JP3335552B2 - 人体局部洗浄装置 - Google Patents

人体局部洗浄装置

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JP3335552B2
JP3335552B2 JP14438497A JP14438497A JP3335552B2 JP 3335552 B2 JP3335552 B2 JP 3335552B2 JP 14438497 A JP14438497 A JP 14438497A JP 14438497 A JP14438497 A JP 14438497A JP 3335552 B2 JP3335552 B2 JP 3335552B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温水で人体を洗浄す
る人体局部洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の人体局部洗浄装置には図
5に示すようなものがある(例えば、特開平5−333
77号公報)。
【0003】図5は洗浄水の供給系を示しており、ポン
プ1の上流側には給水配管2が接続され、下流側には空
気混入部3が接続されている。空気混入部3にはコンプ
レッサ5が接続されており、内部にセラミックを素材と
した円筒状の吸引ヘッド4が設けてある。
【0004】この構成により、給水配管2から供給され
た洗浄水はポンプ1によって加圧され空気混入部3へと
至る。空気混入部3ではコンプレッサ5から供給された
空気が、吸引ヘッド4により微細化されて洗浄水中に流
入する。さらに空気混入部3を経た洗浄水は熱交換器6
へと至り、この熱交換器6で適温になるまで加熱された
温水が、ノズル装置7に供給され人体局部に向けて噴出
される。
【0005】このことにより、ノズル装置7から噴出さ
れる洗浄水は気泡を含み、柔らかな体感が得られるもの
となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の人体局部洗浄装置では、熱交換器6の内部の
局部沸騰や異常加熱を引き起こしていた。
【0007】また、空気の混入部からノズル装置7に至
る迄の間に水中で気泡が一体となって大口径化し、ノズ
ル装置7から噴出される際に洗浄温水が断続的に噴射さ
れ、使用時の不快感や洗浄水の飛び散りの原因となって
いた。
【0008】さらに、熱交換器6の放熱を低減して加熱
量の低減を図ることができないなどの課題を有してい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は上記した課題
を解決するものであり、給水管と温水管が接続された瞬
間型の加熱手段と、前記加熱手段近傍の温度を検出する
温度検出手段と、前記加熱手段への給水を制御する給水
制御手段と、前記温水管に接続された洗浄ノズルと、温
水に気泡を混入する気泡混入手段と、前記洗浄ノズルに
よる人体局部の洗浄動作を設定する洗浄設定手段と、前
記加熱手段を経た温水の温度を設定する温度設定器と、
水あるいは温水の流動検出手段とを設け、便座への使用
者の接近を検出する手段が使用者の接近を検出した後、
前記流動検出手段が水あるいは温水の流動を検出してい
ない時に前記温度検出手段で検出される温度が所定温度
以下の場合、予め定めた時間あるいは予め定めた温度ま
で加熱手段で加熱を行うものである。この構成により、
洗浄の不使用時において、加熱手段自身を加熱しておく
ことにより、使用時に短時間の内に所望の温度の温水の
供給を可能にしているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の発明における人体
局部洗浄装置は、給水管と温水管が接続された瞬間型の
加熱手段と、前記加熱手段近傍の温度を検出する温度検
出手段と、前記加熱手段への給水を制御する給水制御手
段と、前記温水管に接続された洗浄ノズルと、温水に気
泡を混入する気泡混入手段と、前記洗浄ノズルによる人
体局部の洗浄動作を設定する洗浄設定手段と、前記加熱
手段を経た温水の温度を設定する温度設定器と、水ある
いは温水の流動検出手段とを設け、便座への使用者の接
近を検出する手段が使用者の接近を検出した後、前記流
動検出手段が水あるいは温水の流動を検出していない時
に前記温度検出手段で検出される温度が所定温度以下の
場合、予め定めた時間あるいは予め定めた温度まで加熱
手段で加熱を行うものである。この構成により、洗浄の
不使用時において、加熱手段自身を加熱しておくことに
