JP3325489B2 - オレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents
オレフィン系樹脂発泡体Info
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description
フィン系樹脂発泡体に関する。
的安定性、電気絶縁性、軽量性等に優れており、建築材
料、自動車などの輸送機器の内装材、電化製品の断熱
材、包装材料、家庭日用品等に広く利用されている。上
記用途に使用される場合には難燃性が必要な場合が多
く、難燃性を向上させるために一般にはハロゲン含有化
合物が添加されている。ハロゲン含有化合物が添加され
た発泡体は難燃性に優れると共に、成形加工性や機械的
強度の低下が少ないという利点を有するが、成形加工時
や燃焼時にハロゲン含有化合物が分解して多量の腐食性
ガスが発生する恐れがあり、周辺機器に腐食を防止する
ための設備が必要であるといった問題があった。
化合物により難燃性を向上させる方法が強く要望されて
おり、様々な試みがなされている。例えば、特開平3−
269029号公報には、オレフィン系樹脂に腐食性ガ
ス発生の恐れのない水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等の水和金属酸化物を添加して難燃性を向上させ
る方法が示されている。しかし、この方法で得られる発
泡体は難燃性が十分ではなく、さらに難燃性を向上させ
るために多量の水和金属酸化物を添加すると、樹脂成分
の発泡特性が悪くなり、微細な独立気泡構造を有する外
観の良好な発泡体が得られないといった問題があった。
性及び機械的強度に優れ、かつ、外観が良好である、ハ
ロゲン含有化合物不含のオレフィン系樹脂発泡体を提供
することにある。
脂発泡体は、(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体を含
み、酢酸ビニル含有量が5〜20重量%のオレフィン系
樹脂組成物100重量部、(b)水和金属酸化物50〜
200重量部並びに(c)リン混合物5〜100重量部
よりなり、前記リン混合物(c)がポリリン酸アンモニ
ウム及び10重量%熱分解温度がポリリン酸アンモニウ
ムの10重量%熱分解温度より100℃以上低く、か
つ、150℃以上であるリン化合物が重量比で100:
1〜1:10配合されてなることを特徴とする。
物(a)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体単独又はエ
チレン−酢酸ビニル共重合体と他のオレフィン系樹脂と
の混合物である。
ビニル含有量は、多くなるとエチレン−酢酸ビニル共重
合体が常温付近で溶融状態となり、取り扱いにくくなる
ので40重量%以下が好ましい。
ビニル共重合体以外であれば特には限定されず、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチ
レン−ブテン−ジエン3元共重合体、エチレンを主成分
とするエチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げ
られ、これらは単独で使用されても2種以上併用されて
もよい。
酸ビニル含有量は、少なくなると後述する水和金属酸化
物及びリン混合物(特に水和金属酸化物)の混入が困難
になり、多くなるとオレフィン系樹脂組成物(a)の粘
着性が増大して押出成形性が低下したり、或いは、溶融
混練時に酢酸が遊離して樹脂成分が劣化したりするの
で、オレフィン系樹脂組成物(a)中5〜20重量%に
限定される。
トインデックス(以下、MIと記す)は、小さくなると
押出成形性が低下し、大きくなると得られる発泡体の耐
熱性が低下するので、1〜15g/10分が好ましい。
尚、本発明でいうMIは、ASTM D 1238に準
拠して測定したものである。
としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げら
れ、これらは単独で使用されても2種以上併用されても
よく、特に水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの
組み合わせが難燃性向上の効果が大きく好ましい。水和
金属酸化物(b)の添加量は、少なくなると得られる発
泡体の難燃性が低下し、多くなると得られる発泡体の機
械的強度が低下するので、上記オレフィン系樹脂組成物
(a)100重量部に対して50〜200重量部に限定
される。
ポリリン酸アンモニウム及び10重量%熱分解温度がポ
リリン酸アンモニウムの10重量%熱分解温度より10
0℃以上低く、かつ、150℃以上であるリン化合物か
らなる。
れているものが使用でき、その重合度は一般には200
〜1000であり、表面がメラミン−ホルムアルデヒド
共重合樹脂で被覆されたものが、流動性に優れ、粉末状
で水に難溶なので好ましい。
が上記ポリリン酸アンモニウムの10重量%熱分解温度
よりも100℃以上、好ましくは200℃以上低く、か
つ、150℃以上のものである。リン化合物とポリリン
酸アンモニウムの10重量%熱分解温度の差は、小さく
なると得られる発泡体の難燃性が低下し、リン化合物の
10重量%熱分解温度は、低くなると溶融混練時にリン
化合物が融解してしまい、溶融混練が困難となる。
約10mgの試料を空気中で10℃/分で昇温させた際
に、重量が初期値よりも10%減少する温度であり、本
発明では熱重量分析計(セイコー電子社製、商品名「T
G/DTA320」)を使用して重量を測定した。
ば、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、トリキシリルホスフェート、メチルホス
ホン酸、エチルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、
n−ブチルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、フェニ
ルホスホン酸、リン酸メラミン、ホスフィン、ホスフィ
ンオキシド或いはこれらの水和物等が挙げられ、これら
は単独で使用されても2種以上併用されてもよい。
合割合は、少なくなると得られる発泡体の難燃性が低下
し、多くなると樹脂成分の溶融粘度が増大して高発泡倍
率の発泡体が得られないので、ポリリン酸アンモニウ
ム:リン化合物が重量比で100:1〜1:10に限定
される。リン混合物(c)の添加量は、少なくなると得
られる発泡体の難燃性が低下し、多くなるとリン混合物
の分散性が低下して良好な発泡体が得られないので、上
記オレフィン系樹脂組成物(a)100重量部に対して
5〜100重量部に限定され、好ましくは10〜70重
量部である。
法としては従来公知の任意の方法が採用されてよく、例
えば、上記オレフィン系樹脂組成物(a)、水和金属酸
化物(b)及びリン混合物(c)に熱分解型発泡剤、発
泡助剤等の添加剤を添加し、単軸押出機、2軸押出機、
バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ロール等の混
練装置にて熱分解型発泡剤の分解温度未満で溶融混練し
た後、一般にはシートに成形し、電離性放射線を照射し
て架橋を施した後、熱風発泡炉等で発泡する方法が挙げ
られる。
を発生するものであり、例えば、アゾジカルボンアミ
ド、ヒドラドジカルボンアミド、ニトロソグアニジン、
p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジ
ド、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒド
ラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)、アゾビスイソブチロニトリルなどの有機系発
泡剤、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの無機
系発泡剤等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種
以上併用してもよい。熱分解型発泡剤の添加量は、少な
くなると所望の発泡倍率が得られず、多くなると巨大気
泡等が発生して均一な発泡体が得られないので、一般に
は上記オレフィン系樹脂組成物(a)100重量部に対
して15〜30重量部が好ましい。
合物、ほう砂、エタノールアミン、酸化亜鉛、脂肪酸金
属塩等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上
併用してもよい。発泡助剤の添加量は、一般には上記オ
レフィン系樹脂組成物(a)100重量部に対して0.
