JP3349545B2 - 包装材料 - Google Patents
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Description
リヤー性、耐衝撃性等に優れた包装材料に関し、例えば
食品、薬品、工業製品等の分野で使用できる。
品等の包装材料に開封時の直線カット性(易開封性)を
付与するための提案が種々なされている。例えば、(a)
一軸延伸フィルムを中間層として有するラミネートフィ
ルムとした構成、(b) 表基材フィルムの表面に微細な傷
を付けて開封し易くした構成、(c) フィルムの開封部に
開封用テープを装着するようにした構成、等である。し
かし、いずれの場合も易開封性や衝撃強度が不十分であ
ったり、経済性に乏しかったりしていた。
易にして開封個所の外観を良くする直線カット性、長期
保存のためのガスバリヤー性、そして破袋を防止して内
容物の保護に直接結びつく耐衝撃性能は、重要な特性と
して要求される。ガスバリヤー性に関して、アルミ箔を
有する包装材料が提案されているが、この場合、透明性
がなく、また金属であるため、電子レンジに使用できな
いという欠点がある。しかも、プラスチック材料中に金
属アルミニウムが混入していることによりリサイクル適
性に欠けるため、環境保護の面からも好ましい包装材料
とはいえない。
ルムに珪素酸化膜を形成する構成が提案されているが、
アルミ箔を有する包装材料に匹敵するガスバリヤー性は
有している反面、耐衝撃性が不充分であることに加え
て、易開封性は備えていない。一方、本出願人は、特願
平3−308427号等において、ナイロン6及びメタキシリ
レンアジパミド(MXD6)を含有する易裂性フィルム
を提案した。
スバリヤー性、耐衝撃性等について略満足すべき結果が
得られるようになったが、ガスバリヤー性に関してはア
ルミ箔を有する包装材料ほどのレベルではない。そこ
で、本発明は、易開封性、耐衝撃性等について優れた特
性を備え、加えてガスバリヤー性に関して顕著な改善効
果が得られる包装材料を提供することを目的とする。
装材料は、ポリアミド(PA)を40〜85重量部及びメタ
キシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部含有
し、MD方向及びTD方向にそれぞれ 2.8倍以上の延伸
倍率で同時二軸延伸されたフィルム(但し、PA+MX
D6= 100 重量部)の少なくとも一面に、珪素及び珪
素酸化物より選ばれた1種以上の成分を含有する層(以
下、珪素酸化物層と略す)が、100 〜4000Åの厚さで形
成され、エレメンドルフ引裂き強度が7.0kg/cm以下であ
ることを特徴とする。前記MXD6の化学式を下記の化
1に示す。
少ない場合には、易裂性と直線カット性が劣るようにな
る。また、MXD6が60重量部より多い場合には、衝撃
強度が大幅に低下して実用性に乏しくなる。前記フィル
ム中のポリアミド(PA)は、ナイロン6及びナイロン
66のうちの1種以上である。具体的には、ナイロン6
とナイロン66のいずれかの単体でも、両者の共重合体
でも、又はこれら単体と共重合体の混合物でもよい。
動方向)及びTD方向(フィルムの幅方向)にそれぞれ
2.8倍以上の延伸倍率で同時二軸延伸されたものであ
り、好ましくは3.5 倍以上の延伸倍率で延伸されたもの
である。延伸倍率が 2.8倍より小さい場合には、易裂性
と直線カット性が劣るようになり、また衝撃強度が低下
して実用性に問題が生ずる。このような延伸フィルム
は、例えばチューブラー法等により同時二軸延伸を施す
ことにより得られる。また、包装材料のエレメンドルフ
引裂き強度が7.0kg/cm以下である。このエレメンドルフ
引裂き強度の測定は、包装資材の延伸方向についてJIS-
Z1702 に準じて測定することができる。
適宜添加することができる。このような添加剤として、
例えばアンチブロッキング剤(無機フィラー等)、はっ
水剤(エチレンビスステアリン酸エステル等)、滑剤
(ステアリン酸カルシウム等)を挙げることができる。
前記珪素酸化物層中の珪素酸化物の具体例は、SiO, SiO
2 , Si2 O 3 ,Si 3 O 4である。珪素及び珪素酸化物の
形態は、非晶又は結晶のいずれでもよい。
を向上させるために、他の成分、例えば前記以外の珪素
化合物、珪素以外の金属、及び珪素以外の金属との酸化
物、珪化物、珪酸塩、フッ化物、窒化物、炭化物等のう
ちの1種以上を添加してもよい。この場合、添加量は、
前記珪素酸化物等に対して15wt%以下の割合が適当であ
る。前記珪素酸化物層の厚さが、100Åより薄いと充分
なガスバリヤー性が得られず、一方4000Åより厚いと珪
素酸化物層に亀裂が入りやすくなると共に、ガスバリヤ
ー性も極度に悪化する。なお、前記珪素酸化物層の厚さ
は、1000 〜3000Åの厚さで形成されることが好まし
い。
り、一般的には真空蒸着法を用いる。また、プラズマを
発生させ、有機ガス(有機シラン系ガス等)や酸素或い
は有機ガスの誘導体を導入し、化学的反応によって形成
するプラズマ化学蒸着法でもよい。その他、グロー放
電、スパッタリング等の何等かの電気的、磁気的な外部
作用によってラジカルの発生を伴う方法でもよい。更
