JP2002045900A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents
汚泥の脱水方法Info
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Abstract
み、かつ低含水率のケーキを与えることのできる汚泥の
脱水方法の提供。 【解決手段】汚泥に無機凝集剤を添加し、pHを4〜8
に調整した後、下記両性高分子凝集剤を添加し脱水処理
する汚泥の脱水方法。 両性高分子凝集剤:ジアルキルアミノエチルメタクリレ
ート4級塩(1)、ジアルキルアミノエチルアクリレート
4級塩(2)、(メタ)アクリル酸又はその塩(3)及び(メ
タ)アクリルアミド(4)を構成単量体単位とし、それら
の組成モル比が(3)/〔(1)+(2)〕<0.8である共重
合体からなる両性高分子凝集剤。
Description
れ、かつ低含水率のケーキを与える、両性高分子凝集剤
を使用した汚泥の脱水方法に関するものである。
高分子脱水剤が単独で使用されているが、近年、汚泥発
生量の増加及び汚泥性状の悪化により、従来のカチオン
性高分子脱水剤では、汚泥の処理量に限界があること
や、脱水ケーキ含水率、SS回収率及びケーキのろ布か
らの剥離性等の点で処理状態は必ずしも満足できるもの
ではなく、これらの点の改善が求められている。
点を改良するために、両性高分子凝集剤を使用した脱水
方法が種々提案されているが、十分に満足しうるもので
はなかった。例えば、(1)三級アミノ基を有する両性
高分子脱水剤(特開昭62−205112号公報)、
(2)四級アンモニウム基を含む両性高分子脱水剤(特
開昭53−149292号公報)及び(3)三級を四級
を含む両性高分子脱水剤(特開平3−18900号公
報)等が知られている。
いては、従来のカチオン性高分子脱水剤に比べて凝集性
に優れ、大きな凝集フロックを形成するものの、下水や
し尿の消化汚泥等のpHの高い汚泥に対しては、三級ア
ミノ基の解離状態の問題で著しく性能が低下してしまう
ことや、pHも含めて汚泥濃度等の汚泥性状変化に影響
を受けやすく、安定した処理ができない上、粉末や溶液
状態での製品の安定性の点で従来のカチオン性高分子脱
水剤に比べて劣る等の欠点がある。又、前記(2)の脱
水方法においては、三級アミノ基を含む両性高分子脱水
剤に比べて、製品安定性が良好で、かつ従来のカチオン
性高分子脱水剤に比べて凝集力はあるものの、必要添加
量が多い、ケーキ含水率が高い、ろ布からのケーキの剥
離性が悪い等、改善すべき点が多い。一方、前記(3)
の脱水方法は、該(1)及び(2)の方法が有する欠点
は改善されているものの、必要添加量の点や、ケーキ含
水率の点ではまだ満足できるレベルではなく、実用化に
際しては改善が求められている。
従来の汚泥脱水方法が有する欠点を克服し、凝集脱水性
能に優れ、必要添加量が少なくてすみ、かつ低含水率の
ケーキを与えることのできる汚泥の脱水方法を見出すた
め鋭意検討を行ったのである。
を解決すべく鋭意検討した結果、汚泥に無機凝集剤を添
加した後に特定のpHとし、この後特定の2種のカチオ
ン性単量体、アニオン性単量体及びノニオン性単量体を
必須構成単量体単位とする両性高分子凝集剤を使用する
ことにより当初の目的を達成できることを見出し、本発
明を完成した。以下、本発明を詳細に説明する。尚、本
明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを
(メタ)アクリレートと表し、アクリルアミド又はメタ
クリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表す。
剤は、下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される化合
物を構成単量体単位とし、それらの組成モル比が(3)/
〔(1)+(2)〕<0.8である共重合体からなる。
ドロキシアルキル基、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっ
ていても良い。(X1)-は陰イオンである。〕
ドロキシアルキル基、R5及びR6はそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっ
ていても良い。(X2)-は陰イオンである。〕
ル基、Mは水素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ
金属イオンである。〕
チル基である。R9及びR10は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっ
ていても良い。〕
合物(1)という〕及び一般式(2)で表される化合物〔以下
化合物(2)という〕において、R1及びR4の炭化水素基
としては、メチル基及びエチル基等のアルキル基、並び
にベンジル基等のアリール基等が挙げられる。ヒドロキ
シアルキル基としては、ヒドロキシメチル基等が挙げら
れる。又、R2、R3、R5及びR6において、炭素数1〜
4のアルキル基としては、メチル基及びエチル基等が挙
げられ、該R2とR3、R5とR6は、それぞれにおいて互
いに同一であっても良いし、異なっていても良い。さら
に、(X1)-及び(X2)-の陰イオンとしては、Cl-、B
r-、I-、HSO4 -、1/2SO4 -、NO3 -、CH3C
OO-、HCOO-、CH3SO4 -及びC2H5SO4 -等が
挙げられる。
タクリレートの四級アンモニウム塩であり、具体例とし
ては、ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチ
ル四級化物やジメチルアミノエチルメタクリレートの塩
化ベンジル四級化物等を挙げることができる。
クリレートの四級アンモニウム塩であり、具体例として
は、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四
級化物やジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベン
ジル四級化物等を挙げることができる。
合物(3)という〕において、R7は水素原子又はメチル
基、Mは水素原子又はナトリウムやカリウム等のアルカ
