JP3898670B2 - 給湯・追焚装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽給湯、浴槽水追焚き、自動保温及び外部給湯等が可能な給湯・追焚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯・追焚装置は、浴槽の湯温を設定温度に保温制御する自動保温モードを備えており、この自動保温モードでは、一定時間毎に追焚き運転を行って湯温を設定温度に制御するが、入浴中では追焚き指令等に基づき、追焚き動作が行われる。そして、給湯・追焚装置には、給湯用の熱交換器と、浴槽水の追焚きを行う熱交換器とともに、各熱交換器には独立したバーナが設置されているが、給湯・追焚装置の軽量化や構造の簡略化等の要請により、各バーナに共通に燃焼空気を供給する単一の燃焼用ファンで給気機構が構成される場合がある。このような給湯・追焚装置は、入浴中の如何に拘わらず自由に外部給湯が可能であり、給湯動作は給湯用熱交換器のバーナを燃焼させ、燃焼用ファンから給湯燃焼に必要な空気がそのバーナに供給される。そして、給湯動作は、追焚き動作に無関係に行われる。
【0003】
従来、給湯・追焚装置には、次のような先行特許文献が存在する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−211222号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平9−217960号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平9−96445号公報
【0007】
【特許文献4】
特開2000−111140号公報
【0008】
【特許文献5】
特開平8−128721号公報
【0009】
特許文献1には、風呂戻り湯の吐出温度が高くなりすぎるのを防止した風呂装置が開示されている。また、特許文献2には、風呂温度が風呂設定温度(沸き上がり温度)に達したとき、追焚き運転を停止する技術が開示されている。また、特許文献3には、再出湯湯温の安定化を図った複合給湯器が開示されている。また、特許文献4には、追焚き開始からの燃焼能力でのバーナの加熱量を積算した総加熱量が所定加熱量に達したときに追焚きを終了する追焚制御方法が開示されている。また、特許文献5には、マイルド追焚きに要する時間を浴槽水貯留量に関係なく、一定時間以下にできるようにした自動風呂装置が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動保温動作における追焚き運転や入浴検知に基づく追焚き運転時に、給湯動作が行われると、給湯燃焼量に従って燃焼用ファンの回転数が制御され、追焚き側の燃焼ガス量はそのファン回転数に依存する。即ち、給湯量が増加すれば燃焼ガス量が増加し、燃焼ガス量が増加すれば必要給気量が増加する関係である。給湯量が少ない場合には給気量が少なく、給湯量が多い場合には給気量も増大し、その給気量に応じて追焚き側のバーナにおける燃焼ガス量が増加し、浴槽の循環口から高温湯が供給されることになる。浴槽内の湯温が設定温度に近い場合、火傷等の危険はないものの、入浴者に不快感を与えることになる。とりわけ、循環口からジェット水流を生じさせる給湯・追焚装置では、そのジェット水流が高温湯で与えられると、入浴者の不快感は顕著となる。
【0011】
この不快感を感じた入浴者が追焚き運転を解除させてしまうと、浴槽内湯温は設定温度に到達し得ないという不都合がある。
【0012】
また、リモコンのスイッチ操作での追焚きには、残り湯から沸上げを行う場合と、保温中や保温中以外で浴槽内湯温が設定温度付近にあるとき、入浴者が追焚き指令で追焚きを行う場合とがある。前者の動作では入浴中であることは少ないが、後者の動作では入浴中の場合があり、その場合には循環口から出る高温湯が入浴者に不快感を与えるおそれがある。このような課題は、特許文献1〜5には開示されておらず、特許文献1〜5に開示された技術によっても解決されるものではない。
【0013】
