JP3348671B2 - 無研磨溶接缶用ラミネート鋼板 - Google Patents
無研磨溶接缶用ラミネート鋼板Info
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Description
缶等のような大型缶の缶胴部用として好適な用途適性お
よび内容物保護性に優れた無研磨溶接缶用ラミネート鋼
板に関する。
種ラミネート鋼板を使用した高耐食缶を製造する試みが
なされている。大型缶ではレトルト処理等の加熱処理を
行なわないため、飲料缶のようなレトルト後フィルム密
着性は要求されない。従来、ラミネート鋼板を使用した
大型高耐食缶に関しては、特公平1−55104号公
報、特公昭64−139号公報等に缶胴ロックシーム缶
や接着缶に関する技術が開示されている。しかし、缶胴
ロックシーム缶や接着缶は、溶接缶に較べてシーム強度
が弱い欠点があり、また、缶胴ロックシーム型ラミネー
ト缶や缶胴接着型ラミネート缶は溶接缶に較べて広い板
重ね部分が必要となるため、溶接缶に較べて材料コスト
が高い欠点もある。
接缶にも以下のような問題がある。すなわち、内面ラミ
ネート大型溶接缶を安価な電解クロメート処理鋼板を用
いて製造する場合、一般に研磨溶接が行われるが、この
研磨溶接では表面処理皮膜(クロメート処理皮膜)を研
磨により除去するため、地鉄が露出した部分の溶接補修
後の耐食性が問題となり、このため高耐食缶の製造が難
しいという問題がある。また、このような研磨溶接で
は、溶接部に近い缶胴内面の樹脂フィルム層に皺の発生
や色調の変化が観察される、溶接補修部の幅を無研磨溶
接に較べて広くとる必要がある等の問題もある。
理皮膜を機械的に研磨除去する方法を実施した場合には
多量の研磨屑(金属粉)が発生し、この研磨屑が異物と
して缶内に混入してしまうという問題もある。このた
め、缶内面をラミネートして耐食性を向上させても、異
物による内容物の汚染のため十分な内容物の保護機能が
果せない。また、研磨溶接では溶接時入熱によって露出
した地鉄表面が酸化し、濃青色や黒色に変色するため溶
接後外観が劣化するだけでなく、補修樹脂層との密着性
や耐食性が低下するという問題もある。
は、皮膜中に融点が低く延伸性のある錫を有するため無
研磨での溶接が可能であるが、アルカリ溶液中で錫が溶
解するため内容物保護性に劣る欠点がある。従来、無研
磨溶接を目的とした電解クロメート処理鋼板に関して
は、特公平6−37714号公報、特開平2−1798
95号公報、特公平7−94719号公報をはじめとす
る数多くの提案がなされている。しかし、これらの従来
技術はいずれも内面裸缶や塗装缶用の鋼板に関するもの
であり、ラミネート缶用の鋼板に関する開示はない。
ついても特公昭63−50265号公報等に開示がある
が、この提案をはじめとする従来の技術は、素材鋼板が
錫系めっき皮膜を有する場合の無研磨溶接部の補修や、
素材鋼板がクロム系めっき皮膜を有する場合の研磨溶接
部の補修に関するものであり、クロメート処理皮膜の無
研磨溶接部について、ラミネート鋼板と同等の高い耐食
性を確保できる補修技術を開示するものはない。
的は、18L缶やペール缶等のような大型缶の缶胴部に
好適な電解クロメート処理鋼板を素材とするラミネート
鋼板であって、酸性からアルカリ性までの用途適性に優
れ、且つ内容物保護性(異物の混入や金属の溶出を生じ
ない特性)にも優れた無研磨溶接缶用ラミネート鋼板を
提供することにある。
を解決すべく、素材鋼板の表面処理皮膜の構成及びラミ
ネートフィルムによる樹脂層の構成が異なる種々のラミ
ネート鋼板について、外面印刷、溶接性及び耐食性等の
観点から詳細な調査、検討を行い、その結果、以下のよ
うな知見を得た。
場合、一般にこの缶内面側樹脂層を設けた後に缶外面側
の塗装印刷を施すことになるが、缶外面側に油性印刷お
よび焼き付けを施す場合には、板搬送設備と缶内面側樹
脂層の熱融着性の観点から缶内面側の樹脂層には150
℃以上で熱融着する樹脂を用いることが望ましい。この
ような樹脂としてはポリオレフィン樹脂、そのなかでも
特に、融点が高いポリプロピレン系樹脂が最適である。
なお、缶外面側について焼き付け処理が不要若しくは1
00℃以下の低温焼き付けを行う場合には、缶内面側の
樹脂層には融点の低いポリエチレン系樹脂を用いてもよ
い。
性内容物において樹脂層の下部でめっき皮膜の変色と腐
食を生じ、樹脂層の剥離を生じる。また、ポリエステル
系樹脂をラミネートした鋼板は、電解クロメート処理鋼
板にラミネートしたものであっても、アルカリ性内容物
において樹脂層が分解しやすく、これにより鋼板自体も
腐食する。これに対して、このような缶胴部耐食性の面
からもラミネート鋼板の樹脂層としてはポリオレフィン
樹脂、特にポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、そ
