JP3349577B2 - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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JP3349577B2
JP3349577B2 JP35016193A JP35016193A JP3349577B2 JP 3349577 B2 JP3349577 B2 JP 3349577B2 JP 35016193 A JP35016193 A JP 35016193A JP 35016193 A JP35016193 A JP 35016193A JP 3349577 B2 JP3349577 B2 JP 3349577B2
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    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4075Tape printers; Label printers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
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  • Document Processing Apparatus (AREA)
  • Record Information Processing For Printing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印字データを複数行に
わたって編集すると共にその印字データを複数行にわた
って印字する印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の印字装置が提供されている
が、特に小型の印字装置として、裏面に接着剤が予め塗
布された粘着性のテープ表面に所望の文字列を印字する
印字装置が知られている。この種の印字装置によれば、
テープ表面に表題やタイトル名を、その場でかつきれい
に印字でき、その後簡単に書類ファイルの背表紙やビデ
オテープの背面等に貼着できるなどの使い勝手の良さか
ら、業務用あるいは家庭用を問わず広く利用されてい
る。
【0003】また、その付加価値を更に向上させるため
に、文字列を複数行にわたって編集できる高機能の印字
装置が開発され、これに伴ってテープカートリッジとし
ても、粘着テープ以外のテープや転写タイプのテープ、
更には種々の幅や色のテープを内蔵したものが供給され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、複数行にわた
って編集できる高機能化は、反面、装置の大型化を招来
し、携帯に便利で簡便に印字テープが得られる利点が損
なわれる結果を招くに至っている。すなわち、複数行に
わたる印字データの編集のために、従来の印字装置の表
示部は大型化の一途を辿っているのである。
【0005】これに対処するため、表示部を単純に小型
化するならば、これに伴って表示内容が小さくなってし
まい、目視が困難となる。また、編集内容の一部の印字
データのみを表示する構成では、編集作業の効率を落と
すばかりでなく、テープ印字を実行して初めて編集の誤
りに気付くためにテープを無駄に消費してしまうという
問題を招致する。
【0006】本発明の印字装置は、こうした問題点を解
決し、印字データの編集効率を落とさず、簡単に目視で
きる表示機能を備えると共に占有面積が小さな表示部を
提供することを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の印字装置は、入
力された文字列を複数行にわたって編集し、その編集結
果に基づいて前記文字列を複数行にわたって長尺状のテ
ープに印字する印字装置であって、印字可能な前記複数
行の行数を設定する行数設定手段と、印字可能な最大行
までの全ての行の行番号を、該行番号を表わす数値が
記された表示体を用いて補助的に表示可能な補助表示部
と、該補助表示部の近傍に設けられ、前記印字可能な最
大行数よりも少ない行数分の文字列を表示可能な主表示
部と、前記文字列の編集を管理し、現在編集が行なわれ
ている行を含む前記文字列を前記主表示部に表示すると
共に、当該現在編集が行なわれている行の行番号を前記
補助表示部に表示する表示制御部とを備え、前記表示制
御部は、前記補助表示部に、前記行数設定手段による行
数の設定がなされた行のうち、当該現在編集が行なわれ
ている行の行番号を、該行番号を表わす数値が記された
表示体を点滅することによって表示すると共に、前記行
数設定手段による行数の設定がなされた行のうち、当該
現在編集が行なわれている行を除く全ての行の行番号
を、該行番号を表わす数値が記された表示体を点灯する
ことによって表示することを要旨とする。
【0008】
【作用】本発明の印字装置によれば、表示制御手段によ
り現在編集が行なわれている行を含む文字列が主表示部
に表示され、その編集が行なわれている位置が補助表示
部に表示される。すなわち、大きな表示面積を必要とす
文字列の表示は、編集中の行を含む文字列のみが主表
示部へ表示され、その編集の位置が補助表示部に表示さ
れるのである。
【0009】ここで、表示制御部の一態様としては、現
在編集が行なわれている行の行番号および/または編集
が行なわれている桁の桁番号を補助表示部に表示するも
のとすることができる。また、行数の設定がなされた行
のうち、現在編集が行なわれている行の行番号を、該行
番号を表わす数値が記された表示体を点滅することによ
って補助表示部に表示すると共に、行数の設定がなされ
た行のうち、当該現在編集が行なわれている行を除く全
ての行の行番号を、該行番号を表わす数値が記された表
示体を点灯することによって補助表示部に表示する手段
を有するものとすることも可能である。
【0010】当該現在編集が行なわれている行を除く全
ての行の行番号を、文字列の編集状態に拘わらず、補助
表示部に表示することも好適である。編集の対象となる
複数行を一つの段落として管理する段落管理手段を備
え、表示制御部が、段落内における行番号を補助表示部
に表示することとしてもよい。また、編集の対象となる
複数行を一つの段落として管理する段落管理手段と、該
段落管理手段により管理された段落ごとに文字列を編集
する段落内編集手段と、該段落内編集手段により編集さ
れた文字列を、長尺状のテープに印字する印字手段とを
備える構成とすることも望ましい。更に、長尺状のテー
プを印字媒体として印字を行なうものとし、編集の対象
となる複数行を一つの段落として管理することも、テー
プへの印字の自由度を高める上で好適である。
【0011】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例である複数
種類のテープカートリッジを着脱可能に内蔵しテープに
印字を行なうテープライタについて説明する。
【0012】<ハードウェアの構成>図1はテープライ
タ1の外観を示す平面図、図2は同じくその右側面図で
ある。また、図3はこのテープライタ1に装着されるテ
ープカートリッジ10の組立状態を示す平面図である。
本実施例では、インクリボンとこのインクリボンを用い
て印字されるテープとを同一のカートリッジに収納して
いるので、インクリボンカートリッジでもあるこのカー
トリッジを、以下、テープカートリッジと呼ぶ。
【0013】テープライタ1は、図示するように、各種
部品を収納する本体ケース50H、61個の入力用キー
を備えた入力部50C、開閉自在な本体カバー50K、
本体カバー50Kの下に視認可能に設けられ文字列やそ
の他の情報を表示する表示部50D、本体カバー50K
を開いた本体左上部に設けられたテープカートリッジ1
0が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部50A
(図1には図示せず)および電源スイッチ50Jを備え
る。本体カバー50Kには、テープカートリッジ10の
装着を確認する窓50Lと表示部50Dを直視可能な窓
50Mとが設けられており、両窓50L,50Mには、
透明なプラスチックの板材がはめ込まれている。また、
本体カバー50Kの開閉は、図1には示されていない開
閉検出スイッチ55にて監視される。
【0014】このテープライタ1を使用する場合には、
まず、本体カバー50Kを開いてカートリッジ装着部5
0Aにテープカートリッジ10を装着し、本体カバー5
0Kを閉じる。その上で、ヘッド移動レバー63C(後
述する図4参照)でヘッドを印字可能位置まで移動し、
電源スイッチ50Jを操作して電源を投入し、入力部5
0Cから印字しようとする文字を入力する。入力した文
字列を必要に応じて仮名漢字変換などし、所定のキーを
操作して印刷を指示すると、テープカートリッジ10に
て供給されるテープTに、後述する熱転写方式のプリン
タ部50Bにより印字が行なわれる。印字されたテープ
Tは、テープライタ1の左側面に設けられたテープ排出
口10Aから排出される。本実施例で用いたテープT
は、印字面が熱転写によるインクの載りを良好にするた
めに加工されたものであり、粘着性を備えた裏面には剥
離可能な剥離テープが張り合わされている。従って、印
字されたテープを、内蔵のカッターにより切断し、裏面
の剥離テープを剥がせば、文字や記号の印刷されたテー
プTを好きな場所に貼付することができる。
【0015】図示してはいないが、テープライタ1の裏
面には電池収納部が設けられており、装置全体の電源と
