JP3442191B2 - 低温硬化性1液塗料組成物 - Google Patents
低温硬化性1液塗料組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温硬化性1液塗料組成
物に関する。 【0002】 【従来技術】塗料組成物としては、エポキシ樹脂系塗料
組成物が、エポキシ樹脂の持つ優れた反応性、物性を利
用し、プレコートメタル用塗料、缶用塗料、自動車用塗
料、建設用重防食塗料として広く用いられている。これ
らの場合の多くは、更に硬化剤を使用し、塗膜物性を高
めている。その硬化剤としてはアミン系硬化剤、ポリア
ミドアミン系硬化剤、酸及び酸無水物系硬化剤、ブロッ
クポリイソシアネート系硬化剤、ジシアンアミド系硬化
剤、有機ヒドラジド系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化
剤など多数ある。 【0003】これらの硬化剤の中でも1液性熱硬化型塗
料を形成できるブロックポリイソシアネート系硬化剤が
多用されている。例えば、自動車塗装におけるカチオン
電着、プレコートメタルのプライマー等がある。ブロッ
クポリイソシアネート系硬化剤はエポキシ樹脂の持つ水
酸基と反応し、ウレタン結合を形成することで強靭かつ
柔軟性のある塗膜物性が得られる。 【0004】従って、エポキシ樹脂に積極的に水酸基を
導入する場合が多い。例えば、特公平6−99652号
公報、特公平6−21237号公報などの自動車用のカ
チオン電着では、ビスフェノール型のエポキシ樹脂中の
エポキシ基とアミン系化合物を反応させ、反応性の高い
1級水酸基を導入している。また、特開平2−1031
32号公報、特開平2−194946号公報等の防錆鋼
板の塗装でも、水酸基を有するビスフェノール型エポキ
シ樹脂をブロックポリイソシアネートで硬化させること
が記載されている。 【0005】さらに、特開平2−215826号公報で
はエポキシ樹脂/芳香族ブロックポリイソシアネート/
ポリサルファイド/アミン系硬化剤を必須成分とする常
温硬化性塗料組成物が提案されている。一方、自動車な
どの上塗り塗料として、エポキシ基、水酸基を有するア
クリル樹脂をブロックポリイソシアネート系硬化剤で架
橋させる技術が例えば、特開平2−145666号公
報、特開平5−39454号公報で提案されている。 【0006】これらの塗料は省エネルギー、生産性向上
等の観点から更なる低温硬化性と優れた貯蔵安定性が要
求されていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記要求に鑑
み低温硬化性を有し、貯蔵安定性に優れた低温硬化性1
液性熱硬化型塗料組成物の確立にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、低温硬化性を有し、なおかつ一般に知られてい
るような常温硬化性塗料組成物では考えられない、優れ
た貯蔵安定性を有する塗料組成物を発見し、本発明に至
った。即ち本発明はエポキシ基濃度0.5〜5重量%で
あり、かつ水酸基を有するエポキシ樹脂及び/又はエポ
キシ基濃度0.5〜10重量%であり、かつ水酸基を有
するアクリル樹脂、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシア
ネートからなるポリイソシアネートから得られるブロッ
クポリイソシアネート、環状アミン系化合物、アミノフ
ェノール系化合物、脂環基を有するアミン化合物および
トリアジン基を含有するアミノ基から選ばれる3級アミ
ン化合物を必須成分とする低温硬化性1液塗料組成物。
を骨子とするものである。 【0009】更に本発明を詳細に述べる。本発明に用い
るエポキシ基と水酸基を共に有する樹脂としては、例え
ばノボラック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラ
ン型、グリシジルエーテル型、グリコールエーテル型、
脂肪族不飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エ
ステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジ
ル型、ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類
が挙げられ、例えば、ポリフェノール化合物をアリカリ
存在下にエピクロルヒドリンと反応させることにより製
造されるポリフェノール化合物のエポキシエーテルがあ
る。前記のポリフェノール化合物としては、例えば、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)プロパン、
ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど
がある。 【0010】エポキシ基式量を43とした、下記で示さ
れる樹脂1重量部当たりのエポキシ基濃度は0.1〜2
0%、好ましくは0.5〜10、更に好ましくは0.5
〜5%である。 【0011】 【数1】 【0012】好ましい構造を式(1)で示す。 【0013】 【化1】 【0014】前記ポリフェノールのエポキシエーテル化
合物は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエ
ステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン
酸、ポリイソシアネートなどと部分的に反応させてもよ
く、さらに、カプロラクトン、アクリルモノマーを重合
させてもよい。また、エポキシ基と水酸基を共に有する
アクリル樹脂も使用できる。このアクリル樹脂を合成す
るためのモノマーとしては (1)グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリ
レート、グリシジルメタアクリルアミド、アリルグリシ
ジルなどのエポキシ基含有ビニル単量体 (2)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートなどの
炭素数1〜8のヒドロキシアルキルエステル (3)メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、
エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、i−
ブチルアクリレート、i−ブチルメチアクリレート、t
ert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルア
クリレート、ラウリルメタアクリレート、ステアリルア
クリレート、ステアリルメタアクリレート、アクリル酸
デシルなどのアクリル酸またはメタアクリル酸の炭素原
子数1〜24のアルキルまたはシクロアルキルエステル (4)スチレン、ビニルトルエン、プロピオン酸ビニ
ル、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビ
ニルピバレートなどのビニル単量体があり、上記
(1)、(2)を必須とし、(3)および(4)から選
ばれたモノマーとの共重合体がある。 【0015】この共重合体の数平均分子量は500〜5
0,000、好ましくは1,000〜20,000であ
る。樹脂1重量部当たりのエポキシ基濃度は0.1%〜
10%であり、好ましくは0.5%〜10%である。
0.1%未満であると低温架橋性が不十分になり、10
%を越えると塗料の貯蔵安定性が低下する。前記エポキ
シ基の一部はアミン化合物などで変成されても良いが、
エポキシ基を有することは必要である。このアミン化合
物としては、脂肪族、脂環族または芳香−脂肪族の第1
級、第2級もしくは第3級アミン化合物があり、具体的
には下記の化合物などが挙げられる。 (1)メチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−また
はiso−プロピルアミン、モノエタノールアミン、n
−またはiso−プロパノールアミンなどの第1級アミ
ン化合物 (2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−ま
たはiso−プロパノールアミン、N−メチルエタノー
ルアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級ア
ミン化合物 (3)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどのポ
リアミン化合物これらの中で水酸基を有するアルカノー
ルアミン化合物が好ましい。 【0016】一方これらの樹脂の水酸基濃度は20〜5
00mgKOH/g樹脂、好ましくは50〜200mg
KOH/g樹脂である。20mgKOH/g樹脂未満で
あると、塗膜の架橋が充分でなく、500mgKOH/
g樹脂を越えると塗膜の強靭性が低下したり、塗膜焼付
後の耐水性が低下するなど好ましくない。本発明に用い
るブロックポリイソシアネートを得るためのポリイソシ
アネートは、以下に述べる脂肪族/脂環族ジイソシアネ
