JP3344431B2 - 無機微細粒子含有廃水用処理剤及び廃水処理方法 - Google Patents

無機微細粒子含有廃水用処理剤及び廃水処理方法

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JP3344431B2
JP3344431B2 JP12928093A JP12928093A JP3344431B2 JP 3344431 B2 JP3344431 B2 JP 3344431B2 JP 12928093 A JP12928093 A JP 12928093A JP 12928093 A JP12928093 A JP 12928093A JP 3344431 B2 JP3344431 B2 JP 3344431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、集塵水及び砕石洗浄
水等の無機微細粒子を含有する廃水用処理剤及び廃水処
理方法に関する。より詳細には、この発明は、凝集能に
優れ、形成されるフロックの水の力による湧き現象を生
じることがなく、pH調節剤の添加を必要としない、無
機微細粒子を含有する廃水用処理剤及びその廃水処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、集塵水及び砕石洗浄水等の無
機微細粒子を含有する廃水は、無機凝集剤、高分子凝集
剤、又はこれらを併用することによって処理が行われて
いる。無機凝集剤を使用してこのような廃水を処理する
場合には、無機凝集剤を廃水中に入れることによって廃
水が酸性となり、水酸化物のフロックを形成することが
できなくなるので、廃水のpHを上げるためにpH調節
剤を添加することが必要である。従って、無機凝集剤を
使用して廃水を処理する場合には、必ずpH調節剤が併
用して用いられ、無機凝集剤を廃水に添加した後、pH
調節剤を添加することによって廃水の処理が行われてい
る。このような無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄及び塩化第二鉄等が
知られている。また、無機凝集剤と併用するpH調節剤
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム及び炭酸ナトリウム等
が用いられている。
【0003】無機凝集剤の作用としては、水に溶解する
と錯体を形成し、浮遊している粒子の荷電を中和し、そ
の粒子を強く吸着することが知られている。その結果、
無機微細粒子等の浮遊粒子が除去されることになる。一
方、高分子凝集剤を使用してこのような廃水を処理する
場合には、高分子凝集剤を廃水中に入れても廃水が酸性
になることはないのでpH調節剤を併用する必要はな
く、単独で廃水処理剤として使用することができる。高
分子凝集剤は、強アニオン性、中アニオン性、カチオン
性及びノニオン性等に分類される。強アニオン性高分子
凝集剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムがあり、中
アニオン性高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド
の部分加水分解物、アクリルアミドとアクリル酸ナトリ
ウムの共重合体、及びアクリルアミドとアクリル酸ナト
リウムと2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン
スルホン酸ナトリウムの共重合体等がある。カチオン性
高分子凝集剤としては、ポリビニルイミダゾリン、ポリ
アルキルアミノアクリレートもしくはメタクリレート、
及びポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物等がある。
また、ノニオン性高分子凝集剤としては、ポリアクリル
アミド及びポリエチレンオキサイド等がある。
【0004】一般に、高分子凝集剤が濁りの成分の微粒
子を凝集させて、フロックと呼ばれる大きなかたまりに
する作用としては、粒子の表面電荷の中和による凝集
と、粒子間架橋(接着)による凝集の2つの作用が考え
られている。粒子間架橋による凝集作用は、高分子凝集