1〜5重量部である。
い範囲で添加されてもよく、例えば、フェノール系、リ
ン系、イオウ系、アミン系などの酸化防止剤、金属害防
止剤、充填剤、帯電防止剤、熱安定剤、架橋剤、滑剤、
軟化剤、顔料等が挙げられ、中でも充填剤として無機酸
化物を使用すると、得られる発泡体の難燃性が向上する
ので好ましい。
性の炭化層を形成し、酸素及び熱を遮断すると考えら
れ、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ
素、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、
酸化アルミニウム、酸化銅等が挙げられ、これらの酸化
数は任意である。無機酸化物の添加量は、上記リン混合
物(c)の添加量の1/1000〜1/10であるのが
好ましい。
ンワックス、モンタン酸部分ケン化エステルワックス等
が市販されている。
線、α線、β線、γ線、x線、中性子線等が挙げられ、
中でも電子線が好ましい。電離性放射線の照射量は、一
般には1〜10Mradが好ましい。
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量=1
9重量%、密度=0.94g/cm3 、MI=2.5g
/10分)、低密度ポリエチレン(密度=0.92g/
cm3 、MI=3.4g/10分)、線状低密度ポリエ
チレン(密度=0.92g/cm3 、MI=7g/10
分)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ポリ
リン酸アンモニウム(10重量%熱分解温度=560
℃、重合度=約500、ヘキスト社製、商品名「AP4
22」)、フェニルホスホン酸(10重量%熱分解温度
=315℃)、リン酸メラミン(10重量%熱分解温度
=300℃)、トリフェニルホスフィン(10重量%熱
分解温度=196℃)、ポリリン酸アミド(10重量%
熱分解温度=520℃)、アゾジカルボンアミド、酸化
亜鉛、二酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリエチレン
ワックス(滴点=100℃)及びモンタン酸部分ケン化
エステルワックス(滴点=120℃)をロールにより1
40℃で溶融混練した後、厚さ1mmのシートに140
℃でプレス成形した。得られたシートに電子線を片面3
Mradずつ両面に合計6Mrad照射して架橋した
後、240℃のオーブン中で発泡し、発泡体を得た。但
し、比較例5では、水酸化マグネシウム、ポリリン酸ア
ンモニウム及びフェニルホスホン酸の混入が非常に困難
で、シートに成形できなかった。得られた発泡体の発泡
倍率は表1に示した通りであった。
うに難燃性及び外観を評価した。 (難燃性)JIS D 1201に準拠して難燃指数を
測定し、その値を表1に示した。但し、試験片はB号を
使用した。
ラが見られなかった場合を○、発泡ムラが見られた場合
を×として、結果を表1に示した。
和金属酸化物と10重量%熱分解温度の異なるポリリン
酸アンモニウム及びリン化合物からなるリン混合物を併
用しているので難燃性に優れており、かつ、ハロゲン含
有化合物を含んでいないので、発泡体の燃焼時や加工時
に腐食性ガス発生の恐れがない。また、添加剤による発
泡体の機械的強度の低下が少なく、添加剤が樹脂に均一
に分散するので気泡が均一で外観が良好である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体を
含み、酢酸ビニル含有量が5〜20重量%のオレフィン
系樹脂組成物100重量部、(b)水和金属酸化物50
〜200重量部並びに(c)リン混合物5〜100重量
部よりなり、前記リン混合物(c)がポリリン酸アンモ
ニウム及び10重量%熱分解温度がポリリン酸アンモニ
ウムの10重量%熱分解温度より100℃以上低く、か
つ、150℃以上であるリン化合物が重量比で100:
1〜1:10配合されてなることを特徴とするオレフィ
ン系樹脂発泡体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9593897A JP3325489B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | オレフィン系樹脂発泡体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9593897A JP3325489B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | オレフィン系樹脂発泡体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10287761A JPH10287761A (ja) | 1998-10-27 |
JP3325489B2 true JP3325489B2 (ja) | 2002-09-17 |
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ID=14151218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9593897A Expired - Fee Related JP3325489B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | オレフィン系樹脂発泡体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3325489B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN112771105B (zh) * | 2018-09-28 | 2022-09-20 | 积水化学工业株式会社 | 聚烯烃系树脂发泡体片 |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP9593897A patent/JP3325489B2/ja not_active Expired - Fee Related
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