に、イオンプレーティングや塗布でも形成可能である。
なお、上記フィルムは、単層の場合であるが、L-LDPE
層、PP層等を含むラーミネートフィルムの場合であって
もよい。また、珪素酸化物層はフィルムの片面だけでは
なく、両面に形成されていてもよい。
(MXD6)をそれぞれ60重量部及び40重量部の割合で
混合したものを押出機中、 270℃で溶融混練した後、溶
融物を直径90mmのダイスから円筒状のフィルムとして押
出し、引き続き水で急冷して原反フィルムを作製した。
前記Ny6として使用したものは、宇部興産(株)製ナ
イロン6〔UBEナイロン 1023 FD(商品名)、相対粘
度ηr =3.6 〕であり、MXD6として使用したもの
は、三菱ガス化学(株)製メタキシリレンアジパミド
〔MXナイロン6007(商品名)、相対粘度ηr =2.7 〕
である。
ップロール間に挿通した後、中に気体を圧入しながらヒ
ータで加熱すると共に、延伸開始点にエアーリングより
エアーを吹き付けてバブルに膨張させ、下流側の一対の
ニップロールで引き取ることにより、チューブラー法に
よるMD方向及びTD方向の同時二軸延伸を行った。こ
の延伸の際の倍率は、MD方向及びTD方向共に3.0 倍
であった。次に、この延伸フィルムをテンター式熱処理
炉に入れ、 210℃で熱固定を施して二軸延伸フィルムを
得た。
置に入れ、珪素と二酸化珪素の等モル混合物を原料と
し、0.7 ×10-4Torrの真空下、1350℃に加熱してフィル
ムの片面に珪素酸化物層を1000Åの厚さで蒸着形成する
ことにより、本実施例に係る包装資材を得た。次に、こ
の包装資材について、引裂き強度及び衝撃強度(フィル
ム・インパクト)を測定し、また易裂性及び直線カット
性を評価した。その結果を下記の表1に示す。前記引裂
き強度の測定は、包装資材の延伸方向についてJIS-Z170
2 に準じてエレメンドルフ引裂き強度(kg/cm )を測定
することにより行った。
のフィルム・インパクト・テスターを使用し、固定され
たリング状のフィルムに半円球状の振り子(直径1/2 イ
ンチ、重量30kg-cm )を打ち付けて、フィルムの打ち抜
きに要した衝撃強度を測定することにより行った。この
衝撃強度が4500kg・cm/cm より小さくなると、表基材と
しての性能が低下してゆき、液体用包装資材としての実
用性が乏しくなる。前記易裂性は、エレメンドルフ引裂
き強度の値Eについて、E≦7kg/cm を○、7kg/cm <
E<9kg/cm を△、E≧9kg/cm を×として評価した。
Eが9kg/cm以上になると、裂け易さが顕著に低下して
ゆき、特に直線カット性が急激に落ちてゆく。
した。20cm幅のフィルムに所定間隔Ws 例えば2cm間隔
で切れ目を入れ、これらの切れ目に沿ってフィルムを引
き裂いた後、フィルム片の他端の幅We を測定し、元の
間隔Ws との偏差αを下記の通り求める。 α=〔(Ws −We )/Ws 〕×100 この測定を10枚のフィルム片に対して行い、その平均値
のα(%)が±10%未満のものを◎(直線カット性が非
常に良好)、±10%≦α≦±30%のものを○(直線カッ
ト性が良好)、α(%)が±30%を越えるものを×(直
線カット性が不良)として評価した。α(%)が±30%
を越えるとフィルムを真っ直ぐに切ることが困難にな
る。
して、酸素透過率を測定した。この測定は、ASTM-D-398
5 に準拠し、23℃、0%RHの条件下で実施した。その結
果を下記の表1に示す。表1の総合評価の欄で、◎は非
常に良好、○は良好、×は不良をそれぞれ示す。
珪素酸化物層の厚さを表1に示すように変えて、実施例
1と同様の製造工程により実施例2〜6に係る包装資材
を得た。各実施例に係る包装資材についても、実施例1
と同様に各種特性の測定及び評価を行った。その結果を
表1に示す。
珪素酸化物層の厚さを表1に示すように変えて、実施例
1と同様の製造工程により比較例1〜6に係る包装資材
を得た。各比較例に係る包装資材についても、実施例1
と同様に各種特性の測定及び評価を行った。その結果を
表1に示す。
は、Ny6を40〜80重量部及びMXD6を20〜60重量部
含有し、MD方向及びTD方向にそれぞれ 3.0倍以上で
延伸されたフィルムの片面に、珪素酸化物層が、500 〜
3000Åの厚さで形成されたものであるため、いずれも引
裂き強度が7.0kg/cm以下で易裂性に優れ、直線カット性
も良好か非常に良好であることがわかる。また、衝撃強
度がいずれも6000kg・cm/ cm以上で高い衝撃強度を有し
ている。更に、酸素透過率が非常に小さくガスバリヤー
性にも優れている。加えて、アルミ箔等を使用していな
いため、透明性を有し、電子レンジにも使用可能であ
り、しかもリサイクル適性があって環境保護の面からも
好ましい。
伸倍率及び珪素酸化物層の厚さに関して本発明に係る範
囲内であるが、Ny6のみよりなるフィルムであるた
め、衝撃強度とガスバリヤー性は良好であっても、直線
カット性が不良である。比較例3に係るフィルムは、フ
ィルムの組成及び珪素酸化物層の厚さに関して本発明に
係る範囲内であるが、フィルムの延伸倍率が小さいた
め、ガスバリヤー性は良好であっても、引裂き強度が大
