JP3329660B2 - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射装置

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃料噴
射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動二輪車やスノーモビルといっ
た小型車両のエンジンにも燃料噴射装置が広く採用され
つつある。燃料噴射装置は、エンジンの吸気管内に設置
されたインジェクタと、このインジェクタに燃料タンク
の燃料を圧送する燃料ポンプと、インジェクタの噴射弁
を開閉制御する制御手段とを備えて構成されている。
【0003】制御手段としては小型のコンピュータが用
いられることが多く、この制御手段には大気圧、エンジ
ン温度、スロットル開度、吸入空気温度、エンジン回転
数といった、燃料噴射制御に必要な各種のデータが各セ
ンサ類を通じて随時入力される。制御手段は、これらの
データをパラメータとして常に最適な空燃比を算出し、
この空燃比に見合うようにインジェクタの噴射弁を開閉
制御して燃料を噴射させる。
【0004】ところで、エンジン始動時には、インジェ
クタから噴射される燃料の全てが燃焼室に直接供給され
る訳ではなく、燃料供給通路の内壁に燃料の液膜を形成
するために一部の燃料が消費される。したがって、その
分を補償しないとエンジン始動が困難になるため、エン
ジン始動時にはインジェクタの燃料噴射量を増量させる
始動増量噴射制御を行うように制御手段がプログラムさ
れている。
【0005】例えば2サイクルエンジンの場合、上記燃
料供給通路に該当するのは吸気管やクランクケースの内
部全体となる。なお、燃料噴射量の増量は、細かい周期
で開閉するインジェクタの噴射弁の開弁時間を長く設定
することにより行われる。
【0006】図7は、2サイクルエンジンにおける始動
増量噴射制御の一例を示す線図である。この図におい
て、縦軸は燃料噴射量の総量Tiを示し、横軸は制御時
間tを示している。そして、図中の線TUがエンジンの
定常運転時に必要な燃料噴射量を表し、線TBがエンジ
ン始動時に必要な燃料噴射量の増量分を表している。こ
のTUとTBを加えたものがTiとなる。
【0007】始動増量噴射量TBの初期噴射量はエンジ
ン始動時tc0において最大値のTBAに設定され、以
後、時間の経過とともに始動増量噴射量TBは減量され
て所定の始動増量制御終了時間tcになるとゼロにな
る。この始動増量制御終了時間tcは、燃料供給通路内
における燃料液膜の形成が完了する時点に設定される。
【0008】始動増量噴射量TBの最適値は、エンジン
始動時における大気圧とエンジン温度(通常は冷却水温
度を指す)によって著しく変化する。このため、始動増
量噴射量TBを適切に定めないと、燃料増量分に過不足
が生じて混合気の空燃比が過濃(オーバーリッチ)もし
くは稀薄(オーバーリーン)な状態になり、エンジン始
動が困難になる。
【0009】したがって従来では、例えばスロットル開
度αとエンジン回転数Nからなる〔α−N〕3次元マッ
プに基づいて定められた基本始動増量噴射量TB0に、
2次元マップによって予め設定された大気圧補正係数K
pおよび冷却水温補正係数Kwを乗算することによって
基本始動増量噴射量TB0の値を補正し、この補正値を
始動増量噴射量TBとしていた。
【0010】図8中に示す実線は、低標高における大気
圧(750mmHg 前後)中で作成した冷却水温度補正係数K
wの特性を表している。ここに示すように、冷却水温度
補正係数Kwは冷却水温度Twが高まるにつれて小さく
なるので、エンジン温度が高い時程、始動増量噴射量T
Bの必要量は少なくなる。
【0011】一方、図9は大気圧Pと大気圧補正係数K
pとの関係を表している。この図に示すように、大気圧
補正係数Kpは低標高における大気圧(750mmHg 前後)
付近で1.0 、大気圧500mmHg 付近で0.5 となる。そし
て、低標高における大気圧で作成した冷却水温度補正係
数Kw(図8の実線)に、例えば大気圧500mmHg 付近に
おける大気圧補正係数Kp(= 0.5)を乗算してKw×
Kpとすると、冷却水温度補正係数Kw×Kpは図8中
に示す破線のようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大気圧