より、使用時に短時間の内に所望の温度の温水の供給を
可能にしているものである。
【0011】また、本発明の第2の発明は、第1の発明
に加え、加熱手段内の空気の介在を検出する空気検出手
段を設け、制御器は空気検出手段で空気の介在を検出し
た時は、加熱手段による加熱を停止したものであり、加
熱手段に空気を噛んでいる時は、加熱手段への加熱を行
わないことにより、加熱手段のから焚きの防止を図り、
水あるいは温水の流動を検出していない時の装置の安全
性を確保しているものである。
【0012】また、本発明の第3の発明は、給水管と温
水管が接続された瞬間型の加熱手段と、前記加熱手段近
傍の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段への
給水を制御する給水制御手段と、前記温水管に接続され
た洗浄ノズルと、温水に気泡を混入する気泡混入手段
と、前記洗浄ノズルによる人体局部の洗浄動作を設定す
る洗浄設定手段と、前記加熱手段を経た温水の温度を設
定する温度設定器と、水あるいは温水の流動検出手段と
を設け、前記流動検出手段で水あるいは温水の流動を検
出したとき、前記加熱手段で加熱を行うものにおいて、
水あるいは温水が流動していない時に加熱手段で加熱を
行うことを選択する選択手段を設けたものである。この
構成により、選択手段で水あるいは温水が流動していな
い時の加熱手段による加熱を選択可能とすることによ
り、夏場など水温が高い場合は水あるいは温水が流動し
ていない時に加熱手段で加熱を行うことを停止すること
を選択可能とし、利便性の向上と消費電力量の低減の両
立を図っているものである。
【0013】さらに、本発明の第4の発明は、第3の発
明に加え、選択手段を便座への使用者の接近を検出する
接近検出手段をもって構成したものであり、使用者の接
近を検出して洗浄の不使用時における加熱手段の加熱を
行うことにより、用を足した後、実際に洗浄を行うまで
の間で水あるいは温水が流動していない時の加熱を行
い、特別に使用者の手を煩わせた操作なしに加熱の選択
を行い、使用者による操作を省き、また、電力消費量の
低減を図っているものである。
【0014】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図4
に基づいて説明する。図1は本発明の人体局部洗浄装置
を示す。
【0015】洗浄液体としての水は、給水管8から供給
されて給水制御手段である元電磁弁9と水の流量を調節
する流量調節弁10、水の流量を検出する流動検出手段
である流量センサ11を経て、瞬間型の加熱手段である
熱交換器12に至る。
【0016】熱交換器12には、熱交換器温度の異常上
昇を検出し熱交換器12への通電を絶つハイリミットス
イッチ13、熱交換器12内の水の有無を検出する空気
検出手段である空気検出サーミスタ14を備えている。
熱交換器12の出口近傍の温水管15には、温水温度を
検出する温度検出手段である温水サーミスタ16が設け
られている。
【0017】温水管15の端末には、先端に洗浄ノズル
17を有した洗浄ノズルユニット18が接続されてい
る。洗浄ノズル17と熱交換器12の間で、内部空気管
19と外部空気管20を介して、外部に設けた空気混入
手段であるモータ駆動の空気ポンプ21から温水に空気
が混入される。
【0018】洗浄ノズル17から供給された温水は、便
座22に着座した使用者の局部を洗浄するために利用さ
れる。便座22には、接近検出手段として使用者の便座
220への着座を検出する着座スイッチ23が設けられ
ている。
【0019】洗浄ノズル17からの温水の供給の指示は
リモコン24からなされる。リモコン24には、肛門洗
浄スイッチ25、女性局部洗浄用のビデスイッチ26、
流動停止を間接的に検出する流動検出手段でもある洗浄
の停止スイッチ27、流量と温度の調節部28、この調
節部28による流量あるいは温度の調節を選択する選択
スイッチ29、気泡混入を停止して洗浄を行う肛門直噴
洗浄スイッチ30、ビデ直噴洗浄スイッチが設けられて
いる。なお、図1においては、洗浄ノズルユニット18
は肛門用のみを示しているが、ビデ用の洗浄ノズルユニ
ットは、類似構成で別に設けてあり、図の上での表現は
割愛している。
【0020】また、リモコン24からの無線の信号の受
信や、図1で点線で連絡を表現された構成要素との制御
を行う制御器32が設けられており、この制御器32に
は、水あるいは温水が流動していない時に熱交換器12
で加熱を行うことを選択する選択手段としての予熱スイ
