JP3953370B2 - 配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子の製造設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、製造設備に関し、特に、複数の処理部において、帯状の長尺の可撓性ワーク部材(基板)をロールで搬送しながら必要な処理を順次施して小物部品、例えば、磁気ディスク装置の磁気ヘッド用サスペンション素子を量産する製造設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ用磁気ディスク装置においては、回転する磁気ディスクに対し、磁気ヘッドをアクチュエータにより所望のトラックに位置決めし、磁気ヘッドによりデータの読み出しおよび書き込みを行う、いわゆるCSS(Contact Start Stop)方式が一般的に採用されている。
【0003】
この方式では、磁気ヘッドは、サスペンション素子と呼ばれる板状の弾性支持体を介してアクチュエータのアーム先端に支持される。そして、磁気ヘッドは、磁気ディスクの回転時には、高速回転により発生する空気流体による浮上力と磁気ディスクへの押し付け力とのバランスによってディスク上を微少な間隙を保って浮上し、ディスクの回転停止時には、アクチュエータによってディスク上の接触可能領域へ移動してディスクに接触するようになっている。
【0004】
このような磁気ヘッドを支持するサスペンション素子には、磁気ヘッドからのデータの読み出しおよび書き込み用信号線として複数のリード線をその表面に設ける必要があるため、従来サスペンションの製造に際しては、方形状の金属基板の表面に絶縁層を成膜し、その上に配線パターンを形成する方法、つまり、基板を固定した状態でその表面に各種の成膜処理を行う、いわゆるバッチ処理による方法が採用されている(例えば、特開平6−215513号公報,特開平7−57418号公報,特開平7−235156号公報,特開平7−262541号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、需要が急激に増大しているサスペンション素子を多量に高能率で製造するためには、基板を固定した状態でバッチ処理する方法は不適当であり、帯状の連続した基板(ワーク部材)を材料として使用し、複数の処理部を連続的に配置した製造ラインによって、基板をラインの入口から出口まで切断することなく一貫処理することが好ましいと考えられる。
しかしながら、このような製造ラインにおいては、ワーク部材がライン全体の入口から出口まで途切れることがないため、次のような問題がある。
【0006】
(1)各処理部間において相互の処理能力(速度)を厳密に一致させる必要がある。
(2)1部の処理部において、故障が生じると、その補修のために全処理部を停止させなければならず、製造能率が低下する。
(3)1部の処理部で不良が発生しても、その影響がワーク部材全体に及ぶため、製品の歩留りが大きく低下する。
(4)処理部の一部にバッチ処理を伴う処理部を含めることができない。
【0007】
この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、所定長さの帯状基板を処理部に供給し、処理された基板を巻回して次の処理部に供給することにより、上記問題点を解決するサスペンション素子の製造設備を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子を製造するために、帯状のワーク部材に対して、連続的に処理する複数の処理部を備え、前記複数の処理部では、処理部の少なくとも一つから、処理能力が異なる下流の他の処理部へ帯状のワーク部材を巻回して供給し、サスペンション素子をその長手方向の軸がワーク部材の巻回方向に直交するように形成し、前記配線パターンをサスペンション素子の軸に沿って形成し、少なくとも二つの処理部は処理された帯状のワーク部材をリールに巻き取る機構を有し、一方の処理部はワーク部材から不要領域を除去する処理部であり、リールの巻き取り張力が、他方の処理部における巻き取り張力よりも小に設定されたことを特徴とする製造設備を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明におけるワーク部材とは、例えば帯状の薄い金属板であるが、樹脂製フィルム,繊維又は紙の帯状シートのようなものであってもよい。
