JP2000295726A - 線条体の架設方法及びそれに用いられる螺旋状線材送り出し装置 - Google Patents

線条体の架設方法及びそれに用いられる螺旋状線材送り出し装置

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雅広 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない労力にて容易に、かつ安全に、しかも
低コストにて線条体の新規架設や追加架設を行うことを
可能とする。 【解決手段】 螺旋状線材送り出し装置31の送り出し
機構及び回転誘導ローラに、螺旋状に形成された線材か
らなる長尺のラッシングロッド32を保持させる。送り
出し機構の駆動モータを駆動させることにより、ラッシ
ングロッド32を、その螺旋の中心軸線を中心として回
転させて送り出し、誘導パイプ33へ巻き付けながら上
昇させる。誘導パイプ33を係止させたケーブル支持線
7へラッシングロッド32を巻き付けてさらに送り出
す。ケーブル支持線7に巻き付けたラッシングロッド3
2の螺旋内へ螺旋状線材送り出し装置31によってケー
ブル牽引用ワイヤを送り込み、その後、ケーブル牽引用
ワイヤを牽引して、後端側に接続したケーブルをラッシ
ングロッド内に引き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電線等の線条体
を電柱間に架設する線条体の架設方法及びそれに用いら
れる螺旋状線材送り出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、既設の架空ケーブルの区間
で、ケーブル心線が不足した場合、新規のケーブルを追
加して架設した方が経済的であり、この方法が行われて
いる。この場合、電柱にケーブルを支持する場所がない
ときは、新規ケーブルを架設した方が経済的であって
も、既設ケーブルを心線の多いケーブルに取り換える架
設方法を取らざるを得なかった。
【0003】一般に、ケーブルの架設の仕方としては、
電柱の支持点に1条ずつ支持しており、複数条のケーブ
ルを一緒に支持することは行われていない。なお、ケー
ブルの支持方法としては、ケーブル自体に支持線を設け
て自己支持させる方法あるいは別にケーブル支持線を架
設し、このケーブル支持線にケーブルを支持させる方法
がとられている。ところで、電力ケーブルと通信ケーブ
ルとを共に架設している、いわゆる共架柱の場合、特
に、市街地では、ケーブルの条数が多くなるため、電柱
におけるケーブルの支持箇所も多くなり、このため、互
いのケーブル同士によって、ケーブルの架設工事やケー
ブルの故障修理工事等に支障をきたしてしまう。
【0004】このため、ケーブルを自己支持する架設方
法の他に、次のような架設方法がとられている。 (1)スパイラルハンガーを使用したケーブル架設方法 (既設ケーブルに沿って新規ケーブルを架設する場合)
図16に示すように、既設ケーブル1に沿って新規ケー
ブルを支持させる場合は、既設のケーブル1に、螺旋状
に形成された短尺(約1.5m)の線材からなる複数
(約20本)のスパイラルハンガー2を、順に手で巻き
付けながら接続金具3によって互いに接合させて前方へ
押して送り出して電柱4間である1区間(約30m)に
配設し、図17に示すように、これらスパイラルハンガ
ー2内に新規ケーブル1を通して支持させる。なお、区
間中において、既設ケーブル1に分岐金物や屋外線の引
き落とし金物等の金物6がある場合は、図18に示すよ
うに、この金物6を越えた場所から新たにスパイラルハ
ンガー2を次の電柱4まで巻き付ける。スパイラルハン
ガー2の端末の固定は、電柱4付近では、支持線に取付
金物を用いて固定する。また、金物6付近では、金物6
に前述と同様に固定する。
【0005】(新規のケーブル区間に、新規ケーブルを
架設する場合)図19に示すように、電柱4に、予め新
規ケーブル1を支持させるケーブル支持線7を架設し、
このケーブル支持線7に新規ケーブル1を仮止めして吊
り下げておく。この状態において、前述したように、ケ
ーブル支持線7と新規ケーブル1とを束ねながらスパイ
ラルハンガー2を、順に手で巻き付けながら前方へ押し
て送り出し、このスパイラルハンガー2によって新規ケ
ーブル1を支持線7に支持させて架設する。なお、区間
中において、新規ケーブル1を引き落とす場合は、その
箇所までスパイラルハンガー2を巻き付けてから、ケー
ブル支持線7にケーブル分岐用金物6を取り付け、この
金物6に、新規ケーブル1の支持線に設けた図示しない
引き留め金具を連結させる。なお、スパイラルハンガー
2の端末の固定は、前述した(既設ケーブルに沿って新
規ケーブルを架設する場合)と同様に行う。
【0006】なお、スパイラルハンガー2内に新規ケー
ブル1を牽引して通す場合は、スパイラルハンガー2の
巻き付け時に、ケーブル牽引用のロープ等をケーブル支
持線7と一緒に配設しておき、このロープに新規ケーブ
ル1を繋ぎ、このロープを牽引すれば良い。また、上記
のようにスパイラルハンガー2によってケーブルが支持
された区間に、新規ケーブル1を架設する場合は、スパ
イラルハンガー2内に、ケーブル牽引用ワイヤ等を送り
込み、このワイヤに新規ケーブル1をつないで、ワイヤ
を牽引すれば良い。
【0007】なおまた、図20に示すように、既設ケー
ブル1あるいは新規ケーブル1の架設位置が上下や左右
に近接(上下30cm、左右20cm)している場合におけ
るスパイラルハンガー2の巻き付け作業では、このスパ
イラルハンガー2の末端が上下、左右のケーブルに損傷
を与えることがないように注意しながら巻き付けるとと
もに、巻き付け時のスパイラルハンガー2の回転半径を
極力小さくする。また、スパイラルハンガー2の巻き付
け作業は、昇降可能なバケットを有するバケット車を用
い、作業者を載せたバケットを上昇させ、このバケット
上にて行うが、このバケット車の出入りが不可能な狭隘
な場所では、図16に示したように、柱上作業台上かあ
るいは梯子上にて行う。
【0008】なお、上記の方法にて架設したケーブル
(新規ケーブル1)を撤去する場合は、このケーブルを
スパイラルハンガー2から引き抜く。ここで、区間内に
てケーブルが引き落としてあった場合は、ケーブル支持
線7の分岐用金物6とケーブルの支持線の引き留め金具
との連結を解除してからケーブルを引き抜く。
【0009】(2)ラッシングワイヤを使用したケーブ
ル架設方法 図21に示すように、ラッシングワイヤ11を用いたケ
ーブル1の架設方法は、このラッシングワイヤ11をケ
ーブル1とケーブル支持線7とを束ねて巻き付けるもの
である。
【0010】この方法は、数個の移動滑車12をケーブ
ル支持線7に吊り下げ、これら滑車12にケーブル引き
取り用のロープを通し、このロープにケーブル1を繋い
で牽引することにより、ケーブル1を滑車12内に通し
て仮架設しておき、この状態にて、始端側に、ラッシン
グワイヤ11を巻き付けるラッシングマシン14を取り
付け、このラッシングマシン14をケーブル1の架設方
向へ作業者が手であるいは作業車を用いて牽引して、ケ
ーブル支持線7及びケーブル1の外周に、長手方向へわ
たってラッシングワイヤ11を巻き付けて一体化させる
ものである。そして、1区間でのラッシングワイヤ11
の巻き付けの終了後に、ラッシングマシン14を取り外
し、ラッシングワイヤ11をケーブル支持線7に留め金
具によって留める。なお、ラッシングマシン14は、1
区間の架設が終了したら、前述したように、次の区間に
て、上記と同様にラッシングワイヤ11の巻き付け作業
を行う。
【0011】なお、区間中に屋外線の引き落とし金物が
ある場合は、ラッシングマシン14をケーブル支持線7
から取り外し、ラッシングワイヤー11を金物に留め
る。そして、この金物を越した場所にて、ラッシングマ
シン14を再びケーブル支持線7に取り付け、前述した
ように、ラッシングマシン14を作業者が手であるいは
作業車を用いて架設方向へ牽引して、ケーブル支持線7
及びケーブル1の外周にラッシングワイヤ11を一体的
に巻き付け、その後、このラッシングワイヤ11をケー
ブル支持線7に留める。
【0012】なお、ラッシングワイヤ11を巻き付ける
際の滑車12の取り付け取り外し、ロープの布設、ラッ
シングマシン14の取り付け取り外し等の各種作業は、
昇降可能なバケットを有するバケット車を用い、作業者
を載せたバケットを上昇させ、このバケット上にて行う
が、このバケット車の出入りが不可能な狭隘な場所で
は、柱上作業台上かあるいは梯子上にて行う。なおま
た、上記の方法にて架設したケーブル1を撤去する場合
は、ラッシングワイヤ11を作業者が手で巻き戻し、吊
り下がったケーブル1を撤去する。
【0013】(3)ケーブルリングを使用したケーブル
架設方法 この架設方法は、図22及び図23に示すように、ケー
ブル支持線7にケーブル1を、架設方向に沿って間隔を
