JP3342959B2 - 塗装用プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
塗装用プロピレン系樹脂組成物Info
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Description
及び印刷性を有する新規な塗装用プロピレン系樹脂組成
物に関するものであり、更に詳しくは、優れた塗装性、
接着性及び印刷性を有すると共に、高度な機械的強度バ
ランス(剛性、耐衝撃強度)、良好な成形加工性を保持
し、各種工業部品用の素材として好適な塗装用プロピレ
ン系樹脂組成物に関するものである。
脂材料は、多くの場合全体又は一部分が塗装仕上げされ
てから実用に供されている。しかし、これらのプロピレ
ン系樹脂材料は、その素材自体の構造に極性基を有して
いないことから、直接塗料を塗布した場合に実用レベル
の塗料付着強度を得ることが困難であった。それ故、こ
のようなプロピレン系樹脂材料は、多くの場合、予め成
形した材料の表面を予めTCE(トリクロロエタン)脱
脂処理し、プライマーを塗布したり、プラズマ処理を施
すこと等によって塗料付着性能を向上させていた。
な塗装方法においては、従来から以下に示すような問題
点があった。先ず、TCE(トリクロロエタン)脱脂処
理においては、地球環境の保全からモントリオール議定
書により1995年以降使用禁止になる。また、プライ
マー塗布法においては、高価なプライマーを使用しなけ
ればならないことや、塗装工程数が多くなることから、
塗装コストが高くなるという欠点があるが、それ以外に
もプライマー中の溶媒を揮発させる必要があることから
火災の危険性を伴い安全性にも問題があった。一方、プ
ラズマ処理法においては、高度の真空状態が必要である
ために、高価な装置を設置しなければならず、しかも、
バッチ式のためにコストの上昇を避けることができなか
った。更に、最近では複雑な形状をした成形品が要求さ
れる様になったが、この様な複雑な形状の成形品には均
一なプラズマ処理が施し難く、また、異物に接触すると
塗料の付着性が低下するために、塗装性能にばらつきを
生じることもあり、取扱いが非常に不便であった。
におけるTCE(トリクロロエタン)脱脂処理、プライ
マー塗布、プラズマ処理の工程を省略することができれ
ば、塗装工程の簡略化、作業環境の改善、コストの低減
化を図ることが可能となることから、これまでにもこれ
らの工程を省略しようと多くの研究がなされてきた。例
えば、水酸基変性されたポリプロピレンを含む樹脂組成
物(特公平5−64660号公報)、不飽和カルボン酸
グラフトポリプロピレンを含む樹脂組成物(特開平5−
59231号公報)、エチレン系エラストマー及び帯電
剤を付加したポリプロピレンを含む樹脂組成物(特開平
6−9835号公報)等が提案されている。しかしなが
ら、これらの組成物の成形品は、塗料を直接塗布した場
合、塗料付着強度が必ずしも十分でなく、特に高度な機
械的強度バランス、とりわけ高い剛性・衝撃強度を同時
に求める場合には、実用レベルの塗料付着強度を得よう
とすると、TCE(トリクロロエタン)脱脂処理やプラ
イマー塗布のどちらかの処理が事実上必要であった。ま
た、これらの組成物の成形品の塗料を直接塗布した場合
の塗料付着強度は、塗料の種類によっては著しく低下
し、特にメラミン系塗料に対してはその傾向が強く、実
用レベルの塗料付着強度と、高度な機械的強度バランス
(高い剛性と低温衝撃強度)・良好な成形加工性とを並
立させることは困難なことであった。
化等の目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、
特定のプロピレン系樹脂組成物を用いて成形した成形品
が塗料を直接塗布したにも拘らず実用十分な塗料付着強
度を有し、且つ高度な機械的強度バランスと成形加工性
を有していることを見い出して本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の塗装用プロピレン系樹脂組成物
は、下記の成分(a) 〜成分(d) から成ることを特徴とす
るものである。 成分(a) : 結晶性ポリプロピレン部分(A単位部)とエチレン・プロピレンラ ンダム共重合部分(B単位部)とを含有するプロピレン・エチレンブロック共重 合体: 100重量部 成分(b) : スチレン系エラストマー、又は、ブテン−1含量25〜40重量% 、密度0.87g/cm3 以下、かつメルトフローレート(MFR:230℃、 2.16kg)0.5〜10(g/10分)のエチレン・ブテン−1二元共重合 ゴム(EBM)から選ばれた少なくとも一種のエラストマー成分:5〜80重量 部 成分(c) : 無水マレイン酸又は次式で表わされる水酸基含有無水マレイン酸誘 導体が、プロピレン系重合体に該成分(c) 全体の3〜25重量%の割合でグラフ トした変性プロピレン単独重合体又は同プロピレンとエチレンとのブロック或い はランダム共重合体: 2〜40重量部
を表わす。) 成分(d) : 平均アスペクト比が2以上のフィラー: 5〜80重量部
成分(a) のプロピレン・エチレンブロック共重合体は、
結晶性ポリプロピレン部分(A単位部)とエチレン・プ
ロピレンランダム共重合部分(B単位部)を含有するプ
ロピレン・エチレンブロック共重合体であって、上記A
単位部はプロピレンの単独重合によって得られるもので
あり、また、上記B単位部はプロピレンとエチレンとの
ランダム共重合によって得られるものである。ここでA
単位部は、特に耐熱剛性の点で該プロピレン・エチレン
ブロック共重合体中に、好ましくは60〜95重量%、
より好ましくは75〜94重量%の割合を占めているこ
とが良く、また、その密度は同じく耐熱剛性の点で0.