そこで、本発明は、浴槽中に不用意に高温湯の吐出を生じないようにした給湯・追焚装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の給湯・追焚装置は、燃焼空気を供給するファン38を給湯用バーナ28及び追焚き用バーナ18に共用化してなる給湯・追焚装置であって、給湯用バーナの燃焼によって上水を加熱して給湯する給湯手段(給湯加熱部14)と、追焚用バーナの燃焼によって浴槽水を加熱する追焚手段(追焚加熱部12)と、追焚きを指令する追焚スイッチ154と、自動湯張り運転時、浴槽に前記給湯手段による給湯により湯張りを行うとともに前記浴槽水を設定温度に沸き上げる追焚き運転を行い、保温自動追焚き運転時、前記浴槽水が所定温度に到達した後、所定時間毎の追焚き運転を行い、前記追焚スイッチの操作による追焚き運転時、追焚き運転を行い、前記保温自動追焚き時に給湯を生じたか否かを判定し、給湯が生じた場合には、追焚き燃焼を禁止し、前記保温自動追焚き時以外の追焚き時に給湯を生じたか否かを判定し、給湯動作が生じた場合には、給湯燃焼に追従して追焚き燃焼をする制御手段(制御装置120、リモコン装置140)とを備えたことを特徴とする。
【0015】
追焚き運転には、
(1) 自動湯張り運転時の設定温度への沸き上げ
(2) 保温自動追焚き運転時には所定時間毎に設定温度への追焚き
(3) 追焚スイッチの操作による追焚き
の3パターンが存在する。(1) 及び(3) のパターンは循環口から高温湯の吐出が生じても、入浴者が成り行き上、予測できることである。これに対し、(2) のパターンでは、循環口から高温湯の吐出が生じることを、入浴者が予測し得ないことであろう。
【0016】
そこで、保温自動追焚き時には、給湯動作が生じたとき、その給湯動作が終了するまで追焚き運転を禁止して循環口から高温湯の吐出を防止する。この結果、入浴者は急激な高温湯に晒されることがない。
【0017】
また、保温自動追焚き以外の場合、(1) のパターンでは、入浴者がいることは少なく、仮に、入浴中であっても、沸き上げ中であるから、入浴者は高温湯の吐出を予定しているであろうし、迅速な沸き上げを期待するであろうから、給湯動作が生じた場合には、その追焚き運転を持続させ、追焚き燃焼を給湯燃焼に追随させる。この結果、迅速な沸き上げが期待できる。
【0018】
また、(3) のパターンでは、入浴者が追焚スイッチを操作して追焚き運転に移行していることから、循環口から高温湯が出ることは追焚き運転の実行を確認できる等、入浴者が予定しているので、高温湯の吐出は何ら不都合ではない。
【0019】
上記目的を達成するためには、前記制御手段は、追焚き要求に応じて所定値に追焚き燃焼量を規制し、所定時間経過後、前記浴槽水が設定温度に到達しないとき、前記追焚き燃焼量を増加させるとともに、前記浴槽水の到達温度に応じて前記追焚き燃焼量を減少させるようにしてもよい。即ち、浴槽水が設定温度に近い場合には、入浴者がいることが予想されるので、このように浴槽水が設定温度に到達する時間に応じて燃焼量を減少させる制御を行えば、その入浴者が高温湯による不快感を起こすことがない。この場合、追焚き燃焼において、その燃焼量を加減することにより、所望の時間で設定温度への沸き上げも可能となる。
【0020】
上記目的を達成するためには、自動湯張りスイッチを備え、該自動湯張りスイッチの操作により、前記自動湯張り運転を行うようにしてもよい。
【0021】
上記目的を達成するためには、保温自動追焚スイッチを備え、該保温自動追焚スイッチの操作により、前記保温自動追焚き運転を行うようにしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は第1の実施形態に係る給湯・追焚装置を示している。
【0023】
