JP3348481B2 - 車両側部構造 - Google Patents

車両側部構造

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JP3348481B2
JP3348481B2 JP24116893A JP24116893A JP3348481B2 JP 3348481 B2 JP3348481 B2 JP 3348481B2 JP 24116893 A JP24116893 A JP 24116893A JP 24116893 A JP24116893 A JP 24116893A JP 3348481 B2 JP3348481 B2 JP 3348481B2
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千明 片岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドアの車室内側方向への
移動を防止して乗員を保護する補強部材をドア内部に有
する車両側部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の側面に車幅方向外側から
荷重が作用した場合に、ドアのアウタパネルが車幅方向
内側に変形することがあるので、ドアの強度剛性を高め
るべく、ドア内部に側方荷重に耐えうる補強部材を車体
前後方向に沿って設けた車両側部構造が知られており、
その一例が実開平2−48418号に示されている。
【0003】図11に示される如く、この車両側部構造
においては、ドアアウタパネル70とドアインナパネル
72とで構成されるドア内部に、車体前後方向に沿って
インパクトビーム74が配設されており、このインパク
トビーム74によって、ドアアウタパネル70に車幅方
向外側から荷重が作用した場合に、ドアアウタパネル7
0が車幅方向内側に変形するのを防止するようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この車
両側部構造では、インパクトビーム74の車体前後方向
後端部74Aが、ドアインナパネル72に形成された段
差部72Aに接合されており、この段差部72Aと重な
るボデー75のドア開口部の縁部76と、インパクトビ
ーム74とのオーバーラップ量Lが小さい。また、構造
上、縁部76の強度が低い。このため、衝突早期にイン
パクトビーム74の後端部74Aが段差部72Aと共に
縁部76から外れ車幅方向内側へ移動する恐れがあり、
衝突早期に衝撃吸収を開始することが難い。一方、イン
パクトビーム74のドアロック装置78に対向する部位
にステー部材80を設けて、衝突時に、このステー部材
80をドアロック装置78に当接させ、ドアロック装置
78を比較的高強度のドア開口縁部82に当接させるこ
とも考えられるが、この場合には、ステー部材80とド
アロック装置78との隙間Hやドアロック装置78のガ
タ等によって、衝突早期に衝撃吸収を開始することが難
い。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、衝突早期に衝
撃吸収を開始できる車両側部構造を得ることが目的であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
車両側部構造は、ドア内部に車両前後方向に配設された
補強部材の端部が車両側面視においてボデーのドア開口
部の縁部と重なった車両側部構造において、ドアの内側
部を構成するドアインナパネルと、前記補強部材の端部
よりも長手方向内側の位置から前記ドアインナパネルの
前記ドア開口部の縁部と対面した部分に略直線状に架設
された荷重伝達部材と、を備え、前記荷重伝達部材が前
記ドア開口部の縁部に対して垂直方向か、垂直方向より
もドア外周側に向かって傾斜していることを特徴として
いる。
【0007】請求項2記載の本発明の車両側部構造は、
ドア内部に車両前後方向に配設された中空断面形状の
強部材の端部がボデーのドア開口部の縁部と重なった車
両側部構造において、ドアの内側部を構成するドアイン
ナパネルと、このドアインナパネルから車幅方向外側へ
膨出して前記補強部材の端部を固定する補強部材固定部
と、この補強部材固定部と対向する前記ドア開口部の縁
部に車幅方向外側へ向けて形成された膨出部と、を備え
