JP3350664B2 - ケーブルの架線工法、並びにケーブル架線用ガイド具 - Google Patents

ケーブルの架線工法、並びにケーブル架線用ガイド具

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JP3350664B2 JP2000196365A JP2000196365A JP3350664B2 JP 3350664 B2 JP3350664 B2 JP 3350664B2 JP 2000196365 A JP2000196365 A JP 2000196365A JP 2000196365 A JP2000196365 A JP 2000196365A JP 3350664 B2 JP3350664 B2 JP 3350664B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送路架線工事に
用いるケーブルの架線工法、並びにケーブル架線用ガイ
ド具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝送路は、一般に、電柱間(径間)に吊
線を架設し、その吊線に同軸ケーブルや光ケーブル等の
各種ケーブルを複数のケーブルハンガーを用いて吊架す
るという工法で布設されている。
【0003】近年、伝送路等の設備量の増加に伴い、既
設の伝送路に沿って新たなケーブルを追加架設する一束
化工事が増加してきている。その一束化工事には、従
来、以下のような工法が採用されている。
【0004】径間に配置したバケット車を使用し、導綱
を挿入したハンガーローラを吊線に取り付けるととも
に、既設のケーブルと導綱の接触を防ぐために既設のケ
ーブルハンガーを斜めに傾けるという作業(図9参照)
を、バケット車を順次移動しながら行って径間に導綱を
延線する。次に、導綱の末端(または先端)に新設ケー
ブルを接続した状態で、架線車等によって導綱とケーブ
ルを引き込んで径間にケーブルを延線した後、バケット
車を使用して、既設のケーブルハンガーを新設のケーブ
ルハンガーに付け替えるとともに、ハンガーローラを取
り外すという作業を、バケット車を順次移動しながら行
うことによって径間の既設ケーブルに新設ケーブルを一
束化する。
【0005】なお、このような一束化工法においては、
バケット車に替えて長尺梯子が用いられる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した一
束化工法によれば、ハンガーローラ取付け・導綱延線作
業と、ケーブル添架(ケーブルハンガー付替)・ハンガ
ーローラ取外し作業にそれぞれバケット車(または長尺
梯子)等を使用するので、新設のケーブルを一束化する
のに、径間においてバケット車(または長尺梯子)を順
次移動しながら行う作業がケーブル延線作業前後の工程
において行う必要があり、工事完了までに長時間を要し
ている。
【0007】また、交通量の多い場所などではバケット
車などによる作業に支障を来しさらなる作業の遅れを招
くとともに、通行人や走行車輌の邪魔になるだけでなく
作業者にとっても危険を伴う作業になるという問題があ
った。
【0008】本発明は、そのような実情に鑑みてなされ
たもので、既設伝送路に新たなケーブルを添架する一束
化工事の全工程において径間におけるバケット車(また
は長尺梯子)の使用を削除することができ、時間短縮を
図ることのできるケーブルの架線工法の提供と、一束化
工事などの伝送路架線工事に用いるのに適したケーブル
架線用ガイド具の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のケ
ーブルの架線工法は、径間に吊線とともにケーブルハン
ガーを介して架線された既設のケーブルの既設ケーブル
ハンガー内に添架して、新たなケーブルを当該既設のケ
ーブルとともに架線するケーブルの架線工法であって、
前記既設のケーブルの外周面に嵌め込んだガイド具を有
する通線手段を当該既設のケーブルに沿わせて前記ケー
ブルハンガー内を挿通させながら移動させることにより
径間に導綱を延線し、この導綱の先端に新たなケーブル
を連結した後、新たなケーブルを繰り出しながら導綱を
