JP3333439B2 - 光学式情報再生装置 - Google Patents

光学式情報再生装置

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JP3333439B2 JP31399897A JP31399897A JP3333439B2 JP 3333439 B2 JP3333439 B2 JP 3333439B2 JP 31399897 A JP31399897 A JP 31399897A JP 31399897 A JP31399897 A JP 31399897A JP 3333439 B2 JP3333439 B2 JP 3333439B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報の再
生を行う光学式情報再生装置に関し、特に、複数の光検
出器を有する光学式情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的な手法により情報を再生する装置
として、CD(コンパクト・ディスク)あるいはLD
(レーザ・ディスク)プレーヤが普及している。これら
CDあるいはLDプレーヤは、光源として半導体レーザ
を用いた光ピックアップを有している。この光ピックア
ップは、レーザからの出射光を各種レンズで集光して、
微少なレーザ光スポットを情報記録媒体である光ディス
ク、すなわちCDやLDに照射して情報を再生するもの
である。そして、光ディスクからの反射光は再び各種レ
ンズを経由して複数の光検出器へ照射される。これら光
検出器は、光を電気信号へ変換する素子であり、各種制
御信号や再生情報信号は、この光検出器出力を用いて生
成されている。
【0003】情報記録媒体である光ディスクには、情報
が情報ピットの形で記録されており、情報ピットの列
は、光ディスク上にスパイラル状または同心円状の情報
トラックを形成している。ところで、このような光ディ
スクにおいて、記録密度を高めようとすると必然的に情
報ピットが微小なものとなる。このため、再生信号の品
質が劣化し、情報の再生が困難になるという問題が生じ
る。この問題を解決するために、従来、再生情報信号の
品質向上について各種の手法が提案されているが、その
例として、特開平1−232540号公報に開示されて
いる光学式ディスクプレーヤの信号再生回路について、
同公報中の第1図を再掲した図11を用いて説明する。
【0004】この従来の光学式情報再生装置では、反射
光は、情報トラックに対して直交するように分割され、
複数個の光検出器がこの分割された反射光を受光する。
再生情報信号は、これら複数の光検出器の出力信号を加
算して生成される。そして、この加算の際、再生情報信
号の品質改善を目的に、複数の光検出器出力の信号間の
位相差が除去されるようになっている。
【0005】図11に示すように、この光学式ディスク
プレーヤの光検出器101は、レーザ光スポットの進行
方向に対して前側の光検出器である先行光検出器D3・
D4と、同じく後側の光検出器である後行光検出器D1
・D2とに分割されている。これら先行光検出器D3・
D4および後行光検出器D1・D2の出力信号は、それ
ぞれ加算器102・103によって加算される。そし
て、これらの加算結果(SD3+SD4)および(SD
1+SD2)の位相は、可変遅延回路104,90°移
相器105,位相比較器106およびローパスフィルタ
107によって等しくされる。その後、加算器108が
これら出力信号を加算して再生情報信号となる。説明の
便宜上、以下では、先行光検出器D3・D4の出力信号
の加算結果(SD3+SD4)を先行光検出器出力信号
(SD3+SD4)と記し、後行光検出器D1・D2の
出力信号の加算結果(SD1+SD2)を後行光検出器
出力信号(SD1+SD2)と記す。
【0006】以下に、この従来技術の動作原理について
説明する。まず、情報ピットにレーザ光スポットが照射
されたときに光検出器101上に現れる現象について、
図12(a)〜(g)を用いて説明する。図12(a)
に示すように、レーザ光スポット111が矢印の向きに
従って情報ピット112にさしかかった場合、レーザ光
は情報ピット112により回折される。このため、図1
2(b)に示すように、光検出器101上のレーザ光ス
ポットの反射強度分布には、強度の弱い部分113が生
じる。説明の便宜上、以下これを「影」と呼称する。ま
た、ピット深さ(又は高さ)はレーザ光の波長の1/4
より浅い(又は低い)場合の例を示すこととする。
【0007】レーザ光スポット111と情報ピット11
2とが図12(a)に示すように位置する場合、光検出
器101上には、図12(b)に示すような影113が
現れる。この影113は、レーザ光スポット111が矢
印の向きへ進むに従って、先行光検出器D3・D4側か
ら後行光検出器D1・D2側へ拡大する。そして、レー
ザ光スポット111が情報ピット112から遠ざかるに
従って、この影113は、先行光検出器D3・D4側か
ら縮小し始め、やがて消滅する。
【0008】また、この光検出器101は、入射する光
量に比例した電流を出力する。このため、光検出器10
1上に影113が拡大した場合、光検出器101からの
出力電流は減少する。逆に、光検出器101上の影11
3が縮小した場合、光検出器101からの出力電流は増
加する。
【0009】以上のことより、光検出器101の先行光
検出器出力信号(SD3+SD4)、後行光検出器出力
信号(SD1+SD2)を図示すると、それぞれ図12
(c)および図12(d)に示す波形となる。
【0010】通常、再生情報信号は、光検出器101の
出力信号SD1〜SD4を加算することにより生成す
る。ここで、単に4つの出力信号SD1〜SD4を加算
して再生情報信号を生成すると、図12(e)に示すよ
うに、緩やかなエッジを有する再生情報信号となる。
【0011】ところで、再生情報信号の信号品質の良し
悪しは、情報ピットを再生したときに得られる再生信号
振幅の大小,急峻なエッジの有無およびジッタの大小に
よって評価される。具体的に言えば、信号品質が良い波
形とは、再生信号振幅が大きく、急峻なエッジを有する
波形である。そして、再生信号振幅が大きいと急峻なエ
ッジを有する波形となり、急峻なエッジはジッタの低下
につながる。
【0012】逆に、信号品質が悪い波形とは、再生信号
振幅が小さく、緩やかなエッジを有する波形である。そ
して、再生信号振幅が小さいと緩やかなエッジを有する
波形となり、緩やかなエッジはジッタの増加につなが
る。
【0013】この観点からすると、光検出器101の出
力信号SD1〜SD4を単に加算して得られる、図12
(e)のような緩やかなエッジを有する再生情報信号
は、ジッタが増加しやすく、信号品質が良い波形とはい
えない。また、このような信号品質の低下の原因は、情
報ピット112の影113が、先行光検出器D3・D4
と後行光検出器D1・D2との上に出現し、拡大そして
消滅する際の時間差、すなわち、図12(c)に示した
先行光検出器出力信号(SD3+SD4)と、図12
(d)に示した後行光検出器出力信号(SD1+SD
2)との位相差にある。
【0014】そこで、図11に示した従来技術は、先行
光検出器出力信号(SD3+SD4)と後行光検出器出
力信号(SD1+SD2)とを同相とするために、両者
間の位相差を位相比較器106により検出し、この位相
差に応じて、先行光検出器出力信号(SD3+SD4)
を遅延させる可変遅延回路104の遅延量を制御してい
た。この遅延後の先行光検出器出力信号(SD3+SD
4)を図12(f)に示す。そして、この従来技術で
は、このように遅延された先行光検出器出力信号(SD
3+SD4)と図12(d)に示した後行光検出器出力
信号(SD1+SD2)とを加算することにより、図1
2(g)に示すような、より急峻なエッジを有する再生
情報信号の生成を行っていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、再生情
報信号の生成において、図11に示した従来技術では、
先行光検出器出力信号(SD3+SD4)と後行光検出
器出力信号(SD1+SD2)とを同位相になるように
制御することで、より急峻なエッジを有する再生情報信
号を得ていた。ところが、再生情報信号の品質向上のた
めのこの従来技術は、オントラック時には効果的であっ
たが、オフトラック時には効果が少なかった。この理由
について以下に説明する。ここで、オントラックとは、
情報トラックの中心線とレーザ光スポットの中心とが一
致している状態を示し、オフトラックとは、情報トラッ
クの中心線とレーザ光スポットの中心とが一致していな
い状態を示す。
【0016】上記従来技術において、オフトラック時に