なる6個の単三電池が装着可能となっている。また、電
源は、図示しないACアダプターを本体右側部に設けら
れたプラグ50Nへ接続することでも供給することが可
能である。
【0016】次に、テープカートリッジ10の構造と機
能について簡単に説明する。テープカートリッジ10
は、図3に示すように、印字されるテープT、印字のた
めのインクリボンRが巻回されたインクリボンコア2
2、インクリボンRを巻き取るリボン巻取コア24、印
字ヘッド60との間にテープTを挟んで印字に供するプ
ラテン12等が収納されている。このテープカートリッ
ジ10は、同様の組立構成により、異なる幅のテープを
収納可能となっている。実施例では、収納しているテー
プの幅が6mm、9mm、12mm、18mm、24m
mの5種類のテープカートリッジを提供している。
【0017】印字に際して用いられるプラテン12は中
空円筒状の部材であり、5種類の幅の異なるそれぞれの
テープTおよびインクリボンRと印字ヘッドとの密着性
を良好なものとして良質な印字を可能とするため、その
外周面にはテープ幅に応じたプラテンゴム14が巻装さ
れている。本実施例では、6mm、9mm、12mmの
テープ用として12mm幅のプラテンゴム、18mm、
24mmのテープ用として18mm幅のプラテンゴム、
計2種のプラテンゴムを用いている。
【0018】また、プラテン12は、テープカートリッ
ジ10の天壁および底壁に形成された嵌合孔に回動可能
に遊嵌されている。テープカートリッジ10にはその他
に、長尺状のテープTおよびインクリボンRをコンパク
トに巻取り収納するためにテープコア20、インクリボ
ンコア22およびリボン巻取コア24が立設されてい
る。これらのインクリボンコア22,リボン巻取コア2
4も、テープカートリッジ10の天壁および底壁に形成
された嵌合孔に回動可能に遊嵌されている。また、テー
プカートリッジ10には、後述する印字ヘッドが進入す
る進入孔32が設けられている。この進入孔32の外周
には、ガイド壁34が形成されている。
【0019】テープコア20は大径の中空円筒状のリー
ルで、長いテープTを肉薄に巻取収納する構成となって
いる。従って、巻取収納の際の曲率が小さく曲げ応力に
弱い材質のテープTを用いたとしても、無理なく収納す
ることができる。このテープコア20に巻取収納される
テープTは、テープカートリッジ10の底壁18から立
設されたテープガイドピン26を経由してプラテン12
へ至り、テープカートリッジ10のテープ排出口10A
にまで導かれる。
【0020】また、図3に示すように、テープカートリ
ッジ10の底壁18であって、インクリボンコア22と
後述するリボン巻取コア24との底部近傍には、細い略
L字状の係合片18D,18Hが形成されている。係合
片18D,18Hは、テープカートリッジ10の底壁1
8の一部分(図3中のハッチ部分X,Y)をくり抜くこ
とで、形成されている。従ってこの係合片18D,18
Hの先端部は、底壁18を構成している部材の弾性によ
り底壁18に連続している基端部18Eを支点として、
底壁18の平面方向に沿って移動自在となる。この係合
片18D,18Hに何等の力が作用していない状態にあ
っては、その移動自在の端部は、インクリボンコア22
およびリボン巻取コア24の端部の外周内側に位置する
ため、嵌合孔に遊嵌されたインクリボンコア22および
リボン巻取コア24の端部に形成された6個の係合部の
何れかと係合し、インクリボンコア22およびリボン巻
取コア24の回転を阻止する。インクリボンコア22と
係合片18Dとの係合およびリボン巻取コア24と係合
片18Hとの係合は、共に、カートリッジ10をカート
リッジ装着部50Aに装着することにより解除される
が、その構成は、カートリッジ装着部50Aの構造と合
わせて、後述する。
【0021】インクリボンコア22に巻取収納して供給
されるインクリボンRは、リボンガイドローラ30にガ
イドされて前述したテープTと重合状態となってプラテ
ン12にまで至り、更に印字ヘッドが進入する進入孔3
2の周面に形成されたガイド壁34を介してリボン巻取
コア24に至る。テープカートリッジ10が未使用状態
にあるとき、すなわちインクリボンRの始端のみがリボ
ン巻取コア24に着設されている時のインクリボンRの
引き回し状態を図3中の符号ハに、またインクリボンR
の総てがリボン巻取コア24に巻取られたときの同状態
を符号ニに示している。
【0022】この様なリボン巻取コア24に巻取られる
インクリボンRは、熱転写型のリボンであり、その幅は
印字される側のテープTの幅に応じて複数種用意され
る。本実施例では、テープ幅6,9,12mm用として
12mm幅のインクリボンと、図示しないがテープ幅1
8mm用として18mm幅のインクリボンと、テープ幅
24mm用として同幅の24mm幅のインクリボンと、
計3種のインクリボンRを用意している。
【0023】本実施例のテープカートリッジ10は、上
述のごとく、収納したテープTの幅により5種類が存在
する。テープTの幅により、印字できる領域等も異なる
から、テープカートリッジ10の種類を検出する必要が
生じる。実施例のテープカートリッジ10では、図3に
示したように、カートリッジの底壁18に3つの検出孔
18Ka,18Kb,18Kcを設け、テープカートリ
ッジ10の種類を判別可能としている。即ち、この検出
孔18Ka,18Kb,18Kcを、巻取収納している
テープTの幅に応じて、異なる深さに形成しているので
ある。従って、この検出孔18Kの深さを検出するセン
サを設ければ、最大7種類のテープカートリッジ10を
判別することができる。
【0024】以上詳細に説明したテープカートリッジ1
0は、テープライタ1のテープカートリッジ装着部50
Aに装着される。以下、テープライタ1の機械的な構成
部の各々について、順次説明する。図4は、テープカー
トリッジ装着部50A近辺の概略構成を示す斜視図であ
り、印字したテープTを切断するカッターボタン96を
破線で表した斜視図である。また、図5は、ステッピン
グモータ80の動力によりプラテン12などを駆動する
駆動機構50Pの要部構成を実線で、ヘッド移動レバー
63Cの回動操作によりヘッド回転軸64を中心として
回転する回転フレーム62を点線で示す斜視図である。
【0025】カートリッジ装着部50Aは、入力部50
Cの後側、かつ、表示部50Dの左側、すなわちテープ
ライタ1本体の左後方に配置され、図4に示すように、
前述したテープカートリッジ10の形状に合致した装着
空間として形成されている。この装着空間には、リボン
巻取コア24およびプラテン12の各中空部分に係合す
る軸および印字ヘッド60が立設されている。また、テ
ープカートリッジ装着部50Aの下部にはベースボード
61がねじにより取り付けてあり、このベースボード6
1には、図5に示すようにステッピングモータ80の回
転をプラテン12等に伝達する駆動機構50Pが、図4
に示すようにテープカッター90などが設けられてい
る。しかし、通常の状態ではこのベースボード61は、
テープカートリッジ装着部50Aのケースに仕切られて
おり、本体カバー50Kを開いただけでは、駆動機構5
0Pなどを直接視認することはできない。図5は、この
ケースを外し、その駆動機構50Pを描画した説明図で
ある。また、図5には、ヘッド移動レバー63Cの操作
に応じてヘッド本体65を印字位置あるいは退避位置へ
移動する回転フレーム62およびカム部材63Aを点線
により示している。
【0026】このカートリッジ装着部50Aへのテープ
カートリッジ10の装着あるいは交換は、本体カバー5
0Kを開けて行なわれる。カートリッジ装着部50Aの
手前に設けられるスライドボタン52(図1参照)を右
にスライドさせると本体カバー50Kと本体との係合が
解除され、本体カバー50Kが本体後部のカバーヒンジ
54を支点として回転し、これを開けることができる。
【0027】カートリッジ装着部50Aに装着されるテ
ープカートリッジ10の底壁18には、インクリボンコ
ア22およびリボン巻取コア24の回り止めのためにこ
れに係合する係合片18D,18Hが設けられているこ
とは既述した。係合片18D,18Hは、底壁18の一
部(図3ハッチ部XおよびY)をくり抜くことで形成さ
れており、このハッチ部X,ハッチ部分Yの中ほどの位
置に対応するカートリッジ装着部50Aの部位には、図
4に示すように、くさび形の2つの当接突起70A、7
0Bが立設されている。従って、テープカートリッジ1
0をテープカートリッジ装着部50Aに装着すると、こ
の当接突起70A,70Bがハッチ部分X,ハッチ部分
Yに嵌まり、係合片18D,18Hをインクリボンコア
22およびリボン巻取コア24の端部から遠ざける方向
に押し分ける。これにより、係合片18D,18Hによ
る係合は解除され、インクリボンコア22およびリボン
巻取コア24は回転可能な状態となる。
【0028】次に、ステッピングモータ80の回転をプ
ラテン12のプラテン駆動軸72等に伝達する伝達機構
について説明する。図5に示したように、ステッピング
モータ80の回転軸80Aには、第1のギヤ81が取り
付けられており、更に、クラッチアーム80Bが回転軸
80Aに所定の摩擦を持って嵌合されている。このクラ
ッチアーム80Bには、第1のギヤ81と噛合する第2
のギヤ82およびこの第2のギヤ82と同心一体に形成
された第3のギヤ83(図5では、第2のギヤ82の下
方に隠れているため、点線により示している)とが取り
付けられており、第3のギヤ83と噛合する最大径の第
4のギヤ84と共に、ワンウェイクラッチを構成してい
る。即ち、ステッピングモータ80が図示矢印C方向に
