JP3345405B1 - 自動車用の循環式塗装ブース装置 - Google Patents

自動車用の循環式塗装ブース装置

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JP3345405B1
JP3345405B1 JP2001146142A JP2001146142A JP3345405B1 JP 3345405 B1 JP3345405 B1 JP 3345405B1 JP 2001146142 A JP2001146142 A JP 2001146142A JP 2001146142 A JP2001146142 A JP 2001146142A JP 3345405 B1 JP3345405 B1 JP 3345405B1
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株式会社カーボ
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Abstract

【要約】 【課題】 塗装ブース内における塗装作業を、大気汚染
を防止し、塗装作業の安全性を確保し、しかも高品質で
行う。 【解決手段】 塗装ブース3の前部に吸引室6を設け、
その天井部7に吹出室9を設け、又その後側上部に給気
室10を設ける。吸引室6に設けた循環ファン57を稼
働させると、塗装ブース3内の塗装排ガスが吸引室6内
に吸引され、ミスト除去フィルタ22で塗装ミストが除
去されると共に活性炭フィルタ50aで有機溶剤成分が
除去され、その後、粉塵除去フィルタ56で活性炭の粉
塵が除去される。このように浄化処理された空気が吹出
室9に供給され、吹出フィルタ72を通して塗装ブース
3内に下向きに吹き出される。又給気室10内に納設さ
れた給気ファン82の稼働によって吸引された外気が、
給気フィルタ81を通して塗装ブース3内の後部側で下
向きに吹き出され、該後部側で発生した余分の塗装ミス
トが下方向に移動せしめられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装ブース内で発
生した塗装排ガスを適切に浄化処理してこれを循環させ
ると共に塗装ブースの後側の上部から外気をブース内に
供給させることにより、大気汚染を防止できると共に高
品質の塗装を可能とし、又塗装作業の安全性を確保せし
める循環式塗装ブース装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車が出入り可能に構成された塗装ブ
ース内で自動車ボディーの被塗装部分を塗装する従来の
塗装ブース装置は、塗装ブースに対して強制的な空気の
供給と排気を行い、その排気により、塗装に伴う余分の
塗装ミストを大気に放出する構成のものであったため、
塗装排ガスに含有されている有機溶剤成分等が大気汚染
を引き起こす問題があり、周辺住民から塗装施設の移転
を求められるケースも生じていた。
【0003】そこで、この塗装排ガスを所要に浄化処理
してこれを循環させるように構成された循環式塗装ブー
ス装置が、特開昭57−75121号公報で提案され
た。この循環式塗装ブース装置は、フィルタで除塵され
た外気を塗装ブース内に送給すると共に、該塗装ブース
から排出される塗装排ガスについては、含有されている
塗装ミストや有機溶剤成分を除去して浄化した後、この
浄化された空気を塗装ブースに戻して排気を循環させる
構成のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公報には、塗装ブ
ース内に外気を導入することと、塗装排ガスを所要に浄
化処理して循環させるという基本的な技術については開
示されているが、排気循環を効率的に行わせるために外
気を如何にして導入するか、又、塗装ブース内における
塗装作業の安全性を向上させるために外気を如何にして
導入するか、更に、塗装品質を向上させるために外気を
如何にして導入するか、等の点については全く記載がな
い。
【0005】かかることから前記従来の循環式塗装ブー
ス装置は、その実施化のためには更に改良の余地があっ
たのである。
【0006】本発明は、従来装置の前記課題に鑑みて開
発されたものであり、塗装排ガスを適切に浄化処理して
循環させることにより大気汚染を防止できるのは元よ
り、塗装ブース内への適切な外気導入を図ることによっ
て、塗装作業の安全性向上と塗装品質の向上を達成せし
める循環式塗装ブース装置の提供を目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る
