JPH10258343A - 連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス - Google Patents

連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス

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JPH10258343A
JPH10258343A JP7666697A JP7666697A JPH10258343A JP H10258343 A JPH10258343 A JP H10258343A JP 7666697 A JP7666697 A JP 7666697A JP 7666697 A JP7666697 A JP 7666697A JP H10258343 A JPH10258343 A JP H10258343A
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秀久 谷口
Noriyoshi Masuo
典良 益尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼の連続鋳造に用いる中空顆粒モールドフラ
ックスを安価に製造することができ、特に包晶域鋼種
(C=0.08〜0.15%)を除いた鋼種に適し、鋳
片の表面、内質共に良好な品質を得ることができる。 【解決手段】 主成分がCaO,SiO2 ,Al2
3 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプ
リメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配
合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/S
iO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜15.
0wt%,MgO:1.0〜15.0wt%、N2 O:
1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を
含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、
1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,12
50℃での表面張力が280〜370dyne/cm、
凝固温度が1050〜1250℃である連続鋳造用中空
顆粒モールドフラックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造に用
いられる中空顆粒モールドフラックスに関するもので、
特に包晶域鋼種(C=0.08〜0.15%)を除いた
鋼種に適用してその効果を発揮すると共に、安価に製造
することができ、使用した鋳片の表面および内質共に良
好な品質を得ることができるものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においてモールドフラック
スは粉末または顆粒(中空を含む)形状を呈し、鋳型内
溶鋼面に添加して、鋳型内溶鋼表面を保温しながら、溶
鋼表面の凝固を防ぎ、かつ溶鋼表面に浮上してきた非金
属介在物を溶融吸収し、さらには、鋳型と鋳片の凝固シ
ェル間に流入するスラグフィルムによって潤滑作用を行
いながら、このフィルムが鋳片よりの抜熱を制御し、優
れた表面性状の鋳片を得ると共に溶融フラックスがスト
ランド内に巻き込まれにくく、清浄で良好なる鋳片を製
造することにある。
【0003】最近の厳しい品質要求の中で、コストの低
減も要求され、熱片での直接装入または、直接圧延を円
滑に保証するためには、ブレークアウト、鋳片表面品位
のみならず、鋳片の内質特にフラックスの巻き込みがな
く介在物の少ない鋳片を製造する必要がある。近年、鋼
の連続鋳造は、鋳造歩留りの向上、省資源および省エネ
ルギー等の点において有利なことから急速に普及し、極
低炭素鋼、低炭アルミキルド鋼の連鋳比率は確実に増加
し、その大部分を占めている。
【0004】さらに生産性向上、コストダウンのため
に、また連続鋳造法の優位性を発展拡大した工程として
無手入れ熱片の加熱炉装入−圧延、さらには、製鋼−圧
延の直結プロセスすなわち、直送圧延への技術が確立
し、安定した高温鋳片の製造供給のためには高速鋳造化
は必須であり、一部の低グレードの低炭アルミキルド鋼
においては実施されている。
【0005】しかしながら、高速鋳造である1.4m/
min以上で鋳造した場合、従来の一般的なモールドフ
ラックスでは低粘度、低結晶化温度をもつが故に鋳造中
の溶鋼中に溶融フラックスが巻き込まれてしまい、結果
として、鋳片の介在物となり、鋳片の欠陥の上昇に直結
するが、低級の低炭Al−K鋼については、特に、品質
上問題となるまでには到っていない。しかるに、鋳片内
質が厳しく要求される極低炭素鋼、低炭Al−K鋼薄板
材、ブリキ薄板材等については、充分に満足されるもの
は得られず、鋳造できたとしても、高い歩留りは得られ
