JP4786786B2 - 床洗浄廃液処理剤、床洗浄廃液処理方法及び床洗浄廃液の再利用方法 - Google Patents

床洗浄廃液処理剤、床洗浄廃液処理方法及び床洗浄廃液の再利用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床洗浄廃液処理剤、床洗浄廃液処理方法及び床洗浄廃液の再利用方法に関し、更に詳しくは、床の洗浄により発生した剥離洗浄廃液等の床洗浄廃液を、環境に与える負荷を低減しつつ、簡易に処理することができると共に、処理後の液部分の再利用を可能にする床洗浄廃液処理剤、床洗浄廃液処理方法及び床洗浄廃液の再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル、コンビニ等多数の人間が出入りする場所では、靴に付着した汚れや、歩行時の靴によるヒールマーク等による床の汚れが激しい。そこで従来より、定期的に清掃を行う他、床を保護して清潔な状態を維持するために、床を洗浄後、弾性床材、硬性床材、木床、カーペット等の床材の種類に合わせて床維持剤を床に塗布している。中でも一般的に用いられている床維持剤は、物理的化学的方法により容易に除去することができる乾燥皮膜を形成するという性質を備えており、かかる性質を備えた床維持剤はフロアーポリッシュと呼ばれる。
【0003】
かかるフロアーポリッシュは通常、ロウ類、ロウ状物質、天然および合成樹脂等を水に乳化又は溶解したものであり、床に塗布すると、乾燥により皮膜を形成して床材を保護し、ほこりやヒールマーク等の汚れを付着しにくくする。そして、汚れの堆積が進んだり、フロアーポリッシュの皮膜の劣化が進むことにより、洗浄が必要となったときには、通常、アルカリ洗剤を用いてフロアーポリッシュの皮膜を洗浄剥雛し、その後、新たなフロアーポリッシュを塗布して床を保護する。そして、フロアーポリッシュを洗浄剥雛する際に発生する剥離洗浄廃液は、下水道が設置されている地域では下水道法に準拠して、下水道法がない地域では水質汚濁防止法に準拠してそれぞれ排水する必要がある。
【0004】
しかし、一般にこれらの剥離洗浄廃液はpHがアルカリ性であり、BOD値及びCOD値が高く、さらにワックス分や樹脂分などが分散、混濁しているので、そのまま排水したのでは、著しい水質汚濁を引き起こし、環境に多大な負荷を与えることになる。よって、そのままでは廃棄できず、大量の水で希釈して排水したり、あるいは、回収して産業廃棄物処理業者に処理を委託する等により処理を行っている。特に、剥離洗浄廃液中のワックス分や樹脂分は、液の外観を不透明にして排水処理を困難にする上に、BOD値、COD値の上昇、臭気、汚れ等による水質汚濁の問題を引き起こすため、できるだけ除去・分離する必要がある。そのために、沈降、ろ過、遠心分離、凝集等の分離手法が採られるが、これらのワックス分や樹脂分は廃液中に細かく分散あるいは乳化しているため、沈降・遠心分離等の物理的手法による分離は困難である。また、ろ過による除去は比較的大〜中程度の粒子を除去するのに有効であるが、微細な粒子は捕捉できず、また、目詰まりを生じて長時間を要する問題もあり実用的ではない。
【0005】
これらの剥離洗浄廃液中のワックス分や樹脂分を除去するため、従来より最も一般的に用いられている方法は、凝集剤を用いて凝集除去する方法である。そして、凝集効率が上げるためには使用する凝集剤の量を増量する必要があるが、多くの凝集剤は鉄、アルミニウム等の金属原子、あるいはBOD値、COD値を高める低分子量物質を含んでいるため、大量に凝集剤を使用することは、環境に対して良いとはいえず、また除去後の凝集物の処理も難しくするという問題がある。また、廃液と凝集剤を十分に混和したり、生じた凝集物が分離できる程度まで大きくさせるには、ある程度整った廃水処理設備が必要となるという問題がある。そこで従来より、簡便な設備的により、低コストで環境への負荷の低い床洗浄廃液の処理方法の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、床の洗浄により発生した剥離洗浄廃液等の床洗浄廃液を、環境に与える負荷を低減しつつ、簡易に処理することができると共に、処理後の液部分の再利用を可能にする床洗浄廃液処理剤、床洗浄廃液処理方法及び床洗浄廃液の再利用方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、炭酸ガスを用いた発泡による微粒子の凝集現象に着目して鋭意検討した結果、凝集剤と炭酸ガス発生剤とを組み合わせて使用することにより、剥離洗浄廃液中のワックス分や樹脂分などを簡易に凝集させ、容易に分離・除去できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