回転すると、回転軸80Aとクラッチアーム80Bとの
摩擦により、クラッチアーム80Bは、第2および第3
のギヤ82,83と共に矢印C方向に回転し、第4のギ
ヤ84に係合する。この結果、ステッピングモータ80
の回転は第4のギヤ84まで伝達される。ワンウェイク
ラッチの働きについては、後述する。
【0029】第4のギヤ84の回転により、この第4の
ギヤ84と同心一体に形成された第5のギヤ85が同一
方向に回転し、その回転力は第6のギヤ86および第7
のギヤ87に伝達される。第6のギヤ86は、その回転
軸が巻取コア駆動軸74に結合されており、ステッピン
グモータ80の回転によりインクリボンRを巻き取って
ゆく。尚、実際にリボン巻取コア24を駆動するリム7
4Aは、巻取コア駆動軸74に対して所定の摩擦を持っ
て取り付けられており、通常の状態では、ステッピング
モータ80による巻取コア駆動軸74の回転に従って回
転するが、リボン巻取コア24がインクリボンRの終端
に至った等の理由で回転不能となった場合には、巻取コ
ア駆動軸74の回転に対してスリップするものとされて
いる。
【0030】第7のギヤ87の回転は、同心一体に形成
された第8のギヤ88と噛合する第9のギヤ89に伝達
され、プラテン駆動軸72を回転する。プラテン駆動軸
72の下部には、プラテン12の内周面の凹凸と嵌合し
てこれを駆動するリム72Aが設けられている。従っ
て、ステッピングモータ80が回転し、ワンウェイクラ
ッチによりその回転が第4のギヤ84に伝達されると、
最終的には、プラテン駆動軸72と巻取コア駆動軸74
とが回転し、プラテン12の外周に設けられたプラテン
ゴム14と印字ヘッド60のヘッド本体65との間に挟
持されてたテープTを、印字に合わせて搬送すると共
に、このテープTの搬送に同期してインクリボンRを巻
き取ってゆく。
【0031】プラテン駆動軸72および巻取コア駆動軸
74の軸外周には、プラテン12やリボン巻取コア24
の中空内周面に形成されている係合条と係合する突条7
2B,74Bが等間隔に3つ形成されている。このプラ
テン駆動軸72および巻取コア駆動軸74をステッピン
グモータ80により所定回転速度で回転駆動すれば、テ
ープTおよびインクリボンRをテープコア20およびイ
ンクリボンコア22から所定量ずつ引き出して互いに重
合状態とし、プラテンゴム14と印字ヘッド60との間
を通過させる。この時、印字ヘッド60に通電してドッ
ト単位での発熱量を制御すれば、インクリボンRのイン
クをテープTに熱転写し、テープTへ印字することがで
きる。印字の後、テープカートリッジ10からは印字の
完了したテープTのみが排出され、印字に使用されたイ
ンクリボンRはリボン巻取コア24に巻取回収される。
【0032】このように印字と共にテープTが搬送され
ると、テープTは、本体左側面のテープ排出口10Aか
ら送り出されてくる。このテープTは、後述する切断機
構により切断するのが本来であるが、使用者によって
は、テープTを切断前に引き出そうとすることがある。
しかし、このテープTへの印字が可能な状態、すなわち
印字ヘッド60がプラテン12のプラテンゴム14にテ
ープTを押圧している状態にあっては、テープTを無理
に引き出そうとすると、プラテン駆動軸72も回転しよ
うとする。このプラテン駆動軸72は、大きくギヤダウ
ンしていることとステッピングモータ80の保持トルク
がある程度あることから、通常の駆動機構ではこのプラ
テン駆動軸72を回転することはできない。また、当然
巻取コア駆動軸74も回転しない。従って、テープTを
引き出すと、テープTと共にインクリボンRが引き出さ
れてしまう。この状態で切断機構を使用してテープTを
切断するとインクリボンRも切断してしまうから、こう
した事態は起きてはならない。
【0033】本実施例では、記述したクラッチアーム8
0Bと第2ないし第4のギヤ82〜84とにより構成さ
れたワンウェイクラッチにより、この問題を回避してい
る。即ち、テープTを引き出そうとすると、プラテン1
2と共にプラテン駆動軸72が回転する。このプラテン
駆動軸72の回転は、ギヤトレインを介して第4のギヤ
84まで伝達され、これを反時計回りに回転する。この
時、第3のギヤ83を回転しようとするが、ステッピン
グモータ80の回転軸80Aが回転しないため、第4の
ギヤ84の回転力は第3のギヤ83を軸支するクラッチ
アーム80Bを押し退け、第3のギヤ83と第4のギヤ
84との係合を解消する。この結果、第4のギヤ84か
ら第9のギヤ89までは、ステッピングモータ80から
切り放された形となり、テープTの引き出しに伴うプラ
テン駆動軸72の回転により、巻取コア駆動軸74も回
転することになる。従って、テープTの引き出しに伴っ
てインクリボンRも巻き取られることになり、テープT
と共に外部に引き出されてしまうということがない。な
お、ステッピングモータ80が回転すれば、その回転に
よりクラッチアーム80Bは、再び第4のギヤ84側に
移動し、第3のギヤ83と第4のギヤ84とは係合す
る。こうしたクラッチアーム80Bの動きは、ベース6
1に設けられ、クラッチアーム80Bの先端が嵌められ
た開口80Cにより、一応規制されている。
【0034】上記印字動作によりテープカートリッジ1
0から左方へと排出される印字済みのテープTは、図4
に示されている切断機構を用い、次のよう簡単に切り取
ることができる。カートリッジ装着部50Aの底部より
突出されるカッター支持軸には回動自在の略「L」字状
をしたテープカッター90および図示しないばねが嵌合
されており、このばねの弾発力によってテープカッター
90は図示する状態、すなわち図4において実線矢印D
にて表している反時計方向への回転力が加えられた状態
で維持される。この回転力により、テープカッター90
の図示上右側に位置する右端部90Aは、カッターボタ
ン96をその裏面より押し上げている。テープカッター
90の右端部90Aは、二股状に形成され、ここにカッ
ターボタン96の裏面に設けられたピン96Aが挿入さ
れている。従って、カッターボタン96を下方に押し込
むと、テープカッター90の左端部90Bはこれに連れ
て、下方向に移動される。
【0035】また、テープカッター90の左端部90B
には、テープTを切断するための移動刃98が形成され
ており、カートリッジ装着部50Aの側面に取り付けら
れた固定刃91に対して一定の角度で離隔している。従
って、カッターボタン96を押し込むことによりテープ
カッター90がばね力に抗して図示時計方向へ回動し、
その移動刃98と固定刃91とによりテープTを切断す
ることができる。なお、このカッターボタン96の操作
にリンクして図示しないテープ抑えが移動して、移動刃
98と固定刃91によるテープTの切断に先だって、テ
ープTを固定するように作用する。また、このテープ抑
えの移動は、図示しない検出スイッチ99により検出さ
れ、その検出信号を利用することで、テープTの切断中
には印字を行なわないように制御されている。
【0036】次に、テープカートリッジ10のテープT
に印字を行なう印字ヘッド60が、プラテン駆動軸72
に近接した印字位置およびテープカートリッジ10をテ
ープカートリッジ装着部50Aから着脱するためにプラ
テン駆動軸72から離隔した退避位置に移動する機構に
ついて説明する。印字ヘッド60は、図5および後で詳
述する図6に示すように、ベースボード61から立設さ
れたヘッド回転軸64に回転自在に軸支された回転フレ
ーム62の立設部62Aに対し、放熱板65bを介して
ヘッド本体65を取り付て構成される。図5に点線で示
す回転フレーム62は、図示しないばねにより点線の矢
印Eで示す方向へ強く引き付けられており、カム部材6
3Aに当接して安定している。回転フレーム62がこの
状態で安定している時、ヘッド回転軸64を中心として
回転する回転フレーム62の立設部62Aは、プラテン
駆動軸72に最も接近した状態となり、ここに取り付け
られている印字ヘッド60はテープTに対して印字を実
行することができる。
【0037】カム部材63Aの回転軸63Aaは、図4
に示すテープカートリッジ装着部50Aに立設された円
筒部材50Aaを貫通しているレバー回転軸63Bの下
端に接続され、このレバー回転軸63Bの上部にはヘッ
ド移動レバー63Cが一体に設けられている。従って、
ヘッド移動レバー63Cを図4に点線Fで示すように反
時計方向に大きく90度回転すると、図5に示すカム部
材63Aも同様に反時計方向に90度回転する(図5矢
印G参照)。この回転により、カム部材63Aの凹部6
3Abと回転フレーム62の凸部62Bとが嵌合し、安
定した状態となる。この時、回転フレーム62の立設部
62Aは最もプラテン駆動軸72から離隔し、ここに取
り付けられている印字ヘッド60は退避位置となってテ
ープカートリッジ10の着脱が可能となるのである。
【0038】上記のごとく印字位置および退避位置に回
転移動される印字ヘッド60の詳細な分解斜視図を、図
6に示している。この図は、印字ヘッド60を図4,図
5とは、反対側から描いている。図示するように、印字
ヘッド60は、ベースボード61から立設されたヘッド
回転軸64に回転自在に軸支された回転フレーム62の
立設部62Aに対し、放熱板65bを介してヘッド本体
65を取り付て構成される。複数の発熱体HTを配列し
たヘッド本体65は、発熱量が大きいことから放熱板6
5bに着設されるのであり、また回転フレーム62に取
り付けられて回転移動する必要からヘッド本体65への
電気的な配線は可撓性に優れたフレキシブルケーブル6
8が用いられている。
【0039】放熱板65bは、回転フレーム62の立設