あけてケーブルリング21によって吊り下げるものであ
る。この方法によってケーブル1を架設する場合、ま
ず、ケーブル支持線7に複数の滑車12を吊り下げ、こ
れら滑車12に牽引用ロープを通し、このロープにケー
ブル1を繋げ、ロープを牽引することにより、ケーブル
1を滑車12によって仮架設させておき、この状態に
て、始端側からケーブルリング21を1個ずつ順に間隔
をあけてケーブル支持線7に固定して、ケーブル1を吊
り下げる。
【0014】この作業は、昇降可能なバケットを有する
バケット車を用い、作業者を載せたバケットを上昇さ
せ、このバケット上にて行うが、このバケット車の出入
りが不可能な狭隘な場所では、ケーブル支持線に取り下
げた宙乗り器を用いる。つまり、この宙乗り器に作業者
が載り、ケーブルリング21をケーブル支持線7に固定
し、さらに作業者がケーブル支持線7を引っ張ることに
より宙乗り器を移動させて順にケーブルリング21によ
ってケーブル1を吊り下げていく。なお、区間の途中に
て、ケーブル1を分岐させる場合や屋外線の引き落とし
金物がある場合は、その場所で、梯子を使用して、宙乗
り器から作業者が降りて、宙乗り器を一旦ケーブル支持
線7から外し、このケーブル分岐箇所あるいは屋外線の
引き落とし金物の固定箇所を越えた付近にて再び宙乗り
器をケーブル支持線7に支持させ、再びケーブルリング
21によるケーブル1の吊り下げを行う。
【0015】また、上記の方法によって架設したケーブ
ル1を撤去する場合は、ケーブルリング21を一つずつ
取り外しながら、撤去するケーブル1を仮吊りして、地
上に落とす。なお、ケーブル1を新たに追加して架設す
る場合は、ケーブルリング21を一旦全て取り外し、新
たにケーブルリング21によって複数のケーブルをまと
めて吊り下げる。
【0016】(4)ラッシングロッドを使用したケーブ
ル架設方法 上記のケーブル架設方法の他にも、図24に示すよう
に、短尺(約80cm)のラッシングロッド22を用い、
このラッシングロッド22をケーブル支持線7とケーブ
ル1とに間隔をあけて(あるいは連続的に)作業者が1
本ずつ巻き付けることにより架設する方法もある。な
お、この方法において、ケーブル支持線7を先に架設し
てからケーブルを架設する場合は、ケーブル滑車12へ
牽引用ロープを用いてケーブル1を通して仮架設した状
態にて行う。
【0017】なお、この場合も、バケット車を用いて作
業を行うが、狭隘な場所では、柱上作業台上かあるいは
梯子上にて行う。また、上記の方法によって架設したケ
ーブル1を撤去する場合は、ラッシングロッド22を1
本ずつ手で巻き戻して取り外し、ケーブル1を仮吊りし
て地上に降ろす。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、各種の
ケーブル架設方法があるが、これらケーブル架設方法に
は、次のような課題があった。 スパイラルハンガーを使用したケーブル架設方法の場
合 スパイラルハンガー2の巻き付け、接続、送り出しは、
作業者が手作業で行っており、しかも、このスパイラル
ハンガー2は、短尺(約1.5m)であるため、ケーブル
架設工事にて数多く使用しなければならなかった。この
ため、作業者に大きな負担を与えてしまうという問題が
あった。
【0019】しかも、ケーブル1の分岐金物や屋外線の
引き落とし金物等がある場合は、スパイラルハンガー2
の取り付けを一旦止めて、これら金物を越えた場所から
あらためてスパイラルハンガー2の取り付け作業を行わ
なければならず、作業の煩雑化を招いてしまうという問
題があった。さらには、高所でかつ足場が狭い場所にて
作業を行わなければならないので、危険を伴うばかり
か、部品、工具等の落下等もなしとはしないものであっ
た。また、ケーブル間の間隔が狭い場合には、他のケー
ブル1を損傷させないように注意して作業を行わなけれ
ばならなかった。
【0020】また、新たにケーブル1を追加架設する場
合は、スパイラルハンガー2内にケーブル牽引用のロー
プ等を手作業にて通し、このロープにケーブル1を繋い
で牽引して、スパイラルハンガー2内に配設しなければ
ならず、その作業に多大な手間及び時間を要するという
問題があった。
【0021】ラッシングワイヤーを使用したケーブル
架設方法の場合 ラッシングワイヤー11は、螺旋の径が小さいため、ケ
ーブル1の被覆を損傷させてしまう恐れがあり、特に、
被覆が薄い光信号伝送用のケーブル等においては、光信
号の伝送に悪影響を与えてしまう恐れがあった。また、
ラッシングワイヤー11の径自体も細いものであるの
で、重量の大きいケーブルや複数のケーブルを束ねて架
設することは困難であった。
【0022】しかも、この方法の場合も、ケーブル1の
分岐金物や引き落とし金物等がある場合は、これら金物
を越えた場所等から再び作業を行わなければならず、作
業の煩雑化を招いていた。また、この作業も高所でかつ
足場がせまい場所にて行わなければならず、特に、この
作業に用いるラッシングマシン14は、大重量であるた
め、このラッシングマシン14の柱上作業台や梯子上で
の取り付け、取り外し作業には、さらなる危険を伴って
いた。
【0023】ケーブルリングを使用したケーブル架設
方法の場合 この方法の場合、複数のケーブルを同時に架設すること
ができるが、ケーブルをさらに追加する場合は、全ての
ケーブルリングを取り換えなければならず、その作業に
多大な労力を要するとともに、コストがかかるという問
題があった。また、この方法の場合も、高所における作
業に伴う危険の問題及び手作業であるための作業者の過
度の疲労等の問題等があった。
【0024】ラッシングロッドを使用したケーブル架
設方法の場合 この方法の場合も、作業は手作業であるので、作業者へ
の負担が大きく、しかも、高所でかつ狭い場所での作業
であるので、危険性を伴う等の問題があった。
【0025】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、少ない労力にて容易に、かつ安全に、しかも低コ
ストにて線条体の新規架設や追加架設を行うことが可能
な線条体の架設方法及びそれに用いられる螺旋状線材送
り出し装置を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の線条体の架設方法は、架設区間に線
条体を架設する方法であって、前記架設区間に架設され
た支持線と地上との間に誘導棒を配設し、この誘導棒
に、長尺の螺旋状線材を巻き付けながら回転させて送り
出すことにより、この螺旋状線材を、誘導棒を介して前
記支持線へ全長にわたって順次巻き付け、次いでこの巻
き付けられた螺旋状線材の螺旋内に、線条体を挿通して
架設することを特徴としている。
【0027】そして、この請求項1記載の線条体の架設
方法によれば、長尺螺旋状線材を、誘導棒を介して支持
線へ回転させて送り出すことにより支持線の長手方向へ
わたって自動的に巻き付けることができるので、人手に
よる作業と比較して、労力を大幅に低減させることがで
き、作業者への負担を少なくすることができる。また、
長尺螺旋状線材を回転させながら送り出して支持線に巻
き付けるので、例えば、支持線に各種の金物等が存在し
ても、この螺旋状線材は、その先端が、金物等を跨いで
巻き付き、金物等による妨げを受けずに螺旋状線材を配
設することができる。これにより、この金物等にて巻き
付け作業を一旦やめ、この金物等を越えた時点から再び
作業を行うような作業を不要とすることができ、これに
より、障害物による作業の煩雑化をなくすことができる
とともに、工期の短縮化を図ることができる。
【0028】さらには、前記螺旋状線材を地上から誘導
棒を介して支持線へ巻き付けるので、高所における作業
を削減することができ、これにより、作業者の安全確保
を図ることができ、また、高所作業による部品、工具等
の落下等の危険性を大幅に低減させることができる。ま
た、前記螺旋状線材のみを回転させて送り出すことによ
り支持線へ巻き付けるので、例えば、他の線条体が周囲
に隣接して架設してあっても、この螺旋状線材を周囲の
線条体に干渉させて損傷させるようなことなく巻き付け
ることができる。
【0029】また、大重量のラッシングマシン等の装置
を支持線に取り付ける必要がないので、この種の装置の
高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険を伴う作業
を不要とすることができる。しかも、線条体を追加して
架設する場合にも、支持線に巻き付けた前記螺旋状線材
へ追加する線条体を通すだけで良いので、例えば、ケー
ブルリングを使用して線条体を架設した場合のように、
線条体の追加に伴ってケーブルリングを全て交換するよ
うな無駄をなくすことができる。つまり、低コストにて
線条体の追加を行うことができる。
【0030】請求項2記載の線条体の架設方法は、架設
