JP3341673B2 - ボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
ボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法Info
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Description
レス鋼の連続鋳造において、特に鋳片の表面欠陥の発生
を防止する連続鋳造方法に関する。
子吸収能が高く、また耐食性も優れていることから、原
子力発電所の遮蔽材料や使用済み核燃料の貯蔵容器材料
として使用されている。
強いため凝固時の組織変態や残留熱応力等により表面欠
陥が発生し易いという問題がある。ボロン含有ステンレ
ス鋼を連続鋳造すると、溶鋼中のボロンとモールドパウ
ダまたは溶融スラグ中のSiO2 とが反応して、B2 O
3 が発生しSiO2 が減少する。溶融スラグ中のB2O
3 濃度が増大すると、溶融スラグの粘度が低下するとと
もにパウダフィルムのガラス質化が促進される。その結
果、鋳型内壁と凝固殻との間に溶融スラグが不均一に流
入し、深いオシレ−ションマ−クや凹み疵、更にはブレ
−クアウトが発生する。また、上記ガラス質化に伴い、
パウダフィルムの熱抵抗が低下して抜熱量が増大するた
め鋳片が急冷され、鋳片表面に縦割れが発生する。した
がって、ボロン含有ステンレス鋼を連続鋳造により安定
して製造することは難しかった。
309483号公報には、モールドパウダの融点を溶鋼
の液相線温度に対して一定の温度差内に調整して連続鋳
造する方法が開示されている。しかし、この方法におい
ても、溶融パウダの適正な流入により、深いオシレ−シ
ョンマ−ク、ディプレッションやブレ−クアウト等の発
生は抑制されるものの、上述したB2 O3 の増加にとも
なうパウダフィルムのガラス質化に起因する鋳片表面の
縦割れの発生は依然問題である。
有ステンレス鋼の連続鋳造において、ブレ−クアウトや
鋳片表面の縦割れ等の発生を防止することを課題とす
る。
いては、CaO、SiO2 、CaF2 を基材とし、これ
にNa2 O等を配合したモールドパウダが用いられてい
る。その中でもSiO2 は20〜40重量%程度の濃度
を占め、T.CaOのSiO2 に対する重量濃度比は
0.8〜1.3程度の範囲に調整されている。
すると、溶鋼中のボロンとモールドパウダまたは溶融ス
ラグ中のSiO2 とが反応して溶融スラグ中のB2 O3
濃度が増加し、溶融スラグの粘度低下やパウダフィルム
のガラス質化が促進される。したがって、ボロン含有ス
テンレス鋼の連続鋳造においては、モールドパウダのS
iO2 濃度を低減して、溶融スラグ中のB2 O3 濃度の
上昇を抑制する必要がある。しかし、SiO2 濃度を低
減するとモールドパウダの溶融温度が上昇し、溶融スラ
グによる鋳型内壁と凝固殻との間の潤滑が悪化するとい
う問題があり、SiO2 濃度を20%程度以下に低減す
ることは困難であった。
するとともに、F濃度を増加することにより、SiO2
濃度の低減に伴う前記溶融温度の上昇の抑制の可能性を
追求し、種々のモールドパウダによる連続鋳造試験を重
ね、下記の知見を得た。
重量%以下とすることにより、溶融スラグ中に生成する
B2 O3 濃度の上昇を抑制することができる。
およびFを配合することにより、上記SiO2 濃度の低
減に伴うモールドパウダの溶融温度の上昇を抑制するこ
とができる。
MgOを配合することにより、上記(b) の効果をより効
果的にすることができる。
要旨は以下(1) 〜(3) のとおりである。 (1) CaO、Al2 O3 およびFを含有し、さらにSi
O2 の濃度が0〜15重量%で、下記に示すT.CaO
のAl2 O3 に対する重量濃度比(T.CaO/Al2
O3 )が0.5以上2.5以下で、F濃度が5〜30重
量%である連続鋳造用モールドパウダを用いて、ボロン
を0.4〜4.0重量%含有するステンレス鋼を連続鋳
造することを特徴とするボロン含有ステンレス鋼の連続
鋳造方法。
0重量%であることを特徴とする上記(1) 項に記載のボ
ロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法。
度が2〜10重量%であることを特徴とする上記(1) 項
または(2) 項に記載のボロン含有ステンレス鋼の連続鋳
造方法。
は、CaO、Al2 O3 およびFを含有し、さらに、S
iO2 の濃度が0〜15重量%で、T.CaOのAl2
O3 に対する重量濃度比(T.CaO/Al2 O3 で、
以下、Al2 O3 重量濃度比ともいう)が0.5以上
2.5以下で、F濃度が5〜30重量%であることを特
徴とし、このモールドパウダを用いて、ボロンを0.4
〜4.0重量%含有するステンレス鋼を連続鋳造するこ
とにより、ブレ−クアウトや鋳片表面の縦割れ等の発生
を防止することができる。
するために、SiO2 濃度は、0〜15重量%とする。
SiO2 濃度が15重量%を超えると、溶融スラグ中の
B2O3 濃度が増加し、前述したように深いオシレ−シ
ョンマ−クやブレ−クアウトあるいは鋳片表面に縦割れ
が発生する。好ましくは、10重量%以下である。な
お、SiO2 濃度は、0重量%が最も望ましいが、通常
用いられる原料からモールドパウダを製造すると、Si
O2 濃度の下限は3重量%程度である。
ウダの溶融温度の上昇を抑制するため、Al2 O3 重量
濃度比は、0.5以上2.5以下とする。Al2 O3 重
量濃度比が0.5未満あるいは2.5を越えると、モー
ルドパウダの溶融温度が高くなり、鋳型内壁と凝固殻と
の間の潤滑が悪化する。好ましくは、0.5以上1.5
以下である。
め、Fは、5重量%以上30重量%以下とする。F濃度
が5重量%未満では溶融温度が高く、30重量%を越え
ると浸漬ノズルの溶損が激しくなる。好ましくは、15
%以上30%以下である。
ールドパウダの溶融温度は1100〜1250℃程度に
なり、鋳型内壁と凝固殻との間の潤滑を良好に維持する
ことができる。
は、Na2 O濃度が2重量%以上10重量%以下である
ことを特徴とする。Na2 Oは、モールドパウダの溶融
温度を調整するもので、2重量%未満では添加した効果
