JP3340352B2 - 配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子の製造方法 - Google Patents
配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子の製造方法Info
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Description
し、特に、複数の処理部において、帯状の長尺の可撓性
ワーク部材(基板)をロールで搬送しながら必要な処理
を順次施して小物部品、例えば、磁気ディスク装置の磁
気ヘッド用サスペンション素子を量産する製造設備に関
する。
ては、回転する磁気ディスクに対し、磁気ヘッドをアク
チュエータにより所望のトラックに位置決めし、磁気ヘ
ッドによりデータの読み出しおよび書き込みを行う、い
わゆるCSS(Contact StartStop)方式が一般的に採
用されている。
ョン素子と呼ばれる板状の弾性支持体を介してアクチュ
エータのアーム先端に支持される。そして、磁気ヘッド
は、磁気ディスクの回転時には、高速回転により発生す
る空気流体による浮上力と磁気ディスクへの押し付け力
とのバランスによってディスク上を微少な間隙を保って
浮上し、ディスクの回転停止時には、アクチュエータに
よってディスク上の接触可能領域へ移動してディスクに
接触するようになっている。
ション素子には、磁気ヘッドからのデータの読み出しお
よび書き込み用信号線として複数のリード線をその表面
に設ける必要があるため、従来サスペンションの製造に
際しては、方形状の金属基板の表面に絶縁層を成膜し、
その上に配線パターンを形成する方法、つまり、基板を
固定した状態でその表面に各種の成膜処理を行う、いわ
ゆるバッチ処理による方法が採用されている(例えば、
特開平6−215513号公報,特開平7−57418
号公報,特開平7−235156号公報,特開平7−2
62541号公報参照)。
が急激に増大しているサスペンション素子を多量に高能
率で製造するためには、基板を固定した状態でバッチ処
理する方法は不適当であり、帯状の連続した基板(ワー
ク部材)を材料として使用し、複数の処理部を連続的に
配置した製造ラインによって、基板をラインの入口から
出口まで切断することなく一貫処理することが好ましい
と考えられる。しかしながら、このような製造ラインに
おいては、ワーク部材がライン全体の入口から出口まで
途切れることがないため、次のような問題がある。
(速度)を厳密に一致させる必要がある。 (2)1部の処理部において、故障が生じると、その補
修のために全処理部を停止させなければならず、製造能
率が低下する。 (3)1部の処理部で不良が発生しても、その影響がワ
ーク部材全体に及ぶため、製品の歩留りが大きく低下す
る。 (4)処理部の一部にバッチ処理を伴う処理部を含める
ことができない。
れたもので、所定長さの帯状基板を処理部に供給し、処
理された基板を巻回して次の処理部に供給することによ
り、上記問題点を解決するサスペンション素子の製造方
法と製造設備を提供するものである。
本の配線導体のパターンを有する磁気ヘッド用サスペン
ション素子を製造するに際し、該サスペンション素子の
基体となる帯状の金属シートをロール状に巻回した状態
で準備し、前記金属シートをワーク部材としてその表面
に所定パターンの領域を定めて複数のサスペンション素
子とその配線導体を一連体として形成するよう当該ワー
ク部材に複数段階のパターニング処理を順次加える方法
をとり、かつ前記パターニング処理のための個々の処理
部間でのワーク部材の受渡しをロール状に巻回した状態
で行うことを特徴とする配線パターンを有する磁気ヘッ
ド用サスペンション素子の製造方法を提供するものであ
る。また、この発明は、帯状のワーク部材に対して、複
数の処理部が規定された順序で連続的に処理する製造設
備であって、処理部の少なくとも1つは、処理能力が異
なる下流の他の処理部へ帯状のワーク部材を巻回して供
給することを特徴とする製造設備を提供するものであ
る。
は、例えば帯状の薄い金属板であるが、樹脂製フィル
ム,繊維又は紙の帯状シートのようなものであってもよ
い。また、処理部とは、ワーク部材に対して各種被膜の
成膜や被膜のパターニング、さらにワーク部材の成形な
どの処理を施す複数の装置であり、これらは、その処理
の順番によって規定された順序で配置される。
部材が複数の処理部のうちの1つから、処理能力が異な
る下流の他の処理部へリールのようなものに巻回して供