ず、大幅な生産性の向上、コストの低減は得られていな
い。
【0006】また、鋳片の表面品位についても、従来の
高速鋳造用モールドフラックスは、上記のごとく、非常
に低い結晶化温度をもつが故に、鋳型上下内面全体にお
いて、低粘度の薄いフィルムとなっていると推定され、
従って、鋳片からの抜熱度が非常に高い。このため、表
面品位についても、極低炭素鋼、低炭Al−K鋼とはい
え、コーナー部の割れ、表面割れが発生し、熱片無手入
れ圧延の時、表面疵の原因となり、品質の劣化となって
いた。このように、鋳片の内質、表面品位については、
充分に満足する成品は得られていなかった。
【0007】一方、包晶域の鋼種については、凝固過程
で収縮量が大きく、通常のモールドフラックスはその適
用については難点が残されていたが、本発明者らはこれ
らの鋼種に適応するモールドフラックスの開発に成功
し、既に特願平8−235785号他で出願済みであ
り、本発明が対象とする鋼種は、例えば中炭素鋼(C=
0.08〜0.15wt%)、SUS420およびSU
S304等の包晶域鋼種を除いた一般的な鋼種に適用す
るものである。
【0008】従来、公知のモールドフラックスとして高
速鋳造を行う場合の潤滑性を向上を目的として、粘度を
1.5poise以下にした技術が特開昭61−150
752号に開示されている。また、凝固する温度を下げ
るための技術としては、特開平2−165853号があ
る。これらは鋳片と鋳型間の摩擦抵抗を下げるための手
段として考慮されたものであって、極く通常に用いられ
ている技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開昭61−1
50752号の如く、モールドフラックスの粘度を低下
させるためにはフラックス中に多くのF- ,Na2 O,
Li2 O,KaO,B23 を必要とするため、これら
の元素の持つ特性上、溶鋼注入ノズルへの溶損作用が激
しく、またときには粘度が過剰に低過ぎた場合、フラッ
クスを溶鋼中に巻込んで仕舞い鋳片の品質を低下させる
原因となる。
【0010】また、特開平2−165853号に記載の
凝固温度を下げる技術は、モールドフラックスのガラス
性が高くなり、鋳型の冷却効果が強くなり過ぎ鋳片の表
面割れが発生し易く、これも鋳片表面品質の低下要因と
なる。これらの技術の解決策として特開平7−2048
10号が提案されている。この場合でも価格として高い
AlF3 を用いているためモールドフラックス中のF-
量が多くなり、ノズルの溶損作用が大きく、コスト的に
みて採算が合わない。
【0011】これを回避するため、AlF3 を用いない
モールドフラックスの場合では、凝固温度が上昇して粘
度が高くなり過ぎる等の問題点を有しており、特にF-
が多い場合には結晶となる割合が多くなる問題があり、
上記公知技術では種々の欠点を解決した満足できるフラ
ックスを得ることができなかった。
【0012】本発明は包晶域鋼種(C=0.08〜0.
15%)やSUS420,SUS304鋼を除いた鋼種
に適用し、鋳片と鋳型との潤滑性に優れ、かつ鋳片の表
面割れの発生もなく、鋳型内においてフラックスを巻き
込むことが少ない高速連続鋳造に適した中空顆粒モール
ドフラックスを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、その手段は下記の通りであ
る。 (1)主成分がCaO,SiO2 ,Al23 ,Mg
O,F- であり、そのうち2種以上の成分をプリメルト
処理を行ったものを用い、これらの主原料の配合率を4
0wt%以上とし、全体での成分はCaO/SiO2
0.7〜1.4,Al23 :1.0〜15.0wt
%,MgO:1.0〜15.0wt%、N2 O:1.5
〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を含有
し、AlF3 およびB23 を含有することなく、13
00℃での粘度が1.0〜8.0poise,1250
℃での表面張力が280〜370dyne/cm,凝固
温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以外の
鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒モー
ルドフラックス。
【0014】(2)主成分がCaO,SiO2 ,Al2
3 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分を
プリメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の
配合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/
SiO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜1
0.0wt%,MgO:1.0〜10.0wt%、N2
O:1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未
満を含有し、AlF3 およびB23 を含有することな
く、1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,
1250℃での表面張力が280〜370dyne/c
m,凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼
種以外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空
顆粒モールドフラックス。
【0015】(3)鋳片断面が偏平であるスラブ(厚さ
50〜300mm、幅500〜3000mm)の連続鋳
造において、鋳造速度1.4m/min以上の鋳造に適
用することを特徴とする(1)または(2)記載の連続
鋳造用中空顆粒モールドフラックス。 (4)鋳片断面の一辺が220mm以下である角ビレッ
トの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/min以上
の鋳造に適用することを特徴とする(1)または(2)
記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。 (5)鋳片断面の直径が220mm以下である丸ビレッ
トの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/min以上
の鋳造に適用することを特徴とする(1)または(2)
記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックスにある。
【0016】
【発明の実施の形態】モールドフラックスは、鋳型内に
添加することにより鋳型と鋳片間に流入し、鋳型からは
常に冷却を受ける。このために、流入したモールドフラ
ックスは鋳型側では凝固して、固体状態のフィルム状と
なって鋳型に接しており、また鋳片側では、高温凝固シ
ェルにより、溶融した液体状態のフィルム状となってい
る。
【0017】鋳片の縦割れ発生の主原因は、この固体フ
ィルムと溶融フィルム厚みのバラツキに起因し、その結
果、鋳片から鋳型への抜熱不均一によるものと考えら
れ、特に、抜熱が大きくなった局部に凝固収縮が集中
し、鋳型内のメニスカス下部で鋳型より離れてしまい、
その部分が逆に凝固遅れを起すためそこに応力が集中
し、鋳型より離れた部分が凹みを伴い縦割れの発生原因
となると言われている。このため、一般的に鋳片の緩冷
却を行うためにモールドフラックスの凝固温度を高く
し、凝固フィルム厚を厚くすることにより目的を達そう
としたり、モールドフラックスをプリメルト処理をする
ことにより均質化を図り、鋳片の縦割れ発生の防止を行
っている。
【0018】しかしながら、このようにモールドフラッ
クスの凝固温度を高くすることにより、鋳型に接した溶
鋼湯面上でモールドフラックスが凝固したベアの発達が
過大となり、操業性の悪化、さらには湯面変動により、
この大きなスラグベアのためメニスカスで厚いスラグフ
ィルムを形成し、その部分が過緩冷却となり、充分な凝
固シェルの発達が抑えられて、鋳型直下で溶鋼の静圧に
耐えられず、ブレークアウトの発生に到ることがあり、
ブレークアウト発生の原因の一つと考えられている。
【0019】また、一般的に鋳造速度が1.4m/mi
n以上の高速鋳造においては、その操業条件が厳しくな
るため、モールドフラックスもそれに適応した性質が要
求される。そこで本発明者らは、モールドフラックスに
おける凝固温度、粘度、表面張力等について種々の研究
調査を重ねた結果、包晶鋼種以外の鋼種の高速鋳造に適
し、かつ、経済的にも安価な中空顆粒モールドフラック
スの開発を達成することができた。
【0020】先ず、本発明において用いるモールドフラ
ックスの原料は、全てをプリメルトする必要はなく、用
いられる原料中2種以上をプリメルト処理をし、そのも
のを全体で40wt%以上配合することによって目的が
達成できるため、原料処理に要するコストの低減化が図
られる。
【0021】本発明においては、モールドフラックス成
分組成中価格的に高価なB23 やAlF3 を使用する
ことなく、MgOとAl23 量を最適量範囲に調整し
たところにある。さらには、後述するようにNa2 Oを
低目に押えることにより、モールドフラックスの凝固温
度を1050〜1250℃の範囲に制御することがで
き、また粘度を1300℃において1.0〜8.0po
ise、1250℃における表面張力を280〜370
dyne/cmに保つことができるようにしたものであ
る。
【0022】この結果、スラブでは断面厚さ50〜30
0、幅500〜3000mmの鋳片を1.4m/min
以上、また小断面ビレットでは一辺の長さが220mm
以下の角鋳片または、断面直径が220mm以下の丸鋳
片を1.6m/min以上の高速で鋳造を行うことがで
きるようになった。
【0023】以下、本発明でのモールドフラックスの成
分限定理由について説明する。CaO/SiO2 を0.
7〜1.4の範囲に限定したのは、0.7以下では粘度
が高くなり、物性の調整が困難であり、1.4を超える
と、所定の粘度が得られにくいと共に、ガラス性を失
い、潤滑性のないフラックスとなってしまい、不適当で
ある。この理由によりCaO/SiO2 は0.7〜1.
4の範囲に限定した。
【0024】Al23 を1.0〜15.0wt%に限
定した理由は、1.0%以下では、溶融温度が高くな
り、しかも、鋳造中に鋼中のAl23 を吸収しての物
性(溶融点)の変動が大きくなる。また15.0%を超
えると、粘度および溶融温度が極端に高くなり、鋳造条
件に合致しなくなると共にAl23 の富化に起因する
アルミナ系介在物が多くなり、ノロかみとして鋳造スラ
ブの表面性状を悪化させる。よってAl23 の範囲は
1.0〜15.0wt%とした。また、上限については
好ましくは10.0wt%であり、前記理由から極力ア
ルミナ系介在物の減少を図ることができる。
【0025】MgOを1.0〜15.0wt%に限定し
た理由は、1.0wt%未満では、MgOを使用した場
合の共晶反応による溶融温度低下の効果が期待できず、
また15.0wt%を超えると、MgOを主体とした超
高溶融温度のスピネル系の反応物質を生成し、不適とな
る。
【0026】Na2 Oを1.5〜4.5wt%に限定し
た理由は、1.5wt%未満では、表面張力が高くなり
すぎ溶鋼面を充分に被覆することができず、充分に機能
(シール、潤滑)をはたさず、また、4.5wt%を超
えると、急激にガラス性を失う(これは、Na2 O系の
結晶が凝固時に発生するためである)。
【0027】なお、前述したように本発明においてはN
2 Oを4.5wt%以下にしたところにも特徴を有
し、MgO,Al23 を配合することにより、CaO
/SiO2 が高くても結晶の発生が少なく、凝固温度を
低くすることができる。
【0028】Li2 Oを2.0wt%未満に限定した理
由は、軽元素酸化物ゆえに少量の使用で、その効果(溶
融温度降下)が大きい。しかしながら2.0wt%以上
になると、コスト的には非常に高くなり、使用に耐えな
くなる。
【0029】また、本発明においてはAlF3 およびB
23 を用いないところに大きな特徴があり、これはA
lF3 を用いると注入ノズルの溶損に悪影響を及ぼし、
さらに弗素ガスが発生し環境上好ましくない。また、価
格も高くコストアップに繋がる。同様にB23 はフラ
ックスを非結晶質にし、冷却能を高めると共にB23
中のボロンがフラックス中から溶鋼中に還元され、鋳片
の割れ感受性を増大させる恐れがある。また、価格的に
も高価な物質であり、本発明の如く使用せずに他の組成
を適正に保つことにより代替できるので、その使用を避
けた。
【0030】なお、本発明においてはモールドフラック
スの物性値として粘度、表面張力および凝固温度を規定
しているが、これらの特性値は相互に関連したもので、
その理由は、モールドフラックスが溶鋼に接触すると
き、急速に溶融してスラグ化するに適する凝固温度を有
し、かつ、溶融した際に適正なる粘度を有するものであ
る。
【0031】すなわち、スラグの粘度が小さすぎるとメ
ニスカスの下方の鋳片と鋳型内壁との間に多量のスラグ
が流れ込んで、オシレーションのたびに流動するスラグ
が多くなり、凹みも大きくまた不規則なものとなる。一
方、逆にスラグの粘度を高くするとメニスカスの中にス
ラグが流動せず、メニスカスと鋳型の内壁との間の潤滑
が悪く、オシレーションマークは浅いが鋸歯状となり鋳
片に割れを生じ、ひいてはブレークアウトの原因ともな
る。
【0032】また、表面張力については、280dyn
e/cm未満では、界面で溶鋼にまき込まれ易くなり、
また370dyne/cmを超えると、溶鋼界面上で充
分に被覆することができず、潤滑不良やフラックスによ
るシール不良を起こし、溶鋼の酸化を起こし欠陥とな
る。
【0033】これらの物性値は、モールドフラックスの
特定した成分組成によって支配され、前述したような適
正な配合割合を保持することにより、自から決定されて
くるものである。その結果として、粘度1.0〜8.0
poise(at 1300℃)、表面張力280〜3
70dyne/cm(at 1250℃)、凝固温度1
050〜1250℃のモールドフラックスが得られ、こ
れらの特性値を満足するフラックスを使用することによ
り、所期の目的に合致した鋼の連続鋳造において健全な
鋳片の内外品質を確保することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。表1は本発明のモールドフラックスの成分組成範囲
を満足する実施例であって、成分およびその物性値を示
したものであり、表2は同様に従来例(比較例)を示し
たものである。また、表3と表4はそれぞれ表1と表2
に対応した操業条件とモールドフラックス使用後の評価
を示したものである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】本発明実施例のものは何れも成分組成にお
いて、適正範囲内に収めたことにより、Na2 Oが少な
く、MgO,Al23 を適正量配合することにより、
CaO/SiO2 が高くとも結晶の発生が少なく、凝固
温度も低くすることができた。しかも、表3で見られる
ようにいずれもコスト的に安価なものであった。
【0038】その結果、高速鋳造が可能となり、フラッ
クスの巻き込みもなく、良好な表面性状の鋳片を得るこ
とができた。ただし、実施例7はCaO/SiO2 が低
く、凝固温度も低いが他に比しMgOが高いことによ
り、表面張力が高くなっており、その結果、鋳片内、外
質共に良好な成品が得られた。また、ZrO2 を含むこ
とによりコストは高くなっているが耐ノズル溶損防止の
ためであり、ノズルのコストを包含するとコスト的には
安くなる。
【0039】従来品は本発明と異なり、いずれもコスト
的に高く、かつB23 を含有した1(比較例)は非結
晶質が大きくなり過ぎ、冷却能が高く表面割れが発生し
た。また、従来例2,3ではAl23 を低下させ粘度
を下げて潤滑能と冷却能を調整したものであるが、F
- ,Na2 Oが共に多く必要となり表面張力も低過ぎ低
粘度とあいまって、鋳片内質に悪影響が表われた。
【0040】さらに、従来例4,6は粘度を高めビレッ
