JP2928570B2 - 自動風呂装置における追焚き運転方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マイコン制御部を具備し、リモコンに設定
した浴槽水位および設定湯温の湯張りを行ない、かつ、
自動保温中は自動的にその設定湯温を保つことができる
ようにした自動風呂装置における追焚き運転方法に関す
るものである。

〔従来の技術〕

前記の如き自動風呂装置は例えば第３図に示すように
構成されている。

第３図において、１は給湯用熱交換器、２は追焚用熱
交換器で、給湯用熱交換器１の出湯管を分岐管路３によ
り追焚用熱交換器２の循環管路に接続し、その分岐管路
３に、電磁弁４（バキュームブレーカ、逆止弁を内蔵し
ている）および温度センサ７を配設し、追焚用熱交換器
２の循環管路にはポンプ８を配設している。

そして、この種の自動風呂装置はマイコン制御部５に
より自動運転される。例えば、リモコン６に浴槽の水位
と湯温とを設定し、自動運転スイッチをオンすると、電
磁弁４を開くと共に給湯用熱交換器１のバーナ10を燃焼
させて給湯用熱交換器１により設定湯温よりもやゝ低い
温度に加熱した湯を循環追焚管路を介し浴槽９中に注湯
して浴槽への湯張りを行ない、浴槽中の水位が設定水位
に達したことを圧力計よりなる水位センサ11が検出する
と前記湯張り運転を中止し、次いでポンプ８を駆動して
追焚用熱交換器２のバーナ12の燃焼による追焚き運転を
行ない、浴槽中の湯温が設定温度に達すると前記追焚き
運転を停止するように構成されている。

そして、リモコン６を操作して自動保温状態にしてお
けば、一定時間例えば30分毎に浴槽中の湯温を検出して
設定湯温になるように追焚き運転を行なうようになって
いる。また、従来の自動風呂装置は、リモコン６に追焚
きスイッチを備え、必要により追焚きスイッチをオンさ
せると任意所望の時間追焚き運転を行なうようになって
いる。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の自動風呂装置は、前記の如く構成されているの
で、自動保温状態にしておけば、常に所望の水位および
湯温を保つことができる。しかし乍ら、入浴者が浴槽９
内に入っているとき、自動追焚き機能が働いてバーナ12
の燃焼が行なわれると、高温（例えば50℃程度）の湯が
矢印Ａの如く浴槽９内へ流入するので、入浴者に触れる
と不快感を与えるだけでなく危険である。

本発明は、前記の如き問題点を改善し、自動追焚運転
中であることを知らずに入浴しても高温の湯に触れるこ
となく入浴することができ、しかも、浴槽内の湯の温度
が低くなっているときは入浴適温の下限付近の温度まで
迅速に加熱できる、自動風呂装置における追焚き運転方
法を提供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、前記の目的を達成するため、温度センサに
より浴槽に流入する温度を監視し、その浴槽中に流入す
る湯温が特定温度未満であるときは最大能力で追い焚き
運転を行なうと共に、前記浴槽への流入湯温が特定温度
まで上昇したことを検出すると自動的に追焚き運転の燃
焼ガス量を減少させることを特徴とする。

次に、本発明の基本的原理について第２図を参照して
説明する。

従来例における追焚きは、第２図（Ａ）に示すように
ガス流量一定（本例では最大流量である10,000Kcal/
時）で行ったので、時間経過とほぼ比例して湯温が上昇
し、時刻t₁で60℃を越えている。60℃以上の熱湯が浴槽
内へ流入することは危険である。

本発明の１実施例に対応する第２図（Ｂ）では、人体
に触れても不快を感じない程度の特定温度T₁（本例では
45℃）と、入浴適温の上限に相当する設定温度T₂（本例
では47.5℃）とを定め、特定温度T₁に達するまでは比例
弁15を全開にしてバーナ12の最大能力で追焚きを行わせ
る。

特定温度T₁に達した後は比例弁15の自動制御により、
流入湯温が特定温度T₁を著しく上回らないようにガス流
量を抑制し、流入湯温が設定温度T₂に達すると追焚きを
停止する。

〔作用〕

上記の方法によれば、追焚きで加熱されて浴槽内に流
入する湯が特定温度に達するまでは最大能力で追焚きさ
れるので、迅速に入浴し得る温度まで昇温する。

そして、上記設定温度に達した後は自動的に追焚き運
転の燃焼ガス量を減少させて流入する湯温を特定温度近
傍に保つので、入浴者が自動運転中であることを和らな
くても、浴槽９内へ高温の湯が不意に流入してくる虞れ
が無く、安心して快適な入浴をすることができる。

〔実施例〕

第１図は本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。

次に、第３図を参照しつつ第１図のフローを説明す
る。

リモコン６を操作して追焚きにする（フローａ）と、
マイコン制御部５の作用によりポンプ８が作動して浴槽
９内の湯を循環せしめ（フローｂ）、温度センサ13によ
り浴槽に流入する湯温を検知する（フローｃ）。