この給湯・追焚装置2は、循環路4を介して浴槽6に接続され、湯張り及び浴槽水BWの沸き上げを行う。循環路4は、往管8及び戻管10で構成される。この給湯・追焚装置2には、浴槽水BWの追焚きをする追焚加熱部12と上水Wを加熱、給湯する給湯加熱部14とが設置され、追焚加熱部12には熱交換器16及びバーナ18が設けられ、このバーナ18の燃焼室20には点火電極22、フレームロッド等の炎検出器24が設けられている。また、給湯加熱部14には、熱交換器26及びバーナ28が設けられ、このバーナ28の燃焼室30には点火電極32、炎検出器34が設けられている。追焚加熱部12及び給湯加熱部14には、ファンモータ36によって駆動される燃焼空気の供給用のファン38が設けられている。ファン38より吸引された空気はバーナ18、28に供給される。燃焼ガスGは、供給管40、追焚側燃料管42及び給湯側燃料管44を通してバーナ18、28に供給され、供給管40には元弁であるガス電磁弁46が設けられ、追焚側燃料管42にはガス電磁弁48、バーナ18への燃料供給量を調整するガス比例弁50が設けられ、また、給湯側燃料管44にはガス電磁弁52、バーナ28への燃料供給量を調整するガス比例弁54が設けられている。
【0024】
追焚加熱部12において、往管8と戻管10との間には熱交換器16を迂回させるバイパス管56が設けられている。戻管10には、浴槽水BWの温度を検出する温度センサ58、浴槽6の水位を検出する水位センサ60、浴槽水BWを熱交換器16へ圧送する循環ポンプ62、切換弁64、循環ポンプ62によって発生した水流を検出する水流スイッチ66、熱交換器16への通水量を規制するオリフィス68が設けられている。また、バイパス管56には、流路を開閉させる開閉弁70が設けられている。また、往管8及び戻管10は接続具72に連結され、この接続具72には往管8から循環により圧送される浴槽水BWを浴槽6内に水平方向に噴射させる吐出口74が開口されている。この場合、接続具72に設けられた吸引口76から吸引された浴槽水BWは戻管10を介して熱交換器16へ圧送される。従って、浴槽6内の入浴者は、自己の身体に吐出口74から吐出する浴槽水BWを当てることができる。
【0025】
給湯加熱部14の熱交換器26は、給水管78から供給される上水Wを加熱し、給湯管80に温水を供給する。給水管78からの上水Wと、給湯管80の温水とはバイパス管88で混合される。給水管78には上水Wの温度を検出する温度センサ90、給水量を検出する水量センサ92が設けられ、給湯管80には給湯量を適正水量に規制するための水量制御弁94、給湯温度を検出する温度センサ96が設けられている。バイパス管88には上水Wの混合量を調整する混合弁98が設けられている。また、給水管78には開閉弁100、逆止弁102が設けられ、給湯管82には開閉弁108、逆止弁110が設けられ、注湯管84には水量センサ104、逆止弁106が設けられている。給水管78の上水Wを浴槽6に注水するときは、開閉弁108を開くと、注湯管84及び切換弁64を介して注水される。給湯管82はカラン86に接続されて給湯されるとともに、浴槽6に注湯するときは、開閉弁108を開くと、注湯管84及び切換弁64を介して注湯される。
【0026】
次に、この給湯・追焚装置の制御装置及びリモコン装置について、図2及び図3を参照して説明する。図2は制御装置を示すブロック図、図3はリモコン装置を示すブロック図である。
【0027】
制御装置120は、制御演算部122、給湯ガス比例弁調整回路124、追焚ガス比例弁調整回路126、ガス電磁弁駆動回路128、その他の駆動回路130、検出回路132及び通信回路134が備えられている。給湯ガス比例弁調整回路124にはガス比例弁54、追焚ガス比例弁調整回路126にはガス比例弁50、ガス電磁弁駆動回路128には元ガス電磁弁46、給湯ガス電磁弁52、追焚ガス電磁弁48、その他の駆動回路130には循環ポンプ62、その他のアクチュエータ136が接続され、また、検出回路132には水量センサ92、104、水位センサ60、温度センサ90、96、その他のセンサ138が接続されている。制御演算部122は、演算処理を行うCPUやRAM、ROM等の記憶手段、タイマ機能より構成される。係る構成により、制御演算部122には各種センサからの検出信号が取り込まれ、その制御出力が循環ポンプ62等のアクチュエータ、各種電磁弁に加えられている。そして、通信回路134にはリモコン装置140が有線又は無線により接続されている。
【0028】