区間に線条体を架設する方法であって、前記架設区間に
架設した支持線と地上との間に誘導棒を配設するととも
に前記支持線に沿って前記線条体を仮支持させ、前記誘
導棒に、長尺の螺旋状線材を地上から巻き付けながら回
転させて送り出すことにより、この螺旋状線材を、誘導
棒を介して前記支持線及び線条体へ巻き付けて前記線条
体を架設することを特徴としている。
【0031】このように、請求項2記載の線条体の架設
方法によれば、長尺螺旋状線材を、誘導棒を介して支持
線及び支持線に仮支持させた線条体へ回転させて送り出
すことにより支持線の長手方向へわたって自動的に巻き
付けることができるので、人手による作業と比較して、
労力を大幅に低減させることができ、作業者への負担を
少なくすることができる。また、前記螺旋状線材を回転
させながら送り出して支持線及び線条体に巻き付けるの
で、例えば、支持線に各種の金物等が存在しても、この
螺旋状線材は、その先端が、金物等を跨いで巻き付き、
金物等による妨げを受けずに螺旋状線材を配設すること
ができる。これにより、この金物等にて巻き付け作業を
一旦やめ、この金物等を越えた時点から再び作業を行う
ような作業を不要とすることができ、これにより、障害
物による作業の煩雑化をなくすことができるとともに、
工期の短縮化を図ることができる。
【0032】さらには、前記螺旋状線材を地上から誘導
棒を介して支持線及び線条体へ巻き付けるので、高所に
おける作業を削減することができ、これにより、作業者
の安全確保を図ることができ、また、高所作業による部
品、工具等の落下等の危険性を大幅に低減させることが
できる。また、螺旋状線材のみを回転させて送り出すこ
とにより支持線及び線条体へ巻き付けるので、例えば、
他の線条体が周囲に隣接して架設してあっても、螺旋状
線材を周囲の線条体に干渉させて損傷させるようなこと
なく巻き付けることができる。
【0033】また、大重量のラッシングマシン等の装置
を支持線に取り付ける必要がないので、この種の装置の
高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険を伴う作業
を不要とすることができる。しかも、線条体を追加して
架設する場合にも、支持線及び既に架設した線条体に巻
き付けた螺旋状線材へ追加する線条体を通すだけで良い
ので、例えば、ケーブルリングを使用して線条体を架設
した場合のように、線条体の追加に伴ってケーブルリン
グを全て交換するような無駄をなくすことができる。つ
まり、低コストにて線条体の追加を行うことができる。
【0034】請求項3記載の線条体の架設方法は、架設
区間に線条体を架設する方法であって、地上にて、螺旋
状線材を支持線に巻き付けながら回転させて送り出すこ
とにより、この螺旋状線材を前記支持線に長手方向へわ
たって巻き付け、この螺旋状線材が巻き付けられた支持
線を、前記架設区間に架設し、前記螺旋状線材の螺旋内
に、前記線条体を通して架設することを特徴としてい
る。
【0035】つまり、請求項3記載の線条体の架設方法
によれば、長尺螺旋状線材を、地上にて支持線へ回転さ
せて送り出すことにより支持線の長手方向へわたって自
動的に巻き付けることができるので、人手による作業と
比較して、労力を大幅に低減させることができ、作業者
への負担を少なくすることができる。また、大重量のラ
ッシングマシン等の装置を支持線に取り付ける必要がな
いので、この種の装置の高所における取り付け作業等の
煩雑かつ危険を伴う作業を不要とすることができる。
【0036】しかも、線条体を追加して架設する場合に
も、支持線に巻き付けた螺旋状線材へ追加する線条体を
通すだけで良いので、例えば、ケーブルリングを使用し
て線条体を架設した場合のように、線条体の追加に伴っ
てケーブルリングを全て交換するような無駄をなくすこ
とができる。つまり、低コストにて線条体の追加を行う
ことができる。
【0037】請求項4記載の線条体の架設方法は、架設
区間に線条体を架設する方法であって、地上にて、支持
線と前記線条体とを束ね、この束ねた支持線及び線条体
の外周に、長尺の螺旋状線材を巻き付けながら回転させ
て送り出すことにより、この螺旋状線材を前記支持線及
び線条体に長手方向へわたって巻き付け、この螺旋状線
材が巻き付けられた支持線を、前記架設区間に架設する
ことにより、前記線条体を架設することを特徴としてい
る。
【0038】このように、請求項4記載の線条体の架設
方法によれば、長尺螺旋状線材を、地上にて支持線とこ
の支持線に束ねた線条体へ回転させて送り出すことによ
り支持線及び線条体の長手方向へわたって自動的に巻き
付けることができるので、人手による作業と比較して、
労力を大幅に低減させることができ、作業者への負担を
少なくすることができる。また、大重量のラッシングマ
シン等の装置を支持線及び線条体に取り付ける必要がな
いので、この種の装置の高所における取り付け作業等の
煩雑かつ危険を伴う作業を不要とすることができる。
【0039】しかも、線条体を追加して架設する場合に
も、支持線及び既に架設した線条体に巻き付けた螺旋状
線材へ追加する線条体を通すだけで良いので、例えば、
ケーブルリングを使用して線条体を架設した場合のよう
に、線条体の追加に伴ってケーブルリングを全て交換す
るような無駄をなくすことができる。つまり、低コスト
にて線条体の追加を行うことができる。
【0040】請求項5記載の線条体の架設方法は、請求
項1または請求項3記載の線条体の架設方法において、
前記螺旋状線材の螺旋内にワイヤを送り込み、このワイ
ヤの後端側に前記線条体を接続し、前記ワイヤを牽引す
ることにより、前記線条体を前記螺旋状線材の螺旋内に
引き込むことを特徴としている。
【0041】即ち、請求項5記載の線条体の架設方法に
よれば、支持線に巻き付けた長尺螺旋状線材の螺旋内へ
自動的に送り込んだワイヤを牽引することにより、極め
て容易に、ワイヤに接続した線条体を螺旋状線材の螺旋
内へ引き込むことができ、手作業によって牽引用ロープ
を通す場合と比較して、作業性を大幅に向上させること
ができる。
【0042】請求項6記載の線条体の架設方法は、請求
項1または請求項3記載の線条体の架設方法において、
前記螺旋状線材の螺旋内に、先端側に前記線条体が接続
されたワイヤを送り込むことにより、前記ワイヤととも
に前記線条体を前記螺旋状線材の螺旋内に引き込むこと
を特徴としている。
【0043】これにより、請求項6記載の線条体の架設
方法によれば、支持線に巻き付けた長尺螺旋状線材の螺
旋内へワイヤとともに線条体を自動的に送り込むことが
できるので、手作業によって牽引用ロープを通し、この
牽引用ロープを牽引して、この牽引用ロープに接続した
線条体を引き込む場合と比較して、作業性を大幅に向上
させることができる。
【0044】請求項7記載の線条体の架設方法は、請求
項5または請求項6記載の線条体の架設方法において、
前記ワイヤの先端部に、先端部に球状体が設けられた棒
状の先端アダプタを取り付けておくことを特徴としてい
る。
【0045】そして、請求項7記載の線条体の架設方法
によれば、先端に球状体が設けられた棒状の先端アダプ
タをワイヤの先端部に取り付けておくことにより、送り
出すワイヤを先端アダプタによって極めて円滑に長尺螺
旋状線材の螺旋内へ送り込むことができ、作業の円滑化
を図ることができる。
【0046】請求項8記載の螺旋状線材送り出し装置
は、請求項1〜4のいずれか1項記載の線条体の架設方
法に用いられる螺旋状線材送り出し装置であって、前記
螺旋状線材を挟持して送り出す送り出し機構と、該送り
出し機構に前記螺旋状線材を挟持させた際に、この挟持
箇所の前後における前記螺旋状線材を移動可能に保持す
る一対の案内部とを有し、前記送り出し機構によって螺
旋状線材を、その螺旋の中心軸線を中心として回転させ
て送り出すことを特徴としている。
【0047】このように、請求項8記載の螺旋状線材送
り出し装置によれば、長尺螺旋状線材を、案内部によっ
て案内させながら送り出し機構によって送り出すことに
より、螺旋の中心軸を中心として回転させて送り出すこ
とができ、支持線あるいは支持線と線条体との外周へ容
易に巻き付けながら前進させることができる。
【0048】請求項9記載の螺旋状線材送り出し装置
は、請求項8記載の螺旋状線材送り出し装置において、
前記案内部が、前記送り出し機構における前記螺旋状線
材の挟持箇所から前後へ、この螺旋状線材の螺旋の半回
転位置に設けられていることを特徴としている。
【0049】このように、請求項9記載の螺旋状線材送
り出し装置によれば、案内部を、送り出し機構の前後に
おける螺旋状線材の螺旋の半回転位置に設けたので、螺
旋状線材をさらに確実にかつ円滑に螺旋の中心軸線を中
心として回転させて送り出すことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の線条体の架設方法
