JPH1122783A - 免震装置 - Google Patents
免震装置Info
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- JPH1122783A JPH1122783A JP18120297A JP18120297A JPH1122783A JP H1122783 A JPH1122783 A JP H1122783A JP 18120297 A JP18120297 A JP 18120297A JP 18120297 A JP18120297 A JP 18120297A JP H1122783 A JPH1122783 A JP H1122783A
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- seismic isolation
- rubber
- isolation rubber
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 常に上部構造体を保護できるようにした免震
装置を提供する。 【解決手段】 免震装置は、上部構造体1と下部構造体
2との間に介装され、相対変位を許容するとともに、伝
達される振動を減衰させる免震ゴム3、免震ゴム3の周
辺に配設した支持架台7、支持架台7の上端を転動し、
上部構造体1の下端との間に、免震ゴム3の上下方向許
容変位量以下の隙間hを設けた鋼球9、および支持架台
7の側部に配設され、免震ゴム3の側部との間に免震ゴ
ム3の水平方向許容変位量l以下の間隔を設けたストッ
パ8からなる。これにより、高信頼度免震を可能にする
免震装置とすることができる。
装置を提供する。 【解決手段】 免震装置は、上部構造体1と下部構造体
2との間に介装され、相対変位を許容するとともに、伝
達される振動を減衰させる免震ゴム3、免震ゴム3の周
辺に配設した支持架台7、支持架台7の上端を転動し、
上部構造体1の下端との間に、免震ゴム3の上下方向許
容変位量以下の隙間hを設けた鋼球9、および支持架台
7の側部に配設され、免震ゴム3の側部との間に免震ゴ
ム3の水平方向許容変位量l以下の間隔を設けたストッ
パ8からなる。これにより、高信頼度免震を可能にする
免震装置とすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上に立設された
機器・構造物の下方に設置され、地震等の振動が発生し
たとき、この振動によってこれら構造物等に発生する振
動を低減するようにした免震装置に関する。
機器・構造物の下方に設置され、地震等の振動が発生し
たとき、この振動によってこれら構造物等に発生する振
動を低減するようにした免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超高層建築物の建造が多くなるにつれ
て、大きな地震等が発生したときにおいても、建築物が
大きく振動しないようにするために、種々の免震装置が
近年開発されている。このような免震装置のなかでも、
近年は、薄いゴム板と薄い金属板を交互に積層して形成
するようにした積層ゴムを使用するようにした免震装置
が多用されるようになってきている。
て、大きな地震等が発生したときにおいても、建築物が
大きく振動しないようにするために、種々の免震装置が
近年開発されている。このような免震装置のなかでも、
近年は、薄いゴム板と薄い金属板を交互に積層して形成
するようにした積層ゴムを使用するようにした免震装置
が多用されるようになってきている。
【0003】ところで、このような免震装置は、その構
造上、建造物の上部構造体の下方に設置され、上部構造
体の自重を支えるようにしているため、地震時はもちろ
んのこと、通常時にも破損することが許されず、高い信
頼性が要求されるものである。このような、免震装置と
して、例えば、特許第2603426号「免震構造物」
で開示された免震装置がある。
造上、建造物の上部構造体の下方に設置され、上部構造
体の自重を支えるようにしているため、地震時はもちろ
んのこと、通常時にも破損することが許されず、高い信
頼性が要求されるものである。このような、免震装置と
して、例えば、特許第2603426号「免震構造物」
で開示された免震装置がある。