が少なく、10重量%を越えると溶融温度が1300℃
以上に上昇し、鋳型内壁と凝固殻との間の潤滑が悪化す
る。
ダは、MgO濃度が2重量%以上10重量%以下である
ことを特徴とする。MgOは、モールドパウダの溶融温
度を調整するもので、2重量%未満では添加した効果が
少なく、10重量%を越えると溶融温度が1300℃以
上に上昇し、鋳型内壁と凝固殻との間の潤滑が悪化す
る。
るために配合されるCは、従来と同様でよく、好ましく
は、その濃度が1重量%以上5重量%以下である。本発
明に係るモールドパウダは上記の成分を有することを特
徴とするが、その他の成分は従来のままでよく、その配
合割合は鋳造条件によって決定される。例えば、下記の
組成例が例示される。
0) Al2 O3 (重量%):19〜45(好ましくは、25
〜45) F(重量%):5〜30(好ましくは、15〜30) Na2 O(重量%):0〜6(好ましくは、3〜6) MgO(重量%):0〜6(好ましくは、3〜6) C(重量%):1〜5
ンを0.6〜3.5重量%含有した溶鋼を溶製し、表1
に示す連続鋳造実験条件で、幅1030mm×厚150
mmの鋳片を製造した。
状ランクおよびブレークアウトの発生有無をモールドパ
ウダの配合成分と溶鋼中のボロン濃度と共に示す。ここ
で、縦割れ発生ランクは、鋳片の単位長さに対する縦割
れ長さ総数の割合(%)が、80%を越える場合をCラ
ンク、10〜80%の場合をBランク、10%未満の場
合をAランクとした。また表面性状ランクは、鋳片の単
位面積当たり(m2 )に深さ2mm以上の凹み疵が20
個以上の場合をCランク、6個以上19個以下の場合を
Bランク、5個以下の場合をAランクとした。
ず、縦割れの発生が少なく、かつ表面性状が良好な鋳片
を得ることができた。比較例のNo.13、14では、
ブレークアウトは発生しなかったが、縦割れ発生ランク
がCとなった。SiO2 濃度が高く、鋳造中に溶融スラ
グ中のB2 O3 濃度が上昇し、そのためパウダ−フィル
ムのガラス質化が促進され熱抵抗の低下による鋳片の急
冷により縦割れが著しく発生したものと推察される。
アウトが発生し、また、縦割れ発生ランク、表面性状ラ
ンクとも、本発明例に比べ不良であった。モールドパウ
ダの溶融温度上昇により、鋳型内壁と凝固殻との間の潤
滑が不良になりブレ−クアウトが発生したものと推察さ
れる。
させることなく、表面品質が良好なボロン含有ステンレ
ス鋼を連続鋳造により安定して製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 CaO、Al2 O3 およびFを含有し、
さらにSiO2 の濃度が0〜15重量%で、下記に示す
T.CaOのAl2 O3 に対する重量濃度比(T.Ca
O/Al2 O3 )が0.5以上2.5以下で、F濃度が
5〜30重量%である連続鋳造用モールドパウダを用い
て、ボロンを0.4〜4.0重量%含有するステンレス
鋼を連続鋳造することを特徴とするボロン含有ステンレ
ス鋼の連続鋳造方法。 T.CaO=CaO+CaF2 ×(56/78) - 【請求項2】 連続鋳造用モールドパウダのNa2 O濃
度が2〜10重量%であることを特徴とする請求項1に
記載のボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法。 - 【請求項3】 連続鋳造用モールドパウダのMgO濃度
が2〜10重量%であることを特徴とする請求項1また
は2に記載のボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11361998A JP3341673B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | ボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11361998A JP3341673B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | ボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11309548A JPH11309548A (ja) | 1999-11-09 |
JP3341673B2 true JP3341673B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=14616813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11361998A Expired - Lifetime JP3341673B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | ボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4611153B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2011-01-12 | 日本冶金工業株式会社 | ボロン含有ステンレス鋼用連続鋳造パウダーおよび連続鋳造方法 |
JP4556823B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2010-10-06 | 住友金属工業株式会社 | B含有ステンレス鋼の連続鋳造方法 |
CN113894272A (zh) * | 2021-10-08 | 2022-01-07 | 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 | 耐蚀合金模铸保护渣 |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP11361998A patent/JP3341673B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH11309548A (ja) | 1999-11-09 |
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