及びそれに用いられる螺旋状線材送り出し装置の実施の
形態を図によって説明する。図1において、符号31
は、螺旋状線材送り出し装置である。この螺旋状線材送
り出し装置31は、図2に示すような、螺旋状の線材か
らなるラッシングロッド(螺旋状線材)32を送り出す
装置であり、この螺旋状線材送り出し装置31によって
送り出されるラッシングロッド32としては、約4mmの
径の鋼線を螺旋形状としたものが用いられ、この螺旋の
ピッチは約27cmとされ、長さは約10mの長尺のもの
が用いられる。
【0051】また、この螺旋状線材送り出し装置31に
は、誘導パイプ(誘導棒)33が着脱可能とされてい
る。この誘導パイプ33は、図3に示すように、入れ子
状に組み合わされた複数の絶縁樹脂製の筒体34から構
成されたもので、伸縮可能とされている。この誘導パイ
プ33の先端部には、係止用フック35が取り付けられ
ており、基端部には、螺旋状線材送り出し装置31に連
結させるために形成された連結孔36が設けられてい
る。
【0052】そして、この誘導パイプ33の基端部を螺
旋状線材送り出し装置31に連結した状態にて、誘導パ
イプ33を伸長させることにより、先端部の係止用フッ
ク35を、電柱4に架設されたケーブル支持線(支持
線)7に係止させることができるようになっている。
【0053】次に、螺旋状線材送り出し装置31の構成
及び構造について説明する。図4から図7において、符
号41は、架台である。この架台41には、その上部に
送り出し機構42が設けられており、この送り出し機構
42の両側には、架台41の上面に一対の回転誘導ロー
ラ(案内部)43が設けられている。また、架台41の
一端には、連結部44が形成されており、この連結部4
4には、前記誘導パイプ33の基端部が連結されるよう
になっている。つまり、この連結部44に設けられたピ
ン45を、誘導パイプ33の基端部に形成された連結孔
36へ挿通させることにより、誘導パイプ33が、水平
軸線を中心として回動可能に連結されるようになってい
る。
【0054】送り出し機構42は、底板46a、側板4
6b及び上面板46cから構成された側面視コ字状のフ
レーム46を有しており、このフレーム46の底板46
aが、架台41に固定されている。このフレーム46の
側板46bには、駆動モータ47が設けられており、こ
の駆動モータ47の駆動軸48が、フレーム46の内側
に突出されている。この駆動モータ47の駆動軸48に
は、その先端部に駆動ローラ49が設けられている。
【0055】また、フレーム46の上面板46cには、
駆動ローラ49の両側部における上方に一対の加圧ロー
ラ51が設けられている。これら加圧ローラ51は、ブ
ラケット52にそれぞれ回転可能に支持されている。ブ
ラケット52には、案内ロッド53が設けられており、
これら案内ロッド53が、フレーム46の上面板46c
に設けられた案内部材54に挿通されて上下方向に摺動
可能に支持されている。
【0056】また、フレーム46の上面板46cには、
加圧機構55が設けられている。この加圧機構55は、
雄ネジ56を有する加圧調整ハンドル57と、この加圧
調整ハンドル57の雄ネジ56が螺合された雌ねじ58
を有する円筒状の支持金具59と、加圧調整ハンドル5
7の先端部に設けられた押圧部材61と、この押圧部材
61の先端側に設けられた突起部61aに嵌合されたス
プリング62とを有しており、このスプリング62が、
フレーム46の上面板46cに形成された孔部63へ通
され、ブラケット52の上部に設けられた突起部64に
嵌合されて支持されている。
【0057】そして、上記のように構成された送り出し
機構42の駆動ローラ49と加圧ローラ51との間に、
前述したラッシングロッド32が通され、このラッシン
グロッド32が駆動ローラ49と加圧ローラ51とによ
って挟持されて保持されるようになっている。
【0058】そして、加圧機構55のスプリング62に
よって、ブラケット52に支持された各加圧ローラ51
が下方へ付勢されている。また、加圧機構55の加圧調
整ハンドル57を回動させて、雄ネジ56の雌ねじ58
へのねじ込み量を調整することにより、スプリング62
による加圧ローラ51の下方への付勢力が調整されるよ
うになっている。
【0059】回転誘導ローラ43は、架台41の上面側
における送り出し機構42の両側部に設けられており、
それぞれ架台41に設けられた支持フレーム65に、水
平方向の軸線を中心として回動可能に支持されている。
支持フレーム65は、その上部が、水平方向へ屈曲され
た係止片部66と、この係止片部66から下方へ屈曲さ
れた支持片部67とを有する鉤形に形成されており、支
持片部67と、支持フレーム本体65aとに、回転誘導
ローラ43の回転軸68が支持されている。そして、こ
の回転誘導ローラ43と支持フレーム65の係止片部6
6との間に、ラッシングロッド32が挿通されて保持さ
れるようになっている。
【0060】ここで、上記回転誘導ローラ43は、螺旋
状線材送り出し装置31の送り出し機構42に対して、
一方の回転誘導ローラ43が前方に配置され、他方の回
転誘導ローラ43が後方に配置されている。つまり、送
り出し機構42にラッシングロッド32を保持させる
と、この保持されたラッシングロッド32は、送り出し
機構42の両側部において、送り出し機構42の前後に
配置されることとなり、これにより、この送り出し機構
42の両側部におけるラッシングロッド32が、送り出
し機構42に対して前後にずらして配置された回転誘導
ローラ43に保持されるようになっている。
【0061】また、送り出し機構42のラッシングロッ
ド32の保持位置に対して、それぞれの回転誘導ローラ
43は、ラッシングロッド32の保持位置が下方側とさ
れている。つまり、回転誘導ローラ43及び送り出し機
構42にラッシングロッド32を保持させた際に、ラッ
シングロッド32の山となる部分が送り出し機構42に
保持され、このラッシングロッド32の山となる部分の
両側の谷となる部分が回転誘導ローラ43に保持される
ようになっている。即ち、回転誘導ローラ43は、送り
出し機構42のラッシングロッド32の保持位置に対し
て、それぞれラッシングロッド32の螺旋の半回転位置
に設けられている。
【0062】このように、上記螺旋状線材送り出し装置
31では、螺旋状に形成されたラッシングロッド32
を、その形状に合った位置にて無理なく保持することが
できるようになっている。また、螺旋状線材送り出し装
置31の送り出し機構42を構成する駆動モータ47に
は、コントローラ69を介して電源70が接続されてお
り、このコントローラ69によって電源70から駆動モ
ータ47への電力の供給を制御して駆動モータ47の回
転速度の調整、回転方向、作動、停止等を制御すること
ができるようになっている。
【0063】そして、上記のようにラッシングロッド3
2を保持させた状態にて、送り出し機構42の駆動モー
タ47を駆動させて、回転軸48を回転させることによ
り、ラッシングロッド32が一方側へ送り出されるよう
になっている。そして、このラッシングロッド32が送
り出される送り出し側では、送り出されるラッシングロ
ッド32が回転誘導ローラ43によって確実に案内され
て送り出され、また、送り出し機構42へラッシングロ
ッド32が送り込まれる送り込み側では、送り込まれる
ラッシングロッド32が回転誘導ローラ43によって確
実に案内されて送り込まれるようになっている。
【0064】なお、この螺旋状線材送り出し装置31に
ラッシングロッド32を保持させる場合には、その送り
出し側の端部を、架台41の連結部45に連結させた誘
導パイプ33に絡ませておく。つまり、このように、ラ
ッシングロッド32の送り出し側の端部を誘導パイプ3
3に絡ませておくことにより、送り出されるラッシング
ロッド32は、誘導パイプ33の周囲を回動しながら送
り出され、これにより、この誘導パイプ33によって、
送り出し方向が案内される。
【0065】上記のように構成された螺旋状線材送り出
し装置31に送り込まれるラッシングロッド32は、タ
ーンテーブル71に載置されたラッシングロッド収納箱
72に収納されており、ターンテーブル71によってラ
ッシングロッド収納箱72が回動されるようになってい
る。つまり、ラッシングロッド収納箱72に収納された
ラッシングロッド32が螺旋状線材送り出し装置31へ
送り込まれると、このラッシングロッド32の送り込み
にともなってラッシングロッド収納箱72が回動され、
ラッシングロッド32が無理なく送り出されるようにな
っている。
【0066】次に、上記螺旋状線材送り出し装置31を
用いてケーブル(線条体)を架設する場合について説明
する。なお、ここでは、新規のケーブル区間に新規のケ
ーブル1を架設する場合を例にとって説明する。新規の
ケーブル区間に新規のケーブル1を架設する場合は、ま
ず、電柱4にケーブル支持線(支持線)7を架設してお