Pが変化すると、空気密度だけでなく、温度に対する燃
料の気化特性も大きく変化する。燃料は、冷却水温度T
wが同じであっても大気圧が低くなる程気化しやすくな
る。したがって、従来のように大気圧Pの高低に応じて
冷却水温度補正係数Kwに大気圧補正係数Kpを掛ける
という補正計算だけでは最適な始動増量噴射量TBを得
ることができない。
【0013】例えば、図10に示すように、大気圧500mmH
g 中において実際に要求される冷却水温度補正係数Kw
pの特性は、低標高における大気圧750mmHg 中における
冷却水温度補正係数Kwに大気圧500mmHg 中での大気圧
補正係数Kpを掛けて補正計算した値Kw×Kpに比較
して、冷却水温度10゜C以下ではリッチ側に、10゜C以上で
はリーン側に移行しており、Kw×Kpの補正値をその
まま用いて始動増量噴射量TBを算出した場合、混合気
の空燃比が冷却水温度10゜C以下で稀薄に、10゜C以上で過
濃になるのが解る。
【0014】このため、例えばスノーモビルのように低
地と高地の両方で使用される車両の場合には、高度の変
化に伴ってエンジン始動性が変化したり、エンジン不調
に陥るといった問題に繋がる。さらにこの問題は、4サ
イクルエンジンに比べて燃料供給通路の内面積が大きい
2サイクルエンジンの場合において一層深刻なものにな
る。
【0015】本発明は、この問題点を解決するためにな
されたもので、大気圧の変化に拘らず良好な始動性をも
たらすことのできるエンジンの燃料噴射装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るエンジンの燃料噴射装置は、請求項1
に記載したように、常に最適な空燃比が得られるように
インジェクタの燃料噴射量を制御し、エンジン始動時に
は燃料供給通路の内壁に燃料の液膜が形成されるまで燃
料噴射量を増量させる始動増量噴射制御を行うようにプ
ログラムされた制御手段を備えてなるエンジンの燃料噴
射装置において、上記始動増量噴射制御時における始動
増量噴射量TBを、基本始動増量噴射量TB0に冷却水
温度大気圧補正係数Kwpを乗算して求め、上記冷却水
温度大気圧補正係数Kwpを冷却水温度Twと大気圧P
からなる〔Tw−P〕3次元マップに基づいて設定する
ように上記制御手段をプログラムしたことを特徴とす
る。
【0017】このように、冷却水温度大気圧補正係数K
wpを冷却水温度Twと大気圧Pからなる〔Tw−P〕
3次元マップに基づいて設定すれば、大気圧の変化に応
じて冷却水温度大気圧補正係数Kwpも変化するので、
大気圧の変化により燃料の気化特性が変わっても始動増
量噴射量TBが最適値に設される。したがって、エンジ
ン始動時における混合気の空燃比が過濃あるいは稀薄に
なることがなく、大気圧の変化に拘らず良好な始動性を
もたらすことができる。
【0018】また、本発明に係るエンジンの燃料噴射装
置は、請求項2に記載したように、前記始動増量噴射量
TBを、基本始動増量噴射量TB0に冷却水温度大気圧
補正係数Kwpとエンジン回転数大気圧補正係数KNP
を乗算して求め、上記エンジン回転数大気圧補正係数K
NPをエンジン回転数Nと大気圧Pからなる〔N−P〕3
次元マップに基づいて設定するように上記制御手段をプ
ログラムした。
【0019】こうすれば、基本始動増量噴射量TB0
が、冷却水温度大気圧補正係数Kwpと共にエンジン回
転数大気圧補正係数KNPによっても補正され、しかもエ
ンジン回転数大気圧補正係数KNPも大気圧の変化に応じ
て最適値に設されるので、エンジン始動時における混合
気の空燃比を一段と良好に設定することができ、大気圧
の変化に拘らず一層良好な始動性がもたらされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
燃料噴射装置が自動二輪車やスノーモビル等に搭載され
る2サイクルエンジンに適用された例を示す構成図であ
る。
【0021】この燃料噴射装置1は、制御手段として小
型のコンピュータが用いたコントロールユニット2を備
えており、このコントロールユニット2に、インジェク
タ3、燃料ポンプ4といった燃料噴射機器と、大気圧セ
ンサ5、冷却水温センサ6、スロットル開度センサ7、
空気温度センサ8、電磁ピックアップコイル9といった
検出部が接続されている。
【0022】インジェクタ3は2サイクルエンジン11の
