JP3333946B2 - 骨組みがチューブで構成された建物 - Google Patents

骨組みがチューブで構成された建物

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JP3333946B2
JP3333946B2 JP31685693A JP31685693A JP3333946B2 JP 3333946 B2 JP3333946 B2 JP 3333946B2 JP 31685693 A JP31685693 A JP 31685693A JP 31685693 A JP31685693 A JP 31685693A JP 3333946 B2 JP3333946 B2 JP 3333946B2
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tubes
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孝次 柳澤
博文 鎌田
達也 小竹
宏之 大森
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文部科学省研究開発局長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋外や建物内等に仮設
される、骨組みがチューブで構成された建物とその構築
方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】塵埃や静電気、電磁波等により悪影響を
受ける機器類が設置されている室内において、一時的に
これらが発生するような作業を行う場合には、そのよう
な機器類をその室内で隔離する必要がある。また、工場
の生産ライン等において、一時的または部分的に塵埃等
が入らない空間を必要とする時にも、そのような空間を
その室内に形成する必要がある。
【0003】このような仮設空間として、従来は、図3
2に示すような、骨組みがチューブで構成された建物を
組み立てていた。この図において(a)はこの建物の正
面図を、(b)は側面図を、(c)は平面図をそれぞれ
示す。すなわち、この建物の骨組みは、一本のチューブ
で門形に形成された二対の門形チューブt1 ,t2 で構
成される。この門形チューブの一方の対を奥行き方向で
対向させ、他方の対を間口方向で対向させて、隣合う門
形チューブt1 ,t2の柱位置を合わせて設置する。そ
して、この骨組みの内側に、吊り金具を通す孔を備えた
縁布N1 〜N3 を設けて、一体に形成されたシートの上
側部分を吊り金具Rにより吊るしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の骨組みがチューブで構成された建物においては、骨
組みを構成するチューブを一本のチューブで門形に形成
するため、必要な仮設空間の大きさが変わった場合に同
じチューブを使用できない。また、一本のチューブで対
向する二本の柱とその間を繋ぐ梁とを構成することか
ら、チューブ内の圧力の制御が難しかった。
【0005】本発明は、このような不具合を解決するた
めのものであり、仮設される建物の大きさの変化に対応
できるとともに、チューブ内の圧力の制御が容易にでき
る骨組みがチューブで構成された建物と、その構築方法
とを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1は、内部の気体により加圧されたチューブ
からなる別体の梁および柱と、四本の短管を全てが直交
するように配置して一体化された、四本の前記梁用チュ
ーブを建物の頂点において連結する頂点部材と、各チュ
ーブおよび前記短管の端面に固定されてチューブ同士ま
たは梁用チューブと頂点部材とを接合する円盤状または
楕円盤状の接合板(円盤状の接合部材または楕円盤状の
接合部材)と、で骨組みが構成され、前記各チューブ
は、両端が閉じた筒体であって弾性材料からなり、それ
ぞれに気体導入口を備えるとともに、柱用チューブは四