き、このケーブル支持線7に長尺のラッシングロッド3
2を巻き付ける。
【0067】ここで、ラッシングロッド32のケーブル
支持線7への巻き付け作業について図1を参照して説明
する。まず、螺旋状線材送り出し装置31を、新規のケ
ーブル区間の始端側における地面に設置し、この螺旋状
線材送り出し装置31に連結させた誘導パイプ33を引
っ張り伸長させる。そして、この誘導パイプ33の先端
部に設けられた係止用フック35を、ケーブル支持線7
の始端側に係止させる。次いで、螺旋状線材送り出し装
置31の側部に設置したターンテーブル71に載置させ
たラッシングロッド収納箱72からラッシングロッド3
2の端部を引き出し、螺旋状線材送り出し装置31の送
り込み側の回転誘導ローラ42と係止片部66との間へ
通す。
【0068】このラッシングロッド32を、送り出し機
構42の駆動ローラ49と加圧ローラ51との間へ、送
り出し機構42の正面側から挿入し、さらに、送り出し
側の回転誘導ローラ43と係止片部66との間へ通し、
加圧機構42の加圧ハンドル57を回動させて、加圧ロ
ーラ51の下方への付勢力を高め、これら加圧ローラ5
1と駆動ローラ49とによってラッシングロッド32を
確実に挟持させて保持させる。
【0069】このように、ラッシングロッド32を螺旋
状線材送り出し装置31に装着させたら、ラッシングロ
ッド32の端部に、図8に示すように、ラッシングロッ
ド32と略同一螺旋形状(螺旋の径が約100mm)に形
成された先端巻き付けアダプタ73を取り付け、この先
端巻き付けアダプタ73が取り付けられたラッシングロ
ッド32を、誘導パイプ33に巻き付ける。この先端巻
き付けアダプタ73は、ラッシングロッド32の径の約
2倍の径に形成されたもので、ラッシングロッド32よ
りも変形しずらい材質から形成されており、ラッシング
ロッド32の端部を保護するとともに確実に案内するこ
とを目的として取り付けられる。なお、この先端巻き付
けアダプタ73は、必要でなければ取り付けなくても良
い。
【0070】次に、コントローラ69を操作し、電源7
0から駆動モータ47へ電力を供給させて駆動させる。
このようにすると、駆動モータ47の駆動軸48が回転
し、これにより、駆動ローラ49と加圧ローラ51とに
よって挟持されたラッシングロッド32が送り出され
る。ここで、螺旋状線材送り出し装置31は、ラッシン
グロッド32の螺旋の半回転位置を保持しているので、
無理なく送り出される。
【0071】これにより、ラッシングロッド32は、誘
導パイプ33に巻き付きながらこの誘導パイプ33に沿
って送り出されて前進し、上昇する。そして、この送り
出されるラッシングロッド32がケーブル支持線7に到
達すると、その端部が、ケーブル支持線7に巻き付き、
このケーブル支持線7の外周を回転しながら、その架設
方向に沿って前進する。このとき、ケーブル区間の中間
にて、ケーブル引き留め金物や分岐金物等が配設されて
いたとしても、ラッシングロッド32は、回転されなが
ら送り出されるので、ケーブル支持線7に設けられた金
物をかわして前進する。
【0072】さらに、ラッシングロッド32が、ケーブ
ル支持線7が支持された電柱4にさしかかった場合に
も、このラッシングロッド32は、この電柱4のケーブ
ル支持線7の支持箇所をかわして前進する。上記のよう
にして、ラッシングロッド32をケーブル支持線7に巻
き付け、その端部をケーブル支持線7に固定したら、こ
のラッシングロッド32内に、新規のケーブル1を配設
する。
【0073】ここで、このケーブル1の配設の仕方を図
9を参照して説明する。まず、螺旋状線材送り出し装置
31とケーブル支持線7に巻き付けたラッシングロッド
32の端部との間にワイヤガイドパイプ74を配設す
る。次いで、螺旋状線材送り出し装置31の送り出し機
構42の駆動ローラ49と加圧ローラ47との間に、ケ
ーブル牽引用ワイヤ(ワイヤ)75を配設し、駆動ロー
ラ49と加圧ローラ51によってケーブル牽引用ワイヤ
75を挟持させて保持させる。
【0074】そして、このケーブル牽引用ワイヤ75
を、ワイヤガイドパイプ74内へ挿入し、螺旋状線材送
り出し装置31のコントローラ69によって駆動モータ
47を駆動させる。このようにすると、ケーブル牽引用
ワイヤ75が螺旋状線材送り出し装置31の送り出し機
構42によって送り出され、この送り出されたケーブル
牽引用ワイヤ75がワイヤガイドパイプ74内を前進
し、上昇する。
【0075】その後、ケーブル牽引用ワイヤ75は、ケ
ーブル支持線7に巻き付けられたラッシングロッド32
の螺旋内に入り込まれる。ここで、このケーブル牽引用
ワイヤ75に、その先端を、図10に示すように、先端
部に球状体76が設けられたパイプ状の牽引用ワイヤ先
端アダプタ(先端アダプタ)77に挿入して装着させ
る。なお、この牽引用ワイヤ先端アダプタ77として
は、棒状であればパイプ状でなくても良い。そして、こ
の先端部に牽引用ワイヤ先端アダプタ77が取り付けら
れたケーブル牽引用ワイヤ75をさらに送り出すと、こ
のケーブル牽引用ワイヤ75が、その先端に設けられた
牽引用ワイヤ先端アダプタ77によってラッシングロッ
ド32の螺旋内を案内されながら、架設方向へ前進す
る。これにより、この牽引用ワイヤ先端アダプタ77の
後端側のケーブル牽引用ワイヤ75が、ラッシングロッ
ド32の螺旋内に通される。このように、ケーブル牽引
用ワイヤ75をラッシングロッド32の螺旋内に通した
ら、このケーブル牽引用ワイヤ75の後端部に、新規の
ケーブル1を接続する。
【0076】そして、このケーブル1が接続されたケー
ブル牽引用ワイヤ75を、図示しない巻き取り装置等に
よって引っ張ることにより、このケーブル牽引用ワイヤ
75によってケーブル1が牽引され、ラッシングロッド
32の螺旋内に引き込まれ、これにより、このケーブル
1が、新規区間に架設される。
【0077】このように、上記のケーブル架設方法によ
れば、螺旋状の線材からなるラッシングロッド32を、
螺旋状線材送り出し装置31によって誘導パイプ33を
介してケーブル支持線7へ回転させて送り出すことによ
りケーブル支持線7の長手方向へわたって自動的に巻き
付けることができるので、人手による作業と比較して、
労力を大幅に低減させることができ、作業者への負担を
少なくすることができる。
【0078】また、ラッシングロッド32を回転させな
がら送り出してケーブル支持線7に巻き付けるので、例
えば、ケーブル支持線7に各種の金物等が存在しても、
ラッシングロッド32は、その先端が、金物等を跨いで
巻き付くので、金物等による妨げを受けずにラッシング
ロッド32を配設することができる。これにより、この
金物等にて巻き付け作業を一旦やめ、この金物等を越え
た時点から再び作業を行うような煩雑な作業を不要とす
ることができ、これにより、障害物による作業の煩雑化
をなくすことができるとともに、工期の短縮化を図るこ
とができる。
【0079】さらには、ラッシングロッド32を地上か
ら誘導パイプ33を介してケーブル支持線7へ巻き付け
るので、高所における作業を削減することができ、これ
により、作業者の安全確保を図ることができ、また、高
所作業による部品、工具等の落下等の危険性を大幅に低
減させることができる。また、ラッシングロッド32の
みを回転させて送り出すことによりケーブル支持線7へ
巻き付けるので、例えば、他のケーブル1が周囲に隣接
して架設してあっても、ラッシングロッド32を周囲の
ケーブル1に干渉させて損傷させるようなことなく巻き
付けることができる。
【0080】また、大重量のラッシングマシン等の装置
をケーブル支持線7に取り付ける必要がないので、この
種の装置の高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険
を伴う作業を不要とすることができる。しかも、ケーブ
ル1を追加して架設する場合にも、ケーブル支持線7に
巻き付けたラッシングロッド32へ追加するケーブル1
を通すだけで良いので、例えば、ケーブルリングを使用
してケーブル1を架設した場合のように、ケーブル1の
追加に伴ってケーブルリングを全て交換するような無駄
をなくすことができる。つまり、低コストにてケーブル
1の追加を行うことができる。
【0081】また、ケーブル支持線7に巻き付けたラッ
シングロッド32の螺旋内へ螺旋状線材送り出し装置3
1によって自動的に送り込んだケーブル牽引用ワイヤ7
5を牽引することにより、極めて容易に、ケーブル牽引
用ワイヤ75に接続したケーブル1をラッシングロッド
32の螺旋内へ引き込むことができ、手作業によって牽
引用ロープを通す場合と比較して、作業性を大幅に向上
させることができる。しかも、先端に球状体76が設け
られた棒状の牽引用ワイヤ先端アダプタ77をケーブル
牽引用ワイヤ75の先端部に取り付けておくことによ
り、螺旋状線材送り出し装置31によって送り出すケー