【0004】この免震装置は、互いに相対変位可能に絶
縁された上部構造体と下部構造体間に、球状又は円筒状
の転動体から構成される転がり支承と、積層ゴム(支
承)とを離隔して設置し、上部構造体の鉛直荷重と水平
荷重とを、転がり支承と積層ゴム(支承)とにそれぞれ
分担させて支持させるとともに、転がり支承には、これ
を原位置に復帰させる復元装置を設けるようにした免震
装置にされており、また、復元装置には、開口が形成さ
れ、この開口内に転がり支承を収容するプレートと、プ
レートに接続され、上部構造体から懸垂し、プレートを
支持するワイヤとが設けられ、転がり支承の転動により
下部構造体に対して移動したプレートをその自重で原位
置に復元させると同時に、転がり支承を原位置に復元さ
せるようにしている。
縁された上部構造体と下部構造体間に、球状又は円筒状
の転動体から構成される転がり支承と、積層ゴム(支
承)とを離隔して設置し、上部構造体の鉛直荷重と水平
荷重とを、転がり支承と積層ゴム(支承)とにそれぞれ
分担させて支持させるとともに、転がり支承には、これ
を原位置に復帰させる復元装置を設けるようにした免震
装置にされており、また、復元装置には、開口が形成さ
れ、この開口内に転がり支承を収容するプレートと、プ
レートに接続され、上部構造体から懸垂し、プレートを
支持するワイヤとが設けられ、転がり支承の転動により
下部構造体に対して移動したプレートをその自重で原位
置に復元させると同時に、転がり支承を原位置に復元さ
せるようにしている。
【0005】このように、この提案の免震装置は、転が
り支承と併用するようにしたものではあるが、上部構造
体を積層ゴムのみで支持するようにした免震装置も多用
されている。このような積層ゴムによる免震装置では、
積層ゴムの積層した個々のゴム板の微小変形によって、
全体として大きな変形をさせることができ、大きな振れ
に対しても対応することができ、また、大きな減衰力を
発生させることができ、秀れた免震性能を有し、信頼性
が高くなるとともに、さらには、ベースシヤ係数の低減
によってある程度は、部材寸法の削減が可能になり、工
事費の節減を可能になるなど、金属式の免震装置に比べ
て多数の利点がある。
り支承と併用するようにしたものではあるが、上部構造
体を積層ゴムのみで支持するようにした免震装置も多用
されている。このような積層ゴムによる免震装置では、
積層ゴムの積層した個々のゴム板の微小変形によって、
全体として大きな変形をさせることができ、大きな振れ
に対しても対応することができ、また、大きな減衰力を
発生させることができ、秀れた免震性能を有し、信頼性
が高くなるとともに、さらには、ベースシヤ係数の低減
によってある程度は、部材寸法の削減が可能になり、工
事費の節減を可能になるなど、金属式の免震装置に比べ
て多数の利点がある。
【0006】しかしながら、従来の積層ゴムを使用する
ようにした免震装置では、主要部の素材にゴムを使用し
ているために、劣化、可燃性、耐薬品性に問題があり、
また積層ゴムの大変形時、すなわち、下部構造体に対す
る上部構造体の相対変位が大きくなるときの安定性等に
問題があり、他の金属式の免震装置と比べて、信頼性の
面で不安が残るという不具合があった。
ようにした免震装置では、主要部の素材にゴムを使用し
ているために、劣化、可燃性、耐薬品性に問題があり、
また積層ゴムの大変形時、すなわち、下部構造体に対す
る上部構造体の相対変位が大きくなるときの安定性等に
問題があり、他の金属式の免震装置と比べて、信頼性の
面で不安が残るという不具合があった。
【0007】さらに、上述した「免震構造物」に開示さ
れた免震装置においては、転がり支承と積層ゴムとは全
く独立して設けられ、それぞれが、お互いに関係なく上
部構造体を支持するようにしているため、上述したよう
に積層ゴムの劣化、可燃性、耐薬品性により生じる不具
合は依然として問題が残り、さらに積層ゴムの劣化等に
起因して大変形が生じた時には、積層ゴムで支持してい
る位置での上部構造体の支持には、転がり支承は役立た
ず、安定性等に問題が残り、信頼性の面で不具合が生じ
るといった問題もあった。
れた免震装置においては、転がり支承と積層ゴムとは全
く独立して設けられ、それぞれが、お互いに関係なく上
部構造体を支持するようにしているため、上述したよう