ッチ33が設けられている。
【0021】図2は熱交換器12の詳細を示す。電気的
に加熱を行うセラミックヒータ34は両側に設けた銅板
35,36で挟持され、その外側に内部には流路を有し
た樹脂製のケース38,39が設けられ、これらのケー
ス38,39はシール材40等を介して銅板35,36
に押圧されている。
【0022】銅板35の表面にはハイリミットスイッチ
13が取り付けられ、ケース38の上部には空気検出サ
ーミスタ14が取り付けられている。図3は洗浄ノズル
17の詳細を示す。
【0023】図3の(a)は洗浄ノズル17を上部から
見た上面図であり、図3の(b)は側面から見た切り欠
き断面図である。洗浄ノズル17内の流路は、洗浄ノズ
ルユニット18に形成された流路41から、洗浄ノズル
17内の流路42,43に至るに従って流路断面積は次
第に減り、ノズル口44の近傍で並行部45を経て拡大
部46でややラッパ状に拡大している。
【0024】このように構成したため、気泡を混入した
温水が供給された時は、気泡混入による作用と拡大部4
6の作用により、温水が比較的広い範囲に揺動された状
態で供給される。
【0025】温水が並行部45から拡大部46にさしか
かった時に発生する左あるいは右の壁に付着するコアン
ダ現象が、ランダムに混入した気泡により乱され左右に
噴流は揺動して供給される。
【0026】気泡の混入を止めると、並行部45の作用
により温水は直噴状態で比較的狭い範囲に吐出される。
この現象を利用して、温水中に気泡を混入させる、させ
ないの選択を行うことにより、洗浄噴流を揺動と直噴に
切り替えて供給することができる。
【0027】図4は空気検出サーミスタ14の詳細を示
す。サーミスタのビード47の周囲は保護管48で保護
されており、両者の間に充填剤49を充填して固めてい
る。保護管48は固定金具50で熱交換機12に固定さ
れ、温水管15の流路37に臨んでいる。
【0028】この空気検出サーミスタ14を使用して、
その周囲が空気であるか、水であるかを検出する方法は
次の方法で行われる。まず、周囲の温度が何度であるか
空気検出サーミスタ14自身の電気抵抗を測定し温度を
検出する。温度検出した後に所定時間、空気検出サーミ
スタ14自身に通電を行い自己加熱する。
【0029】次に、所定時間経過後に空気検出サーミス
タ14自身の温度を測定し、加熱前の温度と比較する。
周囲が水(温水)の場合は、加熱後の放熱が比較的大き
いため、加熱前後の温度差は小さい。周囲が空気の場合
は、加熱後の放熱が比較的小さいため加熱前後の温度差
は大きい。
【0030】この温度差の大小に基づいて、周囲が水
(温水)か空気であるかを判別している。この一連の制
御に当たっては判別を正確にするため、加熱時間を加熱
前の温度に基づき、温度が高い時は加熱時間を長く、低
い時は加熱時間を短く設定している。また、加熱後の温
度と加熱前の温度の温度差に基づいて水か空気かを判別
し、周囲温度による影響を少なくしている。
【0031】次に、制御器32の構成を動作に基づいて
説明する。制御器32はマイクロコンピュータで構成さ
れている。動作の説明では、人体局部洗浄装置の電源が
投入されており、制御器32に設けた予熱スイッチ33
が投入されているものとする。
【0032】使用者が便座22に着座すると、温水サー
ミスタ16で検出される温度が所定値(30℃)以下
で、空気検出サーミスタ14が空気の介在を検出してい
ない時は、制御器32の指示で所定時間(7秒間)熱交
換器12に通電が行われる。
【0033】この通電により温度が30℃を越えた場合
は、再び温度が30℃を下回るまで加熱は待機し、下回
った場合再び加熱を行い、常に熱交換器12の温度を3
0℃前後に保つ。
【0034】電源投入時などで熱交換器12の温度が非
常に低い場合は、一回の加熱で30℃を越えないため、
所定時間(7秒間)加熱後、所定間隔(10秒間)待機
し再び所定時間(7秒間)の加熱を30℃を越えるまで
くり返す。
【0035】いずれの場合においても、所定時間(7秒
間)の加熱を行って温水サーミスタ16で検出される温
度をチェックするのは、温水サーミスタ16で検出され
る温度変化が、熱交換器12の熱容量による加熱時の伝
熱遅れや温度むらにより、遅れるための措置である。
【0036】空気検出サーミスタ14で空気の介在を検
出した場合は、熱交換器12による加熱を行わないか、
加熱中は直ちに熱交換器12の加熱を停止する。熱交換
器12が予熱された状態でリモコン24の肛門洗浄スイ
ッチ25が押されると、まず、元電磁弁9に比べて若干