9070g/cm3 以上が好ましく、0.9086g/
cm3 以上であることがより好ましい。また、B単位部
は、特に塗料付着性と耐衝撃性の点で該プロピレン・エ
チレンブロック共重合体中に、好ましくは5〜40重量
%、より好ましくは6〜25重量%の割合を占めている
ことが良く、そのエチレン含量は同じく塗料付着性と耐
衝撃性の点で好ましくは20〜80重量%、より好まし
くは25〜50重量%の割合を占めているものが良い。
全体のMFRは5〜500g/10分、特に10〜10
0g/10分のものが好ましく、また、該プロピレン・
エチレンブロック共重合体全体の重量平均分子量/数平
均分子量(Mw/Mn)は成形加工性及び成形品外観の
点で7以上、特に8以上のものが好ましい。なお、該プ
ロピレン・エチレンブロック共重合体のB単位部の含量
は、2gの試料を沸騰キシレン300g中に20分間浸
漬して溶解させた後、室温まで冷却し、それによって析
出した固相をガラスフィルターで槇過、乾燥して求めた
固相重量から逆算した値である。また、上記重量平均分
子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した
ものであり、エチレン含量の値は赤外線スペクトル分析
法等により、また、MFRの値はJIS−K7210
(230℃、2.16kg)に準拠して測定したもので
ある。
重合体は、高立体規則性重合触媒を用いてスラリー重
合、気相重合、或いは、液相塊状重合により製造される
ものであり、該プロピレン・エチレンブロック共重合体
を製造する重合方式としてはバッチ重合、連続重合どち
らの方式も採用することができる。このプロピレン・エ
チレンブロック共重合体を製造するに際しては、どちら
の部分を先にして重合しても良いが、最初にプロピレン
の単独重合によって結晶性ポリプロピレン部分(A単位
部)を形成し、次にプロピレンとエチレンのランダム共
重合によってエチレン・プロピレンランダム共重合部分
(B単位部)を形成したものが品質上から好ましい。
に四塩化チタン、有機酸ハライド及び有機珪素化合物を
接触させて形成した固体成分に、有機アルミニウム化合
物成分を組み合わせた触媒を用いて、プロピレンの単独
重合を行ない、次いで、プロピレンとエチレンとのラン
ダム共重合を行なうことによって製造することができ
る。また、このプロピレン・エチレンブロック共重合体
は、本発明の効果を損なわない範囲内で他の不飽和化合
物、例えばブテン−1等のα−オレフィン、酢酸ビニル
の様なビニルエステル等を含有する三元以上の共重合体
であってもこれらの混合物であっても良い。
成分(a) 〜成分(d) の各成分は、本成分(a) のプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体100重量部を基準とし
て配合される。また、成分(b) 以下の各成分の配合割合
は後記する如くである。
成分(b) のエラストマー成分は、スチレン系エラストマ
ー、又は、ブテン−1含量25〜40重量%、好ましく
は30〜40重量%、特に好ましくは30〜36重量
%、密度0.87g/cm3 以下、好ましくは0.84
〜0.87g/cm3 、特に好ましくは0.85〜0.