角形の各頂点に配置され、梁用チューブは前記四角形の
対角線に沿って配置され、前記接合板は接合用のボルト
挿通孔が開けてあるフランジを有し、このフランジをボ
ルトで結合することで骨組みを構築し、前記骨組みにシ
ートをファスナーで取り付けて内外の間を前記シートに
より遮蔽したことを特徴とする骨組みがチューブで構成
された建物を提供する。
【0007】請求項2は、内部の気体により加圧された
チューブからなる別体の梁および柱と、四本の短管を全
てが直交するように配置して一体化された、四本の前記
梁用チューブを建物の頂点において連結する頂点部材
と、梁用チューブと柱用チューブを所定角度で接合する
接合部材と、で骨組みが構成され、前記各チューブは、
両端が閉じた筒体であって弾性材料からなり、それぞれ
に気体導入口を備えるとともに、柱用チューブは四角形
の各頂点に配置され、梁用チューブは前記四角形の対角
線に沿って配置され、前記接合部材と梁用チューブおよ
び柱用チューブとをファスナーにて接合し、前記頂点部
材と梁用チューブとをファスナーにて接合することで骨
組みを構築し、前記骨組みにシートをファスナーで取り
付けて内外の間を前記シートにより遮蔽したことを特徴
とする骨組みがチューブで構成された建物を提供する。
【0008】なお、上述の弾性材料とは、ゴムや軟質プ
ラスチック等の高弾性を示す物質のことをいう。
【0009】請求項1および2の建物においては、梁と
柱とが、内部の気体により加圧された別体のチューブか
らなるため、梁用チューブ内と柱用チューブ内とで圧力
を変えることができるとともに、各チューブ内の圧力を
容易に制御できる。これにより、梁および柱にそれぞれ
適切な剛性を与えることができる。
【0010】また、この建物においては、別体のチュー
ブで梁と柱とを構成し、これらを接合部材により接合す
ることで骨組みを形成するため、梁用および柱用の各チ
ューブをユニット化してこれらを繋ぎ合わせることによ
り、様々な大きさの建物を形成することができる。請求
1および2の建物は、両端が閉じた筒体であって弾性
材料からなり気体導入口を備えた別体の梁用チューブと
柱用チューブとを、所定の骨組みとなるように接合部材
で接合した後に、前記梁用チューブ内に気体を導入して
加圧することにより梁を形成し、この梁用チューブにフ
ァスナーでシートの上部の縁を取り付けた後に、前記柱
用チューブに気体を導入して加圧することにより、柱を
形成しながら前記梁を立ち上げて骨組みを形成し、この
柱用チューブにファスナーで前記シートの側部の縁を取
り付けて、前記シートにより骨組み間を遮蔽する方法で
構築することができる。 の方法においては、所定の骨
組みとなるように接合された梁用チューブと柱用チュー
ブとのうち、まず梁用チューブに気体を導入して梁を形
成し、この梁にシートの上部の縁を取り付けてから柱用
チューブに気体を導入することにより、柱用チューブ内
が加圧される力で梁が立ち上げられるため、柱の設置面
付近の作業のみでこの建物を構築することができる。す
なわち、組立て、解体に足場等を必要としないことか
ら、骨組みがチューブで構成された建物を短時間で容易
に施工することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明の第一実施例の建物を示す正面図であ
り、図2は図1の平面図であり、図3(a)〜(d)
は、この建物の骨組みを構成する各部材を示す正面図ま
たは斜視図であり、図4(a),(b)は、この実施例
における接合部材を示す正面図であり、図5は図1のA
−A線断面図であり、図6はこの実施例で使用されるシ
ートの例を示す正面図であり、図7(a)〜(c)は、
この実施例で使用されるシートの別の例を示す正面図で
ある。
【0012】この建物の骨組みは、図3(a)に示すよ
うな梁用チューブ1と、図3(b)に示すような柱用チ
ューブ2と、図3(c)に示すような四つの梁用チュー
ブ1を建物の頂点において連結する頂点部材3と、必要
に応じて使用される図3(d)に示すような延長用チュ