ートである。脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数
4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートとしては、
炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチ
レン−1,4−ジイソシアネナート、ペンタメチレン−
1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、2,2,4(または2,4,4)−トリメチル
−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3
−ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサン、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジ
イソシアネート等を挙げることができる。工業的入手の
容易さから、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下H
MDIと称す)、イソホロンジイソシアネート(以下I
PDIと称す)が好ましい。これらは、単独で使用して
もよく、2種以上混合して使用してもよい。 【0017】これらのジイソシアネートから得られるポ
リイソシアネートとしては、活性水素化合物と反応させ
て得られるウレタン変性型ポリイソシアネート、ビウレ
ット型ポリイソシアネート、イソシアネート基の重合で
得られるイソシアヌレート型ポリイソシアネート等があ
る。これらはジイソシアネートが除去されたポリイソシ
アネートであり、実質的にジイソシアネートを含んでい
ないことが好ましい。 【0018】ウレタン変性型ポリイソシアネートは前記
のジイソシアネートと分子内に2個以上の活性水素を有
する化合物を反応させて得ることができる。この様な活
性水素を有する化合物は低分子活性水素量化合物及び高
分子量活性水素化合物がある。低分子量活性水素化合物
としては、分子内に2個以上の活性水素を有する化合物
であり、例えば2官能性以上のアルコールとしてはエチ
レングリコール、1,2−または1,3−ブロピレング
リコール、1,3−または1,4−または2,3−ブチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、、ペンタエ
リトリトールなどがある。 【0019】高分子量活性水素化合物としては、脂肪族
炭化水素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポ
リエステルポリオール類、エポキシ樹脂類が挙げられ
る。脂肪族炭化水素ポリオール類の具体例としては、例
えば、末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物等
が挙げられる。またポリエーテルポリオール類として
は、例えばグリセリンやプロピレングリコール等の多価
アルコールの単独または混合物に、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド
の単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポ
リオール類、ポリテトラメチレングリコール類、更にア
ルキレンオキサイドにエチレンジアミン、エタノールア
ミン類などの多官能化合物を反応させて得られるポリエ
ーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体
としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆる
ポリマーポリオール類等が含まれる。 【0020】ポリエステルポリオール類としては、例え
ばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独ま
たは混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から
選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反
応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類及び
例えばε−カプロラクトンをトリメチロールプロパンな
どの多価アルコールを用いて開環重合して得られるよう
なポリカプロラクトン類等が挙げられる。 【0021】エポキシ樹脂類としては、例えばノボラッ
ク型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリ
シジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽
和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル型、
多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、ハロ
ゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類が挙げられ
る。 【0022】イソシアヌレート型ポリイソシアネートを
得るためのイソシアヌレート化反応は通常触媒が用いら
れる。ここで用いられる触媒は、一般に塩基性を有する
ものが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニ
ウムのハイドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸等
の有機弱酸塩、例えばトリメチルヒドロキシプロピル
アンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウ
ム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリ
エチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシア
ルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや例えば酢
酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、アルキルカルボン酸
の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルキル金属塩、例えばナ
トリウム、カリウム等の金属アルコラート、例えばヘ
キサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、
マンニッヒ塩基類、第3級アミン類とエポキシ化合
物との併用、例えばトリブチルホスフィン等の燐系化
合物等がある。 【0023】触媒濃度は、通常、イソシアネート化合物
に対して10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
反応は溶媒を用いても、用いなくてもよい。溶媒を用い
る場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用
いるべきである。反応温度は通常20〜160℃、好ま
しくは40〜130℃である。反応終点は用いる多価ア
ルコールにより異なるが、収率が概ね20%以上とな
る。 【0024】反応が目的の収率に達したならば、例え
ば、スルホン酸、燐酸等により触媒を失活させ、反応を
停止する。未反応ジイソシアネートおよび溶剤を除去し
イソシアヌレート構造を有するイソシアヌレート型ポリ
イソシアネートを得ることができる。またイソシアヌレ
ート化反応に先立ちあるいは同時に低分子量活性水素化
合物とジイソシアネートのウレタン化反応を行ってウレ
タン変性しても良い。低分子量活性水素化合物とは前記
の低分子量活性水素化合物、高分子量活性化合物好まし
くは3価以上のアルコール以外にモノアルコールである
例えば炭素数1から13のメタノール、エタノール、ブ
タノール、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、ノ
ナノール、デカノール、ウンデカノール、トリデカノー
ル等がある。 【0025】上記ポリイソシアネートの中でもイソシア
ヌレート型ポリイソシアネートが耐熱性などの観点から
好ましい。この様にして得られたポリイソシアネートの
イソシアネート基をブロック剤と反応させ、ブロックポ
リイソシアネートが得られる。前記のブロック剤として
は例えば、アルキルフェノール系、フェノール系、活性
メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、
イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミ
ド系、ピラゾール系化合物等がある。より具体的なブロ
ック化剤の例を下記に示す。 (1)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアル
キル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェ
ノール類であって、例えばn−プロピルフェノール、i
−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec
−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキ
シルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−
オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノア
ルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジ
イソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ
−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、
ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェ
ノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−
ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類 (2)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香
酸エステル等 (3)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチ
ルアセトン等 (4)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシル
メルカプタン等 (5)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−
カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラク
タム等 (6)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド
等 (7)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール等 (8)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等 (9)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアル
ドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等 (10)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カル
バゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、イソプロピルエチルアミン等 (11)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミ
ン等 (12)重亜硫酸塩;重亜硫酸ソーダ等 (13)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾ
ール、3,5−ジメチルピラゾール等がある。 【0026】アルキルフェノール系、オキシム系、酸ア
ミド系、活性メチレン系が好ましく、特にノニルフェノ
ール、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ε
−カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチ
ルが好ましく、2種以上混合しても良い。前記ブロック
ポリイソシアネートとエポキシ基及び水酸基含有樹脂の
混合割合は、ブロックポリイソシアネートが持つ有効イ
ソシアネート基と水酸基の当量比率が1/0.1〜1/
10、好ましくは1/0.25〜1/4である。 【0027】本発明に用いる第3級アミン系化合物とし
ては、例えば、(1) トリオクチルアミン、N−メチル−
ジオクチルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミ
ン、N,N−ジブチル−2−エチルヘキシルアミン、
N,N−ジイソプロピルエチルアミン、3−ジエチルア
ミノ−1−プロパノール、N−イソブチルジエタノール
アミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−
ジアミノエタン、N,N,N’,N’,−テトラメチル
−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’N’
−ペンタメチルジエチレントリアミンなどの脂肪族第3
級アミン系化合物、(2) N−メチルモリホリン、N−エ
チルモルホリンなどのモルホリン系化合物、(3) N−メ
チルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチル−
3−ピペリジンメタノール、N−ホルミルピヘリジン、
N−ホルミル−4−ピペコリン、N−メチル−3−ヒド
ロキシビペリジン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリ
ジン、N−メチル−4−ヒドロキシピペリジン、4−ピ
ペリジノピペリジン、ジピペリジノメタン、1,3−ジ
−(4−ピペリジル)プロパンなどのピペリジン系化合
物、(4) N−メチル−4−ピペリドン、N−ベンジルピ
ペリドンなどのピペリドン系化合物、(5) N,N−ジメ
チルベンジルアミン、N,N−ジベンジルエタノールア
ミン、トリベンジルアミン、1−ベンジル−4−ヒドロ
キシピペリジンなどの芳香環含有第3級アミン系化合
物、(6) N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジ
ン、N−ブチルピロリジン、N−メチル−2−ヒドロキ
シエチルピロリジン、N−ホルミルピロリジンなどのピ
ロリジン系化合物、(7) 3,6−ジクロロピリダジンな
どのピリダジン系化合物、(8) ピリミジン、2−メチル
ピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テト
ラヒドロピリミジンなどのピリミジン系化合物、(9) N
−ヒドロキシエトキシエチルピペラジン、N−メチルピ
ペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジエ
チルピペラジン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチ
ルピペラジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピ
ル)2−メチルピペラジン、N−メチル−N’−ヒドロ
キシエチルピペラジン、N−カルベトキシピペラジン、
N−ホルミルピペラジン、1−(o−クロロフェニル)
ピペラジン、1−(m−クロロフェニル)ピペラジン、
1−(p−クロロフェニル)ピペラジン、1−(2−ピ
リジミル)ピペラジン、1−シクロペンチルピペラジ
ン、1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジ
ン、1−(3−クロロフェニル)−4−(3−クロロプ
ロピル)ピペラジン、N−(2−ピリジル)ピペラジ
ン、N−メチルホモピペラジンなどのピペラジン系化合
物、(10)ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメ
チルピラジンなどのピラジン化合物、(11)ピリジン及び
メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチルなどの
モノアルキル、ジアルキル及びメタノール、エタノー
ル、プロパンジオール、プロパントリオールなどのアル
カノール付加ピリジンなどのピリジン系化合物、(12)イ
ミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、(1
3)1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、1,4−ジアザビシク
ロ(2,2,2)オクタン、2−メチル−1,4−ジア
ザビシクロ(2,2,2)オクタンなどの環状アミン系
化合物、(14)2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、ジメチルアミノメチルフェノール、ト
リス(ジメチルアミノフェノール)などのアミノフェノ
ール系化合物、(15)N,N−ジメチルシクロヘキシルア
ミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンなどの脂環基
を有するアミン化合物、(16)N,N’,N”−トリス
(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリア
ジンなどのトリアジン基を有するアミン化合物などがあ
る。これらのアミン化合物は酸などにより完全または部
分中和されても良い。前記酸としては、炭素数1〜17
の例えば酢酸、オクチル酸、オレイン酸、カプリン酸な
どの有機カルボン酸、p−トルエンスルホン酸などの有
機スルホン酸などがある。好ましい第3級アミン化合物
としては前記の(13)(14)(15)(16)などのアミン化合物で
ある。 【0028】本発明に用いる第4級アミン化合物として
は、例えば、(1) テトラメチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハ
イドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸などの有機
弱酸塩、例えば塩酸などの無機酸塩、(2) トリメチルヒ
ドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシ
エチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルア
ンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム
等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサ
イドや例えば酢酸、カプリン酸などの有機弱酸塩などが
ある。 【0029】前記第3級及び第4級アミン系化合物の添
加量は、前記エポキシ基及び水酸基を共に有する樹脂と
ブロックポリイソシアネートの樹脂分合計重量に対して
0.05〜10重量%であり、好ましくは0.2〜2
重量%である。0.05重量%未満であると塗膜の硬化
が不十分になり、10重量%を越えると、塗料の貯蔵安
定性が低下する。 【0030】前記エポキシ基及び水酸基を共に有する樹
脂、ブロックポリイソシアネート、3級及び4級アミン
系化合物以外に用途に応じて、いくつかの材料が併用さ
れる。 溶剤としては、例えば有機溶剤として、例え
ば、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶
剤、メタノール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどの
アルコール系溶剤、エチレングリコール、セロソル
ブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエ
ーテル系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は1
種もしくは2種以上混合して使用される。 【0031】顔料としては、例えばキナクリドンなど
のキナクリドン系化合物、ピグメントレッドなどのアゾ
系化合物、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーンなどのフタロシアニン系化合物などの有機顔料、
酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、バリタ、
クレー、ヒュームドシリカなどの無機顔料、カーボン
ブラックなどの炭素系顔料、アルミニウム、雲母状酸
化鉄、ステンレススチールなどの燐片状メタリック顔
料、ベンガラ、ストロンチウムクロメートなどの防錆
顔料などがある。 【0032】また上記以外に紫外線吸収剤、表面調整
剤、顔料分散剤などの添加剤を使用することもできる。
本発明の塗料組成物は、カルボン酸基を有する樹脂を使
用しないことが好ましいが、使用する場合、その樹脂の
酸価は20mgKOH/g以下、好ましくは10mgK
OH/g以下である。酸価が20mgKOH/gが越え
ると塗料の貯蔵安定性が悪くなり、好ましくない。 【0033】この様に調整された塗料組成物はロール塗
装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装などにより、鋼
板、表面処理鋼板などの金属、プラスチックなどの素材
にプライマーまたは上塗りとして、また防錆鋼板を含む
プレコートメタル、自動車などの塗装に有用である。 【0034】 【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。 (ゲル分率)硬化塗膜を、ブチルセロソルブに50℃で
8時間浸漬した時の未溶解部分重量の浸漬前対する割合
であり、90%未満は×、90%以上は○で表した。 (塗料安定性)塗料を50℃で1週間保存し、その流動
性を観察した。大きな粘度増加、または流動性のない状
態を×、わずかな粘度増加及び粘度増加無しを○とし
た。 【0035】 【製造例−1】エポキシ基と水酸基を共に有するビスフ
ェノールAタイプエポキシ樹脂(旭チバの商品名AER
6007、エポキシ基濃度2.2%、水酸基価180m
gKOH/g)100部をフチルセロソルブ150部に
溶解し、エポキシ樹脂溶液(A−1)を得た。 【0036】 【製造例−2】エポキシ基と水酸基を共に有するビスフ
ェノールAタイプエポキシ樹脂(旭チバの商品名AER
6007)100部をフチルセロソルブ158部に溶解
し、温度を90℃にした後、ジエタノールアミン5.1
部を反応温度が90℃を保つように30分かけて滴下し
た。滴下終了後、反応温度100℃で1時間保持した。
樹脂分40%のエポキシ基を含まない樹脂(A−2、樹
脂当たりの水酸基価240mgKOH/g)を得た。 【0037】 【製造例−3】キシレン100部中で、スチレン30
部、n−ブチルメタクリレート20部、2−エチルヘキ
シルアクリレート10部、グリシジルメタクリレート3
0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部のモノ
マーを反応させ、樹脂分50%、水酸基価48mgKO
H/g樹脂、樹脂当たりのエポキシ基濃度9.1%のエ
ポキシ基と水酸基を共に含有したアクリル系樹脂(A−
3)を得た。 【0038】 【製造例−4】キシレン85部、n−ブタノール15部
の有機溶剤中でスチレン30部、n−ブチルメタクリレ
ート40部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、
アクリル酸10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート
10部のモノマーを反応させて、樹脂固形分50%,水
酸基価48mgKOH/g樹脂、酸価78mgKOH/
g樹脂の酸価含有アクリル樹脂(A−4)を得た。 【0039】 【実施例1】製造例−1で得られた樹脂溶液(A−1)
100部、ヘキサメチレンジイソシアネート系ウレタン
変性イソシアヌレート型ブロックポリイソシアネート2
4部(旭化成工業の商品名「デュラネートMF−B80
M)、第3級アミン系化合物1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン0.30部(三共エアプロダク
ツの商品名「DABCO」)を配合し、ブリキ板にアプ
リケーター塗装した。120℃に保持されているオーブ
ンで塗装されたブリキ板を30分焼き付けた。焼き付け
た塗膜を剥離し、ゲル分率を測定した。ゲル分率は○で
あった。 【0040】また別途、上記塗料液を密閉状態で50℃
に保持されているオーブンに1週間放置し、塗料の流動
状態を観察した。その結果、塗料はゲル化せずに良好な
流動状態を保っていた。結果を表1に示す。 【0041】 【実施例2〜7】表1で示した配合以外は実施例1と同
様に行った。 【0042】 【実施例8〜10】製造例−2で得たアクリル系樹脂
(A−3)を用いて、表1に示す配合で行った以外は実
施例−1と同様に行った。結果を表1に示す。 【0043】 【比較例1〜4】配合を表1に示すが、それ以外は実施
例−1と同様に行った。結果を表2に示す。 【0044】 【表1】 【0045】 【表2】【0046】 【発明の効果】本発明によれば、低温硬化性と貯蔵安定
性共に優れ、塗装工程における生産性効率の向上、省エ
ネルギー、耐熱性のない被塗物材質への適用など非常に
有用な塗料組成物を提供できる。
物に関する。 【0002】 【従来技術】塗料組成物としては、エポキシ樹脂系塗料
組成物が、エポキシ樹脂の持つ優れた反応性、物性を利
用し、プレコートメタル用塗料、缶用塗料、自動車用塗
料、建設用重防食塗料として広く用いられている。これ
らの場合の多くは、更に硬化剤を使用し、塗膜物性を高
めている。その硬化剤としてはアミン系硬化剤、ポリア
ミドアミン系硬化剤、酸及び酸無水物系硬化剤、ブロッ
クポリイソシアネート系硬化剤、ジシアンアミド系硬化
剤、有機ヒドラジド系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化
剤など多数ある。 【0003】これらの硬化剤の中でも1液性熱硬化型塗
料を形成できるブロックポリイソシアネート系硬化剤が
多用されている。例えば、自動車塗装におけるカチオン
電着、プレコートメタルのプライマー等がある。ブロッ
クポリイソシアネート系硬化剤はエポキシ樹脂の持つ水
酸基と反応し、ウレタン結合を形成することで強靭かつ
