JP3340707B2 - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP3340707B2
JP3340707B2 JP28242999A JP28242999A JP3340707B2 JP 3340707 B2 JP3340707 B2 JP 3340707B2 JP 28242999 A JP28242999 A JP 28242999A JP 28242999 A JP28242999 A JP 28242999A JP 3340707 B2 JP3340707 B2 JP 3340707B2
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光雄 金澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば建築物と建
築物の基礎との間に介装されて、建築物を地震等の横揺
れ震動から保護するための免震装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物等の上部構造物を地震等の
横揺れ震動から保護するために、その上部構造物とその
上部構造物の下方に設けられる下部構造物(基台、基礎
等)との間に免震装置が設けられる傾向にある。免震装
置には、上部構造物に固定される上側部材と、下部構造
物に固定される下側部材と、上側部材と下側部材との間
に介装され該上側部材と該下側部材との相対的な横移動
に伴って転動する転動部材と、を備えるものがあり、そ
の種の免震装置としては、例えば実開平2−12283
3号公報に示すように、転動部材としてのボールベアリ
ングを下側部材に回動可能に支持する一方、上側部材の
下面に凹曲面を形成し、そのボールベアリングを凹曲面
の範囲内で転動させるようにしたものがある。このもの
においては、下側部材の振動を上側部材に伝達させない
ようにできるだけでなく、凹曲面(特に周囲の立ち上が
り部)とボールベアリングとの関係により、ボールベア
リングが凹曲面内から外れることを防止することができ
ると共に、復元力を発生させて転動部材を原位置(中立
位置)に復帰させる上で好ましいものとすることができ
ることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その反面、上
記免震装置においては、凹曲面(特に周囲の立ち上がり
部)とボールベアリングとの関係に基づき、ボールベア
リングの転動に伴い、上側部材(上側部材と下側部材と
の間の上下間隔)が増大することになり、これに伴い、
建築物等の上部構造物の高さも変化せざるを得ない。本
発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その技術的課
題は、建築物等の上部構造物の高さ変化をも抑制するこ
とができる免震装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題を達成す
るため本発明(請求項1の発明)にあっては、上部構造
物に固定される上側部材と、下部構造物に固定される下
側部材と、前記上側部材と前記下側部材との間に介装さ
れ該上側部材と該下側部材との相対的な横移動に伴って
転動する転動部材と、を備える免震装置において、前記
上側部材の下面に、凹形状の球面からなる第1当接面が
形成され、前記下側部材の上面に、凹形状の球面からな
る第2当接面が形成され、前記転動部材に、その上面側
において、前記第1当接面が当接されると共に、該第1
当接面との当接部から該第1当接面に沿って離れるに従
って該第1当接面との間隔が次第に離間されるように凸
形状の球面とされる第1支持面が形成され、前記転動部
材に、その下面側において、前記第2当接面が当接され
ると共に、該第2当接面との当接部から該第2当接面に
沿って離れるに従って該第2当接面との間隔が次第に離
間されるように凸形状の球面とされる第2支持面が形成
され、前記転動部材の第1支持面の曲率が、該第1支持
面として、前記上側部材と前記下側部材との相対的な横
移動に伴って該上側部材を上下方向に変動させない曲率
のものを用いる場合に比して小さく設定され、前記転動
部材の第2支持面の曲率が、該第2支持面として、前記
上側部材と前記下側部材との相対的な横移動に伴って該
上側部材を上下方向に変動させない曲率のものを用いる
場合に比して小さく設定され、前記転動部材の上下方向
中央部に、その周囲において外方に向けて突出するよう
にしてフランジ部が設けられ、前記上側部材と前記転動
部材との間に、前記フランジ部を基準として該転動部材
