JP3340604B2 - 敷 居 - Google Patents

敷 居

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JP3340604B2
JP3340604B2 JP27252395A JP27252395A JP3340604B2 JP 3340604 B2 JP3340604 B2 JP 3340604B2 JP 27252395 A JP27252395 A JP 27252395A JP 27252395 A JP27252395 A JP 27252395A JP 3340604 B2 JP3340604 B2 JP 3340604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、敷居に関し、詳
しくは、住宅の相隣接する和室と洋室の間等に床面と段
差が生じないように設置される敷居に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、高齢者や障害者の居住を
考慮した住宅においては、高齢者等が敷居につまづいて
転倒するのを防止したり、車椅子での通行を容易にする
ために、相隣接する和室と洋室の間等に設置される敷居
の上面を、床面と略同一面となるようにして段差が生じ
ないような配慮がなされている。
【0003】図9に示すように、相隣接する和室Aと洋
室Bの間に設置される場合の従来のこの種の敷居41と
しては、例えば、敷居本体2の一側面2aに、洋室Bの
床板Dの端部を嵌合させる床板嵌合溝3dを形成したも
のが知られている。
【0004】前記敷居本体2は、長尺で且つ横断面が矩
形状に形成された集成材若しくは木材等から構成される
ものである。そして、敷居41の上方に引き違い戸を施
工する場合、この敷居本体2の上面2cの略中央には堅
木(モアビ)4が埋設される。また、この敷居本体2が
集成材等の外観の見栄えが良くない材質で構成されてい
る場合には、外観を美麗にするため、敷居本体2と堅木
4の上面2c,4c及び敷居本体2の両側面2a,2b
に白木単板6がそれぞれ貼付けられる。この場合、これ
ら白木単板6は生産工場等であらかじめ貼付けられる
が、前記敷居本体2と堅木4の上面2c,4cに貼付け
られた白木単板6の両側上方の角部6aには、安全のた
めにそれぞれ耳とり加工が行われる。
【0005】このようにして白木単板6を貼付けた敷居
41を施工現場へ搬送した後においては、前記堅木4の
上面4cに、上方に開口して引き違い戸をガイドする2
つの戸襖溝4bが、前記白木単板6の上面6cから下方
に向けてそれぞれ形成されると共に、前記敷居本体2の
一側面2aに、前記床板嵌合溝3dが前記白木単板6の
表面6bから側方に向けて形成される。
【0006】ここで、前記床板嵌合溝3dは、前記床板
Dの端部を隙間なく嵌合できるように、側方に向けて所
定深さで且つ床板Dの厚さと略同一寸法の溝幅で横断面
が凹状に形成される。また、前記床板D上にはカーペッ
ト等の敷物材Fが敷設されるので、この床板嵌合溝3d
は、前記敷物材Fの上面fが前記白木単板6の上面6c
と略同一面となるようにするために、前記白木単板6の
上面6cから敷物材Fの厚さと略同一寸法の間隔を開け
て形成される。すなわち、この床板嵌合溝3dの上方に
形成される敷居本体2の突出部5の厚さCと前記白木単
板6の厚さの和が、前記敷物材Fの厚さと略同一となる
ように形成される。
【0007】上記のように構成されて所定位置に設置さ
れた敷居41の和室A側には、その上面eが前記白木単
板6の上面6cと略同一面となるようにして畳Eが設置
され、また洋室B側には、その端部を前記床板嵌合溝3
dに嵌合させるようにして床板Dが設置される。
【0008】このようにして設置された床板D上に敷設
される敷物材Fの厚さは、通常、3mm程度であり、ま
た前記白木単板6としては、厚さが1mm程度のものが
用いられる。従って、このような通常の場合において
は、前記突出部5の厚さCは2mm程度とされている。
【0009】また、図10に示すように、厚さが3mm
程度の合板8等をスペーサーとして用いて敷居51をよ
り高い位置に設置し、床板嵌合溝3dをより低い位置に
形成することによって、前記突出部5の厚さCを5mm
程度に大きくすることも行われている。
【0010】あるいは、図11に示すように、前記敷居
本体2に床板嵌合溝3dを形成せずに床板Dを根太9上
に載置し、この床板Dの端部を、前記白木単板6の表面