上記検出温度に基づき、フローｄで該検出温度が特定
温度（本例では45℃）に達したか否かを比較判定し、該
定温度未満であればフローｅに進んで最大能力で追焚き
する。すなわち、給気フアン14が運転されてバーナ12に
燃焼用空気が供給されるとともに、燃料ガスが追焚き比
例弁15で最大流量に自動制御されながらバーナ12に供給
され、バーナ12で最大能力の燃焼が行なわれる。この時
点でポンプ８は、フローｂで運転を開始されたまま運転
を続けており、浴槽９内の湯は追焚用熱交換器２の水管
を通って循環せしめられ、最大能力で追焚きされた湯が
矢印Ａのごとく浴槽９内に流入して該浴槽内の湯温が急
速に上昇する。しかし、湯温が特定温度以下であるから
安全である。

フローｄで、検出温度が特定温度に達したと判断され
ると、比例弁を絞って追い焚き運転の燃焼ガス量を減少
させる（フローｈ）。

本発明を実施する場合、追い焚き運転の燃焼ガス量を
減少させる具体的手段としては、追い焚き比例弁15によ
ってガス流量を絞っても良く、また、バーナ12に併設さ
れた電磁弁（図示せず）の切替による、公知のバーナカ
ット方式を適用しても良い。

本実施例においては追焚き比例弁15をいっぱいに絞っ
て燃焼ガス量を減少させた。その具体的データは次の如
くである。

本実施例の追焚き運転方法に用いた自動ガス風呂装置
（第３図）は、ポンプ８による循環流量12/minのと
き、比例弁15は最大に開くと６号相当の加熱容量とな
り、浴槽９内から吸入した湯の温度を12.5℃上昇させて
矢印Ａのごとく浴槽９内に還流させる。

また、前記比例弁15をいっぱいに絞ると2.5号相当と
なり、吸入した湯の温度を5.2℃上昇させて還流させ
る。

本例においては第１図のフローｈで上記比例弁をいっ
ぱいに絞り込んで最小燃焼を行わせて、湯温をほぼ特定
温度に保った。

いま、仮に浴槽９内の湯温を39℃とすれば、比例弁15
を全開して最大燃焼を行わせ、湯温を12.5℃上昇させる
と矢印Ａの吹き出し温度は51.5℃となり、人体に直接触
れると危険である。

加熱されて浴槽内へ流入する湯温が特定温度以下であ
る場合の追い焚き運転（フローｅ）は最大燃焼させる
が、上記の湯温が特定温度に達すると比例弁15をいっぱ
いに絞りこんで最小燃焼（2.5号相当）にする（フロー
ｈ）。

この状態でポンプ８は、フローｂで運転を開始したま
ま作動し続けているので循環流量は12/minを維持して
おり、追焚用熱交換器２で加熱された湯は大量の循環水
（浴槽９内の湯）で希釈され、ほぼ特定温度となって矢
印Ａ方向に吹き出すので、人体に触れても不快感を与え
ない。

上記のようにして最小燃焼の追焚きが行なわれて、湯
温が停止温度に達したことを検知すると（フローｌ）、
追い焚きを停止し（フローｍ）、ポンプ８を停止させる
（フローｎ）。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば、浴槽内の温度が
低いときには最大能力で追焚きして入浴し得る温度まで
の追焚き時間を短縮すると共に、浴槽内へ流入する湯の
温度が特定温度に達すると自動的に追焚き運転の燃焼ガ
ス量を減少させるので、入浴者が自動追焚き運転中であ
ることを知らずに浴槽内に入っても、予期しない熱湯の
流れに触れて不快を感じたり火傷を被ったりする虞が無
くて安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すフローチャート、第２
図（Ａ）および（Ｂ）は温度の変化の説明図、第３図は
器具の構成例を示す水系統図である。 １……給湯用熱交換器、２……追焚用熱交換器、３……
分岐管路、４……電磁弁、５……マイコン制御部、６…
…リモコン、７……温度センサ、８……ポンプ、９……
浴槽、10……給湯用バーナ、11……水位センサ、12……
追焚き用バーナ、13……温度センサ、14……給気フア
ン、15……追焚き用比例弁。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F24H 1/00 302

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】追い焚き機能を有する風呂釜において、風
   呂釜から浴槽へ湯が流入する流路に温度センサを設けて
   湯温を監視するとともに、上記の湯が人体に触れても安
   全な温度範囲の上限近傍の特定温度を設定し、 前記温度センサの出力信号が前記特定温度未満であると
   きは最大能力で追い焚き運転を行い、 前記温度センサの出力信号が前記特定温度に達したこと
   を検出すると、浴槽内へ流入する湯の温度を特定温度近
   傍に保つよう自動的に追焚き運転の燃焼ガス量を減少さ
   せることを特徴とする自動風呂装置における追焚き運転
   方法。