に積層ゴムの劣化、可燃性、耐薬品性により生じる不具
合は依然として問題が残り、さらに積層ゴムの劣化等に
起因して大変形が生じた時には、積層ゴムで支持してい
る位置での上部構造体の支持には、転がり支承は役立た
ず、安定性等に問題が残り、信頼性の面で不具合が生じ
るといった問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様に、
すぐれた免震性能を有しているものの、劣化、可燃性、
耐薬品性に問題があり、例えば、通常の建築物の寿命と
される50年以上の長い供用期間中、免震ゴムが設計許
容値を超えて大変形を引き起し、信頼性の面で不安が残
る積層ゴムを採用した、従来の免震装置の問題点を解消
するため、免震ゴムが許容変位値以上変形した場合に
は、ストッパにより過大変形が抑止され、さらに、この
ストッパにより変形を抑止しても、更に、過大変形しよ
うとする場合には、鋼球の支持力によって過大変形を抑
止して、免震ゴムの大変形時においても上部構造体の安
定性を損うことがなく、さらには、火災、化学反応等で
免震ゴムが破損して機能喪失しているときに、地震に遭
遇するようなことが生じた場合においても、鋼球が免震
ゴムの支持位置での代替の自重支持機構となり、この状
態でころがり免震機能を発揮して、建築物等の局部破損
の事態を少くとも回避できるようにした免震装置を提供
することを課題とする。
すぐれた免震性能を有しているものの、劣化、可燃性、
耐薬品性に問題があり、例えば、通常の建築物の寿命と
される50年以上の長い供用期間中、免震ゴムが設計許
容値を超えて大変形を引き起し、信頼性の面で不安が残
る積層ゴムを採用した、従来の免震装置の問題点を解消
するため、免震ゴムが許容変位値以上変形した場合に
は、ストッパにより過大変形が抑止され、さらに、この
ストッパにより変形を抑止しても、更に、過大変形しよ
うとする場合には、鋼球の支持力によって過大変形を抑
止して、免震ゴムの大変形時においても上部構造体の安
定性を損うことがなく、さらには、火災、化学反応等で
免震ゴムが破損して機能喪失しているときに、地震に遭
遇するようなことが生じた場合においても、鋼球が免震
ゴムの支持位置での代替の自重支持機構となり、この状
態でころがり免震機能を発揮して、建築物等の局部破損
の事態を少くとも回避できるようにした免震装置を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の免震
装置は、次の手段とした。
装置は、次の手段とした。
【0010】(1)互いに相対変位可能に絶縁された上
部構造体と下部構造体の間に介装され、地震等により下
部構造体に振動等が生じたとき、変形して上部構造体と
下部構造体との相対変位を許容するとともに、振動等を
減衰させ、下部構造体に生じた振動等が上部構造体に伝
達されるのを低減し、上部構造体に発生する揺動を小さ
くする免震ゴムを設けた。なお、免震ゴムは、上端部お
よび下端部にそれぞれ上部構造体の底面、および下部構
造体の上面に固着される支持部が設けられ、上、下の支
持部の間に、薄いゴム板と薄い金属板とを交互に積層し
て、全体形状を円筒形状にした本体部を設けるようにし
たものが好ましい。
部構造体と下部構造体の間に介装され、地震等により下
部構造体に振動等が生じたとき、変形して上部構造体と
下部構造体との相対変位を許容するとともに、振動等を
減衰させ、下部構造体に生じた振動等が上部構造体に伝
達されるのを低減し、上部構造体に発生する揺動を小さ
くする免震ゴムを設けた。なお、免震ゴムは、上端部お
よび下端部にそれぞれ上部構造体の底面、および下部構
造体の上面に固着される支持部が設けられ、上、下の支
持部の間に、薄いゴム板と薄い金属板とを交互に積層し
て、全体形状を円筒形状にした本体部を設けるようにし
たものが好ましい。
【0011】(2)免震ゴムが配設された下部構造体の
上端面の免震ゴムの周辺に、下端部が固着され、免震ゴ
ムの背高よりも背高が小さくされた支持架台を設けた。
なお、支持架台の上端には、鋼球が自在に転動できる平
坦面を設けるとともに、転動する鋼球が支持架台の上端
からの飛び出しを防止するため、鋼球の直径より小さく
された背高の凸部を周辺に沿って設けて、凹形状溝を形
成するようにすることが好ましい。また、支持架台は、