再生情報信号の信号品質が低下する原因は、オフトラッ
クにより先行光検出器出力信号(SD3+SD4)と後
行光検出器出力信号(SD1+SD2)との信号品質が
低下することにあった。すなわち、再生情報信号を生成
するための2つの信号出力信号である先行光検出器出力
信号(SD3+SD4)と後行光検出器出力信号(SD
1+SD2)との信号品質が低下するため、再生情報信
号の信号品質低下が避けられなかった。
【0017】ここで、図13〜図18を用いて、オント
ラック時の後行光検出器出力信号(SD1+SD2)生
成と、オフトラック時の後行光検出器出力信号(SD1
+SD2)生成とを比較して、オフトラック時における
信号品質低下の理由について説明する。なお、図13〜
図18に示す波形は、同一の情報ピットを再生した場合
の波形である。以下では、これら波形を用いて、オント
ラック時とオフトラック時との信号振幅、エッジなど信
号品質を比較する。
【0018】まず、図13および図14を用いて、オン
トラック時、すなわち情報トラックの中心線115とレ
ーザ光スポットの中心114とが一致している場合の後
行検出器出力信号(SD1+SD2)の生成過程を説明
する。ここで、図13(a1)〜(a3)は、オントラ
ック状態で、レーザ光スポット111が矢印の向きに情
報ピット112上を通過している場合に、両者の位置関
係を時間経過(t=x1〜x3)に従って示した図であ
る。すなわち、図13(a1)は、t=x1でレーザ光
スポット111が情報ピット112にさしかかった状態
を示す説明図であり、図13(a2)は、t=x2でレ
ーザ光スポット111が情報ピット112上にある状態
の説明図であり、図13(a3)は、t=x3でレーザ
光スポット111が情報ピット112から離れかけてい
る状態の説明図である。
【0019】また、図13(b1)〜(b3)は、レー
ザ光スポット111と情報ピット112との位置関係が
図13(a1)〜(a3)に示す位置関係にあるとき、
光検出器101上にできる影を示す説明図である。さら
に、図14は、オントラック時、情報ピット112を再
生したときに得られる後行光検出器D1・D2からの出
力信号SD1・SD2を実線で、また、これらの出力信
号SD1・SD2の加算結果である後行光検出器出力信
号(SD1+SD2)を破線で示した説明図である。な
お、図14中のt=x1〜x3は、それぞれ図13(a
1)〜(a3)に示すレーザ光スポット111と情報ピ
ット112との位置関係を示す時間経過に対応してい
る。
【0020】図13(b1)〜(b3)に示すように、
オントラック時には、情報ピット112の再生時に、光
検出器D1・D2には同じ影が現れる。その結果、図1
4に示すように、光検出器D1の出力信号SD1と、光
検出器D2の出力信号SD2は同相となる。従って、図
14に破線で示す後行光検出器出力信号(SD1+SD
2)は、信号振幅hcが大きく、急峻なエッジを有する
信号となる。
【0021】次に、図15〜図18を用いて、オフトラ
ック時、すなわち情報トラックの中心線115とレーザ
光スポットの中心114がずれている時の後行検出器出
力信号(SD1+SD2)の生成過程を説明する。な
お、図15および図16に示すオフトラック状態は、レ
ーザ光スポットの中心114が情報トラックの中心線1
15より内側にずれている状態である。逆に、図17お
よび図18に示すオフトラック状態は、レーザ光スポッ
トの中心114が情報トラックの中心線115より外側
へずれている状態である。
【0022】図15(a1)〜(a3)は、内側へのオ
フトラック状態で、レーザ光スポット111が矢印の向
きに情報ピット112上を通過している場合に、両者の
位置関係を時間経過(t=x1〜x3)に従って示した
説明図である。先の図13と同様に、図15(a1)
は、t=x1でレーザ光スポット111が情報ピット1
12にさしかかった場合の説明図であり、図15(a
2)は、t=x2でレーザ光スポット111が情報ピッ
ト112上にある場合の説明図であり、図15(a3)
は、t=x3でレーザ光スポット111が情報ピット1
12から離れかけている場合の説明図である。
【0023】レーザ光スポット111と情報ピット11
2との位置関係が図15(a1)〜(a3)に示す位置
関係にあるとき、光検出器上にできる影をそれぞれ図1
5(b1)〜(b3)に示す。また、図16には、図1
4と同様に、オフトラック状態で情報ピット112を再
生したときに得られる光検出器D1・D2の出力信号S
D1・SD2を実線で、また、これら光検出器出力信号
SD1・SD2の加算結果である後行光検出器出力信号
(SD1十SD2)を破線で示している。
【0024】図15(b1)〜(b3)に示すように、
オフトラック時には、情報ピット再生時に光検出器D1
・D2に出現する影は非対称である。その結果、図16
に示すように、光検出器D1からの出力信号SD1と光
検出器D2からの出力信号SD2とは、振幅および位相
とも異なっている。具体的に言えば、光検出器D1の出
力信号SD1は、光検出器D2の出力信号SD2よりも
振幅の変化が小さく、立ち下がりエッジ(前エッジ)で
大きな位相遅れを伴っている。この結果、図16に破線
で示す後行光検出器出力信号(SD1+SD2)は、信
号振幅hiが小さく、緩やかなエッジを有する波形とな
る。
【0025】一方、図17(a1)〜(a3)は、外側
へのオフトラック状態で、レーザ光スポット111が矢
印の向きに情報ピット112上を通過している場合に、
両者の位置関係を時間経過(t=x1〜x3)に従って
示した説明図である。先の図13と同様、図17(a
1)は、t=x1でレーザ光スポット111が情報ピッ
ト112にさしかかった場合の説明図であり、図17
(a2)は、t=x2でレーザ光スポット111が情報
ピット112上にある場合の説明図であり、図17(a
3)は、t=x3でレーザ光スポット111が情報ピッ
ト112から離れ掛けている場合の説明図である。
【0026】レーザ光スポット111と情報ピット11
2との位置関係が図17(a1)〜(a3)に示す位置
関係にあるとき、光検出器上にできる影をそれぞれ図1
7(b1)〜(b3)に示す。また、図18には、図1
4と同様に、オフトラック状態で、情報ピット112を
再生したときに得られる光検出器D1・D2の出力信号
SD1・SD2を実線で、また、これら光検出器出力信
号SD1・SD2の加算結果である後行光検出器出力信
号(SD1+SD2)を破線で示している。
【0027】図17(b1)〜(b3)に示すように、
オフトラック時には、情報ピット再生時に光検出器D1
・D2に出現する影は、図15の場合と同様、非対称で
ある。その結果、図18に示すように、光検出器D1の
出力信号SD1と、光検出器D2の出力信号SD2と
は、振幅および位相とも異なっている。具体的に言え
ば、図16とは逆に、光検出器D2の出力信号SD2
が、光検出器D1の出力信号SD1よりも振幅の変化が
小さく、立ち下がりエッジ(前エッジ)で大きな位相遅
れを伴っている。この結果、図18に破線で示す後行光
検出器出力信号(SD1+SD2)は、信号振幅hoが
小さく、緩やかなエッジを有する波形となっている。
【0028】ここで、図14に示すオントラック状態で
の後行光検出器出力信号(SD1+SD2)と、図16
および図18に示すオフトラック状態での後行光検出器
出力信号(SD1+SD2)とを比較する。オントラッ
ク状態での信号振幅hcと、オフトラック状態での信号
振幅hiおよびhoとを比較すると、hc>hi,hc
>hoとなり、オフトラック状態では信号振幅が低下し
ていることがわかる。また、図14に示したオントラッ
ク状態の出力信号と、図16および図18に示したオフ
トラック状態の出力信号との信号エッジを比較すると、
オフトラック状態では、特にレーザ光スポット111が
情報ピット112にさしかかった立ち下がり側で信号エ
ッジが緩やかであることがわかる。
【0029】このように、オフトラック時の後行光検出
器出力信号(SD1+SD2)は、振幅の低下、信号エ
ッジの鈍化により、信号品質の低下した波形となる。こ
のような信号品質低下の原因は、既に図13〜図18を
用いて説明したように、オフトラック時における光検出
器D1の出力信号SD1と光検出器D2の出力信号SD
2との間に生じる振幅の相違および位相差である。特
に、これら出力信号SD1・SD2との位相差が後行光
検出器出力信号(SD1+SD2)の振幅に与える影響
は大きい。このことを、図19を用いて以下に示す。
【0030】図19(a1)は、図18に示した出力信
号SD1・SD2を模式的に表した波形図であり、図1
9(b1)は後行光検出器出力信号(SD1+SD2)
の波形図である。そして、図19(a2)(a3)は、