の上側部分を内部に包み込むようにして円筒状の第1弾
性部材が介装され、前記第1弾性部材の下端部が該第1
弾性部材の下端面を前記フランジ部に当接させつつ前記
転動部材の上側部分に対して保持されていると共に、該
第1弾性部材の上端部が前記上側部材に保持され、前記
下側部材と前記転動部材との間に、前記フランジ部を基
準として該転動部材の下側部分を内部に包み込むように
して円筒状の第2弾性部材が介装され、前記第2弾性部
材の上端部が、該第2弾性部材の上端面を前記フランジ
部に当接させつつ前記転動部材の下側部分に対して保持
されていると共に、該第2弾性部材の下端部が前記下側
部材に保持されている構成としてある。この請求項1の
好ましい態様としては、特許請求の範囲における請求項
2、3の記載のとおりとなる。
【0005】前記技術的課題を達成するため本発明(請
求項4の発明)にあっては、上部構造物に固定される上
側部材と、下部構造物に固定される下側部材と、前記上
側部材と前記下側部材との間に介装され該上側部材と該
下側部材との相対的な横移動に伴って転動する転動部材
と、を備える免震装置において、前記上側部材の下面
に、凹形状の球面からなる第1当接面が形成され、前記
下側部材の上面に、凹形状の球面からなる第2当接面が
形成され、前記転動部材に、その上面側において、前記
第1当接面が当接されると共に、該第1当接面との当接
部から該第1当接面に沿って離れるに従って該第1当接
面との間隔が次第に離間されるように凸形状の球面とさ
れる第1支持面が形成され、前記転動部材に、その下面
側において、前記第2当接面が当接されると共に、該第
2当接面との当接部から該第2当接面に沿って離れるに
従って該第2当接面との間隔が次第に離間されるように
凸形状の球面とされる第2支持面が形成され、前記転動
部材の第1、第2支持面の曲率が、前記上側部材と前記
下側部材との相対的な横移動にかかわらず、該上側部材
が上下方向に変動しないように設定され、前記上側部材
と前記転動部材との間に、前記フランジ部を基準として
該転動部材の上側部分を内部に包み込むようにして円筒
状の第1弾性部材が介装され、前記第1弾性部材の下端
部が該第1弾性部材の下端面を前記フランジ部に当接さ
せつつ前記転動部材の上側部分に対して保持されている
と共に、該第1弾性部材の上端部が前記上側部材に保持
され、前記下側部材と前記転動部材との間に、前記フラ
ンジ部を基準として該転動部材の下側部分を内部に包み
込むようにして円筒状の第2弾性部材が介装され、前記
第2弾性部材の上端部が、該第2弾性部材の上端面を前
記フランジ部に当接させつつ前記転動部材の下側部分に
対して保持されていると共に、該第2弾性部材の下端部
が前記下側部材に保持されている構成としてある。この
請求項4の好ましい態様としては、特許請求の範囲にお
ける請求項5、6の記載のとおりとなる。
【0006】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、上
側部材と下側部材との間の上下間隔の変動に基づき(転
動部材の転動に基づき)、復元力を発生させることがで
きることになり、上記建築物等の上部構造物の高さ変化
の抑制と、転動部材の原位置(中立位置)への自動復帰
とを高度に満足させることができることになる。また、
上側部材と転動部材、下側部材と転動部材との間に弾性
部材(第1,第2弾性部材)が介装されていることか
ら、弾性部材による復元力に基づき、転動部材の原位置
(中立位置)への復帰の点で、より好ましいものとする
ことができることになる。
【0007】請求項2に記載された発明によれば、上側
部材又は下側部材の一方の周縁部に周壁部が起立され、
周壁部が、上側部材又は下側部材のうちの他方の横移動
領域に臨まされていることから、周壁部を上側部材又は
下側部材の他方のストッパとして利用することができる
ことになり、上側部材と下側部材との相対的な横移動を
所望の範囲内にとどめることができることになる。
【0008】請求項3に記載された発明によれば、上側
部材又は下側部材のうちの他方の周縁部と周壁部の内周
縁部との間に弾性部材が、該上側部材又は該下側部材の
うちの他方の周縁部と該周壁部の内周縁部との間を覆う
ようにして介装されていることから、前記請求項2と同
様の作用効果を得る他に、その弾性部材を利用して復元
力を発生させることができると共に、上側部材と下側部
材とが形成する転動部材の収納空間に埃が進入すること
を防いで、作動性能を所定の高い状態に維持することが
できることになる。しかも、転動部材等の部品が内部に
収納され、全体が密閉容器状になっていることから、取