リモコン装置140には、制御演算部142、駆動回路144、入力回路146、通信回路148が備えられている。制御演算部142は演算を司るCPUやRAM、ROM等の記憶手段等から構成される。通信回路148には、制御装置120側の通信回路134が有線又は無線により接続されている。駆動回路144には蛍光表示管、液晶、LED、ブラウン管等から構成される表示器150が接続されている。また、入力回路146には浴槽6の湯張り、沸き上げを指令する自動運転スイッチ152、浴槽水BWの追焚きを指令する追焚スイッチ154、浴槽水BWの沸き上げ温度を設定する温度設定スイッチ156、その他に給湯温度、浴槽6の水位、運転予約時間、高速水流発生等を入力するための各種スイッチ158が接続されている。
【0029】
このような構成によれば、自動動作中で浴槽6への湯張りと設定温度への沸き上げが完了すると、設定された時間の保温運転に入る。保温運転中は、一定時間毎に浴槽6内の湯温を一定に保つため、自動的に追焚きを行う。浴槽6に人が入ると、水位の上昇が発生し、その上昇値から入浴を感知すると、最小燃焼の追焚き運転を開始する。このとき、台所や洗面所で給湯使用されると、水量センサ92が水の流れを検出して給湯側のバーナ28を点火し、給湯燃焼を開始すると同時に、追焚用のバーナ18を消火する。給湯使用が終了すると、給湯用のバーナ28を消火し、給湯燃焼を終了するとともに、バーナ18に点火し、追焚きを最小燃焼で再開する。温度センサ58が設定温度を検知すると、バーナ18を消火し、追焚き燃焼を終了する。
【0030】
また、保温運転中に入浴者がリモコン装置140の追焚スイッチ154を押すと、追焚用バーナ18に点火し、追焚き燃焼を開始する。燃焼量は浴槽6内の湯温により決めるが、まず、浴槽湯温を正しく検出するまで最小燃焼で燃焼する。配管内の冷えた水をパージし、浴槽湯温を正しく検出できる1分経過後、温度センサ58が浴槽水BWの温度を検出するが、保温中であるから、設定温度より一定温度例えば、2℃以内であるため、最小燃焼を継続する。この最小燃焼をしているとき、給湯使用されると、水量センサ92が水の流れを検出して給湯側バーナ28を点火し、給湯燃焼を開始すると同時に、追焚き燃焼量は、給湯燃焼量に合わせた燃焼ファンの回転数で、最適な燃焼状態となる燃焼量で燃焼を行う。給湯使用が終了すると、給湯用バーナ28を消火し、給湯燃焼を終了するとともに、追焚き燃焼量を最小に戻し、設定温度まで沸き上げる。
【0031】
浴槽水BWを追焚きとして入浴しようとするとき、リモコン装置140の自動運転スイッチ152を押さず、追焚スイッチ154を押すと、追焚用バーナ18に点火し、追焚き燃焼を開始する。燃焼量は浴槽6内の湯温により決めるが、まず、浴槽湯温を正しく検出するまで最小燃焼で燃焼する。配管内の冷えた水をパージし、浴槽湯温を正しく検出できる一定時間例えば、1分経過後、温度センサ58で浴槽水BWの温度を検出するが、浴槽水BWの沸き上げのため、設定温度より一定温度例えば、2℃以上低いため、最大燃焼に移り沸き上げを行う。設定温度より僅かに低い一定温度例えば、−2℃に達したならば、再び最小燃焼に戻り、設定温度まで沸き上げる。この最大燃焼或いは最小燃焼しているときに、給湯使用されると、給湯用水量センサ92が水の流れを検出して給湯側バーナ28を点火し、給湯燃焼を開始すると同時に、追焚き燃焼量は、給湯燃焼量に合わせた燃焼用ファン38の回転数で、最適な燃焼状態となる燃焼量で燃焼を行う。給湯使用が終了すると、給湯用バーナ28を消火して給湯燃焼を終了するとともに、再び給湯使用前の最大燃焼或いは最小燃焼に戻し、浴槽水BWを設定温度まで沸き上げる。
【0032】
以下、自動湯張り動作、保温動作、追焚き動作及び高速水流発生動作について説明する。
【0033】
(自動湯張り動作)
自動湯張り動作は、自動運転スイッチ152を投入することにより動作するモードであり、浴槽6に湯張りし、且つ、温度設定スイッチ156により設定温度まで沸き上げる動作を行う。
【0034】