免震ゴムが前後、左右の何れの水平方向に、設計で定め
られた許容変位量だけ変位したときにおいても、何れか
の支持架台に設けたストッパに少くとも当接するよう、
免震ゴムの配置位置のまわりには、少くとも3個以上設
けるようにすることが好ましい。
上端面の免震ゴムの周辺に、下端部が固着され、免震ゴ
ムの背高よりも背高が小さくされた支持架台を設けた。
なお、支持架台の上端には、鋼球が自在に転動できる平
坦面を設けるとともに、転動する鋼球が支持架台の上端
からの飛び出しを防止するため、鋼球の直径より小さく
された背高の凸部を周辺に沿って設けて、凹形状溝を形
成するようにすることが好ましい。また、支持架台は、
免震ゴムが前後、左右の何れの水平方向に、設計で定め
られた許容変位量だけ変位したときにおいても、何れか
の支持架台に設けたストッパに少くとも当接するよう、
免震ゴムの配置位置のまわりには、少くとも3個以上設
けるようにすることが好ましい。
【0012】(3)支持架台の上端に設けられた面上を
自在に転動し、その上端と支持架台上方の上部構造体の
底面との間に、免震ゴムに設定された上下方向の許容変
位量以下にされた隙間hが形成され、免震ゴムが設定さ
れた上下方向の許容変位量撓んだときには、上部構造体
の底面に当接して、上部構造体の重量を支持するととも
に、ころがり免震機能を発揮させるようにした鋼球を設
けた。
自在に転動し、その上端と支持架台上方の上部構造体の
底面との間に、免震ゴムに設定された上下方向の許容変
位量以下にされた隙間hが形成され、免震ゴムが設定さ
れた上下方向の許容変位量撓んだときには、上部構造体
の底面に当接して、上部構造体の重量を支持するととも
に、ころがり免震機能を発揮させるようにした鋼球を設
けた。
【0013】(4)免震ゴムを中心として、そのまわり
に設けるようにした支持架台の免震ゴム側の側面に、免
震ゴムの側部との間が、免震ゴムに設定された水平方向
の許容変位量以下にされた間隙lが形成され、免震ゴム
が設定された水平方向の許容変位量撓んだとき、免震ゴ
ムの側部に当接して、それ以上の免震ゴムの撓み変形を
抑制して、変位しないようにしたストッパを設けた。な
お、ストッパは硬質ゴム等の可撓性の素材で形成し、免
震ゴムが設計で定められた水平方向許容変位量だけ撓ん
だとき、免震ゴムの上端部に設けた支持部が当接するよ
うに、支持架台の側面上方に設けることが好ましい。
に設けるようにした支持架台の免震ゴム側の側面に、免
震ゴムの側部との間が、免震ゴムに設定された水平方向
の許容変位量以下にされた間隙lが形成され、免震ゴム
が設定された水平方向の許容変位量撓んだとき、免震ゴ
ムの側部に当接して、それ以上の免震ゴムの撓み変形を
抑制して、変位しないようにしたストッパを設けた。な
お、ストッパは硬質ゴム等の可撓性の素材で形成し、免
震ゴムが設計で定められた水平方向許容変位量だけ撓ん
だとき、免震ゴムの上端部に設けた支持部が当接するよ
うに、支持架台の側面上方に設けることが好ましい。
【0014】このように、本発明の免震装置は、上部構
造体と下部構造体との間に介装される免震ゴムの周辺に
支持架台を配置し、この支持架台には、免震ゴムの水平
方向の大変形防止用のストッパ、並びに免震ゴム機能喪
失時の上下方向の大変形時の免震ゴムの代替支持機構、
および免震機構として作用する鋼球を設けるようにし
た。これにより、大地震時等に下部構造体の振動が、免
震ゴムの水平方向の設計許容変位量を超え、間隙l以上
に変位した場合には、まずストッパを当接することによ
り、水平方向の免震ゴムの過大変形が抑止され、第1段
の安全装置として働く。
造体と下部構造体との間に介装される免震ゴムの周辺に
支持架台を配置し、この支持架台には、免震ゴムの水平
方向の大変形防止用のストッパ、並びに免震ゴム機能喪
失時の上下方向の大変形時の免震ゴムの代替支持機構、
および免震機構として作用する鋼球を設けるようにし
た。これにより、大地震時等に下部構造体の振動が、免
震ゴムの水平方向の設計許容変位量を超え、間隙l以上
に変位した場合には、まずストッパを当接することによ
り、水平方向の免震ゴムの過大変形が抑止され、第1段
の安全装置として働く。
【0015】また、このストッパが損傷等により抑止効
果がなくなった場合には、免震ゴムは更に水平方向に過
