JP3333319B2 - 2次元3次元統合型cadシステム - Google Patents

2次元3次元統合型cadシステム

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JP3333319B2
JP3333319B2 JP12277194A JP12277194A JP3333319B2 JP 3333319 B2 JP3333319 B2 JP 3333319B2 JP 12277194 A JP12277194 A JP 12277194A JP 12277194 A JP12277194 A JP 12277194A JP 3333319 B2 JP3333319 B2 JP 3333319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンピュータを用い
て機械設計を支援するCADシステム、特にユーザが作
図した2次元作図図形と、3次元の立体を投影すること
によって得た2次元投影図形とを統一的に処理する2次
元3次元統合型CADシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械の設計においては、設計者の構想の
整理や検討、他人への設計意図の伝達のために、設計対
象物である立体の形状や属性を含む製品データを三面図
や断面図などの複数の2次元図形を1つの図面として作
成編集する。このような複数の図面を作成する場合、3
次元の立体を投影することにより複数の図面を自動的に
作成することが可能となり、図面作成作業を効率的に行
える。また、2次元投影図形とその投影元の3次元の立
体との対応をとることにより、1つの投影図の修正によ
って3次元の立体の修正を行い、その3次元の修正を複
数の投影図に反映させることで、1つの投影図の修正で
他の投影図の修正を自動的に行うことが考えられてい
る。
【0003】図47は、例えば特開平4−111067
号公報に示された、従来のそのような2次元3次元統合
型CADシステムのシステム構成を示すブロック図であ
る。図において、1はコマンドやパラメータによって図
形が入力される図形入力装置、2は入力されたコマンド
やパラメータの解釈を行うコマンド処理機構、3、4は
コマンド処理機構2より起動される3次元データ管理機
構および3次元データ表示機構、5はコマンド処理機構
2と3次元データ表示機構4より起動される2次元/3
次元統合機構、6はコマンド処理機構2と2次元/3次
元統合機構5より起動される2次元データ管理機構、7
は2次元データ管理機構6より起動される2次元データ
表示機構、8は3次元データ管理機構3、2次元/3次
元統合機構5および2次元データ管理機構6からのデー
タを保存する図形データ保存装置、9は3次元データ表
示機構4および2次元データ表示機構7からの描画命令
に従って図形の表示を行う図形データ表示装置である。
【0004】このように構成された従来の2次元3次元
統合型CADシステムは、立体形状とそれを投影してで
きた2次元の投影図形とを双方向に関連づけ、2次元の
投影図を変更することで3次元の立体形状がそれと同期
して変更し、その変更に同期して複数の投影図の2次元
投影図を変更するものである。以下にその動作を説明す
る。
【0005】ユーザが図形入力装置1を用いてコマンド
やパラメタを入力する。コマンド処理機構2は、この図
形入力装置1から入力されたコマンドやパラメタを解釈
して、3次元データ管理機構3、3次元データ表示機構
4、2次元/3次元統合機構5、2次元データ管理機構
6および2次元データ表示機構7を起動して、ユーザが
意図する図形をシステム内に生成する。
【0006】すなわち、コマンド処理機構2より起動さ
れた3次元データ管理機構3は、図形データ保存装置8
との間で3次元図形データの読み書きを行い、3次元デ
ータ表示機構4はコマンド処理機構2で作成、変更され
た3次元データに従って、3次元図形の表示、消去を指
示する3次元図形表示描画命令を図形データ表示装置9
に発行するとともに、2次元データと3次元データの同
期をとる必要があれば、2次元/3次元統合機構5を起
動する。2次元/3次元統合機構5はコマンド処理機構
2または3次元データ表示機構4より起動されると2次
元データと3次元データを同期させ、図形データ保存装
置8との間で2次元/3次元リンクデータの読み書きを
行う。2次元データ管理機構6はコマンド処理機構2ま
たは2次元/3次元統合機構5より起動されると、図形
データ保存装置8との間で2次元図形データの読み書き
を行って、2次元データ表示機構7を起動する。2次元
データ表示機構7は2次元データ管理機構6より起動さ
れると、2次元データ管理機構6が図形データ保存装置
8との間で読み書きされた2次元図形データを受け取
り、それに従って、2次元図形の表示、消去を指示する
2次元図形表示描画命令を図形データ表示装置9に発行
する。
【0007】このように、上記従来の2次元3次元統合
型CADシステムでは、2次元の図形要素への修正操作
が起動された場合、対象の2次元図形要素が3次元稜線
と関連をもつかどうかを判断して、関連がない場合はコ
マンド処理機構2が2次元図形を変更し、3次元稜線と
関連する場合は、2次元の修正操作を3次元の修正操作
に変更して、コマンド処理機構2が3次元データを変更
し、その変更を2次元データに反映させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の2
次元3次元統合型CADシステムでは、2次元と3次元
との関係を持ち、2次元の図面を用いたコマンドやパラ
メタ入力から3次元の稜線の処理の解釈機構をもつた
め、2次元図形の変更が3次元の立体形状に反映し、そ
の結果を複数の投影図に反映することができるが、以下
に示すような種々の問題点があった。
【0009】すなわち、2次元の図形要素の修正で3次
元の修正に対するコマンドは提供されるものの、2次元
図形を3次元の立体生成に利用するための機構を備えて
おらず、また、投影図形の修正である2次元空間の修正
を単純に3次元形状の稜線や平面の3次元空間の修正と
しているが、単純な2次元空間から3次元空間への拡張
操作では3次元の立体修正ができない場合があり、例え
ば線分の削除により3次元の稜線であるエッジや面を削
除することは3次元の立体の操作としてはふさわしくな
く、そのため、単純に2次元空間から3次元空間への拡
張操作では扱えない投影図形の操作を禁止せざるを得な
くなり、ユーザの2次元操作の柔軟性を損なってしま
う。
【0010】さらに、ユーザが作図した図形で3次元の
立体と関連を持たない2次元作図図形と3次元の立体を
投影して作成した2次元投影図形との相互の関係を考慮
していないため、当初2次元作図図形と2次元投影図形
とが製図の図面としてユーザが意図したものであって
も、立体の変更とその2次元投影図形の変更により、2
次元作図図形と2次元投影図形とが製図の図面としてユ
ーザが意図したものと違うようになり、また、3次元形
状からの2次元投影図形の生成も3次元形状の稜線を対
象としているため、3次元の曲面のシルエットカーブが
2次元投影図に反映されず、そのため2次元投影図形と
3次元形状の曲面との対応がとれず、例えば球が存在す
る場合は2次元投影図には何も表示されず操作もできな
くなり、さらに、3次元形状の配置を行う操作におい
て、投影面に対する投影図形の配置で3次元形状を配置
しているため、3次元形状の配置が投影面の平面に限定
されてしまうなどの問題点があった。
【0011】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、第1の目的は、ユーザが作図
した2次元作図図形と2次元投影図形とを用いて3次元
の立体形状の生成および編集が可能であり、また2次元
投影図形の編集操作に制限を与えることなく上記2つの
2次元図形を区別なく操作でき、なおかつ図面情報と3
次元形状の情報を活用して、図面を用いた3次元形状の
操作を簡易なものとするものである。また、第2の目的
は、ユーザが作図した2次元作図図形あるいは2次元投
影図形を用いて輪郭図形を作成して、その輪郭図形に厚
みを加えたり、輪郭図形を回転させるなどして立体を生
成し、あるいは直方体や円筒などの立体を直接定義し
て、その立体を複数の投影面に投影することにより、複
数投影面の図形を自動作図する2次元3次元統合型CA
Dシステムを得るものである。
【0012】さらに、第3の目的は、自動作図された2
次元投影図形にさらにユーザが作図を加えて作図作業を
進める過程で、立体生成を行ったり、図形の編集を行う
場合に、2次元投影図形とユーザが作図した2次元作図
図形とを区別なく操作できるようにするものである。ま
た、第4の目的は、立体修正により更新された2次元投
影図形の修正によりユーザが作図した2次元作図図形も
自動修正できるようにするものであり、第5の目的は、
図面情報と製図規則、3次元形状情報、あるいは2次元
と3次元との関連情報を活用することにより、3次元形
状の配置操作に必要となるパラメータを自動的に算出
し、ユーザの入力操作を少なくするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る2次元3次元統合型CADシステムは、3次元の立
体の立体配置を、製図図面で表れる図形要素やシンボ
ル、注記などの2次元の図面データと各データの製図作
法上の意味などを解釈し活用することによって処理する
処理手段を設けたものである。
【0014】また、請求項2に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、3次元の立体の立体配
置を処理する処理手段が、当該処理を製図規則として決
められた作図技法と2次元の図面情報を活用して行うよ
うにしたものである。
【0015】また、請求項3に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、3次元の立体の立体配
置を処理する処理手段が、当該処理を2次元図面情報と
投影情報とを用いて行うようにしたものである。
【0016】また、請求項4に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、3次元の立体の立体配
置を処理する処理手段が、当該処理を複数の投影図の情
報と3次元の立体の形状情報とを用いて行うようにした
ものである。
【0017】また、請求項5に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、立体形状の細部の形状
であるフィレットやチャンファなどを3次元の立体のエ
ッジの属性データとして有する展開手段を設け、細部形
状の2次元投影図形にふさわしい2次元図形への展開
を、3次元の立体から2次元投影図を作成する図面化の
段階で行うようにしたものである。
【0018】また、請求項6に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、投影属性に従って2次
元の図形を作成する作成手段を設け、2次元投影図形の
修正情報に対応させて、3次元の立体のエッジに投影属
性を付与し、3次元の立体から2次元投影図を作成する
図面化の段階で、2次元の図形を作成を行うようにした
ものである。
【0019】また、請求項7に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、2次元投影図形の要素
の修正に連動した前記2次元作図図形の要素の修正を、
2次元投影図形の要素と2次元作図図形の要素との接続
情報を用いて行う要素修正手段を設けたものである。
【0020】また、請求項8に記載の発明に係る2次元
3次元統合型CADシステムは、投影属性に従って2次
元の図形を作成する作成手段に加えて、2次元作図図形
の要素から3次元形状の修正要素への変換を、2次元投
影図形の要素と2次元作図図形の要素との接続情報を用
いて行う変換手段も設けたものである。
【0021】
【作用】請求項1に記載の発明における処理手段は、3
次元の立体の配置指示を2次元の図面要素を選択するこ
とによって行い、その場合に、選択した図面要素が図形
要素かどうか、図面要素の意図は何かを判断し、その選
択した要素と配置対象の3次元の形状情報とを比較し
て、ユーザの配置意図を特定し、その配置意図と製図図
面の情報と3次元の形状情報を活用して3次元の配置パ
