JP2008101150A - 耐熱難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

耐熱難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】薄物であっても高難燃性及び高耐熱性を有し、機械的特性及び柔軟性に優れるポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】X群の成分(A)〜(E)を含み、前記無機フィラー(C)がY群の成分(1)〜(3)のうち、少なくとも1以上を含むポリオレフィン系樹脂組成物。[X群](A)ポリオレフィン系樹脂:100重量部(B)酸変性樹脂:19〜57重量部(C)平均粒径が0.5〜10μmの無機フィラー:20〜63重量部(D)平均粒径が1〜20μmの赤燐:3〜21重量部(E)平均粒径が0.5〜15μmのトリアジン系化合物:5〜25重量部[Y群](1)金属水酸化物(2)塩基を分子構造に持つフィラー(3)塩基性化合物で表面が覆われたフィラー
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品に関する。
自動車用電装材、情報機器、家電用ケーブル及び建材等の用途の材料には使用部位によっては耐熱性及び難燃性が必要とされる。従来、これら用途の材料には、難燃性、耐熱性、機械的特性及び柔軟性が優れていることから塩化ビニル系材料が使用されていた。
しかし、近年の地球環境に対する意識の高まりから、塩化ビニル系材料の燃焼時における塩化水素等の有毒ガスの発生、及び塩化ビニル系材料に含まれる可塑剤等が問題視されている。
上記の理由から、塩化ビニル系材料よりも環境負荷が小さい材料の開発が活発化している。
そのような中、塩化ビニル系材料に替わる環境負荷が小さい材料として、ポリオレフィン系材料が注目されている。
上記ポリオレフィン系材料としては、ポリプロピレン(PP)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニルアクリレート共重合体(EVA)等の樹脂にリン酸塩系難燃剤や金属水酸化物を添加し難燃性を付与した材料が挙げられる。
しかし、リン酸塩系難燃剤を使用する場合、厚物(2.0mmt以上)では難燃性に効果を発揮するが、薄物(0.2mmt以下)には効果が無い。一方、金属水酸化物を使用する場合、大量に添加したとしても機械的物性の低下が著しいうえ、薄物での高難燃化は難しい。
薄物でも不燃レベルを達成するような高難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物として、特許文献1にはPP系樹脂に赤燐、膨張黒鉛及び金属水酸化物を複合化した組成物を開示している。しかし、膨張黒鉛は熱安定性が十分でなく、製品加工や二次加工する際に発泡する恐れがあった。また、粒径が大きいため、物性の大幅低下及びフィルム外観の悪化等の問題点があった。
特許文献2には、薄物でも不燃レベルを達成し、機械的物性も良好なオレフィン系樹脂組成物として、EEAやEVA等のエチレン系樹脂に種々の難燃剤(赤燐とメラミンシアヌレ−ト)を複合化した組成物が開示されている。
しかし、上記EEAやEVA等のエチレン系樹脂は、140〜150℃になると収縮や著しい変形が発生する等の耐熱性不足の問題がある。またPP系樹脂に比べ、製品加工や二次加工する際の熱安定性が十分でなく、熱劣化及び分解物による金型の腐食の恐れがあった。
上記課題を解決するため、上述のエチレン系樹脂より耐熱性が良好なPP系樹脂をベースに用い、赤燐、メラミンシアヌレ−ト及び金属水酸化物を添加した組成物が特許文献3に開示されている。しかし、当該組成物は、150℃以上になると収縮及び著しい熱変形が起こり、耐熱性が十分でなかった。
PP系樹脂をベースにした組成物にフィラーを大量に添加することで、上記収縮及び著しい熱変形を防ぐことができるが、機械的特性を大きく低下させてしまうという欠点がある。
また、PP系樹脂をベースにした組成物に架橋補助剤を混合し、電子線照射して化学架橋させることで組成物の耐熱性を向上できるが、特別な設備が必要なことや生産性低下の問題があった。
従って、上記問題を解決する高難燃性、高耐熱性、柔軟性、機械的特性等に優れた材料が切望されている。
特開平06−25485号公報 特開平06−184330号公報 特開平06−157820号公報
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、薄物であっても高難燃性及び高耐熱性を有し、機械的特性(伸び、引張り強度等)及び柔軟性に優れるポリオレフィン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、ポリオレフィン系樹脂にトリアジン系化合物、赤燐、フィラー及び酸変性樹脂を適量溶融混練することで、薄物であっても高難燃性や高耐熱性を発現し、機械的特性及び柔軟性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を見出した。