図19(a1)に示した出力SD1・SD2の位相関係
を、振幅を各々保ったまま変化させた場合の波形図であ
る。また、図19(a2)(a3)に示した位相関係に
おける後行光検出器出力(SD1+SD2)を、図19
(b2)(b3)に示す。
【0031】これらの図より、図19(a2)(b2)
に示した出力信号SD1・SD2の前後のエッジ間隔が
揃った場合に、後行光検出器出力信号(SD1+SD
2)の振幅は最大値を示し、信号品質は最良となる。し
かしながら、図11に示した従来技術では、後行光検出
器出力信号(SD1+SD2)の生成において、光検出
器D1の出力信号SD1と光検出器D2の出力信号SD
2との位相差を考慮しておらず、位相差によって生じる
再生情報信号の品質低下を回避できないという問題があ
った。このことは、先行光検出器D3・D4についても
同様である。
【0032】以上のように、上記従来技術では、オフト
ラック時に生じる先行光検出器出力信号および後行光検
出器出力信号の品質の低下に対応していないため、これ
らの出力信号から生成される再生情報信号の品質も同様
に低下してしまう。従って、光学的に情報の記録・再生
を行う装置の更なる高密度化・高信頼性を実現する上で
課題となっていた。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1に記載の光学式情報再生装置
は、情報記録媒体の情報トラックに照射された光ビーム
の反射光に基づいて情報を再生する光学式情報再生装置
において、情報トラックからの反射光をこの情報トラッ
クと平行に2分割して受光し、各反射光に応じた信号を
第1および第2の出力信号として出力する光検出手段
と、上記光検出手段から出力された第1の出力信号と第
2の出力信号との前エッジ間隔と後エッジ間隔とが等し
くなるように、これら第1および第2の出力信号を制御
する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、再生の際、情報記録
媒体に照射された光ビームの反射光は、情報記録媒体の
情報トラックと平行に2分割されて光検出手段に受光さ
れる。この分割受光は、オントラック状態の場合には各
反射光の量および位相が等しくなるように行われる。従
って、オフトラック状態であれば、各反射光は、互いに
異なる量および位相を有する。従って、光検出手段にお
ける各反射光に応じた出力信号である第1の出力信号と
第2の出力信号とは、互いに異なる振幅および位相を有
する信号となる。
【0035】そして、制御手段は、これら第1の出力信
号と第2の出力信号との前エッジ間隔と後エッジ間隔と
が等しくなるように、これらの出力信号を制御する。こ
こで、出力信号の前エッジおよび後エッジとは、以下の
ようなものである。すなわち、情報記録媒体の情報ピッ
トからの反射光は、情報ピット以外の部分からの反射光
よりも光量が少ない。従って、情報ピットからの反射光
を受光すると、第1および第2の出力信号量は減少す
る。前エッジとは、この出力信号が所定の量だけ減少し
たとき、すなわち、この出力信号の波形が立ち下がっ
て、その出力値が所定の値となった時間のことである。
また、後エッジとは、出力信号量の減少後、所定の量ま
で増加したとき、すなわち、出力信号波形が立ち上がっ
てその出力値が所定の値となった時間のことである。ま
た、前エッジ間隔とは、これら出力信号における第1の
出力信号の前エッジと第2の出力信号の前エッジとの時
間間隔のことであり、後エッジ間隔とは、同じく各出力
信号における後エッジの時間間隔のことである。
【0036】このように、本発明の光学式情報再生装置
では、第1の出力信号と第2の出力信号とにおける前エ
ッジ間隔と後エッジ間隔とを等しくすることができるの
で、これらの出力信号を加算して得られる信号を、大き
な信号振幅と急峻なエッジとを有するジッタの少ない信
号とすることができる。従って、この信号を再生情報信
号とすれば、オフトラック状態においても高品質な再生
情報信号を得ることができる。
【0037】また、本発明の請求項2に記載の光学式情
報再生装置は、請求項1の構成に加えて、上記制御手段
は、上記第1の出力信号を一定時間遅延させる固定遅延
手段と、上記第2の出力信号を遅延させる可変遅延手段
と、これら第1の出力信号と第2の出力信号との位相差
を検出する位相差検出手段と、上記位相差検出手段が検
出した位相差に基づいて、上記光検出手段から出力され
た第1の出力信号と第2の出力信号との前エッジ間隔と
後エッジ間隔とが等しくなるように、上記可変遅延手段
の遅延時間を制御する遅延制御手段とを備えていること
を特徴としている。
【0038】上記の構成によれば、光検出手段から出力
された第1および第2の出力信号は、それぞれ固定遅延
手段と可変遅延手段とによって遅延される。この固定遅
延手段は、第1の出力信号を一定時間遅延させるもので
ある。また、可変遅延手段は、第2の出力信号を遅延制
御手段によって決められる時間だけ遅延させるものであ
る。
【0039】この可変遅延手段の遅延時間を決定するた
めに、位相差検出手段は、第1および第2の出力信号の
位相差を検出し、遅延制御手段に伝達する。そして、遅
延制御手段は、この位相差に基づいて、上記第1の出力
信号と第2の出力信号とにおける前エッジ間隔と後エッ
ジ間隔とが等しくなるように、前記可変遅延手段の遅延
時間を決定し、可変遅延手段を制御してこの遅延時間だ
け第2の出力信号を遅延させる。
【0040】このように、上記の構成では、両遅延手段
による遅延によって、上記第1の出力信号と第2の出力
信号とにおける前エッジ間隔と後エッジ間隔とを等しく
することができる。従って、大きな信号振幅を有する、
急峻なエッジを有するジッタの少ない再生情報信号を得
ることができる。
【0041】また、本発明の請求項3に記載の光学式情
報再生装置は、請求項2の構成に加えて、上記位相差検
出手段は、上記固定遅延手段および可変遅延手段によっ
て遅延された後の第1の出力信号と第2の出力信号との
位相差を検出することを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、位相差検出手段によ
る第1および第2の出力信号の位相差の検出は、固定遅
延手段および可変遅延手段により遅延された後の出力信
号に対して行われる。これにより、遅延制御手段は、各
遅延手段の実際の遅延時間をフィードバックして、可変
遅延手段の遅延時間を制御することができる。従って、
遅延制御手段は、より正確に可変遅延手段の遅延時間を
決定することができ、再生情報信号の信号品質をさらに
高くすることが可能となる。
【0043】また、本発明の請求項4に記載の光学式情
報再生装置は、請求項2の構成に加えて、上記位相差検
出手段が検出した位相差に基づいて、トラッキング誤差
の大きさと方向とを取得し、トラッキング誤差信号を生
成するトラッキング誤差信号生成手段を備えていること
を特徴としている。
【0044】上記のように、光検出手段は、情報トラッ
クと平行に2分割して反射光を受光する。従って、位相
差検出手段の検出する第1および第2の出力信号の位相
差は、トラッキング誤差に応じたものとなる。上記の構
成によれば、トラッキング誤差信号生成手段は、この位
相差の大きさと方向とを抽出し、トラッキング誤差を取
得する。そして、このトラッキング誤差から、例えば位
相差検出法(DPD法)によるトラッキング誤差信号を
生成する。
【0045】これにより、上記の構成では、トラッキン
グ誤差検出のための新たな回路を必要としないので、回
路規模を大きくすることなくトラッキング誤差信号を生
成することができる。従って、光学式情報再生装置の小
型化およびコストダウンを図ることが可能となる。
【0046】また、請求項5に記載の光学式情報再生装
置は、請求項1の構成に加えて、上記光検出手段は、互
いに異なる回折方向を有する複数のホログラムを備えて
いることを特徴としている。
【0047】上記の構成によれば、光検出手段は、反射
光を分割して集光するために、互いに異なる回折方向を
有する複数のホログラムを用いる。従って、シリンドリ
カルレンズ等を用いるよりも小さい構成で反射光の分割
・集光を行うことができる。これにより、光学式情報再
生装置の小型・軽量化を図ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の第1の
実施の形態について以下に説明する。図2は、本実施の
形態にかかる光学式情報再生装置(以下、本光学式情報
再生装置とする)の有するピックアップ装置の構成を示
す説明図である。この図に示すように、このピックアッ
プ装置は、対物レンズ2,ハーフミラー3,コリメータ
レンズ4,凸レンズ5,シリンドリカルレンズ6,半導
