JP3346678B2 - 両開きファイルの綴じ具 - Google Patents

両開きファイルの綴じ具

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JP3346678B2
JP3346678B2 JP13852295A JP13852295A JP3346678B2 JP 3346678 B2 JP3346678 B2 JP 3346678B2 JP 13852295 A JP13852295 A JP 13852295A JP 13852295 A JP13852295 A JP 13852295A JP 3346678 B2 JP3346678 B2 JP 3346678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両開きファイルの綴じ
具に関する。
【0002】
【従来の技術】紙片の一方の端縁部に規定ピッチ間隔で
複数の孔を穿設し、この孔に金属ガイドパイプを挿通す
ることによって多数の紙片をまとめて綴じることができ
るようにしたファイルがある。このようなファイルの一
形式として、多数の紙片を束ねるべく、ファイルの背表
紙の内側に取り付けられたベースの左右の両端縁に各ヒ
ンジ部を介して傾動自在な一対の押さえ板からなる紙片
挟持部を設け、上記ガイドパイプを一方の押さえ板によ
り片持ち支持し、ガイドパイプに挿通自在なロッドを設
け、ファイルを綴じた状態では他方の押さえ板によりロ
ッドを選択的に保持可能にして、新しい書類を一方の側
から綴じ込む一方、古い書類を他方の側から抜き取るこ
とができるようにした両開きファイルが知られている。
【0003】しかしながら、上記ファイルにあっては、
まとめて綴じられた多数の紙片の中間から任意のものを
取り出したり、追加の紙片を任意の位置に綴じる際に
は、ロッドとガイドパイプとのそれぞれにより、取り出
しまたは綴じたい紙片の位置を境にして、各紙片の束を
保持することになり、ファイルに固定状態のガイドパイ
プ側に保持される束の取り扱い性は良いが、ガイドパイ
プから分離して取り扱われるロッド側に保持される束の
取り扱い性が悪いという問題があった。特に、定量近く
綴じられている状態で奥の方に綴じられた紙片を取り出
そうとする場合には、ほとんどの量をロッド側に保持し
た状態でロッドをガイドパイプに抜き差しすることにな
り、その取り扱い性が極めて煩雑化するという問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
問題点に鑑み、本発明の主な目的は、ファイルに綴じら
れている紙片の束の中の任意の紙片の取り出し・差し込
みの際の取り扱い性を向上し得る両開きファイルの綴じ
具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、ファイルの背表紙に取り付けられたベース
の左右の端縁にそれぞれヒンジ部を介して傾動自在に設
けられた一対の押さえ板を有する紙片挟持部と、紙片に
あけられた孔に挿通して当該紙片を綴じるべく前記紙片
挟持部に取り付けられたガイドパイプとを有する両開
ァイルの綴じ具であって、前記ガイドパイプを軸線方
向中央部にて分割し、かつ当該分割した各分割ガイドパ
イプを前記各押さえ板にそれぞれ可撓性部材を介して片
持ち支持し、前記各分割ガイドパイプを互いに同軸的に
保持するべく前記両分割ガイドパイプに貫通可能であり
かつ挿抜自在に設けられたロッドと、前記各分割ガイド
パイプに挿入された状態の前記ロッドの軸線方向各端部
をそれぞれ別個に選択的に係止可能に前記一対の押さえ
板と前記ロッドの各端部との間に設けられた選択的ロッ
ク手段とを有することを特徴とする両開きファイルの綴
じ具を提供することにより達成される。
【0006】
【作用】このようにすれば、一対の押さえ板を両側に開
くことにより、それぞれに取り付けられている各分割ガ
イドパイプが両側に分離すると共に、いずれか一方の押
さえ板側の選択的ロック手段を解除することにより、他
方の押さえ板にロッドを係止した状態で両押さえ板を両