自動運転スイッチ152が投入されると、切換弁64が追焚き側に設定されているので、循環ポンプ62を駆動して水流スイッチ66のON−OFFより浴槽水BWの有無を確認する。続いて、切換弁64を注湯管84から戻管10への流路に切り換え、開閉弁100を開いて所定量の注湯を行う。開閉弁100を開くことにより、水量センサ92が流水を検出し、ガス電磁弁46、52、ガス比例弁54を開き、点火電極32を放電させてバーナ28の燃焼を開始する。以後、温度センサ90、96、水量センサ92、104より検出される給水温度、給湯温度、給水量等の検出値と設定温度により比例弁54の開度が演算され、その開度、即ち、燃料供給量に対応する回転数でファンモータ36が駆動される。水量センサ104で所定量の注湯を確認すると、給湯ガス電磁弁52を閉じて燃焼を停止させ、水位センサ60により浴槽6の水位を検出する。続いて、切換弁64を注湯管84から往管8側に切り換え、開閉弁108を開いて浴槽6へ設定水位までの注湯を行う。注湯完了後、切換弁64を追焚き可能な方向に切り換えて、循環ポンプ62を駆動し、水流スイッチ66の入力を検出すると同時にガス電磁弁46、48、ガス比例弁50を開いて点火電極22を放電させてバーナ18の燃焼を開始する。ガス比例弁50は最大開度、即ち、バーナ18を最大燃焼させ、ファンモータ36はこの燃料供給量に対応する回転数に制御される。温度センサ58が設定温度と等しい湯温を検出すると、循環ポンプ62やバーナ18の燃焼を停止して湯張り、沸き上げ動作を終了する。
【0035】
(保温動作)
浴槽6の湯張り、沸き上げが完了すると、タイマによる計時を開始し、所定時間経過する毎に循環ポンプ62を駆動させ、且つ、バーナ18を燃焼させて、設定温度まで沸き上げる動作を行う。このとき、ガス比例弁50は最小開度に設定して入浴者に吐出水流による局部的な熱さを感じ難くさせる。ファンモータ36の回転数はその燃料供給量に相当する回転数に制御される。
【0036】
(追焚き動作)
浴槽水BWの温度が低すぎるとき、入浴者自信が積極的に設定温度に回復させる機能である。また、残り湯を沸き上げるために使用する機能である。追焚スイッチ154を投入すると、循環ポンプ62が駆動するとともにバーナ18が燃焼を開始する。ガス比例弁50が最小開度に調整され、ファンモータ36はこれに追従する回転数に制御される。
【0037】
(高速水流発生動作)
リモコン装置140より高速水流の発生を指令すると、開閉弁70が開き、循環ポンプ62が駆動して高速水流が発生する。循環ポンプ62によって発生した水流は熱交換器16の抵抗、オリフィス68の抵抗を回避してそのほとんどがバイパス管56側に流れて、吐出口74より高速水流が吐出される。入浴者はこの吐出水流を受け、マッサージ効果を得る。また、開閉弁70が閉じているとき、即ち、沸き上げ時には、オリフィス68が熱交換器16への供給水量を制限する。オリフィス68を設けることにより熱交換器16の流水量が一定量例えば、10リットル/分まで制限され、ガス比例弁50を最小開度に設定することにより、吐出口74から放出される熱量を減少させて、入浴者が局部的に受ける湯温を低減できる。
【0038】
続いて、自動湯張り動作、保温動作、追焚き動作にて追焚き燃焼を実行中に、カラン86が開かれて並行して給湯動作が実行される場合について説明する。
【0039】
給湯需要が生じたとき、制御装置120は給湯温度を設定温度に一致させるため、比例弁54の開度を調整してバーナ28を燃焼させる。この開度に追従してファンモータ36の回転数が変更される。このとき、追焚き側のバーナ18が燃焼しているときには、バーナ18側の空気供給量と燃料供給量のバランスが取れなくなるため、ガス比例弁50の開度を変更して供給空気量に対応した燃料供給を行う。このため、給湯需要が生じると、吐出口74から吐出される温水の吐出温度が変化して入浴者は局部的な熱さを感じることがある。
【0040】
本発明では、自動湯張り動作、保温動作、追焚き動作で入浴者が局部的な熱さの感じ方が異なることに着目した。即ち、自動湯張り動作は浴槽6に湯張りし、且つ、沸き上げる動作を行うことから入浴者は不在である。従って、給湯需要によって生じる吐出温度の変化は何ら入浴者に関与しない。また、保温動作時は、入浴者の意思に関係なく制御装置120が自動的に沸き上げを行うことから、入浴者は給湯需要が生じたときの吐出水流温度の変化に過敏に反応する。また、追焚き動作は、温水の温度が低いときに、入浴者の意思によって動作させることから、積極的に適温に沸き上げたいという願望が強く、給湯需要が生じたときの吐出温度の変化に対してあまり過敏にならない。そこで、本発明では、吐出温度の変化に過敏に反応する保温動作時に給湯需要が生じたときにはバーナ28の燃焼を停止させ、自動湯張り動作、追焚き動作時に給湯需要が生じたときには給湯燃焼に追従して追焚き燃焼量を変化させることにより、入浴者の所望する温度に沸き上げるものである。