6bに当接させるようにして固定した敷居61も提案さ
れている。
【0011】さらに、実開平7−4760号公報に開示
されているように、その上面が床面と略同一面となるよ
うにして設置される敷居であって、アルミニウム等の金
属材からなると共に、床面側の端部下面に床板の端部を
嵌合させる段部を形成してある敷居も提案されている。
この敷居は、長尺で且つ横断面が矩形状に形成された集
成材若しくは木材からなる下地材(敷居本体)の上面に
設置され、この下地材の上面と前記段部の間で形成され
る溝部分(床板嵌合溝)に床板の端部を嵌合するように
している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の敷居41においては、前記突出部5の厚さ
Cが通常の場合は2mm程度と小さく、また前記白木単
板6の強度も高くはないので、前記床板嵌合溝3dを形
成する際やこの床板嵌合溝3dに床板Dの端部を嵌合さ
せる際に、前記突出部5に欠けや割れが発生し易いとい
う問題点がある。そのため、これらの作業を行うに際し
ては、細心の注意を払う必要があるという問題点があ
る。また、前記敷居本体2にあらかじめ床板嵌合溝4を
形成しておくと施工現場への搬送中に突出部5に欠けや
割れが発生する恐れがあるので、床板嵌合溝3dは施工
現場に搬送した後でなければ形成できないという問題点
がある。
【0013】また、上記の敷居51においては、前記突
出部5の厚さCを5mm程度に大きくしているので欠け
や割れは発生しにくくなるが、この突出部5の厚さCが
前記敷物材Fの厚さより大きくなるので、敷居51と洋
室Bの間に段差が生じるという問題点がある。
【0014】さらに、上記の敷居61においては、床板
Dの端部の切り口が表面に露出するので、外観の見栄え
が良くないと共に、長期間経過後に下地の収縮等によっ
て床板Dと敷居61の間に隙間が生じることがあるとい
う問題点がある。
【0015】また、上記公報に開示された敷居において
は、床板の端部を前記溝部分に誤って過度の力で押し込
んだ場合には、この溝部分から、前記下地材の上面に固
定された敷居に側方にずれようとする力が作用するの
で、この敷居が下地材から脱落しないように下地材との
固定をより強固にしておく必要があるという問題点があ
る。また、この敷居は、金属材からなるので、木材やプ
ラスチック等を用いる場合と比較してコストが高いと共
に、これら木材等よりも硬く前記段部等の形成が比較的
困難であるので、製造を効率良く行えないという問題点
がある。
【0016】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、床板の端部を嵌合させる床板嵌合
溝の上方に形成される突出部に欠けや割れが発生せず、
施工が容易であると共に、製造が容易でコストの低減化
を図ることができる敷居を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段とするところは、第1に、敷居本体と、該敷居本
体の側面に一側面が接合され且つ他側面に床板の端部を
嵌合させる床板嵌合溝を形成したプラスチック発泡材と
を備えた敷居であって、前記プラスチック発泡材をその
上面が敷居本体の上面と略同一面となるように接合する
と共に、前記床板嵌合溝の上方に形成される突出部の厚
さを、床板上に敷設される敷物材の厚さと略同一か少し
小さくしたことにある。
【0018】
【0019】第に、少なくとも前記敷居本体及びプラ
スチック発泡材の上面に白木単板を貼付けたことにあ
る。
【0020】第に、前記プラスチック発泡材に着色剤
を添加してこのプラスチック発泡材の色を前記敷居本体
の色と同色としたことにある。
【0021】第に、前記プラスチック発泡材に着色剤
を添加してこのプラスチック発泡材の色を前記白木単板
の色と同色としたことにある。
【0022】第に、前記敷居本体の上面に堅木を埋設
すると共に、該堅木の上面に上方に開口する少なくとも
1つの戸襖溝を形成したことにある。
【0023】第に、前記プラスチック発泡材自体の高
さを、前記敷居本体の高さより小さくしたことにある。
【0024】第に、前記敷居本体の側面に、前記プラ
スチック発泡材を支持するように該プラスチック発泡材
の下面に当接する凸条部を設けたことにある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。なお、既述の従来技術と同じ構
成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0026】まず、図1乃至図7に基づいて、住宅の相
