JPH0825008A - 鋼の連続鋳造用モールドパウダー - Google Patents
鋼の連続鋳造用モールドパウダーInfo
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- JPH0825008A JPH0825008A JP15895294A JP15895294A JPH0825008A JP H0825008 A JPH0825008 A JP H0825008A JP 15895294 A JP15895294 A JP 15895294A JP 15895294 A JP15895294 A JP 15895294A JP H0825008 A JPH0825008 A JP H0825008A
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Abstract
提供。 【構成】1573Kにおける粘度が 0.3〜0.7 Pa・s 、融点
が1423K以上、下記で表される質量濃度比(塩基度)
が 0.6以上0.9 未満で、NaをNa2Oに換算して5.0 mass%
以下、Fを 7.0mass%以下含有する鋼の連続鋳造用モー
ルドパウダー。 〔 CaO(mass%)+ 0.718×CaF2 (mass%)〕/SiO2(mass%)・・・ 【効果】このパウダーを用いることにより、丸ビレット
の鋳造時における表面疵ならびにブレークアウトの発生
を防止することができる。
Description
ドパウダー、特に、鋳型断面形状が円形の連続鋳造機を
用いて丸ビレットを鋳造する場合に使用するのに好適な
モールドパウダーに関する。
の酸化を防止し、鋳型と鋳片との間の潤滑性を良好に保
つ等の目的で、鋳型内の湯面に粉末状あるいは顆粒状の
いわゆるモールドパウダー(以下、単にパウダーと記
す)を添加する。従来の連続鋳造用パウダーは、 CaO−
SiO2−Al2O3 を基材とし、これにNa、Liなどを炭酸塩や
弗化物の状態で添加してNa2O、Li2Oなどのアルカリ金属
酸化物を生成させたり、蛍石を添加することにより、凝
固点や粘度を調整している。このパウダーの溶融物(パ
ウダースラグ)を鋳型と鋳片との間へ流入させ、鋳型と
鋳片間の潤滑を十分に行わせることにより安定した連続
鋳造ができる。
号公報で、 CaO/SiO2重量比を 1.0以上の高塩基度に設
定し、MgO 、Na2OおよびFの濃度範囲を適正化すること
により溶融パウダーの凝固点を高め、粘度を高めた連続
鋳造用パウダーを提案した。
の緩冷却化を図り、特に高マンガン鋼の連続鋳造におい
て疵の発生率の少ない良好な鋳片を得ることができる。
さらに、 IIIA族およびIVA族の元素の酸化物(例え
ば、Sc2O3 、Y2O3、TiO2、ZrO2など)を含有するパウダ
ーを用いれば、溶融パウダーの凝固点を上昇させ、凝固
の際の結晶化を促進して溶鋼を緩冷却化することができ
るので、割れ感受性の強い中炭素鋼であってもブレーク
アウトなどの鋳造事故を引き起こすことなく高速で連続
鋳造することができる(特開平3−193248号公報)。
ダーを高塩基度化し、凝固点を高めることによって溶鋼
の緩冷却化を図ることが可能である。
レットを連続鋳造する場合には、パウダーを高塩基度化
すると、メニスカス下50mmより下の部分における抜熱が
不均一になり、後述するように、ブレークアウトの予知
ができなくなったり、不均一冷却に起因して局所的なデ
ィプレッション(凝固シェルのへこみ)が生じたり、縦
割れや割れ性ブレークアウトが発生するなどの問題が生
じる。
が接する部分にスラグベアと称する溶融パウダーの凝固
物が付着し、これが肥大すると、鋳型と凝固シェル間へ
の溶融パウダーの流入路が塞がれ、パウダーフィルム
(鋳型と凝固シェル間へ流入した溶融パウダー)の厚さ
が局部的に変化して溶鋼の冷却が不均一になるが、丸ビ
レット鋳造用の鋳型は断面積が小さいので、スラグベア
が成長した場合、それによって覆われる断面比率が大き
く、溶融パウダーの不均一流入ならびにそれに起因する
溶鋼の不均一冷却などの問題が生じやすい。さらに、断
面形状が円形なので、スラグベアは湾曲面に形成される
こととなり、断面が四角形の鋳型の場合のように平らな
面に形成されるスラグベアに比べて安定に存在しやす
い。従って、スラグベアの生成を極力抑制しなければ、
溶融パウダーの鋳型・鋳片間への流入路が塞がれ、パウ
ダーフィルムの厚さが局部的に変化して不均一抜熱が一
層助長されることになる。
鋳造機を用いる場合には、従来、溶鋼の緩冷却化を図る
上で有効とされてきたパウダーの高塩基度化、高凝固点
化が逆効果となる場合があった。
状が円形の連続鋳造機を用いて丸ビレットを鋳造するに
際し、表面疵の発生のない丸ビレットを鋳造するとがで
きる組成ならびに物性を有するパウダーを提供すること