給される点にある。従って、この本発明によれば、処理
能力(速度)が互いに異っても、ワーク部材が処理部間
で巻回して受渡しされ、連続して供給されることがない
ため、各処理部間において相互の処理能力(速度)を厳
密に一致させる必要がない。また、一方の処理部に故障
が生じても他方の処理部を停止させる必要もない。上流
の処理部の不良が下流の処理部に影響しない。さらに、
処理部の一部がバッチ処理による処理部を含むことがで
きる、という利点を有する。
は、密閉空間内にワーク部材を巻回した状態で収容し、
その状態で処理する処理部、例えば加熱処理部の収容能
力に応じて設定されることが好ましい。
れた帯状のワーク部材をリールに巻き取る機構を有し、
巻き取りの際にワーク部材に付与する張力を処理部ごと
に必要に応じて設定することが好ましい。この場合、二
つの処理部の一方の処理部がワーク部材から不要領域を
除去する処理部であれば、その巻き取りの際の張力は、
他方の処理部における巻き取り張力よりも小さく設定さ
れることが当然好ましい。
の設定は、巻き取り機構において帯状のワーク部材に対
して円柱の軸がワーク部材を横切る方向に載置し、この
円柱の重量を変えることによって行うことができる。帯
状のワーク部材に対して円柱を上記のように載置するこ
とにより、巻き取られるワーク部材のしわやたるみ、あ
るいは蛇行の発生も防止できる。
る。 (1)この発明の実施例により製造されるサスペンショ
ン素子の構造 図1はこの実施例によって製造されるMRヘッド用サス
ペンション素子(以下、サスペンションという)の単体
の上面図である。図1に示すように、サスペンション1
は、一端に端子部2を、他端に磁気ヘッド搭載部3を有
し、さらに端子部2から磁気ヘッド搭載部3にわたって
設けられた4本の配線パターン4を備える。
装置のアクチュエータに取付けられる場合には、サスペ
ンション1の両縁に設けられた2つの突出部1aと端子
部2が破線部分(図1)から折り曲げられ、図2に示す
ように、磁気ヘッド搭載部3に磁気ヘッド5が搭載され
てその信号線(4本)がそれぞれ配線パターン4を介し
て端子部2に引出され、さらに、端部にスペーサ6がレ
ーザスポット溶接により接合される。
プロセス 次に、サスペンション1(図1)の製造プロセスについ
て図3と図4を用いて説明する。なお、図3と図4は図
1のX−X断面を示す。まず、図3(a)に示すよう
に、洗浄処理した板厚25μmのステンレス鋼(SUS
304TA)の基板11の上に10〜20μmの厚さで
感光性のポリイミド樹脂(UR−3140)12を塗布
し、露光処理し、仮焼成(プリベーク)処理した後、現
像および本焼成(ポストベーク)処理を施して、図3
(b)に示すような下部絶縁層12aを形成する。
リングによって、厚さ500Å〜1000ÅのCr層と
厚さ1000Å〜2000ÅのCu層を積層してメッキ
ベース13を形成し、その上に、図3(d)に示すよう
に感光性のレジスト膜14を成膜する。
膜14を露光・現像処理した後、基板11の裏面にレジ
スト膜15を成膜する。次に、Cu,NiおよびAuメ
ッキ処理を順に施して厚さ4〜6μmのCu層,厚さ
0.7〜1μmのNi層および厚さ1.0μmのAu層
からなる配線層16を図3(f)に示すように形成す
る。
膜14,15を除去し、さらに図3(h)に示すように
エッチング処理によって不要なメッキベース13を除去
する。
厚さで感光性のポリイミド樹脂17を塗布し、露光処理
し、仮焼成(プリベーク)処理した後、現像および本焼
成(ポストベーク)処理を施して、図4(j)に示すよ
うに必要な箇所のみに保護膜17aを形成する。
示すように感光性のレジスト膜18を成膜する。そし
て、図4(l)に示すように、レジスト膜18を露光・
現像処理した後、基板11の裏面にレジスト膜19を成
膜する。
不要部分を図4(m)に示すように除去した後、さら
に、レジスト膜18,19を除去することにより、図4
(h)に示すようなサスペンションが完成し、プロセス
が終了する。
産するための製造設備とその動作について説明する。図
5はその製造設備のレイアウトを示す説明図であり、図
6は使用する基板の部分上面図であり、図7は基板上に
形成される配線パターンの上面図であり、図8は基板上
に区画形成されるサスペンションの上面図である。ワー
ク部材としての基板は幅W:250mm,長さ:120
m,厚さ:25μmのステンレス鋼(SUS304T
A)からなり、この設備では基板は矢印C方向に送給さ
れて領域Bに含まれる6行×16列の領域Aの各々にサ
スペンションが区画形成され、領域Bは基板の長手方向