吸気管12に設けられており、コントロールユニット2か
らの駆動信号を受けて噴射弁3aが細かい周期で開閉制
御されるように構成されている。インジェクタ3には常
に燃料タンク13からの燃料が燃料ポンプ4を介して圧送
されているため、インジェクタ3の噴射弁3aが開弁す
る度に燃料が吸気管12内に噴射される。燃料噴射量の調
整は噴射弁3aの開弁時間を変化させることにより行わ
れる。
【0023】一方、大気圧センサ5は大気圧を検出して
コントロールユニット2に入力し、冷却水温センサ6は
2サイクルエンジン11のシリンダ14内を循環する冷却水
の温度をエンジン温度として検出し、コントロールユニ
ット2に入力する。さらに、スロットル開度センサ7は
吸気管12を開閉操作するスロットルバルブ15の開度を検
出してコントロールユニット2に入力し、空気温度セン
サ8は吸入空気の温度を検出してコントロールユニット
2に入力する。
【0024】他方、電磁ピックアップコイル9は、2サ
イクルエンジン11のフライホイールマグネット16に設け
られており、2サイクルエンジン11のクランク軸17の回
転数を検出してコントロールユニット2に入力するよう
に構成されている。フライホイールマグネット16は、自
動二輪車やスノーモビル等の車体全体にAC電源を供給
するとともに、コントロールユニット2と、インジェク
タ3および燃料ポンプ4の電源をまかなう。
【0025】コントロールユニット2は、上記各検出部
5〜9から入力される各種のデータをパラメータとして
常に最適な空燃比を算出し、この空燃比に見合うように
インジェクタ3の噴射弁3aを開閉操作して燃料噴射量
の制御を行う。
【0026】また、コントロールユニット2は、後述す
るように2サイクルエンジン11の始動時に燃料供給通路
の内壁に燃料の液膜が形成されるまで燃料噴射量を増量
させる始動増量噴射制御を行うようにプログラムされて
いる。ここで述べる燃料供給通路とは、吸気管12とクラ
ンクケース18の内部全体である。
【0027】さらに、コントロールユニット2は、燃料
ポンプ4を駆動制御したり、点火コイル19を介して点火
プラグ20の点火制御を行う。なお、図1において、21は
燃料のプレッシャレギュレータ、22は高速、低速エキサ
イタである。
【0028】次に、エンジン始動時に行われる始動増量
噴射制御について説明する。前に述べたように、図7中
の線TBの部分がエンジン始動時に必要な燃料噴射量の
増量分を示しており、この始動増量噴射量TBの特性が
燃料噴射装置1のコントロールユニット2によって設定
される。
【0029】図2は、コントロールユニット2にプログ
ラムされている始動増量噴射量TBを求める演算処理の
流れの第一実施形態をフローチャートで示した図であ
る。このフローチャートにおいて、各演算ステップはS
1,S2…で示される。
【0030】このフローチャートに基づいて説明する
と、まず、演算処理のスタート後、S1でスロットル開
度αとエンジン回転数Nからなる〔α−N〕3次元マッ
プから基本始動増量噴射量TB0が求められる。
【0031】次に、S2で冷却水温度大気圧補正係数K
wpが求められる。この冷却水温度大気圧補正係数Kw
pは、図3の表に示す冷却水温度Twと大気圧Pからな
る〔Tw−P〕3次元マップに基づいて設定される。K
wpは、大気圧Pが低くなる程、また冷却水温度Twが
高くなる程小さくなるように設定されている。なお、図
3に示す各冷却水温度段階および各大気圧段階の中間に
おけるKwpは補間計算等により求められる。
【0032】続いて、フローチャートのS3で冷却水温
Twとエンジン回転数Nからなる〔Tw−N〕3次元マ
ップから始動増量制御終了時間tcが求められ、さらに
S4でエンジン始動時tc0からの経過時間tsが読み
込まれる。
【0033】そして、S5で始動増量噴射量TBが算出
される。ここでの始動増量噴射量TBの計算式は、
【数1】 となり、S5が終了すると演算はリターンされる。
【0034】このように、始動増量噴射量TBは、基本
始動増量噴射量TB0に冷却水温度大気圧補正係数Kw
pを乗算して求められ、冷却水温度大気圧補正係数Kw
pは冷却水温度Twと大気圧Pからなる〔Tw−P〕3
次元マップに基づいて設定される。
【0035】こうした場合、大気圧の変化に応じて冷却
水温度大気圧補正係数Kwpも変化するので、大気圧の