請求項1に係る発明の床洗浄廃液処理剤は、無機系凝集剤並びに炭酸塩及び/又は炭酸水素塩と有機酸とからなる炭酸ガス発生剤を含有し、上記凝集剤及び上記炭酸ガス発生剤を混合して一体化した固形状組成物の形態又は固形状の上記凝集剤及び固形状の上記炭酸ガス発生剤を個別包装した形態である
請求項1に係る発明の床洗浄廃液処理剤を構成する上記「凝集剤」としては、懸濁液中に分散している粒子の凝集を促進させて、フロックを形成することができるものであれば限定はない。かかる凝集剤としては、一般に無機系凝集剤及び有機系凝集剤が挙げられる。
【0009】
上記無機系凝集剤として具体的には、アルミニウム塩(硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等)、鉄塩(硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄等)、及びベントナイト等が挙げられる。また、上記有機系凝集剤として、陰イオン性ポリマー(アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド共重合物、アルギン酸ナトリウム、CMCナトリウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、マレイン酸共重合物等)、陽イオン性ポリマー(ポリエチレンイミン、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、第4級アンモニウム塩、ポリビニルピリジン類、ポリチオ尿素、水溶性アニリン樹脂等)、及び非イオン性ポリマー(ポリアクリルアミド、ポリオキシエチレン、カセイ化デンプン等)等が挙げられる。床洗浄廃液中の粒子はアニオン性であることが多いので、有機系凝集剤としては、カチオン系凝集剤が好ましい。そして、これらの中から単独又は任意の2種類以上を組み合わせて使用できる。例えば、無機系凝集剤は単独で用いても、あるいは2種以上併用してもよい。また、有機系凝集剤は単独で用いることもできるが、通常、特にアニオン系凝集剤では、無機系凝集剤と併用して用いられる。
【0010】
請求項1に係る発明の床洗浄廃液処理剤における上記「凝集剤」の含有量については特に限定はないが、通常、無機系凝集剤を用いる場合は固形物換算で5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは15〜60重量%、最も好ましくは15〜50重量%である。この含有量が5重量%以下では十分な凝集効果が達成されない場合があり、その結果、処理されないワックス分、樹脂分が残留する場合があり、95重量%を超えると、以下に述べる炭酸ガス発生剤の量が相対的に少なくなる結果、発泡によるフロック凝集が不足し、やはり処理されないワックス分、樹脂分が残留する場合があり、好ましくないことがあるからである。また、有機系凝集剤を用いる場合は、0.2〜90重量%、好ましくは0.3〜70重量%、更に好ましくは0.5〜50重量%、最も好ましくは1〜30重量%である。含有量が0.2重量%以下では、十分な凝集効果が達成されない場合があり、90重量%を超えると、有機系凝集剤中の低分子量物質が床洗浄廃液に溶解してBOD値、COD値を高める場合があり、好ましくないことがあるからである。
【0011】
請求項1に係る発明の床洗浄廃液処理剤を構成する上記「炭酸ガス発生剤」としては、反応によって炭酸ガスを発生するものであれば特に限定はないが、特に、炭酸塩及び/又は炭酸水素塩と酸との組み合わせは、効率よく炭酸ガスの気泡を発生させることができるので好ましい。上記「炭酸塩」としては、例えば炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、上記「炭酸水素塩」としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。更に、上記「酸」としては、有機酸、無機酸いずれも使用できるが、水溶性で固体のものが望ましい。上記有機酸としては、例えばコハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルポン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等のオキシ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸並びにこれら有機酸の酸性塩等が挙げられる。また、上記無機酸としては、無水ケイ酸、ホウ酸等が挙げられる。そして、これらの中から単独又は任意の2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0012】