部62Aに対して2箇所で保持される。一箇所は、ヘッ
ド回転軸64を利用した保持であり、放熱板65bに穿
設された2つの角孔65baにヘッド回転軸64を貫通
させている。この角孔65baは、テープの走行方向が
短軸となるよう穿設されるもので、短軸の長さはヘッド
回転軸64の直径に略等しく、長軸の長さはヘッド回転
軸64の直径の2倍程に設計されている。もう1つの保
持箇所は、ヘッド回転軸64に直角な方向に突設された
回転フレーム62の回転軸受け62Aaと放熱板65b
の回転軸受け65bbとを貫通して取り付けられるピン
67bによりなされている。これにより放熱板65b
は、テープ走行方向に対してはその角孔65baの短軸
によって正確な位置決めがなされ、またテープTの幅方
向に対してはその角孔65baの長軸およびピン67b
を中心に回転自在とされる。この結果、印字ヘッド60
をプラテン12側に押しだしたとき、ヘッド本体65
は、プラテン12に対向する印字位置に正確に位置し、
かつ、プラテン12との間に挟持されるテープTがその
幅方向に傾いている場合にもピン67bを中心とした回
転揺動により、発熱体HTが、テープTを均一にプラテ
ン12に押圧することになる。
【0040】次に、テープライタ1に組み込まれた入力
部50C,表示部50D,プリンタ部50B等の詳細に
ついて説明するが、全体の理解の便を図って、先に制御
回路部50Fを中心とする各部の電気的な構成につい
て、その概略を説明する。本体カバー50Kの直下に
は、プリント基板に組み立てられた制御回路部50F
が、プリンタ部50B等と共に組み込まれている。全体
の電気的な概略構成を、図7に示す。即ち、このテープ
ライタ1の制御回路部50Fには、ROM,RAM,入
出力ポートを一体に組み込んだ1チップマイクロコンピ
ュータ(以下、CPUと呼ぶ)110およびマスクRO
M118の他、CPU110と入力部50C,表示部5
0D,プリンタ部50B等とのインタフェースを行なう
各種回路が組み込まれている。CPU110は、インタ
フェース回路を介してあるいは直接に入力部50Cや表
示部50D等に接続され、これらを制御する。
【0041】入力部50Cは、図8に示すように、48
個の文字入力キーおよび13個の機能キーの計61キー
が備えられている。文字入力キーはJIS配列に基づい
た、いわゆるフルキー構成であり、操作するキーの数の
増加を抑えるために公知のシフトキーを備えるなど一般
のワードプロセッサと同様である。機能キーとは、文字
入力や編集、印刷など頻繁に使用される機能をワンタッ
チで実行可能にするためのもので、テープライタ1の機
能性を高めている。
【0042】これらの各キーは、8×8のマトリックス
に割り当てられている。即ち、CPU110から見る
と、図7に示すように、入力ポートPA1ないし8およ
びPC1ないし8の16ポートは、図示するごとくグル
ープ化され、その各交点に入力部50Cの61種のキー
が配置されている。キーの詳細を図8に示した。電源ス
イッチ50Jは、このマトリックスキーとは独立に設け
られ、CPU110のノンマスカブルインターラプトN
MIに接続されている。CPU110は、電源スイッチ
50Jが操作されると、マスクすることができない割込
を起動し、電源の投入もしくは電源断の各処理を行な
う。
【0043】本体カバー50Kの開閉を検出する開閉検
出スイッチ55からの検出出力はポートPB5に入力さ
れ、CPU110により本体カバー50Kの開閉状態が
割り込みにより監視される。この開閉検出スイッチ55
により、印字ヘッド60の駆動中に本体カバー50Kの
開状態が検出された場合には、主表示部50Daに所定
のエラー表示を行なうと共に、プリンタ部50Bへの電
源供給をオフする。
【0044】CPU110のポートPH,PM,PL
は、ヘッドランク判別部112に接続さている。ヘッド
ランク判別部112とは、製造工程によるばらつきの大
きい印字ヘッド60の抵抗値の測定結果からこれを幾つ
かのランクに分け、その測定結果に応じてヘッドランク
判別部112の3つのジャンパー部112A,112
B,112Cを設定するものである。従ってCPU11
0は、このヘッドランク判別部112の状態を読み取
り、その入力結果に応じて印字ヘッド60の駆動時間、
即ち発熱量を補正し、印字の濃さのバラツキを防止して
いる。
【0045】プリンタ部50Bによる印字は熱転写によ
り行なわれるから、印字の濃さは、サーマルヘッドであ
る印字ヘッド60の通電時間のみならず、外気温,駆動
電圧によっても変動する。これらを検出するのが、温度
検出回路60A,電圧検出回路60Bである。これらの
回路60A,60Bは、印字ヘッド60に一体に組み込
まれており、その出力は、CPU110の2チャンネル
のアナログ−ディジタル変換入力ポートAD1,AD2
に接続されている。CPU110は、このポートAD
1,2の電圧をディジタル信号に変換して読み取ること
により、印字ヘッド60の通電時間を補正している。
【0046】CPU110のポートPB1ないし3に
は、判別スイッチ102が接続されている。判別スイッ
チ102は、図4に図示するように、カートリッジ装着
部50A右下隅に設けられている。この判別スイッチ1
02は、テープカートリッジ10に穿設された3つの検
出孔18Kにそれぞれ入り込む3つのカートリッジ判別
スイッチ102A,102B,102Cを一体形成した
ものである。このカートリッジ判別スイッチ102A,
102B,102Cの突出長は、前述したテープカート
リッジ10に穿設される検出孔18Kの深さに合わせて
設計されており、浅い検出孔18Kに入り込んだカート
リッジ判別スイッチ102はその検出孔18Kに当接し
て押圧され、スイッチがオン状態となる。また、深く穿
設された検出孔18Kに入り込んだカートリッジ判別ス
イッチ102は、検出孔18Kにそのまま緩やかに嵌合
し、スイッチはオフ状態となる。従って、この判別スイ
ッチ102の3つのカートリッジ判別スイッチ102
A,102B,102Cの状態を検出することで、現在
カートリッジ装着部50Aに装着されているテープカー
トリッジ10の種類、すなわちテープカートリッジ10
に収納されているテープTの幅を判別することができ
る。テープTの幅の情報は、印字する文字の大きさの制
御等の他、後述するプリンタ部50Bの制御にも用いら
れている。
【0047】CPU110のポートPB7には、プラグ
50Nの接点からの信号が入力されている。プラグ50
Nは、ACアダプタ113からの直流電源をジャック1
15が差し込まれることにより受け入れるが、この時、
ブレイク接点の働きによりバッテリBTから電源部11
4への電源供給は遮断され、バッテリBTの電力消費は
回避される構成となっている。同時に、プラグ50Nに
設けられたいま一つの接点の信号は、CPU110のポ
ートPB7に入力される。従って、CPU110は、こ
の信号を判別することにより、テープライタ1の主電源
がACアダプタ113によるものかバッテリBTによる
ものかを判断して、異なる制御を行なうことが可能であ
る。本実施例では、ACアダプタ113から電源供給を
受けている場合には、プリンタ部50Bによる印字速度
を最大としており、一方バッテリBTから電源供給を受
けている場合には、プリンタ部50Bによる印字速度を
低下させ、印字ヘッド60に通電する電流のピークを抑
え、バッテリBTの電力消費を低減している。
【0048】CPU110のアドレスバス,データバス
に接続されるマスクROM118は、明朝体で16×1
6、24×24、32×32の3種類の書体の仮名、漢
字、特殊文字のセットを記憶する8メガビットのマスク
ROMである。その24ビットのアドレスバスAD、8
ビットのデータバスDA、チップセレクト信号CS、出
力イネーブル信号OEは、CPU110のポートPD0
ないしPD33に接続されている。これらの信号は、そ
のまま外部入出力コネクタ50Eaにも接続されている
から、外部入出力コネクタ50Eaに装着された拡張部
50Eも、マスクROM118と同様アクセスすること
ができる。
【0049】制御回路部50Fに直接接続可能に設けら
れた拡張部50Eは、外部記憶素子としてオプション供
給されるROMパックあるいはRAMパックの挿入部位
となる。この挿入口にROMパックあるいはRAMパッ
クを挿入することで、制御回路部50Fの外部入出力コ
ネクタ50Eaとの電気的接続が完了し、CPU110
との情報の授受が可能となる。この構成により、各種製
図、地図、化学、数学のための特殊文字や記号あるいは
日本語以外の言語フォント、ゴシック、明朝、活字体等
の文字フォントを記憶するROMパックを拡張部に装着
し、所望の文字列を編集することが可能となる。同様
に、情報の書き込みが自由なRAMパックを拡張部に装
着し、テープライタ本体内部のRAMエリアに記憶可能
な情報量以上の情報を記憶させ、印字文字列のライブラ
リーを作成したり、他のテープライタ1との情報交換に
利用できる。
【0050】マスクROM118もしくは拡張部50E
から読み出された文字のドットデータは、CPU110
と共に表示部制御回路116のLCDコントローラ11
6Aにも入力されている。
【0051】表示部制御回路116を介してCPU11
0により制御される表示部50Dは、対応する部分が透
明である本体カバー50Kの下に配置されており、使用
者は、本体カバー50K越しにこれを視認することにな
る。表示部50Dは、液晶パネル上に2種類の電極パタ
ーンが形成されており、図9に示すように、そのひとつ
は、ドットマトリックスパターンであり、もうひとつ