剤に特有の作用である。高分子凝集剤は、この作用を有
するために、無機凝集剤に比べてはるかに大きなフロッ
クを形成することができる。従って、無機凝集剤よりも
少ない量、例えばおよそ1/30〜1/200の量で効
果を発現することができるという利点がある。更には、
高分子凝集剤は焼却するとほとんど全てがガスに分解し
てしまうために、灰分が残らないという利点を有してい
る。
【0005】最近では、高分子凝集剤と無機凝集剤を併
用して廃水を処理する方法が最も多く行われている。高
分子凝集剤と無機凝集剤を併用する場合には、無機凝集
剤を単独で使用する場合と同様の理由から、pH調節剤
を添加する必要がある。集塵水及び砕石洗浄水等の無機
微細粒子を含有する廃水は、プラスに帯電しているもの
が多い。従って、一般的に廃水の処理には、アニオン性
又はノニオン性高分子凝集剤が多く使用されている。ア
ニオン性高分子凝集剤としては、従来、加水分解率40
モル%以下のポリアクリルアミド系高分子凝集剤が、そ
の需要全体のおよそ80%を占めている。
【0006】また、マイナスに帯電している廃水を処理
する場合には、カチオン性高分子凝集剤を用いて処理す
る方法や、無機凝集剤とpH調節剤を併用して廃水の電
荷を中和させ、その後、アニオン性、カチオン性又はノ
ニオン性高分子凝集剤を用いて処理する方法等が行われ
ている。高分子凝集剤を使用して廃水を処理する方法と
しては、一般的に、高分子凝集剤を0.1〜0.2重量
%含有する水溶液を調整し、この水溶液を廃水中に攪拌
しながら徐々に入れる方法が用いられている。
【0007】無機凝集剤、pH調節剤及び高分子凝集剤
等の添加量としては、例えば無機凝集剤としてポリ塩化
アルミニウム、及びpH調節剤として炭酸ナトリウムを
使用して無機微細粒子を含有する廃水を処理する場合に
は、ポリ塩化アルミニウムをおよそ50ppm、及び炭
酸ナトリウムをおよそ20ppm添加して処理するのが
一般的である。また、例えば高分子凝集剤としてポリア
クリルアミド部分加水分解物、無機凝集剤としてポリ塩
化アルミニウム、及びpH調節剤として炭酸ナトリウム
を使用する場合には、ポリアクリルアミド部分加水分解
物をおよそ1〜2ppm、ポリ塩化アルミニウムをおよ
そ50ppm、及び炭酸ナトリウムをおよそ10ppm
添加して処理するのが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機凝
集剤を使用して廃水を処理する場合には、無機凝集剤が
高分子凝集剤のように長い分子鎖をもたないために、粒
子間を架橋する作用が小さく、小さいフロックしか形成
することができない。従って、形成されるフロックが小
さいために、そのフロックは軽く、沈降しにくく、水の
力による湧き現象が生じるという問題がある。
【0009】また、無機凝集剤と高分子凝集剤を上記の
ように併用使用して廃水を処理する場合や、高分子凝集
剤を単独で使用して廃水を処理する場合に形成されるフ
ロックは、強く凝集していないので、しまりがない。形
成されるフロックのしまりがないために、小さいフロッ
ク同様に、そのフロックは軽く、沈降しにくく、水の力
による湧き現象が生じるという問題がある。使用する凝
集剤の添加量を増やしたとしても、逆に粒子分散効果が
発現されることになり、これらの問題を解消することは
できない。また、無機凝集剤を多量に使用する場合に
は、pH調節剤もその分多量に必要となる。
【0010】更に、無機凝集剤を単独もしくは高分子凝
集剤と併用使用して廃水を処理する場合には、廃水のp
Hを上げるために多量のpH調節剤の添加が必要であ
る。多量のpH調節剤が砕石洗浄水等の循環再使用され
る廃水の処理に用いられると、廃水のpHが高くなるた
めに、炭酸カルシウムスケールを発生させる原因とな
る。多量のpH調節剤を使用して処理された廃水を再使
用して洗浄した砂利は、泥が付着したままの状態とな
り、砂利の商品価値が下がるという問題がある。
【0011】その上、これらの凝集剤を上記のように用
いて砕石洗浄水を処理した場合、沈殿物の含水率が高く
なり、該沈殿物をセメント混和剤として使用する場合に