大変形しようとするが、上端が上部構造体底面に固着さ
れ、下端が下部構造体の上面に固着されて水平方向に変
形する積層ゴムの特徴から、免震ゴムは、水平方向の過
大変形につれて鉛直下方への変形も増加することにな
り、この結果、鋼球の上面が上部構造体の底面に当接す
るようになり、鋼球も上部構造体の自重を支持するとと
もに、転動することによる、ころがり免震機能を発揮す
るようになる。このため、仮に、免震ゴムが破損に至る
ような変位が生じても、上部構造物下部の局部破損の事
態に至るようなことはなくなる。
果がなくなった場合には、免震ゴムは更に水平方向に過
大変形しようとするが、上端が上部構造体底面に固着さ
れ、下端が下部構造体の上面に固着されて水平方向に変
形する積層ゴムの特徴から、免震ゴムは、水平方向の過
大変形につれて鉛直下方への変形も増加することにな
り、この結果、鋼球の上面が上部構造体の底面に当接す
るようになり、鋼球も上部構造体の自重を支持するとと
もに、転動することによる、ころがり免震機能を発揮す
るようになる。このため、仮に、免震ゴムが破損に至る
ような変位が生じても、上部構造物下部の局部破損の事
態に至るようなことはなくなる。
【0016】一方、地震時以外において、仮りに、火
災、化学反応等で免震ゴムが機能喪失し、最悪の場合、
免震ゴムを構成する積層ゴムそのものの喪失が起きて
も、免震ゴムより背高が小さくされた支持架台上に、上
部構造体の底面と隙間hを設けて配置された鋼球が代替
の自重支持機構となり、上部構造体を支持する。しか
も、この状態で地震に遭遇するようなことがあっても、
下部構造体の振動に応じて、鋼球は転動し、下部構造体
に発生する振動の上部構造体への伝達は、免震ゴムの場
合より劣るものの、いわゆるころがり免震となり、免震
機能を発揮するようになる。このように、最悪の事態が
発生した場合においても、上部構造物下部の局部破壊の
事態は、確実に回避できるようになる。
災、化学反応等で免震ゴムが機能喪失し、最悪の場合、
免震ゴムを構成する積層ゴムそのものの喪失が起きて
も、免震ゴムより背高が小さくされた支持架台上に、上
部構造体の底面と隙間hを設けて配置された鋼球が代替
の自重支持機構となり、上部構造体を支持する。しか
も、この状態で地震に遭遇するようなことがあっても、
下部構造体の振動に応じて、鋼球は転動し、下部構造体
に発生する振動の上部構造体への伝達は、免震ゴムの場
合より劣るものの、いわゆるころがり免震となり、免震
機能を発揮するようになる。このように、最悪の事態が
発生した場合においても、上部構造物下部の局部破壊の
事態は、確実に回避できるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の免震装置の実施の
一形態を図面にもとづき説明する。図1は、本発明の免
震装置の実施の第1形態を示す縦断正面図、図2は図1
の矢視A−Aにおける上方から見た全体図である。
一形態を図面にもとづき説明する。図1は、本発明の免
震装置の実施の第1形態を示す縦断正面図、図2は図1
の矢視A−Aにおける上方から見た全体図である。
【0018】図に示すように、互いに相対変位可能に絶
縁された上部構造体1と、下部構造体としての基礎2と
の間には、地震等により基礎2に振動が生じたとき、変
形して上部構造体1と基礎2との相対変位を許容すると
ともに、振動を低減させ、基礎2に生じた振動等が上部
構造体に伝達されるのを低減し、上部構造体1に発生す
る揺動を小さくする免震ゴム3が所定のピッチで配置さ
れている。この免震ゴム3は、上端部および下端部に、
それぞれ上部構造体1の底面および基礎2の上面に固着
される支持部4,5が、それぞれ設けられ、上、下の支
持部4,5の間には、薄いゴム板と薄い金属板とを交互
に積層して、全体形状が円筒形状にされた本体部6が設
けられるようにしている。
縁された上部構造体1と、下部構造体としての基礎2と
の間には、地震等により基礎2に振動が生じたとき、変
形して上部構造体1と基礎2との相対変位を許容すると
ともに、振動を低減させ、基礎2に生じた振動等が上部
構造体に伝達されるのを低減し、上部構造体1に発生す
る揺動を小さくする免震ゴム3が所定のピッチで配置さ
れている。この免震ゴム3は、上端部および下端部に、