早めに空気ポンプ21が起動し、続いて元電磁弁9が開
成され通水が開始される。
【0037】空気ポンプ21を先に起動するのは、空気
ポンプ21自身あるいは外部空気管20に設けた逆止弁
(図示せず)が故障しても水が逆流しないための措置で
ある。流量センサ11で検出される流量が所定値(20
0cc/分) 以上流れると、制御器32の判断で熱交
換器12に通電が開始される。セラミックヒータ34へ
の通電はリモコン24で設定した設定温度と温水サーミ
スタ16で検出される温度が制御器32で比較され、温
度偏差がなくなるように通電が制御される。
【0038】設定温度を変更したい場合は、リモコン2
4の流量と温度の調節を選択する選択スイッチ29を温
度側に切り替え、調節部28で温度の調節をする。ま
た、流量設定を変更したい場合は、選択スイッチ29を
流量側に切り替え、調節部28で流量設定の調節を行
う。流量の制御は、制御器31により流量センサ10で
検出される流量と設定流量値が比較され、流量偏差をな
くすように流量制御弁10の開度が調節されて行われ
る。
【0039】流量制御弁11で設定された流量に調節さ
れ、熱交換器12で設定温度となった温水は洗浄ノズル
ユニット18に至るが、ここで空気ポンプ21から送ら
れ外部空気管20と内部空気管19を経て供給される空
気と混入され、洗浄ノズル17から人体局部に供給され
る。
【0040】この空気ポンプ21により空気が混入され
た洗浄の場合、洗浄ノズル17の作用で洗浄温水は人体
局部の比較的広い範囲を揺動して洗浄する。この気泡が
混入された洗浄の場合、気泡の混入による洗浄ノズル1
7の噴出流速の向上と気泡のはじける作用により、従来
の温水だけで洗浄する場合と比較して洗浄効果や使用者
の体感を損なうことなく、流量が半分以下で済むことが
実験的にも確認されている。
【0041】また、瞬間型の熱交換器12を用いること
により、従来の温水を貯えて使用時に備えていた貯湯式
の加熱手段と比較して、貯湯時の放熱損失が低減できる
ため、これも約半分の電力使用量で済むことになり、洗
浄温水の流量が半分で済むことと相俟って、大幅な電力
使用量の節約が実現できる。
【0042】また、熱交換器12と洗浄ノズル17ので
温水に気泡を混入する空気ポンプ21を設けているた
め、気泡が熱交換器12に溜まることが防止でき、気泡
が熱交換器12に停滞し、熱交換器12の内部の局部沸
騰や異常加熱を引き起こすことを防いでいる。また、洗
浄ノズル17と空気の混入部が接近しているため、水中
で気泡が一体となり大口径化し、洗浄ノズル17から噴
出される際に断続感が生じたり、使用時の不快感や洗浄
水の飛び散りを防止できるものとなっている。
【0043】さらに、温水中に気泡を混入し洗浄効果を
落とすことなく、温水流量を減らしているため、熱交換
器12の電力の定格値を半分にできる。この効果によ
り、瞬間型の熱交換器は冬場の入水温度が低いときを考
慮すると2.5KW(25A)程度の定格が必要であ
り、家庭用の一般コンセントでは15Aまでという制約
があって利用が困難であったものが利用可能となる。
【0044】停止スイッチ27を押すと、まずセラミッ
クヒータ34への通電が絶たれ、次いで元電磁弁9が閉
成される。この停止動作の場合、流量センサ11が停止
側の所定値(180cc/分)以下となる以前に、停止
スイッチ27の停止指示に従ってセラミックヒータ34
への通電を停止し、安全を確保している。この場合、停
止スイッチ27は、間接的な流動検出手段として機能し
ている。
【0045】使用中に、給水管8から大量の空気が混入
した水が送られて来たり、断水が起こった場合など水の
流動が停止した場合は、所定値(180cc/分)以下
となったことを流量センサ11が検出してセラミックヒ
ータ34への通電を絶ち、空焚きや異常温度上昇を防止
している。
【0046】流動開始時は流量センサ11が所定値を越
えたことを検出し、また流動停止時は停止スイッチ27
が押されたことを検出し、セラミックヒータ34へ確実
に水が流動を開始した後に、また水の流動が停止する前
に通電を入り切りし安全を確保している。
【0047】熱交換器12の後沸きや熱交換器の温度制
御系の故障により温水温度が所定値(50℃)を越えた
場合は、温水サーミスタ16がこれを検出し、ただちに
元電磁弁9で温水の供給を停止する。この制御により、
人体局部に洗浄ノズル17から高温の温水が供給される
ことが防止され、万が一の場合の安全策となっている。
【0048】また、制御器32が故障し温水温度が上昇