のなかでもランダムコポリマーを母層(クロメート処理
皮膜面に接する樹脂層(接着層)の上層の樹脂層)とす
るポリプロピレン系樹脂をラミネートした鋼板が特に優
れた缶胴部耐食性を示す。
脂の中でも、ホモポリマーを母層とするポリプロピレン
系樹脂をラミネートした鋼板は、巻締め加工部や口金加
工部において強加工時に樹脂層の変色や亀裂を生じやす
く、このため酸性の内容物(酸性溶液)中において加工
部の耐金属溶出性が劣化しやすい。これに対してポリプ
ロピレンのランダムコポリマー(ランダムポリプロピレ
ンコポリマー)を母層とするポリプロピレン系樹脂をラ
ミネートした鋼板は、強加工時において樹脂層の変色や
亀裂が生じにくく、このため酸性溶液中でも良好な耐金
属溶出性を示す。このランダムコポリマーの共重合成分
としては安価なエチレンで十分な効果が得られ、また、
その濃度としては4mol%以下が望ましい。なお、強
加工を伴わない製缶が行われる場合には、ホモポリマー
を母層とするポリプロピレン系樹脂を適用することも可
能である。
厚さは、耐金属溶出性等の耐食性に影響を与える。すな
わち、樹脂層の厚さが20μm未満では塗装缶以下の耐
食性しか得られず、フィルム欠陥などが無い安定した耐
食性が得られる厚さは20μm以上である。一方、樹脂
層の厚さが70μmを超えると、耐金属溶出性等の耐食
性向上効果が飽和するだけでなく、ラミネート鋼板の打
抜き加工時にかりじの発生やフィルム屑の発生などの問
題を生じるようになる。
層、すなわち接着層となる樹脂層(樹脂層が単層の場合
には、当該樹脂層)は、アルカリ性内容物を適用した場
合の耐フィルム剥離性の観点から、無水物基を含む不飽
和単量体で変性した変性ポリプロピレン樹脂を含有する
ポリプロピレン系樹脂とすることが好ましく、また、そ
のなかでも特に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹
脂を含有するポリプロピレン系樹脂が最適である。
解クロメート処理鋼板に対して通常の研磨溶接を行な
い、その溶接部を、缶胴部のラミネート部と同じ種類及
び膜厚の樹脂フィルムで補修した溶接補修部の耐食性
(酸性溶液中での耐金属溶出性と樹脂層下の耐食性)
は、缶胴部のラミネート部の耐食性に較べて著しく劣
る。
解クロメート処理鋼板を素材とするラミネート鋼板(溶
接部を除いて缶胴内面相当部にラミネートを施した鋼
板)に対して無研磨溶接を行ない、その溶接部を、缶胴
部のラミネート部と同じ種類及び膜厚の樹脂フィルムで
補修した溶接補修部は、缶胴部のラミネート部とほぼ同
等の耐食性(酸性溶液中での耐金属溶出性と樹脂層下の
耐食性)を示す。これは、無研磨溶接および溶接時の投
入電力の低減により、溶接部近傍のめっき皮膜の破壊が
研磨溶接の場合に較べて抑制されるためであると考えら
れる。
合には溶接時の発熱の影響により樹脂層の損傷やフィル
ム密着性の低下が見られる。これに対して無研磨溶接の
場合には、電解クロメート処理鋼板のクロメート処理皮
膜面に形成される突起(金属クロムおよび/またはクロ
ム水和酸化物からなる突起)の形態や密度、クロム水和
酸化物層のクロム付着量を最適化することで過剰発熱を
抑制し、且つ樹脂層に特定の樹脂を適用することによ
り、溶接部近傍(溶接熱影響部)での樹脂層の損傷は抑
制され、また、溶接補修部の幅も従来より10%程度小
さくすることができる。
を適用した場合は、樹脂の融点が低いために無研磨溶接
においても樹脂層に皺が発生する場合がある。また、缶
胴部の樹脂層としてポリエチレンテレフタレートを適用
した場合には、樹脂の融点は高いものの溶接部近傍の樹
脂層が白色に変色し易い。さらに、研磨溶接においてポ
リプロピレン系樹脂層を缶胴部に適用した場合は、熱影
響により溶接部近傍の樹脂層の結晶化が進行し、缶巻締
め加工部で変色や割れを生じる。
ロピレン系樹脂層を缶胴部に適用した場合には、熱影響
による溶接部近傍の樹脂層の結晶化の進行が小さく、缶
巻締め加工部での樹脂層の劣化が抑制される。特に、樹
脂層の母層としてポリプロピレンのランダムコポリマー
を用いた場合に良好な結果が得られる。また、上述した
ような好ましい条件に調整されたラミネート鋼板を素材
として製缶された無研磨溶接缶は、研磨溶接缶に較べて
研磨金属粉などの異物の混入も少なく、良好な内容物保
護性が得られる。
たもので、その特徴とする構成は以下の通りである。 [1] 鋼板面に金属クロム付着量が片面当たり90mg/
m2超150mg/m2以下の金属クロム層と、その上
層の金属クロム換算での付着量が片面当たり3〜9mg
/m2のクロム水和酸化物層とからなるクロメート処理
皮膜を有し、該クロメート処理皮膜面に金属クロムおよ
び/またはクロム水和酸化物からなる塊状の突起が形成
され、且つクロメート処理皮膜面が表面粗さRa:0.
15〜0.40μm、表面の1インチ当たり25μイン
チを超える凸部の数:10〜120PPIである電解ク
ロメート処理鋼板を素材鋼板とするラミネート鋼板であ
って、前記突起は鋼板を平面的に観察した際の最大直径
部の長さが100nm以下であって、且つ鋼板を平面的
に観察した際の最大直径部の長さが10nm以上100
nm以下の突起の個数が1×1012個/m2未満であ
り、少なくとも缶体内面側となるクロメート処理皮膜の
上層に、単層の樹脂層または複層の樹脂層からなる、膜
厚が20〜70μmのポリオレフィン樹脂層を有し、該
単層の樹脂層若しくは複層の樹脂層のうちの接着層が、
無水物基を含む不飽和単量体で変性した変性ポリプロピ
レン樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂からなること
を特徴とする無研磨溶接缶用ラミネート鋼板。
ポリオレフィン樹脂層が複層の樹脂層からなり、これら
複層の樹脂層のうちの母層となる樹脂層が、ポリプロピ
レン系樹脂であって且つ共重合成分が4mol%以下の
ランダムコポリマーからなることを特徴とする無研磨溶
接缶用ラミネート鋼板。
おいて、無水物基を含む不飽和単量体で変性した変性ポ
リプロピレン樹脂が、不飽和単量体濃度が0.05〜5
wt%であり、且つ少なくとも一部として不飽和無水カ
ルボン酸を含む不飽和単量体で変性した変性ポリプロピ
レン樹脂であることを特徴とする無研磨溶接缶用ラミネ
ート鋼板。 [4] 上記[1]または[2]のラミネート鋼板において、無水
物基を含む不飽和単量体で変性した変性ポリプロピレン
樹脂が、無水マレイン酸濃度が0.1〜0.5wt%で
ある無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であること
を特徴とする無研磨溶接缶用ラミネート鋼板。
由とともに説明する。本発明のラミネート鋼板の素材鋼
板となる電解クロメート処理鋼板は、鋼板面に金属クロ
ム付着量が片面当たり90mg/m2超150mg/m
2以下の金属クロム層と、その上層の金属クロム換算で
の付着量が片面当たり3〜9mg/m 2のクロム水和酸
化物層とからなるクロメート処理皮膜を有し、且つこの
クロメート処理皮膜面に金属クロムおよび/またはクロ
ム水和酸化物からなる塊状の突起が形成された電解クロ
メート処理鋼板であり、前記突起は鋼板を平面的に観察
した際の最大直径部の長さが100nm以下(すなわ
ち、クロメート処理皮膜面には最大直径部の長さが10
0nmを超える突起は存在しない)であり、且つ鋼板を
平面的に観察した際の最大直径部の長さが10nm以上
100nm以下の突起の個数が1×1012個/m2未
満であることを条件とする。
層の金属クロム付着量が片面当たり90mg/m2以下
では、アルカリ性内容物中において樹脂層下での耐食性
(フィルム剥離性)が劣る。一方、金属クロム付着量が
片面当たり150mg/m2超えてもクロム付着量に見
合う耐食性および溶接性の改善効果は得られず、却って
経済性を損なう。
付着量が片面当たり3mg/m2未満では、クロメート
処理皮膜面に大塊状の突起(金属クロムおよび/または
クロム水和酸化物からなる最大直径部の長さが100n
mを超える突起)を存在させない本発明鋼板においては
フィルム密着性が劣り、樹脂層下での腐食が生じやすく
なる。一方、クロム水和酸化物層の金属クロム換算での
付着量が片面当たり9mg/m2を超えると、20m/
分以上の高速溶接における溶接性が劣る。
び/またはクロム水和酸化物からなる塊状の突起が分散
状に存在する。このような塊状の突起の作用効果として
は、(1)鋼板や電極と接した際に突起によりクロム水和
酸化物層が破壊され、接触抵抗が低下して高速溶接性が
向上する、(2)突起のアンカー効果により樹脂層の密着
性が向上する、(3)突起による光の吸収、散乱により、
鋼板の表面色調が向上する、等が挙げられる。
を平面的に観察した際の最大直径部)の長さが100n
mを超える大塊状の突起(金属クロムおよび/またはク
ロム水和酸化物からなる突起)が存在すると、鋼板表面
の色調が茶色味を帯びたものとなり、また、この大塊状
の突起の影響で溶接電流値が高くなるため溶接部近傍の
熱影響範囲が大きくなり、樹脂層の損傷が顕著になる。
また、優先発熱が必要な鋼板/鋼板界面の抵抗が電極/
鋼板界面の抵抗に較べて小さくなり、発熱が不安定とな
るため無研磨溶接性も劣る。
た際の最大直径部)の長さが100nmを超える大塊状
の突起が存在しなくても、鋼板を平面的に観察した際の
最大直径部の長さが10nm以上100nm以下の突起
の個数が1×1012個/m 2以上になると、鋼板の色
調の変化は少ないものの溶接部近傍の熱影響範囲が大き
くなり、熱影響による溶接部近傍での樹脂層の劣化が顕
著になる。また、上記と同様の理由で、鋼板/鋼板界面
の発熱が不安定となるため無研磨溶接性も劣る。
度が少な過ぎるとフィルム密着性が低下するとともに、
突起によるクロム水和酸化物層の破壊が起こりにくくな
る。このため鋼板を平面的に観察した際の最大直径部の
長さが10nm以上100nm以下の突起の個数は1×
107個/m2以上であることが好ましい。
面粗さRaが0.15〜0.40μmであって、1イン
チ当たり25μインチを超える凸部の数が10〜120
PPIの範囲にあることが必要である。電解クロメート
処理鋼板の表面粗さRaが0.15μm未満または1イ
ンチ当たり25μインチを超える凸部の数が10PPI
未満では、無研磨溶接時のクロム水和酸化物層の破壊が
不十分となりやすく、溶接の安定性が阻害されやすい。
一方、表面粗さRaが0.40μm超または1インチ当
たり25μインチを超える凸部の数が120PPI超で
は、樹脂層と鋼板の間に気泡などを巻込みやすく、耐食
性が劣化しやすい。
皮膜構成を有する電解クロメート処理鋼板の少なくとも
缶体内面側となるクロメート処理皮膜の上層に樹脂層を
有する。樹脂層には、一般缶に要求される酸性からアル
カリまでの幅広い内容物適性を考慮してポリオレフィン
樹脂を用いる。また、そのなかでも無研磨溶接時の耐熱
性や缶外面塗装の際の熱融着性を考慮した場合、ポリプ
ロピレン系樹脂が特に好ましい。このポリプロピレン系
樹脂にはポリプロピレンと他の樹脂成分との共重合体か
らなる樹脂も含まれる。
(クロメート処理皮膜に接する樹脂層(接着層)の上層
の樹脂層)となる樹脂層としては、ポリプロピレン系樹
脂のなかでもフィルム外観(透明性と光沢)、加工性
(加工時において樹脂層に亀裂が入りにくい)及び耐食
性(耐酸性内容物性)の観点からランダムコポリマー
(ランダムポリプロピレンコポリマー)が最も望まし
い。また、このランダムコポリマーは、缶外面塗装時の
熱融着性の観点から共重合成分(コモノマー)が4mo
l%以下のコポリマー(好ましくは、共重合成分0.3
mol%以上)であることが望ましい。なお、ポリプロ
ピレンの共重合成分としては安価なエチレンで十分な効
果が得られる。また、他の共重合成分としては、ブテン
等が適用できる。
も複層でも構わないが、4層以上からなる樹脂層はコス
トが著しく高くなるため好ましくない。また、樹脂層の
層構造が複層の場合には、少なくとも1層の樹脂層(特
に好ましくは、母層となる樹脂層)がポリプロピレン系
樹脂であることが好ましく、また、そのなかでも特に、
母層となる樹脂層は上述したポリプロピレンのランダム
コポリマーからなることが好ましい。
しくは30〜70μmとすることが望ましい。膜厚が2
0μm未満では塗装缶以下の耐食性しか得られず、一
方、70μmを超えると耐食性向上効果が飽和するだけ
でなく、ラミネート鋼板の打抜き加工時にかじりの発生
やフィルム屑の発生などの問題を生じる。
もクロメート処理皮膜面に接する樹脂層(樹脂層が複層
である場合には、接着層)が、無水物基を含む不飽和単
量体で変性した変性ポリプロピレン樹脂を含有するポリ
プロピレン系樹脂からなる。したがって、樹脂層が単層
の場合には、この単層の樹脂層自体が無水物基を含む不
飽和単量体で変性した変性ポリプロピレン樹脂を含有す
るポリプロピレン系樹脂からなる。
た変性ポリプロピレン樹脂は、無水物基を含む不飽和単
量体をグラフト重合、ブロック共重合、ランダム共重
合、末端処理等の手法でポリプロピレン樹脂の主鎖また
は側鎖に導入したもので、クロメート処理皮膜面に接す
る樹脂層をこのような樹脂を含む、好ましくはこれを主
成分とするポリプロピレン系樹脂で構成することによ
り、フィルム密着性および耐食性を向上させることがで
きる。
イン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸
などの不飽和無水カルボン酸が挙げられ、これらの1種
以上を用いることができる。上記不飽和単量体の濃度は
0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2.0wt%
が適当である。不飽和単量体の濃度が0.05wt%未
満ではフィルム密着性の向上効果が小さく、一方、5w
t%を超えるとフィルム密着性の向上効果が飽和する。
した変性ポリプロピレン樹脂としては無水マレイン酸変
性ポリプロピレン樹脂が最も好ましい。この場合の好ま
しい無水マレイン酸濃度は0.1〜0.5wt%であ
る。また、不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸、
不飽和エステル、不飽和アミド、不飽和イミド、不飽和
アルデヒド、不飽和ケトン等の1種以上を用いることも
可能であるが、耐食性等の点からして、少なくとも不飽
和単量体の一部として不飽和無水カルボン酸を用いるこ
とが好ましい。
樹脂層は、上記変性ポリプロピレン樹脂以外に、他のオ
レフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、酸変性ポ
リエチレン樹脂)を30mol%以下の範囲で含むこと
ができる。なお、この樹脂層の厚さは、フィルム密着性
の観点から2μm以上とすることが好ましい。
される樹脂のメルトフローインデックスは、ASTM
D1238による230℃での測定で1.0〜8g/1
0分であることが望ましい。さらに、缶内面側に形成さ
れる樹脂層が単層の場合には、樹脂フィルムの鋼板との
接着面側にコロナ放電処理を施したものを適用でき、こ
れにより接着層がない場合にも鋼板との良好な密着性を
確保できる。
る樹脂層の最適な構成は以下の通りである。(1) 樹脂層
が単層の場合には、無水物基を含む不飽和単量体で変性
した変性ポリプロピレン樹脂(好ましくは、不飽和単量
体濃度:0.05〜5wt%)、好ましくは無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレン樹脂(特に好ましい無水マレイ
ン酸濃度:0.1wt%以上)を含有するポリプロピレ
ン系樹脂とする。
水物基を含む不飽和単量体で変性した変性ポリプロピレ
ン樹脂(好ましくは、不飽和単量体濃度:0.05〜5
wt%)、好ましくは無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン樹脂(特に好ましい無水マレイン酸濃度:0.1wt
%以上)を含有するポリプロピレン系樹脂とし、接着層
上部の母層(母層が2層以上の場合は、少なくとも1層
以上の母層。より好ましくは母層の全部)をポリプロピ
レン系樹脂、好ましくは共重合成分が4mol%以下の
ランダムポリプロピレンコポリマーとする。
素材鋼板となる電解クロメート処理鋼板は、クロメート
処理皮膜面に特定の形態及び存在密度で塊状の突起を有
するものであるが、このような特定のクロメート処理皮
膜を有する電解クロメート処理鋼板の製造方法として
は、例えば、鋼板をクロム酸を主成分とし、Fイオンを
2.0g/l以下の濃度で含むめっき浴中で80ASD
以上の電流密度(鋼板が電極と相対する部分での電流密
度)で電解クロメート処理するとともに、鋼板と電極が
相対しない部分でも、ロールと鋼板との接触部を除き、
0.5ASD以上の電流密度で通電が行なわれる(突起
の異常成長の原因となるクロム水和酸化物層の破壊を防
止するため)ようにして処理を行い、この際の浴中のF
イオン濃度と電流密度を適宜選択することにより、クロ
メート処理皮膜面に所望の形態及び存在密度で塊状の突
起を形成させることができる。
な制限はなく、予め製造された樹脂フィルムを表面処理
鋼板に連続的にラミネートする方法(フィルムコイルラ
ミネート法)、溶融した樹脂をTダイ等で表面処理鋼板
面に直接熱押出しする方法(溶融熱押出しラミネート
法)、予め製造された樹脂フィルムを切り板毎にラミネ
ートをする方法(フィルムシートラミネート法)等、任
意の方法で樹脂被覆を施すことができる。
電解脱脂、酸洗した後、浴温45℃、クロム酸:100
〜200g/l、Fイオン:0.5〜2.0g/l、SO
4イオン:0.5〜2.0g/lを含むめっき浴で中で
80ASD以上の電流密度で電解クロメート処理を施
し、電解クロメート処理鋼板(本発明条件を満足する電
解クロメート処理鋼板)を得た。なお、この電解クロメ
ート処理では、鋼板が処理液に浸漬している間はロール
接触部以外の無通電区間は設けないようにした。
皮膜面に形成される塊状の突起(金属クロムおよび/ま
たはクロム水和酸化物からなる突起)の形態と形成密度
は、めっき浴中のFイオン濃度と電流密度(鋼板と電極
が相対する部分での電流密度と鋼板と電極が相対しない
部分での電流密度)を選択することにより制御した。得
られた電解クロメート処理鋼板のクロメート処理皮膜面
の突起の形態と形成密度については、クロメート処理皮
膜面を透過電子顕微鏡で観察することにより測定した。
脂フィルム(接着層)の融点以上に加熱して片面または
両面のラミネートを行い、フィルムの融点〜250℃の
温度域から2秒以内に水で急冷した。その際、缶胴部に
相当する鋼板については、鋼板の両エッジ部に約10〜
13mm幅のラミネート避け部を設けた。片面のラミネ
ートを行った鋼板は、ラミネート後、缶外面側に相当す
る面にフィルムの融点以下の温度でクリヤ塗装・焼付を
行った。また、一部の鋼板については、鋼板両面にラミ
ネートを行った。得られたラミネート鋼板およびこのラ
ミネート鋼板を製缶して得られた缶体について、以下の
ような性能評価を行った。
(加工後フィルム密着性) 18L缶用の缶胴部に成形後、加工部の樹脂層(熱影響
部を含む)にテープ剥離試験を実施し、下記により加工
後フィルム密着性を評価した。 ○:フィルムの剥離なし ×:フィルムの剥離あり
を切り出した。このサンプルの端面および背面をシール
し、1.5%クエン酸+1.5%食塩溶液中に38℃で
4週間浸漬した後の腐食の有無を調べ、下記により加工
後耐食性を評価した。 ○:腐食による変色なし ×:腐食による変色あり
物性 18L缶用の缶胴部に成形後、この缶胴部からサンプル
を切り出した。このサンプルにクロスカットを施し、こ
れをpH12のNaOH水溶液中に35℃で2週間浸漬
した後のフイルム下の腐食の有無を調べ、下記により耐
アルカリ性内容物性を評価した。 ○:腐食による変色なし ×:腐食による変色またはフィルムの剥離あり
を切り出した。このサンプルを1.5%クエン酸+1.
5%食塩溶液中に38℃で4週間浸漬した後の腐食状況
および鉄溶出量を調べ、これを以下に述べる比較材(2
回塗装した塗装缶)に対する試験結果と比較し、下記に
より耐酸性内容物性を評価した。なお、比較材は缶内面
側に2回塗装(塗料:エポキシフェノール系塗料)を施
した缶胴部からサンプルを切り出し、これを上記と同様
の条件で試験溶液中に浸漬し、腐食状況および鉄溶出量
を調べた。 ○:2回塗装材よりも良好 ×:2回塗装材と同等か若しくは2回塗装材より劣る
×2cmのサイズに切り出し、2%NaOH水溶液中に
おいて−1.2V vs SCEで電解剥離を行い、ラミ
ネートフィルムの剥離の有無を下記により評価した。 ○:ラミネートフィルムの剥離なし ×:ラミネートフィルムの剥離あり
スカット後、エリクセン加工を施し、この加工部に対し
てテープ剥離試験を行い、下記により密着性を評価し
た。 ○:補修樹脂の剥離なし ×:補修樹脂の剥離あり
サンプルを切り出し、このサンプルを1.5%クエン酸
+1.5%食塩溶液中に38℃で4週間浸漬した後の鉄
溶出量を調べ、下記により耐食性を評価した。 ○:缶胴ラミネート部の非溶接補修部と同等かまたはそ
れ以下の鉄溶出量 ×:缶胴ラミネート部の非溶接補修部を超える鉄溶出量
に製缶後(溶接部の補修も含む製缶)、溶接補修部を含
む缶胴部と溶接補修部を含まない缶胴部からそれぞれサ
ンプルを切り出した。これらのサンプルを試験対象面
(3cm×3cm)を残してシールし、1.5%クエン
酸+1.5%食塩溶液中で試験対象面の樹脂膜抵抗を測
定し、溶接補修部を含むサンプルについて、その樹脂膜
抵抗から下記により耐酸性内容物性を評価した。 ○:樹脂膜抵抗が溶接補修部を含まないサンプルの樹脂
膜抵抗と同等以上 ×:樹脂膜抵抗が溶接補修部を含まないサンプルの樹脂
膜抵抗よりも低い
用し、ワイヤー速度21m/分で缶胴部の連続製缶を製
缶機会を3回変えて行い、その際のACRに基づき下記
により溶接性を評価した。 ○:常にタップ範囲でACRが5ポイント以上 △:タップ範囲が安定しない ×:常にACRが5ポイント未満
面の色調を評価した。このK値は波長480nm〜70
0nm間を10nm間隔で反射率−波長の勾配を求め、
得られた平均値をさらに1000nm当たりの反射率差
に補正した数値である。−20以下の値でメタリックで
良好な色調となる。 ○:K値が−20以下 ×:K値が−20超
膜の付着量が異なる電解クロメート処理鋼板を素材鋼板
としてラミネート鋼板を製造した。本実施例では、缶内
面側にラミネートした樹脂層を2層構造とし、接着層
(下層)については厚さ5μmの無水マレイン酸変性ポ
リプロピレン樹脂(無水マレイン酸濃度:0.3wt
%)を、また、母層(上層)については厚さ45μmの
ランダムポリプロピレンコポリマー(エチレン成分:2
mol%)をそれぞれ用いた。また、缶外面側について
はポリエステル系の熱硬化型樹脂塗料を塗布・焼付(焼
付温度140℃)し、膜厚5μmの塗膜を形成した。
結果(フィルム密着性、加工後耐食性、無研磨溶接性)
を、ラミネート鋼板の構成とともに表1に示す。表1に
おいて、No.3の比較例は、クロム水和酸化物層の付
着量(金属クロム換算)が少ないためフィルム密着性と
加工後耐食性が劣っている。No.4の比較例は、クロ
ム水和酸化物層の付着量(金属クロム換算)が多過ぎる
ため無研磨溶接性が劣っている。No.5の比較例は、
金属クロム層のクロム付着量が少ないため加工後耐食性
が劣っている。No.6の比較例は、素材鋼板の表面粗
さが小さ過ぎるため無研磨溶接性が劣っている。No.
7の比較例は、素材鋼板の表面粗さが大き過ぎるため鋼
板面とフィルムとの間に気泡を巻き込み易く、このため
加工後耐食性が劣っている。
の形態および形成密度が異なる電解クロメート処理鋼板
を素材鋼板としてラミネート鋼板を製造した。本実施例
では、缶内面側にラミネートした樹脂層を2層構造と
し、接着層(下層)については厚さ5μmの無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレン樹脂(無水マレイン酸濃度:
0.3wt%)を、また、母層(上層)については厚さ
45μmのランダムポリプロピレンコポリマー(エチレ
ン成分:3mol%)をそれぞれ用いた。また、缶外面
側についてはポリエステル系の熱硬化型樹脂塗料を塗布
・焼付(焼付温度140℃)し、膜厚5μmの塗膜を形
成した。
結果(色調、無研磨溶接性)を、ラミネート鋼板の構成
とともに表2に示す。表2において、No.2の比較例
は、クロメート処理皮膜表面に最大直径部が100nm
を超える突起は存在しないものの、最大直径部が10〜
100nmの突起の形成密度が1×1012個/m2以
上であるため溶接性が劣っている。No.3の比較例
は、クロメート処理皮膜表面に最大直径部が100nm
を超える突起が存在し、且つ最大直径部が10〜100
nmの突起の形成密度が1×1012個/m2以上であ
るため色調と溶接性が劣っている。
脂層の構成が異なるラミネート鋼板を製造した。本実施
例では、素材鋼板として表面粗さRaが0.35μm、
鋼板表面において1インチ当たり25μインチを超える
凸部の数が100PPIの電解クロメート処理鋼板を使
用した。電解クロメート処理鋼板のクロム付着量は、金
属クロム層が100mg/m2、クロム水和酸化物層が
金属クロム換算で5mg/m2であり、また、クロメー
ト処理皮膜面に形成された突起の構成は、鋼板を平面的
に観察した際の最大直径部の長さが100nm以下であ
り、且つ鋼板を平面的に観察した際の最大直径部の長さ
が10nm以上100nm以下の突起の個数が1×10
11個/m2であった。また、缶外面側についてはポリ
エステル系の熱硬化型樹脂塗料を塗布し、缶内面側の樹
脂層の熱融着温度以下の温度で焼き付け、膜厚5μmの
塗膜を形成した。
結果(フィルム密着性、耐アルカリ内容物性、耐酸性内
容物性、加工後耐食性、溶接熱影響部の耐食性)を、缶
内面側にラミネートした樹脂層の構成とともに表3〜表
5に示す。表3〜表5において、No.7の比較例は、
樹脂層の膜厚が小さいため加工後耐食性、耐アルカリ性
内容物性、耐酸性内容物性が劣っている。No.9の比
較例は、樹脂層の膜厚が大き過ぎるため、諸性能自体は
問題ないもののラミネート鋼板の打ち抜き加工時に多量
のフィルム屑が発生してしまう。
レンテレフタレートであるため耐アルカリ性内容物性と
溶接熱影響部の耐食性が劣っている。No.12の比較
例は、缶内面がエポキシフェノール樹脂で塗装されたも
のであるため耐酸性内容物性と加工後耐食性が劣ってい
る。なお、No.13の本発明例は、缶外面側を150
〜180℃で油性印刷塗装した際に熱融着を生じたた
め、低温塗装印刷が必要である。
いて無研磨または研磨溶接により缶胴部を製缶した後、
溶接部の補修を行った。本実施例で用いたラミネート鋼
板の素材鋼板としては、表面粗さRaが0.35μm、
鋼板表面において1インチ当たり25μインチを超える
凸部の数が100PPIの電解クロメート処理鋼板を使
用した。電解クロメート処理鋼板のクロム付着量は、金
属クロム層が100mg/m2、クロム水和酸化物層が
金属クロム換算で5mg/m2であり、また、クロメー
ト処理皮膜面に形成された突起の構成は、鋼板を平面的
に観察した際の最大直径部の長さが100nm以下であ
り、且つ鋼板を平面的に観察した際の最大直径部の長さ
が10nm以上100nm以下の突起の個数が1×10
11個/m2であった。
造とし、接着層については厚さ5μmの無水マレイン酸
変性ポリプロピレン樹脂(無水マレイン酸濃度:0.3
wt%)を、また、母層については厚さ45μmのラン
ダムポリプロピレンコポリマー(エチレン成分:3mo
l%)をそれぞれ用いた。また、缶外面側についてはア
クリル−アミノ系の熱硬化型樹脂塗料を塗布し、缶内面
側の樹脂層の熱融着温度以下の温度で焼き付け、膜厚5
μmの塗膜を形成した。
樹脂密着性、耐酸性内容物性、耐食性)を表6〜表8に
示す。表6〜表8において、No.6の比較例は、溶接
部の補修をエポキシ塗料による2回塗装で行ったもので
あり、缶胴のラミネート部に較べて耐酸性内容物性が劣
っている。No.7の比較例は、溶接補修部の樹脂層の
膜厚が缶胴のラミネート部に較べて薄いため、缶胴のラ
ミネート部に較べて耐酸性内容物性と耐食性が劣ってい
る。また、No.8〜No.10の比較例は研磨溶接を
行った例であり、溶接補修部の膜厚や補修幅に拘りなく
缶胴のラミネート部に較べて耐食性や樹脂密着性等が劣
っている。
用ラミネート鋼板は、18L缶やペール缶等のような大
型缶に適用した際に、酸性からアルカリ性までの用途適
性に優れ、且つ内容物保護性にも優れており、しかも電
解クロメート処理鋼板を素材として低コストに製造する
ことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼板面に金属クロム付着量が片面当たり
90mg/m2超150mg/m2以下の金属クロム層
と、その上層の金属クロム換算での付着量が片面当たり
3〜9mg/m2のクロム水和酸化物層とからなるクロ
メート処理皮膜を有し、該クロメート処理皮膜面に金属
クロムおよび/またはクロム水和酸化物からなる塊状の
突起が形成され、且つクロメート処理皮膜面が表面粗さ
Ra:0.15〜0.40μm、表面の1インチ当たり
25μインチを超える凸部の数:10〜120PPIで
ある電解クロメート処理鋼板を素材鋼板とするラミネー
ト鋼板であって、前記突起は鋼板を平面的に観察した際
の最大直径部の長さが100nm以下であって、且つ鋼
板を平面的に観察した際の最大直径部の長さが10nm
以上100nm以下の突起の個数が1×1012個/m
2未満であり、少なくとも缶体内面側となるクロメート
処理皮膜の上層に、単層の樹脂層または複層の樹脂層か
らなる膜厚が20〜70μmのポリオレフィン樹脂層を
有し、該単層の樹脂層または複層の樹脂層のうちの接着
層が、無水物基を含む不飽和単量体で変性した変性ポリ
プロピレン樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂からな
ることを特徴とする無研磨溶接缶用ラミネート鋼板。 - 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂層が複層の樹脂層か
らなり、これら複層の樹脂層のうちの母層となる樹脂層
が、ポリプロピレン系樹脂であって且つ共重合成分が4
mol%以下のランダムコポリマーからなることを特徴
とする請求項1に記載の無研磨溶接缶用ラミネート鋼
板。 - 【請求項3】 無水物基を含む不飽和単量体で変性した
変性ポリプロピレン樹脂が、不飽和単量体濃度が0.0
5〜5wt%であり、且つ少なくとも一部として不飽和
無水カルボン酸を含む不飽和単量体で変性した変性ポリ
プロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1または
2に記載の無研磨溶接缶用ラミネート鋼板。 - 【請求項4】 無水物基を含む不飽和単量体で変性した
変性ポリプロピレン樹脂が、無水マレイン酸濃度が0.
1〜0.5wt%である無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記
載の無研磨溶接缶用ラミネート鋼板。
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JP4942499A JP3348671B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 無研磨溶接缶用ラミネート鋼板 |
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-
1999
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