自動車用の循環式塗装ブース装置は、自動車が出入り可
能に構成された閉じた塗装ブースの前部に吸引室が設け
られ、且つ該塗装ブースの天井部には、その後側に給気
室が設けられると共に該給気室の前側に位置させて吹出
室が設けられてなる。又前記吸引室には、前記塗装ブー
ス内で発生した余分の塗装ミストを除去するミスト除去
フィルタと、該ミスト除去フィルタを通過した空気に含
有されている有機溶剤成分を除去する溶剤除去フィルタ
と、該溶剤除去フィルタを通過して浄化された空気の一
部は屋外に放出させると共に残余の空気は前記吹出室に
導入させ、該導入された空気を吹出フィルタを通して前
記塗装ブース内に下向きに吹き出させる循環フアンとが
設けられ、又前記給気室には、吸引した外気を給気フィ
ルタを通して塗装ブース内に略真下に向け吹き出して、
塗装ブースの後部側で発生した余分の塗装ミストを下方
向に移動させるようになされた給気ファンが納設されて
おり、該給気ファンからの外気供給により、塗装ブース
内の空気圧をプラス圧に設定するようになされている。
又、前記吹出室及び前記給気室から塗装ブース内に供給
された空気は、前記循環ファンの稼働によって、前記吸
引室内に吸引されて前記ミスト除去フィルタ及び前記溶
剤除去フィルタを通過せしめられるようにしたことを特
徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1において本発明に係る循環式
塗装ブース装置1は、自動車ボディの部分塗装を行う簡
易タイプの自動車用の装置であり、自動車2が出入り可
能に構成された塗装ブース3の前部に吸引室6が設けら
れると共に、該塗装ブース3の天井部7には吹出室9が
設けられ、又該塗装ブース3の後側上部には給気室10
が設けられている。そして前記天井部7は、図1、図3
〜4に示すように、床面11に立設された前面板12の
上端において、該床面11と平行して後方に延長する如
く配設され、該前面板12と等幅に形成されており、工
場建屋の天井に、図示しない吊りボルトを介して吊下さ
れている。
【0009】そして、該天井部7の下方空間15の左右
の側部16,16は、例えば図1〜2に示すように、帯
電防止機能を有する塩化ビニル製のカーテン18a1,
18a2,19a1,19a2からなる開閉体18,1
9で開閉可能とされ、又、前記空間15の後部17も、
前記と同様のカーテン20aからなる開閉体20で開閉
可能とされている。これらのカーテン18a1,18a
2,19a1,19a2,20aは、図3、図5に示す
ように、前記天井部7の左右縁部及び後部縁部の下面7
aに連続して配設されたカーテンレール21(図3、図
5)に案内されて開閉可能となされている。又前記下面
7aには、図5、図1〜2に示すように、前記カーテン
レール21の外側に位置させて、例えば塩化ビニル製の
垂れ片23の上端23aが固定されている。該垂れ片2
3は、吊下された前記カーテンの吊下部分23をその外
側から覆って、該吊下部分24に生ずる隙間から塗装排
ガスが塗装ブース外に漏れるのを効果的に防止してい
る。
【0010】そして、これらのカーテンの下端部分に
は、図5〜6に示すように袋状部8が形成され、例えば
チエンからなる重りWが、該袋状部8の長さ方向に延長
する如く収容されている。又、該袋状部8の下端には裾
片14が連設され、該裾片14の下端部分14aが、図
6に示すように、床面11に屈曲状態で密接する。そし
て該開閉体18,19,20を閉じることにより、前記
閉じた塗装ブース3を形成できると共に、後部の開閉体
20を図7に示すように開くことによって、矢印で示す
ように、自動車2を塗装ブース3内に出入りさせ得る如
く構成されている。なお図3においては説明の便宜上、
開閉体18,19,20及び垂れ片22を省略して、カ
ーテンレール21のみを示している。又図4においては
カーテンを省略している。
【0011】前記吸引室6は、塗装ブース3内で発生し
た塗装排ガスをミスト除去フィルタ22を通して吸引す
るものであり、図1、図3〜4、図8〜9に示すよう
に、前記前面板12を後面部24として前方に突出する
直方体箱状に形成されている。そして該後面部24の左
右方向長さは、前面板12の左右方向長さよりも若干小
さく設定されると共に、吸引室6の上面部25は、前記
天井部7の稍下側に位置せしめられている。又、かかる
構成を有する吸引室6の後面部24の上側の部分の左右
側は覆板26,26で塞がれると共に、該上側の部分の
中央部には、蓋板27で閉蓋される点検口29が設けら
れ、又該後面部24の下側の部分は吸引口30とされて
いる。該吸引口30は本実施の形態においては、左右方