する場合は、ハイリミットスイッチ13(60℃設定)
が機能し、元電磁弁9の電源を元から直接に切り、元電
磁弁9を閉じて温水の供給を停止する。
【0049】温水の供給が行われていない時に、熱交換
器12を予熱する運転は、最初に空気検出サーミスタ1
4で熱交換器12中の空気の有無が検出される。この空
気の検出は、まず、周囲の温度が何度であるか空気検出
サーミスタ14を用いて測定する。測定した後に所定時
間(3秒間)、空気検出サーミスタ14自身に通電を行
い自己加熱する。
【0050】次に所定時間(1秒間)経過後に空気検出
サーミスタ14自身の温度を測定し、加熱前の温度と比
較する。周囲が水(温水)の場合は、加熱後の放熱が比
較的大きいため、前後の温度差は小さい。周囲が空気の
場合は、加熱後の放熱が比較的小さいため前後の温度差
は大きい。この温度差に基づいて、周囲が水(温水)か
空気であるかを判別している。
【0051】周囲が空気の場合は、熱交換器12に通水
が行われていない時の、セラミックヒータ34による熱
交換器12の加熱を行わない。また、予熱スイッチ33
が投入されていない時も、熱交換器12に通水が行われ
ていない時の、セラミックヒータ34による熱交換器1
2の加熱を行わない。
【0052】空気検出サーミスタ14だけで、温水の供
給停止指示時の熱交換器12の予熱運転と、温水の供給
指示時の水の流動検出手段を兼ねることも可能である。
使用者が便座22から起立すると、予熱スイッチ33が
投入されていても、熱交換器12を予熱する動作を停止
する。水が流動していない時に熱交換器12を予熱する
選択手段として、着座スイッチ23や予熱スイッチ33
やを設けることにより、必要である場合、無い場合の選
択が使用者自身や自動的にでき、必要以上に長時間に亘
り予熱運転をするような無駄が防止できる。
【0053】特に、着座スイッチ23を予熱選択手段と
して利用することにより、着座スイッチ23が着座して
いない状態で、肛門洗浄スイッチ25が押された場合の
水の噴出防止と、予熱選択手段としての二つの機能が果
たせ、かつ使用者が用を足す間に熱交換器12を予熱し
ておくことができる。
【0054】リモコン24の肛門直噴洗浄スイッチ30
が押された場合は、上記した動作の中で空気ポンプ21
を駆動した空気混入運転を行わない。この場合、洗浄ノ
ズル17の特性上、温水は揺動せず直噴状態で供給され
る。
【0055】ビデスイッチ26が押された場合の温水供
給、停止動作も上記した肛門洗浄次の動作と同様である
ので、詳しい説明は割愛する。この実施の形態では、瞬
間型の加熱手段として、セラミックヒータ34を有した
熱交換器12を例に挙げて説明したが、ヒータはシーズ
ヒータやリボンヒータをマイカで絶縁したヒータ等電気
的に加熱を行う他の加熱手段も有り得る。また、電気的
な加熱でなく燃焼熱を利用する方法も有り得る。
【0056】また、加熱手段近傍の温度検出手段として
熱交換器12の出口近傍に設けた温水サーミスタ16を
例に挙げて説明したが、熱交換器12の内部の流路に設
けたり、銅板35,36に取り付けることによっても実
施できる。また、サーミスタ以外にも熱電対や金属抵抗
体など温度検出が可能な他の手段であってもよい。
【0057】また、給水制御手段として元電磁弁9と流
量調節弁10を例に挙げて説明したが、元電磁弁9の単
独や、止水機能を有した流量調節弁10や、ポンプであ
ってもよい。
【0058】また、気泡混入手段として空気ポンプ21
を例に挙げて説明したが、コンプレッサやブロワー、ま
た遠隔部に集中して設けた圧縮空気供給機であってもよ
い。また、洗浄設定手段としてリモコンに設けた肛門洗
浄スイッチ25、ビデ洗浄スイッチ26を例にとった
が、直接に給水管8、温水管15の流路を開閉する開閉
バルブであってもよい。
【0059】また、水あるいは温水の流動検出手段とし
て、直接給水の流動を検出する流量センサ11と間接的
に検出する肛門洗浄スイッチ25を例に挙げて説明した
が、流量スイッチであったり、圧力など他の間接的な流
動検出手段であってもよい。
【0060】また、空気検出手段として空気検出サーミ
スタ13を例に挙げて説明したが、電極やフロートによ
り水位を検出する方法や、空気の組成を検出したり、光
学的に空気の介在を検出する方法であってもよい。
【0061】また、水あるいは温水が流動していない時
に加熱手段で加熱を行うことを選択する選択手段とし
て、制御器32に予熱スイッチ33と着座スイッチ23
を設けたが、どちらか一方だけでもよく、また予熱スイ