87g/cm3 、かつMFR(230℃、2.16k
g)0.5〜10(g/10分)、好ましくは0.6〜
8(g/10分)のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴ
ム(EBM)から選ばれた少なくとも一種のエラストマ
ーである。
スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重
合体、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合
体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン・エチレン・ブチレンランダム共
重合体及びこれらの混合物等を挙げることができる。中
でもスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック
共重合体が好ましく、特にスチレン含量が5〜20%、
かつMFR(230℃、2.16kg)が5(g/10
分)以上のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブ
ロック共重合体が塗料付着性能と機械的強度バランスを
向上させることができる点で好ましい。
ム(EBM)の上記範囲以外のものは、塗料付着性能と
機械的強度バランスが不良で、不適当である。従来、エ
チレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EBM)において
は、25重量%を超えたブテン−1含量のものや、密度
が0.87g/cm3 以下、すなわち、低結晶性のもの
は、その製造が極めて困難(特にペレット状)であった
が、重合触媒や重合プロセスの改良で製造可能となり、
本発明の効果を発現させることが可能となった。なお、
ブテン−1含量やスチレン量は赤外線スペクトル分析法
等の常法によって測定される値である。これらのエラス
トマーはベール状、ペレット状、フレーク状、クラム状
等を問わず、また、その製造法も特に限定されない。
成分(b) のエラストマーの配合割合は、上記成分(a) 1
00重量部に対して、5〜80重量部、好ましくは10
〜80重量部、特に好ましくは30〜80重量部配合さ
れる。配合割合が、上記範囲未満では塗料付着性能や衝
撃強度が劣り、上記範囲を超えると成形品外観、耐熱剛
性や寸法安定性が劣るようになり実用性がない。
(c) の変性プロピレン系重合体は、無水マレイン酸又は
次式で表わされる水酸基含有無水マレイン酸誘導体が、
プロピレン系重合体中に該成分(c) 全体の3〜25重量
%、好ましくは5〜20重量%の割合でグラフトした変
性プロピレン単独重合体、変性プロピレン・エチレンブ
ロック共重合体又は変性プロピレン・エチレンランダム
共重合体である。グラフトは、該プロピレン系重合体の
主鎖の少なくとも片末端、及び/又は、該主鎖中にグラ
フトモノマーが結合した形で行なわれる。
を表わす。) ここで、プロピレン系重合体の主鎖部の数平均分子量は
1,000〜20,000が好ましく、特に3,000
〜15,000が好ましい。該変性プロピレン系重合体
の製造法は、特に限定されない。例えば、予めプロピレ
ン系重合体を熱酸化せしめた後、官能基をグラフトした
り、押出機や溶液中でグラフトされる方法等を挙げるこ
とができる。
成分(c) の変性プロピレン系重合体の配合割合は、上記
成分(a) 100重量部に対して、2〜40重量部、好ま
しくは5〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部
配合される。配合割合が上記範囲未満では塗料付着性能
が劣り、また、上記範囲を超えると機械的強度バランス
が劣るようになり実用性がない。
(d) のフィラー成分は、平均アスペクト比が2以上、好
ましくは3以上、特に好ましくは5以上の少なくとも一
種のものである。平均アスペクト比が上記範囲未満のも
のは機械的強度バランスが不良で不適当である。特に好
ましい具体例としては、長さが実質的に15μm以下、
平均粒径が1.5〜6μmかつ平均アスペクト比が5以
上のタルク、平均粒径が8〜100μmかつ平均アスペ
クト比が10以上のマイカ、また、平均直径が6μm以
下でかつ平均アスペクト比が5以上の繊維状フィラー等
が挙げることができ、これらの中でも上記タルクが特に
好ましい。ここで、タルクの長さが「実質的に」とは、
殆どのタルク粒子がこの範囲にあるものを言う。
機やミクロン型粉砕機で粉砕して、更にミクロンミル、
ジェット型粉砕機で微粉砕した後、サイクロンやミクロ
ンセパレーター等で分級調整し製造する。原石は中国産
が金属不純物成分が少ないので好ましい。マイカは、白
マイカ、金マイカ、黒マイカ等の種類や製法の異なるも
のがあり、特にそれらについては限定されないが、好ま
しくは白マイカ及び金マイカであり、特に湿式粉砕や湿
式分級の白マイカ及び金マイカが好ましい。繊維状フィ
ラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、硼酸アルミニウ