向に3つに区画されており、各区画31には、フィルタ
板32が着脱可能に取り付けられている。そして該フィ
ルタ板32には、塗装ブース3内で発生した余分の塗装
ミストの内、比較的大きなものを除去するメッシュの荒
い一次フィルタ33(前記ミスト除去フィルタ22の一
構成要素)が設けられている。
【0012】又図1、図8〜9に示すように、前記後面
部24の稍前側に位置させて、第1の仕切り35が前記
床面11に立設状態に設けられると共に、該仕切り35
の上端と前記吸引口30の上縁部とは塞ぎ板37で塞が
れている。又該仕切り35の下側の部分には開口39が
設けられ、該開口39は左右方向に5つに区画されてい
る。そして各区画にはフィルタ板41が着脱可能に取り
付けられ、該フィルタ板41には、前記塗装ブース3内
における余分の塗装ミストの内、比較的小さなものを除
去するメッシュの細かい二次フィルタ42(前記ミスト
除去フィルタ22のもう一つの構成要素)が設けられて
いる。
【0013】又前記フィルタ板41の稍前側に位置させ
て、第2の仕切り43が前記床面11に立設されてお
り、図9に示すように、該第2の仕切り43の上端と前
記第1の仕切り35の前記開口39の上縁部とが覆板4
7で塞がれている。そして該第2の仕切り43は、その
開口44が左右方向に例えば36に区画されており、各
区画48には、前記二次フィルタ42を通過した空気に
含有されている有機溶剤成分を除去する活性炭が収容さ
れた、前後方向に幅広の板状をなす活性炭フィルタ50
aとしての有機溶剤除去フィルタ50の2枚が、図9〜
10に示すように、後で開いて前が閉じたV字状を呈す
る如く並設され、両前端49,49が受け柱51で支持
されており、各有機溶剤除去フィルタ50aは着脱可能
である。そして、並設された有機溶剤除去フィルタ50
の上部全体を覆うように覆い板52が設けられ、V字状
に組み合わされた隣り合う2枚の有機溶剤除去フィルタ
50,50間にその後側から流入した空気は、前記覆い
板52によって上方への移動が阻止され、図10に矢印
で示すように、該フィルタ50を通過して前方へのみ流
れる。
【0014】又図1、図9に示すように、前記活性炭フ
ィルタ50aが左右方向に並設されてなる部分の稍上側
に位置させて、第3の仕切り52が水平に配設され、該
仕切り52は左右方向に3つに区画されている。そして
各区画53には、前記活性炭フィルタ50aを前方向に
通過した空気中に含まれている活性炭の粉塵を除去する
ためのフィルタ板55が着脱可能に取り付けられてお
り、該フィルタ板55には、前記活性炭フィルタ50a
を通過した空気に含まれている活性炭の粉塵を除去する
ための粉塵除去フィルタ56が設けられている。
【0015】又図1、図11に示すように、前記第3の
仕切り52の上側に位置させて、例えばシロッコファン
を以って構成された循環ファン57が、左右の吸引口5
8,58を前記吸引室6内に位置させて配設されてお
り、その排気口59は吸引室6の前記上面部25で開放
されている。該排出口59はダクト60を介して前記吹
出室9の前端に連結されている。そして該ダクト60の
中間部には、余剰の空気を外部(本実施の形態において
は工場建屋内)に放出させるための排気ダンパー61が
連結されている。
【0016】又前記天井部7は図1、図3、図12に示
すように、左右側部が照明器具取付部分62,62とさ
れると共に中央部分は、上下厚さが厚く且つ前後方向に
長い空洞部分63として形成されている。該空洞部分6
3は、図1及び、図2の天井カバー板64を取り外して
示す図12に示すように、その後側で、仕切り板65に
より2分割されており、前側の空洞部分は前記吹出室9
を構成する一方、後側の空洞部分は前記給気室10を構
成する。又該吹出室9の前後方向長さは例えば3800
mm程度に設定されると共に、給気室10の前後長さは
例えば800mm程度に設定されている。そして左右の
照明器具取付部分62,62には、図3に示すようにそ
の下面側で、照明器具66が前後方向に3か所設けられ
ている。
【0017】又前記天井部7の下面は、その前側の略1
/3部分67が盲に形成される共に、その後側の部分6
9は、前後方向に2分割され且つ左右に方向に3分割さ
れて6つの区画を有し、各区画にはフィルタ板71が着
脱可能に取り付けられている。そして該フィルタ板71
には、該吹出室9に導入された空気を最終的に除塵する
と共に、塗装ブース3内への空気の供給を均一化させる
目的で、吹出フィルタ72が設けられている。
【0018】又前記給気室10の上面及び後面には、図