り扱い性を向上させることができることになる。
【0009】請求項4に記載された発明によれば、転動
部材の第1、第2支持面の曲率が、上側部材と下側部材
との相対的な横移動にかかわらず、該上側部材が上下方
向に変動しないように設定されていることから、上側部
材と下側部材との間の上下間隔が変動することはなくな
り、建築物等の上部構造物の高さ変化を防止して、常
に、建築物等の上部構造物の高さを一定に維持すること
ができることになる。また、上側部材と転動部材、下側
部材と転動部材との間に弾性部材(第1,第2弾性部
材)が介装されていることから、弾性部材による復元力
に基づき、転動部材の原位置(中立位置)への復帰の点
で、より好ましいものとすることができることになる。
【0010】請求項5に記載された発明によれば、上側
部材又は下側部材の一方の周縁部に周壁部が起立され、
周壁部が、上側部材又は下側部材の他方の横移動領域に
臨まされていることから、周壁部を上側部材又は下側部
材の他方のストッパとして利用することができることに
なり、常に建築物等の上部構造物の高さを一定に維持し
つつ、上側部材と下側部材との相対的な横移動を所望の
範囲内にとどめることができることになる。
【0011】請求項6に記載された発明によれば、上側
部材又は下側部材のうちの他方の周縁部と周壁部の内周
縁部との間に弾性部材が、該上側部材又は該下側部材の
うちの他方の周縁部と該周壁部の内周縁部との間を覆う
ようにして介装されていることから、前記請求項5と同
様の作用効果を得る他に、その弾性部材を利用して復元
力を発生させることができると共に、上側部材と下側部
材とが形成する転動部材の収納空間に埃が進入すること
を防いで、作動性能を所定の高い状態に維持することが
できることになる。しかも、転動部材等の部品が内部に
収納され、全体が密閉容器状になっていることから、取
り扱い性を向上させることができることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1〜図7は本発明の第1実施形態
を示すものである。図1において、符号1は、ビルディ
ングや家屋等の建築物(上部構造物)、符号2は、建築
物1が建造された基礎部材(下部構造物)であり、この
建築物1と基礎部材2との間に免震装置3が介装されて
いる。この免震装置3は、建築物1と基礎部材2との間
に適当個数介装されるが、図1、図2中には、そのうち
の1個だけが示されている。
【0013】免震装置3は、建築物1に固定される上側
部材4と、基礎部材2に固定される下側部材5と、上側
部材4と下側部材5との間に介装される転動部材6とを
有する。
【0014】上側部材4には、その下面において凹形状
の球面からなる第1当接面7が形成され、下側部材5の
上面には、凹形状の球面からなる第2当接面8が形成さ
れている。この第1当接面7および第2当接面8はそれ
ぞれ、転動部材6よりも十分大きな面積を有するように
設定されており、その第1当接面7および第2当接面8
の径方向中央部が最も引っ込むことになっている。
【0015】転動部材6は、上側部材4と下側部材5と
により挟持された状態とされており、上側部材4又は下
側部材5のうちの一方の横方向の移動は、その移動方向
とは逆の方向の移動として、転動部材6を介して上側部
材4又は下側部材5のうちの他方に滑ることなく伝達さ
れることになっている。そしてこの際、転動部材6の回
動中心点Oの移動に基づき、上記一方の横方向の移動量
に対して、上記他方の移動量は減少され、上記一方から
上記他方への横揺れが低減されることになっている(免
震性確保)。具体的に図3をもって説明する。図3は、
説明、理解を容易にすべく、上側部材4、下側部材5を
平板とし、転動部材6を球とした単純化モデルを示すも
のである。この図3においては、下側部材5をdだけ右
方向に移動させると、転動部材6が、そのdに相当する
円弧分だけ反時計方向に回転され、該転動部材6は、上
側部材4と下側部材5との滑りのない挟持関係に基づ
き、左方向にdだけ転動される(図3中、仮想線参
照)。これにより、転動部材6の回動中心点Oが原位置
からdだけ左方向に移動すると共に、上側部材4は左方
向にdだけ押し出される。このため、下側部材5の移動
に伴い転動部材6の回動中心点Oが新たな位置Nに移動
する場合には、その位置Nを基準にして、転動部材6が
2dだけ右方向に移動し、上側部材4は、左方向にdだ
け左方向に移動することになり、免震されることにな
る。
【0016】この転動部材6には、その上面において、
凸形状の球面からなる第1支持面9が形成され、転動部