体レーザ7および光検出部(光検出手段)8を備えてい
る。また、この図には、本光学式情報再生装置に用いら
れる情報記録媒体1も示されている。
【0049】この図に示すように、このピックアップ装
置におけるレーザ光の光源である半導体レーザ7から出
射された光は、コリメータレンズ4により平行光に変換
された後、ハーフミラー3を経て対物レンズ2により収
束され、情報記録媒体1における情報記録面11上に微
小なレーザ光スポットとして照射される。情報記録面1
1からの反射光は、対物レンズ2を経てハーフミラー3
により図面右側の方向に光路を曲げられる。この曲げら
れた反射光は、凸レンズ5およびシリンドリカルレンズ
6を通過することで2つの焦点をもつ光となり、光検出
部8に集光される。このピックアップ装置では、フォー
カスエラー信号の検出に非点収差法を用いているが、反
射光に2つの焦点を持たせることは、この非点収差法の
特徴である。
【0050】図3は、このピックアップ装置における光
検出部8とその周辺の構成を示す説明図である。この図
に示すように、光検出部8は田の字型に4分割されてお
り、分割された部分はそれぞれ光検出器8a〜8dとな
っている。これら光検出器8a〜8dは、入射光量に応
じた電流を電流信号として電流電圧変換回路13a〜1
3dに出力する。また、この光検出部8には、情報記録
面11からの反射光が、図中二点鎖線で示すように照射
される。電流電圧変換回路13a〜13dは、入力され
た電流信号を電圧信号Sa〜Sdに変換し、必要に応じ
て適度に増幅する。そして、出力端子14a〜14dか
ら後述する位相制御装置に出力する。
【0051】なお、説明の便宜上、以下では、これら電
流電圧変換回路13a〜13dにおける出力端子14a
〜14dから得られる電圧信号Sa〜Sdを、それぞれ
4つの光検出器8a〜8dからの出力信号として扱うこ
ととする。例えば、「光検出器8aの出力信号Sa」、
あるいは「光検出器出力信号Sa〜Sd」という表現を
使用する。
【0052】また、図3に「T」で示した矢印は、情報
記録媒体1上の情報トラックの長さ方向を表すと共に、
情報ピット再生時には、情報ピットに対してレーザ光ス
ポットの進行方向を表している。このため、以下では、
進行方向前側の光検出器8c・8dを先行光検出器と
し、進行方向後側の光検出器8a・8bを後行光検出器
とする。
【0053】図1は、本光学式情報再生装置における位
相制御装置(制御手段)の構成を示すブロック図であ
る。この図に示すように、この位相制御装置は、入力端
子15a・15b,固定遅延回路(固定遅延手段)2
1,可変遅延回路(可変遅延手段)22,加算器23お
よび遅延制御装置(位相差検出手段,遅延制御手段)2
4を備えている。
【0054】入力端子15a・15bは、図3に示した
出力端子14c・14dから先行光検出器出力信号Sc
・Sdを入力する、あるいは、同じく図3に示した出力
端子14a・14bから後行光検出器出力信号Sa・S
bを入力するための端子である。固定遅延回路21およ
び可変遅延回路22は、これら入力端子15a・15b
に入力された信号を遅延させるものである。これら遅延
回路21・22については後述する。
【0055】加算器23は、これら2つの遅延回路21
・22の出力信号S21・S22を加算して再生情報信
号とし、本光学式情報再生装置における図示しない再生
系に出力するものである。遅延制御装置24は、2つの
遅延回路21・22の出力信号S21・S22から、制
御信号VCを生成し、可変遅延回路22に出力してこの
可変遅延回路22を制御するものである。
【0056】以下に、この位相制御装置の各構成につい
て詳細に説明する。まず、2つの遅延回路21・22に
ついて説明する。固定遅延回路21は、入力された信号
を一定の遅延時間τ1だけ遅延させて出力する遅延回路
である。また、可変遅延回路22は、入力された信号を
遅延時間τ2だけ遅延させて出力する遅延回路である。
この遅延時間τ2は、後述する遅延制御装置24から出
力される制御信号VCによって制御される、可変の遅延
時間である。図4は、この可変遅延回路22の遅延時間
τ2と、制御信号VCとの関係、すなわち、電圧対遅延
特性を示すグラフである。この図に示すように、可変遅
延回路22は、制御信号VCにおける電圧の増加に伴っ
て、遅延時間τ2を増大させる特性を有するものであ
る。また、この遅延時間τ2は、制御信号VCの電圧が
特定値であるオフセット電位VCOのとき、固定遅延回
路21の遅延時間τ1と等しくなる。
【0057】次に、遅延制御装置24の構成について図
5を用いて説明する。図5は、遅延制御装置24の構成
を示すブロック図である。この図に示すように、遅延制
御装置24は、入力端子31a・31b,AC結合回路
32a・32b,増幅器33a・33b,低域通過フィ
ルタ(LPF)34a・34b,コンパレータ35a・
35b,D型FF(D-type Flip-Flop,遅延型フリップ
フロップ)36a〜36d,低域通過フィルタ(LP
F)37a〜37d,加算器38a・38b,減算器3
9,増幅器40,加算器41,電圧源42および出力端
子43を備えている。
【0058】入力端子31aは、固定遅延回路21から
の出力信号S21が入力される端子である。また、入力
端子31bは、可変遅延回路22からの出力信号S22
が入力される端子である。AC結合回路32a・32b
は、入力端子31a・31bに入力された信号S21・
S22のDC成分を除去し、増幅器33a・33bに出
力するものである。
【0059】増幅器33a・33bは、入力された信号
S21・S22を増幅して、低域通過フィルタ34a・
34bに出力するものである。低域通過フィルタ34a
・34bは、入力された信号S21・S22のノイズ成
分を除去し、コンパレータ35a・35bに出力するも
のである。コンパレータ35a・35bは、入力された
信号S21・S22をディジタル信号に変換するもので
ある。このアナログ−ディジタル変換は、アナログ信号
のAC成分における振幅の半値以下の値をとるときにロ
ーレベルに、また、半値より大きい値をとるときにハイ
レベルになるように行われる。従って、本光学式情報再
生装置では、各信号S21・S22の立ち下がりエッジ
(前エッジ)は、各信号S21・S22がローレベルに
なった時間である。また、立ち上がりエッジ(後エッ
ジ)は、各信号S21・S22がハイレベルになった時
間である。なお、信号S21・S22は、AC結合回路
32a・32bによってDC成分を除去されているの
で、上記のデジタル変換は、これら信号S21・S22
のゼロクロスを検出することでなされてもよい。
【0060】ここで、コンパレータ35a・35bから
出力される正論理のディジタル信号を、それぞれディジ
タル信号CPa・CPbとする。これらデジタル信号C
Pa・CPbは、D型FF36a〜D型FF36dに入
力される。D型FF36a〜36dは、これらのディジ
タル信号CPa・CPbの間の位相差、すなわち、入力
信号S21・S22の間の位相差を検出する。ここで、
D型FF36a〜36dによる位相差の検出は、信号の
立ち下がりおよび立ち上がりエッジの時間間隔を検出す
ることで行われる。すなわち、D型FF36aはCPb
の立ち下がりエッジからCPaの立ち下がりエッジまで
の時間間隔を抽出し、D型FF36bはCPbの立ち上
がりエッジからCPaの立ち上がりエッジまでの時間間
隔を抽出する。また、D型FF36cはCPaの立ち下
がりエッジからCPbの立ち下がりエッジまでの時間間
隔を抽出し、D型FF36dはCPaの立ち上がりエッ
ジからCPbの立ち上がりエッジまでの時間間隔を抽出
する。
【0061】各D型FF36a〜36dの抽出する時間
間隔を要約すれば以下の通りである。D型FF36
a:入力端子31bに入力された信号S22の立ち下が
り時間が、入力端子31aに入力された信号S21の立
ち下がり時間よりも早かった場合、これら信号S21・
S22間の立ち下がり時間間隔。 D型FF36b:信号S22の立ち上がり時間が、信
号S21の立ち上がり時間よりも早かった場合、これら
信号S21・S22間立ち上がり時間間隔。 D型FF36c:信号S21の立ち下がり時間が信号
S22の立ち下がり時間よりも早かった場合、これら信
号S21・S22間の立ち下がり時間間隔。 D型FF36d:信号S21の立ち上がり時間が信号
S22の立ち上がり時間よりも早かった場合、これら信
号S21・S22間の立ち上がり時間間隔。D型FF3
6a〜36dは、上記のように各時間間隔を抽出した
後、その結果を各々信号Qa〜Qdにパルスとして出力
する。
【0062】低域通過フィルタ37a〜37dは、D型
FF36a〜36dから出力されるパルス信号Qa〜Q
dをそれぞれ積分処理し、アナログ信号に変換して出力