は、このドットマトリクスの領域の周りを囲むように配
置された28個の四角形や円形の電極パターンである。
ドットマトリクスパターンの電極が形成された領域は、
印字イメージを表示する主表示部50Daと呼び、四角
形や円形の電極パターンが形成された領域は、インジケ
ータ部50Dbと呼ぶ。
【0052】主表示部50Daは、高さ16ドット×幅
96ドットの表示が可能な液晶表示パネルとして用いら
れる。本実施例においては、文字入力および編集に際し
ての各文字を幅16×高さ16ドットのキャラクターフ
ォントを使用して主表示部に表示するため、6文字×1
行の表示が可能である。また、各キャラクターの表示に
際しては、編集状態に応じてポジ表示、ネガ表示あるい
は点滅表示などを使い分けることでテープライタ1の処
理状態を視覚的に表示することができる。
【0053】更に、主表示部50Daをドットマトリッ
クス形式としその表示内容を自由に制御できることか
ら、図8に示した入力部50Cの「レイアウト」キーが
操作された際には、現在の印字イメージのレイアウトを
表示することも可能である。レイアウトの表示は、表示
が開始されると、主表示部50Daの右側から左側に自
動的にスクロールされ、印字レイアウト全体を容易に確
認することができる。
【0054】インジケータ部50Dbは、現段階におい
てテープライタ1にて実行されている機能を表示するた
めのものであり、主表示部50Daの周囲に配置され
る。このインジケータ部50Dbにおける四角形や円形
の電極パターンに対応して得られる各表示体tは、表示
部50Dの周囲に印刷された機能を表わす文字に対応し
て設けられている。「ローマ字入力」や「小文字入力」
などの文字入力モード状態、印字編集する文字などが
「たて書」や「中揃え」などのスタイル指定状態、「均
等割付」や「前寄せ」などの書式指定状態など、状態設
定が実行されたときあるいは選択されたとき、その状態
を示す文字の箇所の表示体tが視認可能な状態とされ
る。例えば、「中揃え」が設定された場合には、「中揃
え」のインジケータが点灯する。文字サイズあるいは文
字間についても同様に点灯する。なお、スタイル指定の
1つの状態である「らく2 」とは、テープライタ1に予
め用意される自動的なスタイル指定の略称である。
【0055】また、インジケータ部50Dbの1つとし
て用意される「行番号」は、図示するように1から4ま
での数値が記された4つの表示体tにより構成されてい
る。これは、主表示部50Daが前述のごとく1行の表
示能力しか有しないものの、テープライタ1によるテー
プTへの印字能力は最大4行の印字が可能であるためで
あり、印字編集の実行状態に応じた「行番号」の表示が
なされる。行番号表示について、その詳細な制御は後述
する。
【0056】本テープライタ1のプリンタ部50Bは、
機械的な構成要素としては、印字ヘッド60およびステ
ッピングモータ80を備え、電気的な構成要素として
は、これを制御するプリンタコントローラ120,モー
タドライバ122を備える。印字ヘッド60は、64個
の加熱点を1/180インチのピッチで縦1列に配列し
たサーマルヘッドであり、先に説明した外気温を検出す
る温度検出回路60Aおよび供給電圧を検出する電圧検
出回路60Bを内蔵している。ステッピングモータ80
は、4相の駆動信号の位相を適宜制御することで回転角
度を制御する公知の構成である。ステッピングモータ8
0の1ステップのテープ送り量は、減速機構であるギヤ
トレインの構成により1/360インチに設計されてい
る。また、印字ヘッド60の実行する1ドット毎の印字
に同期してステッピングモータ80へは2ステップの回
転信号が出力される。この結果、プリンタ部50Bは、
テープの幅方向のみならず、その長さ方向にも180ド
ット/インチの印字を実行する。
【0057】なお、既述した検出スイッチ99は、プリ
ンタコントローラ120とモータドライバ122にCP
U110から接続されたコモンラインに介装されてい
る。この検出スイッチ99は、切断機構の使用状態を検
出するものであることから、印字の実行中に切断機構が
使用されそうになった場合には、この検出スイッチ99
が作動し、直ちにプリンタ部50Bの動作は停止され
る。この場合、CPU110からプリンタコントローラ
120,モータドライバ122への信号は送られ続ける
ので、切断機構の使用を中止すれば、印字は継続され
る。
【0058】以上説明した各構成部材の他、テープライ
タ1には、電源部114が組み込まれており、ICおよ
びトランスを使用したRCC方式により、バッテリBT
から、安定したバックアップ用およびロジック回路用の
5V電源を得ている。CPU110には、その電圧制御
のためにポートPB4が当てられる。
【0059】以上のような周辺回路を制御するCPU1
10の内部ROMには、上記した動作を実行するための
各種プログラムが記憶されている。また、その内部RA
Mは、その一部が、内部ROMに記憶された各種プログ
ラムを実行する際に使用するシステム予約領域としてさ
れ、その他は文字編集を行うためのテキストエリアやそ
のテキストの内容を保存するファイルエリアなどのユー
ザー使用領域として解放されている。
【0060】テキストエリアは、最大125文字の確定
入力を受け付ける領域が割り当てられており、文字コー
ドの他にその文字を編集するためのスタイルデータやモ
ードデータ等を格納する。従って、入力部50Cからの
文字入力や編集操作により、その記憶内容は適宜追加あ
るいは更新される。CPU110の内部RAM上に用意
されたこのテキストエリアを印字データバッファとも呼
ぶ。
【0061】ファイルエリアは、内部RAM内に150
0文字、オプション供給されるRAMパックに2000
文字が登録できる領域が割り当てられる。また、内部R
OMに記憶されるファイル管理プログラムにより、この
ファイルエリアには1ないし99の可変長ファイルを記
憶、管理することができ、ファイルの登録や呼び出し、
複写、消去などの基本操作環境が提供される。
【0062】<ソフトウェアの説明>次に、本実施例の
テープライタ1が実行する処理について説明する。図1
0は、テープライタ1が実行する処理ルーチンの要部を
示すフローチャートである。このテープライタ1には、
種々の動作モードがあり、入力部50Cの内の特定のフ
ァンクションキー等が操作されると、後述する行数等指
定モードやレイアウト表示モードなどの、各種モードに
移行する。モードの指定がなく、文字に対応したキーが
操作された場合には、最終的に印字される文字データが
入力される。
【0063】この処理ルーチンが起動されると、まず処
理モードの判別がなされ(ステップS200)、特定の
モードが指定されていなければ、文字入力モードと判断
して、印字データの入力を行なう(ステップS21
0)。印字データの入力は、英数字などはキー入力を直
接、仮名漢字については入力部50Cから入力された仮
名を仮名漢字変換した結果を、各々印字データバッファ
に取り込む処理により実現される。
【0064】入力部50Cから入力された印字データ
は、通常は印字データバッファの最後に追加されて行く
が、カーソルキーを操作して挿入ポイントを、既に入力
された文字列の途中に置くことも可能である。なお、印
字データの追加は、本実施例では、既存の入力データに
対して挿入されるものとしたが、上書きするものとする
ことも差し支えない。
【0065】印字データバッファは、最大125文字な
ので、これを越える数の文字が入力部50Cから入力さ
れた場合には、オーバフロー処理が行なわれる(ステッ
プS220)。これは、入力データが文字列の最後に追
加されている場合には、仮名漢字変換が完了して入力す
べき文字列が確定したとき、125文字を越える部分に
ついては、これをカットする処理であり、入力データが
文字列の途中に挿入されている場合には、挿入がなされ
た場合に125文字を越える文字数の文字を、印字デー
タバッファに記憶されていた文字列の末尾から削除する
処理である。
【0066】こうしたオーバフロー処理を行なった後、
確定した文字列を表示部50Dに表示する処理を行なう
(ステップS230)。ここで、前述したごとく、主表
示部50Daは1行×6文字の表示能力しか有しないも
のの、テープライタ1によるテープTへの印字能力は最
大4行の印字が可能である。このため、本実施例では、
印字データ入力処理(ステップS210)により入力さ
れる印字データを次のような1文字16ビットの情報と
して管理する。すなわち、行位置も印字データバッファ
中で1文字分を占有し、1文字16ビットの中に、行位
置を示すフラグ(2ビット)、行数(最大4行なので2
ビットで足りる)、書体(7書体分3ビット)、フォン
ト指定(内部フォント,外部フォントの区分を含む5ビ
ット)、行間や文字間の指定(4ビット)などの情報を
備える。
【0067】そして、この印字データバッファ中の印字
データを利用し、上記の文字表示処理(ステップS23
0)の一部として、図11のフローチャートに示すよう
に、印字データの行数に応じたインジケータ部50Db
の「行番号」の表示体tを点灯表示し(ステップS40
0)、更にその表示体tの中でカーソルが位置する行位
置に対応するものを点滅表示し(ステップS410)、
その後に、主表示部50Daに対して編集行位置の印字
データをドットマトリックスにより表示する(ステップ
S420)。
【0068】この処理により使用者は、現在編集中の印
字データの全行数やカーソルのある行位置をインジケー
タ部50Dbの「行番号」により確認することができ
る。図12は、このステップS400,S410に基づ