側に開くことができ、一方の分割ガイドパイプとロッド
を残した状態の分割ガイドパイプとにより紙片の束をそ
れぞれ保持することができる。ロッドの両端部を任意に
係止・解除することができ、取り出しまたは綴じたい紙
片の両側に分ける各紙片の束の量の差に応じて、多い方
の押さえ板側にロッドを残して開くことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面につ
いて詳しく説明する。
【0008】図1は、本発明に基づき構成された両開
ァイルの綴じ具の全体を示す斜視図である。図1及び
図2に併せて示されるように、ファイルの背表紙1の内
面に本発明の綴じ具のベース2が例えばビス止めにて固
着されている。
【0009】ベース2の図2における左右の両端縁部に
は、適宜な間隔をあけて背表紙1の内面から立ち上がる
2組の舌片状に形成された各一対のヒンジ片3が設けら
れている。ヒンジ片3の遊端部は、ヒンジの枢軸となる
ピンを回動自在に枢支可能に巻き込む形状に形成されて
いる。
【0010】これら左右の各一対のヒンジ片3により一
対の押さえ板4a・4bが、図2の矢印Aに示されるよ
うにそれぞれ起立状態から互いに離反する外向きに倒伏
するように傾動自在に枢支されている。すなわち、押さ
え板4a・4bには上記各ヒンジ片3を挟む位置に舌片
状の各2対のヒンジ片5が形成されており、各ヒンジ片
5の延出端部に巻き込んだ状態で一体化されたピン6
が、上記ヒンジ片3により軸支されている。なお、押さ
え板4a・4bは、金属板を打ち抜き加工してなり、剛
性を高めるための溝(図1には図示せず)が適所に形成
されている。また、両押さえ板4a・4bは、ピン6の
中間部に巻回されたねじりばねにより、それぞれ外側に
拡開させようとする向きの外力に抗して起立位置に向け
て回動するように弾発付勢されている。
【0011】各押さえ板4a・4bには、押さえ板4a
・4bの起立状態で互いに同軸的に対向するようになる
各一対のブッシュ7が、各押さえ板4a・4bに開設さ
れた孔に例えば圧入されて固定されている。ブッシュ7
は互いに対向する側に突出部を形成されており、その突
出部の外周面に可撓性部材としてのコイルばね8の一端
部が同軸的に巻き付いている。そのコイルばね8の他端
部が、互いに対向して設けられた一対の分割ガイドパイ
プ9a・9bの各基端部となる外周面に巻き付いてお
り、コイルばね8を介して各分割ガイドパイプ9a・9
bが片持ち支持状態に支持されている。なお、コイルば
ね8の外径を分割ガイドパイプ9a・9bの外径と概ね
同一にすることにより、紙片を綴じた状態においてコイ
ルばね8の部分もガイドパイプの一部とすることができ
る。このようにして取り付けられた各分割ガイドパイプ
9a・9bは、上記したようにコイルばね8を介して支
持されていることから、コイルばね8の弾発的保持力以
上の外力により、ブッシュ7に対して図2の矢印Bに示
されるように傾動し得る。
【0012】ブッシュ7及び各分割ガイドパイプ9a・
9bには、押さえ板4a・4bの図2に示される起立状
態において互いに同軸的に連通する孔が形成されてお
り、孔にはロッド11が挿通されている。図2に示され
るようにロッド11の貫通状態で、互いに対向する両分
割ガイドパイプ9a・9bが1本のガイドパイプと同様
の剛状態になるため、従来のファイルと同様に紙片の一
端縁部に規定ピッチ間隔で穿設された複数の孔に分割ガ
イドパイプ9a・9bを挿通することにより、多数の紙
片をまとめて綴じた状態で保持することができる。
【0013】各押さえ板4a・4bの倒伏側の面には、
長手方向に沿って延在する各ロックプレート12a・1
2bが設けられている。各押さえ板4a・4bには各ロ
ックプレート12a・12bを板厚方向に貫通する向き
に突出するようにされた各一対のガイドピン13が固着
されている。各ロックプレート12a・12bには、長
手方向に所定長スライドし得るように各ガイドピン13
と係合する長孔(図示せず)が形成されており、図1の
矢印Cに示されるように各押さえ板4a・4bの長手方