に2行に配列されている。図7に示すように領域Aの各
々に長手方向の軸を有するサスペンションの配線パター
ンを、その軸がこのワーク部材の巻回方向(矢印C方
向)と直交する方向に配列している。これは、ワーク部
材を巻回した時に配線パターンが引き伸ばされて断線す
ることを防止するためである。また、図8に示すように
領域Aの各々に長手方向の軸を有するサスペンション1
の両縁に設けられた2つの突出部1aをこのワーク部材
の巻回方向と直交する方向に配列している。換言する
と、ワーク部材を巻回した時に生じる巻き癖方向とサス
ペンション1の突出部1aの折り曲げ方向とを同一の方
向に配列している。このようなレイアウトを採ることに
より、形成したサスペンションの突出部1aを図1に示
す破線部分で精度良く折り曲げられるようにしている。
なお、基板の長さ(120m)は、後述するポストベー
ク炉205のワーク収容能力によって決定されるもので
ある。
ワーク供給リールが洗浄処理部つまりワーク洗浄機10
1に装填されると、ワーク洗浄機101はワーク供給リ
ールから基板を引出して複数のロールで基板を1m/分
の一定速度で連続送給しながら弱アルカリ脱脂液で洗浄
し、別の巻取りリールで巻取る。
ルがコーティング処理部つまりポリイミドコータ201
に装填されると、ポリイミドコータ201は、そのリー
ルから基板を引出して複数のロールで基板を0.75〜
1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら感光性ポ
リイミド樹脂の塗布と乾燥を行い、別の巻取りリールで
巻取る。
リールが露光処理部つまり露光機202に装填される
と、露光機202は、そのリールから基板を引出して複
数のロールで基板を0.5m/分の平均速度で断続送給
しながら2行×2列からなる4つの領域B毎に水銀灯に
より下部絶縁層をパターニングするための露光処理を行
い、別の巻取りリールで巻取る。
焼成処理部つまりプリベーク炉203に装填されると、
プリベーク炉203は、そのリールから基板を引出して
複数のロールで基板を0.5〜1m/分の範囲の一定速
度で連続送給しながら150〜170℃の温度で露光部
を加熱してイミド化し、他の巻取りリールで巻取る。
ルが現像処理部つまりポリイミド現像機204に装填さ
れると、ポリイミド現像機204は、そのリールから基
板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定速度
で連続送給しながらアルカリ現像液槽に浸漬させポリイ
ミド層の未露光部を溶解し、他の巻取りリールで巻取
る。
リールが加熱処理部つまりポストベーク炉205の密閉
チャンバーに装填されると、ポストベーク炉はいわゆる
バッチ処理によって基板を350〜400℃で本焼成し
露光部を完全にイミド化する。ここまでで図3(a)と
図3(b)に示す工程が終了する。
基板を有するリールが真空蒸着処理部つまりスパッタ装
置301の密閉真空チャンバーに装填されると、スパッ
タ装置301は、そのリールから基板を引出して複数の
ロールでワーク部材を0.6m/分の平均速度で断続送
給しながら2行×2列からなる4つの領域B毎にスパッ
タリング処理して厚さ500〜1000ÅのCr層と厚
さ1000〜2000ÅのCu層を積層し(図3(c)
参照)、他の巻取りリールに巻取る。
ルがコーティング処理部つまりレジストコータ302に
装填されると、レジストコータ302は、そのリールか
ら基板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定
速度で連続送給しながら感光性のレジストの塗布と乾燥
を行い(図3(d)参照)、他の巻取りリールで巻取
る。
ールが露光処理部つまり露光機303に装填されると、
露光機303は、そのリールから基板を引出して複数の
ロールで基板を平均0.2m/分の速度で断続送給しな
がら2行×2列からなる4つの領域B毎に水銀灯により
配線層をパターニングするための露光処理を行い、別の
巻取りリールで巻取る。
部つまりレジスト現像機304に装填されると、レジス
ト現像機304は、そのリールから基板を引出して複数
のロールで基板を0.6〜1m/分の範囲の一定速度で
連続送給しながらアルカリ性現像液槽に浸漬させレジス
トの露光部を溶解し、他の巻取りリールで巻取る。
ールがコーティング処理部つまり裏レジストコータ30
5に装填されると、裏レジストコータ305は、そのリ
ールから基板を引出して複数のロールで基板を0.7〜
1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら基板裏面