ラメータを決定することにより、既に作成済みの2次元
の図面の情報を活用して3次元の立体配置を行うことを
可能とし、3次元配置の入力操作に必要な複数の処理や
パラメータ入力を削減する。
【0022】また、請求項2に記載の発明における処理
手段は、3次元の立体の配置指示を2次元の図面要素を
選択することによって行う際、選択した図面要素が製図
規則として3次元の配置を拘束する要素である時は、投
影面の情報と投影面における選択要素の位置から3次元
空間における軸や面を計算し、配置対象の3次元の立体
情報とその拘束から3次元の立体の配置原点と3次元空
間における配置角度を計算して、それら2つの計算結果
から3次元の配置パラメータを決定することにより、3
次元配置の入力操作に必要な複数の処理やパラメータ入
力の削減を可能とする。
【0023】また、請求項3に記載の発明における処理
手段は、3次元の立体の配置指示を2次元の図形要素を
選択することにより行う際、選択した図形要素の形状と
配置対象の3次元形状から自動的に3次元の形状要素と
2次元の図形要素とを対応づける時に、投影面の情報と
投影面における選択要素の位置から3次元空間における
軸や面を計算し、選択要素に対応する3次元の立体の形
状要素の3次元空間における配置角度を、投影面の情報
と2次元図形要素の形と投影変換の規則から3次元の立
体の配置原点と3次元空間における配置角度を計算し
て、それら2つの計算結果から3次元の配置パラメータ
を決定することにより、パラメータ算出の計算時間を短
縮し、3次元配置の入力操作に必要な複数の処理やパラ
メータ入力の削減を可能とする。
【0024】また、請求項4に記載の発明における処理
手段は、3次元の立体の配置指示を2次元の図形要素を
選択することにより行う際、対応づけで選択された2次
元の図形要素が描かれている投影面の投影面データと図
形要素の投影面における位置と、他の投影面の投影面デ
ータと図形要素の投影面における位置との比較を行い、
選択した2次元図形要素に対応する他の投影面の図形候
補を抽出し、その図形候補と3次元の形状要素とを比較
して一意に要素を特定し、それにより、2次元の投影面
上での3次元の立体の配置で必要となる深さ情報を算出
し、3次元の配置パラメータを決定することにより、複
数の投影面の要素や座標の指定を行う必要をなくして、
3次元配置の入力操作に必要なパラメータ入力の削減を
可能とする。
【0025】また、請求項5に記載の発明における展開
手段は、フィレットやチャンファなどの細部形状を3次
元の立体のエッジの属性データとして有し、フィレット
やチャンファの作成を2次元編集操作で行った場合、処
理対象が2次元作図図形であれば2次元作図処理により
2次元作図図形を修正し、処理対象が2次元投影図形で
あればフィレットやチャンファを3次元の立体のエッジ
に対するフィレットやチャンファと解釈して、3次元の
立体のエッジに対するフィレットやチャンファの場合に
は3次元の形状処理を行わずに、対象のエッジにフィレ
ットやチャンファの属性を付与し、属性が付与された立
体を再投影する場合には、投影図の作成時に2次元レベ
ルで属性に適する図形処理を行うことにより、フィレッ
トやチャンファを3次元形状処理として扱わなくても済
むようにして、システムの負荷を軽減し、属性の変更の
みで形状を変化させたり、元の形状を復元することを可
能とするとともに、製図図面の形状表現で必要となるボ
カシ線分の図面化も簡単に行うことができるようにし
て、細部形状の図面表現を実現する。
【0026】また、請求項6に記載の発明における作成
手段は、2次元図形要素の修正を行った場合、処理対象
が2次元作図図形の場合は2次元作図処理により2次元
作図図形を修正し、処理対象が2次元投影図形の場合に
は、2次元投影図形要素に関連する3次元の立体の形状
要素と2次元図形の修正内容とから、2次元図形の修正
が意図する3次元の立体の修正を決定し、その3次元の
立体の修正を実現する処理手順を求めて実行するととも
に、図面に再投影させた場合にもユーザの指示した2次
元の修正を満たすように2次元図形の処理手順を求めて
実行することにより、2次元投影図の変更をユーザの意
図に合わせて3次元の立体形状および2次元図形処理に
加工して、ユーザが3次元の立体形状に合わせて2次元
の投影図と操作を検討する手間を省き、2次元投影図形
の操作の限定をなくする。
【0027】また、請求項7に記載の発明における要素
修正手段は、2次元投影図形の要素と2次元作図図形の
要素との接続情報を用いて、2次元投影図形の要素の修
正に連動した2次元作図図形の要素を修正する際、ユー
ザが作図した2次元作図図形要素と3次元の立体を投影
して作図された2次元投影図形要素との接続関係を考慮
することによって、2次元投影図形要素の更新に従って
2次元作図図形要素の移動を行い、3次元の立体の修正
による2次元投影図形の変更に連動して、ユーザが作図
した2次元作図図形の修正を行うことにより、2次元作
図図形の修正操作をなくすことを可能とする。
【0028】また、請求項8に記載の発明における変換
手段は、ユーザが作図した2次元作図図形要素の端点
が、2次元投影図形の修正である削除やトリミングで生
じた開いたループの要素端点に接続し、その結果閉じた
ループを形成できる場合に、ユーザの作図図形を3次元
の立体形状のローカルオペレーションの操作に変換する
ことで、ユーザの作図図形を立体の修正操作とすること
により、3次元形状処理の操作であるローカルオペレー
ションを2次元作図で行えるようにし、3次元の立体修
正を行う際に、ユーザがローカルオペレーションで必要
となる3次元操作を意識しなくて済むようにする。
【0029】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明
する。図1はこの発明における2次元3次元統合型CA
Dシステムを実現するシステムのシステム構成を示すブ
ロック図である。図において、11はユーザインタフェ
ース部、12はコマンド解析処理部、13は図形表示処
理部、14は2次元図形処理部、15は2次元3次元統
合図形処理部、16は3次元処理パラメータ算出部、1
7は2次元変更〜3次元変更変換処理部、18は立体形
状処理部、19は投影面管理データ、20は図面化処理
部、21は2次元−3次元リンクデータ、22は図面デ
ータ、23は立体形状データであり、本システムはこれ
ら各部によって構成されたものである。
【0030】ユーザインタフェース部11は、マウスや
タブレット、キーボードなどの入力装置と、CRTディ
スプレイなどの出力装置を備え、ユーザが当該システム
に対してコマンドやパラメータの入力を行い、システム
のガイダンスや図形を出力する部分であり、従来の図形
入力装置1と図形データ出力装置9に対応する。ユーザ
はこのユーザインタフェース部11を用いて当該システ
ムへ起動をかけ、その結果を確認するものである。コマ
ンド解析処理部12は、ユーザインタフェース部11か
ら入力されたコマンドやパラメータを受取って、コマン
ドの操作対象が3次元の立体と関係するかどうかを2次
元3次元統合図形処理部15に問い合わせ、関係しない
場合には2次元図形処理部14を起動し、3次元の立体
と関係する場合には2次元3次元統合図形処理部15を
起動するものであり、従来のコマンド処理機構2に対応
する。
【0031】2次元3次元統合図形処理部15は、2次
元−3次元リンクデータ21を参照してパラメータとし
て入力された2次元図形要素が3次元の立体と関係する
かどうかを調べ、関係する場合はその立体形状と入力コ
マンドとから、必要な場合は3次元処理パラメータ算出
部16や2次元変更〜3次元変更変換処理部17を起動
し、内部処理命令や処理パラメータを求めて立体形状処
理部18を起動するものである。請求項7における要素
修正手段はこの2次元3次元統合図形処理部15の一機
能として実現される。
【0032】3次元処理パラメータ算出部16は、図面
の2次元をもとにした入力データ、投影面管理データ1
9、2次元ー3次元リンクデータ21、立体形状データ
23を参照して、ユーザが意図する処理に必要な3次元
処理用のデータを算出するものである。また、立体形状
処理部18は、立体形状の生成や修正、削除などにかか
わる全ての立体形状処理命令を実行して立体形状データ
23の生成や修正、削除を行うものであり、従来の3次
元データ管理機構3に対応する。請求項1〜8における
修正手段はこの立体形状処理部18によって実現され
る。
【0033】ここで、請求項1〜4における処理手段
は、前記2次元3次元統合図形処理部15が操作手順や
パラメータを算出し、前記立体形状処理部18が3次元
配置にかかわる立体データの更新を行うことによって実
現される。なお、その内容は以下の通りである。コマン
ド解析処理部12がユーザの操作が配置操作であること
を判断して、その操作データを2次元3次元統合図形処
理部15に渡す。2次元3次元統合図形処理部15は操
作データである要素データやピックデータ、入力データ
などを解釈し、それが3次元配置かどうか判断する。3
次元配置と判断された場合には、3次元処理パラメータ
算出部16を用いて3次元の配置パラメータを求める。
以上により、配置操作と配置パラメータが決定したら、
2次元3次元統合図形処理部15は立体形状処理部18
を呼びだして、3次元配置処理を行う。
【0034】2次元変更〜3次元変更変換処理部17
は、2次元図形の要素の変更による3次元の立体の変更
を、2次元図形の要素と3次元の立体形状の関係に制限
を受けないように、ユーザが意図する3次元の立体変更
となるように、ユーザからのコマンドやパラメータを元
にユーザが入力したコマンドを変更する部分である。請
求項8における変換手段はこの2次元変更〜3次元変更
変換処理部17によって実現される。
【0035】図面化処理部20は、立体形状データ23
に対して投影面管理データ19に従った複数の投影図を
作成し、その投影図の作成にあたっては、立体形状要素
に付与された属性データを考慮して作成するもので、ま
た、投影図の作成と同時に2次元ー3次元リンクデータ
21の生成や更新、削除命令を2次元ー3次元リンクデ
ータ21に与えるものである。請求項1〜8における投
影手段、請求項5における展開手段、および請求項6、
請求項8における作成手段はこの図面化処理部20によ
って実現される。
【0036】2次元図形処理部14は、2次元データの
生成や修正、削除などに係わる全ての2次元データ処理
命令を実行して図面データ22の生成や修正、削除を行
うものであり、従来の2次元データ管理機構16に対応
する。また、図形表示処理部13は、図面データ22の
2次元図形をユーザインタフェース部11の出力装置に
出力するための処理を行うものであり、従来の3次元デ
ータ表示機構4および2次元データ表示機構7に対応す
る。請求項1〜8における作図手段はこの2次元図形処
理部14によって、表示手段はこの図形表示処理部13
によってそれぞれ実現される。
【0037】投影面管理データ19は、図面に設定した
投影面の情報と、その投影面に反映する立体形状の情報
とを管理するものである。また、2次元ー3次元リンク
データ21は、2次元の投影図形とその投影元の3次元
の立体形状の要素との関係を管理するものであり、従来
の2次元/3次元統合機構5が管理する2次元と3次元
の関係データに対応する。請求項1〜8における関係管
理手段はこの2次元ー3次元リンクデータ21によって
実現される。
【0038】立体形状データ23は、3次元の立体の形
状データと、形状要素の属性データを有するものであ
り、図面データ22は、2次元の図面の図形データと、
表示用の属性データなど2次元CADで管理するデータ
を有するものである。この図面データ22と立体形状デ
ータ23は従来の図形データ保存機構8に対応する。実
施例1〜8における立体管理手段はこの立体形状データ
23によって実現される。
【0039】次に動作について説明する。ユーザは、ユ
ーザインタフェース部11の入力装置を用いてコマンド
やパラメータを入力する。コマンド解析処理部12は、
ユーザインタフェース部11から入力されたコマンドや
パラメータを解釈し、2次元3次元統合図形処理部15
と2次元図形処理部14を起動する。2次元3次元統合
図形処理部15は、コマンドとパラメータと2次元ー3
次元リンクデータ21と図面データ22、立体形状デー