ーブ4とで構成され、この骨組みにシートSがファスナ
ーにより取り付けてある。
【0013】図3(a)に示すように、梁用チューブ1
は、円筒の一端が角度θ1 °で斜めに切断され、他端が
軸方向に直角に切断されて、これら両端が閉じてある形
に形成されている。この梁用チューブ1は、図5から分
かるように、内側のゴムチューブ11と外側の補強膜1
2とからなり、梁用チューブ1の直径方向両側に、補強
膜12の周面から軸方向に延びる布をファスナー取り付
け部12aとして備えている。
【0014】この各ファスナー取り付け部12aの縁部
全体に、ファスナーFの一方の歯が連設された歯部材F
1 が接合してある。また、ゴムチューブ11内に気体を
導入するための気体導入口Kが設けてある。この気体導
入口Kは、自転車や自動車のチューブ用の空気導入口と
同じものである。この梁用チューブ1の柱用チューブ2
と接合される側(θ1 側)の端部には、図4(a)に示
すような、楕円盤状の接合部材41が取り付けられてい
る。この接合部材41は、梁用チューブ1のθ1 側端面
形状に対応させた楕円形の凹部41aと、その周囲にあ
って、接合用のボルト挿通孔41bが開けてあるフラン
ジ41cとで構成され、梁用チューブ1の前記端面が凹
部41aに接着剤等で固定されている。
【0015】この梁用チューブ1の頂点部材3と接合さ
れる側(直角側)の端部には、図4(b)に示すよう
な、円盤状の接合部材51が取り付けられている。この
接合部材51は、梁用チューブ1の直角側端面形状に対
応させた円形の凹部51aと、その周囲にあって、接合
用のボルト挿通孔51bが開けてあるフランジ51cと
で構成され、梁用チューブ1の前記端面が凹部51aに
接着剤等で固定されている。
【0016】図3(b)に示すように、柱用チューブ2
は、円筒の一端が角度θ2 °で斜めに切断され、他端が
軸方向に直角に切断されて、これら両端が閉じてある形
に形成してあり、梁用チューブ1と同様に、図5に示す
ような二重構造になっており、同様にファスナーFの一
方の歯部材F1 を備えている。柱用チューブ2の梁用チ
ューブ1と接合される側の端部(θ2 側)には、図4
(a)に示す接合部材41と同様の楕円盤状の接合部材
42が、下端となる側の端部(直角側)には、図4
(b)に示す接合部材51と同様の円盤状のベース部材
52がそれぞれ取り付けられている。また、ベース部材
52より少し上部となる位置に気体導入口Kが設けてあ
る。
【0017】そして、図1および2から分かるように、
このような柱用チューブ2を正方形の頂点となる四箇所
に設置し、これらの上端からそれぞれ斜め上方に向けて
梁用チューブ1が設置され、各梁用チューブ1は前記正
方形の中心位置で頂点部材3により連結される。この頂
点部材3は、図3(c)に示すように、四本のゴム製の
短管3aをすべてが直交するように配置して、各一方の
端部を繋げて一体化し、各他方の端部を閉じた形状のも
のであり、梁用チューブ1および柱用チューブ2と同様
の二重構造をなし、梁用チューブ1の歯部材F1 に連続
する図示されない歯部材と空気導入口Kとを備えてい
る。そして、各短管3aの端部には、図4(b)に示す
接合部材51と同様の、円盤状の接合部材53がそれぞ
れ取り付けられている。
【0018】なお、この頂点部材3は、本発明における
梁用チューブの一部をなすものである。そして、延長用
チューブ4は、図3(d)から分かるように、両端が軸
方向に直角に切断されて閉じてある形に形成され、両端
に図4(b)の接合部材51と同様の接合部材54が固
定してあり、梁用チューブ1および柱用チューブ2と同
様の二重構造をなし、同様の歯部材を備えるとともに、
空気導入口Kも備えている。
【0019】一方、ここで用いるシートSは、図6に示
すように、柱用チューブ2に取り付けられて建物の壁面
となる矩形の壁部分S1 と、梁用チューブ1に取り付け
られて建物の屋根となる三角形の屋根部分S2 とからな
り、壁部分S1 の下部に、シートSの下部を設置面へ定
