JP3351916B2 - 低密度複合材料 - Google Patents

低密度複合材料

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JP3351916B2 JP25134194A JP25134194A JP3351916B2 JP 3351916 B2 JP3351916 B2 JP 3351916B2 JP 25134194 A JP25134194 A JP 25134194A JP 25134194 A JP25134194 A JP 25134194A JP 3351916 B2 JP3351916 B2 JP 3351916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低密度紙の表面に加工層
を設けることで新たな特性を付与し、壁装材等に好適に
使用できる低密度複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチ
レン、発泡ウレタン等の低密度の素材は、断熱性や保温
性に優れ、また成形加工性も良く、安価であること等を
理由に断熱材やクッション材等の用途として広く使用さ
れてきた。しかしこれらの素材は、自然分解性に劣り、
また燃焼時に汚染物質や黒煙を排出する等の問題があ
り、一旦廃棄された場合にその処理に苦慮しているのが
実状である。そのため、より環境にやさしい素材への要
望が強くなっている。
【0003】これらを背景に、環境にやさしい素材とし
て紙を応用し、低密度で断熱性やクッション性を大幅に
改良して、上記素材に置き換えようとする考え方がいく
つか提案されている。例えば特開昭59−36800号
では、ポリエステル繊維を混抄して低密度の紙を製造す
る方法が提案されている。
【0004】また、中空なカプセルを混抄して低密度紙
を得る方法として、特公昭52−39924号には、シ
ラスバルーンを抄紙時に内添する製造方法が提案されて
いる。
【0005】一方熱により発泡する発泡性マイクロカプ
セルは、米国特許第2797201号、特公昭42−2
6524号、特公昭44−7344号等に開示されてい
るように、メタクリル酸とスチレンの共重合体、アクリ
ロニトリルとスチレンの共重合体、塩化ビニリデン等の
マイクロカプセル中にブタンガス等の発泡剤を内包した
ものであり、加熱によりブタンガス等が膨張して、中空
の樹脂球を形成する。
【0006】これらの発泡性マイクロカプセルを混入さ
せた塗料またはインキを紙に塗工、印刷、捺印して、こ
れを加熱することで発泡させて低密度な素材を製造する
方法も提案されている。例えば特公昭53−31784
号、特開昭54−31500号、特開昭62−2614
36号、特開平3−241099号等には、壁紙用の材
料に使用する目的の提案がなされている。また、特開昭
55−18116号には、紙に発泡性マイクロカプセル
を内添させて、加熱発泡させることにより低密度な紙を
製造する方法が提案されている。また、特開平5−33
9898号には、加熱発泡前の紙の水分量を65〜72
重量%にすることで低密度な紙を得る製造方法が提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開昭59−
36800号で提案された低密度紙は密度を低下する効
果には限界があり、さらに化学繊維を多く抄き込まない
と効果が出にくいことから、得られた紙は合成繊維紙に
近いものとなり、紙本来の性質や環境にやさしい性質が
損なわれることが問題である。
【0008】また前記した特公昭52−39924号で
提案された低密度紙の製造方法は、シラスバルーンと製
紙用パルプの密度差が大きく、シラスバルーンが水に浮
いてしまうために抄紙しにくい欠点があった。また、同
公報の実施例からもわかるように、抄紙された原紙の密
度は0.37〜0.67g/cm3であり、発泡性ポリ
スチレン並の低密度(密度0.1g/cm3前後)を得
ることはできない。
【0009】また前記した特公昭53−31784号、
特開昭54−31500号、特開昭62−261436
号、特開平3−241099号の提案は、いずれも通気
性や凹凸の付与を目的として発泡性マイクロカプセルを
使用したものであり、紙全体の低密度化を目的にしたも
のではない。
【0010】また前記した特開昭55−18116号の
提案は振動板の製造を目的としたものであり、得られる
紙の密度は0.5g/cm3程度しか下がらない。
【0011】また前記した特開平5−339898号で