ム繊維、チタン酸カリウム繊維、塩基性硫酸マグネシウ
ム繊維、炭酸カルシウム繊維等を挙げることができる。
これらの中で好ましいものは平均直径が0.2〜5μm
のものであり、平均アスペクト比が10以上のものであ
る。
乱方式粒度分布計を用いて測定した値であり、そのよう
な測定装置としては、例えば堀場製作所製LA−500
型は測定精度が優れているので望ましい。また、直径、
長さとアスペクト比は顕微鏡等により測定した値であ
る。これらの好ましいフィラーは、塗料付着性能と機械
的強度バランスをより一段と高度化させることができ
る。これらフィラーは、界面活性剤、カップリング剤、
金属石鹸等で表面処理を施したものでも良い。該表面処
理したフィラーは、塗料付着性、機械的強度バランス、
成形品外観及び寸法安定性等の更なる向上に有効であ
る。
成分(d) のフィラーの配合割合は、上記成分(a) 100
重量部に対して、5〜80重量部、好ましくは5〜70
重量部、特に好ましくは10〜60重量部配合される。
配合割合が上記範囲未満では耐熱性や寸法安定性が劣
り、また、上記範囲を超えると成形品外観や衝撃強度が
劣るようになり実用性がない。
分) 本発明の塗装用プロピレン系樹脂組成物においては、本
発明の効果を著しく損なわない範囲で、或いは、更に性
能の向上を計るために、上記成分(a) 〜成分(d) の必須
成分以外に、以下に示す任意の添加材や配合材成分を配
合することができる。具体的には、着色するための顔
料、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、光安定
剤、核剤、上記成分(a) 〜成分(d) 以外の各種樹脂、エ
チレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)、エチレ
ン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム(EPDM)、
エチレン・プロピレン・ブテン−1三元共重合ゴム等の
エチレン系エラストマー等の各種エラストマー、各種フ
ィラー等の配合材を挙げることができる。
合割合で配合して、一軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグ
ラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練・造粒す
ることによって本発明の塗装用プロピレン系樹脂組成物
が得られる。この場合、各成分の分散を良好にすること
ができる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通
常は二軸押出機を用いて混練・造粒が行なわれる。この
混練・造粒の際には、上記成分(a) 〜成分(d) 、場合に
より成分(e) の配合物を同時に混練しても良く、また性
能向上を計るべく各成分を分割、例えば、先ず成分(a)
と成分(b) 成分の一部または全部を混練し、その後に残
りの成分を混練・造粒することも出来る。
は、各種成形方法、すなわち、射出成形、射出圧縮成形
(プレスインジェクション)、圧縮成形、押出成形(シ
ート成形、フィルム成形、ブロー成形)等にて成形する
ことによって、各種成形品を得ることができるが、これ
ら各種成形方法の中でも、射出成形(ガス射出成形も含
む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)により
成形することが好ましい。
性、具体的には成形品に塗料(特に、一般的に高い塗料
付着性能を得ることが困難なメラミン系)を直接塗布す
るだけで実用十分な塗料付着性能を得ることができる上
に、高度な機械的強度バランス及び良好な成形加工性を
有し、接着性や印刷性も良好であるため、各種工業部品
用成形材料として、実用に充分な性能を有している。
に詳細に説明するために、以下に実験例を示して具体的
に説明するが、本発明はこれらの実験例によって限定さ
れるものではない。 [I] 原材料 (1) 成分(a) …いずれもパウダー状 a−1:密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリプ
ロピレン部分(A単位部)92重量%、エチレン含量が
41重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合部分
(B単位部)8重量%を各々含有し、成分(a) 全体の重
合MFR(230℃、2.16kg)が9g/10分、
成分(a) 全体のMw/Mnが8.2であるプロピレン・
エチレンブロック共重合体 a−2:密度が0.9089g/cm3 の結晶性ポリプ
ロピレン部分(A単位部)93重量%、エチレン含量が
39重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合部分
(B単位部)7重量%を各々含有し、成分(a) 全体の重
合MFR(230℃、2.16kg)が55g/10
分、成分(a) 全体のMw/Mnが8.1であるプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体 a−3:密度が0.9092g/cm3 、MFR(23