きく、易裂性と直線カット性が不良であり、しかも衝撃
強度も劣っている。
の組成と延伸倍率は本発明に係る範囲内であるが、珪素
酸化物層の厚さに関して本発明に係る範囲外であるた
め、易裂性、直線カット性及び衝撃強度が良好であって
も、ガスバリヤー性が不良である。比較例6に係るフィ
ルムは、フィルムの組成は本発明に係る範囲内である
が、延伸倍率と珪素酸化物層の厚さに関して本発明に係
る範囲外であるため、直線カット性及びガスバリヤー性
が不良である。
強度、易裂性、直線カット性及び衝撃強度について優れ
た特性を備え、加えてガスバリヤー性についても優れた
特性を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリアミド(PA)を40〜85重量部及び
メタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部
含有し、 MD方向及びTD方向にそれぞれ 2.8倍以上の延伸倍率
で同時二軸延伸された フィルム(但し、PA+MXD6
= 100 重量部)の少なくとも一面に、珪素及び珪素酸
化物より選ばれた1種以上の成分を含有する層が、100
〜4000Åの厚さで形成され、 エレメンドルフ引裂き強度が7.0kg/cm以下である ことを
特徴とする包装材料。 - 【請求項2】 前記ポリアミド(PA)がナイロン6及
びナイロン66のうちの1種以上であることを特徴とす
る請求項1記載の包装材料。 - 【請求項3】 前記珪素及び珪素酸化物より選ばれた1
種以上の成分を含有する層が、1000 〜3000Åの厚さで
形成され、 酸素透過率が、0.4 cc/m 2 /day 以下であることを特徴と
する請求項1又は2に記載の包装材料。 - 【請求項4】 前記フィルムは、チューブラー法により
同時二軸延伸されることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の包装材料。
Priority Applications (1)
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JP9427693A JP3349545B2 (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9427693A JP3349545B2 (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 包装材料 |
Publications (2)
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JPH06305068A JPH06305068A (ja) | 1994-11-01 |
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JP9427693A Expired - Lifetime JP3349545B2 (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 包装材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3349545B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019056414A1 (zh) * | 2017-09-19 | 2019-03-28 | 江阴申隆包装材料有限公司 | 一种易裁切高阻隔防雾盖膜及其制造方法 |
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---|---|---|---|---|
KR960021486A (ko) * | 1994-12-21 | 1996-07-18 | 이웅열 | 이축연신 폴리아미드 필름의 제조방법 |
JP3974215B2 (ja) * | 1997-03-12 | 2007-09-12 | 出光興産株式会社 | 包装材料 |
JP2008179104A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-07 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
JP2008179102A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-07 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
-
1993
- 1993-04-21 JP JP9427693A patent/JP3349545B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2019056414A1 (zh) * | 2017-09-19 | 2019-03-28 | 江阴申隆包装材料有限公司 | 一种易裁切高阻隔防雾盖膜及其制造方法 |
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