着するための孔S3 が開けてある。シートSの周囲に
は、前記骨組みに備えてある歯部材F1 と対になる歯部
材F2 が固定してある。そして、取り付け場所に応じ
て、図7(a)〜(c)に示すような、壁部分S1に扉
Tや丸窓M1 、角窓M2 を設けたものを用いる。
【0020】この建物の構築方法の手順を図8(a)〜
(e)に基づいて説明する。この図8において、(a)
は梁用チューブと柱用チューブとの接合工程を、(b)
は梁用チューブへの気体導入工程を、(c)はファスナ
ーによるシートの梁への取り付け工程を、(d)は柱用
チューブへの気体導入工程を、(e)はファスナーによ
るシートの柱への取り付け工程をそれぞれ示すものであ
る。
【0021】先ず、図8(a)に示すように、設置面6
上で梁用チューブ1、柱用チューブ2、および頂点部材
3を接合する。すなわち、図5から分かるように、梁用
チューブ1の端部の接合部材51と頂点部材3の端部の
接合部材53とを、各ボルト挿通孔51b同士を合わせ
てボルトBで結合することにより接合する。同様にし
て、梁用チューブ1と柱用チューブ2とを、各接合部材
41と42とで接合する。
【0022】そして、柱用チューブ2の各ベース部材5
2を所定位置に定着する。この定着方法は、例えば図9
に示すような方法で行う。すなわち、設置面がコンクリ
ートT1 である場合には、図9(a)に示すように、ベ
ース部材52の孔を利用してアンカーボルト6を打ち込
み、設置面が土面T2 である場合には、図9(b)に示
すように、ベース部材52の孔を利用してフック7を打
ち付ける。
【0023】次に、梁用チューブ1と頂点部材3とに各
気体導入口Kから空気を導入して加圧することにより、
図8(b)に示すように梁H1 を形成する。この状態
で、図8(c)に示すように、ファスナーFによりシー
トSの屋根部分S2 を梁H1 に取り付ける。すなわち、
図5に示すように、梁H1 の歯部材F1 とシートSの屋
根部分S2 の歯部材F2 とを、図示されないガイド具に
より連結する。
【0024】次に、柱用チューブ2に気体導入口Kから
空気を導入して加圧することで、図8(d)に示すよう
に、柱H2 を形成しながら梁H1 を立ち上げて骨組みを
形成する。この状態で、ファスナーによりシートSの壁
部分S1 を柱H2 に取り付ける。最後に、例えば図10
に示すようにして、シートSの下端を押さえれば建物が
完成する。
【0025】すなわち、設置面がコンクリートT1 であ
る場合には、図10(a)に示すようにシートSの下端
に重り61を載せ、設置面が土面T2 である場合には、
図10(b)に示すようにシートSの下端に孔を開けて
フック71を打ち付ける。なお、柱2の剛性をより大き
くする必要がある場合には、図1における右側の柱2の
ように、柱2に補強ワイヤー21を巻くとよい。
【0026】そして、柱H1 を高くしたいときには、図
11に示すように、柱用チューブ2の下部に延長用チュ
ーブ4を接合し、梁H2 を長くしたい場合には、図12
に示すように、梁用チューブ1と頂点部材3との間に延
長用チューブ4を接合すればよい。各チューブの接合
は、前述のとおりに、接合部材51〜54同士の結合に
より行い、図11の例では、延長用チューブ4の接合部
材54がベース部材となる。
【0027】また、図13に平面図で示すように、前述
の骨組みを二つ組み合わせて建物内の空間を大きくする
ことができる。図13におけるC部分の拡大図を、図1
4に示す。この場合には、隣合う柱用チューブ2a,2
b同士を接合するために、図15に示すような形状のシ
ートSxを使用する。図14の正面図を、図16に示
す。
【0028】このシートSxは、二つの骨組みの合わせ
位置の梁用チューブ1a,1b間に取り付けられる屋根
部分S4 と、隣合う柱用チューブ2a,2b間に取り付
けられる隙間部分S5 とからなり、その周囲に、梁用チ
ューブ1a,1bの歯部材F 1 に対応するファスナーの
歯部材F3 が設けてある。そして、図16に示すよう