0℃、2.16kg)が12g/10分、Mw/Mnが
5.3であるプロピレン単独重合体
2.16kg)9g/10分、密度0.90g/cm3
のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共
重合体(SEBS) b−2:ブテン−1含量34重量%、MFR(230
℃、2.16kg)3.5g/10分、密度0.86g
/cm3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EB
M) b−3:ブテン−1含量32重量%、MFR(230
℃、2.16kg)0.9g/10分、密度0.86g
/cm3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EB
M) b−4:スチレン含量36重量%、MFR(230℃、
2.16kg)0.5g/10分、密度0.92g/c
m3 のスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合
体(SEP) b−5:プロピレン含量27重量%、MFR(230
℃、2.16kg)0.6g/10分、密度0.87g
/cm3 のエチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EP
M) b−6:プロピレン含量28重量%、MFR(230
℃、2.16kg)0.2g/10分、密度0.87g
/cm3 のエチレン・プロピレン・エチリデンノルボル
ネン三元共重合ゴム(EPDM) b−7:ブテン−1含量21重量%、MFR(230
℃、2.16kg)1g/10分、密度0.88g/c
m3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EBM) b−8:ブテン−1含量18重量%、MFR(230
℃、2.16kg)4g/10分、密度0.89g/c
m3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EBM)
10分、数平均分子量7,000、エチレン含量が3重
量%のプロピレン・エチレンランダム共重合を熱酸化
し、更にアゾ系ラジカル開始剤により主鎖の両末端と主
鎖中に,該成分(c)全体の10重量%の割合で、無水マ
レイン酸基をグラフトし、更にこの無水マレイン酸基を
エタノールアミンにて変性した変性プロピレン重合体 c−2:MFR(230℃、2.16kg)が50g/
10分、数平均分子量7,000、エチレン含量が3重
量%のプロピレン・エチレンランダム共重合を熱酸化
し、更にアゾ系ラジカル開始剤により主鎖の両末端と主
鎖中に,該成分(c)全体の10重量%の割合で、無水マ
レイン酸基をグラフトした変性プロピレン重合体
平均粒径が2.5μmで平均アスペクト比が6のタルク d−2:平均直径が0.4μmで、平均アスペクト比が
30の塩基性マグネシウム繊維
℃、2.16kg)1.3g/10分、密度0.88g
/cm3 のエチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EP
M)
アースプレーガンを用いて、塗膜厚さが約25μmにな
るようにスプレー塗布した。 (焼付け処理)塗装した平板を、140℃で20分間、
焼付け乾燥した。その後48時間室温で放置した。
験片を、40℃の温水中に240時間浸漬した後、24
時間室温で放置した。その後、片刃剃刀を用い25μm
厚に塗装した試験片の表面に直行する縦横11本づつの
平行線を2mm間隔で引いて碁盤目を100個作った。
その上にセロハン粘着テープ(JIS−Z1522)を
十分圧着し、塗膜面と約30度に保ち、手前に一気に引
き剥がす作業を5回繰り返し、碁盤目で囲まれた部分の
状態を観察して、剥離しなかった碁盤目の数を記録し
た。この際、剥離の無かった試験片については、更に5
回繰り返した。通常、最初の5回で剥離が無ければ実用
レベルである。
RをJIS−K7210(230℃、2.16kg)に
準拠し測定した。この場合、MFRが5g/10分以上
のものは成形加工性が良好で、10g/10分以上のも
のは特に良好である。
た。測定温度は23℃である。本値は耐熱性の目安とも
なる。特に13,000kg/cm2 以上のものは各種
工業部品用に有用であり、15,000kg/cm2 以
上のものは特に有用である。 (ダート衝撃強度)直径20mm、荷重4kgのダート
を高さ2mより射出成形したシート(100mm×10
0mm×3mm)上に落下せしめ、その際の衝撃吸収エ
ネルギーを求めた。測定温度は−30℃である。特に8
0kg・cm以上のものは各種工業部品用に有用であ
る。 (アイゾット衝撃強度)…一部サンプルに関し測定 JIS−K7110に準拠(ノッチ付き)して測定し
た。測定温度は−30℃である。特に5kg・cm/c
m2 以上のものは各種工業部品用に有用である。
23℃で測定した。特に1.06g/cm3 以下のもの
は軽量にも拘らず、優れた強度を有し好ましい。
1に示す割合で配合し、更にテトラキス〔メチレン‐3