本発明によれば、以下のポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品が提供される。
1.X群の成分(A)〜(E)を含み、前記無機フィラー(C)がY群の成分(1)〜(3)のうち、少なくとも1以上を含むポリオレフィン系樹脂組成物。
[X群]
(A)ポリオレフィン系樹脂:100重量部
(B)酸変性樹脂:19〜57重量部
(C)平均粒径が0.5〜10μmの無機フィラー:20〜63重量部
(D)平均粒径が1〜20μmの赤燐:3〜21重量部
(E)平均粒径が0.5〜15μmのトリアジン系化合物:5〜25重量部
[Y群]
(1)金属水酸化物
(2)塩基を分子構造に持つフィラー
(3)塩基性化合物で表面が覆われたフィラー
2.前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kgで測定したメルトフローレイトが0.5〜50g/10分、及び常温キシレン可溶成分の割合が30〜90重量%である1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
3.前記酸変性樹脂(B)が、JIS K7210に準拠して230℃、2.16Kgで測定したメルトフローレイトが0.5〜50g/10分、及び常温キシレン可溶成分の割合が30〜100重量%であるポリオレフィンを、無水カルボン酸、ジカルボン酸、又はモノカルボン酸で変性した酸変性樹脂である、1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
4.前記酸変性樹脂(B)のグラフト量が、0.1〜5.5wt%である1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
5.前記金属水酸化物(1)が、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
6.前記赤燐(D)の赤燐分が92%以上である1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
7.前記トリアジン系化合物(E)がメラミン誘導体である1〜6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
8.前記メラミン誘導体が、メラミンシアヌレート、ベンゾグアナミン、燐酸メラミン及びポリ燐酸メラミンからなる群から選択される1以上の化合物である7に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
9.1〜8いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて成形してなる成形品。
本発明によれば、薄物であっても高難燃性及び高耐熱性を有し、機械的特性(伸び、引張り強度等)及び柔軟性に優れるポリオレフィン系樹脂組成物が提供できる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、X群の成分(A)〜(E)を含み、無機フィラー(C)がY群の成分(1)〜(3)のうち、少なくとも1以上を含む。
[X群]
(A)ポリオレフィン系樹脂:100重量部
(B)酸変性樹脂:19〜57重量部
(C)平均粒径が0.5〜10μmの無機フィラー:20〜63重量部
(D)平均粒径が1〜20μmの赤燐:3〜21重量部
(E)平均粒径が0.5〜15μmのトリアジン系化合物:5〜25重量部
[Y群]
(1)金属水酸化物
(2)塩基を分子構造に持つフィラー
(3)塩基性化合物で表面が覆われたフィラー
ポリオレフィン系樹脂(A)としては、例えばホモPP、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとαオレフィンとのランダム共重合体等のランダムPP、プロピレンとエチレンとのブロック共重合体、プロピレンとαオレフィンとのブロック共重合体等のブロックPP、プロピレンとエチレンとのランダムブロック共重合体、プロピレンとαオレフィンとのランダムブロック共重合体等のランダムブロックPP、PP系熱可塑性エラストマー(TPO)等を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記以外にポリオレフィン系樹脂(A)としては、樹脂を2種以上を混合して使用する場合として、高結晶性成分を含むPP系樹脂(例えばホモPP、ブロックPP、ランダムブロックPP等)に、エチレンオクテン共重合体(EOR)、エチレンブテン共重合体(EBR)等のエチレン−αオレフィン共重合体、及びアタクチックPP等の軟質ポリオレフィンを1種類以上混合してなる組成物が使用できる。