ブル牽引用ワイヤ75を牽引用ワイヤ先端アダプタ77
によって極めて円滑にラッシングロッド32の螺旋内へ
送り込むことができ、作業の円滑化を図ることができ
る。
【0082】また、上記のケーブル架設方法に用いた螺
旋状線材送り出し装置によれば、ラッシングロッド32
を、回転誘導ローラ43によって案内させながら送り出
し機構42によって送り出すことにより、螺旋の中心軸
を中心として回転させて送り出すことができ、ケーブル
支持線7の外周へ容易に巻き付けながら前進させること
ができる。さらには、回転誘導ローラ43を、送り出し
機構42の前後におけるラッシングロッド32の螺旋の
半回転位置に設けたので、ラッシングロッド32を、さ
らに確実にかつ円滑に螺旋の中心軸線を中心として回転
させて送り出すことができる。
【0083】なお、上記の例では、新規のケーブル区間
に、新規のケーブル1を架設する場合を例にとって説明
したが、既設のケーブル1に新規のケーブル1を架設す
る場合も、上記と同様に行うことができる。つまり、上
記と同様に、既設のケーブル1をケーブル支持線とし、
この既設のケーブル1に、ラッシングロッド32を巻き
付け、この巻き付けたラッシングロッド32の螺旋内
に、ケーブル牽引用ワイヤ75を通し、このケーブル牽
引用ワイヤ75によってケーブル1を牽引してラッシン
グロッド32内に通して架設すれば良い。また、この場
合、既設のケーブル1としては、支持線内蔵型のもので
もあるいはケーブル支持線7に支持されたものでも良
い。
【0084】また、図11に示すものは、先端巻き付け
アダプタ73に代えて設けられる先端束ね用アダプタ7
8である。この先端束ね用アダプタ78は、特に、ケー
ブル1をケーブル支持線7に束ねながらこれらケーブル
支持線7及びケーブル1の外周にラッシングロッド32
を巻き付ける際に用いられるものである。この先端束ね
用アダプタ78は、円筒状に形成されたもので、その内
部に、ケーブル支持線7及びケーブル1が通されるよう
になっている。そして、この先端束ね用アダプタ78に
は、螺旋状線材送り出し装置31によって送り出される
ラッシングロッド32の先端部が回動可能に巻き付けら
れるようになっている。
【0085】つまり、この先端束ね用アダプタ78に、
ラッシングロッド32の先端部を回動可能に巻き付け、
この先端束ね用アダプタ78内にケーブル支持線7及び
ケーブル1を挿通させた状態にて、螺旋状線材送り出し
装置31によってラッシングロッド32を送り出しなが
ら先端束ね用アダプタ78の係合孔79に固着させたロ
ープ80を引っ張って、先端束ね用アダプタ78を架設
方向前方へ移動させることにより、ケーブル1がケーブ
ル支持線7に束ねられながら、外周にラッシングロッド
32が巻き付けられ、ケーブル1が架設されるようにな
っている。
【0086】なお、上記の例では、ケーブル牽引用ワイ
ヤ75をラッシングロッド32内に通し、その後、ケー
ブル牽引用ワイヤ75によってケーブル1をラッシング
ロッド32内に引き込んだが、図12に示すように、ケ
ーブル牽引用ワイヤ75の先端部に取り付けた牽引用ワ
イヤ先端アダプタ77の後端部にケーブル1の端部を接
続しておき、ラッシングロッド32の螺旋内に送り込む
ケーブル牽引用ワイヤ75とともにケーブル1をラッシ
ングロッド32の螺旋内に引き込んでも良い。
【0087】そして、このように、ケーブル支持線7に
巻き付けたラッシングロッド32の螺旋内へケーブル牽
引用ワイヤ75とともにケーブル1を自動的に送り込む
ことができるので、手作業によって牽引用ロープを通
し、この牽引用ロープを牽引して、この牽引用ロープに
接続したケーブル1を引き込む場合と比較して、作業性
を大幅に向上させることができる。
【0088】また、図13に示すものは、電柱4にケー
ブル支持線7を架設するとともに、このケーブル支持線
7に、新規のケーブル1を仮架設しておき、このケーブ
ル支持線7とケーブル支持線7に仮架設されたケーブル
1とに、螺旋状線材送り出し装置31によって送り出さ
れたラッシングロッド32を巻き付けて、ケーブル1を
架設することもできる。
【0089】そして、この架設方法の場合も、ラッシン
グロッド32を、螺旋状線材送り出し装置31によって
誘導パイプ33を介してケーブル支持線7及びこのケー
ブル支持線7に仮支持させたケーブル1へ回転させて送
り出すことによりケーブル支持線7の長手方向へわたっ
て自動的に巻き付けることができるので、人手による作
業と比較して、労力を大幅に低減させることができ、作
業者への負担を少なくすることができる。
【0090】また、ラッシングロッド32を回転させな
がら送り出してケーブル支持線7及びケーブル1に巻き
付けるので、例えば、ケーブル支持線7に各種の金物等
が存在しても、ラッシングロッド32は、その先端が、
金物等を跨いで巻き付くので、金物等による妨げを受け
ずにラッシングロッド32を配設することができる。こ
れにより、この金物等にて巻き付け作業を一旦やめ、こ
の金物等を越えた時点から再び作業を行うような作業を
不要とすることができ、これにより、障害物による作業
の煩雑化をなくすことができるとともに、工期の短縮化
を図ることができる。
【0091】さらには、ラッシングロッド32を地上か
ら誘導パイプ33を介してケーブル支持線7及びケーブ
ル1へ巻き付けるので、高所における作業を削減するこ
とができ、これにより、作業者の安全確保を図ることが
でき、また、高所作業による部品、工具等の落下等の危
険性を大幅に低減させることができる。また、ラッシン
グロッド32のみを回転させて送り出すことによりケー
ブル支持線7及びケーブル1へ巻き付けるので、例え
ば、他のケーブル1が周囲に隣接して架設してあって
も、ラッシングロッド32を周囲のケーブル1に干渉さ
せて損傷させるようなことなく巻き付けることができ
る。
【0092】また、大重量のラッシングマシン等の装置
をケーブル支持線7に取り付ける必要がないので、この
種の装置の高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険
を伴う作業を不要とすることができる。しかも、ケーブ
ル1を追加して架設する場合にも、ケーブル支持線7及
び既に架設したケーブル1に巻き付けたラッシングロッ
ド32へ追加するケーブル1を通すだけで良いので、例
えば、ケーブルリングを使用してケーブル1を架設した
場合のように、ケーブル1の追加に伴ってケーブルリン
グを全て交換するような無駄をなくすことができる。つ
まり、低コストにてケーブル1の追加を行うことができ
る。
【0093】なお、特に、新規のケーブル区間に新規の
ケーブル1を架設する場合は、図14に示すように、地
上にてケーブル支持線7にラッシングロッド32を巻き
付け、このラッシングロッド32を巻き付けたケーブル
支持線7を電柱4に架設しても良い。この場合も、ラッ
シングロッド32を、螺旋状線材送り出し装置31によ
って地上にてケーブル支持線7へ回転させて送り出すこ
とにより、ケーブル支持線7の長手方向へわたって自動
的に巻き付けることができるので、人手による作業と比
較して、労力を大幅に低減させることができ、作業者へ
の負担を少なくすることができる。
【0094】また、大重量のラッシングマシン等の装置
をケーブル支持線7に取り付ける必要がないので、この
種の装置の高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険
を伴う作業を不要とすることができる。しかも、ケーブ
ル1を追加して架設する場合にも、ケーブル支持線7に
巻き付けたラッシングロッド32へ追加するケーブル1
を通すだけで良いので、例えば、ケーブルリングを使用
してケーブル1を架設した場合のように、ケーブル1の
追加に伴ってケーブルリングを全て交換するような無駄
をなくすことができる。つまり、低コストにてケーブル
1の追加を行うことができる。
【0095】さらには、図15に示すように、地上に
て、ケーブル支持線7と新規のケーブル1との外周に、
螺旋状線材送り出し装置31によってラッシングロッド
32を巻き付けてこのラッシングロッド32によって束
ねられたケーブル支持線7とケーブル1とを電柱4に掛
け渡せることもできる。
【0096】そして、この場合も、ラッシングロッド3
2を、螺旋状線材送り出し装置31によって地上にてケ
ーブル支持線7とこのケーブル支持線7に束ねたケーブ
ル1へ回転させて送り出すことによりケーブル支持線7
及びケーブル1の長手方向へわたって自動的に巻き付け
ることができるので、人手による作業と比較して、労力
を大幅に低減させることができ、作業者への負担を少な
くすることができる。また、大重量のラッシングマシン
等の装置をケーブル支持線7及びケーブル1に取り付け
る必要がないので、この種の装置の高所における取り付
け作業等の煩雑かつ危険を伴う作業を不要とすることが
できる。