‐(3′,5′‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタンを、成分(a) 〜成分
(d) 或いは成分(a) 〜成分(e) の合計量100重量部換
算で0.1重量部を各々配合し、高速ミキサーにてこれ
らを充分に混合した(ただし、繊維状フィラー成分d−
2は次記押出機にて途中フィードした。)。その後、神
戸製鋼(株)製高速型二軸押出機(KCM型)を用い
て、210℃の温度条件下にて混練造粒し、得られたペ
レットを上記射出成形機へ供給して、塗装用シート試験
片及び物性測定用試験片を成形して、評価を行なった。
その評価結果を表1に示す。表1に示す様に実施例1〜
6に示す組成を持った樹脂組成物は、いずれも良好な塗
料付着性能、機械的強度バランス及び成形加工性を有す
ると共に、軽量であった。一方、比較例1〜8に示した
ものは、これらの性能バランスが不良であった。
は、優れた塗装性、具体的にはTCE前処理やプライマ
ー塗布を施すことなく、成形品に塗料(特に、一般的に
高い塗料付着性能を得ることが困難なメラミン系)を直
接塗布するだけで実用十分な塗料付着性能を得ることが
できる上に、高度な機械的強度バランス(特に高い剛性
と低温衝撃強度)及び成形加工性に極めて優れ、更に軽
量で、寸法安定性にも優れているので、各種の工業部品
として適用が期待できるので、工業的に極めて重要な素
材である。
Claims (6)
- 【請求項1】下記の成分(a) 〜成分(d) からなることを
特徴とする塗装用プロピレン系樹脂組成物。 成分(a) : 結晶性ポリプロピレン部分(A単位部)とエチレン・プロピレンラ ンダム共重合部分(B単位部)とを含有するプロピレン・エチレンブロック共重 合体: 100重量部 成分(b) : スチレン系エラストマー、又は、ブテン−1含量25〜40重量% 、密度0.87g/cm3 以下かつメルトフローレート(230℃、2.16k g)0.5〜10(g/10分)のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EB M)から選ばれた少なくとも一種のエラストマー成分: 5〜80重量 部 成分(c) : 無水マレイン酸又は次式で表わされる水酸基含有無水マレイン酸誘 導体が、プロピレン系重合体に該成分(c) 全体の3〜25重量%の割合でグラフ トした変性プロピレン単独重合体又は同プロピレンとエチレンとのブロック或い はランダム共重合体: 2〜40重量部 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表わす。) 成分(d) : 平均アスペクト比が2以上のフィラー: 5〜80重量部 - 【請求項2】成分(a) が、A単位部がブロック共重合体
の60〜95重量%を占め、その密度が0.9070g
/cm3 以上であり、B単位部がブロック共重合体の5
〜40重量%を占め、そのエチレン含量が20〜80重
量%であり、かつ、成分(a)全体のメルトフローレート
(230℃、2.16kg)が5〜500g/10分
で、成分(a) 全体の重量平均分子量/数平均分子量が7
以上であるブロック共重合体である、請求項1に記載の
塗装用プロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】成分(b) のスチレン系エラストマーが、ス
チレン含量が5〜20重量%且つメルトフローレート
(230℃、2.16kg)が5g/10分以上のスチ
レン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体
である、請求項1に記載の塗装用プロピレン系樹脂組成
物。 - 【請求項4】成分(c) が、次式で表わされる水酸基含有
無水マレイン酸誘導体がプロピレン系重合体に該成分
(c) 全体の5〜20重量%の割合でグラフトした数平均
分子量が3,000〜15,000の変性プロピレン単
独重合体又は同プロピレンとエチレンとのブロック或い
はランダム共重合体である、請求項1に記載の塗装用プ
ロピレン系樹脂組成物。 【化2】 - 【請求項5】成分 (d)が、実質的に全体の長さが15μ
m以下であって平均粒径が1.5〜6μmかつ平均アス
ペクト比が5以上のタルク、平均直径が8〜100μm
かつ平均アスペクト比が10以上のマイカ、又は、平均
直径が6μm以下かつ平均アスペクト比が5以上の繊維
状フィラーから選ばれた少なくとも一種のフィラーであ
る、請求項1に記載の塗装用プロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項6】樹脂組成物が、曲げ弾性率13,000k
g/cm2 以上、−30℃ダート衝撃強度80kg・c
m以上、−30℃アイゾット衝撃強度5kg・cm/c
m2以上、メルトフローレート(230℃、2.16k
g)5g/10分以上、かつ密度1.06g/cm3 以
下の性能を有するものである、請求項1に記載の塗装用
プロピレン系樹脂組成物。
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