請求項1及び2に係る各発明の床洗浄廃液処理剤における上記「炭酸ガス発生剤」の含有量についても特に限定はないが、通常は固形分換算で5〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、更に好ましくは40〜85重量%、最も好ましくは50〜85重量%である。炭酸ガス発生剤の含有量が5重量%未満では、発生する炭酸ガスの量が不足し、気泡による凝集効果が十分に発揮されない場合があり、好ましくなく、95重量%を超えても、その効果は飽和するので、経済的に好ましくない。また、炭酸ガス発生剤として炭酸塩及び/又は炭酸水素塩と酸とを組み合わせて使用する場合、炭酸ガス発生剤中の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩の割合は、固形分換算で10〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは15〜50重量%、最も好ましくは15〜45重量%とすると、炭酸ガスの気泡の発生効率がよくなる結果、効率良く床洗浄廃液中の凝集物の除去ができることから好ましい。
【0013】
請求項1及び2に係る各発明の床洗浄廃液処理剤は、凝集剤及び炭酸ガス発生剤を必須成分として含んでいれば特に形態には限定されない。例えば、床洗浄廃液処理剤を構成する必須成分である凝集剤及び炭酸ガス発生剤を混合して一体化し、粉末、顆粒、錠剤等の形態としてもよいし、又は、この両成分を個別包装した形態としてもよい。また、請求項1及び2に係る各発明の床洗浄廃液処理剤は、混合して一体化する場合は固形状組成物であるが、両成分を個別包装した形態の場合は、両成分とも粉末、顆粒、錠剤等の固形状とする他、どちらか一方又は両成分とも水溶液等の液状として個別包装した形態とすることもできる。更に、請求項1及び2に係る各発明の床洗浄廃液処理剤には、上記必須成分の他に、必要に応じて、香料、色素、シリコーン、結合剤、滑剤崩壊剤、膨張剤等を適宜添加することができる。
【0014】
請求項3に係る発明の床洗浄廃液処理方法は、上記請求項1又は2に記載の床洗浄廃液処理剤を添加することを特徴とする。
請求項3に係る発明の床洗浄廃液処理方法において、上記「床洗浄廃液処理剤」を添加する方法については特に限定はない。例えば、凝集剤及び炭酸ガス発生剤を混合して一体化した粉末、顆粒、錠剤等を添加する他、各成分を個別包装したものを使用時に混合し、又はそのまま個別包装したものを同時に添加したり、あるいは、どちらか一方の成分を先に添加してから後の成分を添加してもよい。また、固形状で添加してもよく、あるいは、液状で添加してもよい。更に、請求項3に係る発明の床洗浄廃液処理方法において、上記「床洗浄廃液処理剤」の添加量についても特に限定はなく、床洗浄廃液の汚濁度によって適宜変更することができる。
【0015】
また、請求項3に係る床洗浄廃液処理方法により処理される上記「床洗浄廃液」についても、床洗浄の際に生じる廃液であれば特に限定はないが、特に、本発明の床洗浄廃液処理剤は、床洗浄廃液のpH、BOD値、COD値の低下、澄明化に優れていることから、ワックス分や樹脂分を含んだ剥離洗浄廃液や、アルカリ洗浄液を用いた後に生じる洗浄廃液に好適に用いることができる。
【0016】
請求項3に係る発明の床洗浄廃液処理方法によれば、凝集剤により凝集された粒子は比較的小さな状態でも、炭酸ガス発生剤から生じた炭酸ガスの気泡が凝集粒子の表面に付着することにより、凝集粒子は浮上する。このため、従来のようにある程度大きくなるまで凝集物を成長させる必要はない。その結果、効率良く凝集物の除去ができるだけでなく、凝集効率を上げるために使用する凝集剤の量を削減できるので、環境に対する負荷も低減することができる。また、炭酸ガスが浮上する際の液の流れにより、系の撹拌に要する労力も従来ほどは必要でなくなるので、簡便な装置でも効率的な凝集物の分離・除去ができる。更に、炭酸ガスと共に浮上した凝集物のうち比較的小さなものはそのまま処理液の表面に浮遊物として存在するため、それらをすくい取ったり、ろ過又は圧搾等の適当な方法により、容易に床洗浄廃液から除去できる。また、比較的大きい物は再び液中に沈降するが、径が大きいためにろ過等の方法により、やはり容易に床洗浄廃液から除去できる。