尚、機械特性及び加工性の観点から、好ましくはPP系熱可塑性エラストマー(TPO)を単独で使用する。
ポリオレフィン系樹脂(A)は、好ましくはJIS K7210に準拠して230℃、2.16kgで測定したメルトフローレイト(以下、MFRという)が0.5〜50g/10分である。
MFRが0.5g/10分より小さいと、粘度が高く、かつ、主成分であるため、他の成分、即ち、後述する(B)、(C)、(D)及び(E)成分の添加により粘度がさらに上昇し、溶融混練する際に押出機への負荷が高くなり、混練ができないおそれがある。また、発熱が激しくなり、樹脂劣化に繋がるおそれがある。この樹脂劣化は、製品の機械的特性を大きく損ね、分解物による外観不良やベタツキの問題にも繋がる。
一方、MFRが50g/10分より大きいと、ポリオレフィン系樹脂(A)自体の伸び、引張り強度等の機械的特性が低下するため、製品の機械的特性が損なわれるおそれがある。
ポリオレフィン系樹脂(A)は、好ましくは常温キシレン可溶成分の割合が30〜90重量%であり、より好ましくは50〜80重量%である。上記常温キシレン可溶成分とは、結晶性が低い成分を意味する。
常温キシレン可溶成分の割合が30重量%未満では、柔軟性が不足し、製品としての風合いが損なわれる。一方、常温キシレン可溶成分の割合が90重量%を超えると、高温結晶成分が非常に少なく、耐熱性が十分でない。また、柔軟性が高すぎるため、ポリオレフィン系樹脂(A)の引張り強度等の機械的特性が低下するため、製品の機械的特性及び耐熱性が損なわれるおそれがある。また、低結晶成分が多すぎるため、カレンダー成形の際の可塑化工程等で、溶融樹脂がロール等に付着するといった問題が発生する。
ポリオレフィン系樹脂(A)は、市販のポリプロピレン(PP)を使用することができる。具体的な例としては、株式会社プライムポリマー製のプライムTPO(R110E、R110MP、M142E等)、サンアロマー株式会社製のキャタロイ各種、三菱化学株式会社製のゼラス各種等がある。
高結晶性成分を含むPP系樹脂(例えばホモPP、ブロックPP、ランダムブロックPP等)にエチレン−αオレフィン共重合体を混合して用いる場合の具体例としては、結晶性PPである株式会社プライムポリマー製のランダムPP(F744NP)に、エチレン−αオレフィン共重合体である三井化学株式会社製のタフマーAH及び/又はダウケミカル日本株式会社製のエンゲージを混合したもの等がある。
酸変性樹脂(B)は、酸を用いて変性させた樹脂であり、主鎖に酸基がグラフト結合している。
図1は酸変性樹脂(B)、無機フィラー(C)及びポリオレフィン系樹脂(A)が擬似巨大分岐構造体を形成している本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の概念図である。酸変性樹脂10の酸基12が、後述する塩基を分子構造に持つ無機フィラー20又は塩基性化合物で表面が覆われた無機フィラー20と反応し、複数の酸変性樹脂10が無機フィラー20を中心に結合し、擬似巨大分岐構造体を形成する。さらに、上記擬似巨大分岐構造体中の高分子鎖(酸変性樹脂10)とポリオレフィン系樹脂30とが絡み合い、さらなる巨大分岐構造体を形成する。巨大分岐構造体を形成することにより高温時の変形緩和が抑制されるため、耐熱性が向上すると考えられる。
酸変性樹脂のベースとなる樹脂(酸変性ベース樹脂)としては、各種PP、TPO、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体及びSEBS等のスチレン系エラストマーが挙げられる。製品がより高い柔軟性を必要とする場合は、好ましくはTPO又はエチレン−α−オレフィン系共重体であり、より高い耐熱性を必要とする場合は、好ましくは各種PP、TPO又はプロピレン−α−オレフィン共重合体である。また、上記ポリオレフィン系樹脂(A)との親和性を考慮すると、好ましくはPP又はTPOである。総合的な観点から、最も好ましくはTPOである。
変性に用いる酸として、例えば、種々のカルボン酸、ジカルボン酸又はジカルボン酸無水物が好ましい。具体的には、酢酸、アクリル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、2−ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソニコチン酸、2−フロ酸、ギ酸、プロピオン酸、プロピオル酸、酪酸、イソ酪酸、メタクリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ケイ皮酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、アセト酢酸、ベンジル酸、アントラニル酸、エチレンジアミン四酢酸、イタコン酸等が挙げられる。