提案された低密度紙は、乾燥前の湿紙含有水分が、通常
の抄紙時の湿紙含有水分よりも大幅に多く、このため乾
燥工程で特別の配慮が必要となる。特に発泡により紙が
低密度になるにつれて断熱性が発現するので、乾燥効率
は大幅に低下することが問題である。
【0012】発泡性マイクロカプセルを紙に内添して抄
紙し、これを加熱発泡させる場合には、発泡の方法が非
常に重要である。すなわち、発泡性マイクロカプセルは
前述したように、発泡させるための液体を芯物質とした
マイクロカプセルであり、これを発泡させるには適度な
温度に加熱処理する必要がある。本発明者らが長網多筒
式抄紙機で実験した観察結果では、発泡性マイクロカプ
セルを製紙用パルプと混合抄紙して通常の抄紙方法で脱
水乾燥した場合は、発泡倍率の大きい部分と少ない部分
ができ、紙面に凹凸のムラが発生して、均一な発泡状態
の紙が得にくいことがわかった。この不均一な発泡状態
は、抄紙機のドライヤーシリンダーの入口側の2〜3本
目という乾燥のきわめて初期の段階で、すでに発生する
ことが確認された。
【0013】本発明者らは、この原因として、先行して
発泡した部分に対し、その周辺部分では熱源(ドライヤ
ー面)との接触が阻害されて発泡が遅れる結果、やがて
パルプ繊維が乾燥することにより強固な繊維間結合が形
成されてしまい、その後に発泡が始まっても、もはやパ
ルプ繊維間を拡大して紙を低密度にする効果が働かない
からであると推定した。さらに、紙の抄造時には地合ム
ラ(繊維フロックの形成)の発生は避け難いものであ
り、その結果、パルプ繊維の多い部分には発泡性マイク
ロカプセルが多く存在し、逆にパルプ繊維が少なく地合
の薄い部分には発泡性マイクロカプセルの存在も少なく
なるために、発泡性マイクロカプセルの分布が不均一状
態になり、先に述べた乾燥過程での原因と相まって不均
一な発泡状態になると推定した。
【0014】一方特開平5−230798号には、パル
プを主体とした繊維材料に発泡性マイクロカプセルを添
加して湿紙を抄造し(いわゆる内添法)、湿紙を発泡性
マイクロカプセルの発泡開始温度よりも低い温度で乾燥
してから、これを90℃以上の高温水と接触させてマイ
クロカプセルを発泡させて蒿高紙を製造することが開示
されている。
【0015】しかし、この提案は発泡性マイクロカプセ
ルを効率よく発泡させる効果はあるが、原紙を製造する
際の湿紙の乾燥を、加圧蒸気を熱源とする一般の抄紙機
のドライヤーではコントロールしにくい100℃以下で
行わなければならず、さらに一度乾燥した紙を再度高温
水に浸漬して再乾燥する必要があり、紙の乾燥エネルギ
ー効率は著しく悪くなる問題点がある。また、発泡性マ
イクロカプセルを内添させる方法は、高価な発泡性マイ
クロカプセルの歩留りが悪いという別の問題点がある。
また、良好なクッション性を得るためには発泡性マイク
ロカプセルを発泡させて低密度な紙を得るだけでは不十
分である。発泡の度合を高め、低密度化を進めるほど発
泡性マイクロカプセルの膜厚は薄くなり、低密度ではあ
っても潰れやすい紙になってしまうからである。
【0016】本発明者らはこれらの課題を解決した発泡
性マイクロカプセルを利用した低密度紙を得ることを検
討し、特願平6−58155号で提案した。この発明の
要旨とするところは、製紙用パルプを主材として抄紙し
た水分50〜60重量%の、乾燥前の坪量が40〜10
00g/m2(絶乾坪量換算)の紙匹に、主として発泡
性マイクロカプセルからなる含浸液を湿式含浸法により
製紙用パルプに対し2〜30重量%含浸し、次いで加熱
することによって発泡性マイクロカプセルを発泡させて
低密度紙を得ることにある。
【0017】この低密度紙は軽量で、しかも断熱性、保
温性、クッション性に優れたものであり、かつ安定して
大量生産することが可能という特徴を有している。しか
し、これを用いて各種の応用展開を図るには、用途によ
っては意匠性、表面強度、感触、液体や気体のバリア
性、印刷適性、等の性能が不足することが指摘された。
本発明はこれらの問題点を解決した低密度の複合材料を
得ることを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】 本発明は、製紙用パル
プを主材として抄紙した水分50〜60重量%の、乾燥
前の坪量が40〜1000g/m(絶乾坪量換算)の
紙匹に、発泡性マイクロカプセルとゴムラテックス及び
/または合成樹脂エマルションを主材とする含浸液を湿
式含浸法により製紙用パルプに対して5〜40重量%含