隣接する和室Aと洋室Bの間に設置されてその上方に引
き違い戸を施工する場合について説明する。図1に示す
ように、第1実施形態に係る敷居1は、敷居本体2と、
該敷居本体2の一側面2aに接合されるプラスチック発
泡材3とを備えたものである。
【0027】前記敷居本体2の上面2cには、堅木4が
その端側面4aを敷居本体2の一側面2aと略同一面と
なるようにして埋設されており、またこの堅木4の上面
4cには、上方に開口して引き違い戸をガイドする2つ
の戸襖溝4bが形成されている。なお、この戸襖溝4b
の数は2つに限定されるものではなく、施工する引き戸
の種類に応じて、適宜の数を形成すればよい。また、敷
居本体2の材質としては、集成材や木材等を採用するこ
とができる。
【0028】前記プラスチック発泡材3は、長尺で且つ
前記敷居本体2の高さと略同一高さで横断面が矩形状に
形成されたプラスチックの発泡体から構成されるもので
ある。このプラスチック発泡材3の一側面3aは、上面
3cが前記敷居本体2及び堅木4の上面2c,4cと略
同一面となるようにして敷居本体2の一側面2a及び堅
木4の端側面4aに接合されており、またその他側面3
bには、床板Dの端部を嵌合させる床板嵌合溝3dが形
成されている。また、この床板嵌合溝3dの上方には厚
さCの突出部5が形成されているが、この厚さCとして
は、前記床板D上に敷設される敷物材Fの厚さと略同一
か少し小さい寸法としておけばよい。すなわち、前記敷
物材Fの厚さが3mm程度である場合には、この突出部
5の厚さCを2〜3mm程度としておけばよい。なお、
プラスチック発泡材3を構成する発泡体には、ポリ塩化
ビニルやポリスチレン等の種々のプラスチックの発泡体
を用いることができるが、その発泡倍率としては1.2
〜2.5倍が望ましく、1.5〜2.0倍がより好適で
ある。
【0029】ここで、前記敷居本体2が集成材等で構成
されて外観の見栄えが良くない場合には、外観を美麗に
するために、前記プラスチック発泡材3と堅木4と敷居
本体2の上面3c,4c,2c、敷居本体2の他側面2
b、及びプラスチック発泡材3の他側面3bに、それぞ
れ白木単板6を貼付けることができる。この場合、前記
プラスチック発泡材3の製造の際に着色剤を添加してこ
れら白木単板6の色と同色としておけば、この実施形態
のように、プラスチック発泡材3の他側面3bに貼付け
る白木単板6を不要とすることができる。このように、
白木単板6を用いれば、敷居本体2に集成材等の安価な
ものを使用できるので、コストの低減化を図ることがで
きる。
【0030】次に、図2乃至図5に基づいて、上記の敷
居1の製造方法について説明する。敷居1を製造するに
は、図2に示すように、まず敷居本体2の上面2cに、
堅木4をその端側面4aが敷居本体2の一側面2aと略
同一面となるようにして埋設した後、この堅木4の端側
面4a及び敷居本体2の一側面2aにプラスチック発泡
材3の一側面3aを接着剤等で接合する。この場合、敷
居本体2の上面2cには、堅木4を埋設するための切欠
部2dをあらかじめ設けておき、この切欠部2dに接着
剤等を用いて堅木4を埋設すればよい。また、プラスチ
ック発泡材3の色は、既述したように、製造の際にあら
かじめ着色剤を添加して白木単板6の色と同色としてお
けばよい。なお、堅木4の埋設位置は、上記の位置に限
定されるものではなく、敷居1の幅等に応じて適宜変更
可能である。
【0031】上記のようにして敷居本体2に堅木4を埋
設し、これら敷居本体2及び堅木4にプラスチック発泡
材3を接合した後は、図3に示すように、あらかじめ所
定の大きさに切断した厚さが1mm程度の一の白木単板
6を敷居本体2の他側面2bに接着剤で貼付け、次い
で、他の白木単板6をプラスチック発泡材3と堅木4と
敷居本体2の上面3c,4c,2cに接着剤で貼付け
る。このプラスチック発泡材3等の上面3c,4c,2
cに貼付けた白木単板6は、図4に示すように、安全の
ために両側上方の角部6aをそれぞれ耳取り加工してお
くのが望ましい。
【0032】さらに、図5に示すように、堅木4の上面
4cに、上方に開口する2つの戸襖溝4bを白木単板6
の上面6cからそれぞれ形成すると共に、プラスチック
発泡材3の他側面3bに床板嵌合溝3dを形成する。こ
の場合において、床板D上に厚さが3mm程度の敷物材
Fを敷設する時には、白木単板6の上面6cからは3m
m程度、プラスチック発泡材3の上面3cからは2mm