向に各ロックプレート12a・12bがスライド可能で
ある。なお、ガイドピン13に取り付けられたワッシャ
及びEリングにより各ロックプレート12a・12bが
抜け止めされている。
【0014】前記したロッド11の両端部近傍には縮径
された首部11aがそれぞれ設けられている。綴じた状
態においては、ロッド11の両首部11aが各ロックプ
レート12a・12bと整合し、両首部11aの各外側
部分の頭部11bが各ロックプレート12a・12bの
外側に突出するようにされている。各ロックプレート1
2a・12bのロッド11が貫通する部分には卵形断面
形状の係止孔14がそれぞれ開設されている。係止孔1
4の大径円弧部分を頭部11bが貫通可能であり、小径
円弧部分が首部11aと略同一径に形成されている。
【0015】各ロックプレート12a・12bのスライ
ド方向に上記各一対の係止孔14の長径方向が合うよう
にされており、各ロックプレート12a・12bは、各
押さえ板4a・4bと各ロックプレート12a・12b
との間に介装された圧縮コイルばね15により、小径円
弧部分を首部11aに対して半径方向に係合させる向き
に弾発付勢されている。従って、紙片を綴じた状態に保
持する通常状態では図1に示されるように、ロッド11
の首部11aに係止孔14の小径円弧部分が係合する状
態に保持されており、両押さえ板4a・4bを拡開する
向きには、首部11aより大径の頭部11bがロックプ
レート12a・12bの外面に係合するため、両押さえ
板4a・4bを図1及び図2に示される紙片を綴じた状
態に保持することができ、これらロックプレート12a
・12b及びロッド11の端部形状により選択的ロック
手段が構成されている。
【0016】次に、本綴じ具における紙片の抜き差し時
の使用要領について以下に示す。多数の紙片を束ねて綴
じた状態は前記したように図1の状態であるが、その紙
片の束の中から任意の紙片を取り出しまたは任意の位置
に紙片を入れようとする場合には、まず、いずれか一方
のロックプレート12bを圧縮コイルばね15の弾発付
勢力に抗してスライドさせて、ロッド11の頭部11b
と係止孔14との係合状態を解除する。すると、両押さ
え板4a・4bを互いに離反する向きに傾動させること
ができる(図3)。なお、ロックプレート12a・12
bには、上記解除時に指で押し易いように、その押す側
の端縁部が内側に折り曲げられている。
【0017】両押さえ板4a・4bの拡開途中にあって
は、図3に示されるように、一方の分割ガイドパイプ9
bからロッド11の解除された遊端側の頭部11bが抜
け出るまで、両分割ガイドパイプ9a・9bはロッド1
1を介して互いに同軸状態を保持することになるが、前
記したように両分割ガイドパイプ9a・9b共、コイル
ばね8の撓みにより上記同軸状態になり得る。なお、ブ
ッシュ7の孔径は、図3に示されるようにブッシュ7の
軸線に対するロッド11の傾きを許容し得るように、ロ
ッド11の外径よりもある程度大きくされている。
【0018】両押さえ板4a・4bをさらに拡開するこ
とにより、一方の分割ガイドパイプ9bからロッド11
の遊端側の頭部11bが抜け出て、両分割ガイドパイプ
9a・9bが互いに分離された状態になる。図4に示さ
れるように両押さえ板4a・4bを外側に開いて平面上
に完全に拡開した状態にすると、両分割ガイドパイプ9
a・9bがそれぞれ立設状態になり、その一方の分割ガ
イドパイプ9bと他方の分割ガイドパイプ9a及びロッ
ド11とのそれぞれに、紙片の束が各束16a・16b
に分けられて保持された状態にる。そして、所望の紙片
を取り外したり、新たな紙片を綴じるべくその孔に分割
ガイドパイプ9a・9bを挿通するなどする。
【0019】両押さえ板4a・4bを閉じる際には、ロ
ッド11の頭部11bが図に示されるように半球状に形
成されていると共に、分割ガイドパイプ9b(9a)の
先端部が押さえ板4b(4a)の起立の際の下側になる
部分に斜め下向きに切除されており、ロッド11の頭部
11bを分割ガイドパイプ9bに容易に挿入することが