また、処理部とは、ワーク部材に対して各種被膜の成膜や被膜のパターニング、さらにワーク部材の成形などの処理を施す複数の装置であり、これらは、その処理の順番によって規定された順序で配置される。
【0010】
そして、この発明の特徴は、帯状のワーク部材が複数の処理部のうちの1つから、処理能力が異なる下流の他の処理部へリールのようなものに巻回して供給される点にある。従って、この本発明によれば、処理能力(速度)が互いに異っても、ワーク部材が処理部間で巻回して受渡しされ、連続して供給されることがないため、各処理部間において相互の処理能力(速度)を厳密に一致させる必要がない。また、一方の処理部に故障が生じても他方の処理部を停止させる必要もない。上流の処理部の不良が下流の処理部に影響しない。さらに、処理部の一部がバッチ処理による処理部を含むことができる、という利点を有する。
【0011】
この発明における帯状ワーク部材の長さは、密閉空間内にワーク部材を巻回した状態で収容し、その状態で処理する処理部、例えば加熱処理部の収容能力に応じて設定されることが好ましい。
【0012】
また、少なくとも二つの処理部は、処理された帯状のワーク部材をリールに巻き取る機構を有し、巻き取りの際にワーク部材に付与する張力を処理部ごとに必要に応じて設定することが好ましい。この場合、二つの処理部の一方の処理部がワーク部材から不要領域を除去する処理部であれば、その巻き取りの際の張力は、他方の処理部における巻き取り張力よりも小さく設定されることが当然好ましい。
【0013】
巻き取りの際にワーク部材に付与する張力の設定は、巻き取り機構において帯状のワーク部材に対して円柱の軸がワーク部材を横切る方向に載置し、この円柱の重量を変えることによって行うことができる。帯状のワーク部材に対して円柱を上記のように載置することにより、巻き取られるワーク部材のしわやたるみ、あるいは蛇行の発生も防止できる。
【0014】
実施例
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。
(1)この発明の実施例により製造されるサスペンション素子の構造
図1はこの実施例によって製造されるMRヘッド用サスペンション素子(以下、サスペンションという)の単体の上面図である。
図1に示すように、サスペンション1は、一端に端子部2を、他端に磁気ヘッド搭載部3を有し、さらに端子部2から磁気ヘッド搭載部3にわたって設けられた4本の配線パターン4を備える。
【0015】
なお、サスペンション1は、磁気ディスク装置のアクチュエータに取付けられる場合には、サスペンション1の両縁に設けられた2つの突出部1aと端子部2が破線部分(図1)から折り曲げられ、図2に示すように、磁気ヘッド搭載部3に磁気ヘッド5が搭載されてその信号線(4本)がそれぞれ配線パターン4を介して端子部2に引出され、さらに、端部にスペーサ6がレーザスポット溶接により接合される。
【0016】
(2)サスペンションの断面構造におけるプロセス
次に、サスペンション1(図1)の製造プロセスについて図3と図4を用いて説明する。なお、図3と図4は図1のX−X断面を示す。
まず、図3(a)に示すように、洗浄処理した板厚25μmのステンレス鋼(SUS304TA)の基板11の上に10〜20μmの厚さで感光性のポリイミド樹脂(UR−3140)12を塗布し、露光処理し、仮焼成(プリベーク)処理した後、現像および本焼成(ポストベーク)処理を施して、図3(b)に示すような下部絶縁層12aを形成する。
【0017】
次に、図3(c)に示すように、スパッタリングによって、厚さ500Å〜1000ÅのCr層と厚さ1000Å〜2000ÅのCu層を積層してメッキベース13を形成し、その上に、図3(d)に示すように感光性のレジスト膜14を成膜する。
【0018】
そして、図3(e)に示すようにレジスト膜14を露光・現像処理した後、基板11の裏面にレジスト膜15を成膜する。次に、Cu,NiおよびAuメッキ処理を順に施して厚さ4〜6μmのCu層,厚さ0.7〜1μmのNi層および厚さ1.0μmのAu層からなる配線層16を図3(f)に示すように形成する。
【0019】
次に、図3(g)に示すように、レジスト膜14,15を除去し、さらに図3(h)に示すようにエッチング処理によって不要なメッキベース13を除去する。
【0020】
次に、図4(i)に示すように、1μmの厚さで感光性のポリイミド樹脂17を塗布し、露光処理し、仮焼成(プリベーク)処理した後、現像および本焼成(ポストベーク)処理を施して、図4(j)に示すように必要な箇所のみに保護膜17aを形成する。