を課題としてなされたものである。
連続鋳造用モールドパウダーにある。
融点が1423K以上、下記で表される質量濃度比が 0.6
以上0.9 未満で、NaをNa2Oに換算して 5.0mass%以下、
Fを7.0mass%以下含有することを特徴とする鋼の連続
鋳造用モールドパウダー。
る。
丸ビレットを鋳造する場合、溶融パウダーの鋳型・鋳片
間への流入が不均一になりやすく、さらにパウダー巻き
込みも発生しやいので、粘度はスラブの連続鋳造の場合
に比べて高めに設定しなければならない。1573Kにおけ
る粘度が 0.3Pa・s 未満であれば上述のような問題が生
じ、 0.7Pa・s を超えると溶融パウダーの流入量が低下
して鋳型と鋳片との焼付きが発生しやすくなるので、粘
度は1573Kにおいて 0.3〜0.7 Pa・s とする。
鋳片との間の抜熱が大きすぎて鋳片に縦割れを主体とす
る欠陥が発生する頻度が高くなるので、1423K以上とす
る。
他の条件から自ずと限度があり、1573K程度である。
高いパウダーを用いると、前記のように抜熱が不均一に
なり、ブレークアウト予知ができなくなったり、局所的
なディプレッション(凝固シェルのへこみ)や縦割れが
発生するのは、以下の理由によるものである。
で、凝固シェルと鋳型との接触状況を模式的に示す図で
あり、(a) は断面形状が円形の鋳型の場合、(b) は矩形
の鋳型の場合である。矩形断面のスラブの連続鋳造の場
合は、図1(b) に示すように、凝固シェル2の片の部分
が溶鋼静圧によって変形し易いので、凝固シェル2の各
片が鋳型1に押しつけられ、エアギャップによる緩冷却
効果が若干犠牲にはなるものの溶鋼の不均一冷却は生じ
にくいのに対し、丸ビレットの連続鋳造の場合は、凝固
シェル2が偏心し、図1(a) に示すように、鋳型1の内
壁と凝固シェル2の接点(図中のAの付近)でしか接触
せず、このA点の反対側に大きなエアギャップ3が存在
することになる。その結果、A点付近とそれ以外のエア
ギャップ3の存在する部分における冷却が不均一にな
り、鋳型および鋼片温度の変動(通常、鋳型メニスカス
下 100〜300mm の部位で測定)が拘束性ブレークアウト
(鋳型と鋳片との焼き付きに起因するブレークアウト)
によるものか、不均一冷却によるものかの判断がつか
ず、ブレークアウトの予知ができなくなる。また、不均
一冷却によってその部分に熱応力が生じ、凝固シェルが
変形してディプレションが生じたり、さらに縦割れの発
生に到る場合もある。
には、スラブの連続鋳造の場合とは異なる問題が生じる
のであるが、質量濃度比〔 CaO(mass%)+ 0.718×Ca
F2 (mass%)〕/SiO2(mass%)(以下、塩基度ともい
う)を適正化することにより鋳型と凝固シェルの間のパ
ウダーフィルムの結晶化率を適正化して凝固時の収縮を
小さくし、鋳型と凝固シェルの間におけるエアギャップ
の生成を適度に抑えて溶鋼の不均一冷却を僅少にとどめ
ることができる。
(mass%)〕/SiO2(mass%)の適正範囲は 0.6以上0.9
未満である。なお、この式中の 0.718はCaF2量を CaO
量に換算するための係数である。塩基度が 0.6未満であ
れば、パウダーが凝固したあとの性状が完全にガラス質
になるので、いくら高粘度化で対応しても緩冷却化でき
ない。また、 0.9以上になると、パウダーが凝固したあ
との性状が、完全に結晶質になるので、凝固時の収縮が
大きく、メニスカス下50mmより下の部分の抜熱が不均一
になり、前記のようにブレークアウトの予知ができなく
なったり、局所的なディプレッションや縦割れが発生す
るなどの問題が生じる。
とFの含有量を前記のように規定する。NaがNa2Oに換算
して 5.0mass%を超えて含まれている場合は、スラグベ
アが生成しやすく、不均一抜熱が助長され、また、Fも
7.0mass%を超えるとスラグベアが生成しやすくなるか
らである。なお、Naに関しては下限はないが、Fは1ma
ss%程度以上含有されていることが望ましい。
曲半径10mの一点矯正連続鋳造機により、低炭素鋼の鋳
造テストを行って、鋳片表面における縦割れの発生状況
を調査した。鋳片断面形状は直径 225mmの円形で、鋳造
速度は2.0m/minである。また、溶鋼の化学組成は表2に
示すとおりである。
の No.1〜 No.11は表1の No.1〜No.11に対応する。
この図2に示されるように、 No.2〜4及び No.9のパ
ウダー (本発明のパウダー) を使用した場合は、パウダ
ー消費量が0.25〜0.28kg/m2で適正であり、ブレークア
ウト等操業上の問題もなく、縦割れの発生率も極めて少
なかった。
ウダーを使用した場合は、不均一凝固によって縦割れが
発生した。
は割れの発生は比較的少なく、鋳片表面のほとんどの部
分で良好であったが、スラグベアの成長によって、割れ