材6の下面には、凸形状の球面からなる第2支持面10
が形成されている(図2参照)。第1支持面9は、第1
当接面7に当接されると共に、該第1当接面7との当接
部から該第1当接面7に沿って離れるに従って該第1当
接面7との間隔が次第に離間されるように形成されてお
り、第2支持面10は、第2当接面8に当接されると共
に、該第2当接面8との当接部から該第2当接面8に沿
って離れるに従って該第2当接面8との間隔が次第に離
間されるように形成されている。そして、この第1、第
2支持面9、10の曲率は、第1、第2当接面7、8の
曲率に対して、上側部材4と下側部材5との相対的な横
移動に伴って該上側部材4が上下方向に変動することが
ないように設定されている。
【0017】上記上側部材4が上下方向に変動しないよ
うにする設定に関し、具体的に図4をもって説明する。
図4は、説明、理解を容易にするために、上側部材4
(下側部材5)の横移動に伴い転動部材6の回動中心点
Oが近似的に移動しないとみなした単純化モデルを示す
ものであり、その図4において、x軸方向が高さ方向を
示し、y方向が横方向を示している。この図4におい
て、下側部材5(図4においては図示略)の横移動に伴
い、上側部材4が、下側部材5とは逆方向に横移動(図
4においては下方向)する場合、上側部材4における第
1当接面7上の任意の点、A1点が、当接点となるx軸
上のA0点に至ったときには、そこでは、A1点の高さ
が、第1当接面7が球面であることに基づき、上側部材
4が中立位置(原位置)に位置していた第1当接面7上
のB点よりも低くなるが、第1支持面9の曲率調整に基
づき、それに相当する分だけ、転動部材6における第1
支持面9上のA2(A1点がx軸上のA0点に至るとき
当接することになる第1支持面上の点)が低くなること
になっており、結果的に、上側部材4の上面の高さ位置
は変化しないことになっている。勿論この場合、第2当
接面8に対し、第2支持面10の曲率も同様に調整され
ることになっている。
【0018】上記単純化モデルについて、より具体的に
説明する。この単純化モデルを示す図4において、第1
当接面7(第2当接面8)の円弧半径をR、転動部材6
の回転中心点Oから第1当接面7の円弧中心Pまでの距
離をh、中立位置にある上側部材4と転動部材6とのx
軸上の当接点をB点(R−h,0)、円弧上のA1点
(ρ,{R2−(ρ+h)21/2)が上側部材4を横移
動させることによりx軸上に至る点をA0点(ρ,0)
とする。このような状況下においては、転動部材6の回
動中心点Oが近似的に移動しないことから、上側部材4
が横移動したときには、転動部材6における第1支持面
9上のA2点(x,y)はA0点に至らなければなら
ず、円弧A2A0と円弧A1Bとは等しくなければなら
ない。
【0019】この場合、円弧A1Bの角度がcos
-1(ρ+h)/R=cos-1((x2+y21/2+h)
/Rであるから、円弧A1Bは円弧A1B=Rcos-1
((x2+y21/2+h)/Rとなる。一方、円弧A2
A0は、∫x R-h{1+(dy/dx)21/2dxとなる
(積分区間R−hからx)。したがって、∫x R-h{1+
(dy/dx)21/2dx=Rcos-1((x2+y2
1/2+h)/Rに基づき、第1支持面9の曲率が求めら
れる。上記場合においては、転動部材6の回動中心点O
が近似的に移動しない場合について説明したが、勿論、
転動部材6の回動中心点Oの移動が無視できない場合に
は、適宜、補正、修正されることになる。
【0020】また、転動部材6の上下方向中央部には、
その周囲においてフランジ部11が設けられ、そのフラ
ンジ部11を基準にして、転動部材6の上側に円筒状の
弾性部材(例えばゴム)12が嵌着され、転動部材6の
下側に円筒状の弾性部材(例えばゴム)13が嵌着され
ている。弾性部材12の上端部は上側部材4の周縁部に
固着されており、弾性部材13の下端部は下側部材5の
周縁部に固着されている。これにより、図2に示すよう
に、上側部材4が、下側部材5の上方において水平な状
態で維持されると共に、転動部材6、上側部材4および
下側部材5は所定の中立位置(中央位置)に位置し、こ
れらは、当該転動部材6の回動中心点Oを通って上下方
向(鉛直方向)に伸びる同一直線上に位置することにな
っている。このため、建築物1又は基礎部材2から横荷
重を受けたとき、転動部材6が上記所定の中立位置へ復
帰し易いものとなり(復元力の発生)、また、上側部材
4、下側部材5の横移動を滑らかに確保する上で好まし
いものとなる。
【0021】本実施形態においては、下側部材5の周縁
部に周壁部14が、原位置の上側部材4から径方向外方