タ23をチェックして3次元処理パラメータ算出部16
と2次元変更〜3次元変更変換処理部17を起動して、
2次元図形処理部14と立体形状処理部18に必要なコ
マンドやパラメータを求め、ユーザが意図する図面デー
タ22と立体形状データ23を生成する。その後、図面
化処理部20が投影面管理データ19の投影面の情報に
従って立体形状データ23の投影図を図面データ22に
生成する。また、この図面データ生成時に2次元と3次
元の関係データである2次元ー3次元リンクデータ21
を更新する。
【0040】以下、請求項1に記載された発明におけ
る、3次元の立体配置を処理する処理手段について、2
次元3次元統合図形処理部15の動作を中心に説明す
る。コマンド解析処理部12は2次元3次元統合図形処
理部15に、配置対象の2次元図形の要素が、立体の投
影図である2次元投影図形かどうかを問い合わせる。2
次元3次元統合図形処理部15は、2次元ー3次元リン
クデータ21を参照して、配置対象の要素が立体の投影
図である2次元投影図形かどうかを調べ、その結果をコ
マンド解析処理部12に返す。コマンド解析処理部12
は、2次元投影図形でなければ2次元のユーザ操作に従
って2次元図形処理部14を呼び出して、図面データ2
2の更新を行う。また、2次元投影図形であれば2次元
3次元統合図形処理部15にすべての入力データを渡
す。
【0041】2次元3次元統合図形処理部15は、配置
にかかわるユーザの操作意図を特定するために、次の処
理を実行する。すなわち、入力データの中に配置に関連
する注記やシンボルがあるかどうかを判定して、ある場
合にはそのデータに対応する配置ルールの候補を抽出す
る。また、配置位置を指示する図形要素の情報を図面デ
ータ22から抽出し、その図形要素の形状や属性データ
から配置ルールの候補を抽出する。次に、配置対象要素
である2次元投影図形の投影元の立体要素の情報を立体
形状データ23から抽出し、その形状と、前述の方法で
抽出されたそれぞれの配置ルールの候補との適合性を判
断し、配置ルールを決定する。そして、その配置ルール
に従った配置操作を実現するための立体形状処理の関数
を呼び出す手順を決定する。
【0042】2次元3次元統合図形処理部15は次に、
立体形状処理の各関数に必要となる3次元の配置パラメ
ータを求める。その場合、参照するデータは、2次元の
座標データや2次元の図形要素であるため、2次元のデ
ータを3次元のデータに変換する必要があり、3次元処
理パラメータ算出部16において3次元の配置位置のデ
ータを求める。そして、2次元3次元統合図形処理部1
5は、3次元の配置位置のデータと配置対象の立体の位
置データとから、立体の移動や回転の配置操作に必要と
なる座標変換のパラメータを求める。
【0043】3次元処理パラメータ算出部16は、入力
データの投影面の情報を投影面管理データ19から抽出
し、3次元の投影方向や投影面の3次元データを抽出し
たり、入力データが2次元投影図形の場合には、2次元
ー3次元リンクデータ21を参照して、立体形状の3次
元データを抽出したりする。また、入力データが2次元
座標の場合には、その2次元座標を投影方向に無限に延
ばした直線と、投影面や立体形状との交点から3次元の
座標を求めたり、入力データが2次元投影図形の場合に
は、立体形状の要素の3次元データから3次元座標を求
めて、3次元の配置位置を決定する。なお、配置方向も
上記と同様に、投影面の方向や立体の面の方向から求め
る。
【0044】2次元3次元統合図形処理部15は、この
ようにして配置操作やその操作パラメータが決定する
と、立体形状処理部18を呼び出してそれらを渡し、立
体形状処理部18は、立体形状データ23の更新を行
う。
【0045】以上のように、ユーザは2次元の投影図を
対象として2次元配置データを入力することにより、シ
ステムが3次元配置に関するユーザの操作意図を解釈
し、3次元の配置データの自動算出と、3次元の配置操
作への自動変換をするので、ユーザの入力パラメータが
少なくてすみ、3次元の移動や回転にかかる操作を軽減
することができる。
【0046】すなわち、ユーザが従来より利用している
2次元CADの線引き機能を用いて作成した図形である
2次元作図図形と、3次元の立体を投影してできた2次
元投影図形とを混在させて、1つの図面としてユーザイ
ンタフェース11の出力装置の画面上に表示し、2次元
作図図形と2次元投影図形とを同一の2次元図形として
操作できるようにすることによってユーザの作図作業を
支援し、また、投影元の3次元の立体定義をユーザに馴
染みの深い2次元の図面をベースとした操作とすること
によって、3次元的操作を部分的に自動化して3次元の
立体操作を簡易化している。
【0047】実施例2.次に、この発明の実施例2を図
について説明する。ここで、この実施例2は請求項2に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、この実施例2におい
ては、2次元3次元統合図形処理部15が操作手順やパ
ラメータを算出し、立体形状処理部18が3次元配置に
かかわる立体データを更新することによって実現される
処理手段が、その3次元の立体の立体配置の処理を行う
際に、製図規則として決められた作図技法と2次元の図
面情報を活用している。
【0048】すなわち、この処理手段も2次元の図面要
素を選択することによって3次元の立体の配置指示を行
う。その場合、選択した図面要素が製図規則として3次
元の配置を拘束する要素であるとき、すなわち、製図規
則として決められた作図技法の中の配置に関する作図技
法で作図された図形要素を選択した場合には、投影面の
情報と投影面における選択要素の位置から3次元空間に
おける軸や面を計算し、配置対象の3次元の立体情報と
その拘束から3次元の立体の配置原点と3次元空間にお
ける配置角度を計算する。なお、この計算は、製図規則
として決められた作図技法と2次元の図面情報を活用し
て、3次元の幾何情報を計算するものである。このよう
に、この実施例2の処理手段は、上記2つの計算結果か
ら3次元の配置パラメータを決定することにより、3次
元配置に必要なパラメータ入力を削減するようにしてい
る。
【0049】以下、図2〜図7を用いて詳細に説明す
る。ここで、図2と図3は同じ円柱の配置であるが配置
参照要素の違いによる処理の違いを説明する説明図であ
る。すなわち、図2は配置参照図形として十字中心線が
選択された場合の説明図であり、図3は一本の中心線が
選択された場合の説明図である。
【0050】図2(a)は図面上の図形であり、円柱を
配置するための配置参照要素として十字中心線101と
102がユーザに選択されたこと示す図である。この十
字中心線101と102が属する投影面を第一の投影面
とする。図2(b)は内部処理の概念図である。配置参
照要素として十字中心線101と102が選択されたこ
とから、システムは、十字中心線101と102が属す
る第一の投影面に対して垂直かつ十字中心線101と1
02の交点を通る直線上に、円柱103の中心線を配置
する。この円柱103を第一の投影面に投影した図形が
図2(c)に示す円104である。
【0051】図3(a)は図面上の図形であり、円柱を
配置するための配置参照要素として一本の中心線105
がユーザに選択されたこと示す図である。この一本の中
心線105が属する投影面を第一の投影面とする。図3
(b)は内部処理の概念図である。配置参照要素として
一本の中心線105が選択されたことから、システムは
一本の中心線105が属する第一の投影面に対して平行
かつ中心線105を投影方向に掃引した平面上に存在す
るように円柱106の中心線を配置する。さらに、一本
の中心線105の中点をとおり、第一の投影面に垂直な
直線上に円柱106の中心線の中点が位置するように配
置する。この円柱106を第一の投影面に投影した図形
が図3(c)に示す矩形107である。
【0052】図4は上記の処理の流れを示したフローチ
ャートである。ステップST10でユーザが円柱プリミ
ティブの寸法パラメータ(円柱の半径、円柱の高さ)を
入力する。ステップST11ではユーザが円柱プリミテ
ィブの配置参照要素を入力する。ステップST12では
入力された情報の種類を判断し、キー入力、座標入力の
場合は他の配置処理を行う。図形が入力され場合はステ
ップST13において図形種類、本数の判断を行い、円
柱配置の場合の配置方法に適合する場合だけ次の処理を
行う。
【0053】すなわち、配置参照図形が十字中心線と判
断された場合には、ステップST14において十字中心
線が属する第一の投影面に対して垂直かつ十字中心線の
交点を通る直線上に、円柱の中心線を配置するマトリッ
クスを算出し、ステップST15で円柱に対してこのマ
トリックスを適用した後、次の奥行き方向の配置処理を
実行する。また、一本の中心線と判断された場合には、
まずステップST16において、一本の中心線が属する
第一の投影面に対して平行かつ中心線を投影方向に掃引
した平面上に存在するように円柱の中心線を配置する配
置マトリックスを算出し、さらにステップST17で、
一本の中心線の中点を通り、第一の投影面に垂直な直線
上に円柱の中心線の中点が位置するように配置する移動
マトリックスを算出する。そしてステップST18にて
これらのマトリックスを円柱に適用した後、次の奥行き
方向の配置処理を実行する。
【0054】以上の処理により第一の投影面内での円柱
の配置位置が、2次元の図形要素により決定される。
【0055】次に、図2の十字中心線が選択された場合
の第一の投影面の奥行き方向の配置処理について説明す
る。ここで、図5は奥行き方向の自動配置の具体例を示
す説明図である。図5(a)はすでに上記の処理により
配置された図形104を含む図面であり、108は上記
の第一の投影面と異なる第2の投影面に属する2次元図
形である。システムは以下に示す処理によりこの図形か
ら配置位置を自動的に算出する。図5(b)は、この処
理の概念を説明する図である。109は第一の投影面、
110は第2の投影面の3次元空間内での表現である。
111、112はそれぞれの投影面上の2次元図形を表
す。奥行き方向の配置位置を決定するため、投影図形1
04を第一の投影面の投影方向に無限に掃引した仮想形
状113を考える。さらに第2の投影面の各2次元図形
要素に対して投影方向に無限に掃引した面を想定し、仮
想形状113と交差する面114と115を抽出する。
これらの面114、115のうち、最も第一の投影面か
らみて手前側の面114を配置面と決定する。
【0056】図6は上記奥行き方向の自動配置の具体例
の処理結果を示す説明図である。図6(a)は上記によ
り決定された配置面114に円柱116を配置したとこ
ろを表現する図で、この円柱116を第2の投影面に投
影した2次元図形が117となる。図6(b)ではこう
して作成された投影図形を図面として表現した図であ
る。図中において117は円柱を投影した2次元図形で
ある。
【0057】図7は上記の図5、図6に示した処理の流
れを示すフローチャートである。ステップST20で第
一の投影面に投影された2次元図形104を投影方向に
無限に掃引した仮想形状113を一時メモリ上に作成す
る。ステップST21では、登録されている立体の中か
ら仮想形状と交差する、配置対象となる面の候補を抽出
する。次に以下の処理により、各投影面に属する2次元
図形要素から配置候補面を抽出する。
【0058】すなわち、ステップST22では各投影面
の投影情報を参照し、投影面のマトリックスを抽出す
る。ステップST23では各2次元図形(投影面座標
系)を抽出した投影面マトリックスにより3次元の図形
に変換し、ステップST24ではこの3次元に変換され
た図形を、投影方向に無限に掃引することによって面を
作成し、仮想面を想定する。ステップST25ではステ
ップST24で想定した仮想面とステップST20で一
時メモリ上に作成した仮想形状113との交差を調べ、
交差があればステップST26において、配置候補面の
配列にこのステップST24で想定された仮想面を追加
して登録する。
【0059】なお、このステップST23、ステップS
T24、ステップST25、ステップST26の処理
を、投影面に属する2次元図形について繰り返す。さら
に、ステップST22、ステップST23、ステップS
T24、ステップST25、ステップST26の処理
を、各投影面について繰り返す。ステップST27で
は、以上の処理で登録された配置候補面に、第一の投影