性ブレークアウトが発生した。また、 No.10のパウダー
を使用した場合は、粘度が高く、パウダー消費量が低下
し、拘束性ブレークアウトが発生した。
使用することにより、丸ビレットを連続鋳造する際に生
じやすい表面疵を低減し、ブレークアウトの発生を防止
することができる。
ェルと鋳型との接触状況を模式的に示す図であり、(a)
は断面形状が円形の鋳型の場合、(b) は四角形の鋳型の
場合である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】1573Kにおける粘度が 0.3〜0.7 Pa・s 、
融点が1423K以上、下記で表される質量濃度比が 0.6
以上0.9 未満で、NaをNa2Oに換算して 5.0mass%以下、
Fを7.0mass%以下含有することを特徴とする鋼の連続
鋳造用モールドパウダー。 〔 CaO(mass%)+ 0.718×CaF2 (mass%)〕/SiO2(mass%)・・・
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6158952A JP2985671B2 (ja) | 1994-07-11 | 1994-07-11 | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6158952A JP2985671B2 (ja) | 1994-07-11 | 1994-07-11 | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0825008A true JPH0825008A (ja) | 1996-01-30 |
JP2985671B2 JP2985671B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=15682932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6158952A Expired - Lifetime JP2985671B2 (ja) | 1994-07-11 | 1994-07-11 | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2985671B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001239352A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-09-04 | Nkk Corp | 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いるモールドパウダー |
JP2003019545A (ja) * | 2001-07-06 | 2003-01-21 | Nippon Steel Corp | 溶融金属の連続鋳造方法 |
JP2010115714A (ja) * | 2010-03-05 | 2010-05-27 | Jfe Engineering Corp | モールドパウダー |
JP2012183569A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造方法 |
-
1994
- 1994-07-11 JP JP6158952A patent/JP2985671B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001239352A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-09-04 | Nkk Corp | 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いるモールドパウダー |
JP4527832B2 (ja) * | 2000-02-29 | 2010-08-18 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 鋼の連続鋳造方法 |
JP2003019545A (ja) * | 2001-07-06 | 2003-01-21 | Nippon Steel Corp | 溶融金属の連続鋳造方法 |
JP2010115714A (ja) * | 2010-03-05 | 2010-05-27 | Jfe Engineering Corp | モールドパウダー |
JP2012183569A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造方法 |
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