にレジストを塗布し(図3(e)参照)、ワーク部材の
上下面を反転させ、他の巻取りリールに巻取る。このよ
うに反転させて巻取ることにより巻き癖がなくなるし、
巻回するのに都合が良い。
リールがメッキ処理部つまりメッキ装置306に装填さ
れると、メッキ装置306は、そのリールから基板を引
出して複数のロールで基板を0.5〜1m/分の範囲の
一定速度で連続送給しながら硫酸銅溶液,塩化ニッケル
溶液およびAu溶液の各メッキ槽に浸漬し、Cuメッ
キ,NiメッキおよびAuメッキ処理を順に施した後
(図3(f)参照)、他の巻取りリールに巻取る。
がレジスト処理部つまりレジスト除去装置307に装填
されると、レジスト除去装置307は、そのリールから
基板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定速
度で連続送給しながらアルカリ処理液槽に浸漬させレジ
ストを除去してスプレー洗浄処理した後(図3(g)参
照)、他の巻取りリールに巻取る。
がエッチング処理部つまり薄膜エッチング装置308に
装填されると、薄膜エッチング装置308は、そのリー
ルから基板を引出して複数のロールで基板を0.5〜1
m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら酸性処理液
とアルカリ性処理液の各処理液槽に順次浸漬させエッチ
ング処理によってメッキベースを除去し(図3(h)参
照)、他の巻取りリールに巻取る。ここまでの工程によ
り図6に示す領域Aの各々には、図7に示す配線パター
ン4が形成される。
られた基板は、一連の処理部つまりポリイミドコータ4
01,露光機402,プリベーク炉403,ポリイミド
現像機404およびポストベーク炉405により順次処
理され、保護膜が形成される(図4(i),図4(j)
参照)。それらの処理内容は、前述のポリイミドコータ
201,露光機202,プリベーク炉203,ポリイミ
ド現像機204およびポストベーク炉205の各々にお
ける処理と同等である。
処理部、つまりワーク洗浄機501,レジストコータ6
01,露光機602,レジスト現像機603および裏レ
ジストコータによって処理される(図4(k),図4
(l)参照)。それらの処理内容は、ワーク洗浄機10
1,レジストコータ302,露光機303,レジスト現
像機304および裏レジストコータ305による処理と
同等である。
た基板を巻取ったリールが、エッチング処理部つまりエ
ッチング装置605に装填されると、エッチング装置6
05は、そのリールから基板を引出して複数のロールで
基板を0.7〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給し
ながら酸性処理液でスプレーエッチング処理を行い、サ
スペンションの外形を整形して(図4(m)参照)、他
の巻取りリールに巻取る。
ールが、レジスト処理部つまりレジスト除去装置606
に装填されると、レジスト除去装置606はレジスト除
去装置307と同等の処理を行う(図4(n)参照)。
以上の工程により、基板11には、図6に示す全ての領
域Aに、図8に示すように周縁パターンEが除去され一
部の連結部Fによって基板11に保持された状態でサス
ペンション1が形成される。そして、長手方向の軸1b
を有するサスペンション1の両縁に設けられた2つの突
出部1aが基板11の巻回方向(長手方向)と直交する
方向に配列している。換言すると、基板11を巻回した
時に生じる巻き癖方向とサスペンション1の突出部1a
の折り曲げ部(破線)とを同一の方向に配列した形態で
サスペンション1が区画形成される。
状態で、下流の処理部間を受渡され、各処理部で処理さ
れて最終的に基板長さ1mに付き1000個のサスペン
ションが製造されることになる。なお、図5に示す各矢
印は、基板がリールに巻回されて次の処理部へ受渡され
る部分と受渡し方向と処理の流れ方向とを示している。
また、基板を巻回したリールの処理部間の受渡しは、ロ
ボットのような装置を用いて自動的に行ってもよいし、
作業者が手作業で行ってもよい。
説明する。図9は、図5に示す各処理部(但し、露光機
202,303,402とポストベーク炉205,40
5とスパッタ装置301とをのぞく)に共通の構成を示
す説明図であり、基板11は先端に所定の長さの案内用
シートが設けられている。基板11を巻回したリール5
1が、ワーク送給機構50のリール軸52に装填される
と、基板11の先端の案内用シートがリール51から引
出され複数のロール53によって矢印D方向に送給さ