く「行番号」の表示形態の説明図であり、印字編集の実
行状態とその時の「行番号」の表示内容とを示してい
る。図(A)に示すごとく、印字編集している印字デー
タが3行の内容であるとき、その旨を表示するために
「行番号」の「1」「2」「3」が記された液晶の表示
体tが黒く点灯する。また、主表示部50Daに表示中
の印字データが2行目のものであり、その2行目にカー
ソルが存在することを示すために、「行番号」の「2」
と記された表示体tは黒く点灯する状態と消灯する状態
とを所定の時間間隔で繰り返す点滅状態となる。同様
に、図(B)に示す様に4行の印字データを編集中で、
かつカーソルが1行目にあるときは、「行番号」の
「1」ないし「4」と記された総ての表示体tが黒く点
灯し、かつ「1」と記された表示体tは点滅状態に制御
される。この様な表示処理(ステップS230)を行な
った後は、「NEXT」に抜けて、本処理ルーチンを一
旦終了する。
【0069】次に、段落毎に指定可能な行数等指定モー
ドについて説明する。ここで段落とは、テープTの長さ
方向に取られる印字データの1つの区切りであり、例え
ばビデオの背表紙タイトルとしてテープTに印字される
印字データは、1行の絵文字からなる段落、その後に続
き印字される1行のタイトル文字の段落、そしてその後
に続く2行の監督や主演者氏名の文字からなる段落の3
つの段落により構成されている。
【0070】この行数等指定モードが指定されると、ま
ず印字行数の指定や、自動/手動の指定を行なうといっ
た各種の指定処理を行なう(ステップS240)。指定
される対象としては、書体(強調文字,斜体文字,下線
付き,袋文字,反転文字等)、文字間(狭い,普通,広
い)、行間(同左)、フォントが内部フォントか外部R
OMのフォントかなどがある。これらの指定を行なう処
理は、予め用意した選択肢の中から、所望の指定を選択
する形で行なわれる。即ち、印字行数は、実施例では最
大4行なので、「1」「2」「3」「4」の中から選択
し、複数行印字の自動/手動の設定は、「自動」「手
動」の一方を選択する。これらの選択は、カーソルキー
やスペースキーを操作すると、選択肢が順次反転表示さ
れ、「選択」キーを操作することで確定する。本実施例
では、印字行数と縦書き横書きの指定などの様に1つの
段落を通して適用されるものを「スタイル」と呼んでお
り、それ以外の指定(文字間隔など)を「モード」と呼
んで区別している。
【0071】複数行の印字が選択された場合には、次に
フォントの組合わせを指定する処理を行なう(ステップ
S250)。フォントの組合わせの指定は、次のように
行なわれる。本実施例のテープライタ1は、16×1
6、24×24、32×32ドットの3つのフォントデ
ータを基本フォントとしてマスクROM118に用意し
ており、各フォントのうち重複するドット数とならない
ものについては、縦・横2倍まで拡大可能である。従っ
て、最大フォントは64×64ドットであり、印字可能
なドット数の組み合わせは、7種類となっている。従っ
て、複数行にわたって印字文字列を編集する場合、各行
に印字する文字列を入力する通常の文字入力操作に加え
て、各行に印字する文字列の印字フォントを指定する必
要がある。この印字可能なドット数は、図9に示すイン
ジケータ部50Dbの「サイズ」として纏めてある
「縮」「伸」「P」「S」「M」「L」「G」に対応す
る7つの表示体tによってテープライタ1の使用者に表
示される。
【0072】上述のごときステップS240,S250
の行数等指定モードでは、テープTへの印字結果に大き
な影響を与える重要要因を指定することになり、ある程
度印字結果を想定しながらその指定を行なわなければな
らない。そこで、本実施例のテープライタ1は、この行
数等指定モードでの操作性を向上させ、希望する印字結
果が確実に得られるために、上記ステップS240,S
250を通じて以下のごとき処理を実行している。
【0073】図13は、段落を通じて維持される「スタ
イル」情報である「縦書き」・「横書き」の指定にデフ
ォルト値を利用する処理を示している。すなわち、「縦
書き」あるいは「横書き」の指定の際には、まずRAM
の所定領域にデフォルト値の設定が完了しているか否か
を判断し(ステップS500)、テープライタ1の電源
が投入されたばかりの状態であってデフォルト値の設定
が未だに完了していなければ、ROMに不揮発的に記憶
されているデフォルト値、本実施例の場合は「横書き」
を読み込み(ステップS510)、これをRAMの所定
領域にデフォルト値として記憶する(ステップS52
0)。
【0074】ステップS500にてデフォルト値が設定
済であると判定された時、あるいはステップS520の
処理が完了した時には、このデフォルト値を主表示部5
0Daに表示すると共に変更の入力を可能とする(ステ
ップS530)。
【0075】この様な「縦書き」・「横書き」のデフォ
ルト値の採用により、「スタイル」情報を一旦「縦書
き」に変更した後には、使用者が明示的にその指定を変
更する入力を実行してデフォルト値を変更しない限り、
その後に続く段落にまでその値が継続され、段落毎に
「縦書き」と「横書き」が入り乱れることが防止され
る。すなわち、テープTへの印字データを自由自在に変
更できる汎用性を確保しつつ、通常では有り得ない「縦
書き」と「横書き」との混在を防止することができるの
である。
【0076】また、上記のデフォルト値を利用した「ス
タイル」情報の指定簡略化に止まることなく、本実施例
のテープライタ1は、総ての「スタイル」情報および
「モード」情報を予めセットした複数のアプリケーショ
ンフォームと呼ぶデフォルト値を有している。すなわ
ち、この複数のアプリケーションフォームから希望する
デフォルト値を選択することで、印字行数や縦書き横書
きなどの「スタイル」指定から文字間隔や文字の装飾な
どの「モード」指定までを総て完了することができる。
図14は、このアプリケーションフォームに関する制御
の流れを示すフローチャートである。これは行数等指定
モードに移行した最初の段階で実行されるものであり、
まず入力部50Cの所定キーが操作されたか否かに基づ
き自動的な「スタイル」および「モード」の指定を実行
するか否かを判断する(ステップS600)。ここで、
手動によると判定された時には、上記ステップS24
0,S250で説明した処理が順次実行される手動モー
ドとなり、初め「スタイル」指定を促す表示および指定
入力を受け付け(ステップS610)、入力に応じて
「スタイル」を設定する(ステップS620)。続い
て、「モード」指定を促す表示および指定入力を受け付
け(ステップS630)、入力に応じて「モード」を設
定し(ステップS620)、本処理を終了する。
【0077】一方、ステップS600にて自動モードが
選択されたときには、所定のデフォルト値を有している
アプリケーションフォームの標題を表示部50Dに表示
し、選択結果を入力する(ステップS650)。本実施
例では、8つのアプリケーションフォームを備えてお
り、それぞれの標題として「VHS―横」、「VHS―
縦」、「VHS―C」、「8mmビデオ」、「音楽テー
プ」、「住所・氏名」、「銘板」、「ねん・くみ」が用
意されている(「VHS」「VHS−C」「8mmビデ
オ」などは、各社の商標)。図15ないし図22は、こ
れら各標題とその標題による「スタイル」・「モード」
のデフォルト値を各図(A)に、そのデフォルト値に基
づき印字データを作成した場合の印字結果の一例を各図
(B)に示したものである。図示するように、このアプ
リケーションフォームとは、「スタイル」および「モー
ド」のデフォルト値として8つの組み合わせを用意して
いるのみであり、後述するごとくこのアプリケーション
フォームにより得られる任意のデフォルト値を変更する
ことも可能である。また、このアプリケーションフォー
ムの特徴は、図15ないし図22の(A)に示すよう
に、表示部50Dに対して絵文字の印字データ入力が望
ましい箇所、文字の印字データ入力が望ましい箇所、時
間や日付の印字データ入力が望ましい箇所等を特殊な表
示により示している点のみであり、これらの表示に従っ
た印字データの入力は勿論のこと、表示により推奨して
いる印字データと異なる形式のデータ入力があったとし
ても何等差し支えなく受け付けるのである。
【0078】こうして使用者が希望する標題が決定され
ると、その標題に基づいた「スタイル」・「モード」の
デフォルト値が設定され(ステップS660)、デフォ
ルト値の変更が必要か否かを確認し(ステップS67
0)、変更の要求があればこれを許可するために前記ス
テップS610へと移行し、変更要求がなければ本処理
を終了する。
【0079】次に、レイアウト表示について説明する。
レイアウト表示モードが指定されると、まずカートリッ
ジ判別スイッチ102の出力を読み込む処理を行なう
(ステップS260)。この処理により、CPU110
は、現在テープライタ1に装着されているテープカート
リッジ10の種類、特に印字可能なテープTの幅を判別
することが可能となる。テープTの幅を判別した後、現
在指定されている印字行数,フォントの指定などに基づ
いて、レイアウト表示を行なう(ステップS270)。
なお、レイアウト表示に際しては、表示を行なう主表示
部50DaにテープTが黒く表示され、文字が白抜きで
表示されるのに対して、テープTが未装着の場合には、
テープTは表示されず、文字が黒く表示される。即ち、
テープTが未装着の場合には、文字の表示が通常と反対
になっているので、一目でテープTが未装着であること
が分かる。また、枠線の指定がある場合には、これも併
せて表示される。