問題となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、アニ
オン性又はノニオン性のポリアクリルアミド系高分子凝
集剤とアルカリ金属炭酸塩とを含む水溶液からなる無機
微細粒子含有廃水用処理剤が提供される。更に、この発
明によれば、無機微細粒子含有廃水ラインに、アニオン
性又はノニオン性のポリアクリルアミド系高分子凝集剤
とアルカリ金属炭酸塩とを含む水溶液からなる無機微細
粒子含有廃水用処理剤を添加することを特徴とする無機
微細粒子含有廃水の処理方法が提供される。
【0013】高分子凝集剤とは、汚濁の原因になってい
る微細な懸濁粒子を水から効率よく分離するのに使用さ
れる高分子薬剤であり、水と分離しにくい小さな粒子を
集めてかたまりにして分離しやすくするために用いられ
るものである。この発明の以下の説明において、廃水と
は、無機微細粒子を含有する廃水を意味し、そのような
廃水には、例えば集塵水、砕石洗浄水、パルプ蒸解液回
収工程液等がある。
【0014】この発明において使用されるポリアクリル
アミド系高分子凝集剤としては、当該分野において一般
的に用いられるアニオン性又はノニオン性ポリアクリル
アミド系高分子凝集剤のいずれでもよく、これらの2種
以上の混合物を使用してもよい。ノニオン性ポリアクリ
ルアミド系高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド
があげられ、アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝
集剤としては、例えばノニオン性のポリアクリルアミド
を部分的に加水分解したポリアクリルアミド部分加水分
解物、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合
体、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムと2−アク
リロイルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリ
ウムの共重合体、及びポリアクリル酸ナトリウム等があ
げられる。これらの中で、ノニオン性であるポリアクリ
ルアミド、又はアニオン性であるポリアクリルアミド部
分加水分解物、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウム
と2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパンスルホ
ン酸ナトリウムの共重合体、もしくはこれらの2種以上
の混合物を使用するのが好ましい。この発明の以下の説
明において、2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロ
パンスルホン酸ナトリウムはAMPSと略す。
【0015】また、廃水中の無機微細粒子間を架橋させ
て強固な凝集物(フロック)を形成するために、使用さ
れるポリアクリルアミド系高分子凝集剤の分子量は大き
い方がよい。従って、この発明において使用されるポリ
アクリルアミド系高分子凝集剤の分子量としては、例え
ば、ポリアクリルアミドでは500万〜1000万、ポ
リアクリルアミド部分加水分解物では1000万〜22
00万、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重
合体では800万〜2200万、アクリルアミドとアク
リル酸ナトリウムとAMPSの共重合体では800万〜
2000万の範囲のものが適切である。
【0016】この発明において使用されるポリアクリル
アミド部分加水分解物は、その加水分解の程度によって
凝集能を異にする。加水分解の程度と凝集能の関係は、
一般的に以下のようである。最初わずかに加水分解する
と凝集能は低下する。しかしながら、さらに加水分解が
進むと凝集能は向上しはじめ、約33モル%で最高に達
し、それ以上は加水分解率の増加とともにアニオン性が
強くなり、凝集能は低下する傾向を示す。
【0017】従って、この発明において使用されるポリ
アクリルアミド部分加水分解物は、加水分解率40モル
%以下のものが好ましい。この発明において使用される
アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合体及び
アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムとAMPSの共
重合体としては、それぞれのグラフト共重合体及びブロ
ック共重合体のいずれでもよい。
【0018】また、この発明において使用されるアルカ
リ金属炭酸塩としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
及び炭酸リチウム等があり、炭酸カリウム及び炭酸ナト
リウムが好ましい。また、アルカリ金属炭酸塩は、2種
以上の混合物で使用してもよい。この発明の無機微細粒
子含有廃水用処理剤中におけるポリアクリルアミド系高
分子凝集剤とアルカリ金属炭酸塩の配合割合としては、
19:1〜2:8(重量比)が適切であり、9:1〜
5:5(重量比)が好ましい。
【0019】この発明の処理剤は、ポリアクリルアミド
系高分子凝集剤とアルカリ金属炭酸塩を、所望の割合
(重量比)でブレンダー等を用いて混合することによっ
て調製することができる。この発明の処理方法によれ
ば、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤とアルカリ金属
炭酸塩からなる処理剤の水溶液を予め調製し、この調製
された処理剤の水溶液を、無機微細粒子を含有する廃水
の廃水ライン(シックナーの手前)に添加することによ
って、廃水処理が行われる。
【0020】この発明においては、ポリアクリルアミド
系高分子凝集剤とアルカリ金属炭酸塩からなる処理剤の
水溶液を予め調製し、その調製された水溶液を廃水に添
加することが必須である。ポリアクリルアミド系高分子
凝集剤の水溶液とアルカリ金属炭酸塩の水溶液を別々に
調製し、これら水溶液を同時に廃水に添加しても所望の
効果を得ることはできない。
【0021】この発明において、廃水に添加する前のポ
リアクリルアミド系高分子凝集剤とアルカリ金属炭酸塩
からなる処理剤の水溶液の濃度としては、0.01〜5
重量%が適切であり、0.1〜2重量%が好ましい。ま
た、この発明において、上記のように調製された処理
廃水に添加する際の添加量としては、0.1〜30p
pmが適切であり、0.1〜10ppmが好ましい。
【0022】この発明のポリアクリルアミド系高分子凝
集剤とアルカリ金属炭酸塩からなる処理剤は、粉末状態
で保存するのが好ましいが、水溶液状態で保存してもよ
い。水溶液として保存する際の濃度は2重量%以上であ
ればよいが、できるだけ高濃度溶液で保存するのが好ま
しい。また、この発明の無機微細粒子含有廃水用処理剤
は、例えばカチオン性高分子凝集剤、又は他のアニオン
性もしくはノニオン性高分子凝集剤等の高分子凝集剤
や、無機凝集剤、スケール防止剤、腐食防止剤等の他の
添加物を含有していてもよく、あるいはこの発明の処理
剤とこれらの添加物を併用使用してもよい。
【0023】
【実施例】
1.現場試験(砕石洗浄水) (試験方法)加水分解率25モル%のポリアクリルアミ
ド部分加水分解物(分子量:1600万)160Kgと
炭酸ナトリウム40Kgをブレンダーを用いて混合し、
ポリアクリルアミド系高分子凝集剤とアルカリ金属炭酸
塩の配合割合が8:2(重量比)であるこの発明の処理
剤を調製した。その後、この調製した処理剤5Kgに水
を加えて溶解し、5トンに調製することによって、この
発明の処理剤の0.1重量%水溶液(液)を調製し
た。
【0024】次に、加水分解率25モル%のポリアクリ
ルアミド部分加水分解物(分子量:1600万)5Kg
に水を加えて溶解し、5トンに調製することによって、
加水分解率25モル%のポリアクリルアミド部分加水分
解物の0.1重量%水溶液(液)を調製した。また、
炭酸ナトリウム5Kgに水を加えて溶解し、5トンに調
製することによって、炭酸ナトリウムの0.1重量%水
溶液(液)を調製した。
【0025】上記のように調製したこの発明の処理剤の
0.1重量%水溶液(液)、ポリアクリルアミド部分
加水分解物の0.1重量%水溶液と炭酸ナトリウムの
0.1重量%水溶液〔液+液(併用使用)〕、又は