リ金属イオンである。
びメタクリル酸、並びにこれらのアンモニウム塩及びア
ルカリ金属塩を挙げることができる。
合物(4)という〕において、R8は、水素原子又はメチル
基である。R9及びR10は水素原子又はメチル基、エチ
ル基及びプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基であ
り、それらは互いに同一であっても良いし、異なってい
てもよい。
ド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド及びイ
ソプロピルアクリルアミド等を挙げることができる。
み合わせて使用することもできる。
の含有量は化合物(1)単位が0.01〜10モル%、化
合物(2)単位が5〜80モル%、化合物(3)単位が1〜3
0モル%及び化合物(4)単位が20〜90モル%の範囲
にあるのが望ましい。特に本発明においては、前記両性
高分子凝集剤において、化合物(1)単位が0.01〜
0.8モル%の共重合割合であるものが、脱水ケーキの
べたつきが抑制できる為好ましい。
含有割合は、それらの組成モル比が(3)/〔(1)+(2)〕
<0.8である。各構成単位の含有割合が前記関係式を
満たさない場合は、本発明の目的が達せられない。
び(4)構成単位を必須構成単量体単位として含有するも
のであるが、これらの単位を形成するモノマーと共重合
可能なその他のモノマー(以下その他モノマーという)
とを所望に応じ共重合させたものであっても良い。その
他モノマーとしては、カチオン性モノマー、アニオン性
モノマー及びノニオン性モノマーがある。カチオン性モ
ノマーとしては、例えばジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレートの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び酢酸塩
等の三級アンモニウム塩、ジアルキルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド等ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミドの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び
酢酸塩等の三級アンモニウム塩又は塩化メチル、臭化メ
チル、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸及び塩化ベンジル及
び臭化ベンジル等の四級化剤を反応させた四級アンモニ
ウム塩、ビニルピリジンの四級化誘導体を挙げることが
できる。アニオン性モノマーとしては、例えばビニルス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、マレイン酸等及びそれらのアルカリ金属塩を
挙げることができる。ノニオン性モノマーとしては、例
えば、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド等ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリ
ル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、ビニルピリジ
ン、ビニルイミダノール及びアリルアミン等を挙げるこ
とができる。これらその他モノマーは、2種以上を組み
合わせることもできる。
指標である固有粘度で示すと、1N−硝酸ナトリウム又
は1N−塩化ナトリウム水溶液中、温度30℃での測定
値が2デシリットル/g以上であることが好ましく、安
定した脱水処理を達成するには5デシリットル/g以上
がより好ましい。
限はなく、一般的な重合方法を採用することができる。
例えば、水溶液重合であれば、重合開始剤として過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2'−アゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩や、レドックス系の開始
剤等を用いることができる。又、逆相のエマルション重
合であれば、前記重合開始剤以外に、アゾビスイソブチ
ロニトリルや過酸化ベンゾイル等の水不溶性開始剤を用
いて重合を行っても良い。
水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン酸
等、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と混
合して使用しても良い。
泥に適用可能であり、下水、し尿、食品工業及び化学工
業等の一般産業排水で生じる有機性汚泥及び凝集沈降汚
泥を含む混合汚泥等を挙げることができる。
剤を添加した後、pHを4〜8に調整した後、前記両性
高分子凝集剤を添加し、これにより汚泥フロックを形成
させるものである。フロックの形成方法は、公知の方法
に準じる。
ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄及びポ
リ硫酸鉄等を例示できる。
後、pHを4〜8調整する必要があり、好ましくは5〜
7である。pHの調整方法としては、無機凝集剤を添加
した後、当該pH値を満たす場合は、特にpH調整の必
要はないが、本発明で限定する範囲を満たさない場合
は、酸又はアルカリを添加して調整する。酸としては、
塩酸、硫酸、酢酸及びスルファミン酸等を挙げることが
できる。又、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カ
リ、消石灰及びアンモニア等が挙げられる。
を併用することができ、汚泥に、有機カチオン性化合物
を添加した後、前記両性高分子凝集剤を添加することが
好ましい。有機カチオン性化合物としては、ポリマーポ
リアミン、ポリアミジン及びカチオン性界面活性剤等を
例示できる。
ン性化合物の添加量、攪拌速度、攪拌時間等は、従来行
われている脱水条件に従えば良い。又、他のカチオン性
ポリマーやアニオン性ポリマーと併用したり、脱水剤に
添加して混合一液として使用することもできる。
の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとする。