する。加算器38aは、これら低域通過フィルタ37a
・37bのアナログ信号の出力を加算し、加算器38b
は、低域通過フィルタ37c・37dの出力を加算す
る。減算器39は、加算器38aの出力から加算器38
bの出力を減算し、増幅器40に出力する。増幅器40
は、減算器39の出力を振幅調整(電圧調整)し、加算
器41に出力する。この調整は、図4に示した電圧対遅
延特性をもつ可変遅延回路22から、所望の遅延量を得
るために行われる。加算器41は、増幅器40の出力
に、オフセット電位VCOを有する電圧源42の電位V
COを加算して、可変遅延回路22の制御信号VCとし
て、出力端子43より出力する。
【0063】上記の構成では、D型FF36a〜36d
は上述した〜のように信号Qa〜Qdを出力するの
で、加算器38aからの出力信号は、入力端子31bに
入力された信号S22の立ち上がり・立ち下がりが入力
端子31aに入力された信号S21より早かったときに
大きくなる。一方、加算器38bからの出力は、信号S
21の立ち上がり・立ち下がりが信号S22より早かっ
たときに大きくなる。従って、制御信号VCは、信号S
22の立ち上がり・立ち下がりが信号S21より早い場
合に、オフセット電位VCOより大きくなる一方、信号
S21の立ち上がり・立ち下がりが信号S22より早い
場合に、オフセット電位VCOより小さくなる。
【0064】また、これら信号S21・S22間の立ち
上がりおよび立ち下がりが同時の場合、すなわち、これ
らの位相が一致している場合、制御信号VCはオフセッ
ト電位VCOと等しくなる。さらに、これら信号S21
・S22間の立ち上がりエッジ間隔と立ち下がりエッジ
間隔とがほぼ等しい場合、制御信号VCはオフセット電
位VCOと等しくなる。
【0065】次に、図3に示した本光学式情報再生装置
の位相制御装置における位相制御について、図6を用い
て説明する。図6(a1)〜(a3)は、レーザ光スポ
ットと情報トラックの位置関係を示す説明図である。ま
た、図6(b1)〜(b3)は、レーザ光スポットと情
報トラックとの位置関係が図6(a1)〜(a3)の関
係にある場合における、信号Sa・Sbの波形を示す説
明図である。また、図6(c1)〜(c3)は、同じく
各位置関係における信号CPa,CPb,Qa,Qb,
QcおよびQdの波形を示す説明図である。また、図6
(d1)〜(d3)は、同じく各位置関係において出力
される制御信号VCを示す説明図である。さらに、図6
(e1)〜(e3)は、図6(d1)〜(d3)に示し
た制御信号VCによって位相関係を調整された、信号S
a・Sbの波形を示す説明図である。
【0066】以下に、内側にオフトラック状態となって
いる場合の、遅延制御装置24の遅延時間τ2の制御に
ついて説明する。この場合、図6(a1)に示すよう
に、レーザ光スポット111の中心114は、情報トラ
ックの中心線115上を通らず、図中中心線115より
下の破線116上を通過する状態となる。この状態で
は、後行光検出器8a・8bの出力信号Sa・Sbは、
図6(b1)に示すような波形となる。この状態で、信
号Sa・Sbから信号S21・S22が生成され、遅延
制御装置24に出力されると、各信号CPa,CPb,
Qa,Qb,Qcが、図6(c1)に示すように生成さ
れる。
【0067】図6(c1)に示すように、コンパレータ
35a・35bのディジタル信号CPa・CPbの立ち
下がりエッジ(前エッジ)は、CPb,CPaの順に立
ち下がる。このため、D型FF36aの出力信号Qa
に、これらの信号CPb・CPaの位相差が検出されて
いる。また、立ち上がりエッジ(後エッジ)も、CPb
・CPaの順に立ち上がるため、D型FF36bの出力
信号Qbにその位相差が検出されている。また、立ち下
がり・立ち上がりエッジがCPa,CPbの順に変化し
ないので、D型FF36c・dの出力信号Qc・Qdは
変化していない。また、これらD型FF36a・36b
の出力Qa・Qbは、低域通過フィルタ37a・37b
にそれぞれ入力される。そして、これら低域通過フィル
タ37a・37bの出力信号S37a・S37bは、図
6(c1)における信号Qa・Qb上に示したようにな
る。
【0068】図6(d1)に、{(S37a+S37
b)−(S37c+S37d)}×α+VCOにより生
成される制御信号VCを示す。ここで、αは、増幅器4
0による減算器39の出力の振幅調整のための補正因子
である。この調整は、減算器39の出力と可変遅延回路
22を制御するために必要な電位との差を補正するため
に行われる。図6(d1)に示すように、この状態で
は、制御信号VCはオフセット電位VCOよりも大きく
なっている。このため、制御信号VCによって制御され
る可変遅延回路22の遅延時間τ2は、固定遅延回路2
1の遅延時間τ1より大きくなる。従って、図6(b
1)に示したSbがより遅延される。この遅延により、
図6(e1)に示すように、可変遅延回路22の出力信
号S22と固定遅延回路21の出力信号S21とは、こ
れら両信号S21・S22間の立ち上がりエッジ間隔と
立ち下がりエッジ間隔とが等しくなる。
【0069】以上は、内側へのオフトラック状態となっ
ている場合における、遅延制御装置24の遅延時間τ2
の制御の説明であるが、外側へのオフトラック状態とな
っている場合における制御について簡単に説明する。
【0070】図6(a3)〜図6(e3)は、オントラ
ック時におけるレーザ光スポットと情報トラックの位置
関係,信号Sa・Sbの波形,信号CPa,CPb,Q
a〜Qdの波形,制御信号VCおよび調整された信号S
a・Sbの波形を示す説明図である。外側へのオフトラ
ック時には、コンパレータ35a・35bの出力信号C
Pa・CPbの立ち下がりエッジおよび立ち上がりエッ
ジの出現するタイミングは、内側へのオフトラック時と
異なる。このため、図6(c3)に示すように、D型F
F36c・36dの出力信号Qc・Qdに、信号S21
・S22間の位相差が検出される。このため、制御信号
VCは、図6(d3)に示すようにオフセット電位VC
O以下の電圧となる。従って、可変遅延回路22での遅
延時間τ2は、固定遅延回路21の遅延時間τ1より小
さくなる。これにより、可変遅延回路22の出力信号S
22と、固定遅延回路21の出力信号S21との位相
は、図6(e3)に示すように調整される。
【0071】また、図6(a2)〜図6(e2)は、オ
ントラック時におけるレーザ光スポットと情報トラック
の位置関係,信号Sa・Sbの波形,信号CPa,CP
b,Qa〜Qdの波形,制御信号VCおよび調整された
信号Sa・Sbの波形を示す説明図である。オントラッ
ク時には、図6(b2)に示すように、光検出器出力信
号Sa・Sbが同位相となる。このため、図6(c2)
に示すように、D型FF36a〜36dの出力信号Qa
〜Qdに位相差は検出されない。この結果、図6(d
2)に示すように、制御信号VCはオフセット電位VC
Oと等しくなる。従って、可変遅延回路22の遅延時間
τ2は、固定遅延回路21の遅延時間τ1と等しい時間
となる。このため、可変遅延回路22の出力信号S22
と、固定遅延回路21の出力信号S21との位相関係
は、この位相制御装置の制御によって変わることはな
い。
【0072】このように、本光学式情報再生装置を用い
ることにより、オフトラック状態での光検出器出力の位
相差を調整することができる。従って、後行光検出器8
a・8bからの出力信号Sa・Sbを加算した信号の振
幅をできるだけ大きくすることができる。これにより、
急峻なエッジを有し、ジッタの少ない再生情報信号の生
成が可能となる。従って、再生情報信号の品質が向上で
きるので、再生の信頼性を高くすることができると共
に、情報記録媒体を高密度化することが可能となる。
【0073】なお、本実施の形態では、図6において、
4分割された光検出部8における後行光検出器8a・8
b(図2参照)の出力信号Sa・Sbを用いた場合の位
相制御装置の位相制御について説明したが、もちろん先
行光検出器8c・8dの出力信号Sc・Sdを用いても
かまわない。この場合には、光検出器8cの出力信号S
cを固定遅延回路21への入力端子15aへ出力し、光
検出器8dの出力信号Sdを可変遅延回路22への入力
端子15bへ出力する構成となる。この構成でも、後行
光検出器8a・8bの出力信号Sa・Sbを用いた場合
と同様の効果を得ることができる。
【0074】さらに、光検出器8a・8cの出力信号S
a・Scの和を入力端子15aに出力し、光検出器8b
・8dの出力信号Sb・Sdの和を入力端子15bに出
力するようにしてもよい。また、本光学式情報再生装置
における再生情報信号としては、位相制御装置により位
相差(時間差)を調整した光検出器の出力信号であれ