たことを特徴としている。
【0008】請求項3記載の本発明の車両側部構造は、
ドア内部に車両前後方向に配設された補強部材の端部が
ボデーのドア開口部の縁部と重なった車両側部構造にお
いて、少なくとも前記補強部材の端部に長手方向から見
た形状が波状とされた衝撃吸収部を設けたことを特徴と
している。
【0009】請求項4記載の本発明の車両側部構造は、
ドア内部に車両前後方向に配設された補強部材の端部が
ボデーのドア開口部の縁部と重なった車両側部構造にお
いて、前記ドア開口部の縁部の前壁部に対向する前記補
強部材の部位に前記ドア開口部の縁部の前壁部と係合可
で、車体上下方向から見た断面形状が三角形状とされ
係合部を設けたことを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1記載の本発明の車両側部構造では、補
強部材に入力した荷重が、補強部材の端部よりも長手方
向内側の位置からドアインナパネルのドア開口部の縁部
と対面した部分に略直線状に架設され、ドア開口部の縁
部に対して垂直方向か、垂直方向よりもドア外周側に向
かって傾斜している荷重伝達部材を介して、ドアインナ
パネルの車両側面視においてドア開口部の縁部と対面し
た部分に伝達され、ドアインナパネルがドア開口部の縁
部と当接して、荷重をドア開口部の縁部に伝達する。従
って、衝突早期に補強部材の端部が荷重伝達部材を介し
てドア開口部の縁部に当接するため、衝突早期に衝撃吸
収を開始できる。
【0011】また、請求項2記載の本発明の車両側部構
造では、補強部材に入力した荷重が、中空断面形状の
強部材の端部からドアインナパネルから車幅方向外側
へ膨出した補強部材固定部に伝達され、補強部材固定部
がドア開口部の縁部に車幅方向外側へ向けて形成された
膨出部と当接して、荷重をドア開口部の縁部に伝達す
る。従って、衝突早期に補強部材の端部が補強部材固定
部を介してドア開口縁部に車幅方向外側へ向けて形成さ
れた膨出部に当接するため、衝突早期に衝撃吸収を開始
できる。
【0012】また、請求項3記載の本発明の車両側部構
造では、補強部材に入力した荷重が、衝突初期に少なく
とも補強部材の端部に設けられ長手方向から見た形状が
波状とされた衝撃吸収部に伝達され、衝撃吸収部の変形
によって荷重が吸収されるため、衝突早期に衝撃吸収を
開始できる。
【0013】また、請求項4記載の本発明の車両側部構
造では、補強部材に荷重が、車幅方向に対して斜めに作
用した場合にも、衝突初期に、ドア開口部の縁部の前壁
部に対向する補強部材の部位に設けられ、車体上下方向
から見た断面形状が三角形状とされた係合部が、ドア開
口部の縁部の前壁部に係合し、荷重をドア開口部の縁部
に確実に伝達するため、荷重が、車幅方向に対して斜め
に作用した場合にも、衝突早期に衝撃吸収を開始でき
る。
【0014】
【実施例】本発明に係る車両側部構造の第1実施例を図
1〜図3に従って説明する。
【0015】なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢
印INは車体内側方向を、矢印UPは車体上方方向を示
す。
【0016】図3に示される如く、自動車のボデー10
の側部には、フロントドア開口部12とリアドア開口部
14とが形成されており、フロントドア開口部12には
フロントサイドドア16が、ヒンジ18によって開閉可
能に取付けられている。また、リアドア開口部14には
リアサイドドア20が、ヒンジ22によって開閉可能に
取付けられている。
【0017】フロントサイドドア16の内部のバンパ2
4と略同じ高さには、車体前後方向に沿って補強部材と
してのインパクトビーム26が配設されており、リアサ
イドドア20の内部のバンパ24と略同じ高さには、車
体前後方向に沿って補強部材としてのインパクトビーム
28が配設されている。
【0018】ボデー10のリアドア開口部14の後側下
部の角部は、開口内周側へ突出し突出部14Aとされて
おり、この突出部14Aの車幅方向外側にインパクトビ
ーム28の後端部28Aが位置している。
【0019】図2に示される如く、リヤサイドドア20
のインパクトビーム28の後端部28Aのドアインナパ
ネル30側には、ブラケット32が取付けられている。
このブラケット32の基部32Aは板状とされており、