ポリアクリルアミド部分加水分解物の0.1重量%水溶
液単独(液)を、砕石洗浄水のシックナーの手前の1
5の廃水ラインのそれぞれに、添加量が1、2、3、4
又は5ppmになるように添加した。ただし、液にお
いては、ポリアクリルアミド部分加水分解物水溶液と炭
酸ナトリウム水溶液の割合が8:2(重量比)となるよ
うにして、ポリアクリルアミド部分加水分解物と炭酸ナ
トリウムの総重量で計算して上記の添加量になるよう
に、それぞれポリアクリルアミド部分加水分解物水溶液
と炭酸ナトリウム水溶液を同時に添加した。
【0026】上記液、液+液、又は液を、廃水
ラインにおける流速の速い場所でシックナーの手前に添
加し、攪拌した。攪拌後、0.5〜1時間後に廃水の上
澄みの状態を観察すると共に、それぞれの砕石洗浄水の
上澄液を採取し、上澄液の透視度及び懸濁物質(SS)
を測定した。透視度は透視度計によって、SSはJIS
(排水分析)によって測定した。
【0027】(試験結果)透視度とSSの測定結果を図
1及び図2に示す。図1は、透視度と各処理剤の添加量
との関係を示した図であり、図2は、SSと各処理剤の
添加量との関係を示した図である。図1及び図2中、a
は液の結果、bは液+液の併用使用の結果、及び
cは液の結果を示す。図1及び図2から、この発明の
処理剤水溶液(液)で処理した後の砕石洗浄水が、ポ
リアクリルアミド部分加水分解物水溶液と炭酸ナトリウ
ム水溶液を併用使用(液+液)して処理した後の砕
石洗浄水及びポリアクリルアミド部分加水分解物水溶液
を単独使用(液)して処理した後の砕石洗浄水に比
べ、透視度及びSSともに優れていることが明らかであ
る。
【0028】2.卓上試験(砕石洗浄水) (試験方法)加水分解率25モル%のポリアクリルアミ
ド部分加水分解物(分子量:1600万)と炭酸ナトリ
ウムとの配合割合が9:1、8:2、7:3、6:4、
5:5、4:6、3:7及び2:8(重量比)であるこ
の発明の処理剤、及び上記の配合割合が1:9(重量
比)である処理剤(比較例)と、加水分解率25モル%
のポリアクリルアミド部分加水分解物(分子量:160
0万)と炭酸カリウムとの配合割合が9:1、8:2、
7:3、6:4及び5:5(重量比)であるこの発明の
処理剤を、ポリアクリルアミド部分加水分解物と炭酸ナ
トリウム又は炭酸カリウムを上記の配合割合でブレンダ
ー(卓上型)を用いて混合することによって調製した。
【0029】上記のように調製したそれぞれの処理剤1
gに水を加えて溶解し、1000ミリリットルに調製す
ることによって、ぞれぞれの処理剤の0.1重量%水溶
液を調製した。配合割合(重量比)が9:1、8:2、
7:3、6:4又は5:5である上記のこの発明の処理
剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物と炭酸ナトリウ
ム、又はポリアクリルアミド部分加水分解物と炭酸カリ
ウムからなる処理剤)の水溶液を、砕石洗浄水500m
lの入った10個のビーカーのそれぞれに、添加量が3
ppmとなるように添加した。
【0030】比較例として、上記ポリアクリルアミド部
分加水分解物と炭酸ナトリウムの配合割合が1:9(重
量比)である処理剤(比較例)の0.1重量%水溶液、
加水分解率25モル%のポリアクリルアミド部分加水分
解物(分子量:1600万)の0.1重量%水溶液単独
及び炭酸ナトリウムの0.1重量%水溶液単独を使用
し、同様に砕石洗浄水500mlの入った3個のビーカ
ーのそれぞれに、添加量が3ppmとなるように添加し
た。添加後、120rpmで1分間攪拌し、更に60r
pmで1分間攪拌して、形成されたフロックを採取し、
フロックの直径を測定した。また、上記攪拌後1分間静
置した後、上澄液を採取し、上澄液の濁度を測定した。
フロックの直径は定規によって、濁度は分光光度計によ
って測定した。
【0031】(試験結果)フロックの直径と濁度の測定
結果を表1及び図3に示す。表1は、各処理剤で処理し
た後、形成されるフロックの直径及び上澄液の濁度の測
定値である。図3は、ポリアクリルアミド部分加水分解
物と炭酸ナトリウムとの配合割合(重合比)と濁度の関
係を示した図である。表1及び図3中、Aは加水分解率
25モル%のポリアクリルアミド部分加水分解物(分子
量:1600万)、Bは炭酸ナトリウム、及びCは炭酸
カリウムを示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から、試験に用いた全配合割合におい
て、この発明の処理剤を使用して処理した後の砕石洗浄
水は、ポリアクリルアミド部分加水分解物単独で処理し
た後の砕石洗浄水に比べ、形成されるフロックの直径は
ほぼ同じくらいであるが、上澄液の濁度において優れて
いることが明らかである。
【0034】また、図3から、ポリアクリルアミド部分
加水分解物と炭酸ナトリウムの配合割合(重合比)が
9:1〜3:7の範囲で、ポリアクリルアミドの部分加
水分解物単独使用の場合〔ポリアクリルアミド部分加水
分解物と炭酸ナトリウムの配合割合(重合比)が10:
0〕に比べ、処理後の濁度において優れていることが明
らかである。
【0035】3.卓上試験(集塵水) (試験方法)ポリアクリルアミド(分子量:1000
万)と炭酸ナトリウムの配合割合(重量比)が9:1で
あるこの発明の処理剤の0.1重量%水溶液を調製し
た。
【0036】比較例として、ポリアクリルアミド(分子
量:1000万)の0.1重量%水溶液単独、及びポリ
アクリルアミド(分子量:1000万)と硫酸ナトリウ
ムの無水塩を9:1(重量比)の割合配合で混合させた
混合物の0.1重量%水溶液を使用した。
【0037】高炉集塵水(I)及び(II)を500m
l採取して、各々13個のビーカーに入れた。各ビーカ
ーに、この発明の処理剤水溶液、ポリアクリルアミド水
溶液、又はポリアクリルアミドと硫酸ナトリウムの混合
水溶液を、それぞれ0.2、0.3、0.4又は0.5
ppmとなるように添加した。添加後、それぞれジャー
テスターを用いて60rpmで30分間攪拌し、フロッ
クを形成させた。形成されたフロックを採取し、そのフ
ロックの状態を観察して、フロックの直径を定規によっ
て測定した。また、攪拌後5分間静置させ、静置後それ
ぞれの上澄液を採取し、上澄液の外観を観察して、透視
度を透視度計によって測定した。また、処理剤を添加し
ない場合も同様に操作し、フロックの状態及び上澄液の
外観を観察して、フロックの直径と上澄液の透視度を測
定した。
【0038】使用した高炉集塵水(I)及び(II)の
水質を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】(試験結果)形成されたフロックの状態と
上澄液の外観の観察結果、及び形成されたフロックの直
径と上澄液の透視度の測定結果を表3及び表4に示す。
また、下記判定基準に基づいて処理後の集塵水を判定
し、その結果も表3及び表4に示す。
【0041】表3及び表4中、Aはポリアクリルアミド
(分子量:1000万)、Bは炭酸ナトリウム、及びC
は硫酸ナトリウムの無水塩を示す。表3及び表4の判定
中、◎はフロックができており、上澄液の濁りがない状
態(透視度:30cm)、○はフロックができており、
上澄液が少し濁っている状態(透視度:20〜30c
m)、△はフロックができており、上澄液が濁っている
状態(透視度:10〜20cm)、及び×はフロックが
小さく、上澄液が濁っている状態(透視度10cm以
下)を示す。
【0042】また、表3及び表4のフロックの状態にお
いて、良上はフロックのしまりがあり、上澄液が透明で
ある状態、良中はフロックのしまりが若干悪く、上澄液
が少し濁っている状態、良下はフロックのしまりが悪
く、上澄液が濁っている状態、及び不良はフロックが形
成されない状態を示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】表3及び表4から、この発明の処理剤を用
いて処理した集塵水は、ポリアクリルアミド単独、及び
ポリアクリルアミドと硫酸ナトリウムの無水塩の混合物
を用いて処理した集塵水に比べ、形成されるフロックの
直径はほぼ同じであるが、フロックの状態、上澄液の外
観及び上澄液の透視度において優れていることが明らか
である。
【0046】
【発明の効果】この発明の処理剤は、凝集能に優れてい
るので、この発明の処理剤によれば、強く凝集してしま
りのよいフロックを形成させることができ、水の力によ