面から見て手前にあるものから順に番号をつけ、最も手
前にある配置候補面を抽出してその面に立体を配置す
る。
【0060】以上により図2(a)に示す十字中心線1
01、102の2次元図形要素の選択により、円柱の3
次元的な自動配置が行え、図6(b)に示す図面が得ら
れる。
【0061】このように、製図規則として決められた作
図技法と2次元の図面情報を活用して、製図の作図操作
に従って3次元の立体配置を行うことが可能となり、製
図規則として決められた作図技法に基づくルールに添っ
て配置パラメータを算出しているため、3次元配置の入
力操作に必要な複数の処理やパラメータ入力の削減を可
能にしている。
【0062】実施例3.次に、この発明の実施例3を図
について説明する。ここで、この実施例3は請求項3に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、この実施例3におい
ては、2次元3次元統合図形処理部15が操作手順やパ
ラメータを算出し、立体形状処理部18が3次元配置に
かかわる立体データを更新することによって実現される
処理手段が、その3次元の立体の立体配置の処理を行う
際に、2次元の図面情報と投影情報を用いている。
【0063】すなわち、この処理手段も2次元の図面要
素を選択することによって3次元の立体の配置指示を行
う。その第1の方法としては、ユーザが3次元の形状要
素と2次元の図形要素とを対応づけるものがある。また
第2の方法としては、選択した図形要素の形状と配置対
象の3次元形状とから、システムが自動的に3次元の形
状要素と2次元の図形要素とを対応づけるものがある。
上記第2の方法においては、2次元3次元統合図形処理
部15が、選択された2次元の図形要素のデータを図面
データ22から、配置対象の3次元形状を立体図形デー
タ23からそれぞれ抽出し、その各々のデータを比較し
て、各要素の対応を決定する。
【0064】2次元の図形要素と3次元の形状要素との
対応づけが決まった段階で、投影図面管理データ19か
ら投影図面の情報を抽出し、投影図面における選択要素
の位置から、3次元処理パラメータ算出部16を用い
て、配置の基準となる3次元空間における軸や面を計算
する。また、立体図形の要素を選択投影面に投影した場
合、選択した2次元図形要素と一致、あるいは相似図形
となるように、3次元空間における配置原点と配置角度
とを計算する。立体図形処理部18は、これら2つの計
算結果と配置前の立体の配置位置とから、配置に必要と
なる移動や回転の3次元の配置パラメータを求める。こ
のように、この実施例3の処理手段は、3次元の立体配
置の処理を、2次元図面情報と投影情報を活用して行う
ことにより、パラメータの算出時間を短縮し、3次元配
置の入力操作に必要な複数の処理やパラメータの入力を
削減している。
【0065】以下、図8および図9を用いて詳細に説明
する。ここで、図8はこの実施例3による3次元の立体
配置の具体例を示す説明図である。図8(a)では、配
置参照要素として図面に作図されている図形201と、
配置対象要素である3次元の立体202の配置原点を示
す要素203を選択する。配置参照要素が楕円であり配
置対象要素の配置原点を示す要素203が円であること
から、システムは楕円201の中心と要素203の中心
を一致させる配置と解釈する。また、図形201で示す
楕円の長軸が円の直径となる円を考え、その円の投影図
が図形201となるようにその円を3次元空間に配置す
る。配置は投影図方向に対し配置原点を示す要素203
が上記仮想の円と同一平面上にあり、中心が一致するよ
うな座標変換を算出する。さらに、投影面に対して奥行
きのパラメータを入力することにより、3次元空間にお
ける配置位置を一意に決定する座標変換を算出し、その
座標変換を立体202に適用する。その結果、立体20
2は回転移動する。それを再投影すると204で示す投
影図となる。上面図の投影図を作成すると205で示す
矩形になる。
【0066】また、図8(b)では、配置参照要素とし
て図面に作図されている図形211と212、配置対象
要素である3次元の立体213の配置原点を示す要素2
14と215を選択する。配置は要素214が図形21
1に対応し、要素215が図形212に対応するように
行う。配置参照要素が線分で、配置対象の原点要素も線
分であることから、配置は対応要素が投影図上で重なる
と解釈する。要素214と215のなす角が投影図上で
図形211と212のなす角に一致するように立体を回
転する座標変換を算出する。その後、図形211と要素
214を投影した要素とが重なるようにする座標変換を
算出する。さらに、投影面に対して奥行きのパラメータ
を入力することにより、3次元空間における配置位置を
一意に決定する座標変換を算出し、その座標変換を立体
213に適用する。その結果、立体213は回転移動す
る。それを再投影すると216に示す投影図となる。上
面図の投影図を作成すると217に示す図形となる。
【0067】図9は上記の処理の流れを示すフローチャ
ートである。ステップST30で図面を用いた3次元の
立体配置の処理が開始される。ユーザはまず、ステップ
ST31で配置参照要素の選択を行い、さらにステップ
ST32で配置対象の立体の配置原点を示す配置対象要
素の選択を行う。そしてステップST32において参照
要素が立体の投影図であるかどうかを判定する。配置参
照要素が3次元の立体と関係を持っていない場合は、ス
テップST34で配置参照要素と配置対象要素の相互の
形状をチェックし、その相互の組み合わせで、立体の回
転の座標変換のパラメータをステップST35で算出
し、さらに移動の座標変換パラメータをステップST3
6にて算出する。そして、ユーザからの投影面の奥行き
方向に対する配置位置情報の入力をステップST37に
おいて受け、ステップST38で3次元の移動回転の座
標変換を完成させ配置対象の立体に適用し、ステップS
T39で当該3次元の立体配置を終了する。
【0068】ここで、ステップST33での判定結果
が、配置参照要素が3次元の立体の投影図であった場合
には、ステップST40にてその投影元の3次元の立体
を参照した配置かどうかをユーザに尋ねる。その結果、
2次元の図形としての参照である場合は前記ステップS
T34以降の処理を実行し、投影元の3次元の立体への
配置の場合には、ステップST41でその立体の選択要
素と配置対象の立体の選択要素の相互の形状をチェック
する。そして、ステップST42において各々の3次元
の座標位置パラメータと形状の組み合わせで3次元の配
置パラメータを算出した後、ステップST38で配置処
理を実行する。
【0069】このように、この2次元3次元統合型CA
Dシステムによれば、2次元の図形要素の状態と3次元
の立体形状の情報と投影面の情報から3次元の配置パラ
メータを自動的に算出し、回転処理を自動化しているた
め、2次元の投影図として正しいように立体を配置する
場合に、ユーザが行う必要のある、立体の配置指示を3
次元座標で与えること、および立体の回転順序と回転角
度を計算することなどが削減できるとともに、配置指示
のパラメータの入力も削減でき、回転のパラメータ計算
と回転処理の自動化を実現して、配置操作の前準備や手
順を削減することを可能としている。
【0070】実施例4.次に、この発明の実施例4を図
について説明する。ここで、この実施例4は請求項4に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、この実施例4におい
ては、2次元3次元統合図形処理部15が操作手順やパ
ラメータを算出し、立体形状処理部18が3次元配置に
かかわる立体データを更新することによって実現される
処理手段が、3次元の立体の立体配置処理を行う際に、
複数の投影図の情報と3次元の立体の形状情報を用いて
いる。
【0071】すなわち、この処理手段も2次元の図面要
素を選択することによって3次元の立体の配置指示を行
う。その場合、ユーザが入力操作によって、まず3次元
の形状要素と2次元の図形要素との対応づけを行う。処
理手段はこの対応づけで選択された2次元の図形要素が
描かれている投影面の投影面データと図形要素の投影面
における位置と、他の投影面の投影面データと図形要素
の投影面における位置との比較を行い、選択した2次元
図形要素に対応する他の投影面の図形候補を抽出し、そ
の図形候補と3次元の形状要素とを比較して一意に要素
を特定する。これにより、2次元の投影面上での3次元
の立体の配置で必要となる深さ情報を算出して3次元の
配置パラメータを決定する。このように、この実施例4
の処理手段は、複数の投影図の情報と3次元の立体の形
状情報とを用いて3次元の立体を特定し、3次元の立体
配置を処理することによって、3次元配置に必要なパラ
メータ入力を削減している。
【0072】以下、図10〜図16を用いて詳細に説明
する。ここでは、実施例1に示すシステムにおいて作成
された投影図形と立体形状を、通常の2次元作図機能で
作成された図面に配置する場合について説明する。図1
0、図13は配置する先の2次元作図機能で作成した図
面を示す説明図であり、図11、図14は実施例1に示
すシステムにより作成された投影図形と立体形状を示す
説明図である。また、図12は、図10の図面に図11
の立体形状を配置する場合の概念図であり、図15は図
13の図面に図14の立体形状を配置する場合の概念図
である。図11と図14の立体形状は配置面が円筒面か
平面かの違いがあり、幾何要素の違いによる処理の違い
を以下に示す。
【0073】ここで、2次元図形を用いた立体配置の2
次元図面の具体例を示している図10において、配置目
標の図形として2次元図形301、302および303
がユーザによって選択される。また、2次元図形を用い
た立体配置の立体投影図の具体例を示している図11に
おいて、配置対象の図形として立体304を投影した2
次元図形305、306および307がユーザによって
選択される。立体を投影した2次元図形305、306
および307から、2次元−3次元リンクデータ21に
より対応する立体形状要素を探索する。この場合は、円
筒面と平面が探索される。
【0074】図12は、図11の立体304を図10の
図面上に配置する場合の概念図である。図12(a)は
図11の配置対象の立体304の投影図形305、30
6および307を、図10の2次元図形301、302
および303に投影面を考慮して一致させる4×4の移
動マトリックスを算出し、これを立体形状に適応する。
2次元図形301が属する投影面VW1(308)に立
体304を投影した場合は、図12(a)の図面となる
が、この状態では、投影面VW1(308)に垂直な方
向の位置が定まっていない。
【0075】図12(b)はこの投影面VW1(30
8)に垂直な方向の配置を決定する処理の概念図であ
る。投影面VW1(308)以外の投影面VW2(30
9)について、立体304の配置面を投影した2次元図
形310を一時的に作成する。投影面VW2(309)
に属する2次元図形について検索し、この2次元図形3
10と同じ幾何形状で、投影面VW1(308)に垂直
なベクトル311の方向にずれた図形312を抽出す
る。投影面VW2(309)上の2次元図形310を2
次元図形312に一致させる移動ベクトルV2を、3次
元空間のベクトルV3に変換し、この3次元空間のベク
トルV3を、投影面VW1(308)に垂直なベクトル
に投影した、ベクトルが投影面VW1(308)に垂直
な方向の立体の移動ベクトルV4とする。
【0076】図12(c)は、この移動ベクトルV4を
立体に適用した時の概念図である。ここに示すように立
体を投影面VW1(308)に投影した図形は、配置目
標の2次元図形に重なり、かつ投影面VW2(309)
に投影した図形313は2次元図形312に重なる。以
上により2次元図形を参照することで立体の3次元配置
が行え、所望の図面が得られる(ただし、円筒面の軸廻
りの回転に関する位置決めは必要である)。
【0077】次に、立体の幾何形状が平面の場合の例を
示す。2次元図形を用いた立体配置の2次元図面の具体
例を示している図13において、配置目標の図形とし
て、2次元図形321、322および323がユーザに
よって選択される。また、2次元図形を用いた立体配置
の立体投影図の具体例を示している図14において、配
置対象の図形として立体324を投影した2次元図形3
25、326および327がユーザに選択される。立体