巻き取ることで、当該新たなケーブルを径間に架線する
ことを特徴とする。
【0010】請求項2に係る発明のケーブルの架線工法
は、前記通線手段が、前記既設のケーブルの外周面に嵌
め込むガイド具と、先端部に上記ガイド具を連結すると
ともに、終端部に前記導綱を連結する通線ロッドからな
り、前記既設のケーブルの外周面にガイド具を嵌め込ん
で通線ロッドを一方の電柱から他方の電柱側に押し込む
ことによって、当該ガイド具を既設のケーブルの外周面
を摺動させながら一方の電柱から他方の電柱側に移動さ
せて、前記導綱を径間に延線することを特徴とする。
【0011】請求項3に係る発明のケーブル架線用ガイ
ド具は、径間に吊線とともにケーブルハンガーを介して
架線された既設のケーブルに沿って移動させるケーブル
架線用のガイド具であって、前記ガイド具は、基端部か
ら先端部にかけて形成された螺旋状の溝を通じて前記既
設のケーブルの外周面に着脱自在に嵌め込まれ、この嵌
め込まれた状態で既設のケーブルの外周面に沿って摺動
自在になされるとともに、基端部から先端部にかけて先
細に形成され、この基端部には、ガイド具を既設のケー
ブルに沿って移動させるための通線ロッドが着脱自在な
連結部が設けられたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0013】本発明のケーブルの架線工法は、例えば図
3に示すように径間に吊線A1とともにケーブルハンガ
ーA2を用いて架線された既設のケーブルAに、新たな
ケーブルBを当該既設のケーブルAとともに架線するた
めの工法である。
【0014】ここでは、このケーブルの架線工法を説明
する前に、まず当該工法において主要部材として使用さ
れるケーブル架線用ガイド具(以下、単にガイド具とい
う。)1、通線ロッド2及び導綱3について説明する。
【0015】ガイド具1は、図4に示すように、基端部
11から先端部12にかけて溝13が螺旋状に形成さ
れ、当該溝13を通じて既存のケーブルAに着脱自在に
嵌め込まれるように形成されている。
【0016】また、ガイド具1は、基端部11から先端
部12にかけて先細に形成され、後述するケーブルの架
線工法においてケーブルハンガーA2を挿通しながら既
設のケーブルAに沿って円滑に移動できるようになされ
ている。また、ガイド具1の材質としても、既設のケー
ブルAに嵌め込んで移動させることから当該ケーブルA
を損傷させることがなく、且つ円滑に移動できるものが
用いられており、例えばポリアセタールなどで作製され
ている。
【0017】前記通線ロッド2は、前記既設のケーブル
Aに嵌め込んだガイド具1を図1に示すように一方の電
柱X1から他方の電柱X2側に移動させるためのもの
で、その先端が適宜な連結手段により前記ガイド具1の
基端部11に連結可能になされている。
【0018】上記連結手段としては、例えば図5(a)
に示すように前記ガイド具1の基端部11に連結部とし
ての螺子部14が突設されており、この螺子部14に通
線ロッド2の先端に設けられたナット部21をねじ込む
ことにより、図5(b)に示すように両者が着脱自在に
連結されるように構成されている。なお、上記連結手段
は一例であり他の連結手段を採用してもよい。
【0019】この通線ロッド2は、剛性に優れて指向性
が高く、しかも図6に示すようにリール4に巻き取って
収納できるような材質からなる線材が用いられており、
例えばFRP製のものが用いられている。
【0020】前記導綱3は、既設のケーブルや既設のケ
ーブルハンガーとの接触抵抗を少なくするため、例えば
低摩擦材料からなるロープであり、通線ロッド2の終端
部に適宜な連結手段により連結され、当該通線ロッド2
を通じて径間に延線するものである。
【0021】上記連結手段としては、例えば図7に示す
ような連結金具5が使用される。具体的には、図7
(a)に示すように連結金具5の一端部に螺子部51が
突設されるとともに、他端部52にU字状の連結部材5
3をボルト54により着脱自在に設け、上記螺子部51
に通線ロッド2の終端部に設けられたナット22をねじ
込むとともに、上記連結部材53に導綱3の先端に設け
た環状部31を挿通させて当該連結部材53をボルト5
4により他端部52に連結することにより、図7(b)