【0041】
次に、この給湯・追焚装置の自動湯張り動作について、図4、図5及び図6を参照して説明する。図4〜図6は自動湯張り動作、保温動作及び追焚き動作を示すフローチャートを示し、各図において、A、Bはフローチャートの連結部を示している。
【0042】
ステップS1〜ステップS6のルーチンは自動湯張り動作を示す。また、ステップS7〜ステップS13のルーチンは保温動作を示す。また、ステップS14〜ステップS26のルーチンは追焚き動作を示している。
【0043】
ステップS1では、自動運転スイッチ152が投入されたか否かが判定される。自動運転スイッチ152がOFFのときにはステップS14へ移行し、ONのときにはステップS2へ移行する。この自動運転スイッチ152の投入により、浴槽6の湯張り、沸き上げ、所定時間毎の保温動作が自動的に実行される。
【0044】
ステップS2では、自動湯張り動作によって設定温度まで沸き上げが完了されているか否かが判定される。沸き上げが完了しているときにはステップS7に移行し、沸き上げが完了していないときにはステップS3に移行し、バーナ28の燃焼を開始して浴槽6に注湯を行い、設定水位まで湯張りを行う。続いて、循環ポンプ62を駆動してバーナ18の燃焼を開始し、浴槽水BWを設定温度まで沸き上げを開始する。ガス比例弁50の開度を最大にしてバーナ18を最大燃焼させ、ファンモータ36を制御してこの燃料供給量に最適の燃焼空気をバーナ18に供給する。
【0045】
ステップS3では、追焚き中にカラン86等が開かれて給湯需要が発生したか否かが判定される。給湯は水量センサ92による水流検出により判断される。給湯需要が生じていないときにはステップS4に移行して引き続きバーナ18を最大燃焼させて速やかに温水を設定温度まで沸き上げる。また、給湯需要が生じたときには、ステップS5に移行する。ステップS5では、給湯が開始され、このとき、温度センサ90、96、水量センサ92の検出値と設定温度とを参照してバーナ28の燃焼に必要な燃料供給量が演算されて比例弁54の開度が調整される。また、混合弁98、水量制御弁94の開度が調整され、給湯温度が調整される。この燃料供給量に比例してファンモータ36の回転数が調整され、バーナ28の発熱に最適の空気量が供給される。この空気供給量と調和させるため、追焚加熱部12側のガス比例弁50の開度が調整されて温水加熱が行われる。
【0046】
ステップS6では、温度センサ96の検出値が沸き上げ設定温度に到達したか否かが判定される。設定温度まで沸き上げが完了していなければ、ステップS3に戻り、ステップS3からステップS6のルーチンを繰り返し実行する。また、設定温度まで沸き上げが完了したときには、バーナ18の燃焼と循環ポンプ62の駆動を停止して追焚きを終了する。
【0047】
ステップS2で自動湯張り、沸き上げ完了を判定したときには、ステップS7に移行して保温動作を実行する。沸き上げ完了からタイマにより経過時間を計時し、所定時間経過したら循環ポンプ62を駆動するとともにバーナ18を燃焼させて設定温度まで沸き上げる。また、所定時間の計時の代わりに温度センサ58やその他の温度センサの検出値が所定温度低下したときに追焚きを実行させても構わない。
【0048】
ステップS7では、保温動作中で、バーナ18の燃焼による追焚きが実行されているか否かが判定される。追焚きが実行されているときにはステップS8に移行し、追焚きが実行されていないときにはステップS14に移行する。
【0049】