に、このシートSxの屋根部分S4 を梁用チューブ1
a,1b間にファスナーにより取り付け、隙間部分S5
を柱用チューブ2a,2b間にファスナーにより取り付
ければよい。
【0029】加えて、図17に示すように、前述の骨組
みを四つ組み合わせて、シートSおよびシートSxを所
定位置に取り付ければさらに大きな空間を有する建物が
得られる。さらに、図18に平面図で且つ図19に正面
図で示すように、図1で示した建物を二つ(8A,8
B)、所定の距離だけ離して設置する場合には、骨組み
の上部同士を補強ケーブル9で繋いでおくとよい。
【0030】図20は本発明の第二実施例を示す正面図
であり、図21はこの建物の骨組みを構成する各部材を
示す正面図または斜視図である。この骨組みは、図21
(a)に示すような、第一実施例における延長用チュー
ブ4と同様の兼用チューブαと、図21(b)に示すよ
うな、第一実施例の頂点部材3と同じ形状の頂点部材β
と、図21(c)に示すような、兼用チューブα同士を
所定角度で接合する接合部材γとで構成される。
【0031】すなわち、この例では、兼用チューブαが
柱、梁、延長用の各チューブを兼ねているため、第一実
施例の場合に比べて構成部材の種類が少ない。また、第
一実施例と違って、骨組みの内側にシートSを取り付け
る構造となっている。そして、頂点部材βは、第一実施
例の頂点部材3と同じように、ゴムチューブと補強膜と
の二重構造をなし図示されない気体導入口を有している
ものであってもよいし、金属製のものでもよい。また、
接合部材γも、頂点部材βと同様に、弾性材料からなり
図示されない気体導入口を有しているものであってもよ
いし、金属製のものでもよい。
【0032】図22の平面図は、第二実施例の建物にお
いて、頂点部材βと接合部材γとを金属製のものとした
場合の例を示す。図23は図22のE−E線断面図であ
り、図24はファスナーによる骨組みとシートとの接合
状態を示す梁部分における断面図であり、図25は図2
3の部分拡大図であり、図26は図22における頂点部
材βを示す斜視図である。
【0033】ここでは、長さの違う兼用チューブα1
α2 を梁用チューブ,柱用チューブとしており、図25
から分かるように、これらの両端部の全周に各ファスナ
ーの歯部材g1 ,n1 ,n2 を備えている。また、ベー
ス部材εの上端、頂点部材βの四つの端部、および接合
部材γの両端部の全周に、各ファスナーの歯部材p,
q,m1 ,m2 を備えている。これらの対応する歯部材
同士をガイド具で連結することによりこの建物の骨組み
が形成される。
【0034】また、この例では、骨組みの内側にシート
Sを取り付ける構造となっている。すなわち、図24か
ら分かるように、梁用チューブα1 の下側となる側に、
軸方向に延びるファスナー取り付け布δを備え、そこに
ファスナーf1 の一方の歯部材が設けてある。また、各
シートSの屋根部分S1 の縁に、ファスナーf2 ,f 3
の各一方の歯部材が設けてある。
【0035】したがって、前記各一方の歯部材と対にな
る他方の歯部材を三方に有する接続部材fにより、梁用
チューブα1 とこれの下方に取り付けられる左右二枚の
シートSとが接合される。そして、柱用チューブα2
おいても同様であるため、接続部材fのファスナー
2 ,f3 により隣合うシートSが接合され、ファスナ
ーf1 により、この接続部材fが梁用チューブα1 と柱
用チューブα2 とに取り付けられる。これにより、骨組
みにシートSが取り付けられる。
【0036】このような建物は、別体のチューブで梁と
柱とを構成し、これらを接合部材により接合することで
骨組みを形成するため、ユニット化された各チューブを
繋ぎ合わせることにより、図27や図28に示すよう
に、様々な形状,大きさの建物を形成することができ
る。図27および28において、(a)は平面図であり
(b)は正面図である。図29〜31には、各建物の構
成部材が挙げてある。
【0037】図27の建物は、梁用チューブα1 および
柱用チューブα2 と、図29(a)のシートSと図29