る湧き現象を抑えることができる。更に、この発明の処
理剤は、処理後の廃水のpH上昇による炭酸カルシウム
スケールの発生を抑えることができる。従って、この発
明の処理剤を用いて処理された無機微細粒子を含有する
廃水は、水の力によるフロックの湧き現象抑えることが
できるので、透明度に優れ、しかも処理後の廃水のpH
上昇による炭酸カルシウムスケールの発生を抑えること
ができるので、良好に再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透視度と処理剤の添加量との関係を示した図で
ある。
【図2】SSと処理剤の添加量との関係を示した図であ
る。
【図3】この発明の処理剤の配合割合(重量比)と濁度
の関係を示した図である。
【符号の説明】
a この発明の処理剤水溶液 b ポリアクリルアミド部分加水分解物水溶液と炭酸ナ
トリウム水溶液の併用使用 c ポリアクリルアミド部分加水分解物水溶液単独 A ポリアクリルアミド部分加水分解物 B 炭酸ナトリウム C 炭酸カリウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−45794(JP,A) 特開 昭58−216706(JP,A) 特開 昭60−87899(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 21/01 C02F 1/52 - B01D 21/01 111 B01D 1/56

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性又はノニオン性のポリアクリ
    ルアミド系高分子凝集剤とアルカリ金属炭酸塩とを含む
    水溶液からなる無機微細粒子含有廃水用処理剤。
  2. 【請求項2】 ポリアクリルアミド系高分子凝集剤が、
    ポリアクリルアミド、加水分解率40モル%以下のポリ
    アクリルアミド部分加水分解、アクリルアミドとアク
    リル酸ナトリウムの共重合体、アクリルアミドとアクリ
    ル酸ナトリウムと2−アクリロイルアミノ−2−メチル
    プロパンスルホン酸ナトリウムの共重合体、又はそれら
    の2種以上の混合物である請求項1記載の処理剤。
  3. 【請求項3】 ポリアクリルアミドの分子量が500万
    〜1000万、加水分解率40モル%以下のポリアクリ
    ルアミド部分加水分解物の分子量が1000万〜220
    0万、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合
    体の分子量が800万〜2200万、アクリルアミドと
    アクリル酸ナトリウムと2−アクリロイルアミノ−2−
    メチルプロパンスルホン酸ナトリウムの共重合体の分子
    量が800万〜2000万である請求項2記載の処理
    剤。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウ
    ム、炭酸カリウム、又はこれらの混合物である請求項1
    〜3のいずれか1つに記載の処理剤。
  5. 【請求項5】 ポリアクリルアミド系高分子凝集剤とア
    ルカリ金属炭酸塩の配合割合が、19:1〜2:8(重
    量比)である請求項1〜4のいずれか1つに記載の処理
    剤。
  6. 【請求項6】 無機微細粒子含有廃水ラインに、アニオ
    ン性又はノニオン性のポリアクリルアミド系高分子凝集
    剤とアルカリ金属炭酸塩とを含む水溶液からなる無機微
    細粒子含有廃水用処理剤を添加することを特徴とする無
    機微細粒子含有廃水の処理方法。
  7. 【請求項7】 無機微細粒子含有廃水用処理剤中のポリ
    アクリルアミド系高分子凝集剤とアルカリ金属炭酸塩の
    濃度が、0.1〜2重量%である請求項6記載の処理方
    法。
  8. 【請求項8】 無機微細粒子含有廃水用処理剤の添加量
    が、0.1〜30ppmである請求項6又は7に記載の
    処理方法。
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