変化により燃料の気化特性が変わっても始動増量噴射量
TBが最適値に設される。したがって、エンジン始動時
における混合気の空燃比が過濃あるいは稀薄になること
がなく、大気圧の変化に拘らず良好な始動性をもたらす
ことができる。
【0036】ところで、図4は、コントロールユニット
2にプログラムされている始動増量噴射量TBを求める
演算処理の流れの第二実施形態をフローチャートで示し
た図であり、その各演算ステップはS1,S2…で示さ
れる。
【0037】このフローチャートに基づいて説明する
と、まず、演算処理のスタート後、S1でスロットル開
度αとエンジン回転数Nからなる〔α−N〕3次元マッ
プから基本始動増量噴射量TB0が求められる。
【0038】次に、S2で冷却水温度大気圧補正係数K
wpが求められる。この冷却水温度大気圧補正係数Kw
pは、図5の表に示す冷却水温度Twと大気圧Pからな
る〔Tw−P〕3次元マップに基づいて設定される。
【0039】続いて、S3でエンジン回転数大気圧補正
係数KNPが求められる。このエンジン回転数大気圧補正
係数KNPは、図6の表に示すエンジン回転数Nと大気圧
Pからなる〔N−P〕3次元マップに基づいて設定され
る。KNPは、大気圧Pが低くなる程大きく、エンジン回
転数が高くなる程小さくなるように設定されている。
【0040】さらに、S4で冷却水温Twとエンジン回
転数Nからなる〔Tw−N〕3次元マップから始動増量
制御終了時間tcが求められ、S5でエンジン始動時t
c0からの経過時間tsが読み込まれる。
【0041】そして、S6で始動増量噴射量TBが算出
される。ここでの始動増量噴射量TBの計算式は、
【数2】 となり、S6が終了すると演算はリターンされる。
【0042】図5に示す3次元マップの数値は、図3に
示す3次元マップと若干異なっているが、この図5の3
次元マップは、図6に示す3次元マップと掛け合わせる
ために図3の3次元マップを補正したもので、始動増量
噴射量TBのグラフの傾向は同じになる。例えば図3の
3次元マップの数値は、図5の3次元マップの数値に、
図6の3次元マップにおけるエンジン回転数2000rpm 以
下の大気圧補正を乗算した数値と同じである。
【0043】大気圧補正係数は、冷却水温度Twによっ
て変化するが、エンジン回転数Nやスロットル開度α等
の条件によっても変化する。例えば、同一のスロットル
開度αでも、エンジン回転数Nが異なると燃料供給通路
の内壁に形成される燃料の液膜の平衡状態が異なる。
【0044】このため、この第二実施形態のように、図
6の3次元マップに基づいてエンジン回転数大気圧補正
係数KNPを設定し、このKNPを冷却水温度大気圧補正係
数Kwpに掛け合わせて始動増量噴射量TBを算出する
ことにより、基本始動増量噴射量TB0が、冷却水温度
大気圧補正係数Kwpと共にエンジン回転数大気圧補正
係数KNPによっても補正され、しかもエンジン回転数大
気圧補正係数KNPも大気圧の変化に応じて最適値に設さ
れるので、始動増量噴射量TBが最適値に設される。し
たがって、エンジン始動時における混合気の空燃比を一
段と良好に設定することができ、大気圧の変化に拘らず
一層良好な始動性がもたらされる。
【0045】こうして、大気圧の変化に拘らず良好な始
動性が得られるため、例えばスノーモビルのように低地
と高地の両方で使用される車両のエンジンにこの燃料噴
射装置1を装備することにより、エンジン不調を招くこ
となく速やかにエンジンを始動させることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエン
ジンの燃料噴射装置は、始動増量噴射制御時における始
動増量噴射量TBを、基本始動増量噴射量TB0に冷却
水温度大気圧補正係数Kwpを乗算して求め、上記冷却
水温度大気圧補正係数Kwpを冷却水温度Twと大気圧
Pからなる〔Tw−P〕3次元マップに基づいて設定す
るように制御手段をプログラムしたことを特徴とするた
め、大気圧の変化により燃料の気化特性が変わっても始
動増量噴射量TBが最適値に設される。したがって、エ
ンジン始動時における混合気の空燃比が過濃あるいは稀
薄になることがなく、大気圧の変化に拘らず良好な始動
性をもたらすことができる。
【0047】また、本発明に係るエンジンの燃料噴射装
置は、始動増量噴射量TBを、基本始動増量噴射量TB
0に冷却水温度大気圧補正係数Kwpとエンジン回転数