324を投影した2次元図形325、326および32
7から、2次元−3次元リンクデータ21により対応す
る立体形状要素を探索する。この場合は、3個の平面が
探索される。
【0078】図15は、図14の立体324を図13の
図面上に配置する場合の概念図である。図15(a)は
図14の配置対象の立体324の投影図形325、32
6および327を、図13の2次元図形321、322
および323に投影面を考慮して一致させる4×4の移
動マトリックスを算出し、これを立体形状に適応する。
この状態では、2次元図形321が属する投影面VW1
(308)に立体を投影した場合は、図15(a)の図
面となるが、投影面VW1(308)に垂直な方向の位
置が定まっていない。
【0079】図15(b)はこの投影面VW1(30
8)に垂直な方向の配置を決定する処理の概念図であ
る。投影面VW1(308)以外の投影面VW2(30
9)について、立体324の配置面を投影した2次元図
形328を一時的に作成する。投影面VW2(309)
に属する2次元図形について検索し、この2次元図形3
28と同じ傾きを持つ線分で、投影面VW1(308)
に垂直なベクトル311の方向にずれた図形329を抽
出する。図15(b)の場合、線分の長さは一致しない
ので、投影面VW2(309)上の2次元図形328線
分の中点を2次元図形329線分の中点に一致させる移
動ベクトルV2を3次元空間のベクトルV3に変換し、
この3次元空間のベクトルV3を投影面308に垂直な
ベクトルに投影した、ベクトルが投影面VW1(30
8)に垂直な方向の立体の移動ベクトルV4とする。
【0080】図15(c)は、この移動ベクトルV4を
立体に適用した時の概念図である。ここに示すように立
体を投影面VW1(308)に投影した図形は、配置目
標の2次元図形に重なり、かつ投影面VW2(309)
に投影した図形330は2次元図形329に重なる。以
上により2次元図形を参照することで立体の3次元配置
が行え、所望の図面が得られる(ただし、投影方向に関
する位置決めは必要である)。
【0081】図16は上記の処理の流れを示すフローチ
ャートである。ユーザはまず、ステップST50におい
て、配置目標の2次元図形を図面上から選択する。次
に、ステップST51では、この2次元図形が立体を投
影した図形か否かを判断し、立体を投影した図形の場合
には立体の配置処理へジャンプする。一方、2次元機能
により作成した図形の場合は、ステップST52にて配
置対象図形をユーザが選択する。次に、ステップST5
3では、この図形が立体を投影した図形か否かを判断
し、そうでない場合には他の配置処理へジャンプする。
一方、立体を投影した図形の場合には、ステップST5
4において、配置対象図形として選択された2次元図形
に対応する立体形状、およびその形状要素を2次元ー3
次元リンクデータ21により検索する。次いでステップ
ST55で、配置目標の2次元図形に配置対象の2次元
図形を投影面を考慮して一致させる4×4の移動マトリ
ックスを算出する。そして、ステップST56にてこの
マトリックスを立体形状に適応し、立体形状を移動マト
リックスに従って移動させる。
【0082】次に各投影面について、立体を各投影面に
投影した2次元図形をステップST57で一時メモリ上
に作成する。ステップST58では、各投影面の2次元
図形と、一時メモリ上に保存されている上記2次元図形
を比較し、同じ図形で、かつ投影面VW1(308)の
投影ベクトル方向に移動した2次元図形を検索する。そ
して、この図形が存在するか否かをステップST59で
判断し、存在する場合は、ステップST60において、
2次元図形を一致させるベクトルから立体を移動させる
移動マトリックスを求め、この移動マトリックスによっ
て立体を移動する。その後は図面化処理へ制御を移す。
なお、存在しない場合には、各投影面に属する2次元図
形についてはステップST58、ST59の処理を繰り
返し、各投影面についてはステップST56〜ST59
の処理を繰り返す。
【0083】以上の処理により、2次元機能で作図され
た図面を参照して、少ない操作で立体を3次元的に配置
し、所望の図面を得る機能を実現できる。
【0084】このように、この2次元3次元統合型CA
Dシステムによれば、複数の投影図の情報と3次元の立
体の形状情報とから3次元の立体の立体配置を処理し、
3次元の配置パラメータを自動的に算出しているため、
複数の投影面の要素や座標をユーザが指定する必要をな
くし、3次元配置の入力操作に必要なパラメータの入力
を削減することを可能としている。
【0085】実施例5.次に、この発明の実施例5を図
について説明する。ここで、この実施例5は請求項5に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、前述のように、図面
化処理部20は、3次元の立体から2次元投影図を作成
する図面化の段階で、細部形状の2次元投影図形にふさ
わしい2次元図形に展開する展開手段の機能も実現して
いる。
【0086】すなわち、2次元3次元統合図形処理部1
5が、立体形状の細部の形状であるフィレットやチャン
ファを2次元編集操作で作成した場合、処理対象が2次
元作図図形の場合は2次元作図処理により2次元作図図
形を修正し、処理対象が2次元投影図形の場合は、フィ
レットやチャンファを3次元の立体のエッジに対するフ
ィレットやチャンファと解釈する。そして、2次元変更
〜3次元変更変換処理部17において、3次元の立体の
エッジに対するフィレットやチャンファの場合、3次元
の形状処理を行わずに、対象のエッジにフィレットやチ
ャンファの属性を付与する。属性が付与された立体を再
投影する場合には、図面化処理部20が、投影図を作成
する時に2次元レベルで属性に適する図形処理を行うこ
とによって、細部形状の図面表現を実現する。このよう
にして、3次元の立体から2次元投影図を作成する図面
化の段階で、細部形状の2次元投影図形にふさわしい2
次元図形に展開する。
【0087】以下、図17〜図23を用いて詳細に説明
する。ここで、図17は、図1に示したシステムで作成
した立体を投影した2次元図形を示す説明図である。フ
ィレットを作成する図形として2次元図形401、40
2がユーザにより選択されたことを示すものである。図
18は、図17の2次元図形を作図する元となった立体
形状404を示すものである。
【0088】図19は、図17の2次元図形401、4
02に対応する立体形状403の形状要素とその関係を
示すもので、図19(a)に各図形要素を、図19
(b)にその関係を示している。2次元図形401は稜
線E2(404)と面F1(406)とを投影したもの
であり、2次元図形402は稜線E3(405)と面F
2(407)とを投影したものである。システムは2次
元図形401、402に対応する立体図形403の2つ
の面、面F1(406)と面F2(407)に共に接続
する稜線E1(408)を接続関係をたどることで求
め、この稜線E1(408)に属性A1(409)を付
加する。この属性A1(409)はフィレット属性であ
り、フィレットRの情報を持つ。
【0089】図20は、立体形状403を再投影した図
面と、2次元ー3次元リンクデータテーブルを示すもの
である。立体の付加されている属性を探索し、属性A1
(409)を得る。システムは属性A1(409)が付
加されている図形要素を検索しその稜線と接続する2つ
の面、面F1(406)と面F2(407)を得る。次
に2次元ー3次元リンクデータから面F1(406)と
面F2(407)を投影した2次元図形401、402
を求める。
【0090】図21は、上記により求めた2次元図形4
01と402の間に2次元のフィレット処理を施し、フ
ィレット部分410を生成したことを示すものである。
【0091】図22および図23は上記の処理の流れを
示すフローチャートである。図22は立体稜線にフィレ
ット属性を付加するまでの処理を示し、図23はフィレ
ット属性を付加された立体の図面化処理を示している。
【0092】図22において、まず、フィレットをつけ
る対象としてユーザが入力した2本の2次元図形が、投
影した図形か否かをステップST70で問い合わせる。
次いでステップST71にて問い合わせた結果の判定を
行い、それが投影図形でなかった場合には2次元のフィ
レット処理へ分岐する。また、投影図形であった場合に
は、ステップST72で2本の線分を投影したもとの立
体の2面F1,F2を探索する。次に、ステップST7
3で、F1,F2の2つの面の両方に接続する立体の稜
線E1を求め、ステップST74にてこの稜線E1にフ
ィレット属性A1を付加する。
【0093】また、図23において属性フィレットの図
面化処理が開始されると、まず、ステップST80で各
投影面につい立体を投影し、かつ隠れ線の消去の処理を
実行する。次に、ステップST81にてこのとき投影さ
れた2次元図形をデータベースに格納するときに2次元
ー3次元リンクデータを作成する。次にステップST8
2で立体が持つ属性について属性の種類を調べ、図面化
時にあと処理が必要なものか否かを判断し、必要ないも
のの場合は次の属性へ処理を移す。一方、あと処理が必
要であれば以下の処理を実行する。こごては、あと処理
が必要なものの中のフィレット属性の場合について示し
ている。すなわち、ステップST83において属性の付
属する稜線E1を探索し、ステップST84で立体の形
状要素関係をたどることにより、稜線E1が接続する2
面F1、F2を求める。次に、ステップST85にて2
次元ー3次元リンクデータから2面F1、F2を投影し
た2次元図形を得る。ステップST86では投影図形の
有無を調べ、2面F1、F2のうちの一方でも投影した
2次元図形を持たない場合は次の属性に移る。2面F
1、F2とも投影図形を持つ場合には、ステップST8
7にてその2次元の投影図形401、402に対して2
次元のフィレット図形処理を行う。
【0094】以上の処理により立体形状の幾何データと
して詳細形状を作成することなく、2次元図形について
詳細形状を施すことができ、総合的にデータ量を削減す
ることができる。
【0095】このように、フィレットやチャンファなど
の細部形状を3次元の立体のエッジの属性データとして
有しているので、フィレットやチャンファを3次元形状
処理として扱わないですむため、データ量および形状処
理の処理量が削減されて、システムの負荷を軽減するこ
とができ、さらに、ユーザが詳細形状を変更しようとす
る場合にはこの属性データの変更のみを行えばよく、細
部形状を削除して元の形状を復元ようとする場合にはこ
の属性データの削除を行うだけで簡単に実現することが
できる。また、3次元の立体から2次元投影図を作成す
る図面化の段階で、上記細部形状の2次元投影図形にふ
さわしい2次元図形に展開しているので、形状表現で必
要となるボカシ線分の図面化も簡単に行うことができ
る。すなわち、立体を投影した2次元図形に対して2次
元レベルで図形処理を行うことによって容易にボカシ線
を表現することができる。
【0096】実施例6.次に、この発明の実施例6を図
について説明する。ここで、この実施例6は請求項6に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、前述のように、図面
化処理部20は、2次元投影図の修正情報に対応させ
て、3次元の立体のエッジに投影属性を付与し、3次元
の立体から2次元投影図を作成する図面化の段階で、投
影属性に従って2次元の図形を作成する作成手段の機能
も実現している。
【0097】すなわち、2次元図形要素の修正を行った
場合、処理対象が2次元作図図形の場合には、2次元作
図処理により2次元作図図形を修正し、処理対象が2次
元投影図形の場合には、2次元投影図形要素に関連する
3次元の立体の形状要素と2次元図形の修正内容とか
ら、2次元図形の修正が意図する3次元の立体の修正を
決定して、その3次元の立体の修正を実現する処理手順
を求めて実行するとともに、図面に再投影させた場合に
もユーザの指示した2次元の修正を満たすように2次元
図形の処理手順を求めて実行する。図面化処理部20に
おいては、図面に再投影させた場合にもユーザの指示し
た2次元の修正を満たすように2次元図形の処理手順を
求めて実行するようにするため、3次元形状の全てに形
状要素を投影するのではなく、その投影属性に従って、
一部の形状要素については投影を行わずにユーザの作図