【0021】
次に、洗浄処理を施した後、図4(k)に示すように感光性のレジスト膜18を成膜する。そして、図4(l)に示すように、レジスト膜18を露光・現像処理した後、基板11の裏面にレジスト膜19を成膜する。
【0022】
次に、エッチング処理によって基板11の不要部分を図4(m)に示すように除去した後、さらに、レジスト膜18,19を除去することにより、図4(h)に示すようなサスペンションが完成し、プロセスが終了する。
【0023】
(3)サスペンションの量産設備
次に、上記のようにして製作されるサスペンションを量産するための製造設備とその動作について説明する。
図5はその製造設備のレイアウトを示す説明図であり、図6は使用する基板の部分上面図であり、図7は基板上に形成される配線パターンの上面図であり、図8は基板上に区画形成されるサスペンションの上面図である。ワーク部材としての基板は幅W:250mm,長さ:120m,厚さ:25μmのステンレス鋼(SUS304TA)からなり、この設備では基板は矢印C方向に送給されて領域Bに含まれる6行×16列の領域Aの各々にサスペンションが区画形成され、領域Bは基板の長手方向に2行に配列されている。図7に示すように領域Aの各々に長手方向の軸を有するサスペンションの配線パターンを、その軸がこのワーク部材の巻回方向(矢印C方向)と直交する方向に配列している。これは、ワーク部材を巻回した時に配線パターンが引き伸ばされて断線することを防止するためである。また、図8に示すように領域Aの各々に長手方向の軸を有するサスペンション1の両縁に設けられた2つの突出部1aをこのワーク部材の巻回方向と直交する方向に配列している。換言すると、ワーク部材を巻回した時に生じる巻き癖方向とサスペンション1の突出部1aの折り曲げ方向とを同一の方向に配列している。
このようなレイアウトを採ることにより、形成したサスペンションの突出部1aを図1に示す破線部分で精度良く折り曲げられるようにしている。なお、基板の長さ(120m)は、後述するポストベーク炉205のワーク収容能力によって決定されるものである。
【0024】
図5において、120mの基板を巻回したワーク供給リールが洗浄処理部つまりワーク洗浄機101に装填されると、ワーク洗浄機101はワーク供給リールから基板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定速度で連続送給しながら弱アルカリ脱脂液で洗浄し、別の巻取りリールで巻取る。
【0025】
ワーク洗浄機101で基板を巻取ったリールがコーティング処理部つまりポリイミドコータ201に装填されると、ポリイミドコータ201は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.75〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら感光性ポリイミド樹脂の塗布と乾燥を行い、別の巻取りリールで巻取る。
【0026】
ポリイミドコータ201で基板を巻取ったリールが露光処理部つまり露光機202に装填されると、露光機202は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.5m/分の平均速度で断続送給しながら2行×2列からなる4つの領域B毎に水銀灯により下部絶縁層をパターニングするための露光処理を行い、別の巻取りリールで巻取る。
【0027】
露光機202で基板を巻取ったリールが仮焼成処理部つまりプリベーク炉203に装填されると、プリベーク炉203は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.5〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら150〜170℃の温度で露光部を加熱してイミド化し、他の巻取りリールで巻取る。
【0028】
プリベーク炉203で基板を巻取ったリールが現像処理部つまりポリイミド現像機204に装填されると、ポリイミド現像機204は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定速度で連続送給しながらアルカリ現像液槽に浸漬させポリイミド層の未露光部を溶解し、他の巻取りリールで巻取る。
【0029】