浸し、次いで加熱することで発泡性マイクロカプセルを
発泡させて製造した低密度紙の少なくとも片面にシート
状物を貼合したことを特徴とする低密度複合材料の製造
方法である。
【0019】本発明ではまず湿式含浸法で発泡性マイク
ロカプセルを利用して低密度紙(以下単に低密度紙と呼
ぶ)を製造する。本発明で用いられる製紙用パルプは特
に制限はなく、通常の製紙で使用されるものはどれでも
使用することができる。例えば針葉樹未晒クラフトパル
プ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBK
P)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒
サルファイトパルプ(NBSP)等の木材パルプを主材
とし、麻、木綿、藁パルプ、ケナフ等の非木材パルプ
や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニト
リル等を原料とした合成パルプ等を併用することができ
る。上記パルプの他にもアクリル繊維、レーヨン繊維、
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の有機合成繊維や
ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミ
ナシリケート繊維、ロックウール等の無機繊維等、各種
の繊維を併用することも可能である。木材パルプについ
ては、均一な含浸性を得る点で広葉樹パルプよりも針葉
樹パルプを使用する方が有利である。
【0020】本発明に使用する発泡性マイクロカプセル
は、前述のように樹脂微粒子中に低沸点溶剤を内包した
もので、70〜150℃の比較的低温度で直径が3〜5
倍、体積で30〜120倍に膨張する平均粒径が5〜3
0μmの粒子である。樹脂としては、通常塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等の共重合体から成る熱可塑性樹脂が使用
され、低沸点溶剤としては通常イソブタン、ペンタン、
石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素等
の低沸点溶剤を使用する。発泡性マイクロカプセルの製
法は、従来の公知の方法がいずれも使用できる。
【0021】発泡性マイクロカプセルは外殻を形成する
樹脂の軟化点以上に加熱されると樹脂が軟化し始め、同
時に封入されている低沸点溶剤が気化して蒸気圧が上昇
し、その結果樹脂が押し広げられて膨張し、独立気泡を
形成する。これにより優れた断熱性とクッション性を得
ることができる。これら発泡性マイクロカプセルとして
は、松本油脂製薬株式会社製造の「マツモトマイクロス
フェアF−30D」、「同F−30GS」、「同F−2
0D」、「同F−50D」や、日本フィライト株式会社
販売の「エクスパンセルWU」、「同DU」等が知られ
ているが、本発明に使用する発泡性マイクロカプセルは
これらに限定されるものではない。
【0022】発泡性マイクロカプセルの含浸量は製紙用
パルプに対して2〜30重量%、好ましくは4〜15重
量%である。2重量%以下では充分な低密度が得られ
ず、30重量%を越えると効果が頭打ちになって経済性
の面から適当とはいえず、さらに発泡性マイクロカプセ
ルが紙の表面に残留しやすくなって、紙表面における紙
粉の脱落傾向が強くなるという欠点がでる。
【0023】本発明では、製紙材料としてパルプ以外の
副材料、例えばサイズ剤、紙力増強剤、染料、顔料、歩
留り向上剤、填料、PH調整剤、スライムコントロール
剤、粘剤、防腐剤、防カビ剤、難燃剤等の公知の材料を
必要に応じて単独でまたは組み合わせて使用することが
できる。乾式含浸加工法の場合には、例えばサイズ剤を
加えると、含浸液の浸透が抑制されて含浸加工が不可能
となる。また、紙力増強剤の添加も含浸性の低下や発泡
性の抑制作用が働き、その使用が制限される。しかし湿
式含浸加工法の場合には、これらの添加薬品の効果が発
現される前に含浸を行うので、特別な制約を受けないと
いう有利さがある。
【0024】次に本発明に使用する低密度紙の製造方法
について説明する。図1は本発明者らが特願平6−58
155号で説明に使用した乾式含浸加工装置の一例であ
って、その概念図を示す。ワイヤパート1から供給され
た湿紙2は含浸バットで含浸液3を含浸されワイヤ4で
シリンダードライヤー5に導かれ乾燥される。具体的に
は製紙用パルプを主材として長網、円網、短網等の抄紙