【0097】しかも、ケーブル1を追加して架設する場
合にも、ケーブル支持線7及び既に架設したケーブル1
に巻き付けたラッシングロッド32へ追加するケーブル
1を通すだけで良いので、例えば、ケーブルリングを使
用してケーブル1を架設した場合のように、ケーブル1
の追加に伴ってケーブルリングを全て交換するような無
駄をなくすことができる。つまり、低コストにてケーブ
ル1の追加を行うことができる。
【0098】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の線条体
の架設方法及びそれに用いられる螺旋状線材送り出し装
置によれば、下記の効果を得ることができる。請求項1
記載の線条体の架設方法によれば、長尺螺旋状線材を、
誘導棒を介して支持線へ回転させて送り出すことにより
支持線の長手方向へわたって自動的に巻き付けることが
できるので、人手による作業と比較して、労力を大幅に
低減させることができ、作業者への負担を大幅に少なく
することができる。また、長尺螺旋状線材を回転させな
がら送り出して支持線に巻き付けるので、例えば、支持
線に各種の金物等が存在しても、この螺旋状線材は、そ
の先端が、金物等を跨いで巻き付くので、金物等による
妨げを受けずに螺旋状線材を配設することができる。こ
れにより、この金物等にて巻き付け作業を一旦やめ、こ
の金物等を越えた時点から再び作業を行うような作業を
不要とすることができ、これにより、障害物による作業
の煩雑化をなくすことができるとともに、工期の短縮化
を図ることができる。
【0099】さらには、前記螺旋状線材を地上から誘導
棒を介して支持線へ巻き付けるので、高所における作業
を削減することができ、これにより、作業者の安全確保
を図ることができ、また、高所作業による部品、工具等
の落下等の危険性を大幅に低減させることができる。ま
た、前記螺旋状線材のみを回転させて送り出すことによ
り支持線へ巻き付けるので、例えば、他の線条体が周囲
に隣接して架設してあっても、この螺旋状線材を周囲の
線条体に干渉させて損傷させるようなことなく巻き付け
ることができる。
【0100】また、大重量のラッシングマシン等の装置
を支持線に取り付ける必要がないので、この種の装置の
高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険を伴う作業
を不要とすることができる。しかも、線条体を追加して
架設する場合にも、支持線に巻き付けた前記螺旋状線材
へ追加する線条体を通すだけで良いので、例えば、ケー
ブルリングを使用して線条体を架設した場合のように、
線条体の追加に伴ってケーブルリングを全て交換するよ
うな無駄をなくすことができる。つまり、低コストにて
線条体の追加を行うことができる。
【0101】請求項2記載の線条体の架設方法によれ
ば、長尺螺旋状線材を、誘導棒を介して支持線及び支持
線に仮支持させた線条体へ回転させて送り出すことによ
り支持線の長手方向へわたって自動的に巻き付けること
ができるので、人手による作業と比較して、労力を大幅
に低減させることができ、作業者への負担を少なくする
ことができる。また、前記螺旋状線材を回転させながら
送り出して支持線及び線条体に巻き付けるので、例え
ば、支持線に各種の金物等が存在しても、この螺旋状線
材は、その先端が、金物等を跨いで巻き付くので、金物
等による妨げを受けずに螺旋状線材を配設することがで
きる。これにより、この金物等にて巻き付け作業を一旦
やめ、この金物等を越えた時点から再び作業を行うよう
な作業を不要とすることができ、これにより、障害物に
よる作業の煩雑化をなくすことができるとともに、工期
の短縮化を図ることができる。
【0102】さらには、前記螺旋状線材を地上から誘導
棒を介して支持線及び線条体へ巻き付けるので、高所に
おける作業を削減することができ、これにより、作業者
の安全確保を図ることができ、また、高所作業による部
品、工具等の落下等の危険性を大幅に低減させることが
できる。また、螺旋状線材のみを回転させて送り出すこ
とにより支持線及び線条体へ巻き付けるので、例えば、
他の線条体が周囲に隣接して架設してあっても、螺旋状
線材を周囲の線条体に干渉させて損傷させるようなこと
なく巻き付けることができる。
【0103】また、大重量のラッシングマシン等の装置
を支持線に取り付ける必要がないので、この種の装置の
高所における取り付け作業等の煩雑かつ危険を伴う作業
を不要とすることができる。しかも、線条体を追加して
架設する場合にも、支持線及び既に架設した線条体に巻
き付けた螺旋状線材へ追加する線条体を通すだけで良い
ので、例えば、ケーブルリングを使用して線条体を架設
した場合のように、線条体の追加に伴ってケーブルリン
グを全て交換するような無駄をなくすことができる。つ
まり、低コストにて線条体の追加を行うことができる。
【0104】請求項3記載の線条体の架設方法によれ
ば、長尺螺旋状線材を、地上にて支持線へ回転させて送
り出すことにより支持線の長手方向へわたって自動的に
巻き付けることができるので、人手による作業と比較し
て、労力を大幅に低減させることができ、作業者への負
担を少なくすることができる。また、大重量のラッシン
グマシン等の装置を支持線に取り付ける必要がないの
で、この種の装置の高所における取り付け作業等の煩雑
かつ危険を伴う作業を不要とすることができる。しか
も、線条体を追加して架設する場合にも、支持線に巻き
付けた螺旋状線材へ追加する線条体を通すだけで良いの
で、例えば、ケーブルリングを使用して線条体を架設し
た場合のように、線条体の追加に伴ってケーブルリング
を全て交換するような無駄をなくすことができる。つま
り、低コストにて線条体の追加を行うことができる。
【0105】請求項4記載の線条体の架設方法によれ
ば、長尺螺旋状線材を、地上にて支持線とこの支持線に
束ねた線条体へ回転させて送り出すことにより支持線及
び線条体の長手方向へわたって自動的に巻き付けること
ができるので、人手による作業と比較して、労力を大幅
に低減させることができ、作業者への負担を少なくする
ことができる。また、大重量のラッシングマシン等の装
置を支持線及び線条体に取り付ける必要がないので、こ
の種の装置の高所における取り付け作業等の煩雑かつ危
険を伴う作業を不要とすることができる。しかも、線条
体を追加して架設する場合にも、支持線及び既に架設し
た線条体に巻き付けた螺旋状線材へ追加する線条体を通
すだけで良いので、例えば、ケーブルリングを使用して
線条体を架設した場合のように、線条体の追加に伴って
ケーブルリングを全て交換するような無駄をなくすこと
ができる。つまり、低コストにて線条体の追加を行うこ
とができる。
【0106】請求項5記載の線条体の架設方法によれ
ば、支持線に巻き付けた長尺螺旋状線材の螺旋内へ自動
的に送り込んだワイヤを牽引することにより、極めて容
易に、ワイヤに接続した線条体を螺旋状線材の螺旋内へ
引き込むことができ、手作業によって牽引用ロープを通
す場合と比較して、作業性を大幅に向上させることがで
きる。請求項6記載の線条体の架設方法によれば、支持
線に巻き付けた長尺螺旋状線材の螺旋内へワイヤととも
に線条体を自動的に送り込むことができるので、手作業
によって牽引用ロープを通し、この牽引用ロープを牽引
して、この牽引用ロープに接続した線条体を引き込む場
合と比較して、作業性を大幅に向上させることができ
る。
【0107】請求項7記載の線条体の架設方法によれ
ば、先端に球状体が設けられた棒状の先端アダプタをワ
イヤの先端部に取り付けておくことにより、送り出すワ
イヤを先端アダプタによって極めて円滑に螺旋状線材の
螺旋内へ送り込むことができ、作業の円滑化を図ること
ができる。
【0108】請求項8記載の螺旋状線材送り出し装置に
よれば、長尺螺旋状線材を、案内部によって案内させな
がら送り出し機構によって送り出すことにより、螺旋の
中心軸を中心として回転させて送り出すことができ、支
持線あるいは支持線と線条体との外周へ容易に巻き付け
ながら前進させることができる。
【0109】請求項9記載の螺旋状線材送り出し装置に
よれば、案内部を、送り出し機構の前後における螺旋状
線材の螺旋の半回転位置に設けたので、螺旋状線材をさ
らに確実にかつ円滑に螺旋の中心軸線を中心として回転
させて送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法及び
それに用いられる螺旋状線材送り出し装置を説明する架
設現場における正面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられるラッシングロッドを示す概略側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられる螺旋状線材送り出し装置に取り付けられる絶縁