ポリイミド現像機204で基板を巻取ったリールが加熱処理部つまりポストベーク炉205の密閉チャンバーに装填されると、ポストベーク炉はいわゆるバッチ処理によって基板を350〜400℃で本焼成し露光部を完全にイミド化する。ここまでで図3(a)と図3(b)に示す工程が終了する。
【0030】
次に、ポストベーク炉205で処理された基板を有するリールが真空蒸着処理部つまりスパッタ装置301の密閉真空チャンバーに装填されると、スパッタ装置301は、そのリールから基板を引出して複数のロールでワーク部材を0.6m/分の平均速度で断続送給しながら2行×2列からなる4つの領域B毎にスパッタリング処理して厚さ500〜1000ÅのCr層と厚さ1000〜2000ÅのCu層を積層し(図3(c)参照)、他の巻取りリールに巻取る。
【0031】
スパッタ装置301で基板を巻取ったリールがコーティング処理部つまりレジストコータ302に装填されると、レジストコータ302は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定速度で連続送給しながら感光性のレジストの塗布と乾燥を行い(図3(d)参照)、他の巻取りリールで巻取る。
【0032】
レジストコータ302で基板を巻取ったリールが露光処理部つまり露光機303に装填されると、露光機303は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を平均0.2m/分の速度で断続送給しながら2行×2列からなる4つの領域B毎に水銀灯により配線層をパターニングするための露光処理を行い、別の巻取りリールで巻取る。
【0033】
露光機303で巻取ったリールが現像処理部つまりレジスト現像機304に装填されると、レジスト現像機304は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.6〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながらアルカリ性現像液槽に浸漬させレジストの露光部を溶解し、他の巻取りリールで巻取る。
【0034】
レジスト現像機304で基板を巻取ったリールがコーティング処理部つまり裏レジストコータ305に装填されると、裏レジストコータ305は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.7〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら基板裏面にレジストを塗布し(図3(e)参照)、ワーク部材の上下面を反転させ、他の巻取りリールに巻取る。このように反転させて巻取ることにより巻き癖がなくなるし、巻回するのに都合が良い。
【0035】
裏レジストコータ305で基板を巻取ったリールがメッキ処理部つまりメッキ装置306に装填されると、メッキ装置306は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.5〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら硫酸銅溶液,塩化ニッケル溶液およびAu溶液の各メッキ槽に浸漬し、Cuメッキ,NiメッキおよびAuメッキ処理を順に施した後(図3(f)参照)、他の巻取りリールに巻取る。
【0036】
メッキ装置306で基板を巻取ったリールがレジスト処理部つまりレジスト除去装置307に装填されると、レジスト除去装置307は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を1m/分の一定速度で連続送給しながらアルカリ処理液槽に浸漬させレジストを除去してスプレー洗浄処理した後(図3(g)参照)、他の巻取りリールに巻取る。
【0037】
レジスト除去装置307で巻取ったリールがエッチング処理部つまり薄膜エッチング装置308に装填されると、薄膜エッチング装置308は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.5〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら酸性処理液とアルカリ性処理液の各処理液槽に順次浸漬させエッチング処理によってメッキベースを除去し(図3(h)参照)、他の巻取りリールに巻取る。ここまでの工程により図6に示す領域Aの各々には、図7に示す配線パターン4が形成される。
【0038】