した図形の方を優先させている。
【0098】以下、図24〜図37を用いて詳細に説明
する。ここで、この図24〜図37は実施例6を説明す
るための説明図であり、3次元形状を投影して得られた
2次元投影図形に対して、その一部の図形要素を2次元
の編集コマンドで修正した場合の処理方法を示してい
る。図24における501は投影対象である3次元形状
を表しており、図25における502は3次元形状50
1を投影して得られた2次元投影図形を表している。ま
た、図24における503および504は3次元形状5
01の稜線を、図25における505および506は稜
線503および504を投影して得られた2次元投影図
形要素をそれぞれ表している。図26はこの3次元形状
501と2次元投影図形502との間の対応関係を管理
している2次元−3次元リンクデータ21の一部を示し
たもので、本例では、3次元形状501中の稜線503
および504を投影して、2次元投影図形要素505お
よび506がそれぞれ得られたことが記録されている。
【0099】今、ユーザーが、2次元の編集コマンドを
用いて、2次元投影図形502の一部の図形要素を修正
したとする。修正方法としては、図形要素の削除、分
割、トリム、コーナー部のフィレットづけ、などがあ
る。以下、それぞれの修正操作に対して、2次元3次元
統合図形処理部15にて行なわれる個別処理について説
明する。
【0100】図27は2次元投影図形502の2次元投
影図形要素505を削除する操作を示している。このと
き、2次元3次元統合図形処理部15は、削除対象とな
った2次元投影図形要素505に対応する、3次元形状
501の稜線503に対する投影制御フラグを非投影モ
ードに設定する。その結果、2次元−3次元リンクデー
タ21は図28に示した内容に変更される。
【0101】また、図29は2次元投影図形502の2
次元投影図形要素505を2次元投影図形要素505と
507に分割する操作を示している。このとき、2次元
3次元統合図形処理部15は、まず、分割対象となった
2次元投影図形要素505に対応する3次元形状501
の稜線503を、図30に示すように分割して稜線50
3と508とに分け、2次元投影図形要素507と稜線
508との間のリンクデータを新たなエントリーとして
登録する。その際、稜線508に対する投影制御フラグ
は投影モードのままにしておく。その結果、2次元−3
次元リンクデータ21は図31に示した内容に変更され
る。
【0102】また、図32は2次元投影図形要素505
の一部をトリムする操作を示している。このとき、2次
元3次元統合図形処理部15は、まず、トリム対象とな
った2次元投影図形要素505に対応する稜線503
を、図33に示すように分割して稜線503と509に
分ける。さらに、稜線509に対するリンクデータのエ
ントリーを作成登録し、その投影制御フラグを非投影モ
ードに設定する。その際、稜線509に対応する2次元
投影図形要素のフィールドは空欄のままにしておく。そ
の結果、2次元−3次元リンクデータ21は図34に示
した内容に変更される。
【0103】また、図35は2次元投影図形要素505
と506との間にフィレット図形510を作成する操作
を示している。このとき、2次元3次元統合図形処理部
15は、まず、2次元投影図形要素505および506
に対応する稜線503および504を図36に示すよう
に分割して、それぞれ、稜線503と511、および稜
線504と512に分ける。さらに、稜線511および
512に対するリンクデータのエントリーを作成登録
し、それらの投影制御フラグを非投影モードに設定す
る。その際、稜線511および512のそれぞれに対応
する投影図形要素のフィールドは空欄のままにしてお
く。その結果、2次元3次元リンクデータは図37に示
した内容に変更される。2次元のフィレット図形は2次
元作図図形として生成される。
【0104】以上の個別処理を行なったのち、図面化処
理部20は各3次元形状要素の投影制御フラグの値にし
たがって投影図を再生成もしくは更新する。この時、投
影制御フラグが投影モードになっている要素についての
み投影処理を行ない、非投影モードになっているものに
ついては投影を省略する。このような処理によって、3
次元形状および2次元投影図形との対応関係を維持した
まま、2次元投影図形に対する操作を何ら制限なく行な
うことが可能となり、より高度な作図を行なうことがで
きる。
【0105】このように、2次元投影図の変更をユーザ
の意図に合わせて3次元の立体形状および2次元図形処
理に加工しているため、ユーザが3次元の立体形状に合
わせて2次元の投影図と操作を検討する手間をなくすこ
とができ、また2次元投影図形の操作を限定することも
なくなる。すなわち、2次元図形操作では線分や円弧と
いった図形要素単位で細かく移動や変形などの操作が可
能であが、3次元形状操作ではそうした細かな単位での
操作は一般に許されていない。このように、3次元形状
操作の方が2次元図形操作よりも制約が強いため、全て
の2次元図形操作に対応して3次元形状操作が存在する
わけではなく、従って、2次元投影図形に対する操作
は、対応する3次元形状操作が存在する範囲内に限定さ
れてしまう。そのため、投影属性に従って2次元の図形
を作成する作成手段を設け、2次元投影図形に対する操
作に関して、通常の2次元作図図形に対する操作と同じ
自由度の操作を実現することでそうした制約を解消し、
また、ユーザが、これから行おうとしている操作がはた
して実行可能かどうか悩んだり、意図する3次元形状操
作を導くような2次元図形操作を頭の中で組み立てたり
するといった必要もなくしている。
【0106】実施例7.次に、この発明の実施例7を図
について説明する。ここで、この実施例7は請求項7に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、前述のように、2次
元3次元統合図形処理部15は、2次元投影図形の要素
と2次元作図図形の要素との接続情報を用いて、2次元
投影図形の要素の修正に連動した2次元作図図形の要素
の修正を行う要素修正手段の機能も実現している。
【0107】すなわち、ユーザが作図した2次元作図図
形の要素と3次元の立体を投影して作図された2次元投
影図形の要素との接続関係を考慮することにより、2次
元投影図形の要素の更新に従って2次元作図図形の要素
の移動や変形を行うようにしたものである。2次元3次
元統合図形処理部15においては、2次元投影図形要素
の更新に従って2次元作図図形要素の移動や変形を行う
ため、2次元投影図形要素と2次元作図図形要素との間
の接続関係の検出と、接続関係の維持に必要な2次元作
図図形要素に対する移動量や変形量などの修正パラメー
タを算出し、その修正パラメータに従った2次元作図図
形要素に対する実際の修正を実行している。
【0108】以下、図38〜図41を用いて詳細に説明
する。ここで、この図38〜図41は実施例7を説明す
るための説明図であり、3次元形状を投影して得られた
2次元投影図形とユーザーにより直接作図された2次元
作図図形との間の接続情報を用いることで、2次元投影
図形の修正に連動した2次元作図図形の修正を行なう場
合の処理方法を示している。図38における601は投
影対象である3次元形状を表しており、図39における
602、603、604は3次元形状601を正面図、
上面図、側面図の各投影方向に投影して得られた2次元
投影図形を表している。また、図39における605お
よび606は2次元投影図形602の構成図形要素であ
り、607および608はユーザーによって直接作図さ
れた2次元作図図形を構成している図形要素である。こ
の例おいては、2次元作図図形要素607および608
は互いに直交し、他方の端部で2次元投影図形602の
構成図形要素605および606にそれぞれ接続するよ
うに作図されている。
【0109】今、ユーザーが、2次元投影図形602の
修正により3次元形状601を図40に610で示す3
次元形状に変形したとする。その結果、2次元投影図形
602、603、604のそれぞれは図面化処理部20
により、変形後の3次元形状601に基づいて、図41
に612、613、614で示される2次元投影図形に
更新される。
【0110】この図面更新処理に先立ち、2次元3次元
統合図形処理部15は、まず、図面上で端部が2次元投
影図形に接続しているような2次元作図図形とその接続
先の2次元投影図形を抽出しておく。これは、例えば、
2次元作図図形の各図形要素の端部から2次元投影図形
の各図形要素への距離を計算し、指定の許容範囲内にあ
るものを接続しているものとすることにより行なう。
【0111】このようにして抽出された2次元作図図形
に対して、上記図面更新処理後、2次元3次元統合図形
処理部15は、2次元作図図形が更新前に接続していた
2次元投影図形要素に図面更新後も接続しているかどう
かを調べる。図面更新後に接続しなくなった2次元作図
図形要素があれば、それを平行移動、回転、トリム、延
長、あるいはそれらを組み合わせた変形操作によって再
接続することがが可能かどうかを判断する。可能と判断
した場合は、求められた変形操作を当該図形要素に適用
して2次元作図図形を修正する。この実施例7では、2
次元作図図形要素607および608を平行移動するこ
とにより、2次元投影図形612の構成図形要素615
および616にそれぞれ再接続が可能であるため、平行
移動操作をそれらの図形要素に適用している。
【0112】以上のような処理により、最終的に、図面
は図41に示した形となり、2次元投影図形の修正に連
動した2次元作図図形の修正が実現される。これによ
り、2次元作図図形と2次元投影図形との整合性のチェ
ックや、2次元作図図形の移動操作をなくし、作図作業
の効率を向上させることができる。
【0113】このように、2次元投影図形に接続して2
次元作図図形を描き足した場合、それは2次元投影図形
と密接に関連した図形であることを意味しており、両者
は互いに連動して操作される必要があるが、この場合に
は、3次元の立体の修正による2次元投影図形の変更に
連動して、ユーザが作図した2次元作図図形を修正する
ことで、ユーザがあらためて2次元作図図形の修正操作
をする必要性をなくしている。
【0114】実施例8.次に、この発明の実施例8を図
について説明する。ここで、この実施例8は請求項8に
記載した発明の一実施例であり、この2次元3次元統合
型CADシステムも、図1のブロック図に示す構成のシ
ステムによって実現される。なお、前述のように、2次
元変更〜3次元変更変換処理部17は、2次元投影図形
の要素と2次元作図図形の要素との接続情報を用いて、
2次元作図図形の要素を3次元形状の修正要素に変換す
る変換手段の機能を実現している。
【0115】すなわち、実施例6で説明したシステムに
よってあらかじめ輪郭が開いた状態となった2次元投影
図形に接続するように、ユーザが2次元作図図形を描き
足した場合に、2次元3次元統合図形処理部15によっ
てその接続関係が検出され、そのような2次元作図図形
の追加が3次元形状に対する修正を意図したものである
と判断されると、2次元3次元統合図形処理部15から
2次元変更〜3次元変更変換処理部17を呼び出して、
対応する3次元形状の修正操作(例えばローカルオペレ
ーション)に変換することにより、ユーザの作図図形を
立体の修正操作とし、ユーザが複雑な3次元操作を意識
するすることなく3次元形状の処理ができるようにして
いる。
【0116】以下、図42〜図46を用いて詳細に説明
する。ここで、この図42〜図46は実施例8を説明す
るための説明図であり、3次元形状を投影して得られた
2次元投影図形とユーザーによって直接作図された2次
元作図図形との間の接続情報を用いて、2次元作図図形
を3次元形状の修正要素に変換する処理方法を示してい
る。図42において、701は投影対象である3次元形
状を表しており、702は3次元形状701を立体の正
面図方向に投影して得られた2次元投影図形を表してい
る。ここで、3次元形状701中の稜線703、70
4、705、706は、2次元投影図形702の図形要
素707、708、709、710にそれぞれ対応して
おり、それらの対応関係が2次元−3次元リンクデータ
21中に管理されている。
【0117】今、図43に示すように、分割操作および
削除操作によってユーザーが2次元投影図形702のあ
る図形要素、例えば図形要素707を2つの図形要素7