程度の間隔を開けて床板嵌合溝3dを形成すればよい。
【0033】上記のように構成されて所定位置に設置さ
れた敷居1の和室A側には、図1に示すように、その上
面eが前記白木単板6の上面6cと略同一面となるよう
にして畳Eが設置され、また洋室B側には、その端部を
前記床板嵌合溝3dに嵌合させるようにして床板Dが設
置される。
【0034】ここで、前記突出部5の厚さCが、例え
ば、上記のように2mm程度と小さい場合でも、この突
出部5はプラスチック発泡材3の一部であるので、ここ
に応力や衝撃が作用した場合でも欠けや割れが発生しに
くいという利点がある。従って、プラスチック発泡材3
に床板嵌合溝3bをあらかじめ形成しておくことがで
き、また施工現場においても、細心の注意を払うことな
く床板Dの端部を床板嵌合溝3bに容易に嵌合させるこ
とができる。また、前記プラスチック発泡材3は、金属
材と比較すれば軟らかい部材であるので、前記床板嵌合
溝3dの形成も容易である。この場合、上記のようにし
て敷居1を生産工場等であらかじめ製造しておけば、施
工の短縮化をより一層図ることができる。また、敷居1
の製造が容易であると共に、敷居本体2の大きさも従来
のものと比較して小さくてよいので、コストの低減化を
図ることもできる。
【0035】さらに、床板Dの端部を床板嵌合溝3bに
嵌合させるようにして設置するので、床板Dの端部が表
面に露出することはなく、また長期間経過後に下地の収
縮等が発生しても床板Dと敷居1の間に隙間が生じるこ
とはない。また、プラスチック発泡材3は敷居本体2の
一側面2aに接合されているので、床板Dの端部を床板
嵌合溝3bに誤って過度の力で押し込んだ場合でも、こ
のプラスチック発泡材3が敷居本体2から脱落する恐れ
がない。そして、床板Dは、床板嵌合溝3bに加えて図
示しない根太等によっても支持されているので、この床
板D上に下向きの大きい力が作用した場合でも、プラス
チック発泡材3と敷居本体2の接合部分に応力が集中す
ることはない。従って、これらプラスチック発泡材3と
敷居本体2の接合強度は特に高くしておく必要はなく、
そのためプラスチック発泡材3の敷居本体2への接合を
手軽に行うことができる。
【0036】また、この実施形態のように、前記白木単
板6を用いた場合において、プラスチック発泡材3をそ
の上面3cが敷居本体2等の上面2c,4cと略同一面
となるように接合すると共に、前記突出部5の厚さCと
白木単板6の厚さの和を前記敷物材Fの厚さと略同一と
しておけば、敷居1と洋室Bの間に段差が生じることは
ない。
【0037】なお、敷居本体2に木材等の外観が美麗な
ものを用いると共に、プラスチック発泡材3の製造の際
に着色剤を添加して前記敷居本体2の色と同色としてお
けば、敷居1の外観が全体として同一色となるので、前
記白木単板6を不要とできるが、前記敷居本体2やプラ
スチック発泡材3等に傷等が付かないように保護し且つ
適宜貼り替え可能なように、敷居本体2等の上面2c,
4c,3cには、白木単板6を貼付けておくのが望まし
い。
【0038】図6に示すように、第2実施形態に係る敷
居11は、上記の第1実施形態とほぼ同様であるが、前
記プラスチック発泡材3自体の高さを、敷居本体2の高
さより小さくしたものである。
【0039】このように、プラスチック発泡材3自体の
高さを小さくしておけば、このプラスチック発泡材3の
使用量が少なく済むので、コストの低減化を図ることが
できるが、この場合も上記と同様、プラスチック発泡材
3の上面3cが敷居本体2等の上面2c,4cと略同一
面となるように接合するのが望ましい。以上のように、
プラスチック発泡材3の大きさ等は特に限定されるもの
ではなく、またその横断面の形状も、矩形状の他に、台
形状等であってもよい。
【0040】図7に示すように、第3実施形態に係る敷
居21は、上記の第2実施形態において、敷居本体2の
一側面2aに、プラスチック発泡材3を支持するように
該プラスチック発泡材3の下面3eに当接する凸条部7
を設けたものである。
【0041】このように、前記凸条部7を設けておけ
ば、プラスチック発泡材3と敷居本体2の接合状態をよ
り安定にすることができる。この場合、プラスチック発
泡材3を、敷居本体2の一側面2aに加えて接着剤等で
凸条部7の上面7cにも接合しておけば、より効果的で
ある。なお、前記凸条部7は、敷居本体2に一体的に形
成しておくのが望ましいが、別体の棒状体を敷居本体2
の一側面2aに接合することによっても形成できる。
【0042】次に、図8に基づいて、和室Aと洋室Bの