マシンで紙匹を形成し、プレスパート等で水分含有率を
50〜60重量%に脱水した湿紙2をワイヤ4に乗せ、
発泡性マイクロカプセルを含む含浸液3に浸漬し、その
後絞りを行ってから、シリンダードライヤー5に通し、
発泡性マイクロカプセルを発泡させながら乾燥すること
によって、紙層中に発泡性マイクロカプセルが発泡した
独立気泡が多数存在する低密度紙が得られる。
【0025】本発明に於て、含浸液に発泡性マイクロカ
プセルの他に天然ゴムラテックス、スチレン・ブタジエ
ン共重合ラテックス、メチルメタアクリレート・ブタジ
エン共重合ラテックス等のゴムラテックス及び/または
ポリアクリル酸エステルエマルション、ポリ酢酸ビニル
エマルション、ポリ塩化ビニルエマルション等の合成樹
脂エマルションのバインダーを併用することができる。
これらの含浸割合は製紙用パルプに対して5〜40重量
%、好ましくは10〜25重量%である。こうすること
で、発泡性マイクロカプセルの分布がより均一に分散す
るようになる。さらに、パルプ繊維や発泡性マイクロカ
プセルの脱落が防止でき、強度も改善できる。また、バ
インダーの種類と共に添加率を選択することで、紙質を
硬くしたり柔らかくしたりする等、目的に合わせて自由
に設計することができるので、紙粉の脱落を防止した
り、低密度であり且つフレキシブルで丈夫な素材にする
等、本発明の低密度紙の用途を拡大することができる。
含浸割合が5重量%未満であるとこれら効果が出難くな
り、30重量%を越えると経済的に不利になり、また効
果がそれ以上期待でき難くなる。
【0026】また、上記バインダーの他にも色々な材料
を配合することで特徴のある用途が展開できる。例え
ば、防カビ剤を添加することで防カビ性を有する低密度
紙が得られ、また、難燃剤を配合すれば難燃性の低密度
紙を得ることができる。
【0027】本発明はこのようにして製造した低密度紙
の少なくとも片面に加工層を設けることで種々の機能を
付与する。以下に具体的に説明する。
【0028】1.シート状物の貼合 本発明者らは、低密度紙に対する付加価値として、次の
ようなものを考えた。すなわちバリアー性の付与(耐水
性、耐溶剤性、酸素透過性、耐光性、遮光性、防音性、
断熱性、耐衝撃性、防カビ性、防菌性、防露性、防虫性
等)と表面の意匠性の付与(印刷適性、色調、触感、風
合い等)の向上を目的とした検討である。上記したよう
なバリア性や表面の意匠性に適した各種のシート状物が
一般に広く使用されている。本発明はこれらのシート状
物の特徴と、低密度紙の特徴を合わせ持った複合材料を
提供することができる。
【0029】例えば、合成樹脂フィルムやシート等を貼
合すると耐水性、耐溶剤性等のバリア性が付加され、色
調も変化させることが自由となり、さらにはマット化や
パターン化等の処理を施すことで、多くの特性を出すこ
とができる。また、金属板,金属箔またはシートと貼合
またはサンドイッチすることで耐光性、遮光性、ガスバ
リア性等の特性が付加できる。さらに、多孔性材料であ
る低密度紙の両面をこららの材料でシールドすることに
より内部の空気層が気密化し、断熱性や防音性等の特性
を付加できる。
【0030】貼合方法としては、ウエットラミネーショ
ン法、ドライラミネーション法、ホットメルトラミネー
ション法、エキストルージョンラミネーション法、サー
マルラミネーション法、粘着シート法等があるが、低密
度紙は前述したように熱可塑性樹脂の微小発泡球で構成
されており、圧着ロールによりニップ圧が強くかかる
と、低密度紙が潰されて密度が増す方向に動くので、ニ
ップ圧及び加圧ロールの加温には注意を要する。ベルト
プレス法による柔らかな圧着方法では、この影響は少な
い。
【0031】貼合に使用される具体的な材料としては、
その目的に応じて各種の材料が選択できる。例えば耐水
性、水蒸気透過性のバリアとしては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポ
リカーボネート、高鹸化度のポリビニルアルコール、ポ
リアミド等のプラスチックフィルムやシート、またアル
ミニウム、ステンレススチール、トタン板、ブリキ板銅
等の金属板や金属箔またはシート等が適用できる。耐溶
剤性については、使用される溶剤に応じた材料を使用す
ることが可能であり、上記したような各種のプラスチッ
クフィルムまたはシート、金属箔またはシート等がその
目的に応じて適用できる。さらには金属箔またはシー
ト、金属蒸着フィルム等と貼合することで耐光性、遮光
性を付加させることもできる。各種の紙類、例えば上質
紙、印刷紙、塗工紙、板紙、ファンシーペーパー、ダン
ボール、合成紙等と貼合するとそれぞれの材料の性質を
伴って、美観、触感、風合い、衝撃緩衝性、断熱性、防
音性等の性質が付加される。同様に各種の布地(綿、羊
毛、絹等の天然繊維、ビニロン、テトロン、ナイロン、
ポリエステル等の合成繊維、アセテートレーヨンのよう
な半合成繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック
繊維等の無機繊維)や不織布、割布、或いは天然の皮
革,毛皮や合成皮革と貼合させるとそれぞれの材料の性
質を伴って、美観、触感、風合い、断熱性、難燃性、防
音性等の性質が付加される。
【0032】さらにはスポンジシートと貼合すること
で、低密度紙の軽量性と堅めのクッション性にスポンジ
の柔らかなクッション性が付加でき、二つの異なる弾力
性の素材となる。また、スポンジの自由な変形能力によ
って、表面の凹凸変化の大きな材料への適用も可能とな
る。また、低密度紙の少なくとも片面に空気透過性の少
ないフィルムやシート(プラスチックフィルム、プラス
チックシート、金属箔等)と貼合し、これとさらにスポ
ンジを組み合わせることで断熱性、防音性に優れた素材
を提供することができる。
【0033】天然木を薄くそいだシートを貼合すると、
天然木の木目、感触を生かした材料となる。この場合、
軽量で厚み感のある材料となり、表面の天然木の性質と
して防露性能も発揮できる。
【0034】ウエットラミネーション法は、水系の接着
剤を一方の基材に塗布し、接着剤が乾燥しないうちに、
直ちに他の一方の基材と貼合し、乾燥させる方法であ
り、当該低密度紙のように水蒸気の透過が容易な多孔性
材料に適したラミネート方法である。接着剤としては、
水溶剤型のタンパク質として膠、カゼイン、ゼラチン等
が、含炭素系接着剤として澱粉、デキストリン、セルロ
ース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、エチルセルロース等)、アルギン酸ソーダ等
が、無機系接着剤として硅酸ソーダ等がある。また合成
樹脂系エマルションとして酢酸ビニルエマルション、ア
クリル酸エステルエマルションあるいはこれらのグラフ
ト化による共重合変性レジン、例えばアクリル変性の酢
酸ビニルエマルション、エチレン酢酸ビニル共重合物
(EVA)エマルション、スチレン、アクリル酸エステ
ル共重合物エマルション等がある。
【0035】ウエットラミネーターとしてはロールコー
ター、リバースロールコーター、グラビアロールコータ
ー、エアナイフコーター、メイヤーバーコーター等の一
般の装置が使用できる。ウエットラミネーション法の場
合、乾燥温度はドライラミネーション法と比較して一般
に低めであるが、上述したように低密度紙は熱可塑性樹
脂の微小発泡球で構成されている為、乾燥温度は80℃
以下、好ましくは60℃以下で行うのが望ましい。
【0036】ドライラミネーション法は、各種の基材に
水性または溶剤に溶解させた接着剤をグラビアコータ
ー、デイップコーター、キスロールコーター、スクイズ
ロールコーター、リバースロールコーター、エアナイフ
コーター等で均一に塗布し、乾燥オーブン内で溶剤分を
蒸発させ乾粘着状態になった接着面に、貼合させる他基
材を重ねて圧着ラミネートする方法である。この方法は
貼合する材料の適応範囲が広く、接着剤の種類や塗布量
の選択で耐熱性、耐寒性、ガスバリア性、耐薬品性等の
特徴を付加することが可能である。接着剤としては水性
型と溶剤型がある。溶剤型接着剤にはビニル系、アクリ
ル系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系等があり、用途
に応じて選択できる。また、貼合に使用される材料は、
目的に応じて上記したような各種の材料が選択できる。
【0037】ドライラミネーション法の場合、加熱され
た金属ロールとゴムロールによって加熱圧着されるの
で、金属ロールの温度と加圧する際のニップ圧のコント
ロールが問題である。低密度紙は前述したように熱、圧
力に対して変形する傾向があり、金属ロールの温度は8
0℃以下、好ましくは60℃以下で行い、ニップ圧は使
用される材料と貼合した後の密度を考慮して、必要以上
に上げないことが肝要である。
【0038】粘着シート法は各種の両面粘着テープ、ま
たは粘着加工された材料を使用して貼合する方法であ
る。この方法では接着剤の乾燥工程がなく、発泡性マイ