その中央部には車体前方へ向かって延び、車幅方向内側
へ凹陥した断面半円形の凹部32Bが形成されている。
この凹部32B内にインパクトビーム28の後端部28
Aが溶着されている。
【0020】図1に示される如く、インパクトビーム2
8はドアアウタパネル33に隣接されている。ドアイン
ナパネル30の基部30Aの後端部は、車幅方向外側へ
屈曲され後壁部30Bとされており、この後壁部30B
の車幅方向外側部には、段部30Cと段部30Dが階段
状に形成されている。車幅方向外側部の段部30Dに
は、ブラケット32の後端縁部32Cが溶着されてい
る。
【0021】図2に示される如く、ブラケット32の基
部32Aの前部近傍と、ドアインナパネル30とには、
荷重伝達部材としてのリインフォースメント34が架設
されている。
【0022】図1に示される如く、リインフォースメン
ト34の基部34Aは板状とされており、この基部34
Aの車幅方向外側縁部に車体前方へ向けて形成されたフ
ランジ34Bが、ブラケット32の基部32Aと凹部3
2Bに溶着されている。また、基部34Aの車幅方向内
側縁部に車幅方向内側へ向けて形成されたフランジ34
Cが、ドアインナパネル30の後壁部30Bの車幅方向
内側端部近傍に溶着されている。
【0023】従って、リインフォースメント34は、ブ
ラケット32とドアインナパネル30とで、閉断面部3
5を形成している。
【0024】ドアインナパネル30の後部の車幅方向内
側には、リヤドア開口部14の縁部を構成するクオータ
パネル36が配設されている。クオータパネル36に
は、ドアインナパネル30の基部30Aと対向する縁部
36Aと、ドアインナパネル30の後壁部30Bと対向
する後壁部36Cと、ドアインナパネル30の段部30
Dと対向する段部36Dが形成されている。クオータパ
ネル36の車幅方向内側には、ホイルハウスアウタ38
が配設されており、ホイルハウスアウタ38の前端縁部
38Aがクオータパネル36の縁部36Aの先端フラン
ジ部36Eに溶着されている。また、ホイルハウスアウ
タ38の縦壁部38Bの車幅方向外側端部は、後方へ屈
曲されフランジ38Cとされており、このフランジ38
Cは、クオータパネル36の意匠面36Fの裏面に溶着
されている。
【0025】クオータパネル36とホイルハウスアウタ
38との間には、リインフォースメント40が配設され
ている。このリインフォースメント40の開口縁部40
Aの先端は、ホイルハウスアウタ38のフランジ38A
の前端縁部とクオータパネル36の先端フランジ部36
Eとの間に溶着されている。リインフォースメント40
の縦壁部40Bの車幅方向外側端部は後方へ向けて屈曲
されフランジ部40Cとされており、このフランジ部4
0Cがホイルハウスアウタ38のフランジ38Cに溶着
されている。従って、クオータパネル36とホイルハウ
スアウタ38とリインフォースメント40とで閉断面部
42が形成され、ホイルハウスアウタ38とリインフォ
ースメント40とで閉断面部44が形成されている。な
お、ホイルハウスアウタ38の車幅方向内側には、ホイ
ルハウスインナ46が配設されており、ホイルハウスイ
ンナ46のフランジ46Aがフランジ38Aと溶着され
ている。
【0026】次に、本実施例の作用に付いて説明する。
本実施例の車両側部構造では、他車のバンパがリヤサイ
ドドア20のドアアウタパネル33に当接し、インパク
トビーム28に荷重が作用すると、この荷重は、インパ
クトビーム28の後端部28Aから、リインフォースメ
ント34を介して、ドアインナパネル30の後壁部30
Bの基部30A側端部近傍に伝達され、ドアインナパネ
ル30の基部30Aが、クオータパネル36の縁部36
Aと当接して、荷重をクオータパネル36の縁部36A
に伝達する。
【0027】従って、衝突早期にインパクトビーム28
の後端部28Aが、リインフォースメント34を介し
て、クオータパネル36の縁部36Aに当接するため、
衝突早期に衝撃吸収を開始できる。
【0028】また、本実施例では、リインフォースメン
ト34が、ブラケット32とドアインナパネル30と
で、閉断面部35を形成しており、この閉断面部35が
ボデーの閉断面部42に当接するため、当接部の剛性が
互いに高く、荷重を確実にボデーへ伝達できる。
【0029】なお、本実施例ではリインフォースメント