酸変性樹脂の製造法としては、特開平4−132711号公報、特開平8−143739号公報、特開2002−20560号公報、特開平7−316239号公報、特開平08−127697号公報、特開平07−232324号公報、特開2004−99736号公報等に記載の公知の方法を使用することができ、過酸化物と共に変性種を押出変性する方法やポリマー重合時に変性する方法が有効である。
例えば、有機過酸化物、マレイン酸及び酸変性ベース樹脂を溶媒中で反応させる(溶液法)、有機過酸化物、マレイン酸及び酸変性ベース樹脂を溶融混練する(溶融法)、熱分解した酸変性ベース樹脂にマレイン酸を反応させる(熱分解法)等が使用できる。溶液法は、溶媒と副反応を起こしやすく残留有機溶媒が残りやすい、また、熱分解法は、分子量分布が広くなりすぎるため、溶融法が好ましい。
酸変性樹脂(B)の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して19〜57重量部である。添加量が19重量部未満では、酸変性樹脂(B)と後述する無機フィラー(C)との反応が不十分となり、製品の引張り強度、耐熱性及び耐摩耗性等の機械的特性が十分に得られない。一方、添加量が57重量部を超える場合、酸変性樹脂(B)と無機フィラー(C)との反応が過剰となり、溶融樹脂の粘度が極度に増加する。高粘度の溶融樹脂を強混練すると、発熱が激しくなり、樹脂劣化に繋がるおそれがある。この樹脂劣化は、製品の機械的特性を大きく損ね、分解物による外観不良やベタツキの問題にも繋がる。
酸変性樹脂(B)は、好ましくはJIS K7210に準拠して230℃、2.16Kgで測定したメルトフローレイトが0.5〜50g/10分、且つ常温キシレン可溶成分の割合が30〜100重量%であるポリオレフィンを、無水カルボン酸、ジカルボン酸、又はカルボン酸で変性した酸変性樹脂である。酸変性樹脂(B)の常温キシレン可溶成分の割合が30重量%未満では、柔軟性が不足し、製品としての風合いが損なわれる。
酸変性樹脂(B)のグラフト量は好ましくは、0.1〜5.5wt%である。グラフト量とは、酸変性樹脂中に含まれるグラフト変性物の量を指す。
グラフト量が0.1wt%未満の場合、後述する無機フィラー(C)との反応が不十分となり、製品の引張り強度、耐熱性及び耐摩耗性等の機械的特性が十分に得られないおそれがある。一方、グラフト量が5.5wt%を超える場合、酸変性樹脂(B)の分子量が小さいため、酸変性樹脂(B)自体の伸び、引張り強度等の機械的特性が低下するため、製品の機械的特性が損なわれるおそれがある。また、酸変性樹脂(B)と無機フィラー(C)との反応が過剰となり、発熱が激しくなり、樹脂劣化に繋がるおそれがある。この樹脂劣化は、製品の機械的特性を大きく損ね、分解物による外観不良やベタツキの問題にも繋がる。
無機フィラー(C)は、平均粒径(レーザー回折法における累積分布50%の粒径)が0.5〜10μmであり、好ましくは0.6〜5.0μmである。平均粒径が0.5μm未満では、混練機での分散化が難しく、均一分散性に欠き、製品の物性低下や外観不良に繋がるおそれがある。一方、平均粒径が10μmを超える場合、分散は容易であるが、製品の引張り伸びや衝撃特性等の機械的特性の低下及び外観不良に繋がるおそれがある。
無機フィラー(C)の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して20〜63重量部である。添加量が20重量部未満では酸変性樹脂(B)との反応が不十分となり、製品の引張り強度、耐熱性及び耐摩耗性等の機械的特性が十分に得られない。一方、添加量が63重量%を超える場合は、上記酸変性樹脂(B)との反応が過剰となり、溶融樹脂の粘度が極度に増加する。高粘度の溶融樹脂を強混練すると、発熱が激しくなり、樹脂劣化に繋がるおそれがある。この樹脂劣化は、製品の機械的特性を大きく損ね、分解物による外観不良やベタツキの問題にも繋がる。
無機フィラー(C)は、下記(1)〜(3)のうち、少なくとも1以上を含む。
(1)金属水酸化物
(2)塩基を分子構造に持つフィラー
(3)塩基性化合物で表面が覆われたフィラー
金属水酸化物(1)としては、コストと性能面、及び難燃効果の観点から、好ましくは水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである。本発明のポリオレフィン系組成物は、混練時の樹脂温度が高くなるため、より好ましくは水酸化マグネシウムである。
尚、水酸化マグネシウムは天然の水酸化マグネシウムを粉砕した天然品と海水や天然の原石等を原料に化学的な処理を施して得られる合成品とがあるが、要求される性能に応じて使い分ければよく、いずれを使用しても構わない。
合成品の水酸化マグネシウムの具体的な例としては、協和化学工業株式会社製のキスマシリーズ(5A、5AL、5N等)、アルベマール株式会社のマグニフィンシリーズ(5HV、5MV、10MV等)、ブロモケム・ファーイースト株式会社製のFR20−120D−S7、神島化学工業株式会社製のマグシーズ(N6−T2−1等)がある。天然物の水酸化マグネシウムの具体例としては、味の素ファインテクノ株式会社製のポリセーフシリーズ(MG−23等)、株式会社ファイマテック製のジュンマグシリーズ(C、CS、F等)がある。