07と711とに分離したとする。2次元3次元統合図
形処理部15は、例えば実施例6に述べたような方法を
用いて、図形要素707に対応する3次元形状701の
稜線703を、図44に示すように分割して稜線70
3、712および713の3つに分ける。そして、稜線
712についてはその投影制御フラグを非投影モードに
設定することで、3次元形状701と2次元投影図形7
02との対応関係をとる。
【0118】このような状態において、図45に示すよ
うに、ユーザーが通常の2次元作図コマンドを用いて、
図形要素707および711に接続するように、図形要
素714、715および716を描き足したとする。こ
のとき、2次元3次元統合図形処理部15は、図形要素
714、715、716からなる2次元作図図形が2次
元投影図形702の図形要素707および711に接続
していることを検出して、図形要素707と711のそ
れぞれに対応した稜線703および713を得る。そし
て、それらの間にある稜線712の投影制御フラグが非
投影モードであるという事実から、描き足された2次元
作図図形が3次元形状701に対する修正要素であると
判断する。この判断結果にしたがい、2次元変更〜3次
元変更変換処理部17および立体形状処理部18を用い
て、同図形を空間的に引き伸ばした部分3次元形状71
7を、元の3次元形状701に付け加えることで3次元
を再構築する。最終的にこの3次元形状701は、図4
6に示すような部分3次元形状717を有する形状へと
変更される。
【0119】以上のような処理によって、ユーザーは3
次元操作を意識することなく3次元形状の修正が可能と
なり、従来から利用している2次元ベースの操作で3次
元形状を操作でき、3次元操作の修得やユーザー処理時
間を軽減でき、作図作業の効率を向上させることができ
る。
【0120】このように、2次元投影図形に接続して2
次元作図図形を描きたした場合、それは2次元投影図形
と密接に関連した図形であることを意味しており、両者
は互いに連動して操作される必要があるが、この場合に
は、2次元作図図形の描き足しに連動して、投影元の3
次元形状を操作することで、ユーザが複雑な3次元操作
を意識することなく3次元形状を操作できるようにして
いる。
【0121】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、3次元の立体配置を処理する処理手段を設け
て、3次元の立体の立体配置を、製図図面で表れる図形
要素やシンボル、注記などの2次元の図面データと各デ
ータの製図作法上の意味などを解釈し活用することによ
って処理するように構成したので、既に作成済みの製図
図面の情報を活用して3次元の立体配置を行うことがで
きるため、3次元配置の入力操作に必要な複数の処理や
パラメータ入力を削減でき、またユーザは従来から利用
している2次元ベースの操作で3次元の立体を操作する
ことが可能となって、3次元配置操作に要する時間を削
減することができ、作図作業の効率を向上させることが
できる2次元3次元統合型CADシステムが得られる効
果がある。
【0122】また、請求項2に記載の発明によれば、3
次元の立体配置を処理する処理手段が、当該処理を製図
規則として決められた作図技法と2次元の図面情報を活
用して行うように構成したので、製図の作図操作に従っ
て3次元の立体配置を行うことができるため、3次元配
置の入力操作に必要な複数の処理やパラメータ入力を削
減でき、またユーザは従来から利用している2次元ベー
スの操作で3次元の立体を操作することが可能となっ
て、3次元配置操作に要する時間が削減でき、作図作業
の効率を向上させることができる効果がある。
【0123】また、請求項3に記載の発明によれば、3
次元の立体の立体配置を処理する処理手段が、当該処理
を2次元図面情報と投影情報を用いて行うように構成し
たので、2次元の図形要素の状態と3次元の立体形状の
情報と投影面の情報から3次元の配置パラメータを自動
的に算出するため、パラメータ算出の時間と、3次元配
置の入力操作に必要な複数の処理やパラメータ入力を削
減でき、またユーザは投影変換の複雑な計算をする必要
がなくなって、従来から利用している2次元ベースの操
作で3次元の立体を操作することが可能となり、3次元
配置操作に要する時間が削減でき、作図作業の効率を向
上させることができる効果がある。
【0124】また、請求項4に記載の発明によれば、3
次元の立体の立体配置を処理する処理手段が、当該処理
を複数の投影図の情報と3次元の立体の形状情報を用い
て行うように構成したので、2次元の図形要素とその図
形が描かれている投影面の他の図形要素の状態と3次元
の立体形状の情報と角投影面の情報から3次元の配置パ
ラメータを自動的に算出するため、従来から利用してい
る2次元ベースの操作で3次元の立体を操作する場合で
も、3次元の配置を意識せずに立体配置操作を行うこと
が可能となり、3次元配置操作に要する時間が削減で
き、作図作業の効率を向上させることができる効果があ
る。
【0125】また、請求項5に記載の発明によれば、立
体形状の細部形状であるフィレットやチャンファなどを
3次元の立体のエッジの属性データとして有する展開手
段を設け、細部形状の2次元投影図形にふさわしい2次
元図形への展開を、3次元の立体から2次元投影図を作
成する図面化の段階で行うように構成したので、フィレ
ットやチャンファを3次元形状処理として扱う必要がな
くなり、システムの負荷を軽減することが可能となるた
め、コンピュータのレスポンスがよくなってスムーズな
CAD操作を行うことができ、また属性の変更のみで形
状を変化させたり、元の形状を復元できるために設計変
更を柔軟に行え、さらに、製図図面における形状表現で
必要となるボカシ線分の図面化が簡単に行えるために、
より品質の高い図面の自動作図が可能となるなどの効果
がある。
【0126】また、請求項6に記載の発明によれば、投
影属性に従って2次元の図形を作成する作成手段を設
け、2次元投影図形の修正情報に対応させて3次元の立
体のエッジに投影属性を付与し、3次元の立体から2次
元投影図を作成する図面化の段階で2次元の図形の作成
を行うように構成したので、2次元投影図の変更を、ユ
ーザの意図に合わせて3次元の立体形状および2次元図
形処理に加工しているため、ユーザが3次元の立体形状
に合わせて2次元の投影図と操作を検討する手間をなく
すことができ、操作の検討時間が削減でき、設計作業の
効率向上がはかれるばかりか、2次元投影図形の操作を
限定することがないため、より高度な作図作業を行える
効果がある。
【0127】また、請求項7に記載の発明によれば、2
次元作図図形要素の修正を行う要素修正手段を設けて、
2次元投影図形の要素の修正に連動した2次元作図図形
の要素の修正を、2次元投影図形の要素と2次元作図図
形の要素との接続情報を用いて行うように構成したの
で、3次元の立体の修正による2次元投影図形の変更に
連動して、ユーザが作図した2次元作図図形の修正が行
われるため、2次元作図図形の修正操作をなくすことが
可能となり、そのために2次元作図図形と2次元投影図
形との整合性のチェックや、2次元作図図形の移動操作
の時間をなくすことができ、作図作業の効率を向上させ
ることができる効果がある。
【0128】また、請求項8に記載の発明によれば、投
影属性に従って2次元の図形を作成する作成手段に加え
て、2次元作図図形要素を3次元形状の修正要素に変換
する変換手段を設け、2次元作図図形の要素から3次元
形状の修正要素への変換を、2次元投影図形の要素と2
次元作図図形の要素との接続情報を用いて行うように構
成したので、3次元形状処理の操作であるローカルオペ
レーションを2次元作図で行うことがどきるため、ユー
ザはローカルオペレーションで必要となる3次元操作を
意識することなく3次元の立体修正が可能となって、3
次元形状を従来から利用している2次元ベースの操作で
操作でき、3次元操作の修得やユーザ処理時間を軽減す
ることが可能となり、作図作業の効率を向上させること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1〜8における2次元3次
元統合型CADシステムのシステム構成を示すブロック
図である。
【図2】 この発明の実施例2における2次元図形によ
る3次元の立体配置の具体例を示す説明図である。
【図3】 上記実施例における2次元図形による3次元
の立体配置の別の具体例を示す説明図である。
【図4】 上記実施例における2次元図形による3次元
の立体配置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 上記実施例における奥行き方向の自動配置の
具体例を示す説明図である。
【図6】 上記実施例における奥行き方向の自動配置の
具体例の処理結果を示す説明図である。
【図7】 上記実施例2における奥行き方向の自動配置
の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施例3における3次元の立体配
置の具体例を示す説明図である。
【図9】 上記実施例における3次元の立体配置の処理
の流れを示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施例4における2次元図形を
用いた立体配置の2次元図面の具体例を示す説明図であ
る。
【図11】 上記実施例における2次元図形を用いた立
体配置の立体投影図の具体例を示す説明図である。
【図12】 上記実施例における2次元図形を用いた立
体配置の処理概念を示す説明図である。
【図13】 上記実施例における2次元図形を用いた立
体配置の2次元図面の別の具体例を示す説明図である。
【図14】 上記実施例における2次元図形を用いた立
体配置の立体投影図の別の具体例を示す説明図である。
【図15】 上記実施例における2次元図形を用いた立
体配置の処理概念を示す説明図である。
【図16】 上記実施例における2次元図形を用いた立
体配置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】 この発明の実施例5におけるフィレット属
性による図面処理の入力の具体例をを示す説明図であ
る。
【図18】 上記実施例におけるフィレット属性を付加
する対象の立体形状の具体例を示す説明図である。
【図19】 上記実施例におけるフィレット属性を付加
した立体形状の具体例を示す説明図である。
【図20】 上記実施例におけるフィレット属性を付加
した立体形状の2次元ー3次元リンクデータの具体例を
示す説明図である。
【図21】 上記実施例におけるフィレット属性を付加
した立体を投影した2次元図形を処理する具体例を示す
説明図である。
【図22】 上記実施例におけるフィレット属性を付加
するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】 上記実施例におけるフィレット属性を付加
した立体の図面化処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図24】 この発明の実施例6における2次元投影図
の修正操作に対する処理を説明するための説明図であ
る。
【図25】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図26】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図27】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図28】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図29】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図30】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図31】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図32】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図33】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図34】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図35】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図36】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図37】 上記実施例における2次元投影図の修正操