パイプを説明する絶縁パイプの概略斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられる螺旋状線材送り出し装置の構成及び構造を説明
する螺旋状線材送り出し装置の斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられる螺旋状線材送り出し装置の構成及び構造を説明
する螺旋状線材送り出し装置の正面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられる螺旋状線材送り出し装置の構成及び構造を説明
する螺旋状線材送り出し装置の側面図である。
【図7】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられる螺旋状線材送り出し装置の構成及び構造を説明
する螺旋状線材送り出し装置の平面図である。
【図8】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に用
いられる先端巻き付けアダプタの斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法を説
明する架設現場における正面図である。
【図10】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に
用いられる牽引用ワイヤ先端アダプタの斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法に
用いられる先端束ね用アダプタの斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法の
他の例を説明する架設現場における正面図である。
【図13】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法の
他の例を説明する架設現場における正面図である。
【図14】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法の
他の例を説明する架設現場における正面図である。
【図15】 本発明の実施の形態の線条体の架設方法の
他の例を説明する架設現場における正面図である。
【図16】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における斜視図である。
【図17】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【図18】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【図19】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【図20】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における斜視図である。
【図21】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【図22】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【図23】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【図24】 線条体の架設方法の従来技術を説明する架
設現場における正面図である。
【符号の説明】
1 ケーブル(線条体) 7 ケーブル支持線(支持線) 31 螺旋状線材送り出し装置 32 長尺ラッシングロッド(螺旋状線材) 33 誘導パイプ(誘導棒) 42 送り出し機構 43 回転誘導ローラ(案内部) 75 ケーブル牽引用ワイヤ(ワイヤ) 76 球状体 77 牽引用ワイヤ先端アダプタ(先端アダプタ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 雅広 東京都江東区木場1丁目5番1号 協栄線 材株式会社内 (72)発明者 中村 実 東京都江東区木場1丁目5番1号 協栄線 材株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架設区間に線条体を架設する方法であっ
    て、 前記架設区間に架設された支持線と地上との間に誘導棒
    を配設し、この誘導棒に、長尺の螺旋状線材を巻き付け
    ながら回転させて送り出すことにより、この螺旋状線材
    を、誘導棒を介して前記支持線へ全長にわたって順次巻
    き付け、次いでこの巻き付けられた螺旋状線材の螺旋内
    に、線条体を挿通して架設することを特徴とする線条体
    の架設方法。
  2. 【請求項2】 架設区間に線条体を架設する方法であっ
    て、 前記架設区間に架設した支持線と地上との間に誘導棒を
    配設するとともに前記支持線に沿って前記線条体を仮支
    持させ、前記誘導棒に、長尺の螺旋状線材を地上から巻
    き付けながら回転させて送り出すことにより、この螺旋
    状線材を、誘導棒を介して前記支持線及び線条体へ巻き
    付けて前記線条体を架設することを特徴とする線条体の
    架設方法。
  3. 【請求項3】 架設区間に線条体を架設する方法であっ
    て、 地上にて、長尺の螺旋状線材を支持線に巻き付けながら
    回転させて送り出すことにより、この螺旋状線材を前記
    支持線に長手方向へわたって巻き付け、この螺旋状線材
    が巻き付けられた支持線を、前記架設区間に架設し、前
    記螺旋状線材の螺旋内に、前記線条体を通して架設する
    ことを特徴とする線条体の架設方法。
  4. 【請求項4】 架設区間に線条体を架設する方法であっ
    て、 地上にて、支持線と前記線条体とを束ね、この束ねた支
    持線及び線条体の外周に、長尺の螺旋状線材を巻き付け
    ながら回転させて送り出すことにより、この螺旋状線材
    を前記支持線及び線条体に長手方向へわたって巻き付
    け、この螺旋状線材が巻き付けられた支持線を、前記架
    設区間に架設することにより、前記線条体を架設するこ
    とを特徴とする線条体の架設方法。
  5. 【請求項5】 前記螺旋状線材の螺旋内にワイヤを送り
    込み、このワイヤの後端側に前記線条体を接続し、前記
    ワイヤを牽引することにより、前記線条体を前記螺旋状
    線材の螺旋内に引き込むことを特徴とする請求項1また
    は請求項3記載の線条体の架設方法。
  6. 【請求項6】 前記螺旋状線材の螺旋内に、先端側に前
    記線条体が接続されたワイヤを送り込むことにより、前
    記ワイヤとともに前記線条体を前記螺旋状線材の螺旋内
    に引き込むことを特徴とする請求項1または請求項3記
    載の線条体の架設方法。
  7. 【請求項7】 前記ワイヤの先端部に、先端部に球状体
    が設けられた棒状の先端アダプタを取り付けておくこと
    を特徴とする請求項5または請求項6記載の線条体の架
    設方法。
  8. 【請求項8】 前記螺旋状線材を挟持して送り出す送り
    出し機構と、該送り出し機構に前記螺旋状線材を挟持さ
    せた際に、この挟持箇所の前後における前記螺旋状線材
    を移動可能に保持する一対の案内部とを有し、前記送り
    出し機構によって螺旋状線材を、その螺旋の中心軸線を
    中心として回転させて送り出すことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項記載の線条体の架設方法に用いら
    れる螺旋状線材送り出し装置。
  9. 【請求項9】 前記案内部は、前記送り出し機構におけ
    る前記螺旋状線材の挟持箇所から前後へ、この螺旋状線
    材の螺旋の半回転位置に設けられていることを特徴とす
    る請求項8記載の螺旋状線材送り出し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008220161A (ja) * 2007-02-06 2008-09-18 Furukawa Electric Co Ltd:The 漏洩同軸ケーブルの布設方法およびケーブル架設構造
JP2012244761A (ja) * 2011-05-19 2012-12-10 Denkensya & Co Ltd 螺旋状ケーブルハンガーの送り出し装置及び架設方法
JP2018033283A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 中部電力株式会社 ケーブル架設方法
CN113437698A (zh) * 2021-07-05 2021-09-24 中州建设有限公司 一种电力检修施工辅助装置

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