上記金属水酸化物の表面は未処理の物を使用しても、表面処理を施した物を使用しても構わない。ただし、金属水酸化物の未処理表面は活性が高いため、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の酸変性樹脂(B)(カルボン酸変性体又はその無水物又はその誘導体)と反応し、増粘し樹脂劣化や分解、ゲルの発生や分散不良に繋がる場合がある。その時は、金属水酸化物の表面をステアリン酸等で適度な表面処理を施し活性を制御した物を用いることができる。同様に表面未処理の金属水酸化物やアミノシラン処理した金属水酸化物を使用する場合は、低グラフト量(0.4〜1.0wt%)の酸変性樹脂を用いるのが望ましい。
塩基を分子構造に持つフィラー(2)としては、好ましくはタルクのようなヒドロキシル基を分子構造に持つフィラーが挙げられる。
塩基性化合物で表面が覆われたフィラー(3)のベースとなるフィラーとしては、炭酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、シリカ、カーボン等の塩基官能基を持たないフィラーでもよい。上記ベースとなるフィラーの表面を覆う塩基性化合物としては、アミノシラン、シラノール等が挙げられる。
ベースとなるフィラーに対する塩基性化合物の表面処理量は、フィラーの表面を十分に覆う量であればよく、塩基性化合物の量をベースとなるフィラーの2〜3重量%以下に抑えるとよい。表面処理の最適量としては、フィラーの種類にもよるが、1重量%前後とするのが望ましい。
塩基性化合物の表面処理量が多すぎるとフィラーから遊離した塩基性化合物の量が多くなり、遊離した塩基性化合物と酸変性樹脂(B)が反応するため、引張り強度、耐熱性、耐摩耗性等の効果が十分得られないおそれがある。
上記成分(1)〜(3)のうち、金属水酸化物(1)は、それ自体に難燃性効果を持ち、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物がより高い難燃性を発現できることから、無機フィラー(C)は金属水酸化物(1)を含むと好ましい。
赤燐(D)の平均粒径(レーザー回折法における累積分布50%の粒径)は、1〜20μmであり、好ましくは5.0〜10.0μmである。平均粒径が1μm未満であると、混練機での分散が難しく、均一分散性に欠き、製品の物性低下や外観不良に繋がるおそれがある。一方、平均粒径が10μmを超える場合、分散は容易であるが、製品の引張り伸びや衝撃特性等の機械的特性の低下に繋がるおそれがある。
赤燐(D)の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して3〜21重量部である。赤燐(D)の添加量が3重量部未満の場合、製品が十分な難燃性を得ることができないおそれがある。一方、赤燐(D)の添加量が21重量部を超える場合、製品の伸び、引張り強度等の機械的特性を低下させるおそれがあり、製品の外観も損なうおそれがある。
赤燐(D)の赤燐分は好ましくは92重量%以上である。赤燐分が92重量%未満の場合、難燃レベルが低下するおそれがある。尚、赤燐(D)において、赤燐分を除く成分は、赤燐安定化のために必要な特殊樹脂等である。
赤燐(D)の具体的な例としては、燐化学工業株式会社製のノーバルエクセルシリーズ、日本化学工業株式会社製のヒシガードシリーズ等が挙がられる。
トリアジン系化合物(E)は、平均粒径(レーザー回折法における累積分布50%の粒径)が0.5〜15μmであり、好ましくは2.0〜6.0μmである。平均粒径が0.5μm未満であると、混練機での分散化が難しく、均一分散性に欠き、製品の物性低下や外観不良に繋がるおそれがある。一方、平均粒径が15μmを超える場合、耐摩耗性等の機械的特性の低下及び外観不良に繋がるおそれがある。
トリアジン系化合物(E)の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5〜25重量部である。トリアジン系化合物(E)の添加量が5重量部未満の場合、製品が十分な難燃性を得ることができないおそれがある。一方、トリアジン系化合物(E)の添加量が25重量部を超える場合、製品の伸び、引張り強度等の機械的特性を低下させるおそれがあり、製品の外観も損なうおそれがある。
トリアジン系化合物(E)は好ましくはメラミン誘導体である。メラミン誘導体は、好ましくはメラミンシアヌレート、ベンゾグアナミン、燐酸メラミン及びポリ燐酸メラミンからなる群から選択される1以上の化合物である。
トリアジン系化合物(E)は、分散性及び機械的特性の向上のため、脂肪酸等で表面処理されていると好ましい。