間に設置されてその上方に開き扉を施工する場合につい
て説明する。図8に示すように、第4実施形態に係る敷
居31は、上記の第1実施形態とほぼ同様であるが、前
記堅木4を敷居本体2に埋設せずに構成したものであ
る。
【0043】なお、プラスチック発泡材3自体の高さを
敷居本体2の高さと略同一としているが、これに限定さ
れるものではなく、上記の第2及び第3実施形態のよう
に、プラスチック発泡材3自体の高さを小さくしたり、
敷居本体2の一側面2aに凸条部7を設けることは可能
である。また、敷居本体2に木材等の外観が美麗なもの
を用い、プラスチック発泡材3に着色剤を添加して前記
敷居本体2の色と同色としておけば、白木単板6を不要
とすることもできるが、既述したように、敷居本体2及
びプラスチック発泡材3の保護等のためには、これらの
上面2c,3cには白木単板6を貼付けておくのが望ま
しい。
【0044】以上、敷居1,11,21,31を相隣接
する和室Aと洋室Bの間に設置する場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、相隣接する廊下
と洋室Bの間、あるいは相隣接する洋室B相互間等に設
置することもできる。敷居1,11,21,31を相隣
接する洋室B相互間に設置する場合には、前記敷居本体
2の両側面2a,2bに、上記のように構成したプラス
チック発泡材3をそれぞれ接合しておけばよい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の敷居によ
れば、敷居本体と、該敷居本体の側面に一側面が接合さ
れ且つ他側面に床板の端部を嵌合させる床板嵌合溝を形
成したプラスチック発泡材とを備え、前記床板嵌合溝の
上方に形成される突出部が、プラスチックの発泡体から
構成されたプラスチック発泡材の一部であるので、この
突出部に応力や衝撃が作用した場合でも欠けや割れが発
生しにくいという利点がある。従って、敷居を施工現場
へ搬送する前に生産工場等で床板嵌合溝をあらかじめ形
成しておくことができ、さらにこの床板嵌合溝に細心の
注意を払うことなく床板を容易に嵌合できるので、施工
の短縮化を図ることができる。
【0046】また、上記のようにプラスチック発泡材
は、プラスチックの発泡体から構成されているので床板
嵌合溝の形成が容易であると共に、敷居本体の側面に接
合されているので、床板の端部を床板嵌合溝に誤って過
度の力で押し込んだ場合でも、敷居本体から脱落する恐
れがない。さらに、床板は床板嵌合溝に加えて根太等に
よっても支持され、プラスチック発泡材と敷居本体の接
合強度を特に高くしておく必要はないので、プラスチッ
ク発泡材の敷居本体への接合を手軽に行うことができ、
そのためこのプラスチック発泡材等を備えた敷居を容易
に製造できる。また、敷居本体の大きさも従来のものと
比較して小さくてよいので、コストの低減化を図ること
もできる。
【0047】さらに、床板の端部を床板嵌合溝に嵌合さ
せて設置し、この床板の端部が表面に露出することがな
いので、長期間経過後に下地の収縮等が発生しても床板
と敷居の間に隙間が生じることがなく、また外観も良好
な状態のまま保持される。
【0048】加えて、前記プラスチック発泡材をその上
面が敷居本体の上面と略同一面となるように接合すると
共に、前記床板嵌合溝の上方に形成される突出部の厚さ
を、床板上に敷設される敷物材の厚さと略同一か少し小
さくすることによって、前記敷物材の上面が、敷居本体
及びプラスチック発泡材の上面、あるいはこれら敷居本
体及びプラスチック発泡材上に貼付けられる白木単板の
上面と略同一面となるようにしたので、敷居と洋室の間
に段差が生じることはない。
【0049】請求項記載の敷居によれば、少なくとも
前記敷居本体及びプラスチック発泡材の上面に白木単板
を貼付けることによって、敷居の外観を美麗とできるの
で、敷居本体に集成材等の安価なものを使用でき、コス
トの低減化を図ることができる。
【0050】請求項記載の敷居によれば、前記プラス
チック発泡材に着色剤を添加して前記敷居本体の色と同
色としているので、敷居本体に外観が美麗な木材等を用
いれば、上記の白木単板を不要とでき、製造の短縮化を
図ることができる。
【0051】請求項記載の敷居によれば、前記プラス
チック発泡材に着色剤を添加して前記白木単板の色と同
色としているので、プラスチック発泡材の他側面に貼付
ける白木単板を不要とでき、製造の短縮化を図ることが
できる。
【0052】請求項記載の敷居によれば、前記敷居本