次に、薄膜エッチング装置でリールに巻取られた基板は、一連の処理部つまりポリイミドコータ401,露光機402,プリベーク炉403,ポリイミド現像機404およびポストベーク炉405により順次処理され、保護膜が形成される(図4(i),図4(j)参照)。それらの処理内容は、前述のポリイミドコータ201,露光機202,プリベーク炉203,ポリイミド現像機204およびポストベーク炉205の各々における処理と同等である。
【0039】
保護膜が形成された基板は、さらに一連の処理部、つまりワーク洗浄機501,レジストコータ601,露光機602,レジスト現像機603および裏レジストコータによって処理される(図4(k),図4(l)参照)。それらの処理内容は、ワーク洗浄機101,レジストコータ302,露光機303,レジスト現像機304および裏レジストコータ305による処理と同等である。
【0040】
次に、裏レジストコータ604で処理された基板を巻取ったリールが、エッチング処理部つまりエッチング装置605に装填されると、エッチング装置605は、そのリールから基板を引出して複数のロールで基板を0.7〜1m/分の範囲の一定速度で連続送給しながら酸性処理液でスプレーエッチング処理を行い、サスペンションの外形を整形して(図4(m)参照)、他の巻取りリールに巻取る。
【0041】
エッチング装置605で基板を巻取ったリールが、レジスト処理部つまりレジスト除去装置606に装填されると、レジスト除去装置606はレジスト除去装置307と同等の処理を行う(図4(n)参照)。
以上の工程により、基板11には、図6に示す全ての領域Aに、図8に示すように周縁パターンEが除去され一部の連結部Fによって基板11に保持された状態でサスペンション1が形成される。そして、長手方向の軸1bを有するサスペンション1の両縁に設けられた2つの突出部1aが基板11の巻回方向(長手方向)と直交する方向に配列している。換言すると、基板11を巻回した時に生じる巻き癖方向とサスペンション1の突出部1aの折り曲げ部(破線)とを同一の方向に配列した形態でサスペンション1が区画形成される。
【0042】
このように、基板は、リールに巻回された状態で、下流の処理部間を受渡され、各処理部で処理されて最終的に基板長さ1mに付き1000個のサスペンションが製造されることになる。なお、図5に示す各矢印は、基板がリールに巻回されて次の処理部へ受渡される部分と受渡し方向と処理の流れ方向とを示している。また、基板を巻回したリールの処理部間の受渡しは、ロボットのような装置を用いて自動的に行ってもよいし、作業者が手作業で行ってもよい。
【0043】
(4)製造設備の要部の特徴
次に、図5に示す製造設備の主な処理部における特徴を説明する。
図9は、図5に示す各処理部(但し、露光機202,303,402とポストベーク炉205,405とスパッタ装置301とをのぞく)に共通の構成を示す説明図であり、基板11は先端に所定の長さの案内用シートが設けられている。基板11を巻回したリール51が、ワーク送給機構50のリール軸52に装填されると、基板11の先端の案内用シートがリール51から引出され複数のロール53によって矢印D方向に送給され、巻取りリール56によってまきとられる。そして基板11上の最初のサスペンション1が処理室54の所定の位置に位置する。その後、処理室54において処理された後、ワーク巻取り機構55の巻取りリール56によって巻取られるようになっている。
【0044】
図10および図11はワーク巻取り機構55の詳細を示す上面図および側面図であり、処理室54から排出された基板11は従動ロール57に支持され、駆動リール軸58に装填された巻取りリール56によって巻取られる。ここで、ロール57から巻取りリール56に至る基板11上には円筒状のロール59が基板11を横切るように基板11に載置され(吊下げられ)ている。
【0045】
従って、基板11が処理室54から一定速度で送出されると、ロール59が自重で矢印H方向に下降し、発光部60と受光部61からなる光センサによってロール59の下端が検出されると、モータ制御部62がモータMによって駆動リール軸58を駆動させ、それによってリール56が矢印E方向に回転して基板11を処理室54の排出速度よりも早い速度で巻取り、ロール59は矢印J方向に上昇する。
【0046】