(b)のシートSyと、図30(a)〜(f)に示した
各接合部材、頂点部材、およびベース部材とで構成され
る。なお、図30の各図は、(a)が頂点部材の斜視
図、(b)が建物の角部用の接合部材の斜視図、(c)
が両側にシートが取り付けられた柱の梁との接合用の接
合部材の斜視図、(d)が建物の壁側凹部用の接合部材
の斜視図、(e)が建物の屋根側凹部先端用の接合部材
の斜視図、(f)がベース部材の正面図に相当する。
【0038】図29(a)に示すシートSは、図6のシ
ートSと同様に、二本の梁用チューブ間に取り付けられ
る屋根部分と、隣合う柱用チューブ間に取り付けられる
壁部分とを備えたものであり、図29(b)に示すシー
トSyは、図15のシートSxと同様に、二つの骨組み
の合わせ位置の梁用チューブ間に取り付けられる(すな
わち、四本の梁用チューブ間に取り付けられる)屋根部
分と、隣合う柱用チューブ間に取り付けられる隙間部分
とを備えたものである。なお、図示されないが、各シー
トの周囲には、梁用チューブおよび柱用チューブの各フ
ァスナーの歯部材と連結される歯部材が取り付けてあ
る。
【0039】そして、この建物の骨組みは以下のように
して組み立てられる。すなわち、図30(f)に示すベ
ース部材<f>を柱用チューブα2 の下端に取り付け、
建物の角部については、柱用チューブα2 と梁用チュー
ブα1 を図30(b)に示す接合部材<b>で接合し、
建物の壁側凹部については、柱用チューブα2 と梁用チ
ューブα1 を図30(d)に示す三叉の接合部材<d>
で接合し、両側にシートが取り付けられる柱について
は、柱用チューブα2 と梁用チューブα1 を図30
(c)に示す二股の接合部材<c>で接合し、屋根の凸
部については、四本の梁用チューブα1 を図30(a)
に示す四つ又の頂点部材<a>で連結し、屋根の凹部に
ついては、四本の梁用チューブα1 を図30(e)に示
す四つ又の接合部材<e>で連結する。
【0040】このようにして組み立てられた骨組みに対
して、対応する位置にそれぞれ前記シートS,Syをフ
ァスナーにより取り付けた後、前述のようにして、図8
に示す手順で各チューブに気体を導入することにより、
図27に示す大空間の建物が構築される。図28の建物
は、梁用チューブα1 および柱用チューブα2 と、図2
9(a)のシートSと図29(c)のシートSyと、図
31(a)〜(c)に示した各接合部材とで構成され
る。なお、図31の各図は、(a)が頂点部材の斜視
図、(b)が接合部材の斜視図、(c)がベース部材の
正面図に相当する。
【0041】図29(a)に示すシートSは、図6のシ
ートSと同様に、二本の梁用チューブ間に取り付けられ
る屋根部分と、隣合う柱用チューブ間に取り付けられる
壁部分とを備えたものであり、図29(c)に示すシー
トSxは、図15のシートSxと同様に、二つの骨組み
の合わせ位置の梁用チューブ間に取り付けられる(すな
わち、四本の梁用チューブ間に取り付けられる)屋根部
分と、隣合う柱用チューブ間に取り付けられる隙間部分
とを備えたものである。なお、図示されないが、各シー
トの周囲には、梁用チューブおよび柱用チューブの各フ
ァスナーの歯部材と連結される歯部材が取り付けてあ
る。
【0042】そして、この建物の骨組みは以下のように
して組み立てられる。すなわち、図31(c)に示すベ
ース部材<f>を柱用チューブα2 の下端に取り付け、
柱用チューブα2 と梁用チューブα1 を図31(b)に
示す接合部材<b>で接合し、四本の梁用チューブα1
を図31(a)に示す四つ又の頂点部材<a>で連結す
る。
【0043】このようにして組み立てられた骨組みに対
して、対応する位置にそれぞれ前記シートS,Szをフ
ァスナーにより取り付けた後、前述のようにして、図8
に示す手順で各チューブに気体を導入することにより、
図28に示す大空間の建物が構築される。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1およ