トリアジン系化合物(E)の具体的な例としては、日産化学工業株式会社製のMC6000、MC4000及びMC610、ブロモケム・ファーイースト株式会社製のFR−6120、堺化学工業株式会社製のMC−5S、MC−5F等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、さらに必要に応じ、酸化防止剤、耐熱老化剤、滑剤や金属不活性剤(銅害防止剤)等の添加剤及び着色顔料等を添加することができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形、押出成形(Tダイ成形)、プレス成形、射出成形、その他各種成形法により成形することができる。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られる成形品は、100μmの様な薄い厚みであっても不燃又は自消し、180℃雰囲気下でも収縮や著しい変形が起こらない。また、機械的特性(伸び、引張り強度)及び柔軟性に優れる特徴を有する。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
尚、各成分及び本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の特性の測定、並びに本発明のポリオレフィン系樹脂組成物及び成形品の評価は、以下のようにして行った。
(1)メルトフローレイト(MFR)
JIS K7210(1999)に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)常温キシレン可溶成分
ポリオレフィンの25℃におけるキシレン可溶成分量は、次のようにして求めた。まず、試料を5±0.05g精秤して1,000ミリリットルのナス型フラスコに入れ、さらにBHT(ジブチルヒドロキシトルエン、フェノール系酸化防止剤)1±0.05gを添加した後、回転子及びパラキシレン700±10ミリリットルを投入した。
次いで、ナス型フラスコに冷却器を取り付け、回転子を作動させながら、140±5℃のオイルバスでフラスコを120±30分間加熱して、試料をパラキシレンに溶解させた。
次に、1,000ミリリットルのビーカーにフラスコの内容物を注いだ後、ビーカー内の溶液をスターラーで攪拌しながら、室温(25℃)になるまで放冷(8時間以上)した後、析出物を金網でろ取した。ろ液を、さらに、ろ紙でろ過した後、3,000ミリリットルのビーカーに収容されたメタノール2,000±100ミリリットル中に注ぎ、この液を、室温(25℃)下、スターラーで攪拌しながら、2時間以上放置した。
次に、得られた析出物を金網でろ取した後、5時間以上風乾後、真空乾燥機で100±5℃で240〜270分間乾燥し、25℃におけるキシレン可溶成分を回収した。
25℃におけるキシレン可溶成分の含有量(x)は、試料重量をAg、回収したキシレン可溶成分の重量をCgとすれば、x(質量%)=100×C/Aで表される。
(3)酸変性樹脂のグラフト量
酸変性樹脂約2gを採取し、500mlの沸騰p−キシレンに完全に加熱溶解した。冷却後、1200mlのアセトン中に投入し、析出物を濾過、乾燥してポリー精製物を得た。熱プレスにより厚さ20μmのフィルムを作成した。この作成したフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、変性に用いた酸の特有の吸収から、変性に用いた酸のグラフト量を定量した。
尚、変性に用いた酸の特有の吸収は、無水マレイン酸であれば1780cm−1付近、メタクリル酸エステルであれば1730−1cm付近である。
(4)赤燐分
バナドモリブデン酸アンモニウム法を用いて測定した。
(5)垂直燃焼性
練込んだペレットをキャスト成形により0.1mm厚のフィルムを作製した。作製したフィルムから幅13mm×長さ65mmの短冊型サンプルを切り出し、サンプルを吊るした状態で下からライターで接炎し、不燃の場合は○、数秒で自消した場合は△、燃焼した場合は×として評価した。
(6)瞬間耐熱性
0.1mm厚のキャストフィルムから幅13mm×長さ65mmの短冊型フィルムを切り出し、これを評価サンプルとした。得られたフィルムを、高さ15mm幅25mmのアルミ製U字型治具に設置し(図2(a)参照)、両末端をテープ等で固定した状態で、特定の温度に設定した恒温槽中(温度条件:150℃、170℃、190℃)に30分間入れた後、放冷(23℃、50%RH)した。サンプルの評価方法としては、フィルムの初期幅をL、試験後の最少幅をLとし、収縮率(耐熱評価後のフィルム幅/評価前のフィルム幅)を100×L/L[%]と定義し、収縮率が60%を超える場合を合格とした(図2(b)参照)。
(7)引張り伸び率
JIS K7113に準拠し、測定した。尚、試験片は射出成形より作製したJIS2号 1/2縮小ダンベル試験片を用いた。試験条件は、試験速度25mm/min、チャック間40mmとした。