そして、所定時間が経過してモータ制御部62がモータMを停止させると、ロール59は再び矢印H方向に下降する。この動作をくり返すことにより、巻取りリール56は基板11を巻取っていく。このようにして、基板11が巻取られると、ロール59は、その軸が基板11の面に沿って自由に傾くことができるので、その自重によって巻取りリール56に対して基板11の幅方向に均一に分布する張力を付与できるので、基板11はしわや波打ちを生じることなく巻取られる。
【0047】
また、この時の巻取り張力(テンション)は、ロール59の重量により設定することができるので、必要に応じて処理部ごとに巻取り張力が設定される。とくに、エッチング装置605やレジスト除去装置606においては、基板から不要部分が除去されて基板11が張力によって変形し易くなっているので、巻取り張力は、他の処理部よりも小さく設定される。
同様に、エッチング装置605やレジスト除去装置606の各処理室54においても、複数のロール53によって基板に加えられる張力(テンション)は、その前の各処理装置の各処理室54において加えられる張力よりも小さく設定される。
【0048】
また、リール56は、図12にその断面を示すように、巻取り軸64とその両端に対向して設けられたフランジ63a,63bによって構成され、フランジ63a,63bの間隔L1が巻取り軸64から半径方向に離れるに従って末広がりに大きくなっている。これは、リール56が基板11を巻取る際にフランジ63a,63bの内面がガイドとして作用し、巻取り作業を容易にするためである。
【0049】
次に、図13はメッキ装置306の要部を示す構成説明図であり、基板11は先端に所定の長さの図示しない案内用シート、例えば絶縁性のテフロン(登録商標)シートが設けられているものとする。メッキ槽35では、入口33から挿入される基板11をメッキ液31に浸漬しながらロール32によって水平に一定速度で連続送給して出口34から矢印Y方向に排出する。そして、基板11に給電するためにメッキ槽35の外部の入口側と出口側にそれぞれ第1給電ロール36と第2給電ロール37が設けられ、さらにメッキ槽35のメッキ液31の内部には、メッキ用電極38が設けられている。また、第1および第2給電ロール36,37はメッキ用電源39の負極に、メッキ用電極38はメッキ用電源39の正極に接続されている。
【0050】
電流制御部40は、第1給電ロール36を介して流れるメッキ電流Iaを電流検出器41により、第2給電ロール37を介して流れるメッキ電流Ibを電流検出器42により、それぞれ検出して電源39の出力電流を制御するようになっている。
【0051】
このような構成において、図14に示すメッキ槽35の入口へ基板11の先端が挿入されると、電流Iaが流れ始める。電流制御部40はそれを電流検出器41により検出すると、図16に示すように基板挿入後の時間T1が経過して基板11が図15に示す中間位置に達するまで電流Iaを徐々に増加させ、基板11の表面にスパッタ装置301で既に形成されているCrおよびCu層(メッキベース)が過電流で破壊しない範囲の最大値Ic(例えば7A)に達すると、電流IaをIcに保持する。
【0052】
そして、電流制御部40は、基板挿入後の時間T2が経過し、基板11の先端が第2給電ロール37に到達したことを電流検出器42により検知すると、直ちにIa+Ib=Id(>Ic)一定になるように電源39の出力電流を制御し、それ以降はIa+Ib=Id(例えば10A)の関係を保持しながら基板11上にメッキ層を形成する。これによって、基板11の先端部のメッキ処理時にも、予め形成されたメッキベースを破壊することなく、メッキ処理が可能となると共に、1つの給電ロールによって基板11をメッキする場合に比べてほぼ2倍の速度で均一なメッキ処理を行うことができる。
【0053】
(5)製造設備のレイアウトの変形例
次に、図5に示す実施例の変形例を図17を用いて説明する。
図17は、図5に示すレイアウトにおいて、共通に使用可能な処理部を兼用することにより処理部の数を減少させた例を示している。つまり、ポリイミド層を形成する共通の処理部においては、ポリイミドコータ201と401,露光機202と402,プリベーク炉203と403,ポリイミド現像機204と404,ポストベーク炉205と405の前者が後者を兼用すると共に、レジスト層を形成する一連の処理部においては、レジストコータ302と601,露光機303と602,レジスト現像機304と603,裏レジストコータ305と604の前者が後者を兼用するようにしたものである。
【0054】