できる。そして、両押さえ板4a・4bを起立状態(図
2)に閉じることにより、係止孔14へのロッド11の
頭部11bの挿入力により、頭部11bの半球形状によ
り係止孔14がガイドされるため、圧縮コイルばね15
の弾発付勢力に抗してロックプレート12bがスライド
し、首部11aが係止孔14に臨んだらその首部11a
に半径方向に係合するようにロックプレート12bが弾
発力により戻され、図1及び図2の綴じた状態になっ
て、ロックプレート4bによりロッド11がロックされ
る。
【0020】なお、本綴じ具にあっては、ロッド11の
両端部を任意にロック・解除可能であり、図示とは逆側
の押さえ板4aにロッド11を保持して開くこともでき
る。従って、分ける束の量の違いに応じて多い方にロッ
ド11を残すようにすれば、開いた際の紙片の外れを何
ら問題なく対処し得る。
【0021】
【発明の効果】このように本発明によれば、いずれか一
方の押さえ板側の選択的ロック手段を解除することによ
り、両押さえ板を拡開することができ、両開き構造のフ
ァイルと同様にかつ両分割ガイドパイプに各紙片の束を
残した状態で紙片の束を分けて取り扱うことができ、フ
ァイルからロッドが外れてしまう従来構造のファイルに
対して、紙片の抜き差しを素早くかつ簡単に行うことが
でき、取り扱い性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づき構成された両開きファイルの綴
じ具の全体を示す斜視図。
【図2】図1の矢印II線から見た要部破断正面図。
【図3】両押さえ板の拡開途中の状態を示す図2に対応
する図。
【図4】両押さえ板を開いて紙片の束を分けた状態を示
す図2に対応する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B42F 13/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイルの背表紙に取り付けられたベー
    スの左右の端縁にそれぞれヒンジ部を介して傾動自在に
    設けられた一対の押さえ板を有する紙片挟持部と、紙片
    にあけられた孔に挿通して当該紙片を綴じるべく前記紙
    片挟持部に取り付けられたガイドパイプとを有する両開
    きファイルの綴じ具であって、 前記ガイドパイプを軸線方向中央部にて分割し、かつ当
    該分割した各分割ガイドパイプを前記各押さえ板にそれ
    ぞれ可撓性部材を介して片持ち支持し、 前記各分割ガイドパイプを互いに同軸的に保持するべく
    前記両分割ガイドパイプに貫通可能でありかつ挿抜自在
    に設けられたロッドと、前記各分割ガイドパイプに挿入
    された状態の前記ロッドの軸線方向各端部をそれぞれ別
    個に選択的に係止可能に前記一対の押さえ板と前記ロッ
    ドの各端部との間に設けられた選択的ロック手段とを有
    することを特徴とする両開きファイルの綴じ具。
JP13852295A 1995-05-12 1995-05-12 両開きファイルの綴じ具 Expired - Fee Related JP3346678B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4729454Y1 (ja) * 1970-01-31 1972-09-04
JPS49113712U (ja) * 1973-01-27 1974-09-27
JPH034551Y2 (ja) * 1985-06-27 1991-02-06
JPS6213680U (ja) * 1985-07-12 1987-01-27
JPH0681782U (ja) * 1993-04-27 1994-11-22 伸介 中尾 プラグパイプ式とじ具

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JPH08300867A (ja) 1996-11-19

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