1、図2〜4に示すように、新鮮な外気を取り入れるた
めのフィルタ付き外気取入口75,76が設けられると
共に、該給気室10の下面は左右方向に2分割され、各
区画にはフィルタ板80が着脱可能に取り付けられてい
る。該フィルタ板80には、取り入れられた外気を更に
除塵すると共に、塗装ブース3内への空気の供給を均一
化させる目的で、給気フィルタ81が設けられている。
【0019】又前記給気室10の内部は、図1、図12
に示すように、傾斜板77で2分割されると共に、その
左右方向中央部に設けられた取付口に給気ファン82が
配設されており、該給気ファン82の、垂直線に対する
前方向への下方傾斜の角度は約15度に設定されてい
る。
【0020】然して、かかる構成を有する塗装ブース装
置1によるときは、図7に示すように後部の開閉体20
を開いて、自動車2を塗装ブース3内に入れ、その後図
1〜2に示すように、後部の開閉体20を閉じる。この
状態で前記循環ファン57を稼働させると、清浄な空気
が前記吹出室9に導入され、該導入された空気は、前記
吹出フィルタ72により更に除塵されると共に該吹出フ
ィルタ72の風量均一化作用によって、吹出室9の下面
の各部から略均一な風量で塗装ブース3内に、図1に矢
印で示すように吹き出されることになる。同時に前記給
気ファン82は、その稼働により、前記外気取入口7
5,76のフィルタを通して外気を給気室10内に吸引
せしめ、これを、給気室10の前記給気フィルタ81を
通して徐塵し、塗装ブース3内に、図1に矢印で示すよ
うに下向きに吹き出させる。該給気フィルタ81は、給
気室10の下面全体に亘って設けられているため、給気
フィルタ81の風量均一化作用により、給気室10の下
面の各部から略均一な風量で新鮮な空気が塗装ブース3
内に吹き出されることとなる。そして前記給気ファン8
2は、図1に示すように前方に向け下方に稍傾斜してい
るため、その吹き出しの方向は、図1に矢印で示すよう
に、前方に向け下方に稍傾斜した状態(略真下の状態)
となり、この供給された空気が、塗装ブース3の後部側
で発生した余分の塗装ミストを下方向に速やかに移動さ
せる。そして該給気ファン82による外気導入で、塗装
ブース3内の空気圧をプラス圧に設定できる。
【0021】前記吹出室9及び前記給気室10から塗装
ブース内3に供給された空気は、前記循環ファン57の
稼働によって、図1に矢印で示すような状態で、前記吸
引室6内に吸引せしめられる。
【0022】なお、前記循環ファン57は前記給気ファ
ン82に比して強力であり、該循環ファンは、例えば毎
分186立方メートルの風量を有するのに対し、該給気
ファンは、例えば毎分33立方メートルの風量を有する
ものである。従って、給気ファン82の稼働が、循環フ
ァン57の稼働による空気循環を阻害することはない。
【0023】前記循環ファン57及び前記給気ファン8
2をこのように稼働させながら自動車ボディーの被塗装
部分に塗装ミストを吹き付けて塗装を施すのであるが、
前記吹出室9から塗装ブース3内に供給される空気は浄
化されているために、塗装作業の安全を確保できる。特
に、塗装ブース3の後部側89で塗装作業を行う場合
は、前記給気室10から空気が下向きに吹き出すことに
より、発生した余分の塗装ミストを下方向に移動させ
て、塗装ミストが舞い上がるのを防止できる。作業者が
塗装ミストを吸引しにくいように、例えば作業者の腰よ
りも下に移動させる。然も、このように吹き出す空気は
新鮮な外気であることから、健康上の安全を一層確保し
て塗装作業を行うことができる。
【0024】もしも、前記給気ファン82が設けられて
いないとすれば、塗装ブース3内における空気の循環は
達成されるであろうが、塗装ブースの後部側89に空気
の滞留部分が発生しやすくなり、その部分での有機溶剤
密度が高まることになる。その結果、塗装ブース3の前
部側90を塗装作業場所とせざるを得ないのを、本発明
によるときは、塗装ブースの前部側90の塗装作業条件
を悪くすることなく、空気の滞留状態が解消されしかも
新鮮な空気が導入される、塗装ブースの後部側89を、
一層良好な塗装作業場所となし得る。
【0025】又前記のように、塗装ミストを下方向に移
動させ得ることから、飛散した塗装ミストが塗装面に付
着するのを防止でき、塗装品質を向上させ得ることとも
なる。
【0026】又塗装ブース3内の空気圧がプラス圧にな
ることから、前記吹出フィルタ72や給気フィルタ81
以外からの空気が塗装ブース3内に流入することにより
該塗装ブース内にゴミや埃が進入するのを防止でき、従
って、これらが付着することによる塗装品質の低下を防
止できることとなる。