に所定距離離間させた状態(環状空間を形成した状態)
で一体的に起立されている。この周壁部14は、上側部
材4の横移動領域に臨まされており、上側部材4が所定
以上横方向に移動することが規制されることになってい
る。
【0022】これらの上側部材4、下側部材5、転動部
材6は、それぞれ、鉄系の金属材料で構成される。これ
らの部材4、5、6を鉄系の金属材料で構成する理由
は、免震装置3の耐用年数を増大させるためである。し
たがって、上側部材4、下側部材5、転動部材6の材料
は鉄系の金属材料に限定されるものではなく、例えばセ
ラミック材料やアルミニウム合金等の剛性の高い種々の
材料を使用することができる。
【0023】したがって、このような免震装置3におい
ては、正常な図5の状態から横揺れ等により下側部材5
が横移動した場合には、図6、図7に示すように、転動
部材6が転動されて、上側部材4が、下側部材5と逆方
向に横移動することになるが、この際、第1当接面7と
第1支持面9との曲率関係、第2当接面8と第2支持面
10との曲率関係に基づき、上側部材(上面)4は上下
方向に変動せず、建築物1の高さ変化を防止して、常
に、建築物1の高さを一定に維持することになる。
【0024】また本実施形態においては、第1当接面7
と第1支持面9との曲率関係、第2当接面8と第2支持
面10との曲率関係により、上側部材4と下側部材5と
の間の上下間隔が増大せず、それらによっては復元力を
得ることはできないが、横揺れに際して、転動部材6が
弾性部材12、13の弾性力に抗して転動することにな
り、その際の反発力が復元力となる。このため、その復
元力に基づき、転動部材6は、原位置(中立位置)に復
帰されることになる。
【0025】さらに、横揺れに伴い、上側部材4が所定
以上横移動した場合には、上側部材4は周壁部14に当
接することになり、上側部材4の所定以上の移動が規制
されることになる(図7参照)。このため、上側部材4
と下側部材5との相対的な横移動は、正常な作動が保証
される所望の範囲において行われることになる。
【0026】図8、図9は第2実施形態、図10は第3
実施形態、図11は第4実施形態を示すものである。こ
の各実施形態において、前記実施形態と同一構成要素に
ついては同一符号を付してその説明を省略する。
【0027】図8、図9に示す第2実施形態において
は、上側部材4の下面(第1当接面7)周縁部に環状溝
15が形成され、フランジ部11の上下面に環状溝16
a、16bがそれぞれ形成され、下側部材5の上面(第
2当接面8)周縁部に環状溝17が形成されている。そ
のうち、環状溝15と16aとの間に円筒状の弾性部材
12の端部が嵌合され、環状溝16bと17との間に
は、弾性部材13の端部が嵌合されている。また、上側
部材4の周縁部と周壁部14の内周縁部との間にも弾性
部材18が介装されており、この弾性部材18は、上側
部材4の周縁部と周壁部14の内周縁部との間の環状空
間を覆っている。これにより、弾性部材18によっても
復元力が確保できるだけでなく、その弾性部材18によ
って埃が周壁部14内部に入り込むことを防止できるこ
とになり、高度な初期性能を維持できることになる。
【0028】図10に示す第3実施形態においては、転
動部材の第1、第2支持面9、10の曲率が、上側部材
4と下側部材5との相対的な横移動に伴って該上側部材
4が上下方向に変動しない場合の曲率に比して、若干、
小さくされている(曲率半径大)。すなわち、図10に
おいて、転動部材6の第1、第2支持面9、10の曲率
が、上側部材4が上下方向に変動しない場合の曲率r
1、r2−1、r3−1(図10中、仮想線参照)に比
して若干、小さい曲率r1、r2−2、r3−2(図1
0中、実線参照)とされている。これにより、上側部材
4と下側部材5との間の上下間隔が変動することを減少
させつつ、上側部材4を持ち上げ、上側部材4と下側部
材5との間の上下間隔の増大に基づく復元力を発生させ
ることができることになり、建築物1の高さ変化の抑制
と、転動部材6の原位置(中立位置)への自動復帰とを
高度に満足させることができることになる。
【0029】図11に示す第4実施形態においては、第
1当接面7と第2当接面8とが、凸形状の球面とされ、
第1支持面9と第2支持面10とが、凹形状の球面とさ
れている。これら第4実施形態においても、前記第1又
は第2実施形態と同様の作用効果を得ることができるこ
とになる。勿論この他に、第1又は第2実施形態に係る
態様と第4実施形態に係る態様を組み合わせてもよい。
すなわち、第1当接面7と第2支持面10とを凹形状の