れ、巻取りリール56によってまきとられる。そして基
板11上の最初のサスペンション1が処理室54の所定
の位置に位置する。その後、処理室54において処理さ
れた後、ワーク巻取り機構55の巻取りリール56によ
って巻取られるようになっている。
5の詳細を示す上面図および側面図であり、処理室54
から排出された基板11は従動ロール57に支持され、
駆動リール軸58に装填された巻取りリール56によっ
て巻取られる。ここで、ロール57から巻取りリール5
6に至る基板11上には円筒状のロール59が基板11
を横切るように基板11に載置され(吊下げられ)てい
る。
度で送出されると、ロール59が自重で矢印H方向に下
降し、発光部60と受光部61からなる光センサによっ
てロール59の下端が検出されると、モータ制御部62
がモータMによって駆動リール軸58を駆動させ、それ
によってリール56が矢印E方向に回転して基板11を
処理室54の排出速度よりも早い速度で巻取り、ロール
59は矢印J方向に上昇する。
62がモータMを停止させると、ロール59は再び矢印
H方向に下降する。この動作をくり返すことにより、巻
取りリール56は基板11を巻取っていく。このように
して、基板11が巻取られると、ロール59は、その軸
が基板11の面に沿って自由に傾くことができるので、
その自重によって巻取りリール56に対して基板11の
幅方向に均一に分布する張力を付与できるので、基板1
1はしわや波打ちを生じることなく巻取られる。
は、ロール59の重量により設定することができるの
で、必要に応じて処理部ごとに巻取り張力が設定され
る。とくに、エッチング装置605やレジスト除去装置
606においては、基板から不要部分が除去されて基板
11が張力によって変形し易くなっているので、巻取り
張力は、他の処理部よりも小さく設定される。同様に、
エッチング装置605やレジスト除去装置606の各処
理室54においても、複数のロール53によって基板に
加えられる張力(テンション)は、その前の各処理装置
の各処理室54において加えられる張力よりも小さく設
定される。
示すように、巻取り軸64とその両端に対向して設けら
れたフランジ63a,63bによって構成され、フラン
ジ63a,63bの間隔L1が巻取り軸64から半径方
向に離れるに従って末広がりに大きくなっている。これ
は、リール56が基板11を巻取る際にフランジ63
a,63bの内面がガイドとして作用し、巻取り作業を
容易にするためである。
示す構成説明図であり、基板11は先端に所定の長さの
図示しない案内用シート、例えば絶縁性のテフロンシー
トが設けられているものとする。メッキ槽35では、入
口33から挿入される基板11をメッキ液31に浸漬し
ながらロール32によって水平に一定速度で連続送給し
て出口34から矢印Y方向に排出する。そして、基板1
1に給電するためにメッキ槽35の外部の入口側と出口
側にそれぞれ第1給電ロール36と第2給電ロール37
が設けられ、さらにメッキ槽35のメッキ液31の内部
には、メッキ用電極38が設けられている。また、第1
および第2給電ロール36,37はメッキ用電源39の
負極に、メッキ用電極38はメッキ用電源39の正極に
接続されている。
介して流れるメッキ電流Iaを電流検出器41により、
第2給電ロール37を介して流れるメッキ電流Ibを電
流検出器42により、それぞれ検出して電源39の出力
電流を制御するようになっている。
ッキ槽35の入口へ基板11の先端が挿入されると、電
流Iaが流れ始める。電流制御部40はそれを電流検出
器41により検出すると、図16に示すように基板挿入
後の時間T1が経過して基板11が図15に示す中間位
置に達するまで電流Iaを徐々に増加させ、基板11の
表面にスパッタ装置301で既に形成されているCrお
よびCu層(メッキベース)が過電流で破壊しない範囲
の最大値Ic(例えば7A)に達すると、電流IaをI
cに保持する。
時間T2が経過し、基板11の先端が第2給電ロール3
7に到達したことを電流検出器42により検知すると、
直ちにIa+Ib=Id(>Ic)一定になるように電
源39の出力電流を制御し、それ以降はIa+Ib=I
d(例えば10A)の関係を保持しながら基板11上に
メッキ層を形成する。これによって、基板11の先端部
のメッキ処理時にも、予め形成されたメッキベースを破
壊することなく、メッキ処理が可能となると共に、1つ
の給電ロールによって基板11をメッキする場合に比べ
てほぼ2倍の速度で均一なメッキ処理を行うことができ
る。
する。図17は、図5に示すレイアウトにおいて、共通