それぞれ上部構造体1の底面および基礎2の上面に固着
される支持部4,5が、それぞれ設けられ、上、下の支
持部4,5の間には、薄いゴム板と薄い金属板とを交互
に積層して、全体形状が円筒形状にされた本体部6が設
けられるようにしている。
【0019】また、図2に示すように、この免震ゴム3
をとりかこむようにして、支持架台7が複数個、図にお
いては、方位角120°毎に3個の支持架台7が、下端
部を基礎2上に固着して設置されている。さらに、3個
の支持架台7の免震ゴム3とそれぞれ対向する側の側面
の上部には、硬質ゴム製のストッパ8が固着されてい
る。この支持架台7の側面に設けられるストッパ8は、
免震ゴム3が基礎2と上部構造体1との相対変位によ
り、免震ゴム3に設定された水平方向の許容変位量だけ
変位したとき、免震ゴム3の上端部に設けた支持部4が
当接するような位置に設けるようにしている。
をとりかこむようにして、支持架台7が複数個、図にお
いては、方位角120°毎に3個の支持架台7が、下端
部を基礎2上に固着して設置されている。さらに、3個
の支持架台7の免震ゴム3とそれぞれ対向する側の側面
の上部には、硬質ゴム製のストッパ8が固着されてい
る。この支持架台7の側面に設けられるストッパ8は、
免震ゴム3が基礎2と上部構造体1との相対変位によ
り、免震ゴム3に設定された水平方向の許容変位量だけ
変位したとき、免震ゴム3の上端部に設けた支持部4が
当接するような位置に設けるようにしている。
【0020】すなわち、定常状態にある免震ゴム3とス
トッパ8との間隔lは、免震ゴム3の設計で定められた
水平方向許容変位量以下の値となる様にして、ストッパ
8を免震ゴム3の周囲に配置するようにして、支持架台
7は免震ゴム3周辺に設けるようにしている。
トッパ8との間隔lは、免震ゴム3の設計で定められた
水平方向許容変位量以下の値となる様にして、ストッパ
8を免震ゴム3の周囲に配置するようにして、支持架台
7は免震ゴム3周辺に設けるようにしている。
【0021】さらに、免震ゴム3の背高よりも小さい背
高にされた支持架台7の上端には、鋼球9が自由に回転
できる平坦な面が形成されるとともに、鋼球9が転動に
より支持架台7の上端からの飛び出すのを防止するた
め、円筒状の凹形状溝10が配置されて、この中でころ
がり免震機能を発揮するとともに、免震ゴム3の過大変
形時、上部構造体1を支持する鋼球を収容するようにし
ている。すなわち、鋼球9の直径は、凹形状溝10の深
さより大きくされ、鋼球9の頂点が凹形状溝10の上端
より若干上方に突出するようにして、凹形状溝10内に
収容され、しかも、鋼球9の頂点と上部構造体1の底面
との間に隙間hを設けるようにしている。
高にされた支持架台7の上端には、鋼球9が自由に回転
できる平坦な面が形成されるとともに、鋼球9が転動に
より支持架台7の上端からの飛び出すのを防止するた
め、円筒状の凹形状溝10が配置されて、この中でころ
がり免震機能を発揮するとともに、免震ゴム3の過大変
形時、上部構造体1を支持する鋼球を収容するようにし
ている。すなわち、鋼球9の直径は、凹形状溝10の深
さより大きくされ、鋼球9の頂点が凹形状溝10の上端
より若干上方に突出するようにして、凹形状溝10内に
収容され、しかも、鋼球9の頂点と上部構造体1の底面
との間に隙間hを設けるようにしている。
【0022】この隙間hは、図1の一点鎖線で示すよう
に、免震ゴム3の水平方向の変形により、免震ゴム3の
背高が鉛直下方へ設計許容範囲内で変位したとき、上部
構造体1の底面と鋼球9の頂点とが接触して、鋼球9で
上部構造体1で支持できるように、免震ゴム3の上下方
向許容変位量以下の大きさにされている。また、この隙
間hの調整は、支持架台7の高さ、又は凹形状溝10の
深さ、又は鋼球9の直径の調整によって任意に行うこと
ができる。
に、免震ゴム3の水平方向の変形により、免震ゴム3の
背高が鉛直下方へ設計許容範囲内で変位したとき、上部
構造体1の底面と鋼球9の頂点とが接触して、鋼球9で
上部構造体1で支持できるように、免震ゴム3の上下方
向許容変位量以下の大きさにされている。また、この隙
間hの調整は、支持架台7の高さ、又は凹形状溝10の
深さ、又は鋼球9の直径の調整によって任意に行うこと
ができる。
【0023】このように、本実施の形態の免震装置は、