クロカプセルを応用した低密度紙の貼合としては、密度
変化が最も少ない方法といえる。使用される材料として
は、上記したような材料がいずれも使用可能である。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【実施例】
実施例1 低密度紙の製造 針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)100重量部
(乾燥重量換算、以下同じ)を離解し、サイズ剤(商品
名「サイズパインK−902」、荒川化学株式会社製
造)0.5重量部を加えて濃度0.5重量%の紙料とし
た。この紙料を用いて、図1に図示したような湿式含浸
加工装置を有する長網抄紙機で、含浸前の湿紙坪量が2
00g/m2(乾燥重量換算)になるように抄紙し、次
いで含浸液として発泡性マイクロカプセル(商品名「マ
ツモトマイクロスフェアF−30D」、松本油脂製薬株
式会社製造、粒子径10〜20μm、セルの軟化温度8
0℃)の6重量%に、スチレン、ブタジエン共重合ラテ
ックス(商品名「ラックスター」、大日本インキ化学工
業株式会社製造)が14重量%になるように水に分散し
て調整した含浸液に湿紙を浸漬し、次いで絞り条件の調
整によって含浸率が約20重量%(乾燥重量換算)にな
るように含浸し、前群ドライヤシリンダー10本(表面
温度、110℃)、後群ドライヤシリンダー10本(表
面温度、125℃)からなる多筒式ドライヤパートで乾
燥し、坪量が240g/m2、厚さが1.47mm、密
度が0.16g/cm3の低密度紙を得た。 シート状物との貼合 この低密度紙を用いて、ポリウレタン系接着剤(商品名
「タケネートA−975」及び「タケネートA−3」、
武田薬品工業株式会社製造)をグラビアコーターで5g
/m2 (乾燥重量換算)を塗工したポリエステルフィル
ム(商品名「エステルフィルムE−5100」、厚さ2
5μ、東洋紡績株式会社製造)とドライラミネート法で
貼合して低密度複合材料を製造した。これは軽量の食品
用トレイとして優れた性能を有していた。
【0043】実施例2 実施例1に使用した低密度紙に、イクストルーダーを使
用して厚み15μmのポリエチレンを360℃で溶融押
出し塗工し低密度複合材料を製造した。これは軽量の食
品用カップとして優れた性能を有していた。
【0044】
【0045】
【0046】
【発明の効果】 本発明の、製紙用パルプを主材として
抄紙した水分50〜60重量%の、乾燥前の坪量が40
〜1000g/m(絶乾坪量換算)の紙匹に、発泡性
マイクロカプセルとゴムラテックス及び/または合成樹
脂エマルションを主材とする含浸液を湿式含浸法により
製紙用パルプに対して5〜40重量%含浸し、次いで加
熱することで発泡性マイクロカプセルを発泡させて製造
した低密度紙の少なくとも片面に、色々な性能及び/ま
たは意匠性を付与したシート状物を貼合したことで、単
なる低密度紙ではなく、これらの特徴を生かして壁装
材、天井材等の建材用途に、あるいは印刷用シート、自
動車用内装材料、養生シート、各種包装材料、クッショ
ン材料、箱の外貼り材料、文具や本の表紙類、郵送用の
袋、靴のインソール材料、鞄の芯用材料、各種カタロ
グ、コースター、メニュー等、多方面に渡る用途に好適
に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 湿式含浸加工装置の一例の概念図である。
【符号の説明】
1 ワイヤパート 2 湿紙 3 含浸液 4 ワイヤ 5 シリンダードライヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−212598(JP,A) 特開 平5−339898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙用パルプを主材として抄紙した水分
    50〜60重量%の、乾燥前の坪量が40〜1000g
    /m(絶乾坪量換算)の紙匹に、発泡性マイクロカプ
    セルとゴムラテックス及び/または合成樹脂エマルショ
    ンを主材とする含浸液を、湿式含浸法により製紙パルプ
    に対して5〜40重量%含浸し、次いで加熱することで
    発泡性マイクロカプセルを発泡させて製造した低密度紙
    の、少なくとも片面にシート状物を貼合したことを特徴
    とする低密度複合材料の製造方法。
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