に使用可能な処理部を兼用することにより処理部の数を
減少させた例を示している。つまり、ポリイミド層を形
成する共通の処理部においては、ポリイミドコータ20
1と401,露光機202と402,プリベーク炉20
3と403,ポリイミド現像機204と404,ポスト
ベーク炉205と405の前者が後者を兼用すると共
に、レジスト層を形成する一連の処理部においては、レ
ジストコータ302と601,露光機303と602,
レジスト現像機304と603,裏レジストコータ30
5と604の前者が後者を兼用するようにしたものであ
る。
に実線の矢印に従ってポリイミドコータ201から薄膜
エッチング装置308まで進み、次に破線の矢印に従っ
て最終のレジスト除去装置606まで進むように配置さ
れている。この場合には、兼用した各処理部を、他の処
理部のほぼ2倍の速度で処理させれば、全体としての処
理を停滞させることなく円滑に流すことができる。ま
た、各処理部の少なくとも1台では巻回面を裏返しに巻
回すると巻き癖を無くすことができる。
のワーク部材を複数の処理部が規定された順序で処理す
る製造設備に対して、次のような効果を奏する。 (1)各処理部間における相互の処理能力が異なって
も、一連の処理が可能となる。 (2)1部の処理部において故障が生じても、全体の処
理部を停止させる必要がない。 (3)1部の処理部で不良が発生してもその影響がワー
ク部材全体に及ばないので、歩み留りが良い。 (4)処理部の一部にバッチ処理部を含めることができ
る。 (5)同種の処理部を兼用するようにレイアウトでき
る。
ョンの上面図である。
共に組立てた状態を示す斜視図である。
ある。
である。
ーンの上面図である。
ペンションの上面図である。
説明図である。
ある。
である。
である。
である。
ウト図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に複数本の配線導体のパターンを有
する磁気ヘッド用サスペンション素子を製造するに際
し、 該サスペンション素子の基体となる帯状の金属シートを
ロール状に巻回した状態で準備し、 前記金属シートをワーク部材としてその表面に所定パタ
ーンの領域を定めて複数のサスペンション素子とその配
線導体を一連体として形成するよう当該ワーク部材に複
数段階のパターニング処理を順次加える方法をとり、か
つ、前記サスペンション素子が長手方向の軸を有すると
ともに前記配線導体がほぼその長手方向の軸に沿ったパ
ターンを有するように構成し、 前記ワーク部材表面における各サスペンション素子の配
線パターンを、当該ワーク部材の巻回方向とサスペンシ
ョン素子の軸とが直交するように配列し、 前記パターニング処理のための個々の処理部間でのワー
ク部材の受渡しをロール状に巻回した状態で行うことを
特徴とする配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペン
ション素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記サスペンション素子が長手方向の軸
を有するととに外形パターンの一部にほぼその長手方向
の軸に沿った折り曲げ部を有する構成を有し、 前記ワーク部材表面における各サスペンション素子の折
り曲げ線の方向を、当該ワーク部材の巻回方向と直交す
る方向に配列して所定の処理を加えるようにしたことを
特徴とする請求項1記載の配線パターンを有する磁気ヘ
ッド用サスペンション素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記複数段階のパターニング処理のため
の個々の処理部の少なくとも1つの処理部において、所
定の処理が終了したあとのワーク部材を、当該処理部に
供給された時のワーク部材の巻回方向に対して裏返しに
巻取るようにしたことを特徴とする請求項1記載の配線
パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子の製
造方法。 - 【請求項4】 前記複数段階のパターニング処理の一つ
は、ワーク部材上の複数のサスペンション素子の周縁パ
ターンを、一部の連結部を残して除去するプロセスであ
り、当該プロセス以降の処理部では、ワーク部材に加え
るテンションをそれより前の処理部におけるテンション
よりも小さく制御して処理を施すようにしたことを特徴
とする請求項1記載の配線パターンを有する磁気ヘッド
用サスペンション素子の製造方法。
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