【0017】
凝集物を分離・除去した後のろ液は、ほぼ透明になるため、そのまま又は希釈して廃棄しても、水質汚濁を引き起こすことはなく、廃棄することが容易になる。よって、活性汚泥や散水ろ床などの次工程の廃水処理に対する負荷も大幅に改善できる。また、上記ろ液は、そのまま又はpH等の調整を行った後、新たな洗浄液と混合して洗浄液として再使用しても、優れた洗浄性(ワックス除去性)を示すことから、請求項4に係る発明に示すように、上記ろ液を洗浄液の一部として再利用することもできる。これにより、廃液を出さないクローズドな洗浄システムが達成できるので好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を示して、本発明の効果を説明する。
(1)実施例の方法
本実施例及び比較例に用いる床洗浄廃液処理剤として、表1に示す本発明品1〜4及び比較例品1〜2の各床洗浄廃液処理剤をそれぞれ調製した。尚、表1中の配合量の数値の単位は重量%である。そして、フロアワックス(ユシロ化学工業株式会社製、商品名「ポリーズユシロンコートニューS−1」)を塗布した床の上を、洗浄液(ユシロ化学工業株式会社製、商品名「ポリーズユシロンピックモア」の5%希釈液)を用いて剥離洗浄し、得られた床洗浄廃液1リットルを得た。次いで、実施例1〜4及び比較例1〜2として、この床洗浄廃液1リットルに対して、本発明品1〜4及び比較例品1〜2の各床洗浄廃液処理剤を各々80g添加した。尚、床洗浄廃液処理剤を添加しない上記床洗浄廃液そのものを比較例3とした。そして、実施例1〜4において炭酸ガスによる泡の発生がなくなった時点から更に30分間静置した。その後、活性炭(旭化成株式会社製、商品名「シートセミア」)を用いて、上記実施例1〜4及び比較例1〜3の各床洗浄廃液をろ過した。
【0019】
上記ろ過によって得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の各床洗浄廃液のpH、COD値、BOD値、外観、ヘーズ値(%)及び透過度(%)を以下の方法により測定した。その結果を以下の表2に示す。
▲1▼pH:pHメーター(株式会社堀場製作所製、商品名「pHメーターF−14」を用いて測定した。
▲2▼COD及びBOD:JIS−K0102(1998)の方法により測定した。
▲3▼外観:目視により観察した。
▲4▼ヘーズ値(%)及び透過度(%):スガ試験機株式会社製の直読ヘーズコンピューター「HGM−2DP」により、1mm幅のセルを使用して測定した。
【0020】
【表1】
Figure 0004786786
【0021】
【表2】
Figure 0004786786
【0022】
また、上記ろ過によって得られた実施例1の床洗浄廃液を、新たな洗浄液(ユシロ化学工業株式会社製、商品名「ポリーズユシロンピックモア」の5%希釈液)に対して10、20、及び50重量%混合して混合洗浄液として調製した。そして、かかる混合洗浄液と元の洗浄液の洗浄性(ワックス除去性)を、JIS K3920−1991の方法により測定した。尚、フロアワックスとして、商品名「ポリーズユシロンコートニューS−1」(ユシロ化学工業株式会社製)を使用した。その結果を以下の表3に示す。尚、表3中、二重丸は、洗浄性(ワックス除去性)が良好であることを意味する。
【0023】
【表3】
Figure 0004786786
【0024】
(2)実施例の効果
表2に示すように、本発明品1〜4の床洗浄廃液処理剤を添加して、床洗浄廃液の処理を行った結果、床洗浄廃液のpHは、元の床洗浄廃液(比較例3)では10.6とかなり強いアルカリ性であり、凝集剤のみを添加した比較例1では3.9とかなり酸性になっているので、そのまま排水するのが困難である。これに対し、実施例1〜4では、5.6〜7.4と中性〜弱酸性と、ほぼ中性に近く、そのまま排水しても環境に影響を与えることのない適切なpHとなっていることが判る。
【0025】