ステップS8では、追焚き中に給湯需要が生じたか否かが判定される。給湯需要が生じていないときにはステップS9に移行し、ガス比例弁50の開度を最小に絞り、バーナ18を最小燃焼させる。ファンモータ36はこの燃焼量に追従した回転数に制御される。ステップS10では、温度センサ58の検出値を参照して浴槽水BWが沸き上げ設定温度に到達したか否かが判定される。沸き上げが完了していないときにはステップS8に移行し、沸き上げ完了した場合にはバーナ18の燃焼と循環ポンプ62の駆動を停止して追焚きを終了する。以後、保温のための追焚き開始時間を計時する。
【0050】
ステップS8で給湯需要が検出されたときにはステップS11に移行する。ステップS11では、バーナ18の燃焼と循環ポンプ62の駆動を停止して、追焚きを中止させる。追焚きを中止することにより、入浴者は吐出温度の変化による局部的な熱さを感じなくても済む。ステップS12は給湯需要が生じているか否かを監視するルーチンである。給湯需要が生じている場合には引き続き追焚き燃焼を停止させ、給湯需要が無くなったことが検出されたときにはステップS13に移行し、バーナ18の燃焼を再開し、ステップS8〜ステップS10のルーチンを実行して設定温度まで沸き上げる。
【0051】
入浴者は浴槽水BWの温度が低いとき、適温まで昇温させるため、追焚スイッチ154を操作して沸き上げることができる。ステップS14は湯温を回復させるため、追焚スイッチ154が投入されたか否かを判定するルーチンである。追焚スイッチ154が投入されたときにはステップS15に移行する。
【0052】
ステップS15では、給湯需要が生じたか否かが判定される。給湯需要が生じていないときにはステップS16に移行し、循環ポンプ62を駆動するとともにガス比例弁50を最小開度に設定してバーナ18を燃焼させる。また、給湯需要が生じたときにはステップS17に移行し、バーナ18の燃焼に応じて供給される空気量に追従してガス比例弁50の開度を調整してバーナ18の燃焼を行う。
【0053】
ステップS18は、温度センサ58の検出値が沸き上げ設定温度に到達したか否かを判定するルーチンである。設定温度まで沸き上げが完了したときには、バーナ18の燃焼を停止して追焚きを終了する。沸き上げが完了していないときにはステップS19に移行し、バーナ18の燃焼開始から所定時間例えば、1分が経過したか否かを判定する。一定時間例えば、1分が経過していないときにはステップS15からのルーチンを再び実行し、経過したときにはステップS20に移行する。この一定時間例えば、1分間という時間設定は、循環ポンプ62の駆動を開始してから十分に浴槽水BWが攪拌されて正確な湯温検出が可能となる時間である。本発明では、追焚き動作を先行させながら攪拌による湯温検出を行うことにより、その湯温検出までの沸き上げロスを相殺している。この時間設定は循環経路の長さ、浴槽の体積、又は気候変動を考慮して任意の時間を設定できる。
【0054】
ステップS20は、追焚きを開始して一定時間例えば、1分経過したときの温度センサ58の検出値が設定温度より所定温度例えば、2℃低い温度まで到達したか否かを判定するルーチンである。一定時間例えば、1分間の攪拌によって正確な浴槽水BWの湯温検出が可能となり、設定温度より2℃低い温度を超えているか否かによって、現在の追焚き動作が残り湯を沸き上げているのか、又は沸き上げ後の放熱ロスの回復のための追焚きであるのかを判定することができる。浴槽水BWの湯温検出の結果、設定温度より一定温度例えば、2℃低い温度を超えていたときには、沸き上げ後の追焚きであると判断してステップS21に移行する。また、設定温度より2℃低い温度に到達していないときには、残り湯の沸き上げであると判断してステップS25に移行する。
【0055】
ステップS21では、給湯需要が生じたか否かが判定される。給湯需要が生じていないときにはステップS22に移行して引き続きガス比例弁50の開度を最小にし、バーナ18を最小燃焼で追焚きを行う。また、給湯需要が生じたときにはステップS23に移行して、空気量に調和するようにガス比例弁50の開度を調整してバーナ18を燃焼させる。ステップS24は、温度センサ58の検出値が設定温度に到達したか否かを判定するルーチンである。設定温度に到達していなければステップS20からのルーチンを再び実行する。また、設定温度に到達したときには追焚きを終了させる。
【0056】