に示すように通線ロッド2と導綱3とが連結金具5を介
して連結される。
【0022】なお、両者を連結した後には、通線ロッド
2の終端部から連結金具5の他端部52にわたる部位を
図7(c)に示すように保護カバー(防止カバー)55
により被覆する。
【0023】次に、前記ガイド具1及び通線ロッド2を
用いて行われる本発明のケーブルの架線方法について主
に図1及び図2を参照しながら説明する。
【0024】まず、図1に示すように一方の電柱X1の
近傍に通線ロッド2と導綱3を配設するとともに、他方
の電柱X2の近傍に新たなに架線するケーブルBを配設
し、また、必要に応じてこれら電柱X1、X2に金車を
設置する。
【0025】続いて、一方の電柱X1において、作業者
により通線ロッド2の先端をガイド具1の基端部に連結
するとともに、このガイド具1を既存のケーブルAに嵌
め込む。このガイド具1の嵌め込みは、図8(a)に示
すように、まず、ガイド具1をケーブルAに対して先端
下がりの傾斜させた状態に配置し、その溝13の中央部
13aを当該ケーブルAに嵌め込む。そして、この状態
で、図8(b)に示すようにガイド具1全体を回転させ
ることで、このガイド具1を図8(c)に示すようにケ
ーブルAに配置する。
【0026】この状態で、通線ロッド2を一方の電柱X
1側から径間にガイド具1を押し出すような形で徐々に
押し込む。これによりガイド具1はケーブルAの外周部
を摺動してケーブルハンガーA2内を挿通しながら電柱
X2に向かって移動し、これに伴い通線ロッド2もケー
ブルハンガーA2内を挿通しながらケーブルAに沿って
延線される。
【0027】そして、ガイド具1が電柱X2に到達する
と、この電柱X2において作業者がガイド具1をケーブ
ルAから取り外すとともに、ガイド具1を通線ロッド2
の先端から取り外し、径間に延線された通線ロッド2を
電柱X2側に引き出して回収する。この際、通線ロッド
2の終端部には導綱3の先端が連結されており、電柱X
2での通線ロッド2の回収により、導綱3がケーブルハ
ンガーA2内を挿通した状態で径間に延線される。
【0028】上述のようにして径間に導綱3を延線する
と、次に、電線X2側では、その近傍に配設された繰り
出しドラム6から新しいケーブルBを繰り出し、このケ
ーブルBの先端を導綱3の先端に連結する。
【0029】そして、図2に示すように反対側の電柱X
1側に配設した巻き取りドラム7に導綱3を所定の速度
で巻き取ることで、ケーブルBが繰り出しドラム6から
バックテンションをかけた状態で繰り出される。
【0030】これにより、ケーブルBはケーブルハンガ
ーA2内を挿通しながらケーブルAに沿って径間に延線
され、ケーブルAとともに一束化された状態でケーブル
ハンガーA2に保持される。
【0031】この後、使用した各部材を撤去すること
で、径間へのケーブルBの架線作業を終了する。
【0032】上述した本発明のケーブルの架線工法によ
れば、作業者による電柱X1、X2での作業だけで、既
設のケーブルAに新たなケーブルBを併設することがで
きる。この結果、径間でのバケット車による高所作業が
不要になり、架線作業に要する時間を大幅に短縮するこ
とができるとともに、安全な環境の下で作業を行うこと
ができる。
【0033】なお、本実施の形態では、1の径間に新た
なケーブルBを既設のケーブルAとともに架線するもの
について説明したが、本発明のケーブルの架線工法は、
これに限らず2以上の連なる径間へも途中の電柱を通過
させながら架線することができる。この際には、途中の
電柱でのケーブルA等の既設の配線状況に応じて各種の
ローラを設け、当該電柱で通線ロッド2、導綱3及びケ
ーブルBが円滑に通過できるようにする必要がある。
【0034】また、1本の既設のケーブルAに新たなケ
ーブルBを架線して2本のケーブルを一束化するものに
ついて説明したが、これに限らず、例えば2本の既設の
ケーブルに新たなケーブルを架線して3本のケーブルを
一束化するようにしてもよい。なお、上述したように既
設のケーブルの数は関係ないが、本発明のケーブルの架
線工法においては、ケーブルハンガーA2に新たなケー
ブルを架線できるだけのスペースの余裕があることが前
提になることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のケーブルの
架線工法によれば、作業者による電柱での作業だけで既
設のケーブルに新たなケーブルを併設することができ、
これにより径間でのバケット車による高所作業が不要に
なり、架線作業に要する時間を大幅に短縮することがで
きるとともに、安全な環境の下で作業を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブルの架線工法を説明するための
概略の説明図である。
【図2】本発明のケーブルの架線工法を説明するための
概略の説明図である。
【図3】径間に架線されたケーブルを示す斜視図であ
る。
【図4】ガイド具を示す側面図である。
【図5】ガイド具と通線ロッドとの連結手段の具体例を
示す図である。
【図6】通線ロッドを収納するリールを示す側面図であ
る。
【図7】通線ロッドと導綱とを連結する連結手段の具体
例を示す図である。
【図8】既設のケーブルにガイド具を嵌め込む手法を示
す図である。
【図9】従来のケーブルの一束化工法を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A ケーブル A1 吊線 A2 ケーブルハンガー 1 ガイド具(ケーブル架線用ガイド具) 13 溝 14 螺子部(連結部) 2 通線ロッド 3 導綱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明橋 秀典 大阪市北区本庄東2丁目3番41号 株式 会社きんでん内 (56)参考文献 特開 平11−122736(JP,A) 特開 平10−313513(JP,A) 特開 平10−224928(JP,A) 特開2000−134739(JP,A) 特開2000−197223(JP,A) 特開2001−186615(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 1/02 H02G 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径間に吊線とともにケーブルハンガーを
    介して架線された既設のケーブルの既設ケーブルハンガ
    ー内に添架して、新たなケーブルを当該既設のケーブル
    とともに架線するケーブルの架線工法であって、 前記既設のケーブルの外周面に嵌め込んだガイド具を有
    する通線手段を当該既設のケーブルに沿わせて前記ケー
    ブルハンガー内を挿通させながら移動させることにより
    径間に導綱を延線し、この導綱の先端に新たなケーブル
    を連結した後、新たなケーブルを繰り出しながら導綱を
    巻き取ることで、当該新たなケーブルを径間に架線する
    ことを特徴とするケーブルの架線工法。
  2. 【請求項2】 前記通線手段は、前記既設のケーブル
    外周面に嵌め込むガイド具と、先端部に上記ガイド具を
    連結するとともに、終端部に前記導綱を連結する通線ロ
    ッドからなり、前記既設のケーブルの外周面にガイド具
    を嵌め込んで通線ロッドを一方の電柱から他方の電柱側
    に押し込むことによって、当該ガイド具を既設のケーブ
    ルの外周を摺動させながら一方の電柱から他方の電柱
    側に移動させて、前記導綱を径間に延線することを特徴
    とする請求項1記載のケーブルの架線工法。
  3. 【請求項3】 径間に吊線とともにケーブルハンガーを
    介して架線された既設のケーブルに沿って移動させるケ
    ーブル架線用のガイド具であって、 前記ガイド具は、基端部から先端部にかけて形成された
    螺旋状の溝を通じて前記既設のケーブルの外周面に着脱
    自在に嵌め込まれ、この嵌め込まれた状態で既設のケー
    ブルの外周に沿って摺動自在になされるとともに、基
    端部から先端部にかけて先細に形成され、この基端部に
    は、ガイド具を既設のケーブルに沿って移動させるため
    の通線ロッドが着脱自在な連結部が設けられたことを特
    徴とするケーブル架線用ガイド具。
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