【0080】一方、テープTの幅が不足しているような
場合には、はみ出した部分(テープ幅が不足している部
分)に関しては、はみ出した部分が反転して表示され
る。なお、これらの場合には、別に警告を表示したり、
音声で報知したりすることも差し支えない。レイアウト
表示が終了すれば、表示は通常の文字表示の状態に戻る
(ステップS230)。
【0081】次に、印字モードについて説明する。印字
モードが指定されると、まずカートリッジ判別スイッチ
102の検出信号を読み込み(ステップS280)、続
いて、カートリッジ判別スイッチ102の検出結果から
現在装着されているテープTの幅を判断し、その判断結
果と各行文字列の大小関係とから、内部ROMに予め記
憶されるフォントマップを参照して各行のドットパター
ンを展開する処理を行なう(ステップS290)。
【0082】そして、各行の印字に使用する印字フォン
トが決定されると、印字すべき文字列の文字コードに対
応す印字フォントをマスクROM118から順次読みだ
し、印字すべきドットパターンに展開する。以上がドッ
トパターンの展開処理(ステップS290)である。ド
ットパターンの展開が完了すると、次に印字処理を実行
する(ステップS300)。印字処理は、展開したドッ
トパターンを縦1列毎に切り出して64ビットのシリア
ルデータを作成し、プリンタ部へ転送することにより行
なわれる。
【0083】こうして印字データバッファに記憶されて
いる文字列の印字が行なわれるが、自動/手動の設定に
より、印字の様子は異なる。「手動」とは、印字データ
バッファに記憶されている印字データを、印字行数の指
定の通りに印字するモードである。ところで、複数行の
印字を指定し、例えば2行印字の指定において、2行に
亘って印字データを入力してから、2行目の印字データ
を削除するといったことは、実際には、しばしば行なわ
れる。この場合は、使用者は、2行目の印字データを削
除していることから、もはや印字は1行で行なわれるも
のと考え易い。そこで、「自動」が指定されている場合
には、2行目に印字データがなければ、1行とみなして
大きなドット数のフォントを用いてドットパターンを展
開し印字を行なう。他方、2行共に印字データが存在す
れば、2行印字とみなして、小さ目のドット数のフォン
トを利用して印字を行なう。これに対して、「手動」の
指定がなされている場合には、2行目に印字データがな
くとも、2行で印字することになる。なお、以上の説明
は、2行印字が指定されているものとしたが、3行印
字,4行印字等が指定されている場合でも同様である。
【0084】次に、記録・呼出モードについて説明す
る。本実施例のテープライタ1は、既に説明したよう
に、入力部50Cから入力した印字データを、内部RA
Mに最大1500文字まで、拡張部50Eに最大200
0文字まで、ファイルとして記録することが可能であ
る。そこで、この記録・呼出を行なうモードが指定され
ると、まずファイルがアクセス可能かを判断する。(ス
テップS310)。ここで、アクセス可能とは、記録が
選択された場合には、内部RAMもしくは拡張部50E
に新たなファイルを記憶できる空き容量が存在する場合
であり、呼出が選択された場合には、記録されているフ
ァイルが存在する場合をいう。アクセスが可能でない場
合には、何も行なわずに文字表示(ステップS230)
に戻る。一方、アクセスが可能である場合には、現在印
字データバッファにある文字列をファイルとして記録す
る処理、または既に記録されている文字列を印字データ
バッファに呼び出す処理のいずれかを、指示に応じて行
なう(ステップS320)。
【0085】印字データバッファに存在する文字列をフ
ァイルとして記録する場合、文字の属性情報(モードお
よびスタイル)も共に保存される。即ち、上述した印字
行数,フォントの指定などはもとより、文字間隔,行間
隔,書体(強調文字,袋文字,下線付き,斜体文字等)
などの情報も一緒に記録されるのである。呼び出す場合
にも、同様にこれらの情報を伴って印字データが印字デ
ータバッファに呼び出される。この際、印字データバッ
ファに、入力部50Cから入力した印字データが存在す
る場合には、呼び出された印字データは、既に存在する
印字データの末尾に追加される。そこで、両印字データ
の属性が異なる場合には、区分マークを付与する処理を
行なう(ステップS330)。
【0086】区分マークの付与は、右向きの三角形のマ
ークをつけることにより行なわれる。この区分マークに
は、書体や文字間等の情報を有するマークである。即
ち、印字データバッファに存在する印字データに連結す
る形で呼び出された印字データは、現在の属性情報の設
定がセットされ、その直後に挿入された区分マークによ
り、ファイルとして記録されたときの属性がセットされ
ることになる。この結果、これらの印字データを印字す
れば、入力された印字データはその指定で、一方、呼び
出された印字データは記録されたときの指定で印字され
ることになる。しかも、呼び出された印字データの後に
新たな段落を生成して印字データを入力すれば、その印
字データの属性は、呼び出された印字データの属性の影
響を受けないという利点がある。また、呼び出した後
で、呼び出された印字データの属性を、入力部50Cか
ら入力された印字データの属性に合わせたいということ
は、しばしば経験するが、この場合には区分マークを削
除するだけで良い。
【0087】上記ステップS320にて処理される文字
列のファイル記録処理等の代表的な例として、熟語登録
の際の表示内容と操作方法を図23に、熟語登録の呼び
出しの際の表示内容と操作方法を図24に、更にはこの
熟語登録を削除する際の表示内容と操作法方とを図25
に示している。
【0088】本実施例では、熟語登録の機能として5文
字×9件の熟語を記憶し、その読みは平仮名で最大16
文字までを許容している。まず、この熟語登録にあたっ
ては、図23に示すように、レイアウトボタンを押しな
がら電源スイッチ50Jを入れることで熟語登録モード
となる。そして、既に登録されている熟語が登録エリア
から読み出されるため、右ボタンで登録エリアの空きを
探した後に、通常の文字入力の要領で登録したい熟語、
その読みの順に登録する。
【0089】こうして登録された熟語は、図24に示す
ように、読みを入力して通常のかな漢字変換と同様の操
作を実行すると、一般的な辞書に優先してその熟語が読
み出され、表示部50Dに表示される。
【0090】また、一旦登録した熟語は、図25に示す
ように、熟語登録のモードとしてテープライタ1を立ち
上げ、削除したい熟語を読み出し、その内容を空にした
状態で登録を実行することで簡単に削除される。すなわ
ち、熟語の削除操作は、削除したい熟語に空の熟語およ
び空の読みを上書きするというイメージに基づき、熟語
登録と同様の操作を実行するだけでよい。従って、熟語
の登録と削除とに異なる操作を覚える必要もなく、極め
て操作性に優れている。また、こうして熟語登録が削除
されると、図25に示すように、読みのかな漢字変換は
一般の辞書からの検索結果のみとなる。
【0091】本実施例のテープライタ1の取扱い・動作
を、代表的な使用モードを挙げて説明した。テープライ
タ1には、この他にも種々の使用モードが存在するが、
それらの説明は省略する。
【0092】以上のように構成された実施例のテープラ
イタ1によれば、次のような効果が明らかである。本実
施例の表示部50Dは、印字イメージ1行だけ表示する
主表示部50Daとインジケータ部50Dbとから構成
され、最大4行の印字データの編集を行なうために従来
のテープライタが備えた表示部に比較して略1/4の大
きさに抑さえられている。
【0093】しかし、表示部50Dを目視しながらの印
字データの編集に際しては、従来の4行にわたる大きな
表示部を備えるテープライタと遜色のない機能を有す
る。すなわち、本実施例のインジケータ部50Dbの1
つとして用意される「行番号」は、印字編集している印
字データの全行数に対応する「行番号」を点灯表示し、
かつ、主表示部50Daに表示中の印字データの行位置
に対応する「行番号」を点滅表示するのであり、編集作
業において必要となる行に関する情報はこのインジケー
タ部50Dbにより表示される。
【0094】すなわち、複数行の印字データの編集作業
に際しては、印字データを総ての行にわたって目視する
必要は少なく、その編集中の印字データが何行目の印字
データであるかを確認できることで大まかな要望を叶え
ることができる。また、この編集作業に際して次に大き
な要望は、編集作業している印字データの全行数であ
り、これについても上記インジケータ部50Dbの表示
により簡単に目視することができるのである。
【0095】この様に本実施例の印字装置は、僅かに1
行の印字データのみを表示する小型な表示部50Dであ
るにも拘わらず、複数行にわたる印字データの編集作業
に際しての必要な情報を総て表示することができる優れ
た効果を発揮する。
【0096】なお、本発明の印字装置は、上記実施例に
何等限定されるものではなく、種々なる態様により具現
化されることは勿論である。例えば、上記実施例では主
表示部50Daは1行の印字データの表示能力しか有し
ていないが、装置レイアウトが許す範囲でこれを大型化
して2行あるいは3行の表示面積としてもよく、この場
合にも、インジケータ部50Dbの表示を参考にして印
字データの全行数および主表示部50Daに表示され編
集作業中である行位置を簡単に確認することができる。
また、区分マークの前に現在編集中の行の番号を表示す
るといった態様も可能である。更に、現在編集中の横方
向の最大桁数や現在カーソルが指し示している桁の番号