び2の建物によれば、梁および柱にそれぞれ適切な剛性
を与えることができるとともに、梁用および柱用の各チ
ューブをユニット化してこれらを繋ぎ合わせることによ
り、様々な大きさの建物を形成することができる。
【0045】すなわち、必要に応じて建物の大きさを変
えることができるため、この骨組みがチューブで構成さ
れた建物は、仮設される建物として有用である。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1に示した建物の骨組みを構成する各部材を
示す図であり、(a)は梁用チューブの正面図、(b)
は柱用チューブの正面図、(c)は頂点部材の斜視図
(d)は延長用チューブの正面図に相当する。
【図4】この実施例における接合部材を示す正面図であ
り、(a)は楕円盤状の接合部材、(b)は円板状の接
合部材である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】この実施例におけるシートの例を示す正面図で
ある。
【図7】この実施例におけるシートの例を示す正面図で
あり、(a)は壁部分に扉を設けた例、(b)は丸窓を
設けた例、(c)は角窓を設けた例である。
【図8】本発明の構築方法を示す説明図であり、(a)
は梁用チューブと柱用チューブとの接合工程を、(b)
は梁用チューブへの気体導入工程を、(c)はファスナ
ーによるシートの梁への取り付け工程を、(d)は柱用
チューブへの気体導入工程を、(e)はファスナーによ
るシートの柱への取り付け工程をそれぞれ示す。
【図9】柱用チューブの定着方法の例を示す概要図であ
り、(a)はアンカーボルトによる方法を、(b)はフ
ックによる方法をそれぞれ示す。
【図10】シート下端の押さえ方法の例を示す概要図で
あり、(a)は重りによる方法を、(b)はフックによ
る方法をそれぞれ示す。
【図11】本発明の作用を説明するための概要図であ
る。
【図12】本発明の作用を説明するための概要図であ
る。
【図13】図1の骨組みが二つ連結された建物の一例を
示す平面図である。
【図14】図13のC部分の拡大図である。
【図15】図13の建物に使用するシートを示す平面図
である。
【図16】図14の正面図である。
【図17】図1の骨組みが四つ連結された建物の例を示
す平面図である。
【図18】図1の骨組みが二つ連結された建物の別の例
を示す平面図である。
【図19】図18の正面図である。
【図20】本発明の第二実施例の概要を示す正面図であ
る。
【図21】図20に示した建物の骨組みを構成する各部
材を示す図であり、(a)は柱、梁、延長用の各チュー
ブを兼ねた兼用チューブの正面図、(b)は頂点部材の
斜視図、(c)は接合部材の斜視図に相当する。
【図22】本発明の第二実施例を示す平面図である。
【図23】図22のE−E線断面図である。
【図24】第二実施例におけるファスナーによる骨組み
とシートとの接合状態を示す梁部分における断面図であ
る。
【図25】図22の部分拡大図である。
【図26】図22の建物の構成部材を示す斜視図であ
る。
【図27】第二実施例の建物に関し、骨組みの組み合わ
せにより形成された大空間建物の一例を示す(a)平面
図と(b)正面図である。
【図28】第二実施例の建物に関し、骨組みの組み合わ
せにより形成された大空間建物の一例を示す(a)平面
図と(b)正面図である。
【図29】図27および図28の各建物の構成部材(シ
ート)を示す正面図であり、(a)は二本の梁用チュー
ブ間に取り付けられる屋根部分と、隣合う柱用チューブ
間に取り付けられる壁部分とを備えたものであり、
(b)は図27に示す建物の構成部材であって、四本の
梁用チューブ間に取り付けられる屋根部分と、隣接する
柱用チューブ間に取り付けられる隙間部分とを備えたも
のであり、(c)は図28に示す建物の構成部材であっ
て、四本の梁用チューブ間に取り付けられる屋根部分
と、隣接する柱用チューブ間に取り付けられる隙間部分
とを備えたものである。
【図30】図27の建物を構成するシート以外の構成部