(8)引張り強度(引張り破断強度)
JIS K7113に準拠し、測定した。
(9)耐摩耗性
キャピログラフ(東洋精機製作所株式会社製)を用いて作製(成形温度:200℃、押出し速度:20mm/分、余熱時間:6分)したストランドをサンプル(Φ3mm,70mm)とした。ISO6722に準拠し、得られたサンプルを図3記載の装置を用いて、荷重(3N)をかけた状態で、ピアノ線を左右に動かし、サンプルの削れた量を測定した。測定条件は以下の通りである。
往行距離 :15mm
往行スピード:60rpm
往行回数 :600回
(10)フィルム外観
後述の方法で得られたフィルムを用い、幅13cm×20cm×厚さ0.1mmのフィルムあたり、ブツやピンホール(小さい孔)の有無を目視で、及び触った時の感触を以下の基準でそれぞれ評価し、フィルムを総合的に評価した。
[感触評価]
つるつるしている:良好
ざらざらしている:悪い
[外観評価]
ピンホール無し:良好
ピンホール有り:悪い
[総合評価]
感触及び外観の両方が良好:特に良好
外観のみが良好 :良好
外観が悪い :悪い
実施例及び比較例で使用したマレイン化TPO−I及びIIは、以下の方法で製造した。
混練機(TEX44α JSW製)のホッパーにTPO(R110M 株式会社プライムポリマー製 MFR=2.0g/10min 非晶部量=64.0重量%)を100重量部、無水マレイン酸(日本油脂株式会社製)を3.5重量部及び分解剤AD2(化薬アクゾ株式会社製)を1.5重量部投入し、サイドホッパーにブロックPP(J−783V 株式会社プライムポリマー製 MFR=12.0g/10min 非晶部量=11.0重量%)を45重量部投入して混練した。混練したTPOを冷却機で冷却し、ペレタイザーにてペレット化し、マレイン化TPO−Iを得た。尚、混練機の運転条件は、以下の通りである。
スクリュー回転数:450rpm
入口設定温度:40℃
出口設定温度:200℃
ホッパー吐出量:120kg/h
サイドホッパー吐出量:50kg/h
無水マレイン酸を1.48重量部、分解剤AD2を0.125重量部、ホッパー吐出量を112kg/h及びサイドホッパー吐出量を48kg/hとした他は、マレイン化TPO−Iの製造方法と同様に行い、マレイン化TPO−IIを得た。
実施例及び比較例で使用した成分は以下の通りである。
ベース樹脂:
プライムTPO R110E、プライムポリマー製、非晶部量(常温キシレン可溶成分):64.2重量%、MFR=1.5g/10min
ランダムPP F744NP、プライムポリマー製、エチレン量:4.2重量%、MFR=7.0g/10min
エチレン−オクテン共重合体(EOR) エンゲージ8842、ダウケミカル日本製、MFR=1.5g/10min
エチレン−酢酸ビニル共重合体 ウルトラセン634、東ソー製、酢酸ビニル含量:26%、MFR=4.3g/10min
酸変性樹脂:
マレイン化TPO−I MFR=28.0g/10min、グラフト量=1.4〜2.5wt%
マレイン化TPO−II MFR=12.4g/10min、グラフト量=0.4〜1.0wt%
難燃剤:
赤燐I ノーバエクセル140F、燐化学工業株式会社製、平均粒径:7μm、赤燐分:92%以上
赤燐II ノーバエクセル140、燐化学工業株式会社製、平均粒径:30μm、赤燐分:92%以上
メラミンシアヌレートI MC−4000、日産化学工業株式会社製、平均粒径:8μm
メラミンシアヌレートII MC−6000、日産化学工業株式会社製、平均粒径:4μm
メラミンシアヌレートIII MC−610、日産化学工業株式会社製、平均粒径:4μm、脂肪酸で表面処理されている
膨張性黒鉛 GREP−EG、株式会社鈴裕化学製、平均粒径:300μm
フィラー:
水酸化マグネシウムI キスマ5A、協和化学株式会社製、ステアリン酸で表面処理、平均粒径:0.6〜1.0μm
水酸化マグネシウムII キスマ5P、協和化学株式会社製、アミノシランで表面処理、平均粒径:0.6〜1.0μm
タルク JM−300、浅田製粉株式会社製、平均粒径:5μm
炭酸カルシウムI ホワイトンP−30、白石工業株式会社製、平均粒径:3μm、表面処理なし
炭酸カルシウムII SL−101、白石工業株式会社製、平均粒径:3μm、アミノシラン処理
実施例1
[樹脂組成物の調製]
軟質ポリプロピレン(プライムポリマー製:プライムTPO、R110E)が100重量部、マレイン化TPO−Iが25重量部、赤燐I(燐化学工業製:PP−3120)が5重量部、メラミンシアヌレートI(日産化学工業製:MC−4000)が9重量部及び水酸化マグネシウムI(協和化学製:キスマ5A)が42重量部となるようにして、これらをSuper−Floater:SFC−50(KAWATA MFG CO.LTD製)にて2分間プリブレンドした。