ば、先行光検出器8a・8bの出力和、後行光検出器8
c・8dの出力和、あるいは、光検出器8a〜8dの出
力和のいずれを用いてもよい。
【0075】また、本実施の形態では、コンパレータ3
5a・35bによるアナログ−ディジタル変換は、アナ
ログ信号がその振幅の半値以上の値をとるときにハイレ
ベルに、また、半値未満の値をとるときにローレベルに
なるように行われるとしたが、これに限るものではな
い。ハイレベル信号に変換されるアナログ信号の下限の
値を、コンパレータ35a・35bそれぞれにあらかじ
め設定しておくようにしてもよい。
【0076】また、上記したαは、増幅器40による減
算器39の出力の振幅調整のための補正因子であるが、
この調整は、減算器39の出力と、図4に示した可変遅
延回路22における制御信号VC対遅延時間の特性との
差(図4に示したグラフの傾きの差)を補正するように
行ってもよい。
【0077】また、本光学式情報再生装置に用いるピッ
クアップ装置として、図2に、田の字型4分割光検出器
である光検出部8を備えたピックアップ装置を示した。
しかしながら、位相調整により再生情報信号の品質を向
上させるために、本光学式情報再生装置に適用されるピ
ックアップ装置としては、これに限るものではなく、図
7に示すピックアップ装置も適用することが可能であ
る。
【0078】図7は、ホログラムを用いたピックアップ
装置の構成と、このピックアップ装置における光の流れ
とを示す説明図である。図7に示すように、このピック
アップ装置は、光源である半導体レーザ7、ホログラム
ユニット9、コリメータレンズ4、対物レンズ2、およ
び光検出部(光検出手段)12を備えている。
【0079】ホログラムユニット9は、ガラスからな
り、表面にホログラム(回折格子)10が形成されてい
る。図8は、ホログラムユニット9におけるホログラム
10,光検出部12およびその周辺の構成とを示す説明
図である。ホログラム10は、ホログラム10a・10
b・10cの3つの領域に分割されている。これらホロ
グラム10a・10b・10cは、それぞれ異なる向き
の回折格子であるため、回折される光の向きも異なって
いる。光検出部12は、光検出器12a〜12dから構
成されている。これら光検出器12a〜12dは、それ
ぞれ入射光量に応じた電流を電流電圧変換回路16a〜
16dに出力する。電流電圧変換回路16a〜16d
は、入力された電流信号を電圧信号に変換し、必要に応
じて適度に増幅して、出力端子17a〜17dから出力
する。
【0080】このピックアップ装置では、図7に示すよ
うに、光源である半導体レーザ7から出射された光は、
ガラス面にホログラム10a〜10cが刻まれたホログ
ラムユニット9を通過した後、コリメータレンズ4によ
り平行光に変換される。そして、対物レンズ2により収
束され、情報記録媒体1の情報記録面11上に、微小な
レーザ光スポットとして照射される。そして、情報記録
面11からの反射光は、上記と逆の経路をたどってホロ
グラムユニット9に達するが、これを通過する際に、そ
の表面に刻まれたホログラム10によって回折され、半
導体レーザ7ではなく、光検出部12に入射する。
【0081】上記のように、ホログラム10は、異なる
向きの回折格子であるホログラム10a・10b・10
cに分割されている。このため、図8に示すように、ホ
ログラム10aによって回折された光は光検出器12a
に、ホログラム10bによって回折された光は光検出器
12bに、ホログラム10cによって回折された光は光
検出器12c・12dにそれぞれ入射する。光検出器1
2a〜12dは、入射光量に応じた電流信号を、それぞ
れ電流電圧変換回路16a〜16dに入力する。電流電
圧変換回路16a〜16dは、この電流信号を電圧信号
Sa’〜Sd’に変換し、出力端子17a〜17dを通
じて出力する。
【0082】なお、説明の便宜上、以下では、4つの出
力端子17a〜17dから得られる電圧信号Sa’〜S
d’を、それぞれ4つの光検出器12a〜12dからの
出力信号として扱うこととする。例えば、「光検出器1
2aの出力信号Sa’」、あるいは「光検出器出力信号
Sa’〜Sd’」という表現を使用する。また、図8中
に「T」で示した矢印は、情報記録媒体1上の情報トラ
ックの長さ方向を表すとともに、情報ピット再生時に
は、情報ピットに対してレーザ光スポットの進行方向を
表す。また、進行方向後側のホログラム10a・10b
からの回折光が入射する光検出器12a・12bを、後
行光検出器12a・12bとする。
【0083】この図7に示すピックアップ装置において
も、図11を用いて従来技術として示した4分割光検出
器の使用時と同様に、オフトラックが生じる。このた
め、光検出器12aの出力信号Sa’と光検出器12b
の出力信号Sb’との間に位相差が発生し、これらの加
算結果(Sa’+Sb’)の信号品質の低下が生じる。
これを解決するために、光検出器12aの出力信号S
a’と光検出器12bの出力信号Sb’との間の位相差
の調整する必要があるが、この調整は、図1に示した位
相制御装置によって行うことができる。すなわち、光検
出器出力信号Sa’・Sb’をそれぞれ図1における入
力端子15a・15bに入力することにより、光検出器
出力信号Sa’・Sb’間の位相差を調整し、情報再生
信号の信号品質を向上させることができる。
【0084】以上のように、図7に示したピックアップ
装置は、ホログラムユニット9を使用する構成である。
これにより、ピックアップ装置自体の小型化、あるいは
このピックアップ装置を有する光学式情報再生装置の小
型・軽量化を図ることができるピックアップ装置となっ
ている。
【0085】なお、上記では、情報ピットに照射された
レーザ光スポットの進行方向後側の反射光がホログラム
10a・10bに入射し、その回折光が導かれる後行光
検出器12a・12bの出力信号Sa’・Sb’間の位
相差を制御するようにしている。しかし、ホログラム1
0による反射光の分割が変更された場合、例えば、図8
に示すホログラム10が180度回転して配置された場
合には、これに限らない。すなわち、この場合には、レ
ーザ光スポットの進行方向前側の反射光がホログラム1
0a・10bに入射するようにする。そして、これらホ
ログラム10a・10bからの回折光が導かれる光検出
器12a・12bの出力信号間の位相差を、図1に示し
た位相制御装置により調整するようにすることができ
る。
【0086】また、図8に示すホログラム10では、ホ
ログラム10cの面積が、ホログラム10a・10bよ
り大きくなっているが、これらホログラム10a〜10
cの面積比はこれに限るものではない。これらホログラ
ム10a〜10cの面積やその比は、例えば、ホログラ
ム10cの面積を縮小する等、必要に応じて適宜変えて
もよい。また、上記では、光検出部12の分割数を4つ
としているが、これに限らず、必要に応じて分割数を変
動してもよい。
【0087】〔実施の形態2〕本発明の第2の実施の形
態について以下に説明する。なお、上記実施の形態1と
同様の機能を有する部材には同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0088】図5に示した遅延制御装置24は、光検出
器出力信号Sa・Sb間の位相差(時間差)を求めるも
のである。そして、その出力信号である制御信号VCあ
るいは中間生成信号は、この位相差の大きさと方向とを
表したものである。また、この位相差の大きさと方向と
は、オフトラックの大きさと方向とを表したものである
から、トラッキング誤差と同様のものである。そこで、
本実施の形態にかかる光学式情報再生装置(以下、本光
学式情報再生装置とする)は、この遅延制御装置24に
よって、いわゆる位相差検出法(DPD法)によるトラ
ッキング誤差信号を生成するようにしたものである。す
なわち、本光学式情報再生装置における遅延制御装置2
4は、位相差検出手段および遅延制御手段の機能に加え
て、トラッキング誤差信号生成手段としての機能を有し
ている。
【0089】本光学式情報再生装置は、図7に示した、
ホログラム10を備えたピックアップ装置を使用してい
る。従って、このピックアップ装置におけるホログラム
10および光検出部12は、図8に示した構成と同様で
ある。
【0090】図9は、本光学式情報再生装置における位
相制御装置の構成を示すブロック図である。この図に示
すように、この位相制御装置は、図1に示した位相制御
装置および図5に示した遅延制御装置24の構成におい
て、遅延制御装置24への入力を、固定遅延回路21及
び可変遅延回路22の前段の信号とし、減算器39から
の出力をトラッキング誤差信号として用いる構成であ
る。また、可変遅延回路22は、図4に示した電圧対遅
延特性を有する。