【0027】そして、前記吹出室9及び前記給気室10
から塗装ブース3内に供給された空気は、前記循環ファ
ン57の吸引作用により、吸引室6の前記ミスト除去フ
ィルタ22に向けて移動せしめられる。この移動は、前
記給気ファン82の稼働によって、前記給気室10から
下向きに空気が吹き出すため、塗装ブースの後部側89
における空気の滞留を生じさせることなく円滑に行われ
る。特に吸気室19から供給された空気は例えば図1に
矢印で示すように、作業者の膝位置までは下向きに移動
し、その後は、L字に屈曲して床面11に沿う状態で吸
引室6に向けて移動する。
【0028】そして該吸引室6においては、比較的大き
な塗装ミストは前記一次フィルタ33で除去されると共
に、それよりも小さな塗装ミストは前記二次フィルタ4
2で除去される。この際、前記活性炭フィルタ50aの
前記並列がもたらす空気の整流作用により、前記一次フ
ィルタ33の略全面及び二次フィルタ42の略全面で塗
装ミストを略均一の状態に捕獲でき、塗装ミストの除去
が効率良く行われることとなる。
【0029】そして、該ミスト除去フィルタ22を通過
した空気に含有されている有機溶剤成分は、前記活性炭
フィルタ50aである溶剤除去フィルタ50を図10に
矢印で示す方向に通過することによって浄化される。活
性炭フィルタ50aは、本実施の形態においては、含有
されている有機溶剤成分の少なくとも95%程度を除去
できるものを用いるのがよい。このように浄化された空
気は、その後、前記粉塵除去フィルタ56を図1、図9
に矢印で示すように通過する。この通過により、前記活
性炭フィルタ50aで発生した活性炭の粉塵を除去でき
る。該粉塵除去フィルタ56を通過して更に浄化された
空気は、図11に矢印で示すように、前記循環ファン5
7の吸引口58に流入し、その排気口59から、ダクト
60を介して前記吹出室9内に導入される。なお、前記
給気室10からの外気供給によって塗装ブース3内の圧
力が必要以上に高まるのを防止するため、余分の空気が
図11に矢印で示すように前記排気ダンパー61を介し
て外部に放出される。これにより吸引室6で吸引された
排気の大半が吹出室9に戻されることとなり、余剰の空
気のみが外部に放出されるに過ぎないため、外部への放
出を最小限度に抑制できることとなる。しかも、前記一
次フィルタ33及び二次フィルタ42で塗装ミストが殆
ど除去され、又前記活性炭フィルタ50aにより有機溶
剤成分の殆どが除去され、然も前記粉塵除去フィルタ5
6により活性炭の粉塵が殆ど除去されるため、排気ダン
パー61から外部に放出される排気による汚染の影響は
殆どない。
【0030】そして、前記吹出室9内に導入された浄化
空気は、前記吹出フィルタ72を通過して塗装ブース内
3内に下向きに吹き出される。この吹き出しは、該吹出
フィルタ72により、それまでの工程で除去されなかっ
た塗装ミスト等が更に除去されて行われると共に、該吹
出フィルタ72の風量均一化作用により、吹出室9の下
面の各部から塗装ブース3内に浄化空気が略均一状態で
吹き出されることになる。
【0031】前記のように、塗装ブース3の後部側89
(図1)が良好な塗装作業場所となるため、自動車ボデ
ィの後部が被塗装部分となるときは、自動車2を塗装ブ
ース3内に前進で入れ、逆に自動車ボディの前部が被塗
装部分となるときは、自動車2を塗装ブース3内にバッ
クで入れるのがよい。
【0032】なお、前記一次フィルタ33、二次フィル
タ42、活性炭フィルタ50a、粉塵除去フィルタ5
6、吹出フィルタ72及び給気フィルタ81は、何れも
前記のように着脱可能であるため、装置のメンテナンス
を良好に行うことができる。又前記活性炭フィルタは、
その再生処理を行うことにより繰り返し使用が可能であ
る。
【0033】なお本発明に係る塗装ブース装置における
フィルタは、溶剤除去フィルタが活性炭フィルタでない
場合、前記粉塵除去フィルタを省略することもある。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る塗装ブース装置によるとき
は、塗装ブース内で発生した塗装排ガスを適切に浄化処
理して循環させることにより大気汚染を防止できるのは
元より、塗装ブース内への適切な外気導入を図ることに
よって、塗装作業の安全性向上と塗装品質の向上を達成
できる。以下これを具体的に説明する。
【0035】(1) 本発明に係る塗装ブース装置は、塗装
ブースの後側の上部に給気室を設けると共に該給気室に
給気ファンを納設し、その稼働により、吸引した外気を
給気フィルタを通して塗装ブース内に略真下に吹き出さ