作に対する処理を説明するための説明図である。
【図38】 この発明の実施例7における2次元投影図
形の修正に連動して2次元作図図形を自動修正する処理
を説明するための説明図である。
【図39】 上記実施例における2次元投影図形の修正
に連動して2次元作図図形を自動修正する処理を説明す
るための説明図である。
【図40】 上記実施例における2次元投影図形の修正
に連動して2次元作図図形を自動修正する処理を説明す
るための説明図である。
【図41】 上記実施例における2次元投影図形の修正
に連動して2次元作図図形を自動修正する処理を説明す
るための説明図である。
【図42】 この発明の実施例8における2次元作図図
形を3次元形状に対する修正要素に変換する処理を説明
するための説明図である。
【図43】 上記実施例における2次元作図図形を3次
元形状に対する修正要素に変換する処理を説明するため
の説明図である。
【図44】 上記実施例における2次元作図図形を3次
元形状に対する修正要素に変換する処理を説明するため
の説明図である。
【図45】 上記実施例における2次元作図図形を3次
元形状に対する修正要素に変換する処理を説明するため
の説明図である。
【図46】 上記実施例における2次元作図図形を3次
元形状に対する修正要素に変換する処理を説明するため
の説明図である。
【図47】 従来の2次元3次元統合型CADシステム
のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 ユーザインタフェース部(入力装置、出力装
置)、12 コマンド解析処理部、13 図形表示処理
部(表示手段)、14 2次元図形処理部(作図手
段)、15 2次元3次元統合図形処理部(処理手段、
要素修正手段)、163次元処理パラメータ算出部、1
7 2次元変更〜3次元変更変換処理部(変換手段)、
18 立体形状処理部(修正手段、処理手段)、19
投影面管理データ、20 図面化処理部(投影手段、展
開手段、作成手段)、21 2次元ー3次元リンクデー
タ(関係管理手段)、22 図面データ、23 立体形
状データ(立体管理手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 田中 幸雄 (56)参考文献 特開 平1−7171(JP,A) 特開 平1−116768(JP,A) 特開 平4−275680(JP,A) 特開 昭60−163162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 622 G06F 17/50 604 G06F 17/50 624

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図面として出力装置
    の画面上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体について少なくとも移動や回
    転などの修正操作を行なう修正手段と、3次元の立体の
    立体配置を処理する処理手段とを備えており、該処理手
    段は、配置参照要素として選択した図形要素が、注記や
    シンボル、中心線、2次元図形、2次元投影図形に関係
    する図形要素であれば、投影面情報、3次元立体形状か
    ら当該図形要素に対応する適切な配置ルールを決定する
    ことで配置に関わるユーザの操作意図を特定し、当該配
    置ルールに従った立体の回転や移動のパラメータを算出
    し、前記修正手段を用いて配置処理を行なうことを特徴
    とした2次元3次元統合型CADシステム。
  2. 【請求項2】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図面として出力装置
    の画面上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体について少なくとも移動や回
    転などの修正操作を行なう修正手段と、3次元の立体の
    立体配置を処理する処理手段とを備えており、処理手段
    は、配置参照要素として選択した2次元図形要素に対し
    て、中心線など、配置に関して製図規則として決められ
    た作図技法で作図された図形要素を判断し、それら図形
    要素が属する投影図の投影情報や投影図内での同図形要
    素の位置などの図面情報に基づいて配置対象となる3次
    元の立体の回転や移動のパラメータを算出して、前記修
    正手段を用いて配置処理を行なうことを特徴とした2次
    元3次元統合型CADシステム。
  3. 【請求項3】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    しで2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図面として出力装置
    の画面上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体について少なくとも移動や回
    転などの修正操作を行なう修正手段と、3次元の立体の
    立体配置を処理する処理手段とを備えており、処理手殿
    は、配置対象となる3次元の立体の配置において、配置
    目標としていずれかの投影図で選択された2次元作図図
    形または他の立体の2次元投影図形とそれら2次元図形
    が属する投影図の投影方向などを表した投影情報とを用
    いて、配置対象の3次元の立体の投影図形が配置目標と
    して選択した2次元図形と一致するように回転や移動の
    パラメータを算出し、前言己修正手段を用いて配置処理
    を行なうことを特徴とする2次元3次元統合型CADシ
    ステム。
  4. 【請求項4】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図面として出力装置
    の画面上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体について少なくとも移動や回
    転などの修正操作を行なう修正手段と、3次元の立体の
    立体配置を処理する処理手段とを備えており、処理手段
    は、配置対象となる3次元の立体を複数の投影図のそれ
    ぞれに投影して得られている2次元投影図形と、配置目
    標としていずれかの投影図で選択された2次元作図図形
    または他の立体の2次元投影図形およびそれら配置目標
    とした2次元図形に関して他の投影図の対応する候補位
    置にある2次元図形とを比較探索して一致させることに
    より配置対象の立体の回転や移動のパラメータを算出
    し、前記修正手段を用いて配置処理を行なうことを特徴
    とする2次元3次元統合型CADシステム。
  5. 【請求項5】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図面として出力装置
    の画画上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関系を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体について少なくとも属性デー
    タの付与や削除などの修正操作を行なう修正手段と、フ
    ィレットやチャンファなどの細部穫状を属性データとし
    て表現し前記3次元の立体のエッジに付与し、これら属
    性データとして表現された細部形状を2次元投影図形に
    ふさわしい2次元図形に展開する展開手段とを備えてお
    り、投影手段は、細部形状を表す属性データが関連づけ
    られているエッジに対しては展開手段によって展開され
    た2次元図形を投影図形とすることを特徴とした2次元
    3次元統合型CADシステム。
  6. 【請求項6】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体在投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図画として出力装置
    の画面上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体に対して少なくともローカル
    オペレーション、エッジ要素の分割などの操作によって
    修正する修正手段と、前記2次元投影図形の修正要求に
    対し、対応する3次元の立体に対する修正処理内容と2
    次元図形の修正処理内容とに分別し、後者の処理の対象
    となったエッジに対して投影処理を抑制する投影属性を
    付与する生成手段とを備えており、投影手段は、投影を
    抑制する投影属性が付与されたエッジに対しては、前記
    生成手段において2次元図形の修正処理結果として得ら
    れた2次元図形を投影図形とすることを特徴とする2次
    元3次元統合型CADシステム。
  7. 【請求項7】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図面として出力装霞
    の画面上に表示する表示手段と、前記3次元の立体を
    する立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で
    得られる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間
    の関係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形
    の修正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係
    から得られる3次元の立体に対して少なくともローカル
    オペレーション、エッジ要素の分割などの操作によって
    修正する修正手段と、前記2次元投影図形の要素と2次
    元作図図形の要素との間の接続関係を表した接続情報を
    保持し、前記修正手段によって2次元投影図形の要素が
    修正された場合に接続情報に基づき連動して修正が必要
    な2次元作図図形を修正する要素修正手段とを備えた2
    次元3次元統合型CADシステム。
  8. 【請求項8】 ユーザーが入力装置を用いて2次元作図
    図形を作図するための作図手段と、3次元の立体を投影
    して2次元投影図形を作図する投影手段と、前記2次元
    作図図形と2次元投影図形を1つの図画として出力装置
    の画画上に表示する表示手段と、前記3次元の立体をす
    る立体管理手段と、前記投影手段による投影処理で得ら
    れる投影元の3次元の立体と2次元投影図形との間の関
    係を保持する関係管理手段と、前記2次元投影図形の修
    正要求に対し、前記関係管理手段で保持された関係から
    得られる3次元の立体に対して少なくともローカルオペ
    レーション、エッジ要素の分割などの操作によって修正
    する修正手段と、前記2次元投影図形の修正要求に対
    し、対応する3次元の立体に対する修正処理内容と2次
    元図形単独の修正処理内容とに分別し、後者の処理の対
    象となったエッジに対して投影処理を抑制する投影属性
    を付与する生成手段と、前記2次元投影図形の要素と2
    次元作図図形の要素との間の接続関係を表した接続情報
    を保持し、前記生成手段によって投影処理を抑制する投
    影属性が付与された2次元投影図形に接続した2次元作
    図図形を接続情報に基づいて判断し、同2次元作図図形
    を前記修正手段による修正処理に変換する変換手段とを
    備えた2次元3次元統合型CADシステム。
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