【0091】すなわち、図9に示す位相制御装置では、
入力端子18a・18bには、図8に示した光検出器1
2a・12bからの出力信号Sa’・Sb’が入力され
る。そして、これら光検出器出力信号Sa’・Sb’か
ら、遅延制御装置24が制御信号VCを生成し、可変遅
延回路22に出力する。そして、この制御信号VCが生
成される過程において、減算器39の出力信号S39が
トラッキング誤差信号として抽出され、図示しないトラ
ッキングサーボ機構へ供給されるようになっている。な
お、この図9では、D型FF36a〜D型FF36dの
記載を省略しているが、これらは、コンパレータ35a
・35bと低域通過フィルタ37a〜37dとに、図5
に示した遅延制御装置24と同様に接続されている。
【0092】図10(a)は、オフトラック量と減算器
39が出力するトラッキング誤差信号(S39)との関
係を示すグラフである。また、図10(b)は、オフト
ラック量と遅延制御装置24から出力される制御信号V
Cとの関係を示すグラフである。図9に示した位相制御
装置の構成において、減算器39の出力するトラッキン
グ誤差信号(S39)を用いて可変遅延回路22の正確
な制御を行うためには、図10(a)に示したオフトラ
ック量対トラッキング誤差信号の特性を、図10(b)
に示したオフトラック量対制御信号VCの特性に変換す
る必要がある。そして、この変換は、実施の形態1に示
したように、遅延制御装置24における増幅器40,加
算器41及びオフセット電位VCOを発生する電圧源4
2によって容易に達成される。
【0093】例えば、オントラック状態、すなわち、入
力端子18a・18bに入力される出力信号Sa’・S
b’の立ち上がり・立ち下がりのタイミングの差がない
場合には、減算器39の出力信号S39、すなわち、ト
ラッキング誤差信号は0となる。そして、この場合に
は、実施の形態1に示したように、増幅器40,加算器
41および電圧源42によって上記出力信号S39が調
整され、可変遅延回路22に出力される制御信号VC
は、オフセット電位VCOとなる。
【0094】また、オフトラックによって、入力端子1
8b側に入力される出力信号Sb’の立ち上がり・立ち
下がりのタイミングが、入力端子18aに入力される出
力信号Sa’より早くなった場合、減算器39の出力信
号S39、すなわち、トラッキング誤差信号はプラスと
なる。この場合には、実施の形態1に示したように、増
幅器40,加算器41および電圧源42によって上記出
力信号S39が調整され、可変遅延回路22に出力され
る制御信号VCは、オフセット電位VCOより高く設定
される。
【0095】以上のように、本光学式情報再生装置で
は、遅延制御装置24によって制御信号VCを生成する
際の中間生成信号である減算器39からの出力信号S3
9を、位相差検出法によるトラッキング誤差信号として
用いる構成である。
【0096】これにより、特にオフトラック時に、情報
トラックと平行な分割線で分割された反射光を受光する
光検出器12a・12b間に生じる位相差(時間差)に
よる、再生情報信号の品質劣化を防止することができ
る。従って、再生情報信号の信号品質が向上し、高密度
化・高信頼性を実現することができる。さらに、トラッ
キング誤差信号の生成のために別構成の回路を必要とし
ないので、回路規模を大きくすることなくトラッキング
を修正することができる。従って、装置の小型化および
コストダウンを図ることが可能となっている。
【0097】なお、本実施の形態では、本光学式情報再
生装置にホログラム10を用いたピックアップ装置を用
いるようにしているが、本発明はこれに限るものではな
く、図2に示す田の字型の光検出器である光検出部8を
用いた構成であってもよい。具体的には、光検出部8の
後行光検出器8a・8bの出力信号Sa・Sbを、それ
ぞれ図9における入力端子18a・18bへ入力する、
あるいは、先行光検出器8c・8dの出力信号Sc・S
dをそれぞれ図9の入力端子18a・18bへ入力する
ように構成すればよい。
【0098】なお、本実施の形態では、位相差検出法に
よるトラッキング方法については、例えば特開昭57−
181433号公報第6頁〜第13頁にあるように公知
の技術であるので、その詳細な説明を省略している。
【0099】また、上記実施の形態1および2では、情
報ピットに照射されたレーザ光スポットの進行方向後側
の反射光がホログラム10a・10bに入射し、その回
折光が導かれる後行光検出器12a・12bの出力信号
Sa’・Sb’間の位相差を制御するようにしている。
しかし、ホログラム10による反射光の分割が変更され
た場合、例えば、図8に示すホログラム10が180度
回転して配置された場合には、これに限らない。すなわ
ち、この場合には、レーザ光スポットの進行方向前側の
反射光がホログラム10a・10bに入射するようにす
る。そして、これらホログラム10a・10bからの回
折光が導かれる後行光検出器12a・12bの出力信号
間の位相差を、図1に示した位相制御装置により調整す
るようにすることができる。
【0100】また、図8に示すホログラム10では、ホ
ログラム10cの面積が、ホログラム10a・10bよ
り大きくなっているが、これらホログラム10a〜10
cの面積比はこれに限るものではない。これらホログラ
ム10a〜10cの面積やその比は、例えば、ホログラ
ム10cの面積を縮小する等、必要に応じて適宜変えて
もよい。
【0101】なお、本発明の光学式情報再生装置は、情
報記録媒体の情報トラックに照射された光ビームの反射
光を光検出器で受光し、この光検出器からの出力信号に
基づいて情報を再生する光学式情報再生装置において、
情報トラックからの反射光の、情報トラックに平行な方
向に2分割された成分を各々受光する、各々少なくとも
1つの光検出器を備える第1および第2光検出器群と、
上記情報トラックからの反射光を上記第1および第2の
光検出器群へ集光する集光手段と、上記第1光検出器群
の出力信号を一定時間遅延させる固定遅延手段と、上記
第2光検出器群の出力信号を遅延させる可変遅延手段
と、これら第1光検出器群と第2光検出器群との出力信
号の位相差を検出する検出手段と、上記位相差検出手段
が検出した位相差に基づいて、上記第1および第2光検
出器群の出力信号における前エッジ間隔と後エッジ間隔
とが等しくなるように、前記可変遅延手段の遅延時間を
制御する遅延制御手段とを備えている構成としてもよ
い。また、本発明の光学式情報再生装置は、情報トラッ
クに照射させた光のうち、当該情報トラックの長さ方向
に平行な分割線で分割された光を受光し、少なくとも各
々1つ以上の光検出器からなる第1および第2の光検出
器群と、上記第1光検出器群の出力を一定時間遅延させ
る固定遅延手段と、上記第2光検出器群の出力を制御信
号に基づき所定時間遅延させる可変遅延手段と、上記固
定遅延手段の出力信号と上記可変遅延手段の出力信号と
の間の位相を検出して上記可変遅延手段を制御する制御
信号を出力する遅延制御手段とを備え、前記遅延制御手
段は、前記固定遅延手段の出力信号と前記可変遅延手段
の出力信号との前エッジ間隔と後エッジ間隔とが等しく
なるように、前記可変遅延手段を制御する構成でもよ
い。
【0102】これらの構成も、上記実施の形態1および
2に示した光学式情報再生装置と同様の作用で、同様の
効果を奏するものである。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の光学式情報再生装置は、情報トラックからの反射光を
この情報トラックと平行に2分割して受光し、各反射光
に応じた信号を第1および第2の出力信号として出力す
る光検出手段と、上記光検出手段から出力された第1の
出力信号と第2の出力信号との前エッジ間隔と後エッジ
間隔とが等しくなるように、これら第1および第2の出
力信号を制御する制御手段とを備えている構成である。
【0104】これにより、第1の出力信号と第2の出力
信号とにおける前エッジ間隔と後エッジ間隔とを等しく
することができるので、これらの出力信号を加算して得
られる信号を、大きな信号振幅と急峻なエッジとを有す
るジッタの少ない信号とすることができる。従って、こ
の信号を再生情報信号とすれば、オフトラック状態にお
いても高品質な再生情報信号を得ることができるという
効果を奏する。
【0105】また、本発明の請求項2に記載の光学式情
報再生装置は、請求項1の構成に加えて、上記制御手段
は、上記第1の出力信号を一定時間遅延させる固定遅延
手段と、上記第2の出力信号を遅延させる可変遅延手段
と、これら第1の出力信号と第2の出力信号との位相差
を検出する位相差検出手段と、上記位相差検出手段が検
出した位相差に基づいて、上記光検出手段から出力され
た第1の出力信号と第2の出力信号との前エッジ間隔と