その後、異方向回転二軸押出機(NCM60、株式会社神戸製鋼所製)を用いて混練し、ウォーターバスで冷却し、ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットを熱風乾燥器にて、90℃で1日間乾燥し、樹脂組成物を得た。尚、二軸押出機の運転条件は、スクリュー回転数を600rpm、設定温度を200℃、吐出量を60kg/Hとした。
[フィルム成形]
得られた樹脂組成物を厚さ100μmのフィルム状に成形した。具体的には、20mmΦキャスト成形機(塚田樹機製作所製)にて設定温度をC1を200℃、C2を210℃、C3を220℃、Dを230℃にし、スクリュー回転数を1100rpm、冷却ロール回転数を4rpm(冷却温度:30℃)、引取りロール及び巻取りロール回転数を4rpmにして、フィルムの厚みが100μmとなるようにフィルムを成形した。
[試験片の作製]
キャスト成形で得た上記フィルムを、エアー式試料裁断機(株式会社ダンベル製)を使用して、幅13mm、縦65mm、厚さ0.1mmに打ち抜いた短冊状のフィルムを試験片とした。
得られたフィルムについて、上記各物性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2〜9及び比較例1〜12
表1及び表2に従って配合し、実施例1と同様に樹脂組成物及び成形品を得た。また、実施例1と同様にして、各物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2008101150
Figure 2008101150
本発明の樹脂組成物を成形してなる成形品は、自動車搭載用テープ、シート材、部品、工業用シート、シート材等の薄物品、家電材及び建材用途として好適である。
酸変性樹脂(B)、無機フィラー(C)及びポリオレフィン系樹脂(A)が擬似巨大分岐構造体を形成している本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の概念図である。 瞬間耐熱性の試験方法を示す図である。 耐摩耗性の試験方法を示す図である。
符号の説明
1 フィルム
2 アルミ製治具
3 固定用テープ
4 サンプル
5 ピアノ線
10 酸変性樹脂
12 酸基
20 無機フィラー
30 ポリオレフィン系樹脂

Claims (9)

  1. X群の成分(A)〜(E)を含み、前記無機フィラー(C)がY群の成分(1)〜(3)のうち、少なくとも1以上を含むポリオレフィン系樹脂組成物。
    [X群]
    (A)ポリオレフィン系樹脂:100重量部
    (B)酸変性樹脂:19〜57重量部
    (C)平均粒径が0.5〜10μmの無機フィラー:20〜63重量部
    (D)平均粒径が1〜20μmの赤燐:3〜21重量部
    (E)平均粒径が0.5〜15μmのトリアジン系化合物:5〜25重量部
    [Y群]
    (1)金属水酸化物
    (2)塩基を分子構造に持つフィラー
    (3)塩基性化合物で表面が覆われたフィラー
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kgで測定したメルトフローレイトが0.5〜50g/10分、及び常温キシレン可溶成分の割合が30〜90重量%である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 前記酸変性樹脂(B)が、
    JIS K7210に準拠して230℃、2.16Kgで測定したメルトフローレイトが0.5〜50g/10分、及び常温キシレン可溶成分の割合が30〜100重量%であるポリオレフィンを、
    無水カルボン酸、ジカルボン酸、又はモノカルボン酸で変性した酸変性樹脂である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 前記酸変性樹脂(B)のグラフト量が、0.1〜5.5wt%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 前記金属水酸化物(1)が、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 前記赤燐(D)の赤燐分が92%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 前記トリアジン系化合物(E)がメラミン誘導体である請求項1〜6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  8. 前記メラミン誘導体が、メラミンシアヌレート、ベンゾグアナミン、燐酸メラミン及びポリ燐酸メラミンからなる群から選択される1以上の化合物である請求項7に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて成形してなる成形品。
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