ステップS20で浴槽水BWの沸き上げであると判断されたときには、ステップS25に移行する。浴槽水BWの沸き上げ時には、入浴者が不在である確率が高いため、ガス比例弁50の開度を最大にしてバーナ18を最大燃焼に設定して速やかに追焚きを行う。ステップS25では、追焚き中に給湯需要が生じたか否かが判定される。給湯需要が無ければステップS26に移行して最大燃焼で追焚きを行う。また、給湯需要が生じたときにはステップS23のルーチンを実行させる。
【0057】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係る給湯・追焚装置の他の実施の形態を示している。
【0058】
第1の実施形態では、給湯、追焚きのそれぞれがバーナ18、28の燃焼量をガス比例弁50、54によってそれぞれ制御させてきたが、燃料供給管40に比例弁160を設けて追焚き側のバーナ18、給湯側のバーナ28の双方の燃料供給量を制御してもよい。この場合の燃焼の制御は、図4〜図6に示すフローチャートで実行する。この場合、供給管40には元ガス電磁弁46を設け、追焚側燃料管42にはガス電磁弁48、給湯側燃料管44にはガス電磁弁52を配置してそれぞれのバーナ18、28への燃料供給又は停止を行う。
【0059】
(他の実施形態)
既述の給湯・追焚装置において、保温自動追焚スイッチを備え、該保温自動追焚スイッチの操作により、保温自動追焚き運転を行うようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、循環流量を下げ、追焚燃焼の能力を切り替えることにより、吐出口から吐出する湯の強さを変更でき、入浴者が熱く感じる等の不快感を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図2】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】リモコン装置の構成を示すブロック図である。
【図4】給湯・追焚装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】給湯・追焚装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】給湯・追焚装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【符号の説明】
2 給湯・追焚装置
12 追焚加熱部
14 給湯加熱部
18 追焚用バーナ
28 給湯用バーナ
38 ファン
154 追焚スイッチ
Claims (4)
- 燃焼空気を供給するファンを給湯用バーナ及び追焚用バーナに共用化してなる給湯・追焚装置であって、
給湯用バーナの燃焼によって上水を加熱して給湯する給湯手段と、
追焚用バーナの燃焼によって浴槽水を加熱する追焚手段と、
追焚きを指令する追焚スイッチと、
自動湯張り運転時、浴槽に前記給湯手段による給湯により湯張りを行うとともに前記浴槽水を設定温度に沸き上げる追焚き運転を行い、保温自動追焚き運転時、前記浴槽水が所定温度に到達した後、所定時間毎の追焚き運転を行い、前記追焚スイッチの操作による追焚き運転時、追焚き運転を行い、前記保温自動追焚き時に給湯を生じたか否かを判定し、給湯が生じた場合には、追焚き燃焼を禁止し、前記保温自動追焚き時以外の追焚き時に給湯を生じたか否かを判定し、給湯動作が生じた場合には、給湯燃焼に追従して追焚き燃焼をする制御手段と、
を備えたことを特徴とする給湯・追焚装置。 - 前記制御手段は、追焚き要求に応じて所定値に追焚き燃焼量を規制し、所定時間経過後、前記浴槽水が設定温度に到達しないとき、前記追焚き燃焼量を増加させるとともに、前記浴槽水の到達温度に応じて前記追焚き燃焼量を減少させることを特徴とする請求項1記載の給湯・追焚装置。
- 自動湯張りスイッチを備え、該自動湯張りスイッチの操作により、前記自動湯張り運転を行うことを特徴とする請求項1記載の給湯・追焚装置。
- 保温自動追焚スイッチを備え、該保温自動追焚スイッチの操作により、前記保温自動追焚き運転を行うことを特徴とする請求項1記載の給湯・追焚装置。
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