球面とすると共に第2当接面8と第1支持面9とを凸形
状の球面としたり、第2当接面8と第1支持面9とを凹
形状の球面とすると共に第2支持面10と第1当接面7
とを凸形状の球面としても、同様の作用効果を得ること
ができることになる。
【0030】以上実施形態について説明したが、本発明
はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むもので
ある。 (1)復元力を発生させる弾性部材として、ゴムに代え
て、コイルスプリング等を適宜用いること。 (2)ストッパとしての周壁部を上側部材に設けるこ
と。 (3)下側部材を建築物における下側床部材とし、上側
部材を当該下側床部材より若干上方に位置された上側床
部材とすること(上側床部材をフロ−ティング構造とし
たもので、上側床部材上にコンピュ−タ等の精密製品を
配設したときに、当該精密製品を横方向振動から保護す
る構造)。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る免震装置を示す平面図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】単純化モデルに基づく第1実施形態の免震作用
を説明する説明図。
【図4】上側部材が上下方向に変位動しない場合におけ
る第1当接面(第2当接面)の曲率と第1支持面(第2
支持面)の曲率との関係を説明する説明図。
【図5】横揺れ前の中立位置に位置する状態の免震装置
の状態を示す図。
【図6】図5の状態から横揺れが生じた状態に変化した
状態を示す動作状態図。
【図7】図6の続きを示す動作状態図。
【図8】第2実施形態を説明する縦断面図。
【図9】図8の平面図。
【図10】第3実施形態を説明する縦断面図。
【図11】第4実施形態を説明する縦断面図。
【符号の説明】
1 建築物(上部構造物) 2 基礎部材(下部構造物) 3 免震装置 4 上側部材 5 下側部材 6 転動部材 7 第1当接面 8 第2当接面 9 第1支持面 10 第2支持面 12 弾性部材(第1弾性部材) 13 弾性部材(第2弾性部材) 14 周壁部 18 弾性部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−58733(JP,A) 特開 昭64−18810(JP,A) 特開 昭58−210202(JP,A) 特開 平11−148248(JP,A) 特開 平10−159381(JP,A) 特開 平10−46867(JP,A) 特開 平10−2129(JP,A) 特開 平1−244042(JP,A) 実開 平3−62248(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 - 15/08 E04H 9/02 331

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物に固定される上側部材と、下
    部構造物に固定される下側部材と、前記上側部材と前記
    下側部材との間に介装され該上側部材と該下側部材との
    相対的な横移動に伴って転動する転動部材と、を備える
    免震装置において、 前記上側部材の下面に、凹形状の球面からなる第1当接
    面が形成され、 前記下側部材の上面に、凹形状の球面からなる第2当接
    面が形成され、 前記転動部材に、その上面側において、前記第1当接面
    が当接されると共に、該第1当接面との当接部から該第
    1当接面に沿って離れるに従って該第1当接面との間隔
    が次第に離間されるように凸形状の球面とされる第1支
    持面が形成され、 前記転動部材に、その下面側において、前記第2当接面
    が当接されると共に、該第2当接面との当接部から該第
    2当接面に沿って離れるに従って該第2当接面との間隔
    が次第に離間されるように凸形状の球面とされる第2支
    持面が形成され、 前記転動部材の第1支持面の曲率が、該第1支持面とし
    て、前記上側部材と前記下側部材との相対的な横移動に
    伴って該上側部材を上下方向に変動させない曲率のもの
    を用いる場合に比して小さく設定され、 前記転動部材の第2支持面の曲率が、該第2支持面とし
    て、前記上側部材と前記下側部材との相対的な横移動に
    伴って該上側部材を上下方向に変動させない曲率のもの
    を用いる場合に比して小さく設定され、 前記転動部材の上下方向中央部に、その周囲において外
    方に向けて突出するようにしてフランジ部が設けられ、 前記上側部材と前記転動部材との間に、前記フランジ部