大気圧補正係数KNPとを乗算して求め、上記エンジン回
転数大気圧補正係数KNPをエンジン回転数Nと大気圧P
からなる〔N−P〕3次元マップに基づいて設定するよ
うに制御手段をプログラムしたので、基本始動増量噴射
量TB0が、冷却水温度大気圧補正係数Kwpと共にエ
ンジン回転数大気圧補正係数KNPによっても補正され、
しかもエンジン回転数大気圧補正係数KNPも大気圧の変
化に応じて最適値に設されるので、エンジン始動時にお
ける混合気の空燃比を一段と良好に設定することがで
き、大気圧の変化に拘らず一層良好な始動性がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射装置が自動二輪車やスノ
ーモビル等に搭載される2サイクルエンジンに適用され
た例を示す構成図。
【図2】コントロールユニットにプログラムされている
始動増量噴射量TBを求める演算処理の流れの第一実施
形態をフローチャートで示した図。
【図3】冷却水温度Twと大気圧Pからなる〔Tw−
P〕3次元マップを示す図。
【図4】コントロールユニットにプログラムされている
始動増量噴射量TBを求める演算処理の流れの第二実施
形態をフローチャートで示した図。
【図5】冷却水温度Twと大気圧Pからなる〔Tw−
P〕3次元マップを示す図。
【図6】エンジン回転数Nと大気圧Pからなる〔N−
P〕3次元マップを示す図。
【図7】2サイクルエンジンにおける始動増量噴射制御
の一例を示す線図。
【図8】低標高における大気圧(750mmHg 前後)中で作
成した冷却水温度補正係数Kwの特性を表す図。
【図9】大気圧Pと大気圧補正係数Kpとの関係を表す
図。
【図10】従来の技術の問題点を示すもので、実際の冷
却水温度補正係数Kwpと冷却水温度補正係数Kwに大
気圧500mmHg 中での大気圧補正係数Kpを掛けて補正計
算した値Kw×Kpとの比較図。
【符号の説明】
1 燃料噴射装置 2 制御手段としてのコントロールユニット 3 インジェクタ 11 2サイクルエンジン 12 燃料供給通路である吸気管 18 燃料供給通路であるクランクケース TB 始動増量噴射量 TB0 基本始動増量噴射量 Kwp 冷却水温度大気圧補正係数 Tw 冷却水温度 P 大気圧 KNP エンジン回転数大気圧補正係数 N エンジン回転数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 所村 陽一 (56)参考文献 特開 昭54−111021(JP,A) 特開 平3−175121(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/06 330 F02D 41/02 330 F02D 41/04 330

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常に最適な空燃比が得られるようにイン
    ジェクタ3の燃料噴射量を制御し、エンジン始動時には
    燃料供給通路(12,18) の内壁に燃料の液膜が形成される
    まで燃料噴射量を増量させる始動増量噴射制御を行うよ
    うにプログラムされた制御手段(2)を備えてなるエン
    ジンの燃料噴射装置において、上記始動増量噴射制御時
    における始動増量噴射量TBを、基本始動増量噴射量T
    B0に冷却水温度大気圧補正係数Kwpを乗算して求
    め、上記冷却水温度大気圧補正係数Kwpを冷却水温度
    Twと大気圧Pからなる〔Tw−P〕3次元マップに基
    づいて設定するように上記制御手段(2)をプログラム
    したことを特徴とするエンジンの燃料噴射装置1。
  2. 【請求項2】 前記始動増量噴射量TBを、基本始動増
    量噴射量TB0に冷却水温度大気圧補正係数Kwpとエ
    ンジン回転数大気圧補正係数KNPとを乗算して求め、上
    記エンジン回転数大気圧補正係数KNPをエンジン回転数
    Nと大気圧Pからなる〔N−P〕3次元マップに基づい
    て設定するように上記制御手段(2)をプログラムした
    請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置1。
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