せ、塗装ブースの後部側で発生した余分の塗装ミストを
下方向に移動させるように構成されているため、塗装ブ
ースの後部側に空気の滞留部分が発生するのを防止し
て、塗装ブース内で発生した塗装排ガスの略全てを円滑
に吸引室に移動させることができ、該塗装排ガスを効率
良く浄化処理できることとなる。
【0036】(2) 本発明に係る塗装ブース装置によると
きは、吹出室から塗装ブース内に供給される空気が浄化
されているために、塗装作業の安全を確保できる。又本
発明は、塗装ブースの後側の上部に給気室を設けている
ために、塗装ブースの後部側で塗装作業を行う場合は、
該給気室から吹き出す空気によって、発生した余分の塗
装ミストを下方向に移動させ、これが舞い上がるのを防
止できる。然も、このように吹き出す空気は新鮮な外気
であることから、健康上の安全を一層確保して塗装作業
を行うことができる。又前記のように、塗装ミストを下
方向に移動させることができるため、飛散した塗装ミス
トが塗装面に付着するのを防止でき、塗装品質を向上さ
せ得ることともなる。加えて、塗装ブース内の空気圧が
プラス圧になることから、前記吹出フィルタや給気フィ
ルタ以外からの空気が塗装ブース内に進入することによ
って塗装ブース内にゴミや埃が進入するのを防止でき、
従って、これらが付着することによる塗装品質の低下も
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る循環式塗装ブース装置をその作用
と共に示す断面図である。
【図2】その全体斜視図である。
【図3】吸引室と天井部の構成を示す斜視図である。
【図4】吸引室と天井部の構成を示す斜視図である。
【図5】カーテンの吊下状態を示す中間を省略した断面
図である。
【図6】カーテンの下側部分に設けた袋状部を、収容さ
れた重りと共に示す部分斜視図である。
【図7】後部の開閉体を開いた状態を示す斜視図であ
る。
【図8】吸引室の構成を説明する一部欠切斜視図であ
る。
【図9】吸引室の構成を示す一部欠切斜視図である。
【図10】活性炭フィルタによる有機溶剤成分の除去作
用を説明する断面図である。
【図11】循環ファンの稼働に伴う、吸引室内における
空気の流れ状態を示す説明図である。
【図12】天井部の構造を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 循環式塗装ブース装置 2 自動車 3 塗装ブース 6 吸気室 7 天井部 9 吹出室 10 給気室 11 床面 18 開閉体 19 開閉体 20 開閉体 22 ミスト除去フィルタ 33 一次フィルタ 42 二次フィルタ 50 有機溶剤除去フィルタ 50a 活性炭フィルタ 56 粉塵除去フィルタ 57 循環ファン 72 吹出フィルタ 81 給気フィルタ 82 給気ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 15/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車が出入り可能に構成された閉じた
    塗装ブースの前部に吸引室が設けられ、且つ該塗装ブー
    スの天井部には、その後側に給気室が設けられると共に
    該給気室の前側に位置させて吹出室が設けられてなり、 前記吸引室には、前記塗装ブース内で発生した余分の塗
    装ミストを除去するミスト除去フィルタと、該ミスト除
    去フィルタを通過した空気に含有されている有機溶剤成
    分を除去する溶剤除去フィルタと、該溶剤除去フィルタ
    を通過して浄化された空気の一部は屋外に放出させると
    共に残余の空気は前記吹出室に導入させ、該導入された
    空気を吹出フィルタを通して前記塗装ブース内に下向き
    に吹き出させる循環フアンとが設けられ、又前記給気室
    には、吸引した外気を給気フィルタを通して塗装ブース
    内に略真下に向け吹き出して、塗装ブースの後部側で発
    生した余分の塗装ミストを下方向に移動させるようにな
    された給気ファンが納設されており、該給気ファンから
    の外気供給により、塗装ブース内の空気圧をプラス圧に
    設定するようになされており、 又、前記吹出室及び前記給気室から塗装ブース内に供給
    された空気は、前記循環ファンの稼働によって、前記吸
    引室内に吸引されて前記ミスト除去フィルタ及び前記溶
    剤除去フィルタを通過せしめられるようにした自動車用
    の循環式塗装ブース装置。
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