材を示す図であり、(a)は頂点部材の斜視図、(b)
は建物の角部用の接合部材の斜視図、(c)は両側にシ
ートが取り付けられた柱の梁との接合用の接合部材の斜
視図、(d)は建物の壁側凹部用の接合部材の斜視図、
(e)は建物の屋根側凹部先端用の接合部材の斜視図、
(f)はベース部材の正面図に相当する。
【図31】図28の建物を構成するシート以外の構成部
材を示す図であり、(a)は頂点部材の斜視図、(b)
は接合部材の斜視図、(c)はベース部材の正面図に相
当する。
【図32】従来の骨組みがチューブで構成された建物を
示す(a)正面図と(b)側面図と(c)平面図であ
る。
【符号の説明】
1 梁用チューブ 2 柱用チューブ 3 頂点部材(梁用チューブ) 4 延長チューブ(柱用チューブ,梁用チューブ) α1 梁用チューブ α2 柱用チューブ 41 接合部材 42 接合部材 51 接合部材 52 接合部材 53 接合部材 54 接合部材 <b> 接合部材 <c> 接合部材 <d> 接合部材 <e> 接合部材 S シート Sx シート Sy シート K 気体導入口 F ファスナー f1 ファスナー f2 ファスナー f3 ファスナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 宏之 茨城県那珂郡東海村舟石川821番100号 財団法人原子力施設デコミッショニング 研究協会内 審査官 伊波 猛 (56)参考文献 特開 平2−194283(JP,A) 実開 平4−137177(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 15/20 - 15/54 E04B 1/32 101 E04B 1/343

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部の気体により加圧されたチューブか
    らなる別体の梁および柱と、四本の短管を全てが直交す
    るように配置して一体化された、四本の前記梁用チュー
    ブを建物の頂点において連結する頂点部材と、各チュー
    ブおよび前記短管の端面に固定されてチューブ同士また
    は梁用チューブと頂点部材とを接合する円盤状または楕
    円盤状の接合板と、で骨組みが構成され、前記各チュー
    ブは、両端が閉じた筒体であって弾性材料からなり、そ
    れぞれに気体導入口を備えるとともに、柱用チューブは
    四角形の各頂点に配置され、梁用チューブは前記四角形
    の対角線に沿って配置され、前記接合板は接合用のボル
    ト挿通孔が開けてあるフランジを有し、このフランジを
    ボルトで結合することで骨組みを構築し、前記骨組みに
    シートをファスナーで取り付けて内外の間を前記シート
    により遮蔽したことを特徴とする骨組みがチューブで構
    成された建物。
  2. 【請求項2】 内部の気体により加圧されたチューブか
    らなる別体の梁および柱と、四本の短管を全てが直交す
    るように配置して一体化された、四本の前記梁用チュー
    ブを建物の頂点において連結する頂点部材と、梁用チュ
    ーブと柱用チューブを所定角度で接合する接合部材と、
    で骨組みが構成され、前記各チューブは、両端が閉じた
    筒体であって弾性材料からなり、それぞれに気体導入口
    を備えるとともに、柱用チューブは四角形の各頂点に配
    置され、梁用チューブは前記四角形の対角線に沿って配
    置され、前記接合部材と梁用チューブおよび柱用チュー
    ブとをファスナーにて接合し、前記頂点部材と梁用チュ
    ーブとをファスナーにて接合することで骨組みを構築
    し、前記骨組みにシートをファスナーで取り付けて内外
    の間を前記シートにより遮蔽したことを特徴とする骨組
    みがチューブで構成された建物。
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