後エッジ間隔とが等しくなるように、上記可変遅延手段
の遅延時間を制御する遅延制御手段とを備えている構成
である。
【0106】これにより、両遅延手段による遅延によっ
て、上記第1の出力信号と第2の出力信号とにおける前
エッジ間隔と後エッジ間隔とを等しくすることができ
る。従って、大きな信号振幅を有する、急峻なエッジを
有するジッタの少ない再生情報信号を得ることができる
という効果を奏する。
【0107】また、本発明の請求項3に記載の光学式情
報再生装置は、請求項2の構成に加えて、上記位相差検
出手段は、上記固定遅延手段および可変遅延手段によっ
て遅延された後の第1の出力信号と第2の出力信号との
位相差を検出する構成である。
【0108】これにより、遅延制御手段は、各遅延手段
の実際の遅延時間をフィードバックして、可変遅延手段
の遅延時間を制御することができる。従って、より正確
に可変遅延手段の遅延時間を決定することができるの
で、請求項2の効果に加えて、再生情報信号の信号品質
をさらに高くすることが可能となるという効果を奏す
る。
【0109】また、本発明の請求項4に記載の光学式情
報再生装置は、請求項2の構成に加えて、上記位相差検
出手段が検出した位相差に基づいて、トラッキング誤差
の大きさと方向とを取得し、トラッキング誤差信号を生
成するトラッキング誤差信号生成手段を備えている構成
である。
【0110】これにより、トラッキング誤差検出のため
の新たな回路を必要としないので、回路規模を大きくす
ることなくトラッキング誤差信号を生成することができ
る。従って、請求項2に記載の効果に加えて、光学式情
報再生装置の小型化およびコストダウンを図ることが可
能となる。
【0111】また、請求項5に記載の光学式情報再生装
置は、請求項1の構成に加えて、上記光検出手段は、互
いに異なる回折方向を有する複数のホログラムを備えて
いる構成である。
【0112】これにより、シリンドリカルレンズ等を用
いるよりも小さい構成で反射光の分割・集光を行うこと
ができる。従って、請求項1の効果に加えて、光学式情
報再生装置の小型・軽量化を図ることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる光学式情報再生装置の有
する位相制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる光学式情報再生装置の有
するピックアップ装置の構成を示す説明図である。
【図3】図2に示したピックアップ装置における光検出
部とその周辺の構成を示す説明図である。
【図4】図1に示した位相制御装置における可変遅延回
路の電圧対遅延特性を示すグラフである。
【図5】図1に示した位相制御装置における遅延制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図6】レーザ光スポットと情報トラックとの位置関係
と、光検出器の出力信号の波形と、遅延制御装置の中間
生成信号の波形と、制御信号およびオフセット電位と、
位相関係を調整された、光検出器の出力信号の波形とを
示す説明図である。
【図7】実施の形態1および2にかかる光学式情報再生
装置の有する、ホログラムを用いたピックアップ装置の
構成を示す説明図である。
【図8】図7に示したピックアップ装置における、ホロ
グラムユニット,光検出器およびその周辺の構成を示す
説明図である。
【図9】実施の形態2にかかる光学式情報再生装置の有
する位相制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10(a)は、実施の形態2にかかる光学
式情報再生装置における、オフトラック量と遅延制御装
置が出力するトラッキング誤差信号との関係を示すグラ
フであり、図10(b)は、このオフトラック量と遅延
制御装置から出力される制御信号VCとの関係を示すグ
ラフである。
【図11】従来の光学式情報再生装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図12】従来の光学式情報再生装置の動作を示す説明
図である。
【図13】従来の光学式情報再生装置のオントラック状
態での光検出器を示す説明図である。
【図14】従来の光学式情報再生装置のオントラック状
態での出力信号を示す説明図である。
【図15】従来の光学式情報再生装置において、内側に
オフトラックとなった状態における光検出器を示す説明
図である。
【図16】従来の光学式情報再生装置において、内側に
オフトラックとなった状態における出力信号を示す説明
図である。
【図17】従来の光学式情報再生装置において、外側に
オフトラックとなった状態における光検出器を示す説明
図である。
【図18】従来の光学式情報再生装置において、外側に
オフトラックとなった状態における出力信号を示す説明
図である。
【図19】従来の光学式情報再生装置のオントラック状
態およびオフトラック状態における出力信号を示す説明
図である。
【符号の説明】
5 凸レンズ 6 シリンドリカルレンズ 7 半導体レーザ 8 光検出部(光検出手段) 8a・8b 後行光検出器 8c・8d 先行光検出器 9 ホログラムユニット 10a〜10c ホログラム 12 光検出部(光検出手段) 12a・12b 後行光検出器 12c・12d 先行光検出器 21 固定遅延回路(固定遅延手段) 22 可変遅延回路(可変遅延手段) 23 加算器 24 遅延制御装置(位相差検出手段,遅
延制御手段,トラッキング誤差信号生成手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−147724(JP,A) 特開 昭62−165737(JP,A) 特開 平11−16177(JP,A) 特開 平10−241172(JP,A) 特開 平4−258814(JP,A) 特開 昭63−25832(JP,A) 特開 平8−129758(JP,A) 特開 平10−112042(JP,A) 特開 平10−269592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 - 7/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報記録媒体の情報トラックに照射された
    光ビームの反射光に基づいて情報を再生する光学式情報
    再生装置において、 情報トラックからの反射光をこの情報トラックと平行に
    2分割して受光し、各反射光に応じた信号を第1および
    第2の出力信号として出力する光検出手段と、 上記光検出手段から出力された第1の出力信号と第2の
    出力信号との前エッジ間隔と後エッジ間隔とが等しくな
    るように、これら第1および第2の出力信号を制御する
    制御手段とを備えていることを特徴とする光学式情報再
    生装置。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、上記第1の出力信号を一
    定時間遅延させる固定遅延手段と、 上記第2の出力信号を遅延させる可変遅延手段と、 これら第1の出力信号と第2の出力信号との位相差を検
    出する位相差検出手段と、 上記位相差検出手段が検出した位相差に基づいて、上記
    光検出手段から出力された第1の出力信号と第2の出力
    信号との前エッジ間隔と後エッジ間隔とが等しくなるよ
    うに、上記可変遅延手段の遅延時間を制御する遅延制御
    手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の
    光学式情報再生装置。
  3. 【請求項3】上記位相差検出手段は、上記固定遅延手段
    および可変遅延手段によって遅延された後の第1の出力
    信号と第2の出力信号との位相差を検出することを特徴
    とする請求項2に記載の光学式情報再生装置。
  4. 【請求項4】上記位相差検出手段が検出した位相差に基
    づいて、トラッキング誤差の大きさと方向とを取得し、
    トラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号
    生成手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載
    の光学式情報再生装置。
  5. 【請求項5】上記光検出手段は、互いに異なる回折方向
    を有する複数のホログラムを備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学式情報再生装置。
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