図17では、各処理部は、処理工程が最初に実線の矢印に従ってポリイミドコータ201から薄膜エッチング装置308まで進み、次に破線の矢印に従って最終のレジスト除去装置606まで進むように配置されている。この場合には、兼用した各処理部を、他の処理部のほぼ2倍の速度で処理させれば、全体としての処理を停滞させることなく円滑に流すことができる。また、各処理部の少なくとも1台では巻回面を裏返しに巻回すると巻き癖を無くすことができる。
【0055】
【発明の効果】
この発明によれば、可撓性を有する帯状のワーク部材を複数の処理部が規定された順序で処理する製造設備に対して、次のような効果を奏する。
(1)各処理部間における相互の処理能力が異なっても、一連の処理が可能となる。
(2)1部の処理部において故障が生じても、全体の処理部を停止させる必要がない。
(3)1部の処理部で不良が発生してもその影響がワーク部材全体に及ばないので、歩み留りが良い。
(4)処理部の一部にバッチ処理部を含めることができる。
(5)同種の処理部を兼用するようにレイアウトできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例により製造されるサスペンションの上面図である。
【図2】この実施例によるサスペンションをスペーサと共に組立てた状態を示す斜視図である。
【図3】図1のX−X断面における製造工程図である。
【図4】図1のX−X断面における製造工程図である。
【図5】この発明の実施例の製造設備のレイアウト図である。
【図6】この実施例の製造設備で処理する基板の上面図である。
【図7】この実施例により基板上に形成される配線パターンの上面図である。
【図8】この実施例により基板上に区画形成されるサスペンションの上面図である。
【図9】この実施例の製造設備の処理部の例を示す構成説明図である。
【図10】この実施例の処理部の要部上面図である。
【図11】この実施例の処理部の要部側面図である。
【図12】この実施例に用いるリールの断面図である。
【図13】この実施例のメッキ装置の要部構成説明図である。
【図14】この実施例のメッキ装置の動作を示す説明図である。
【図15】この実施例のメッキ装置の動作を示す説明図である。
【図16】この実施例のメッキ装置の動作を示すグラフである。
【図17】この実施例の製造設備の変形例を示すレイアウト図である。
【符号の説明】
1 サスペンション
1a 突出部
2 端子部
3 磁気ヘッド搭載部
4 配線パターン
5 磁気ヘッド
6 スペーサ
101 ワーク洗浄機
201 ポリイミドコータ
202 露光機
203 プリベーク炉
204 ポリイミド現像機
205 ポストベーク炉
301 スパッタ装置
302 レジストコータ
303 露光機
304 レジスト現像機
305 裏レジストコータ
306 メッキ装置
307 レジスト除去装置
308 薄膜エッチング装置
401 ポリイミドコータ
402 露光機
403 プリベーク炉
404 ポリイミド現像機
405 ポストベーク炉
501 ワーク洗浄機
601 レジストコータ
602 露光機
603 レジスト現像機
604 裏レジストコータ
605 エッチング装置
606 レジスト除去装置
Claims (1)
- 配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子を製造するために、帯状のワーク部材に対して、連続的に処理する複数の処理部を備え、前記複数の処理部では、処理部の少なくとも一つから、処理能力が異なる下流の他の処理部へ帯状のワーク部材を巻回して供給し、サスペンション素子をその長手方向の軸がワーク部材の巻回方向に直交するように形成し、前記配線パターンをサスペンション素子の軸に沿って形成し、少なくとも二つの処理部は処理された帯状のワーク部材をリールに巻き取る機構を有し、一方の処理部はワーク部材から不要領域を除去する処理部であり、リールの巻き取り張力が、他方の処理部における巻き取り張力よりも小に設定されたことを特徴とする製造設備。
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JP2002188127A JP3953370B2 (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 配線パターンを有する磁気ヘッド用サスペンション素子の製造設備 |
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