柔軟性のある塗膜物性が得られる。 【0004】従って、エポキシ樹脂に積極的に水酸基を
導入する場合が多い。例えば、特公平6−99652号
公報、特公平6−21237号公報などの自動車用のカ
チオン電着では、ビスフェノール型のエポキシ樹脂中の
エポキシ基とアミン系化合物を反応させ、反応性の高い
1級水酸基を導入している。また、特開平2−1031
32号公報、特開平2−194946号公報等の防錆鋼
板の塗装でも、水酸基を有するビスフェノール型エポキ
シ樹脂をブロックポリイソシアネートで硬化させること
が記載されている。 【0005】さらに、特開平2−215826号公報で
はエポキシ樹脂/芳香族ブロックポリイソシアネート/
ポリサルファイド/アミン系硬化剤を必須成分とする常
温硬化性塗料組成物が提案されている。一方、自動車な
どの上塗り塗料として、エポキシ基、水酸基を有するア
クリル樹脂をブロックポリイソシアネート系硬化剤で架
橋させる技術が例えば、特開平2−145666号公
報、特開平5−39454号公報で提案されている。 【0006】これらの塗料は省エネルギー、生産性向上
等の観点から更なる低温硬化性と優れた貯蔵安定性が要
求されていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記要求に鑑
み低温硬化性を有し、貯蔵安定性に優れた低温硬化性1
液性熱硬化型塗料組成物の確立にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、低温硬化性を有し、なおかつ一般に知られてい
るような常温硬化性塗料組成物では考えられない、優れ
た貯蔵安定性を有する塗料組成物を発見し、本発明に至
った。即ち本発明はエポキシ基濃度0.5〜5重量%で
あり、かつ水酸基を有するエポキシ樹脂及び/又はエポ
キシ基濃度0.5〜10重量%であり、かつ水酸基を有
するアクリル樹脂、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシア
ネートからなるポリイソシアネートから得られるブロッ
クポリイソシアネート、環状アミン系化合物、アミノフ
ェノール系化合物、脂環基を有するアミン化合物および
トリアジン基を含有するアミノ基から選ばれる3級アミ
ン化合物を必須成分とする低温硬化性1液塗料組成物。
を骨子とするものである。 【0009】更に本発明を詳細に述べる。本発明に用い
るエポキシ基と水酸基を共に有する樹脂としては、例え
ばノボラック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラ
ン型、グリシジルエーテル型、グリコールエーテル型、
脂肪族不飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エ
ステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジ
ル型、ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類
が挙げられ、例えば、ポリフェノール化合物をアリカリ
存在下にエピクロルヒドリンと反応させることにより製
造されるポリフェノール化合物のエポキシエーテルがあ
る。前記のポリフェノール化合物としては、例えば、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)プロパン、
ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど
がある。 【0010】エポキシ基式量を43とした、下記で示さ
れる樹脂1重量部当たりのエポキシ基濃度は0.1〜2
0%、好ましくは0.5〜10、更に好ましくは0.5
〜5%である。 【0011】 【数1】 【0012】好ましい構造を式(1)で示す。 【0013】 【化1】 【0014】前記ポリフェノールのエポキシエーテル化
合物は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエ
ステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン
酸、ポリイソシアネートなどと部分的に反応させてもよ
く、さらに、カプロラクトン、アクリルモノマーを重合
させてもよい。また、エポキシ基と水酸基を共に有する
アクリル樹脂も使用できる。このアクリル樹脂を合成す
るためのモノマーとしては (1)グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリ
レート、グリシジルメタアクリルアミド、アリルグリシ
ジルなどのエポキシ基含有ビニル単量体 (2)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートなどの
炭素数1〜8のヒドロキシアルキルエステル (3)メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、
エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、i−
ブチルアクリレート、i−ブチルメチアクリレート、t
ert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルア
クリレート、ラウリルメタアクリレート、ステアリルア
クリレート、ステアリルメタアクリレート、アクリル酸
デシルなどのアクリル酸またはメタアクリル酸の炭素原
子数1〜24のアルキルまたはシクロアルキルエステル (4)スチレン、ビニルトルエン、プロピオン酸ビニ
ル、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビ
ニルピバレートなどのビニル単量体があり、上記
(1)、(2)を必須とし、(3)および(4)から選
ばれたモノマーとの共重合体がある。 【0015】この共重合体の数平均分子量は500〜5
0,000、好ましくは1,000〜20,000であ
る。樹脂1重量部当たりのエポキシ基濃度は0.1%〜
10%であり、好ましくは0.5%〜10%である。
0.1%未満であると低温架橋性が不十分になり、10
%を越えると塗料の貯蔵安定性が低下する。前記エポキ
シ基の一部はアミン化合物などで変成されても良いが、
エポキシ基を有することは必要である。このアミン化合
物としては、脂肪族、脂環族または芳香−脂肪族の第1
級、第2級もしくは第3級アミン化合物があり、具体的
には下記の化合物などが挙げられる。 (1)メチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−また
はiso−プロピルアミン、モノエタノールアミン、n
−またはiso−プロパノールアミンなどの第1級アミ
ン化合物 (2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−ま
たはiso−プロパノールアミン、N−メチルエタノー
ルアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級ア
ミン化合物 (3)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどのポ
リアミン化合物これらの中で水酸基を有するアルカノー
ルアミン化合物が好ましい。 【0016】一方これらの樹脂の水酸基濃度は20〜5
00mgKOH/g樹脂、好ましくは50〜200mg
KOH/g樹脂である。20mgKOH/g樹脂未満で
あると、塗膜の架橋が充分でなく、500mgKOH/
g樹脂を越えると塗膜の強靭性が低下したり、塗膜焼付
後の耐水性が低下するなど好ましくない。本発明に用い
るブロックポリイソシアネートを得るためのポリイソシ
アネートは、以下に述べる脂肪族/脂環族ジイソシアネ
ートである。脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数
4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートとしては、
炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチ
レン−1,4−ジイソシアネナート、ペンタメチレン−
1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、2,2,4(または2,4,4)−トリメチル
−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3
−ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサン、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジ
イソシアネート等を挙げることができる。工業的入手の
容易さから、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下H
MDIと称す)、イソホロンジイソシアネート(以下I
PDIと称す)が好ましい。これらは、単独で使用して
もよく、2種以上混合して使用してもよい。 【0017】これらのジイソシアネートから得られるポ
リイソシアネートとしては、活性水素化合物と反応させ
て得られるウレタン変性型ポリイソシアネート、ビウレ
ット型ポリイソシアネート、イソシアネート基の重合で
得られるイソシアヌレート型ポリイソシアネート等があ
る。これらはジイソシアネートが除去されたポリイソシ
アネートであり、実質的にジイソシアネートを含んでい
ないことが好ましい。 【0018】ウレタン変性型ポリイソシアネートは前記
のジイソシアネートと分子内に2個以上の活性水素を有
する化合物を反応させて得ることができる。この様な活
性水素を有する化合物は低分子活性水素量化合物及び高
分子量活性水素化合物がある。低分子量活性水素化合物
としては、分子内に2個以上の活性水素を有する化合物
であり、例えば2官能性以上のアルコールとしてはエチ
レングリコール、1,2−または1,3−ブロピレング
リコール、1,3−または1,4−または2,3−ブチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、、ペンタエ
リトリトールなどがある。 【0019】高分子量活性水素化合物としては、脂肪族
炭化水素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポ
リエステルポリオール類、エポキシ樹脂類が挙げられ
る。脂肪族炭化水素ポリオール類の具体例としては、例
えば、末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物等
が挙げられる。またポリエーテルポリオール類として
は、例えばグリセリンやプロピレングリコール等の多価
アルコールの単独または混合物に、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド
の単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポ
リオール類、ポリテトラメチレングリコール類、更にア
ルキレンオキサイドにエチレンジアミン、エタノールア
ミン類などの多官能化合物を反応させて得られるポリエ
ーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体
としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆる
ポリマーポリオール類等が含まれる。 【0020】ポリエステルポリオール類としては、例え
ばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独ま
たは混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から
選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反
応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類及び
例えばε−カプロラクトンをトリメチロールプロパンな
どの多価アルコールを用いて開環重合して得られるよう
なポリカプロラクトン類等が挙げられる。 【0021】エポキシ樹脂類としては、例えばノボラッ
ク型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリ
シジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽
和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル型、
多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、ハロ
ゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類が挙げられ
る。 【0022】イソシアヌレート型ポリイソシアネートを
得るためのイソシアヌレート化反応は通常触媒が用いら
れる。ここで用いられる触媒は、一般に塩基性を有する
ものが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニ
ウムのハイドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸等
の有機弱酸塩、例えばトリメチルヒドロキシプロピル
アンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウ
ム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリ
エチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシア
ルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや例えば酢
酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、アルキルカルボン酸
の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルキル金属塩、例えばナ
トリウム、カリウム等の金属アルコラート、例えばヘ
キサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、
マンニッヒ塩基類、第3級アミン類とエポキシ化合
物との併用、例えばトリブチルホスフィン等の燐系化
合物等がある。 【0023】触媒濃度は、通常、イソシアネート化合物
に対して10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
反応は溶媒を用いても、用いなくてもよい。溶媒を用い
る場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用
いるべきである。反応温度は通常20〜160℃、好ま
しくは40〜130℃である。反応終点は用いる多価ア
ルコールにより異なるが、収率が概ね20%以上とな
る。 【0024】反応が目的の収率に達したならば、例え
ば、スルホン酸、燐酸等により触媒を失活させ、反応を
停止する。未反応ジイソシアネートおよび溶剤を除去し
イソシアヌレート構造を有するイソシアヌレート型ポリ
イソシアネートを得ることができる。またイソシアヌレ
ート化反応に先立ちあるいは同時に低分子量活性水素化
合物とジイソシアネートのウレタン化反応を行ってウレ
タン変性しても良い。低分子量活性水素化合物とは前記
の低分子量活性水素化合物、高分子量活性化合物好まし
くは3価以上のアルコール以外にモノアルコールである
例えば炭素数1から13のメタノール、エタノール、ブ
タノール、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、ノ
ナノール、デカノール、ウンデカノール、トリデカノー
ル等がある。 【0025】上記ポリイソシアネートの中でもイソシア
ヌレート型ポリイソシアネートが耐熱性などの観点から
好ましい。この様にして得られたポリイソシアネートの
イソシアネート基をブロック剤と反応させ、ブロックポ
リイソシアネートが得られる。前記のブロック剤として
は例えば、アルキルフェノール系、フェノール系、活性
メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、
イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミ
ド系、ピラゾール系化合物等がある。より具体的なブロ
ック化剤の例を下記に示す。 (1)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアル
キル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェ
ノール類であって、例えばn−プロピルフェノール、i
−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec
−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキ
シルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−
オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノア
ルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジ
イソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ
−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、
ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェ
ノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−
ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類 (2)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香
酸エステル等 (3)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチ
ルアセトン等 (4)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシル
メルカプタン等 (5)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−
カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラク
タム等 (6)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド
等 (7)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール等 (8)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等 (9)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアル
ドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等 (10)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カル
バゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、イソプロピルエチルアミン等 (11)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミ
ン等 (12)重亜硫酸塩;重亜硫酸ソーダ等 (13)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾ
ール、3,5−ジメチルピラゾール等がある。 【0026】アルキルフェノール系、オキシム系、酸ア
ミド系、活性メチレン系が好ましく、特にノニルフェノ
ール、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ε
−カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチ
ルが好ましく、2種以上混合しても良い。前記ブロック
ポリイソシアネートとエポキシ基及び水酸基含有樹脂の
混合割合は、ブロックポリイソシアネートが持つ有効イ
ソシアネート基と水酸基の当量比率が1/0.1〜1/
10、好ましくは1/0.25〜1/4である。 【0027】本発明に用いる第3級アミン系化合物とし
ては、例えば、(1) トリオクチルアミン、N−メチル−
ジオクチルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミ
ン、N,N−ジブチル−2−エチルヘキシルアミン、
N,N−ジイソプロピルエチルアミン、3−ジエチルア
ミノ−1−プロパノール、N−イソブチルジエタノール
アミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−
ジアミノエタン、N,N,N’,N’,−テトラメチル
−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’N’
−ペンタメチルジエチレントリアミンなどの脂肪族第3
級アミン系化合物、(2) N−メチルモリホリン、N−エ
チルモルホリンなどのモルホリン系化合物、(3) N−メ
チルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチル−
3−ピペリジンメタノール、N−ホルミルピヘリジン、
N−ホルミル−4−ピペコリン、N−メチル−3−ヒド
ロキシビペリジン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリ
ジン、N−メチル−4−ヒドロキシピペリジン、4−ピ
ペリジノピペリジン、ジピペリジノメタン、1,3−ジ
−(4−ピペリジル)プロパンなどのピペリジン系化合
物、(4) N−メチル−4−ピペリドン、N−ベンジルピ
ペリドンなどのピペリドン系化合物、(5) N,N−ジメ
チルベンジルアミン、N,N−ジベンジルエタノールア
ミン、トリベンジルアミン、1−ベンジル−4−ヒドロ
キシピペリジンなどの芳香環含有第3級アミン系化合
物、(6) N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジ
ン、N−ブチルピロリジン、N−メチル−2−ヒドロキ
シエチルピロリジン、N−ホルミルピロリジンなどのピ
ロリジン系化合物、(7) 3,6−ジクロロピリダジンな
どのピリダジン系化合物、(8) ピリミジン、2−メチル
ピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テト
ラヒドロピリミジンなどのピリミジン系化合物、(9) N
−ヒドロキシエトキシエチルピペラジン、N−メチルピ
ペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジエ
チルピペラジン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチ
ルピペラジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピ
ル)2−メチルピペラジン、N−メチル−N’−ヒドロ
キシエチルピペラジン、N−カルベトキシピペラジン、
N−ホルミルピペラジン、1−(o−クロロフェニル)
ピペラジン、1−(m−クロロフェニル)ピペラジン、
1−(p−クロロフェニル)ピペラジン、1−(2−ピ
リジミル)ピペラジン、1−シクロペンチルピペラジ
ン、1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジ
ン、1−(3−クロロフェニル)−4−(3−クロロプ
ロピル)ピペラジン、N−(2−ピリジル)ピペラジ
ン、N−メチルホモピペラジンなどのピペラジン系化合
物、(10)ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメ
チルピラジンなどのピラジン化合物、(11)ピリジン及び
メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチルなどの
モノアルキル、ジアルキル及びメタノール、エタノー
ル、プロパンジオール、プロパントリオールなどのアル
カノール付加ピリジンなどのピリジン系化合物、(12)イ
ミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、(1
3)1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、1,4−ジアザビシク
ロ(2,2,2)オクタン、2−メチル−1,4−ジア
ザビシクロ(2,2,2)オクタンなどの環状アミン系
化合物、(14)2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、ジメチルアミノメチルフェノール、ト
リス(ジメチルアミノフェノール)などのアミノフェノ
ール系化合物、(15)N,N−ジメチルシクロヘキシルア
ミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンなどの脂環基
を有するアミン化合物、(16)N,N’,N”−トリス
(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリア
ジンなどのトリアジン基を有するアミン化合物などがあ
る。これらのアミン化合物は酸などにより完全または部
分中和されても良い。前記酸としては、炭素数1〜17
の例えば酢酸、オクチル酸、オレイン酸、カプリン酸な
どの有機カルボン酸、p−トルエンスルホン酸などの有
機スルホン酸などがある。好ましい第3級アミン化合物
としては前記の(13)(14)(15)(16)などのアミン化合物で
ある。 【0028】本発明に用いる第4級アミン化合物として
は、例えば、(1) テトラメチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハ
イドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸などの有機
弱酸塩、例えば塩酸などの無機酸塩、(2) トリメチルヒ
ドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシ
エチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルア
ンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム
等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサ
イドや例えば酢酸、カプリン酸などの有機弱酸塩などが
ある。 【0029】前記第3級及び第4級アミン系化合物の添
加量は、前記エポキシ基及び水酸基を共に有する樹脂と
ブロックポリイソシアネートの樹脂分合計重量に対して
0.05〜10重量%であり、好ましくは0.2〜2
重量%である。0.05重量%未満であると塗膜の硬化
が不十分になり、10重量%を越えると、塗料の貯蔵安
定性が低下する。 【0030】前記エポキシ基及び水酸基を共に有する樹
脂、ブロックポリイソシアネート、3級及び4級アミン
系化合物以外に用途に応じて、いくつかの材料が併用さ
れる。 溶剤としては、例えば有機溶剤として、例え
ば、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶
剤、メタノール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどの
アルコール系溶剤、エチレングリコール、セロソル
ブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエ
ーテル系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は1
種もしくは2種以上混合して使用される。 【0031】顔料としては、例えばキナクリドンなど
のキナクリドン系化合物、ピグメントレッドなどのアゾ
系化合物、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーンなどのフタロシアニン系化合物などの有機顔料、
酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、バリタ、
クレー、ヒュームドシリカなどの無機顔料、カーボン
ブラックなどの炭素系顔料、アルミニウム、雲母状酸
化鉄、ステンレススチールなどの燐片状メタリック顔
料、ベンガラ、ストロンチウムクロメートなどの防錆
顔料などがある。 【0032】また上記以外に紫外線吸収剤、表面調整
剤、顔料分散剤などの添加剤を使用することもできる。
本発明の塗料組成物は、カルボン酸基を有する樹脂を使
用しないことが好ましいが、使用する場合、その樹脂の
酸価は20mgKOH/g以下、好ましくは10mgK
OH/g以下である。酸価が20mgKOH/gが越え
ると塗料の貯蔵安定性が悪くなり、好ましくない。 【0033】この様に調整された塗料組成物はロール塗
装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装などにより、鋼
板、表面処理鋼板などの金属、プラスチックなどの素材
にプライマーまたは上塗りとして、また防錆鋼板を含む
プレコートメタル、自動車などの塗装に有用である。 【0034】 【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。 (ゲル分率)硬化塗膜を、ブチルセロソルブに50℃で
8時間浸漬した時の未溶解部分重量の浸漬前対する割合
であり、90%未満は×、90%以上は○で表した。 (塗料安定性)塗料を50℃で1週間保存し、その流動
性を観察した。大きな粘度増加、または流動性のない状
態を×、わずかな粘度増加及び粘度増加無しを○とし
た。 【0035】 【製造例−1】エポキシ基と水酸基を共に有するビスフ
ェノールAタイプエポキシ樹脂(旭チバの商品名AER
6007、エポキシ基濃度2.2%、水酸基価180m
gKOH/g)100部をフチルセロソルブ150部に
溶解し、エポキシ樹脂溶液(A−1)を得た。 【0036】 【製造例−2】エポキシ基と水酸基を共に有するビスフ
ェノールAタイプエポキシ樹脂(旭チバの商品名AER
6007)100部をフチルセロソルブ158部に溶解
し、温度を90℃にした後、ジエタノールアミン5.1
部を反応温度が90℃を保つように30分かけて滴下し
た。滴下終了後、反応温度100℃で1時間保持した。
樹脂分40%のエポキシ基を含まない樹脂(A−2、樹
脂当たりの水酸基価240mgKOH/g)を得た。 【0037】 【製造例−3】キシレン100部中で、スチレン30
部、n−ブチルメタクリレート20部、2−エチルヘキ
シルアクリレート10部、グリシジルメタクリレート3
0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部のモノ
マーを反応させ、樹脂分50%、水酸基価48mgKO
H/g樹脂、樹脂当たりのエポキシ基濃度9.1%のエ
ポキシ基と水酸基を共に含有したアクリル系樹脂(A−
3)を得た。 【0038】 【製造例−4】キシレン85部、n−ブタノール15部
の有機溶剤中でスチレン30部、n−ブチルメタクリレ
ート40部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、
アクリル酸10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート
10部のモノマーを反応させて、樹脂固形分50%,水
酸基価48mgKOH/g樹脂、酸価78mgKOH/
g樹脂の酸価含有アクリル樹脂(A−4)を得た。 【0039】 【実施例1】製造例−1で得られた樹脂溶液(A−1)
100部、ヘキサメチレンジイソシアネート系ウレタン
変性イソシアヌレート型ブロックポリイソシアネート2
4部(旭化成工業の商品名「デュラネートMF−B80
M)、第3級アミン系化合物1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン0.30部(三共エアプロダク
ツの商品名「DABCO」)を配合し、ブリキ板にアプ
リケーター塗装した。120℃に保持されているオーブ
ンで塗装されたブリキ板を30分焼き付けた。焼き付け
た塗膜を剥離し、ゲル分率を測定した。ゲル分率は○で
あった。 【0040】また別途、上記塗料液を密閉状態で50℃
に保持されているオーブンに1週間放置し、塗料の流動
状態を観察した。その結果、塗料はゲル化せずに良好な
流動状態を保っていた。結果を表1に示す。 【0041】 【実施例2〜7】表1で示した配合以外は実施例1と同
様に行った。 【0042】 【実施例8〜10】製造例−2で得たアクリル系樹脂
(A−3)を用いて、表1に示す配合で行った以外は実
施例−1と同様に行った。結果を表1に示す。 【0043】 【比較例1〜4】配合を表1に示すが、それ以外は実施
例−1と同様に行った。結果を表2に示す。 【0044】 【表1】 【0045】 【表2】【0046】 【発明の効果】本発明によれば、低温硬化性と貯蔵安定
性共に優れ、塗装工程における生産性効率の向上、省エ
ネルギー、耐熱性のない被塗物材質への適用など非常に
有用な塗料組成物を提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平4−311770(JP,A)
特開 昭58−189264(JP,A)
特開 平7−70501(JP,A)
特開 昭63−301214(JP,A)
特開 平2−145666(JP,A)
特開 平2−103132(JP,A)
特開 平2−194946(JP,A)
特開 平4−65475(JP,A)
特開 平7−228667(JP,A)
特開 平6−306140(JP,A)
特開 平2−147618(JP,A)
特開 昭58−160311(JP,A)
特開 昭54−54147(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C09D 1/00 - 201/10
C08G 18/00 - 18/87
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エポキシ基濃度0.5〜5重量%であ
り、かつ水酸基を有するエポキシ樹脂及び/又はエポキ
シ基濃度0.5〜10重量%であり、かつ水酸基を有す
るアクリル樹脂、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネ
ートからなるポリイソシアネートから得られるブロック
ポリイソシアネート、環状アミン系化合物、アミノフェ
ノール系化合物、脂環基を有するアミン化合物およびト
リアジン基を含有するアミノ基から選ばれる3級アミン
化合物を必須成分とする低温硬化性1液塗料組成物。
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JP11436295A Expired - Fee Related JP3442191B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 低温硬化性1液塗料組成物 |
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- 1995-05-12 JP JP11436295A patent/JP3442191B2/ja not_active Expired - Fee Related
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