上部構造体1と基礎2との間に介装される免震ゴム3の
周辺に支持架台7を配置し、この支持架台7は、免震ゴ
ムの水平方向の大変形防止用のストッパ8、並びに免震
ゴム3の機能喪失時の上下方向の大変形時に免震ゴム3
の代替支持機構として作用するとともに、ころがり免震
機能を発揮する鋼球9を設けるようにしたので、大地震
時等に基礎2に発生する振動が、免震ゴム3の水平方向
の設計許容変位量を超え、間隙l以上に変位した場合に
は、まず、ストッパ8と当接して水平方向の免震ゴム3
の過大変形が抑止される。
上部構造体1と基礎2との間に介装される免震ゴム3の
周辺に支持架台7を配置し、この支持架台7は、免震ゴ
ムの水平方向の大変形防止用のストッパ8、並びに免震
ゴム3の機能喪失時の上下方向の大変形時に免震ゴム3
の代替支持機構として作用するとともに、ころがり免震
機能を発揮する鋼球9を設けるようにしたので、大地震
時等に基礎2に発生する振動が、免震ゴム3の水平方向
の設計許容変位量を超え、間隙l以上に変位した場合に
は、まず、ストッパ8と当接して水平方向の免震ゴム3
の過大変形が抑止される。
【0024】また、このストッパ8による抑止効果がな
くなった場合には、免震ゴム3は更に過大変形するが、
水平方向の過大変形による鉛直下方への免震ゴム3の変
形により、鋼球9が上部構造体1の底面に接触するよう
になり、この接触した鋼球9の支持力により、上部構造
体の自重は支持されて、過大変形は抑止される。さら
に、上部構造体1の底面に接触した鋼球9の転動によ
り、ころがり免震機能が発揮され、免震ゴム3に破損に
至るような変位が生じるような場合においても、上部構
造体1下部の局部破損の事態は回避できる。また、火
災、化学反応等で免震ゴムを構成するゴムそのものの喪
失が起きるようなことがあっても、鋼球9が代替の自重
支持機構となるとともに、万一、この状態で地震に遭遇
するようなことがあったとしても、鋼球9の免震機能に
より、このような、考え得る最悪の事態が発生したよう
な場合においても、上部構造物下部の局部破壊の事態は
充分に回避できる。
くなった場合には、免震ゴム3は更に過大変形するが、
水平方向の過大変形による鉛直下方への免震ゴム3の変
形により、鋼球9が上部構造体1の底面に接触するよう
になり、この接触した鋼球9の支持力により、上部構造
体の自重は支持されて、過大変形は抑止される。さら
に、上部構造体1の底面に接触した鋼球9の転動によ
り、ころがり免震機能が発揮され、免震ゴム3に破損に
至るような変位が生じるような場合においても、上部構
造体1下部の局部破損の事態は回避できる。また、火
災、化学反応等で免震ゴムを構成するゴムそのものの喪
失が起きるようなことがあっても、鋼球9が代替の自重
支持機構となるとともに、万一、この状態で地震に遭遇
するようなことがあったとしても、鋼球9の免震機能に
より、このような、考え得る最悪の事態が発生したよう
な場合においても、上部構造物下部の局部破壊の事態は
充分に回避できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の免震装置
によれば、免震ゴムのまわりに鋼球及びストッパを保持
する支持架台を配置することにより、ストッパにより免
震ゴムの大変形を防止し、さらに、ストッパの保持力を
越える力が働き過大変形が生じようとする場合、若しく
は免震ゴムの機能が喪失したような場合には、鋼球によ
り代替支持機能が発揮され、過大変形、若しくは構造物
破壊が防止できるようになり、大地震時、及び火災や劣
化、化学変化等、異常事態が発生し、免震装置が損われ
たときにおいても、支持される建造物の損傷を引起こす
ことなく、安定した免震機能を維持できる高信頼度免震
が実現できる。
によれば、免震ゴムのまわりに鋼球及びストッパを保持
する支持架台を配置することにより、ストッパにより免
震ゴムの大変形を防止し、さらに、ストッパの保持力を
越える力が働き過大変形が生じようとする場合、若しく
は免震ゴムの機能が喪失したような場合には、鋼球によ
り代替支持機能が発揮され、過大変形、若しくは構造物
破壊が防止できるようになり、大地震時、及び火災や劣
化、化学変化等、異常事態が発生し、免震装置が損われ
たときにおいても、支持される建造物の損傷を引起こす