    を基準として該転動部材の上側部分を内部に包み込むよ
    うにして円筒状の第1弾性部材が介装され、 前記第1弾性部材の下端部が該第1弾性部材の下端面を
    前記フランジ部に当接させつつ前記転動部材の上側部分
    に対して保持されていると共に、該第1弾性部材の上端
    部が前記上側部材に保持され、 前記下側部材と前記転動部材との間に、前記フランジ部
    を基準として該転動部材の下側部分を内部に包み込むよ
    うにして円筒状の第2弾性部材が介装され、 前記第2弾性部材の上端部が、該第2弾性部材の上端面
    を前記フランジ部に当接させつつ前記転動部材の下側部
    分に対して保持されていると共に、該第2弾性部材の下
    端部が前記側部材に保持されている、 ことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記上側部材又は前記下側部材のうちの一方の周縁部に
    周壁部が起立され、 前記周壁部が、前記上側部材又は前記下側部材のうちの
    他方の横移動領域に臨まされている、 ことを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記上側部材又は前記下側部材のうちの他方の周縁部と
    前記周壁部の内周縁部との間に弾性部材が、該上側部材
    又は該下側部材のうちの他方の周縁部と該周壁部の内周
    縁部との間を覆うようにして介装されている、 ことを特徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】 上部構造物に固定される上側部材と、下
    部構造物に固定される下側部材と、前記上側部材と前記
    下側部材との間に介装され該上側部材と該下側部材との
    相対的な横移動に伴って転動する転動部材と、を備える
    免震装置において、 前記上側部材の下面に、凹形状の球面からなる第1当接
    面が形成され、 前記下側部材の上面に、凹形状の球面からなる第2当接
    面が形成され、 前記転動部材に、その上面側において、前記第1当接面
    が当接されると共に、該第1当接面との当接部から該第
    1当接面に沿って離れるに従って該第1当接面との間隔
    が次第に離間されるように凸形状の球面とされる第1支
    持面が形成され、 前記転動部材に、その下面側において、前記第2当接面
    が当接されると共に、該第2当接面との当接部から該第
    2当接面に沿って離れるに従って該第2当接面との間隔
    が次第に離間されるように凸形状の球面とされる第2支
    持面が形成され、 前記転動部材の第1、第2支持面の曲率が、前記上側部
    材と前記下側部材との相対的な横移動にかかわらず、該
    上側部材が上下方向に変動しないように設定され、 前記上側部材と前記転動部材との間に、前記フランジ部
    を基準として該転動部材の上側部分を内部に包み込むよ
    うにして円筒状の第1弾性部材が介装され、 前記第1弾性部材の下端部が該第1弾性部材の下端面を
    前記フランジ部に当接させつつ前記転動部材の上側部分
    に対して保持されていると共に、該第1弾性部材の上端
    部が前記上側部材に保持され、 前記下側部材と前記転動部材との間に、前記フランジ部
    を基準として該転動部材の下側部分を内部に包み込むよ
    うにして円筒状の第2弾性部材が介装され、 前記第2弾性部材の上端部が、該第2弾性部材の上端面
    を前記フランジ部に当接させつつ前記転動部材の下側部
    分に対して保持されていると共に、該第2弾性部材の下
    端部が前記側部材に保持されている、 ことを特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記上側部材又は前記下側部材のうちの一方の周縁部に
    周壁部が起立され、 前記周壁部が、前記上側部材又は前記下側部材のうちの
    他方の横移動領域に臨まされている、 ことを特徴とする免震装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記上側部材又は前記下側部材のうちの他方の周縁部と
    前記周壁部の内周縁部との間に弾性部材が、該上側部材
    又は該下側部材のうちの他方の周縁部と該周壁部の内周
    縁部との間を覆うようにして介装されている、 ことを特徴とする免震装置。
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