トを鋳造したものであるが、鋳片内質は問題はなかった
が、潤滑性が悪いため表面欠陥が発生し不良品となっ
た。従来例5はMgOを多く含有することによりNa2
Oの通常量の状態における表面張力を調整したものであ
るが、充分に同等とすることはできず、前記4,6とは
全く逆の結果が得られ、鋳片の表面品質はまずまずであ
ったが、内質欠陥の発生をみた。
【0041】また、7,8はNa2 Oのみが高い従来の
フラックスであり、コスト評価は良いが、Na2 Oが高
いために表面張力が低く、範囲内に入らない。また、ガ
ラス性が少ない(凝固濃度は、範囲内ではあるが、凝固
温度は高い傾向がある)。このため、フラックスのまき
込みが認められ内質欠陥は良い評価が得られなかった。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明は、包晶域鋼種以外の鋼種に適用
するのに最も適したモールドフラックスの成分組成範囲
を見出したもので、本発明範囲内の成分組成によって最
適な物性値が得られ、かつ、コスト的にも低廉なフラッ
クスを製造することが可能となり、これによってスラブ
はもとよりビレットにおいても鋳片内、外品質に欠陥を
みることなく、高速で連続鋳造することができるように
なった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分がCaO,SiO2 ,Al2
    3 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプ
    リメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配
    合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/S
    iO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜15.
    0wt%,MgO:1.0〜15.0wt%、N2 O:
    1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を
    含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、
    1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,12
    50℃での表面張力が280〜370dyne/cm,
    凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以
    外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒
    モールドフラックス。
  2. 【請求項2】 主成分がCaO,SiO2 ,Al2
    3 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプ
    リメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配
    合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/S
    iO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜10.
    0wt%,MgO:1.0〜10.0wt%、N2 O:
    1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を
    含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、
    1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,12
    50℃での表面張力が280〜370dyne/cm,
    凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以
    外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒
    モールドフラックス。
  3. 【請求項3】 鋳片断面が偏平であるスラブ(厚さ50
    〜300mm、幅500〜3000mm)の連続鋳造に
    おいて、鋳造速度1.4m/min以上の鋳造に適用す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の連続
    鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
  4. 【請求項4】 鋳片断面の一辺が220mm以下である
    角ビレットの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/m
    in以上の鋳造に適用することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラッ
    クス。
  5. 【請求項5】 鋳片断面の直径が220mm以下である
    丸ビレットの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/m
    in以上の鋳造に適用することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラッ
    クス。
JP07666697A 1997-03-13 1997-03-13 連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス Expired - Lifetime JP3226829B2 (ja)

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