水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水
機及びスクリューデカンター等を例示することが出来
る。
り具体的に説明する。 (製造例1)ステンレス製デュワー瓶に、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート塩化メチル4級塩水溶液(以下
DMCという)、ジメチルアミノエチルアクリレート塩
化メチル4級塩水溶液(以下DACという)、アクリル
酸(以下AAという)及びアクリルアミド水溶液(以下
AMという)を入れ、それぞれが0.8、30.0、2
0.0及び49.2モル%の組成で、全重量が1kg、
全単量体濃度が34質量%になる様に蒸留水を加えた。
続いて窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら溶液温
度を15℃に調節し、これにより単量体混合物水溶液を
得た。次いで、全単量体重量を基準として、塩化第二銅
を銅イオンとして0.3ppm、重合開始剤としてアゾ
ビスアミジノプロパン塩酸塩〔和光純薬(株)製商品名
V-50〕を1000ppm及び亜硫酸水素ナトリウム(Na
HSO3)を12ppmとなる様に加えて重合を開始し、静
置状態で3時間重合を続けた。得られた含水ゲル状の重
合体をデュワー瓶から取り出し、細断した。これを80
℃で5時間乾燥後粉砕して目的の両性高分子凝集剤を得
た。
物性を測定した。それらの結果を表1に示す。 0.1%不溶解分量:高分子凝集剤を純粋に溶解し、4
00mlの0.1質量%(固形分換算)溶液を調製した。
この溶液全量を直径20cm、83メッシュの篩で濾過
し、篩上に残った不溶解分を集めてその容量を測定し
た。 0.5%塩粘度:高分子凝集剤を4質量%の塩化ナトリ
ウム水溶液に溶解し、0.5質量%凝集剤溶液を調製し
た。B型粘度計を用いて、25℃、60rpm、5分後
の凝集剤溶液粘度を測定した。
合開始剤等を、表1に記載の組成に変更する以外は、実
施例1と同様にして両性高分子凝集剤を得た。得られた
両性高分子凝集剤を実施例1と同様にして0.1%不溶
解分量及び0.5%塩粘度を測定した。それらの結果を
表1に示す。
混合汚泥(SS:16400mg/l、VSS:143
00mg/l)200mlを300mlのビーカーに採
取し、ポリ鉄を1000ppmを添加攪拌し、pHを
5.2に調整した。続いて製造例1及び同2並びに比較
製造例1で製造した両性高分子凝集剤のいずれかを添加
後、ジャーテスターを用いて200rpmで1分間攪拌し
て汚泥フロックを生成させ、フロックの粒径を測定し
た。その後、80メッシュの網をフィルターとして用い
て、前記汚泥フロック分散液を重力濾過した。10秒後
の濾液容量を測定しこれを濾過速度として示した。得ら
れたケーキをベルトプレス機を使用して圧縮脱水し含水
量を測定した。これらの測定結果を表2に示した。
のアニオン性単量体単位/カチオン性単量体単位の比が
0.8未満の共重合体を使用した実施例1及び同2の場
合は、良好な脱水性能を示すのに対し、この比が0.8
を超える共重合体を使用した比較例1の場合は、脱水性
に劣っていた。
に対する凝集脱水性能に優れ、必要添加量が少なくてす
み、かつ低含水率のケーキを与えることができる。
9)
キル基、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基であり、それらは互いに同一でも異なっていても良
い。(X1)-は陰イオンである。〕
キル基、R5及びR6はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基であり、それらは互いに同一でも異なっていても良
い。(X2)-は陰イオンである。〕
素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンで
ある。〕
る。R9及びR10は水素原子又は炭素数1〜3のアルキ
ル基であり、それらは互いに同一でも異なっていても良
い。〕
Claims (2)
- 【請求項1】汚泥に無機凝集剤を添加し、pHを4〜8
に調整した後、下記両性高分子凝集剤を添加し脱水処理
することを特徴とする汚泥の脱水方法。 両性高分子凝集剤:下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で
表される化合物を構成単量体単位とし、それらの組成モ
ル比が(3)/〔(1)+(2)〕<0.8である共重合体から
なる両性高分子凝集剤。 【化1】 〔式(1)において、R1は炭化水素基又はヒドロキシアル
キル基、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基であり、それらは互いに同一でも異なっていても良
い。(X1)-は陰イオンである。〕 【化2】 〔式(2)において、R4は炭化水素基又はヒドロキシアル
キル基、R5及びR6はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基であり、それらは互いに同一でも異なっていても良
い。(X2)-は陰イオンである。〕 【化3】 〔式(3)において、R7は水素原子又はメチル基、Mは水
素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンで
ある。〕 【化4】 〔式(4)において、R8は、水素原子又はメチル基であ
る。R9及びR10は水素原子又は炭素数1〜3のアルキ
ル基であり、それらは互いに同一でも異なっていても良
い。〕 - 【請求項2】前記両性高分子凝集剤が、前記式(1)で表
される単量体の共重合割合が全単量体の合計量に対して
0.01〜0.8モル%である共重合体からなることを
特徴とする請求項1記載の汚泥の脱水方法。
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---|---|---|---|
JP2000240079A JP4660896B2 (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | 汚泥の脱水方法 |
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