ことなく、安定した免震機能を維持できる高信頼度免震
が実現できる。
【図1】本発明の免震装置の実施の第1形態を示す縦断
正面図、
正面図、
【図2】図1に示す矢視A−Aにおける上方から見た全
体図である。
体図である。
1 上部構造体 2 下部構造体としての基礎 3 免震ゴム 4 (上部)支持部 5 (下部)支持部 6 本体部 7 支持架台 8 ストッパ 9 鋼球 10 凹形状溝
Claims (1)
- 【請求項1】 互いに相対変位可能に絶縁された上部構
造体と下部構造体との間に介装され、前記下部構造体に
生じる振動によって、前記上部構造体に発生する振動を
低減するための免震装置において、前記上部構造体と前
記下部構造体との間に介装され、変形して前記上部構造
体と前記下部構造体との相対変位を許容するとともに、
伝達される振動を減衰させる免震ゴムと、前記免震ゴム
の周辺に配設した支持架台と、上端と前記上部構造体の
下端との間に、前記免震ゴムの上下方向許容変位量以下
にした隙間を設けて配置され、前記支持架台の上方で転
動する鋼球と、前記免震ゴムの側部との間に前記免震ゴ
ムの水平方向許容変位量以下にした間隔を設けて前記支
持架台の側部に配設したストッパとを設けたことを特徴
とする免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18120297A JPH1122783A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18120297A JPH1122783A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 免震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1122783A true JPH1122783A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16096635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18120297A Withdrawn JPH1122783A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1122783A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102979318A (zh) * | 2012-12-19 | 2013-03-20 | 山东建筑大学 | 具有滑动支座的建筑物移位和隔震就位方法 |
JP2013177959A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-09-09 | Three M Innovative Properties Co | 制振装置 |
JP2016151278A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-22 | 株式会社竹中工務店 | 制振装置 |
-
1997
- 1997-07-07 JP JP18120297A patent/JPH1122783A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013177959A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-09-09 | Three M Innovative Properties Co | 制振装置 |
CN102979318A (zh) * | 2012-12-19 | 2013-03-20 | 山东建筑大学 | 具有滑动支座的建筑物移位和隔震就位方法 |
CN102979318B (zh) * | 2012-12-19 | 2015-06-10 | 山东建筑大学 | 具有滑动支座的建筑物移位和隔震就位方法 |
JP2016151278A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-22 | 株式会社竹中工務店 | 制振装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |