエステルポリオ
ール類、フッ素ポリオール類である。
【0022】このうち、アクリルポリオール類は、例え
ば、以下のような水酸基含有ビニルモノマーとその他の
モノマーから通常の方法により重合することが出来る。
水酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。その他のビニルモ
ノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸3−ベンジル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オク
チル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルブチルなどの(メタ)ア
クリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸などの
カルボキシル基含有モノマー;スチレン、ビニルトルエ
ン、グリシジルメタアクリレートなどが挙げられる。ま
た、該アクリルポリオール類は、水酸基価が20〜15
0好ましくは30〜100、酸価が0〜50、好ましく
は5〜20、重量平均分子量が3000〜10000
0、好ましくは5000〜30000の範囲であること
が望ましい。
【0023】ポリエステルポリオール類は、例えばフタ
ル酸及びその酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、及びその酸無水物、ヘキサヒドロフタ
ル酸及びその酸無水物、コハク酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、セバシン酸、ブラシリン酸などの多塩基酸成分と
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメタ
ノールなどのポリオール成分を常法に従い縮合重合させ
ることにより製造することが出来るものである。これら
のポリエステルポリオールは水酸基価20〜150、好
ましくは30〜130が適しており、酸価は50以下、
好ましくは5〜30が適している。
【0024】ポリエーテルポリオール類としては、例え
ばグリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコー
ルの単独または、混合物に、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独ま
たは混合物を付加して得られるポリエーテルポリール
類、ポリテトラメチレングリコール類、更にアルキレン
オキサイドにエチレンジアミン、エタノールアミン類な
どの多官能化合物を反応させて得られるポリエーテルポ
リオル類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアク
リルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポ
リオール類等が含まれる。
【0025】脂肪族炭化水素ポリオール類としては、例
えば末端水素基化ポリブタジエンやその水素添加物等が
挙げられる。エポキシ樹脂類としては、例えばノボラッ
ク型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリ
シジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽
和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪族エステル型、
多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、ハロ
ゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類が挙げられ
る。
【0026】フッ素ポリオール類としては、例えば特開
昭57−34107号、特開昭61−275311号等
で開示されているフルオロオレフィン、シクロヘキシル
ビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共
重合体等が挙げられる。ブロックポリイソシアナート組
成物の潜在イソシアナート基と多価ヒドロキシル化合物
の水酸基のモル比は通常0.5〜2.5に設定される。
【0027】本発明の一液型熱硬化性被覆用組成物は、
ブロックポリイソシアナート以外の硬化剤を併用するこ
とが出来る。その硬化剤としては、例えばメチル化メラ
ミン、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン等
のメラミン樹脂、メチル化尿素、ブチル化尿素等の尿素
樹脂等がある。本発明の組成物には、以下に示すような
当該技術分野で常用される原料が使用できる。例えば、
キナクリドン系、アゾ系、フタロシアニン系等の有機顔
料、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリ
カ等の無機顔料、その他、炭素系顔料、金属箔状顔料、
防錆顔料等の顔料、ヒンダードアミン系、ベンゾトリア
ゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、
リン系、イオウ系等の酸化防止剤、ウレタン化(ブロッ
ク剤解離)触媒、レベリング剤、レオロジーコントロー
ル剤、顔料分散剤等の添加剤や溶剤等。
【0028】本発明組成物は、鋼板、表面処理鋼板等の
金属やプラスチック等の被塗物素材に直接塗布して用い
ることが出来る。また、通常の自動車塗装と同様に該被
塗物素材にプライマー/中塗りを施した塗膜面に本発明
の組成物をビヒクルとする塗料を上塗りとして、あるい
は、通常のソリッド塗料やメタリック塗料を上塗り塗装
した後に上塗りを保護するためのクリヤー塗料として用
いることが出来る。
【0029】本発明の組成物は、自動車上中塗り塗料、
プラスチック塗料、プレコートメタル用塗料等や、本発
明の組成物を水分散させることにより電着塗料等に用い
ることが出来る。本発明の組成物を自動車上塗り塗料と
して使用する場合の塗装方法は、本発明組成物を15〜
30秒(フォードカップ#4、20℃)程度の塗装粘度
に調節し、静電塗装、エアスプレーを用いて乾燥膜厚で
10〜60μ程度になるようにする。
【0030】また焼き付け硬化条件は、120〜180
℃程度で10〜30分間程度である。
【0031】
【実施例】本発明を実施例を挙げて、更に詳しく説明す
る。実施例及び比較例中の「部」は重量基準である。 (黄変度△b)デジタル自動測色色差計(スガ試験機
(株)製)で測定したb値の焼付け前塗膜のb値との差
(増加分)であり、下記のように評価した。
【0032】×:3以上 △:2以上3未満 ○:
1以上2未満 ◎:1未満
【0033】
【参考例1】(ブロックポリイソシアナートの製法) 撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4ツ口フラス
コにHMDIを原料としたイソシアヌレート変性ポリイ
ソシアナート化合物(旭化成工業(株)の商品名「デュ
ラネートTPA」)100部をキシレン99部に溶解し
た後、メチルエチルケトオキシム49部を40〜50℃
の範囲で、1時間かけ添加した。赤外スペクトルによる
イソシアナート基の吸収が消失した事を確認しブロック
ポリイソシアナートを得た。
【0034】
【参考例2】(ブロックポリイソシアナートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4ツ口フラス
コにHMDIを原料としたイソシアヌレート変性ポリイ
ソシアナート化合物(旭化成工業(株)の商品名「デュ
ラネートTPA」)100部、アセト酢酸エチル73
部、アセチルアセトン亜鉛1水和物0.2部、キシレン
114部を混合した。その後90℃に昇温し12時間反
応させた。赤外スペクトルによるイソシアナート基の吸
収が消失した事を確認しブロックポリイソシアナートを
得た。
【0035】
【実施例1】アクリルポリオール(大日本インキ(株)
の商品名「アクリディックA−801」、固形分50
%、水酸基価50mgKOH/g)100部、参考例1
で得られたブロックポリイソシアナート40部、ジブチ
ル錫ジラウレート0.37部、セミカルバジド基含有化
合物(日本ヒドラジン工業(株)の商品名「HN−30
0P」固形分20%)0.39部を混合し、酢酸エチル
/トルエン/酢酸ブチル/キシレン/プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート(重量比30/30
/20/15/5)からなるシンナーで塗料粘度がフォ
ードカップ#4で20秒になるように調整した。これを
エアースプレーガンで乾燥塗膜が50ミクロンになるよ
うに白色タイルに塗装し、室温で30分セッティング
後、160℃で1時間焼付けした。焼付け塗膜の黄変度
b値を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【実施例2】撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた
4ツ口フラスコにHMDIを原料としたイソシアヌレー
ト変性ポリイソシアナート化合物(旭化成工業(株)の
商品名「デュラネートTPA」)100部を入れ、それ
にキシレン98部、メチルエチルケトオキシム48部、
N,N−ジメチルヒドラジン1部の混合液を40〜50
℃の範囲で、1時間かけ添加した。赤外スペクトルによ
るイソシアナート基の吸収が消失した事を確認しブロッ
クポリイソシアナートを得た。
【0037】参考例1のブロックポリイソシアナートの
代わりにここで得たブロックポリイソシアナート41部
を用い、セミカルバジド基含有化合物(HN−300
P)を用いなかった以外は、実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0038】
【実施例3】撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた
4ツ口フラスコにHMDIを原料としたイソシアヌレー
ト変性ポリイソシアナート化合物(旭化成工業(株)の
商品名「デュラネートTPA」)100部、アセト酢酸
エチル69部、アセチルアセトン亜鉛1水和物0.2部
を入れ、それにキシレン111部とN,N−ジメチルヒ
ドラジン2部の混合液を1時間かけ添加した。その後9
0℃に昇温し12時間反応させた。赤外スペクトルによ
るイソシアナート基の吸収が消失した事を確認しブロッ
クポリイソシアナートを得た。
【0039】参考例1のブロックポリイソシアナートの
代わりにここで得たブロックポリイソシアナート49部
を用い、セミカルバジド基含有化合物(HN−300
P)を用いなっかった以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0040】
【実施例4】撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた
4ツ口フラスコにIPDIを原料としたイソシアヌレー
ト変性ポリイソシアナート化合物(ヒュルス社の商品名
「IPDI・T1890S」固形分70%)100部を
入れ、それにキシレン33部、メチルエチルケトオキシ
ム25部、N,N−ジメチルヒドラジン0.7部の混合
液を40〜50℃の範囲で、1時間かけ添加した。赤外
スペクトルによるイソシアナート基の吸収が消失した事
を確認しブロックポリイソシアナートを得た。
【0041】参考例1のブロックポリイソシアナートの
代わりにここで得たブロックポリイソシアナート51部
を用い、セミカルバジド基含有化合物(HN−300
P)を用いなっかった以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0042】
【比較例1】セミカルバジド基含有化合物(HN−30
0P)を添加しなかった以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0043】
【比較例2】実施例3のブロックポリイソシアナートの
代わりに参考例2のブロックポリイソシアナート47
部、を用いた以外は、実施例3と同様に行った。結果を
表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明のブロックポリイソシアナート組
成物を用いた一液型熱硬化性被覆用組成物は、ポリウレ
タン被覆物の耐候性、可撓性、耐薬品性、の優れた性能
に加え、熱等による黄変がなく、例えば外観を重要視す
る自動車のボディー及びプラスチック用の塗料として優
れた性能を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C07C 281/06 C07D 251/34 C09D 175/04 - 175/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるカルバゾイ
    ル基、または下記一般式(2)で示されるセミカルバジ
    ド基を有する化合物を含有することを特徴とする、脂肪
    族または脂環族熱解離性ブロックポリイソシアナート組
    成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 熱解離性ブロックイソシアナート基、及
    び上記一般式(2)で示されるセミカルバジド基を1分
    子中に共に有する化合物を含有することを特徴とする、
    脂肪族または脂環族熱解離性ブロックポリイソシアナー
    ト組成物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で示される化合物を含
    有することを特徴とする、脂肪族または脂環族熱解離性
    ブロックポリイソシアナート組成物。 【化3】 【化4】 【化5】
  4. 【請求項4】 上記一般式(3)の熱解離性ブロックイ
    ソシアナート基のブロック剤がオキシム系、活性メチレ
    ン系、または酸アミド系であることを特徴とする、請求
    項3に記載の脂肪族または脂環族熱解離性ブロックポリ
    イソシアナート組成物。
  5. 【請求項5】 (a)多価ヒドロキシ化合物、(b)請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物、を主成分と
    する一液型熱硬化性被覆用組成物。
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