また、床洗浄廃液のCOD値及びBOD値は、元の床洗浄廃液(比較例3)では103000及び56000とかなり高い値を示している。また、炭酸ガス発生剤のみを使用した比較例2では、98000及び54000と、殆ど比較例3と変わらず、改善傾向を示していないことが判る。一方、凝集剤のみを使用した比較例1のCOD値及びBOD値は61000及び48000と、比較例3と比較して若干は改善されていることが判る。これに対し、実施例1〜4のCOD値及びBOD値は36000〜43000及び38000〜46000と、元の床洗浄廃液(比較例3)及び炭酸ガス発生剤のみを使用した比較例2と比べて著しく低下しており、また、凝集剤のみを使用した比較例1よりもさらに低下していることが判る。特にCOD値は、元の床洗浄廃液(比較例3)の1/2以下となっており、著しいCOD値低下効果を発揮していることが判る。
【0026】
更に、処理後の床洗浄廃液の外観及び透明度を比較すると、元の床洗浄廃液(比較例3)では、外観が混濁し、ヘーズ値が85%と高く、透明度が43%と低いことから、かなり混濁している状態であることが判る。また、炭酸ガス発生剤のみの比較例2でも、外観が混濁し、ヘーズ値が85%、透明度が42%と、ほとんど比較例3と変わらないことから、炭酸ガス発生剤のみでは、床洗浄廃液の外観はほとんど改善されないことが判る。更に、凝集剤のみの比較例1では、ヘーズ値が43%、透明度が88%と、比較例2及び3と比較して若干外観の改善傾向が見られるが、外観は淡黄色の不透明液であり、そのまま排水するにはまだ不十分である。一方、実施例1〜4では、外観が黄色透明液であり、ヘーズ値も13〜17%と、凝集剤のみの比較例1より著しく低下しており、透明度も93〜97%と、凝集剤のみの比較例1よりも優れた値を示している。かかる結果より、凝集剤と炭酸ガス発生剤とを併用した実施例1〜4では、床洗浄廃液の外観が比較例1〜3と比較して、著しく改善されていることが判る。
【0027】
以上より、本発明品1〜4の床洗浄廃液処理剤を添加して床洗浄廃液を処理することにより、床洗浄処理廃液のpHをアルカリ側から中性〜弱酸性とし、BOD値、COD値を下げ、外観も向上させることができる。その結果、処理後の床洗浄廃液は、排水しても河川等の水質を低下させたり、水質汚濁を引き起こすことなく、容易に排水できる状態とすることができる。
【0028】
また、表3に示すように、得られた床洗浄処理液を新たな洗浄液と混合し、混合洗浄液として再度使用しても、元の洗浄液(添加量0)と比較して、洗浄性(ワックス除去性)を低下させることはなく、依然として良好な洗浄性(ワックス除去性)を有することが判る。この結果より、本発明の床洗浄廃液処理剤及びそれを用いた床洗浄廃液処理方法によって得られた床洗浄処理液は、床洗浄時の洗剤希釈液として再使用可能であることが判る。
【0029】
なお、本発明においては、前記具休的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の床洗浄廃液処理剤及び床洗浄廃液処理方法によれば、凝集剤により凝集された粒子は比較的小さな状態でも、炭酸ガス発生剤から生じた炭酸ガスの気泡表面に吸着させて浮上させることができる。その結果、効率良く床洗浄廃液中の凝集物の除去ができるだけでなく、凝集効率が上げるために使用する凝集剤の量を削減できるので、環境に対する負荷も低減することができ、しかも、簡便な装置でも効率的な凝集物の分離・除去ができる。更に、本発明の床洗浄廃液の再利用方法によれば、元の洗浄液と混合して洗浄液として再使用しても、優れた洗浄性(ワックス除去性)を示すことから、床洗浄廃液を出さないクローズドな洗浄システムが達成できる。

Claims (4)

  1. 無機系凝集剤並びに炭酸塩及び/又は炭酸水素塩と有機酸とからなる炭酸ガス発生剤を含有し、
    上記凝集剤及び上記炭酸ガス発生剤を混合して一体化した固形状組成物の形態又は固形状の上記凝集剤及び固形状の上記炭酸ガス発生剤を個別包装した形態である床洗浄廃液処理剤。
  2. 上記有機酸は、ジカルボン酸、オキシ酸、酸性アミノ酸及びこれらの酸性塩の1種又は2種以上である請求項1記載の床洗浄廃液処理剤。
  3. 床洗浄廃液に請求項1又は2に記載の床洗浄廃液処理剤を添加する床洗浄廃液処理方法。
  4. 請求項3記載の方法により処理した床洗浄廃液を洗浄液の一部として再利用する床洗浄廃液の再利用方法。
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