ッチ33はリモコン24に設けてもよい。またタイマー
と連動したものや、遠隔場所から無線で投入するものな
どであってもよい。
【0062】接近検出手段として、便座22への使用者
の着座を検出する着座スイッチ23を例に挙げて説明し
たが、トイレや便座に使用者が接近したことを赤外線や
超音波、また機構的に検出するあらゆる検出手段が考え
られる。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明の人体局部洗浄装置
によれば、洗浄の不使用時に、使用者の接近を検出し
て、あるいは使用者による選択に応じて、加熱手段自身
を加熱し ておくことができ、使用時に短時間の内に所望
の温度の温水を供給可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における人体局部洗浄装置の系
統図
【図2】同装置に用いた熱交換器要部の構成説明図
【図3】同装置に用いた洗浄ノズル部の上面図と一部き
り欠き断面図
【図4】同装置に用いた空気検出サーミスタの要部断面
【図5】従来の人体局部洗浄装置の系統図
【符号の説明】
8 給水管 9 元電磁弁(給水制御手段) 10 流量制御弁(給水制御手段) 11 流量センサ(流動検出手段) 12 熱交換器 14 空気検出サーミスタ(空気検出手段) 15 温水管 16 温水サーミスタ(温度検出手段) 17 洗浄ノズル 21 空気ポンプ(気泡混入手段) 22 便座 23 着座スイッチ(接近検出手段) 25 肛門洗浄スイッチ(洗浄設定手段) 27 停止スイッチ(流動検出手段) 32 制御器 33 選択スイッチ(選択手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 英穗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小野 圭介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 丸山 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−33377(JP,A) 特開 平6−257201(JP,A) 特開 平3−212526(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水管と温水管が接続された瞬間型の加
    熱手段と、前記加熱手段近傍の温度を検出する温度検出
    手段と、前記加熱手段への給水を制御する給水制御手段
    と、前記温水管に接続された洗浄ノズルと、温水に気泡
    を混入する気泡混入手段と、前記洗浄ノズルによる人体
    局部の洗浄動作を設定する洗浄設定手段と、前記加熱手
    段を経た温水の温度を設定する温度設定器と、水あるい
    は温水の流動検出手段とを設け、便座への使用者の接近
    を検出する手段が使用者の接近を検出した後、前記流動
    検出手段が水あるいは温水の流動を検出していない時に
    前記温度検出手段で検出される温度が所定温度以下の場
    合、予め定めた時間あるいは予め定めた温度まで加熱手
    段で加熱を行う人体局部洗浄装置。
  2. 【請求項2】 加熱手段内の空気の介在を検出する空気
    検出手段を設け、制御器は空気検出手段で空気の介在を
    検出した時は、加熱手段による加熱を停止した請求項1
    記載の人体局部洗浄装置。
  3. 【請求項3】 給水管と温水管が接続された瞬間型の加
    熱手段と、前記加熱手段近傍の温度を検出する温度検出
    手段と、前記加熱手段への給水を制御する給水制御手段
    と、前記温水管に接続された洗浄ノズルと、温水に気泡
    を混入する気泡混入手段と、前記洗浄ノズルによる人体
    局部の洗浄動作を設定する洗浄設定手段と、前記加熱手
    段を経た温水の温度を設定する温度設定器と、水あるい
    は温水の流動検出手段とを設け、前記流動検出手段で水
    あるいは温水の流動を検出したとき、前記加熱手段で加
    熱を行うものにおいて、水あるいは温水が流動していな
    い時に加熱手段で加熱を行うことを選択する選択手段を
    設けた人体局部洗浄装置。
  4. 【請求項4】 選択手段を便座への使用者の接近を検出
    する接近検出手段をもって構成した請求項3記載の人体
    局部洗浄装置。
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