体の上面に堅木を埋設すると共に、該堅木の上面に上方
に開口する少なくとも1つの戸襖溝を形成しているの
で、敷居の上方に引き違い戸等の引き戸を施工すること
ができる。
【0053】請求項記載の敷居によれば、前記プラス
チック発泡材自体の高さを、前記敷居本体の高さより小
さくすることによって、プラスチック発泡材の使用量を
少なくできるので、コストの低減化を図ることができ
る。
【0054】請求項記載の敷居によれば、前記敷居本
体の側面に、前記プラスチック発泡材を支持するように
該プラスチック発泡材の下面に当接する凸条部を設けて
いるので、プラスチック発泡材と敷居本体の接合状態を
より安定にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る敷居を和室と洋室の間に設
置した状態を示す横断面図。
【図2】図1の敷居本体に堅木を埋設してプラスチック
発泡材を接合する様子を示す横断面図。
【図3】図2のプラスチック発泡材と堅木と敷居本体の
上面、及び敷居本体の他側面に白木単板をそれぞれ貼付
ける様子を示す横断面図。
【図4】図3の敷居本体等の上面に貼付けられた白木単
板の両側上方の角部を耳とり加工した状態を示す横断面
図。
【図5】図4の堅木の上面に白木単板の上面から2つの
戸襖溝を形成し、プラスチック発泡材の他側面に床板嵌
合溝を形成した状態を示す横断面図。
【図6】第2実施形態に係る敷居の設置状態を示す横断
面図。
【図7】第3実施形態に係る敷居の設置状態を示す横断
面図。
【図8】第4実施形態に係る敷居の設置状態を示す横断
面図。
【図9】従来の敷居を和室と洋室の間に設置した状態を
示す横断面図。
【図10】他の従来例の設置状態を示す横断面図。
【図11】他の従来例の設置状態を示す横断面図。
【符号の説明】
1,11,21,31 敷居 2 敷居本体 2a 一側面 2b 他側面 2c 上面 3 プラスチック発泡材 3a 一側面 3b 他側面 3c 上面 3d 床板嵌合溝 3e 下面 4 堅木 4b 戸襖溝 4c 上面 5 突出部 6 白木単板 7 凸条部 C 突出部の厚さ D 床板 F 敷物材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−74475(JP,A) 実開 昭61−11870(JP,U) 実開 昭57−8278(JP,U) 実開 平4−31991(JP,U) 実開 昭62−144386(JP,U) 実開 平7−4760(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 1/70

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 敷居本体と、該敷居本体の側面に一側面
    が接合され且つ他側面に床板の端部を嵌合させる床板嵌
    合溝を形成したプラスチック発泡材とを備えた敷居であ
    って、 前記プラスチック発泡材をその上面が敷居本体の上面と
    略同一面となるように接合すると共に、前記床板嵌合溝
    の上方に形成される突出部の厚さを、床板上に敷設され
    る敷物材の厚さと略同一か少し小さくした ことを特徴と
    する敷居。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記敷居本体及びプラスチッ
    ク発泡材の上面に白木単板を貼付けた請求項記載の敷
    居。
  3. 【請求項3】 前記プラスチック発泡材に着色剤を添加
    してこのプラスチック発泡材の色を前記敷居本体の色と
    同色とした請求項記載の敷居。
  4. 【請求項4】 前記プラスチック発泡材に着色剤を添加
    してこのプラスチック発泡材の色を前記白木単板の色と
    同色とした請求項記載の敷居。
  5. 【請求項5】 前記敷居本体の上面に堅木を埋設すると
    共に、該堅木の上面に上方に開口する少なくとも1つの
    戸襖溝を形成した請求項1乃至のいずれか記載の敷
    居。
  6. 【請求項6】 前記プラスチック発泡材自体の高さを、
    前記敷居本体の高さより小さくした請求項1乃至のい
    ずれか記載の敷居。
  7. 【請求項7】 前記敷居本体の側面に、前記プラスチッ
    ク発泡材を支持するように該プラスチック発泡材の下面
    に当接する凸条部を設けた請求項記載の敷居。
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