34のフランジ34Cをドアインナパネル30の後壁部
30Bの基部30A側端部近傍に溶着したが、これに代
えて図1の想像線に示される如く、リインフォースメン
ト34のフランジ34Cをドアインナパネル30の基部
30Aに溶着しても良い。また、リインフォースメント
34に代えて、図4に示される如く、インパクトビーム
28の後端部28Aを、ドアインナパネル30の基部3
0Aに向けて延設し、この延設部28Bを荷重伝達部材
としても良い。
【0030】また、本実施例は、リアドア開口部14と
リアサイドドア20に付いて説明したが、フロントドア
開口部12とフロントサイドドア16を同様な構成とし
ても良い。
【0031】次に、本発明に係る車両側部構造の第2実
施例を図5及び図6に従って説明する。
【0032】なお、第1実施例と同一部材については、
同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】図5に示される如く、フロントサイドドア
16のインパクトビーム26の後端部26Aと対向する
ドアインナパネル30の段部30Cの部位30Eは、車
体前後方向の幅が下方へ向けて徐々に広幅とされてお
り、この部位30Eの上下方向略中央部には、車体前後
方向に延び、車幅方向内側へ膨出した補強部材固定部5
0が形成されている。この補強部材固定部50は、車幅
方向外側が断面半円形状に凹陥しており、この凹部にイ
ンパクトビーム26の後端部26Aが、補強板52を介
して溶着されている。
【0034】図6に示される如く、この補強板52は、
ドアインナパネル30の部位30Eから、ドアインナパ
ネル30の後壁部30Bへ延設されており、断面L字形
とされている。この補強部材固定部50と対向するフロ
ントドア開口部12の後側縁部を構成するセンタピラー
54の部位には、車幅方向外側へ向けて膨出部56が形
成されている。
【0035】図5に示される如く、この膨出部56は、
センタピラー54に沿って、補強部材固定部50の上方
の部位と対向する位置から補強部材固定部50の下方の
部位と対向する位置まで延設されている。
【0036】次に、本実施例の作用に付いて説明する。
本実施例の車両側部構造では、他車のバンパがフロント
サイドドア16のドアアウタパネル33に当接し、イン
パクトビーム26に荷重が作用すると、この荷重は、イ
ンパクトビーム26の後端部26Aから、補強板52と
ドアインナパネル30の補強部材固定部50に伝達さ
れ、補強部材固定部50が、センタピラー54に形成さ
れた膨出部56と当接して、荷重をセンタピラー54に
伝達する。
【0037】従って、衝突早期にインパクトビーム26
の後端部26Aが補強部材固定部50を介してセンタピ
ラー54に形成された膨出部56に当接するため、衝突
早期に衝撃吸収を開始できる。
【0038】なお、本実施例は、フロントドア開口部1
2とフロントサイドドア16に付いて説明したが、リア
ドア開口部14とリアサイドドア20を同様な構成とし
ても良い。
【0039】次に、本発明に係る車両側部構造の第3実
施例を図7及び図8に従って説明する。
【0040】なお、第2実施例と同一部材については、
同一符号を付してその説明を省略する。
【0041】図7に示される如く、本実施例のインパク
トビーム58は長手方向から見た形状が波状とされた板
材で構成されている。また、このインパクトビーム58
は長手方向端部も波状とされており、長手方向端部が、
衝撃吸収部58Aとされている。インパクトビーム58
の車幅方向内側へ膨出した凸部60には、それぞれイン
パクトビーム58の長手方向端部から所定距離の部位
に、車幅方向内側へ向けて係合部62が突出されてい
る。
【0042】図8に示される如く、インパクトビーム5
8の衝撃吸収部58Aは、ドアインナパネル30の段部
30Cに溶着されている。また、係合部62の車体上下
方向から見た断面形状は三角形状とされており、係合部
62の係合面62Aがドアインナパネル30の後壁部3
0Bと対向している。さらに、インパクトビーム58の
衝撃吸収部58A対向するセンタピラー54の部位に
は、車幅方向外側へ向けて膨出部56が形成されてお
り、この膨出部56の前壁部56Aが、係合部62の係
合面62Aと対向している。
【0043】次に、本実施例の作用に付いて説明する。
本実施例の車両側部構造では、他車のバンパがフロント
サイドドア16のドアアウタパネル33に当接し、イン
パクトビーム58に荷重が作用すると、この荷重は、イ
ンパクトビーム58の衝撃吸収部58Aから、ドアイン
ナパネル30に伝達され、ドアインナパネル30が、セ
ンタピラー54に形成された膨出部56と当接して、荷
重がセンタピラー54に伝達される。
【0044】従って、衝突早期にインパクトビーム58
の衝撃吸収部58Aが潰れ、これによって荷重が吸収さ
れるため、衝突早期に衝撃吸収を開始できる。
【0045】また、本実施例では、インパクトビーム5
8に荷重が、車幅方向に対して斜め前方(図8の矢印A
方向)から作用した場合にも、インパクトビーム58の
係合部62の係合面62Aが、ドアインナパネル30の
後壁部30Bを介してセンタピラー54の膨出部56の
前壁部56Aと当接して、荷重をセンタピラー54に確
実に伝達する。このため、荷重が、車幅方向に対して斜
めに作用した場合にも、衝突早期に衝撃吸収を開始でき
る。
【0046】なお、図9に示される如く、係合部62を
インパクトビーム58と別部材としても良く。また、本
実施例では、インパクトビーム58を波状の板材で構成
したが、これに代えて、図10に示される如く、パイプ
状のインパクトビーム64の端部に、板状の固定ブラッ
ケ66を設け、この固定ブラッケ66に、波状の衝撃吸
収部66A及び係合部68を設けても良い。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の車両側部構造は、ドア内
部に車両前後方向に配設された補強部材の端部が車両側
面視においてボデーのドア開口部の縁部と重なった車両
側部構造において、ドアの内側部を構成するドアインナ
パネルと、補強部材の端部よりも長手方向内側の位置
らドアインナパネルの前記ドア開口部の縁部と対面した
部分に略直線状に架設された荷重伝達部材と、を備え、
荷重伝達部材がドア開口部の縁部に対して垂直方向か、
垂直方向よりもドア外周側に向かって傾斜しているの
で、衝突早期に衝撃吸収を開始できるという優れた効果
を有する。
【0048】請求項2記載の車両側部構造は、ドア内部
に車両前後方向に配設された中空断面形状の補強部材の
端部がボデーのドア開口部の縁部と重なった車両側部構
造において、ドアの内側部を構成するドアインナパネル
と、このドアインナパネルから車幅方向外側へ膨出して
前記補強部材の端部を固定する補強部材固定部と、この
補強部材固定部と対向する前記ドア開口部の縁部に車幅
方向外側へ向けて形成された膨出部と、を備えた構成と
したので、衝突早期に衝撃吸収を開始できるという優れ
た効果を有する。
【0049】請求項3記載の車両側部構造は、ドア内部
に車両前後方向に配設された補強部材の端部がボデーの
ドア開口部の縁部と重なった車両側部構造において、少
なくとも補強部材の端部に長手方向から見た形状が波状
とされた衝撃吸収部を設けた構成としたので、衝突早期
に衝撃吸収を開始できるという優れた効果を有する。
【0050】請求項4記載の車両側部構造は、ドア内部
に車両前後方向に配設された補強部材の端部がボデーの
ドア開口部の縁部と重なった車両側部構造において、前
記ドア開口部の縁部の前壁部に対向する前記補強部材の
部位に前記ドア開口部の縁部の前壁部と係合可能で、車
体上下方向から見た断面形状が三角形状とされた係合部
を設けた構成としたので、荷重が、車幅方向に対して斜
めに作用した場合にも、衝突早期に衝撃吸収を開始でき
るという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の1−1線断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の車両側部構造を示す
車体外側斜め前方から見た斜視図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の車両側部構造が適用
された車体を示す概略側面図である。
【図4】本発明に係る第1実施例の車両側部構造の変形
例を示す図1に対応する断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施例の車両側部構造を示す
車体外側斜め前方から見た斜視図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】本発明に係る第3実施例の車両側部構造のイン
パクトビームを示す車体内側斜め後方から見た斜視図で
ある。
【図8】本発明に係る第3実施例の車両側部構造を示す
平断面図である。
【図9】本発明に係る第3実施例の車両側部構造のイン
パクトビームの変形例を示す車体内側斜め後方から見た
斜視図である。
【図10】本発明に係る第3実施例の車両側部構造のイ
ンパクトビームの変形例を示す車体内側斜め後方から見
た斜視図である。
【図11】従来例の車両側部構造を示す平断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ボデー 12 フロントドア開口部 14 リアドア開口部 16 フロントサイドドア 20 リアサイドドア 26 インパクトビーム(補強部材) 26A 後端部 26B 延設部(荷重伝達部材) 28 インパクトビーム(補強部材) 28A 後端部 30 ドアインナパネル 34 リインフォースメント(荷重伝達部材) 36 クオータパネル 50 補強部材固定部 54 センタピラー 56 膨出部 56A 前壁部 58 インパクトビーム 58A 衝撃吸収部 62 係合部 64 インパクトビーム 66 固定ブラッケ 66A 衝撃吸収部 68 係合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 千明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 堀籠 規之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 金森 善彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−353019(JP,A) 実開 平2−48418(JP,U) 実開 昭51−76315(JP,U) 実開 昭57−189921(JP,U) 実開 平4−9324(JP,U) 実開 平2−72125(JP,U) 実開 昭56−168413(JP,U) 実開 平4−11114(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドア内部に車両前後方向に配設された補
    強部材の端部が車両側面視においてボデーのドア開口部
    の縁部と重なった車両側部構造において、ドアの内側部
    を構成するドアインナパネルと、前記補強部材の端部
    りも長手方向内側の位置から前記ドアインナパネルの前
    記ドア開口部の縁部と対面した部分に略直線状に架設さ
    れた荷重伝達部材と、を備え、前記荷重伝達部材が前記
    ドア開口部の縁部に対して垂直方向か、垂直方向よりも
    ドア外周側に向かって傾斜していることを特徴とする車
    両側部構造。
  2. 【請求項2】 ドア内部に車両前後方向に配設された
    空断面形状の補強部材の端部がボデーのドア開口部の縁
    部と重なった車両側部構造において、ドアの内側部を構
    成するドアインナパネルと、このドアインナパネルから
    車幅方向外側へ膨出して前記補強部材の端部を固定する
    補強部材固定部と、この補強部材固定部と対向する前記
    ドア開口部の縁部に車幅方向外側へ向けて形成された膨
    出部と、を備えたことを特徴とする車両側部構造。
  3. 【請求項3】 ドア内部に車両前後方向に配設された補
    強部材の端部がボデーのドア開口部の縁部と重なった車
    両側部構造において、少なくとも前記補強部材の端部に
    長手方向から見た形状が波状とされた衝撃吸収部を設け
    たことを特徴とする車両側部構造。
  4. 【請求項4】 ドア内部に車両前後方向に配設された補
    強部材の端部がボデーのドア開口部の縁部と重なった車
    両側部構造において、前記ドア開口部の縁部の前壁部に
    対向する前記補強部材の部位に前記ドア開口部の縁部の
    前壁部と係合可能で、車体上下方向から見た断面形状が
    三角形状とされた係合部を設けたことを特徴とする車両
    側部構造。
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