を、同様に表示することも好適である。実施例では、裏
面に粘着層が設けられたテープTに印字するものとして
説明したが、かかるテープに限定されるものではなく、
例えば粘着層を後から貼り付けるタイプのテープ、印字
面を保護する透明なシートを貼り合わせたラミネートタ
イプ、転写可能なインクを用いて印字される転写タイプ
など、種々のタイプのテープを使用することができる。
【0097】
【発明の効果】以上実施例を挙げて説明したように、本
発明の印字装置は、表示制御手段により現在編集が行な
われている行を含む文字列が主表示部に表示され、その
編集が行なわれている位置が補助表示部に表示される。
従って、大きな表示面積を必要とする主表示部の大きさ
を編集可能な最大行数より小さくすることができる。ま
た、その編集に際して必要となる編集中の文字列の位置
は補助表示部に表示されるため、編集効率が落ちること
もなく、効果的に表示部を小型化することができる。
【0098】なお、表示制御部が、現在編集が行なわれ
ている位置として行の行番号を補助表示部に表示するば
かりでなく、総ての文字列の行数をこれと異なる表示形
態により補助表示部に表示すれば、主表示部を目視しな
がらの編集作業に際して編集行のみならず全体の行数ま
でも確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるテープライタ1の平面図
である。
【図2】同じくテープライタ1の右の側面図である。
【図3】実施例におけるテープカートリッジ10の組立
構成を示す平面図である。
【図4】テープカートリッジ装着部50Aの構成を示す
斜視図である。
【図5】ギヤトレインの構成と、印字ヘッド60を退避
位置および印字位置の間で移動する機構とを説明する斜
視図である。
【図6】印字ヘッド60の分解組立斜視図である。
【図7】CPU110を中心とした構成を示すブロック
図である。
【図8】入力部50Cのキー配列の説明図である。
【図9】表示部50Dの構成を説明する説明図である。
【図10】テープライタ1が行なう処理の概要を示すフ
ローチャートである。
【図11】その文字表示処理の一部を詳細に示すフロー
チャートである。
【図12】その文字表示処理による表示部50Dの表示
状態説明図である。
【図13】行数等指定モードの処理の一部を詳細に示す
フローチャートである。
【図14】同じく行数等指定モードの処理の一部を詳細
に示すフローチャートである。
【図15】その処理に利用される種々のアプリケーショ
ンフォームの一例を示す説明図である。
【図16】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図17】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図18】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図19】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図20】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図21】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図22】同じくアプリケーションフォームの一例を示
す説明図である。
【図23】熟語登録の登録例の説明図である。
【図24】熟語登録の呼び出し例の説明図である。
【図25】熟語登録の削除例の説明図である。
【符号の説明】
1…テープライタ 10…テープカートリッジ 10A…テープ排出口 12…プラテン 14…プラテンゴム 18…底壁 18D,18H…係合片 18E…基端部 18K…検出孔 18Ka,18Kb,18Kc…検出孔 20…テープコア 22…インクリボンコア 24…リボン巻取コア 26…テープガイドピン 30…リボンガイドローラ 32…進入孔 34…ガイド壁 50A…テープカートリッジ装着部 50Aa…円筒部材 50B…プリンタ部 50C…入力部 50D…表示部 50Da…主表示部 50Db…インジケータ部 50E…拡張部 50Ea…外部入出力コネクタ 50F…制御回路部 50H…本体ケース 50J…電源スイッチ 50K…本体カバー 50L,50M…窓 50N…プラグ 50P…駆動機構 52…スライドボタン 54…カバーヒンジ 55…開閉検出スイッチ 60…印字ヘッド 60A…温度検出回路 60B…電圧検出回路 61…ベースボード 62…回転フレーム 62A…立設部 62B…凸部 63A…カム部材 63Aa…回転軸 63Ab…凹部 63B…レバー回転軸 63C…ヘッド移動レバー 64…ヘッド回転軸 65…ヘッド本体 65b…放熱板 65ba…角孔 67b…ピン 68…フレキシブルケーブル 70A,70B…当接突起 72…プラテン駆動軸 72A…リム 72B,74B…突条 74…巻取コア駆動軸 74A…リム 80…ステッピングモータ 80A…回転軸 80B…クラッチアーム 80C…開口 81…第1のギヤ 82…第2のギヤ 83…第3のギヤ 84…第4のギヤ 85…第5のギヤ 86…第6のギヤ 87…第7のギヤ 88…第8のギヤ 89…第9のギヤ 90…テープカッター 90A…右端部 90B…左端部 91…固定刃 96…カッターボタン 96A…ピン 98…移動刃 99…検出スイッチ 102…カートリッジ判別スイッチ 102A,102B,102C…カートリッジ判別スイ
ッチ 110…CPU 112…ヘッドランク判別部 112A,112B,112C…ジャンパー部 113…ACアダプタ 114…電源部 115…ジャック 116…表示部制御回路 116A…LCDコントローラ 118…マスクROM 120…プリンタコントローラ 122…モータドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 TEPRAPRO SR606取扱説明 書,1992年,KING JIM Co. Ltd,p.89−91 ASCII,vol15 1991年8月 株式会社アスキー p.325−332 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 21/00 B41J 5/30 G06F 3/12 G06F 17/21

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された文字列を複数行にわたって編
    集し、その編集結果に基づいて前記文字列を複数行にわ
    たって長尺状のテープに印字する印字装置であって、 印字可能な前記複数行の行数を設定する行数設定手段
    と、 印字可能な最大行数までの全ての行の行番号を、該行番
    号を表わす数値が記された表示体を用いて補助的に表示
    可能な補助表示部と、 該補助表示部の近傍に設けられ、前記印字可能な最大行
    数よりも少ない行数分の文字列を表示可能な主表示部
    と、 前記文字列の編集を管理し、現在編集が行なわれている
    行を含む前記文字列を前記主表示部に表示すると共に、
    当該現在編集が行なわれている行の行番号を前記補助表
    示部に表示する表示制御部とを備え、 前記表示制御部は、前記補助表示部に、 前記行数設定手段による行数の設定がなされた行のう
    ち、当該現在編集が行なわれている行の行番号を、該行
    番号を表わす数値が記された表示体を点滅することによ
    って表示すると共に、 前記行数設定手段による行数の設定がなされた行のう
    ち、当該現在編集が行なわれている行を除く全ての行の
    行番号を、該行番号を表わす数値が記された表示体を点
    灯することによって表示する印字装置。
  2. 【請求項2】 前記当該現在編集が行なわれている行を
    除く全ての行の行番号を、前記文字列の編集状態に拘わ
    らず、前記補助表示部に表示する請求項1に記載の印字
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の印字装置であ
    って、 前記編集の対象となる複数行を一つの段落として管理す
    る段落管理手段を備え、 前記表示制御部は、前記段落内における前記行番号を前
    記補助表示部に表示する印字装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の印字装置であって、 前記編集の対象となる複数行を一つの段落として管理す
    る段落管理手段と、 該段落管理手段により管理された段落ごとに前記文字列
    を編集する段落内編集手段と、 該段落内編集手段により編集された前記文字列を、長尺
    状のテープに印字する印字手段と を備える印字装置。
JP35016193A 1993-12-22 1993-12-30 印字装置 Expired - Lifetime JP3349577B2 (ja)

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US09/113,728 US6195668B1 (en) 1993-12-22 1998-07-10 Tape printing and editing assembly
US09/253,104 US6491454B1 (en) 1993-12-22 1999-02-19 Tape printing device and method

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